説明

アウトバウンド・マーケティングシステムおよびアウトバウンド・マーケティング方法

【課題】同一システム上にてEメールや電話等、異なるメディアによるアウトバウンド・マーケティングを実行することが可能なアウトバウンド・マーケティングシステムおよびアウトバウンド・マーケティング方法を提供する。
【解決手段】公衆ネットワーク10に接続されたメールサーバ1と、公衆電話網20に接続されたPBX3とを有し、顧客のアクセスログを収集するためのアウトバウンドメール送信と、アクセスログを基に付与した顧客毎の購入見込みを示す効果判定ポイントを基に、購入見込みが高いと思われる顧客に対してアウトバウンドコール発信と、の両方を、端末5の操作を介して同一システム上にて行う

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に対してEメールや電話等によりプロモーション活動を行うアウトバウンド・マーケティングシステムおよびアウトバウンド・マーケティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、特定の商品やサービスの販売や、イベントの参加者募集等を、インターネットのWebサイト上にて行うことが一般的となっている。このようなWebサイトを開設するだけではなく、Webサイトを閲覧するインターネットユーザに対して、積極的に働きかけ、販売促進あるいは参加促進を行いたい、と言う要望がある。
このように、商品やサービスを提供する側、あるいはイベントを開催する側が積極的に顧客に対して働きかける手法の一形態として、アウトバウンド・マーケティングと呼ばれる手法がある。アウトバウンド・マーケティングとは、商品販売やサービス提供、イベント開催を行う企業等が、電話やEメール等により顧客に直接コンタクトをとり、商品やサービスの売り込み、あるいはイベントへの参加募集を行う、という手法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アウトバウンド・マーケティングを実行するために、企業は、まずコンタクトをとる顧客の連絡先を入手する必要がある。
顧客連絡先の入手方法としては、例えば、インターネットや雑誌等でアンケートやキャンペーンを行い入手する方法や、過去に自社等の商品に対して問い合わせや購入を行った顧客をリスト化する方法等が挙げられる。
【0004】
アウトバウンド・マーケティングでは、企業等はこのようにして入手した顧客リストに記載された顧客に対してそれぞれ個別に電話やEメール等、様々な媒体によりコンタクトをとり、販売促進あるいは参加募集活動を行うことになる。
【0005】
これら様々な媒体を使用してアウトバウンド・マーケティングを実行する場合、例えばEメールの場合はインターネット、電話の場合は公衆電話網のように、それぞれ利用しているシステムが異なるため、複数の媒体を一括して管理し、統合的にプロモーション活動を行うことは大変難しく、また多大な労力やコストが必要となる、という不利益がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、同一システム上にてEメールや電話等、異なるメディアによるアウトバウンド・マーケティングを実行することが可能なアウトバウンド・マーケティングシステムおよびアウトバウンド・マーケティング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した不利益を解決するために、第1の発明のアウトバウンド・マーケティングシステムは、所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスと電話番号とを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、前記Webサイト内における顧客毎のアクセスログを記憶する第3のデータベースと、ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するWebサーバと、前記ネットワークに接続されたメールサーバと、公衆電話網に接続された構内交換機と、を有し、前記メールサーバは、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し、前記Webサーバは、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎のアクセスログとして前記第3のデータベースに記憶し、前記Webサーバは、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎のアクセスログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した効果判定ポイントが所定の値以上である顧客を抽出し、前記構内交換機は、前記抽出された、前記効果判定ポイントが所定の値以上である顧客に対して、電話をかける。
【0008】
第2の発明のアウトバウンド・マーケティング方法は、所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスと電話番号とを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、前記Webサイト内における顧客毎のアクセスログを記憶する第3のデータベースと、ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するWebサーバと、前記ネットワークに接続されたメールサーバと、公衆電話網に接続された構内交換機と、を有するアウトバウンド・マーケティングシステムのアウトバウンド・マーケティング方法であって、前記メールサーバが、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信するステップと、前記Webサーバが、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎のアクセスログとして前記第3のデータベースに記憶するステップと、前記Webサーバが、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎のアクセスログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した効果判定ポイントが所定の値以上である顧客を抽出するステップと、前記構内交換機が、前記抽出された、前記効果判定ポイントが所定の値以上である顧客に対して、電話をかけるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
同一システム上にてEメールや電話等、異なるメディアによるアウトバウンド・マーケティングを実行することが可能なアウトバウンド・マーケティングシステムおよびアウトバウンド・マーケティング方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、プロモーションシステムの構成例について説明するための図である。
【図2】図2は、端末の構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、アウトバウンド・マーケティングによりプロモーション活動を行う際のプロモーションシステムの動作例について説明するための図である。
【図4】図4は、アウトバウンドメールの作成時に端末の表示部に表示される画面表示の一例を示す図である。
【図5】図5は、顧客がオンライン販売店のWebサイトに訪れた場合のプロモーションシステムの動作例について説明するための図である。
【図6】図6は、効果判定ポイントが高い顧客を抽出する処理について説明するための図である。
【図7】図7は、抽出した購入見込みリスト内の顧客に対し、電話によるプロモーション活動を行う際のプロモーションシステムの動作例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下では、本発明の1つの実施形態として、企業が、ある商品に関するWebサイトを開設し、当該サイト内で商品のオンライン販売を行う場合について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のプロモーションシステム100の構成例について説明するための図である。
図1に示すように、プロモーションシステム100は、メールサーバ1、Webサーバ2、PBX(構内交換機)3、データベース(DB)4、端末5を有する。
また、さらにDB4は、WebデータDB41、顧客DB42、アクセスログDB43、効果判定ポイントDB44を有する。
【0013】
図2は、端末5の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、端末1は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)等の表示部51、マウスやキーボード等の操作部52、スキャナ等の入力部53、プリンタ等の出力部54、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部55等により構成される。
【0014】
メールサーバ1およびWebサーバ2は、インターネット等の公衆ネットワーク10に接続される。
PBX3は、公衆電話網20に接続される。
【0015】
このようなプロモーションシステム100において、企業のオペレータが、端末5を使用して、オンライン販売店のWebサイトのWebページデータの生成および編集を行う。これにより、オンライン販売店のWebサイトが公衆ネットワーク10上に開設され、そのデザインやページ構成等の編集を行うことができる。また、WebサイトのWebページデータは、WebデータDB41に記憶される。
【0016】
オンライン販売店のWebサイトは、一般的には、例えばトップページと呼ばれる出入り口の役割を果たすページ、取り扱う商品やサービスの紹介ページ、商品やサービスの検索ページ、特価商品やサービスのページ、会員登録のページ、会員限定のページ、特定の商品やサービスのアピールを行うためのイベントページ等、複数のWebページにて構成される。これらのページには互いにリンクが貼られており、無条件に、あるいは特定の条件(IDおよびパスワード等)を満たした場合のみページ間を移動することができるような設定が可能である。これらの設定は、企業のオペレータが端末5を介して行うことができ、設定データはDB4のWebデータDB41に記憶される。
【0017】
ところで、上述したようなオンライン販売店を公衆ネットワーク10上に開設しても、開設当初は、多くのネットワークユーザはそのオンライン販売店の存在を知らず、オンライン販売店を訪れる顧客は存在しない。このため、検索サイトに登録したり、Web広告を依頼したりする等、プロモーション活動を行うことになる。
以下では、このようなオンライン販売店において、企業がプロモーション活動を行う場合のプロモーションシステム100の動作例について説明する。
【0018】
以下では、プロモーション活動として、オンライン販売店の顧客となりそうなネットワークユーザのリストを何らかの手段で入手し、直接リストのユーザに対してコンタクトをとるアウトバウンド・マーケティングの手法を使用する。
なお、上述した何らかの手段については、本実施形態では特に限定しない。例えば、オンライン販売店に訪れた顧客から直接Eメールアドレス等の情報を集め、リストを作成しても良いし、他のサイトに広告やアンケート等を配置し、それを見てアクセスしてきたネットワークユーザの連絡先を集めるようにしても良い。
このように入手された顧客候補の連絡先のリストは、DB4の顧客DB42に記憶される。
すなわち、顧客DB42は、各顧客の連絡先(メールアドレスや電話番号等)等の情報を記憶する。
【0019】
図3は、アウトバウンド・マーケティングによりプロモーション活動を行う際のプロモーションシステム100の動作例について説明するための図である。
【0020】
ステップST1:
端末5は、企業のオペレータの操作に応じて、アウトバウンド・マーケティングのためのEメール(以下、アウトバウンドメールと称する)を作成する。
図4に、アウトバウンドメールの作成時に端末5の表示部51に表示される画面表示の一例を示す。
図4に示すように、アウトバウンドメールの作成時には、表示部51にアウトバウンドメール作成画面200が表示される。
本文編集欄201は、アウトバウンドメールの本文を編集するための欄である。
オペレータは、本文編集欄201にてアウトバウンドメールの編集を行う。
【0021】
アウトバウンドメールの内容としては、例えば、特定の商品の紹介文や、紹介する商品の詳細について説明したWebページのURI(Uniform Resource Identifier)等が挙げられる。
ここで、本実施形態では、アウトバウンドメールに記載するWebページのURIに、顧客毎に固有の顧客ID(顧客毎に予め与えた番号や文字列等)等を含める。顧客毎に固有の顧客IDを含むURIは、例えば、顧客毎に異なる内容のWebページへのリンクである。
【0022】
ステップST2:
端末5は、ステップST1にて作成したアウトバウンドメールを、顧客DB42に記憶された顧客の連絡先に対して送信する。
【0023】
次に、アウトバウンドメールを受信した顧客や、その他の顧客(例えば検索サイトにてオンライン販売店にて扱う商品を検索した顧客や、Web広告を見た顧客等)がオンライン販売店に実際に訪れた場合のプロモーションシステム100の動作例について説明する。
図5は、顧客がオンライン販売店のWebサイトに訪れた場合のプロモーションシステム100の動作例について説明するための図である。
【0024】
ステップST3:
Webサーバ2は、WebデータDB41から顧客が公衆ネットワーク10を介して要求してきたWebデータを読み出し、送信する。
ステップST4:
Webサーバ2は、顧客がオンライン販売店のWebサイトのどのページにアクセスしたか(どのページへのアクセスを要求したか)を記録するアクセスログを顧客毎に作成し、アクセスログDB43に記憶する。
【0025】
ステップST4において、顧客毎のアクセスログは以下のようにして作成する。
上述したように、ステップST2において顧客に送信されたアウトバウンドメールには、顧客毎に固有の顧客IDを文字列として含むURIが記載されている。このURIは、顧客毎に異なる内容のWebページへのリンク情報である。
このアウトバウンドメールに含まれるリンクを、アウトバウンドメールを受信した顧客が辿ると、顧客の使用するコンピュータが、公衆ネットワーク10を介してWebサーバ2に対してリンク先URIのWebページのWebデータを要求する。
Webサーバ2は、顧客のコンピュータからこのような要求を受けると、要求されたWebページのデータを送信するとともに、顧客のコンピュータからリクエストされたURIに含まれる顧客IDと、URIの示すWebページとを記録して、顧客がどのWebページにアクセスしたかを記録するアクセスログを生成する。
【0026】
また、アクセスログには、各Webページにおける、リンクを辿る以外の顧客の行動(例えば、商品購入ボタンを押した、商品についての質問フォームに質問を記入した、等)についても含めて記録しても良い。Webサーバ2が作成したアクセスログは、DB4のアクセスログDB43に記憶する。
【0027】
すなわち、アクセスログには、どの顧客がオンライン販売店のWebサイト内のどのページを閲覧したか、および、各ページにおいてどのような行動をしたか、が逐一記録される。したがって、アクセスログには、その顧客がどのような商品についてのページを閲覧し、どのような商品を購入したか、あるいはどのような商品を購入しそうになった(例えば、商品購入ページにおいて商品購入ボタンを押したが、購入意思の最終確認ページにおいて最終確認時に購入決定ボタンを押さなかった、等)か、の情報が記録されることになる。
【0028】
アウトバウンドメールに含まれる、顧客毎に固有の顧客IDを含むURIのリンクを辿ると辿り着くWebページは、上述したように顧客毎に異なるWebページを予め企業が作成しておけば良い。Webページの内容は、例えば各当該顧客のアクセスログを基に、その顧客がどのような商品に興味を抱いているか等、を分析し、分析結果を基に顧客が興味を抱きそうな商品についてであればよい。
このように、アウトバウンドメールに記載されたリンクを顧客が辿ることにより、そのWebページへのアクセスログがWebサーバ2において得られ、そこからオンライン販売店のサイト内の各ページにおいて、ユーザがどのような行動をしたかについての情報を抽出することができる。
【0029】
なお、ここでは顧客毎に異なるWebページを作成し、アウトバウンドメールに作成したWebページへのリンクを記載する例について説明したが、本発明はこれには限定されない。すなわち、全ての顧客に対して同じWebページ(例えばおすすめ商品の詳細ページ等)へのリンクの記載されたアウトバウンドメールを送信しても良い。ただし、この場合でも、リンクのURIに顧客IDを文字列として含ませておき、顧客が当該ページにアクセスしてきた時に、そのログを収集できるようにすれば良い。
【0030】
また、ここではアウトバウンドメールに顧客毎に固有の顧客IDを含むURIのリンクを記載する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、例えば、顧客ID以外にも、リンク先のWebページにおいて特定商品の紹介や割引セール等のイベントを行う場合には、そのイベントに対応したイベントIDを含むようにしても良い。
URIにイベントIDが含まれる場合は、そのURIは特定の商品の紹介を行うページや、特売のページ、限定品のページ等、何らかのイベントを行うページであるため、Webサーバ2はイベントIDも含めてアクセスログを作成すればよい。
【0031】
ステップST5:
Webサーバ2は、ステップST4において作成した顧客毎のアクセスログを基に、顧客の各行動に対してポイントを付与する。本実施形態では、顧客の行動に対して付与するポイントのことを、例えば効果判定ポイントと称する。
効果判定ポイントは、各顧客がどの程度オンライン販売店に対して利益をもたらす(購入を行う)見込みが高いか、を判定するために顧客に付与するポイントである。効果判定ポイントは、オンライン販売店のサイト内における行動のそれぞれに対応した所定のポイントを予め設定しておき、アクセスログを参照して顧客の行動の全てにポイントを付与し、合算したものである。
【0032】
顧客の各行動に応じて付与するポイントは、例えば以下のように設定する。
まず、アウトバウンドメールに記載された、顧客毎に異なるWebページのリンクを顧客が辿ると、当該顧客に所定のポイントを付与する。当該Webページは、例えば当該顧客の過去のアクセスログを基に作成されたものであるため、当該顧客の興味を引きそうな商品の紹介や、類似商品へのリンク等を含んでいる。このようなWebページ内のリンクを辿ると、その度にその顧客には所定の効果判定ポイントが加算される。そして、最終的に顧客が商品の購入ページにおいて購入ボタンを押したり、購入完了の確認ページ等に進み最終確認時に購入決定のボタンを押したりすると、より多くのポイントが付与されるようになっている。
【0033】
効果判定ポイントは顧客が商品の購入を行う見込みが高いか否かを示すためのものであるため、商品の購入ページまで進んだ顧客には、(購入の最終確認が行われていなくても)多くのポイントを付与し、さらに商品購入の確認ページにおいて最終確認時に購入決定のボタンを押した顧客には、さらに多くのポイントを付与する。
すなわち、各ページにおいて付与するポイントを一定ではなく、例えば購入ページを閲覧した場合よりも購入完了の確認ページを閲覧した場合の方により多くのポイントを付与するなど、各顧客のオンライン販売店における購入見込みのあるなしがよりはっきりするようなポイントの与え方をすれば良い。
そして、このように付与したポイントを集計することにより、顧客毎の効果判定ポイントを確定する。
【0034】
このように、本実施形態のプロモーションシステム100では、顧客の各行動に対して所定のポイントを付与し、それを累計することにより、その顧客の過去の行動から、当該顧客がオンライン販売店において商品の購入を行う見込みが高い顧客であるか否かを判定することができるようになる。
【0035】
以上説明したように、顧客に送付したアウトバウンドメールに顧客IDをURIに含むリンクを付加して送付することにより、顧客毎のアクセスログを容易に収集することができる。また、アクセスログを基に、その顧客がオンライン販売店において商品を購入する見込みが高いか否かを示す指標である効果判定ポイントを算出することができる。
次に、このように算出した効果判定ポイントを基に、効果判定ポイントが高い顧客を抽出する処理について説明する。
図6は、効果判定ポイントが高い顧客を抽出する処理について説明するための図である。
【0036】
ステップST6:
Webサーバ2は、端末5における企業のオペレータの操作などに応じて、ステップST5において付与した効果判定ポイントを参照し、所定のしきい値より高い効果判定ポイントを有する顧客を抽出する。
本ステップにおける効果判定ポイントのしきい値の設定方法については、本実施形態では特に限定しない。例えば、抽出される顧客の数が所定数以下になるようにしきい値を設定するようにすればよい。
ステップST7:
Webサーバ2は、端末5における企業のオペレータの操作などに応じて、ステップST6において抽出した効果判定ポイントが高い顧客のリスト(見込み顧客リストと称する)を作成し、顧客DB42にこれを記憶する。
【0037】
このようにして、オンライン販売店にアクセスしてきた顧客のうち、商品を購入する見込みが高いと思われる顧客を抽出することができる。
本実施形態のプロモーションシステム100では、このように抽出した、商品の購入見込みが高い顧客に対して、次により積極的なプロモーション活動として、直接の電話によるコンタクトを仕掛ける。
【0038】
図7は、ステップST7にて抽出した購入見込みリスト内の顧客に対し、電話によるプロモーション活動を行う際のプロモーションシステム100の動作例について説明するための図である。
ステップST8:
端末5は、表示部51に見込み顧客リストを表示し、リスト内のいずれかの顧客の選択を受け付ける。企業のオペレータがいずれかの顧客を選択することにより、以降のステップに進む。
【0039】
ステップST9:
端末5は、ステップST8において見込み顧客リスト内の何れかの顧客が選択されると、その顧客の電話番号を顧客DB42から読み出し、PBX3に対して電話番号を伝え、電話の発信を指示する。
ステップST10:
PBX3は、顧客に対して電話の発信を行う。これにより、企業のオペレータは、端末5の図示しないスピーカおよびマイクを用いて、顧客に対して直接の電話によるコンタクトをとり(アウトバウンドコール)、商品の売り込み等を行うことができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態のプロモーションシステム100は、図1に示すように、公衆ネットワーク10に接続されたメールサーバ1と、公衆電話網20に接続されたPBX3とを有する。
このため、本実施形態のプロモーションシステム100では、顧客のアクセスログを収集するためのアウトバウンドメール送信と、アクセスログを基に付与した顧客毎の購入見込みを示す効果判定ポイントを基に、購入見込みが高いと思われる顧客に対してアウトバウンドコール発信と、の両方を、端末5の操作を介して同一システム上にて行うことができる。
したがって、Eメールと電話といった、媒体が異なる連絡方法を同一システム内にて取り扱うことができるので、効率の良いアウトバウンド・マーケティングを実行することができる。
【0041】
さらに、本実施形態のプロモーションシステム100では、複数の顧客に対して、顧客固有の顧客IDをURIに含むWebページへのリンクを含むアウトバウンドメールを送信し、このアウトバウンドメールに含まれるリンクを顧客が辿った場合に、オンライン販売店内において顧客がどのようなページにアクセスしたか、どのような行動をしたか、をアクセスログとして記録する。そして、アクセスログを基に、顧客の行動1つ1つに対して所定のポイントを与え、集計することにより、顧客がオンライン販売店において商品の購入を行う見込みが高いか否かを示す効果判定ポイントを顧客毎に算出する。そして、所定の値以上の効果判定ポイントを有する顧客を抽出するので、効果的なアウトバウンド・マーケティングを実行することができる。
【0042】
なお、上述した実施形態では、顧客毎のアクセスログを収集するために、顧客毎に異なるリンク先のURIを含むアウトバウンドメールを企業のオペレータが端末5において作成していたが、これには多くの労力が必要となる。この労力を軽減するために、例えば、顧客を効果判定ポイントに応じて所定数のレベルに分類し、レベル毎に異なるリンク先のURIを含むアウトバウンドメールを作成して送信するようにしても良い。
すなわち、例えば、全顧客を効果判定ポイントの値に応じてレベルA〜Cの3つのレベルに分け、最も効果判定ポイントが高いレベルであるレベルAの顧客には、より詳細な商品の情報が記載されたWebページのURIを含むアウトバウンドメールを送信し、効果判定ポイントが低いレベルであるレベルCの顧客には、最低限の内容のみが記載されたWebページのURIを含むメールを送信する等しても良い。
【0043】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、本発明の実施に際しては、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0044】
上述した実施形態では、インターネット等のネットワークを利用したオンライン販売店におけるプロモーションシステム100について説明した。
しかし、本発明は、ネットワーク上にオンライン販売店を設立しない場合でも適用が可能である。
例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0045】
<変形例1>イベント参加者募集:
本発明は、例えば、何らかのイベント(コンサート、セミナー、即売会、商品の試用モニター募集等)の参加者を、インターネットを介して募る場合にも適用が可能である。
すなわち、イベント開催の告知Webページ、イベント詳細ページ、イベント申し込みページ、イベント申し込み完了ページ、イベントに関するアンケートのページ等を作成し、何らかの手段にて入手したイベント参加候補者リスト内の各候補者に対してこれらのWebページのURIおよびイベント候補者毎のIDを含むアウトバウンドメールを送信する。
そして、アウトバウンドメール内に記載されたURIを辿り,各候補者がどのページを閲覧したか、どのような行動(イベント申し込みを行う、イベントに関する質問をする、等)をしたか、をアクセスログとして記録する。
さらに、アクセスログに記録された各候補者の各行動に対して所定のポイントを付与し、累積して候補者毎の効果判定ポイントを算出する。そして、所定値以上の効果判定ポイントを有する候補者を抽出すると、抽出された候補者はイベントに対して参加する見込みが高い候補者であるため、この候補者達に対して、直接の電話での勧誘による、より積極的なプロモーション活動を行うことにより、効率よくイベントへの参加促進活動を行うことができる。
【0046】
<変形例2>新製品の紹介
企業等が新製品の紹介を行う場合、すなわち、販売よりも新製品のアピールを主目的とする場合にも、本発明を適用することができる。
例えば、新製品の発売告知ページ、新製品の詳細ページ、新製品に関するQ&Aのページ、等の複数のWebページを用意し、何らかの手段にて入手した顧客リスト内の顧客に対してこれらのWebページのURIおよび顧客毎のIDを含むアウトバウンドメールを送信する。
そして、アウトバウンドメール内に記載されたURIを辿り,各顧客がどのページを閲覧したか、等の行動をアクセスログとして記録する。
さらに、上述した実施形態と同様に、アクセスログに記録された各顧客の各行動に対して所定のポイントを付与し、累積して顧客毎の効果判定ポイントを算出する。そして、所定値以上の効果判定ポイントを有する顧客を抽出すると、抽出された顧客は新製品に対して強い興味を抱いていると思われる顧客であるため、直接の電話での売り込みによる、より積極的な新製品のアピールを行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
100・・・プロモーションシステム、1・・・メールサーバ、2・・・Webサーバ、3・・・PBX、4・・・DB、41・・・WebデータDB、42・・・顧客DB、43・・・アクセスログDB、44・・・アクセスポイントDB、5・・・端末、51・・・表示部、52・・・操作部、53・・・入力部、54・・・出力部、55・・・記憶部、10・・・公衆ネットワーク、20・・・公衆電話網、200・・・アウトバウンドメール作成画面、201・・・本文編集欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、
前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスと電話番号とを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、
前記Webサイト内における顧客毎のアクセスログを記憶する第3のデータベースと、
ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するWebサーバと、
前記ネットワークに接続されたメールサーバと、
公衆電話網に接続された構内交換機と、
を有し、
前記メールサーバは、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信し、
前記Webサーバは、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎のアクセスログとして前記第3のデータベースに記憶し、
前記Webサーバは、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎のアクセスログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した効果判定ポイントが所定の値以上である顧客を抽出し、
前記構内交換機は、前記抽出された、前記効果判定ポイントが所定の値以上である顧客に対して、電話をかける
アウトバウンド・マーケティングシステム。
【請求項2】
前記所定のWebサイトは、所定の商品、サービス、イベントの少なくともいずれかに関するWebサイトであり、
前記効果判定ポイントは、顧客毎のアクセスログを基に、前記商品に対する購入見込み、前記サービスに対する申し込み見込み、前記イベントに対する参加見込みの少なくともいずれかを示すように当該顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出する
請求項1に記載のアウトバウンド・マーケティングシステム。
【請求項3】
前記商品、サービス、イベントを提供する提供主の操作を受け付ける端末をさらに有する
請求項1または2に記載のアウトバウンド・マーケティングシステム。
【請求項4】
前記メールサーバは、前記端末を介した前記提供主の操作に応じて、前記顧客毎に編集した内容のEメールを送信する
請求項3に記載のアウトバウンド・マーケティングシステム。
【請求項5】
所定のWebサイトを構成する複数のWebページデータを記憶する第1のデータベースと、前記Webサイトにアクセスする顧客のメールアドレスと電話番号とを少なくとも含む顧客に関するデータを記憶する第2のデータベースと、前記Webサイト内における顧客毎のアクセスログを記憶する第3のデータベースと、ネットワークを介した顧客の使用するコンピュータからのリクエストに応じて、前記第1のデータベースに記憶されたWebページデータを送信するWebサーバと、前記ネットワークに接続されたメールサーバと、公衆電話網に接続された構内交換機と、を有するアウトバウンド・マーケティングシステムのアウトバウンド・マーケティング方法であって、
前記メールサーバが、前記第2のデータベースに記憶された顧客のメールアドレスに対して、顧客毎に固有の顧客IDに対応したWebページへのリンクを含むEメールを送信するステップと、
前記Webサーバが、前記Eメールに含まれた前記Webページへのリンクが前記顧客により辿られた場合に、当該顧客に対して前記顧客IDに対応したWebページデータを送信するとともに、当該顧客の前記Webサイト内でのアクセスログを収集し、顧客毎のアクセスログとして前記第3のデータベースに記憶するステップと、
前記Webサーバが、前記第3のデータベースに記憶された顧客毎のアクセスログを基に、顧客の行動毎に所定のポイントを付与して集計することにより算出した効果判定ポイントが所定の値以上である顧客を抽出するステップと、
前記構内交換機が、前記抽出された、前記効果判定ポイントが所定の値以上である顧客に対して、電話をかけるステップと、
を有するアウトバウンド・マーケティング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−97541(P2013−97541A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239252(P2011−239252)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】