説明

アイロナーベッド

熱媒体の通路5が間に設けられるように溶接によって2層に接合され、アイロナーローラー12〜15を部分的に包囲することができるように構成されている一対の金属プレート6、7を備えるアイロナーベッド。アイロンがけローラー12〜15に向かって面するプレート7は非合金鋼又は低合金鋼から作製され、アイロナーローラー12〜15とは反対側に面するプレート6は前者のプレートよりも薄いステンレス鋼のプレートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一対の金属プレートを備えるアイロナーベッドに関し、一対の金属プレートは熱媒体の通路が間に設けられるように溶接によって2層に接合されている。アイロナーベッドは、円筒形の凸状アイロナーローラーを少なくとも部分的に包囲することができるように構成される。本発明の最終目的は、好ましくは平坦な布を洗濯した後で乾燥及びアイロンがけするためにアイロナーベッドを回転アイロナーに一体化することである。
【背景技術】
【0002】
布のアイロンがけはローラーとアイロナーベッドとの間で達成され、布は、布とローラー、及び布とアイロナーベッドそれぞれの間の抗力の差によって駆動されて前へ引っ張られ、布が加熱されたアイロナーベッドの表面にわたって摺動し、かつローラーの表面に対しては静止していることによって、布についた(bound)水が加熱され蒸発すると共にローラーの穿孔を通して引き出される。
【0003】
ローラー及びアイロナーベッドは、まとめて「回転アイロナー」という用語で呼ばれ、回転アイロナーは、ローラー及びアイロナーベッドの最高数個の連続的に配置されているセクションからなり得る。ローラーは通常、穿孔表面を有し、水平軸を中心に回転する。通常、ローラーの表面には、内側にばねと外側にフェルトとが巻かれており、それによって、弾性の非摩耗ローラー表面が、ローラーの周りを包んでいると共にその表面の一部と接触するアイロナーベッドと接触することになる。通常、接触角は90度〜270度であり、アイロナーベッドは通常、蒸気又は伝熱油によって150℃〜240℃まで加熱される。
【0004】
上記構成の一例が例えば独国実用新案登録第202004015701号明細書から明らかである。
【0005】
アイロナーベッドの好ましい実施の形態によると、アイロナーベッドは、可撓性アイロナーベッドと呼ばれる薄いプレート構造から作製されることによって小さい半径方向の構造的剛性が達成され、したがって、動作温度、加熱媒体の圧力及びフェルトの摩耗状態に関係なく、アイロナーベッドでローラーの周りを包むこと、及びローラーのその時点の直径に適合させることが可能となる。
【0006】
対象となる種類のアイロナーベッドは、幾つかの必須の特性を有していなければならない。まず、アイロンがけ表面は平滑でなければならず、またフェルト又は衣服を汚してはならない。また熱媒体からアイロンがけ表面への良好な伝熱性が提供されなければならず、また最後に、アイロナーベッドは、主に蒸気に起因して生じる腐食攻撃に関して特定の長寿命を有しなければならず、そうでなければ、例えばEN12953−10のような現在承認されている規格に基づいて推奨される品質基準を満たさない。
【0007】
欧州特許第0573402号及び欧州特許第0855459号から、ボウル形のマングル及び上述した種類のアイロンがけベッドが既知であり、この場合は腐食の問題をなくす試みがなされている。この従来技術では、アイロンがけプレートはステンレス鋼から構成されているが、この場合、非合金鋼又は低合金鋼のアイロンがけ表面に比べて、通常は衣服に対しては発生しない深刻な汚れの問題が生じることが見出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、汚れを引き起こさず、良好な伝熱特性を有し、かなり小さい摩擦を示し、かつ腐食に対しても非常に耐性があるアイロナーベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、アイロナーローラーに向かって面しており、非合金又は低合金の鋼プレートである一方のプレートと、アイロナーローラーとは面しておらず、前者の一方のプレートよりも薄いステンレス鋼プレートである他方のプレートとによって達成される。
【0010】
プレートの材料とプレートの厚さとのこの組み合わせを正確に選択することによって、所望の特性が全て得られる。非合金又は低合金のプレートをアイロンがけプレートとして使用する場合、ステンレス鋼の対応するプレートの伝熱性と比較して得られる伝熱性が高まる。アイロンがけプロセス中、標準的なアイロンがけプロセスにおいて布がアイロンがけ表面にわたって容易に摺動するという表面テクスチャーが達成されるという理由から、非合金又は低合金のプレートは、大抵、該プレートが極めて好適であるアイロンがけ面として作用するために研磨されることができなければならない。アイロンがけする軌道と並行して研磨プロセスに付される表面テクスチャーが特に好ましく、これは、研磨によってプレート内に表面リザーバーとして働く極めて小さい孔又は跡(tracks)が生成されることに起因して減摩剤としてのワックスの使用が促されるためであり、この場合、ワックスは、プレートに付着することができ、したがって衣服がアイロンがけ面上で容易に摺動することを可能にするのに望ましい膜を形成する。これは、ステンレス鋼のプレートを用いる対応する構成と比較して驚くべき差異があり、この理由は、当業者が従来、ステンレス鋼の表面が常に平滑であることによって恩恵を受けようと努めていたが、平滑であることは、上記孔がないこと(ワックスの分散された膜を形成することができず、したがって摩擦が増えることを意味する)に起因してあまり好ましくないためである。このように機械加工された非合金又は低合金材料のプレートは、衣服に汚れを引き起こさない。
【0011】
ステンレス鋼プレートは、薄プレート(ディンプルプレートとも称される)の成形に関して有利である卓越した延性を有し、腐食しにくく、したがってこれは非合金又は低合金のプレートよりも薄く作製されるために特に好ましい。そのためこのことは、熱媒体用に設けられる通路システムが通常、プレート間に高い液体圧力を設定し、それによって最薄のプレート(本発明によるとステンレスプレート)が引き伸ばされて熱伝達通路システムを画定することによって作製されるため、重要な利点を提供する。また、プレートが薄いほど、流れ通路が良好に形成される。
【0012】
好ましい実施の形態によると、アイロンがけ面はフェライト鋼からなる(comprises)が、ディンプルプレートはオーステナイト鋼からなる。可能な種類のディンプルプレート材料としては、Cr−Ni、Cr−Ni−Mo、Cr−Ni−Mn−Mo、又は二相鋼が含まれる。
【0013】
2つのプレートは、様々な方法で、通常は溶接によって接合することができるが、互いに対して他の方法で固定してもよい。溶接に関しては、アーク溶接、点溶接、又はレーザー溶接が例示的な方法であり、溶接はフィラー材料を用いて行ってもよく又は用いずに行ってもよい。接合を他の方法、例えばはんだ付け又は接着によって行うという選択肢もある。
【0014】
上記の2つの欧州での開示から分かるように、耐食性という問題を解決するために当業者が真っ先に頼る解決策は、アイロナーベッド自体にステンレス鋼のプレートを使用することである。フェライトプレートを比較的より厚いアイロンがけプレートとして使用し、オーステナイトプレートを比較的より薄いプレート、いわゆるディンプルプレートとして使用するように、オーステナイトプレートとフェライトプレートとを組み合わせることによって、所望の利点が全て達成される。耐食性のアイロナーベッドを達成することが望ましい場合、先入観を克服して耐食性のディンプルプレートと組み合わせて非耐食性のアイロンがけプレートを正確に選択することが考えられ得る。特に、フィラー材料を用いずに接合を行う場合は、これは好ましい実施の形態に関して当てはまる浸透レーザー溶接を用いるケースである。
【0015】
通常、アイロンがけローラーはフェライト鋼又は低合金鋼から作製されるが、欧州特許第0855459号に開示されている従来技術に示されているような耐食性アイロナーベッドを得るために、アイロナーベッドにステンレス鋼を用いる場合には、アイロンがけローラーの鋼表面とローラーの巻線との間に構成されるばねが電解腐食に曝されることになり、巻線は高温多湿の場合に電解質として作用する。この欠点も本発明によって回避される。
【0016】
最後に、本発明は、非合金又は低合金のアイロンがけプレートが、ヒートチャンバー内部の溶接領域においてより薄いステンレスディンプルプレートの陰極防食をもたらすという利点と関連し、これは、特定の予測可能な望ましくない動作条件における蒸気の場合であり得る、両方のプレートが塩化物含有環境にあるステンレスであったというシナリオと比較してより好ましい。
【0017】
ここで、図面を参照しながら複数の実施形態の以下の説明を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】回転アイロナー及びその関連するアイロナーベッドを示す。
【図2】アイロナーベッドの平面セクションを外側から見て示す。
【図3】理論上の動作シナリオにおける、抵抗溶接アイロナーベッド及び巻線を有する関連するアイロナーローラーの断面図である。
【図4】ブロー成形前に穴を有するように構成されているレーザー溶接アイロナーベッドの断面図である。
【図5】フィラー材料を用いて溶接されるアイロナーベッドの断面図である。
【図6】アイロナーベッドの断面図であり、ディンプルプレートが、フィラー材料を用いた溶接を行う前に穴を有するように成形及び構成されている。
【図7】アイロナーベッドの断面図であり、ディンプルプレートが、アイロンがけプレートにはんだ付けされる前に穴を有するように成形及び構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、一例として、アイロナーローラーに向かって面するフェライトプレートと、アイロナーローラーとは反対側に面する(faces away from)オーステナイトプレートとを言及する。上記種類のプレート材料も同様に用いることができることが理解されるであろう。
【0020】
図1は、入口3及び出口4を有するアイロナーベッド2に対して矢印Pによって示される方向に回転することができるアイロンがけローラー1を備える、回転アイロナーの半径方向断面図を示す。好ましくは、アイロナーベッドは可撓性であり、所定の力によって押圧されてアイロンがけローラーと当接する。そのようなアイロナーベッドは、可撓性アイロナーベッドと呼ばれる。アイロンがけされる衣服は、図示されていないコンベヤーベルトによって入口3において導入されて出口4において排出される。衣服は、アイロンがけローラー1とアイロナーベッド2との間に位置する間、アイロナーベッドによって加熱され、衣服の水分がアイロンがけローラー1の表面にある多数の小さい穴を通って蒸発するようにする。アイロナーベッド2は、全体的に5で示されるヒートチャンバーを有する。このヒートチャンバーは、いわゆるディンプルプレート6と、アイロンがけローラーに向かって面するアイロンがけ面8であるアイロンがけプレート7との間に画定される。図1は、通常は蒸気であるが、何らかの他の熱伝達流体、例えば熱水又は伝熱油であってもよい熱媒体の供給管9、10も示す。熱媒体が飽和蒸気である場合、生成される復水がアイロナーベッドの底部11において排出される。ヒートチャンバー5の提供は以下の図面からより明らかになる。
【0021】
図2及び図3に関して、まず、そのようなアイロナーベッドが通常はどのように作製されるのかを記載する。
【0022】
図2は、図1によるアイロナーベッド2の表面の一セクションを外側から見て示す。図2では、アイロナーベッドはその平面的な状態に開かれているが、現実的なシナリオでは、アイロナーベッドの2つのプレートが接合されて平面になり、その後、このように作られたサンドイッチ構成がロール巻きにされて図1から分かるようなその湾曲した形状になる。図3は、平面的なアイロナーベッドの、図2の線E−Eに沿った断面を示す。ここでもまた、図1からのアイロンがけプレート7、アイロンがけ面8、ヒートチャンバー5及びディンプルプレート6が分かる。
【0023】
図3は、アイロナーベッド及びアイロナーローラー1の、2つの軸方向断面E−E及びF−Fをそれぞれ示す。ローラープレート12からなるローラーの最内部が複数の穴13を有することが分かり、複数の穴13を通ってアイロンがけされる布から蒸発した水が吸い出され得る。ローラー12には、大抵の場合に、ばね14からなる弾性巻線と、ばね14の上部の2層のフェルトとが取り付けられる。さらに、アイロンがけされる衣服16のアイテムが示されており、アイロンがけプレート7とフェルト15との間にきつく挟まれている。
【0024】
アイロナーベッドを製造するさらなる既知の方法を利用可能である。最も一般的に使用される方法は、比較的厚いプレート(可能性としてはアイロンがけプレート)の上部に配置される、平面的で比較的薄いプレート(可能性としてはディンプルプレート)から開始し、次いでこれらのプレートを、複数の可能な方法のうちの1つによって接合することである。最も多くは、ディンプルプレート6とアイロナープレート7との間に、例えば図2に示すようなパターンで溶接を行う。まず、溶接の継目はアイロナーベッドの軸方向縁に沿う長手方向に延在する継目S1、S2を有し、多数の溶接点P1、P2…PNが設けられる。溶接点P1及びP2は図3に示されている。全ての溶接部が作られると、溶接部P1、P2…PN間でディンプルプレートが膨出するような高圧で、ディンプルプレートとアイロンがけプレートとの間に圧力媒体を導入し、それによってヒートチャンバー5が設けられる。ヒートチャンバー5は、供給管9、10から出口11への熱媒体の流れを制御する目的で異なるパターンで設けられ、その結果、動作時に、アイロナーベッドが可能な最も均一な温度分布を得る。温度分布をさらに制御するために、それ自体が既知の方法で溶接の継目S3、S4をさらに導入することが可能である。流れを方向付ける別の方法は、溶接部間の点の距離d1及びd2をそれぞれ変えることによる、アーチ状部分の盛り上がり(arch rise)h1及びh2のそれぞれの変化、したがって流れ断面の変化によって達成することができ、これは図2、及び図3のそれぞれ2つの断面E及びFで示されている。
【0025】
図3は、網掛けによって、点溶接である点P2の溶接部を示す。長手方向に延在する溶接の継目S1及びS2は好ましくは、連続的なローラー溶接によって作られる。
【0026】
次に、平面的なアイロナーベッドをアイロナーローラー1の周りに適合するように巻き付けることができるが、他の既知の方法も存在する。ディンプルプレートの成形は、好ましくは巻き付けた後でブロー成形によって達成されるが、接合する前にディンプルプレートをエンボス加工し、ディンプルプレートが溶接によってアイロンがけプレートに接合される前にヒートチャンバーが既に設けられているようにすることも可能である。また、溶接方法は異なり得る(図4及び図5を参照)。
【0027】
本開示はこれまでのところ従来技術を含むが、本発明は、ディンプルプレート及びアイロンがけプレートの材料の選択に関するものである。したがって、本発明は、アイロナーベッドを接合及び/又は巻付ける方法に限定されない。本発明は、より厚い、あまり耐食性ではないアイロンがけプレートと組み合わせた比較的耐食性のディンプルプレートの選択に専ら関する。
【0028】
本明細書の導入部において、ステンレス鋼及び非ステンレス鋼の使用について既知であることを既に記載した。これまでになされた試みとは対照的に、本発明は、ディンプルプレートよりも比較的さびやすい(less stainless)アイロンがけプレートによって、アイロナーベッドをよりさびないものとすることに関する。ディンプルプレートの引き伸ばしを可能にするために、それはアイロンがけプレートよりも変形するのがはるかに容易でなければならず、これは、実際に、アイロンがけプレートがディンプルプレートよりも厚いことを意味する。これは、アイロンがけプレートにおける熱の均一な分布に関しても特に都合が良い。したがって、本発明は、アイロンがけプレートが比較的厚いことによって、アイロンがけプレートを特にさびないものとして選択する必要がなく、一方で比較的薄いディンプルプレートをさびない材料として選択するという発見に基づく。追加の利点は、フェライト鋼のアイロンがけプレートがステンレス鋼のアイロンがけプレートよりも良好な摺動特性を有するというよく知られた状況である。また、溶接部における腐食攻撃が、母材と熱影響部(HAZ)との間の粒界において、より厚い低合金プレートに向かう方向へ低合金プレート又は非合金プレートに対して直角に広がる傾向があると見出されたことは本発明のさらなる驚くべき利点である。これは、剛性の寄与が、薄いプレートの厚さからなる部分からプレート自体の幅からなる部分まで、実際には無限に剛性である自由縁を閉じるまで変化することを意味する。これは、プレートが曲がっている場合に媒体からの圧力がクラックを開くことを防止する(ある場合)。さらに、2つの材料間の熱膨張係数の差が、構成材料の特性及び製造方法の結果として全ての溶接部の周りに生じるノッチを閉じようとする曲げモーメントを引き起こす。このように、フェライト低合金又は非合金鋼のアイロナーベッドから分かる優れた滑動特性を有する耐食性アイロナーベッドを達成することができる。
【0029】
図4はレーザー溶接アイロナーベッドを示し、この場合、溶接部(weld)の耐久性及びディンプルプレートの引き伸ばし中の圧力に従うようになっている直径を有する円に沿ってレーザー溶接部P1、P2が作られる。レーザー溶接部S1及びS2が縁に沿って設けられる。レーザー溶接は、薄い方のプレートの側から行うのが好ましい。
【0030】
図5は、フィラー材料を用いることができるさらなる溶接方法を示す。溶接前に、複数の穴をディンプルプレートに設け、続いて穴あけ部の縁に沿ってフィラー材料を用いて溶接部P1、P2及びS2を達成することができる。
【0031】
したがって、多数の溶接方法を利用可能であり、ヒートチャンバーを設けるためのアイロナーベッドの引き伸ばし/エンボス加工の順序に関しても幾つかの選択肢を利用可能である。
【0032】
図6は、図5の溶接部P1、P2に対応する溶接部P1、P2を施すために同時に複数の穴を作りながら、ディンプルプレート17を最初にエンボス加工して所望の形状にする方法を示す。したがって、溶接部P1、P2は、ディンプルプレート17が成形されるまで達成されない。上記教示によると、溶接部S1は縁に沿って作られる。
【0033】
図7は、同様にアイロンがけプレートに固定する前に作製されるディンプルプレート18を示す。ディンプルプレート18の成形は、ディンプルプレート18が、縁L3においてはんだ付け部L1、L2によってアイロンがけプレート19上にはんだ付けされるのに好適であるように行われる。
【0034】
ここで最後に、本発明によるプレートの組み合わせの選択に関連する利点をまとめる。
【0035】
ステンレス鋼の比較的重厚なアイロンがけプレートは以下の有利な特性を有する。
製造時及び動作時の両方で軸方向に寸法安定性が得られるようなより剛性の構造、
改善された熱分布が達成されるようなより重厚な要素の厚さ、
アイロンがけ面上の良好な摩擦特性、
ディンプルプレートの陰極防食、
圧力及び温度に起因する攻撃前線が(ある場合)、より厚いプレートに向かってそらされるため攻撃前線に関して安定化する。ここで、モーメント荷重が厚い面に対して垂直にではなく該面の平面内で圧力応力を伴う。
【0036】
比較的より薄いディンプルプレートは、以下の有利な特性を有する。
熱の通路を形成する高い延性、
攻撃的な酸素含有蒸気環境における腐食しにくさ、
外部源からの攻撃に対する陰極防食(ある場合)、
製造プロセスにおけるドウェル時間に関して危機的でない(Non-critical)。
【0037】
2つの材料の組み合わせは、以下の有利な特性を有する。
熱膨張係数の差によってノッチ先端を閉じようとする溶接部の周りの圧力差が生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイロナーローラーを部分的に包囲することができるように成形されるアイロナーベッドであって、熱媒体の通路が間に設けられるように溶接によって2層に接合されている一対の金属プレートを備え、
前記アイロンがけローラーに向かって面する一方のプレートは非合金鋼又は低合金鋼のプレートであり、前記アイロナーローラーとは反対側に面する第2のプレートは前者の前記一方のプレートよりも薄いステンレス鋼プレートであることを特徴とする、アイロナーベッド。
【請求項2】
前記一方のプレートはフェライト鋼からなることを特徴とする、請求項1に記載のアイロナーベッド。
【請求項3】
前記第2のプレートは二相鋼からなることを特徴とする、請求項1に記載のアイロナーベッド。
【請求項4】
前記第2のプレートはオーステナイト鋼からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアイロナーベッド。
【請求項5】
前記第2のプレートは、Cr−Ni、Cr−Ni−Mo、又はCr−Ni−Mn−Mo鋼である種類のステンレス鋼からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアイロナーベッド。
【請求項6】
前記一方のプレートは前記第2のプレートよりも約3倍厚いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。
【請求項7】
前記一方のプレートの要素の厚さは3mm〜10mmであり、前記第2のプレートの要素の厚さは0.7mm〜3mmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。
【請求項8】
前記プレートは抵抗溶接によって接合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。
【請求項9】
前記プレートはレーザー溶接によって接合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。
【請求項10】
前記プレートはフィラー材料を用いて接合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。
【請求項11】
前記熱媒体の通路は、前記プレートを溶接によって接合した後で設けられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。
【請求項12】
前記薄いプレートは、前記溶接を行う前に前記熱媒体の通路のパターンでエンボス加工されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のアイロナーベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−504433(P2012−504433A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529449(P2011−529449)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050261
【国際公開番号】WO2010/037401
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511084027)
【Fターム(参考)】