説明

アイマスク

【課題】 本発明は、マスク本体を一体成形で全体形状が円弧状とし、中央部の凹部を鼻に当接させ、組立が容易で安価とすることを目的とする。
【解決の手段】 本発明によるアイマスクは、全体形状が円弧状をなすと共に樹脂で一体成形された長手形状のマスク本体(1)と前記マスク本体(1)の中央に形成された凹部(4)と、前記凹部(4)の両側に形成され、複数の小孔(2)からなる第1、第2眼部(5、6)と前記マスク本体(1)の両側に蝶番(9)を介して設けられたつる部(10)とを備え、前記マスク本体(1)はその長手方向と直交する横断面形状がC字型をなす構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイマスクに関し、特に、全体形状が円弧状の長手形状をなし横断面形状でC字型をなす一体形状のマスク本体を用い、構造が簡単で組立を容易とするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種のアイマスクとしては、特許文献1にも示されているように、第1従来例として、偏平な柔軟材料で形成されたシート状のマスク本体を用い、全体形状が大形化していた。
また、他の第2従来例としては、各眼部のみをカップ状とし、各眼部を連結して各カップにつる部を接続していた。
【0003】
【特許文献1】特開2004−8736号公報
【特許文献2】実開平4−60223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のアイマスクは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、前述の第1従来構成においては、全体形状がシート状であるため、顔面を多く覆う状態となると共に、部品点数も多く、コストアップとなっていた。
また、全体がシート状であるため、遮光が困難であった。
また、第2従来例においては、2個のカップ状の眼部を用いることになり、連結部等の多くの部品を必要とした。
また、前述の各従来構成のアイマスクは、顔面への装着性が良好でなく、長時間の使用には不適であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるアイマスクは、全体形状が円弧状をなすと共に樹脂一体成形で、長手形状のマスク本体と、前記マスク本体の長手方向の中央位置に形成された凹部と、前記マスク本体の前記凹部の両側位置に形成され、複数の小孔からなる第1、第2眼部と、前記マスク本体の両端に蝶番を介して回動自在に設けられた一対のつる部とよりなり、前記マスク本体は、その長手方向と直交する横断面形状がC字型のC字型部をなす構成であり、また、前記マスク本体の裏面には、輪状縁部が形成され、前記輪状縁部の下部の一部に前記凹部が位置し、前記凹部(4)が鼻当部(12)を形成している構成であり、また、前記鼻当部には、遮光壁が立設して形成されている構成であり、また、前記輪状縁部の両側で前記マスク本体の内壁には、内方へ向けて突出する1個又は複数の遮光片が形成されている構成であり、また、前記各小孔は、断面でテーパ面からなる漏斗状部をなす構成であり、また、前記マスク本体は前記横断面形状のC字型部において、前記C字型部の中央部が最も肉厚が薄く、前記中央部の両側は徐々に前記中央部よりも肉厚となるように形成されている構成であり、また、前記各蝶番は、前記両端に形成された第1、第2柱部と前記各つる部の端部に形成され、前記第1、第2柱部と係合する第1、第2孔部と、よりなり、前記各柱部は互いにその直径が異なり、前記各孔部は互いにその孔径が異なる構成である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるアイマスクは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、請求項1のアイマスクの構成により、少ない面積で眼部全体を簡単に覆うことが出来、種々の顔面に対して、顔面の曲面と同じように、曲面凸形状をなし、内側は凹形状にして、ある程度の深さを有しているので自然な状態で瞬きが出来る構造にした。また自然な状態で顔面に沿うことが出来るので、顔面に対して装着感が良好である。
見る機能、ピンホール効果を最大限に得るために、暗室効果も有効に得られるようにした。
本発明は人間工学を有効に生かした構造、機能を有し、肉体的、精神的な不安定感を取り除き、精神的な安定感を得られるようにした。全体的に無駄を取り省き、さらに軽量化を図り、見る機能(ピンホール)を取り入れ、コンパクトな設計にして、長時間の使用に耐え得るようにした。
長時間にも、また精神的にも安定を得られ、疲労感も感じない、使い勝手に優れた製品に仕上げ、自然な状態で顔面に沿うので心地よい。さらにピンホール効果を最大限得るために、内面から光が洩れないように、遮光壁に工夫し、最大限の暗室効果が得られる構造にした。
従来よりなるアイマスクよりも軽量にするために一体成型で仕上げた。その為に経済的にも優れ、使用感も良好で、安心、安全に使用出来る優れた製品を得ることができる。
【0007】
また、請求項2から4のアイマスクの構成により、輪状縁部の中間に鼻当部を設け、鼻から本体がずれ落ちないようにした。また、鼻当部から光が洩れないように、ある程度の面積を要し、遮光性を高める構造になっている。
また、暗室効果を高めるために、本体の左右から光が洩れないように、左右の位置に複数個の遮光壁を設け、極力光の漏れが無いようにできる。
【0008】
また、請求項5及び6のアイマスクの構成により、本来輪状縁部の表壁の内面の上部の板厚を薄い肉厚にすることが、光学上不可欠である。そこで前記表壁内面の小孔を、全て漏斗状にすることで、限りなく小孔の周囲の肉厚が薄くなり、光の直線に対して、全ての小孔は真円に見える構成とすることができた。
また、請求項7のアイマスクの構成により、結合部が一定方向になり、組立をする時に、左右のつるの組立の誤りを防ぐにとが出来る。その結果、作業性の均一、製品の均一など、組立が簡便になり、熟練工が必要なく、製造コストの削減化を図ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、全体形状が円弧状の長手形状をなし横断面形状でC字型をなす一体形状のマスク本体を用い、構造が簡単で組立を容易としたアイマスクを提供することを目的とする。
【実施例】
【0010】
以下、図面と共に本発明によるアイマスクの好適な実施の形態について説明する。
図1から図3において符号1で示されるものは、全体形状が円弧状に曲折されて長手形状をなすと共に、樹脂一体成形で長手形状のマスク体であり、このマスク体1の長手方向の中央位置には、鼻が当接するための凹部4が形成され、この凹部4の両側位置には、複数の小孔2からなる第1、第2眼部5、6が形成されている。
前記マスク本体1の両端である第1、第2端部7、8には、蝶番9を介して一対のつる部10が開閉自在に接続されている。
【0011】
前記マスク本体1は、図4及び図5の断面に示されるように、長手方向と直交する横断面形状で深さDを有するC字型のC字型部30をなし、内面は凹形部1Bに形成され、表面は凸形部1Cに形成されている。
【0012】
前記マスク本体1の裏面には、輪状縁部11が形成され、この輪状縁部11の下部の一部に前記凹部4が位置し、前記凹部4が鼻当部12を形成し、この鼻当部12の上部が立設された遮光壁13を形成している。
この遮光壁13は、このマスク本体1の凹部4に鼻が当接した場合、この遮光部13によって外部からマスク本体1の裏面側に光が入光することを防止することができるように構成されている。
【0013】
前記マスク本体1の 内壁1aの両側には、内方へ向けて突出する1個又は複数の遮光片14が形成され、この各遮光片14の先端が顔面に当接して外部からの先が各眼部5、6の内側へ入らないように構成されている。
【0014】
前記各眼部5、6の各小孔2は、図5で示されるように、断面でテーパ面からなる漏斗状部20をなし、マスク本体1の裏面から表面にかけて孔形状が先細り状に形成されている。
【0015】
前記マスク本体1の各端部7、8には、各蝶番9を形成するための、互いに直径が異なる第1、第2柱部21、22が設けられ、この各柱部21、22に各つる部10の互いに孔径が異なる第1、第2孔部23、24が設けられ、各柱部21、22に各孔部23、24が回動自在に嵌まることによって各蝶番9が構成されている。
【0016】
前記マスク本体の横断面形状のC字型部30において、このC字型部30の中央部31が最も肉厚が薄く、この中央部31の両側は徐々にこの中央部31よりも肉厚となるように形成されている。
従って、この小孔2が形成されている中央部31の肉厚に極めて薄いため、顔面にマスク本体1を装着した場合に、小孔2が漏斗状であることにより、その小孔2の壁が目で見えにくく、真円として見ることができ、光の直線移動による真円以外として見えることを防止できる。
そのため、マスク本体1を装着した時の小孔2を経た外部の景色等も真円を経て見ることができる。
【0017】
また、前記蝶番9は、各柱部21、22の直径が異なり、各孔部23、24の孔径が異なるように構成されているため、マスク本体1に各つる部10を接続する場合、接続向き等を間違えることがなく、組立作業が極めて容易となる。
また、各つる部10には、複数の溝40が形成され、各溝40の何れかに図示しないストッパを選択的に取り付け、顔と耳の大きさに応じてストッパを移動させ、顔面へのアイマスクのマスク本体1の装着具合を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明によるアイマスクを示す正面図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1の裏面図である。
【図4】 図3のC−C断面図である。
【図5】 図3の断面図である。
【図6】 図1の平面図である。
【図7】 図6の右側面図である。
【図8】 図7のE−E部分の断面図である。
【図9】 図7のつる部を示す断面図である。
【図10】 図7の要部を示す側面図である。
【図11】 図6の斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 マスク本体
2 小孔
1a 内壁
4 凹部
1B 凹形部
1C 凸形部
10 つる部
5 第1眼部
6 第2眼部
7 第1端部
8 第2端部
9 蝶番
11 輪状縁部
12 鼻当部
13 遮光壁
14 遮光片
20 漏斗状部
21 第1柱部
22 第2柱部
30 C字型部
31 中央部
40 溝
23 第1孔部
24 第2孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体形状が円弧状をなすと共に、樹脂一体成型で長手形状のマスク本体(1)と、前記マスク本体(1)の長手方向の中央位置に形成された凹部(4)と、前記マスク本体(1)の前記凹部(4)の両側位置に形成され複数の小孔(2)からなる第一、第2眼部(5、6)と、前記マスク本体(1)の両端(7、8)に蝶番(9)を介して回動自在に設けられた一対のつる部(10)と、よりなり、前記マスク本体(1)は、その長手方向と直交する横断面形状がC字型のC字型部(30)をなすことを特徴とするアイマスク。
【請求項2】
前記マスク本体(1)の裏面には、輪状縁部(11)が形成され、前記輪状縁部(11)の下部の一部に前記凹部(4)が位置し、前記凹部(4)が鼻当部(12)を形成していることを特徴とする請求項1記載のアイマスク。
【請求項3】
前記鼻当部(12)には、遮光壁(13)が立設して形成されていることを特徴とする請求項2記載のアイマスク。
【請求項4】
前記輪状縁部(11)の両側で前記マスク本体(1)の内壁(1a)には、内方へ向けて突出する1個又は複数の遮光片(14)が形成されていることを特徴とする請求項2記載のアイマスク。
【請求項5】
前記各小孔(2)は、断面でテーパ面からなる漏斗状部(20)をなすことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のアイマスク。
【請求項6】
前記マスク本体(1)は、前記横断面形状のC字型部(30)において、前記C字型部(30)の中央部(31)が最も肉厚が薄く、前記中央部(31)の両側は徐々に前記中央部(31)よりも肉厚となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のアイマスク。
【請求項7】
前記各蝶番(9)は前記両端(7、8)に形成された第1、第2柱部(21、22)と、前記各つる部(10)の端部に形成され前記第1、第2柱部(21、22)と係合する第1、第2孔部(23、24)と、よりなり、前記各柱部(21、22)は互いにその直径が異なり、前記各孔部(23、24)は互いにその孔径が異なることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のアイマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−316(P2010−316A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183188(P2008−183188)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(595164316)株式会社名和里商事 (5)