説明

アップリンクビームフォーミングトランジットダイバーシティのチャネル推定を可能にするための装置および方法

アップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするための方法および装置が提供される。この方法は、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するステップと、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するステップと、導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するステップと、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するステップとを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれる、2010年2月5日に出願された「APPARATUS AND METHOD FOR ENABLING UPLINK BEAMFORMING TRANSIT DIVERSITY CHANNEL ESTIMATION」という名称の米国仮特許出願第61/302,058号の利益を主張する。
【0002】
本開示の態様は、一般に、ワイヤレス通信システムに関し、より詳細には、アップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするためのワイヤレス通信システムに関する。
【背景技術】
【0003】
音声、データなど、様々なタイプの通信コンテンツを提供するために、ワイヤレス通信システムが広く配置されている。これらのシステムは、使用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅および送信電力)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることができる多元接続システムであり得る。そのような多元接続システムの例には、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、3GPP Long Term Evolution (LTE)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、および高速パケットアクセス(HSPA)システムなどがある。
【0004】
一般的に、ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレス端末の通信を同時にサポートすることができる。各端末は、順方向および逆方向のリンク上の送信を介して1つまたは複数の基地局と通信する。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局から端末までの通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)は、端末から基地局までの通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力、多入力単出力、または多入力多出力(MIMO)システムを介して確立され得る。
【0005】
MIMOシステムは、データ送信のための複数(NT)の送信アンテナおよび複数(NR)の受信アンテナを使用する。NT個の送信アンテナおよびNR個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルを、空間チャネルとも呼ばれるNS個の独立チャネルに分解することができ、この場合、NS≦min{NT, NR}である。NS個の独立チャネルの各々は、次元に対応する。複数の送信アンテナおよび受信アンテナによって作成される追加の次元が使用される場合、MIMOシステムは、性能を向上させる(たとえば、より高いスループットおよび/またはより大きい信頼度)ことができる。
【0006】
一般に、セルラーシステムでの閉ループ送信ダイバーシティ(CLTD)ビームフォーミング方式では、2つのパイロットチャネルが2つの固有モード(たとえば2つの直交するビームフォーミングベクトル)で送られ、スロット間のビームフォーミング位相および/または振幅の変動により、プライマリパイロットチャネル上で働くパイロットフィルタによる復調についてのチャネル推定は、性能損失を観測し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、CLTDビームフォーミング方式でのチャネル推定のための改良された装置および方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下で、1つまたは複数の態様の基本的理解を与えるために、そのような態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、すべての企図された態様の包括的な概観ではなく、すべての態様の主要または重要な要素を識別するものでも、いずれかまたはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後で提示するより詳細な説明の導入として、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0009】
1つまたは複数の態様およびその対応する開示に従って、アップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするための様々な態様について説明する。一態様によれば、基地局によってチャネル推定を可能にするための方法が提供される。この方法は、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するステップを含むことができる。さらに、この方法は、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するステップを含み得る。またさらに、この方法は、導出されたら2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するステップを含み得る。さらに、この方法は、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するステップを含み得る。
【0010】
別の態様は、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータ可読媒体は、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するように実行可能なコードを含む。さらに、コンピュータ可読媒体は、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するように実行可能なコードを含む。またさらに、コンピュータ可読媒体は、導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するように実行可能なコードを含む。さらに、コンピュータ可読媒体は、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するように実行可能なコードを含む。
【0011】
さらに別の一態様は、装置に関する。この装置は、基地局によって、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するための手段を含むことができる。さらに、この装置は、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するための手段を含み得る。またさらに、この装置は、導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するための手段を含み得る。さらに、この装置は、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するための手段を含み得る。
【0012】
別の態様は、装置に関する。この装置は、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信し、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出し、導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出し、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するように構成されたプロセッサを含むことができる。さらに、この装置は、データを格納するためのプロセッサに結合されたメモリを含むことができる。
【0013】
さらに別の態様は、装置に関する。この装置は、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するように動作可能な受信機を含むことができる。さらに、この装置は、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出し、導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出し、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するためのチャネル推定モジュールを含むことができる。
【0014】
上記のおよび関連の目的の達成のために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明し、特許請求の範囲で具体的に指摘する特徴を含む。以下の説明および添付の図面は、1つまたは複数の態様のいくつかの例示的な特徴を詳細に説明する。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理が使用され得る様々な方法のうちのほんのいくつかしか示しておらず、この説明は、そのようなすべての態様およびそれらの均等物を含むものとする。
【0015】
本開示の特徴、性質、および利点は、下記の詳細な説明を図面と併せ読めばより明らかになる。図中、同様の参照符号は、全体を通じて同じ部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態による多元接続ワイヤレス通信システムを示す図である。
【図2】通信システムを示すブロック図である。
【図3】処理システムを使用する装置のためのハードウェア実装の一例を示す図である。
【図4】電気通信システムの一例を概念的に示すブロック図である。
【図5】一態様によるワイヤレス通信システムにおいて通信を構築し、行うためのシステムを示すブロック図である。
【図6】一態様によるアップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするための方法を示す流れ図の一例である。
【図7】一態様によるアップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするためのブロック図の一例である。
【図8】一態様によるアップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティ方式のチャネル推定の実施を示すためのブロック図の一例である。
【図9】一態様によるアップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするためのワイヤレス通信デバイスの一例を示すブロック図である。
【図10】本明細書で説明する別の態様によるアップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするように構成された基地局のアーキテクチャを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で説明する技法は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワークなどの様々なワイヤレス通信ネットワークに使用され得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W-CDMA)および低チップレート(LCR)を含む。cdma2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格をカバーする。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、進化型UTRA(E-UTRA)、IEEE 802.11、IEEE 802.16、IEEE 802.20、Flash-OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRA、E-UTRA、およびGSM(登録商標)は、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)の一部である。Long Term Evolution (LTE)は、E-UTRAを使用するUMTSの来るべきリリースである。UTRA、E-UTRA、GSM(登録商標)、UMTS、およびLTEは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。これらの様々な無線技術および標準は、当技術分野で知られている。明快のために、技法のいくつかの態様では、以下ではLTEについて説明し、下記の説明の多くにおいてLTE用語が使用される。
【0018】
シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)は、シングルキャリア変調および周波数領域等化を使用し、一技法である。SC-FDMAは、類似の性能、および本質的にOFDMAシステムのもと同じ全体的な複雑さを有する。SC-FDMA信号は、その固有のシングルキャリア構造のために、ピーク対平均電力比(PAPR)が低い。SC-FDMAは、特に、より低いPAPRが送信電力効率に関してモバイル端末に大幅に利益を与えるアップリンク通信で、大きな関心をひいた。これは現在、3GPP Long Term Evolution (LTE)または進化型UTRAでのアップリンク多元接続方式の作業仮説である。
【0019】
図1を参照すると、一実施形態による多元接続ワイヤレス通信システムが示されている。アクセスポイント100(AP)は、複数のアンテナグループを含み、あるグループは104および106を含み、別のグループは108および110を含み、さらに別のグループは112および114を含む。図1では、アンテナグループごとにアンテナが2つしか示されていないが、アンテナグループごとにより多いまたはより少ないアンテナが使用されてもよい。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112および114と通信し、アンテナ112および114は、順方向リンク120を介してアクセス端末116に情報を送信し、逆方向リンク118を介してアクセス端末116から情報を受信する。アクセス端末122は、アンテナ106および108と通信し、アンテナ106および108は、順方向リンク126を介してアクセス端末122に情報を送信し、逆方向リンク124を介してアクセス端末122から情報を受信する。FDDシステムにおいて、通信リンク118、120、124、および126は、通信に異なる周波数を使用することができる。たとえば、順方向リンク120は、次いで逆方向リンク118によって使用される異なる周波数を使用することができる。
【0020】
アンテナの各グループおよび/またはそれらが通信するように設計されているエリアは、しばしばアクセスポイントのセクタと呼ばれる。本実施形態では、アンテナグループはそれぞれ、アクセスポイント100によってカバーされるエリアのあるセクタにおけるアクセス端末と通信するように設計されている。
【0021】
順方向リンク120および126上の通信において、アクセスポイント100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116および122の順方向リンクの信号対雑音比を改善するためにビームフォーミングを使用する。また、アクセスポイントが、ビームフォーミングを使用して、そのカバレージを介してランダムに分散されたアクセス端末に送信することによって、アクセス端末が単一のアンテナを介してすべてのそのアクセス端末に送信するより、隣接セルにおけるアクセス端末への干渉がより少なくなる。
【0022】
アクセスポイントは、端末と通信するために使用される固定局でもよく、アクセスポイント、ノードB、またはいくつかの他の用語で呼ばれ得る。また、アクセス端末は、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、ワイヤレス通信デバイス、端末、アクセス端末、またはいくつかの他の用語で呼ばれ得る。
【0023】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスポイントとしても知られている)および受信機システム250(アクセス端末としても知られている)の一実施形態のブロック図である。一態様では、システム200は、1つまたは複数のモバイル送信ダイバーシティ方式を実施するために使用され得る。送信機システム210では、いくつかのデータストリームのトラフィックデータがデータソース212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0024】
一実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを通じて送信される。TXデータプロセッサ214は、符号化されたデータを提供するためにそのデータストリームについて選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームのためのトラフィックデータをフォーマットし、符号化し、インターリーブする。
【0025】
各データストリームの符号化されたデータは、OFDM技法を使用してパイロットデータと多重化され得る。パイロットデータは、一般的には、既知の方法で処理される既知のデータパターンであり、チャネル応答を推定するために、受信機システムで使用され得る。次いで、各データストリームの多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、変調シンボルを提供するためにそのデータストリームについて選択された特定の変調方式(たとえばBPSK、QSPK、M-PSK、またはM-QAM)に基づいて変調される(すなわち、シンボルマップされる)。各データストリームのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ230によって実行される命令によって決定され得る。
【0026】
すべてのデータストリームの変調シンボルは、次いで、(たとえば、OFDMについて)変調シンボルをさらに処理できるTX MIMOプロセッサ220に提供される。次いで、TX MIMOプロセッサ220は、NT個の変調シンボルストリームをNT個の送信機(TMTR)222a〜222tに提供する。いくつかの実施形態では、TX MIMOプロセッサ220は、データストリームのシンボル、およびシンボルがそこから送信されるアンテナに、ビームフォーミング重みを適用する。
【0027】
各送信機222は、それぞれのシンボルストリームを受信し、1つまたは複数のアナログ信号を提供するように処理し、MIMOチャネルを通じた送信に適した変調信号を提供するためにアナログ信号をさらに調整(たとえば、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)する。次いで、送信機222a〜222tのNT個の変調された信号が、それぞれNT個のアンテナ224a〜224tから送信される。
【0028】
受信機システム250において、送信された変調信号は、NR個のアンテナ252a〜252rによって受信され、各アンテナ252から受信された信号は、それぞれの受信機(RCVR)254a〜254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調整(たとえば、フィルタ処理、増幅、およびダウンコンバート)し、調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、対応する「受信された」シンボルストリームを提供するようにサンプルをさらに処理する。
【0029】
次いで、RXデータプロセッサ260は、NT個の「検出された」シンボルストリームを提供するために、特定の受信機処理技法に基づいて、NR個の受信機254からNR個の受信されたシンボルストリームを受信し、処理する。次いで、RXデータプロセッサ260は、データストリームのトラフィックデータを回復するために、検出された各シンボルストリームを復調し、デインターリーブし、復号する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210においてTX MIMOプロセッサ220およびTXデータプロセッサ214によって実行されるものと相補関係にある。
【0030】
プロセッサ270は、どのプリコーディング行列を使用すべきかを定期的に決定する(後述する)。プロセッサ270は、行列インデックス部分およびランク値部分を含む逆方向リンクメッセージを編成する。
【0031】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータストリームに関する様々なタイプの情報を含むことができる。次いで、逆方向リンクメッセージは、データソース236からいくつかのデータストリームのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a〜254rによって調整され、送信機システム210に送り返される。
【0032】
送信機システム210において、受信機システム250からの変調信号がアンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、受信機システム250によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出するようにRXデータプロセッサ242によって処理される。次いで、プロセッサ230は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用すべきかを決定し、次いで、抽出されたメッセージを処理する。
【0033】
一態様では、論理チャネルは、制御チャネルおよびトラフィックチャネルに分類される。論理制御チャネルは、システム制御情報をブロードキャストするDLチャネルであるブロードキャスト制御チャネル(BCCH)を含む。ページング情報を転送するDLチャネルであるページング制御チャネル(PCCH)。マルチメディアブロードキャストおよびマルチキャストサービス(MBMS)スケジューリングならびに1つまたは複数のMTCHに関する制御情報を送信するために使用されるポイントツーマルチポイントDLチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)。一般に、RRC接続を確立した後、このチャネルは、MBMS(注:古いMCCH+MSCH)を受信するUEによって使用されるだけである。専用制御チャネル(DCCH)は、専用の制御情報を送信するポイントツーポイント双方向チャネルであり、RRC接続を有するUEによって使用される。態様では、論理トラフィックチャネルは、ユーザ情報の転送のための、1つのUEに専用の、ポイントツーポイント双方向チャネルである専用トラフィックチャネル(DTCH)を含む。また、トラフィックデータを送信するポイントツーマルチポイントDLチャネルのためのマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)。
【0034】
一態様では、トランスポートチャネルは、DLおよびULに分類される。DLトランスポートチャネルは、ブロードキャストチャネル(BCH)、ダウンリンク共有データチャネル(DL-SDCH)、およびページングチャネル(PCH)を含んでおり、UE省電力化のサポートのためのPCH(DRXサイクルはUEへのネットワークによって示される)は、セル全体にわたってブロードキャストされ、他の制御/トラフィックチャネルに使用することができるPHYリソースにマップされる。ULトランスポートチャネルは、ランダムアクセスチャネル(RACH)、要求チャネル(REQCH)、アップリンク共有データチャネル(UL-SDCH)、および複数のPHYチャネルを含む。PHYチャネルは、DLチャネルおよびULチャネルの組を含む。
【0035】
DL PHYチャネルは、以下を含む。
共通パイロットチャネル(CPICH)
同期チャネル(SCH)
共通制御チャネル(CCCH)
共有DL制御チャネル(SDCCH)
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)
共有UL割当てチャネル(SUACH)
肯定応答チャネル(ACKCH)
DL物理共有データチャネル(DL-PSDCH)
UL電力制御チャネル(UPCCH)
ページングインジケータチャネル(PICH)
負荷インジケータチャネル(LICH)
【0036】
UL PHYチャネルは、以下を含む。
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)
チャネル品質インジケータチャネル(CQICH)
肯定応答チャネル(ACKCH)
アンテナサブセットインジケータチャネル(ASICH)
共有要求チャネル(SREQCH)
UL物理共有データチャネル(UL-PSDCH)
ブロードバンドパイロットチャネル(BPICH)
【0037】
一態様において、シングルキャリア波形のPAR特性を低く(所与の時点に、チャネルが周波数において連続するまたは一様に離間する)保つチャネル構造が提供される。
【0038】
本文書では、以下の略語が適用される。
AM 確認型モード
AMD 確認型モードデータ
ARQ 自動再送要求
BCCH ブロードキャスト制御チャネル
BCH ブロードキャストチャネル
C- 制御-
CCCH 共通制御チャネル
CCH 制御チャネル
CCTrCH コード化複合トランスポートチャネル
CP サイクリックプレフィックス
CRC 巡回冗長検査
CTCH 共通トラフィックチャネル
DCCH 専用制御チャネル
DCH 専用チャネル
DL ダウンリンク
DSCH ダウンリンク共有チャネル
DTCH 専用トラフィックチャネル
FACH 順方向リンクアクセスチャネル
FDD 周波数分割複信
L1 レイヤ1(物理層)
L2 レイヤ2(データリンク層)
L3 レイヤ3(ネットワーク層)
LI 長さインジケータ
LSB 最下位ビット
MAC 媒体アクセス制御
MBMS マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス
MCCH MBMSポイントツーマルチポイント制御チャネル
MRW 動き受信ウィンドウ
MSB 最上位ビット
MSCH MBMSポイントツーマルチポイントスケジューリングチャネル
MTCH MBMSポイントツーマルチポイントトラフィックチャネル
PCCH ページング制御チャネル
PCH ページングチャネル
PDU プロトコルデータ単位
PHY 物理層
PhyCH 物理チャネル
RACH ランダムアクセスチャネル
RLC 無線リンク制御
RRC 無線リソース制御
SAP サービスアクセスポイント
SDU サービスデータ単位
SHCCH 共有チャネル制御チャネル
SN シーケンス番号
SUFI スーパーフィールド
TCH トラフィックチャネル
TDD 時分割複信
TFI 伝送形式インジケータ
TM 透過モード
TMD 透過モードデータ
TTI 送信時間間隔
U- ユーザ-
UE ユーザ機器
UL アップリンク
UM 非確認型モード
UMD 非確認型モードデータ
UMTS ユニバーサルモバイル通信システム
UTRA UMTS地上無線アクセス
UTRAN UMTS地上無線アクセスネットワーク
MBSFN マルチキャスト/ブロードキャスト単一周波数ネットワーク
MCE MBMS調整エンティティ
MCH マルチキャストチャネル
DL-SCH ダウンリンク共有チャネル
MSCH MBMS制御チャネル
PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル
PDSCH 物理ダウンリンク共有チャネル
【0039】
図3は、処理システム314を使用する装置300のハードウェア実装の一例を示す概念図である。この例では、処理システム314は、バス302によって概略的に表されるバスアーキテクチャで実施することができる。バス302は、処理システム314の特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続するバスおよびブリッジを含むことができる。バス302は、プロセッサ304によって概略的に表される1つまたは複数のプロセッサ、およびコンピュータ可読媒体306によって概略的に表されるコンピュータ可読媒体を含む様々な回路を互いにリンクさせる。バス302は、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路など、様々な他の回路をリンクさせることもでき、これらの回路は当技術分野で知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース308は、バス302とトランシーバ310との間にインターフェースを提供する。トランシーバ310は、送信媒体上の様々な他の装置と通信するための手段を提供する。また、装置の性質に応じて、ユーザインターフェース312(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティックなど)が設けられていてもよい。
【0040】
プロセッサ304は、バス302の管理、およびコンピュータ可読媒体306に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般の処理を受け持つ。ソフトウェアは、プロセッサ304によって実行されると、任意の特定の装置の以下に記載される様々な機能を処理システム314に実行させる。コンピュータ可読媒体306は、ソフトウェアを実行するとき、プロセッサ304によって操作されるデータを格納するために使用されてもよい。
【0041】
さらに、プロセッサ304は、基地局によって、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するための手段と、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するための手段と、導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するための手段と、2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位なアンテナについての複合チャネル推定を合成するための手段とを提供することができる。一態様では、プロセッサ304は、ユーザ機器からデータチャネルおよび制御チャネルを受信するための手段と、合成された複合チャネル推定を使用してデータチャネルおよび制御チャネルを復調するための手段とをさらに提供することができる。別の態様では、プロセッサ304は、複数のスロットを介して導出された物理チャネルのうちの少なくとも1つを平均するための手段をさらに提供することができる。別の態様では、プロセッサ304は、受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルからビームフォーミング重みベクトルを生成するための手段をさらに提供することができる。別の態様では、プロセッサ304は、ビームフォーミング重みベクトルをUEに送信するための手段をさらに提供することができる。そのような態様では、ビームフォーミング重みベクトルは、フラクショナル専用物理チャネルを使用して送信され得る。
【0042】
本開示全体にわたって提示される様々な概念は、広範な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実現することができる。限定されるものではないが、例として、図4に示される本開示の態様は、W-CDMAエアインターフェースを使用するUMTSシステム400を参照して示される。UMTSネットワークは、コアネットワーク(CN)404、UMTS Terrestrial Radio Access Network (UTRAN)402、およびユーザ機器(UE)410の3つの相互作用する領域を含む。この例では、UTRAN402は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々な無線サービスを提供する。UTRAN402は、RNC406などの無線ネットワークコントローラ(RNC)をそれぞれ含むRNS407などの複数の無線ネットワークサブシステム(RNS)を含むことができる。ここで、UTRAN402は、本明細書で説明するRNC406およびRNS407に加えて、任意の数のRNC406およびRNS407を含むことができる。RNC406は、特に、RNS407内の無線リソースを割り当て、再構成し、解放することを受け持つ装置である。RNC406は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用して、直接の物理接続、仮想ネットワークなど様々なタイプのインターフェースを介してUTRAN402の他のRNC(図示せず)に相互接続することができる。
【0043】
UE410とノードB408との間の通信は、物理(PHY)層および媒体アクセス制御(MAC)層を含むものと見なされ得る。さらに、それぞれのノードB408によるUE410とRNC406との間の通信は、無線リソース制御(RRC)層を含むものと見なされ得る。本明細書では、PHY層は、レイヤ1と見なされ、MAC層は、レイヤ2と見なされ、RRC層は、レイヤ3と見なされ得る。以下、情報は、参照により本明細書に組み込まれる無線リソース制御(RRC)プロトコル仕様、3GPP TS 25.331 v9.1.0に述べられている用語を使用する。
【0044】
RNS407によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分けることができ、無線トランシーバ装置が各セルにサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS適用例でノードBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、送受信基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれることもある。さらに、いくつかの適用例は、ホームノードB (HNB)、ホーム拡張ノードB (HeNB)、フェムトアクセスポイント(FAP)、アクセスポイント基地局などによってサービスされるフェムトセルを利用することができる。明快のために、図示の例では、各RNS407に3つのノードB408が示されているが、RNS407は、任意の数のワイヤレスノードBを含むことができる。ノードB 408は、ワイヤレスアクセスポイントを任意の数のモバイル装置のためのCN404に提供する。モバイル装置の例には、携帯電話、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオ装置、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)など、カメラ、ゲーム機、または任意の他の類似の機能デバイスなどがある。モバイル装置は、通常、UMTS適用例ではUEと呼ばれるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、遠隔デバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、遠隔端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UMTSシステムでは、UE410は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)411をさらに含むことができる。説明のために、1つのUE410がいくつかのノードB408と通信しているように示されている。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、ノードB408からUE410までの通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE410からノードB408への通信リンクを指す。
【0045】
CN領域404は、UTRAN402など1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースをとる。図示のように、コアネットワーク404は、GSM(登録商標)コアネットワークである。しかしながら、当業者であれば認識するように、GSM(登録商標)ネットワーク以外のタイプのコアネットワークへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示される様々な概念を、RANまたは他の適切なアクセスネットワークにおいて実施することができる。
【0046】
コアネットワーク404は、回線交換(CS)領域およびパケット交換(PS)領域を含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センタ(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSCである。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)、およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換領域とパケット交換領域の両方によって共有され得る。図示の例では、コアネットワーク404は、MSC412およびGMSC414により回線交換サービスをサポートする。いくつかの適用例では、GMSC414は、メディアゲートウェイ(MGW)とも呼ばれ得る。RNC406など1つまたは複数のRNCは、MSC412に接続され得る。MSC412は、呼設定、コールルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC412は、UEがMSC412のカバレージエリア内にある持続時間の間の加入者関連の情報を含むビジターロケーションレジスタ(VLR)も含む。GMSC414は、UEが回路交換ネットワーク416にアクセスするためのMSC412を介したゲートウェイを提供する。GMSC414は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータなど、加入者データを含むホームロケーションレジスタ(HLR)415を含む。HLRは、加入者に固有の認証データを含む認証センタ(AuC)にも関連付けられている。特定のUEについて、呼が受信されると、GMSC414は、UEの位置を決定するためにHLR415に問い合わせ、その位置にサービスする特定のMSCに呼を転送する。
【0047】
また、コアネットワーク404は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)418およびGGSN420によりパケットデータサービスをサポートする。汎用パケット無線システムを表すGPRSは、標準の回線交換データサービスで使用可能なものより速い速度でパケットデータサービスを提供するよう設計されている。GGSN420は、UTRAN402のパケットベースネットワーク422への接続を提供する。パケットベースネットワーク422は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の適切なパケットベースネットワークでもよい。GGSN420の主要機能は、UE410にパケットベースネットワーク接続を提供することである。データパケットは、MSC412が回線交換領域において実行するのと同じ機能をパケットベース領域において主に実行するSGSN418を介してGGSN420とUE410との間に転送され得る。
【0048】
UMTSエアインターフェースは、スペクトラム拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS-CDMA)システムである。スペクトラム拡散DS-CDMAは、チップと呼ばれる一連の疑似ランダムビットとの乗算によって、ユーザデータを拡散させる。UMTSのW-CDMAエアインターフェースは、そのような直接シーケンススペクトラム拡散技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、ノードB408とUE410との間のアップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)に異なる搬送周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信を使用するUMTSの別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書で説明する様々な例は、WCDMAエアインターフェースを指し得るが、基礎をなす原理はTD-SCDMAエアインターフェースに等しく適用可能であることを当業者であれば認識されよう。
【0049】
一般に、デバイス間の通信中、閉ループ送信ダイバーシティ(CLTD)方式は、送信電力をあまり使用せずにデータレートを向上させるために使用され得る。あるCLTD技術、たとえば、ビームフォーミングは、ユーザ体験およびシステム性能の向上を提供することができることができる。そのようなCLTDビームフォーミングにおいて、データチャネルおよび制御チャネルは、優位な固有モード(たとえば優位な仮想アンテナ)で送信され得る。一態様では、データチャネルには、拡張専用物理データチャネル(E-DPDCH)、高速専用物理データチャネル(HS-DPDCH)、R99専用物理データチャネル(R99-DPDCH)などがある。さらに、一態様では、制御チャネルには、拡張専用物理制御チャネル(E-DPCCH)、専用物理制御チャネル(DPDCH)などがある。一態様では、2つのパイロットチャネルは、2つの仮想アンテナ上で送信され得る。
【0050】
さらに、ノードB受信機では、データチャネルおよび制御チャネルの復調のためにチャネル推定を行うための1つの方法は、プライマリパイロットチャネル上でパイロットフィルタを直接稼働させることであり得る。非サービングノードBがサービングノードBによって送られるビームフォーミングベクトルについての知識を有していない場合があるので、このプロセスは、ソフトハンドオーバのシナリオに役立ち得る。したがって、非サービングノードBは、このプロセスを使用して、ビームフォーミングUEの信号を復調し、復号することができる。しかしながら、サービングノードBでは、チャネル推定のための代替プロセスを使用してもよく、例示的な態様を介して本明細書で説明する。
【0051】
次に図5を参照すると、1つまたは複数のビームフォーミングを使用してアップリンク送信ダイバーシティを可能にするためのワイヤレス通信システム500のブロック図が示されている。システム500は、1つまたは複数の基地局520および1つまたは複数のワイヤレス通信デバイス(端末、UEなど)510を含むことができ、これらはそれぞれのアンテナ526および516を介して通信することができる。一態様では、基地局520は、EノードBとして機能することができる。さらに、基地局520は、1つまたは複数の送信ダイバーシティ方式を実装するように動作可能であり得る送信ダイバーシティモジュール522を含み得る。またさらに、送信ダイバーシティモジュール522は、ビームフォーミングによってアップリンク送信ダイバーシティを可能にするためのビームフォーミング重みベクトルを生成するように動作可能であり得るビームフォーミングベクトルモジュール524を含み得る。またさらに、送信ダイバーシティモジュール522は、ビームフォーミング位相の不連続性が復調のためのチャネル推定の品質に与え得る任意の影響を低減するように動作可能であり得るチャネル推定モジュール528を含み得る。チャネル推定モジュール528によって一態様で使用される方法については、図6および図8を参照しながら説明する。
【0052】
一態様では、UE510は、1つまたは複数の送信ダイバーシティ方式を実装するように動作可能であり得る送信ダイバーシティモジュール512を含み得る。さらに、送信ダイバーシティモジュール512は、1つまたは複数の受信されたビームフォーミング重みベクトルを使用してビームフォーミングを可能にするように動作可能であり得るビームフォーミングベクトルモジュール514を含み得る。
【0053】
一態様では、基地局520は、トランシーバおよびアンテナ526を介して端末510へのダウンリンク(DL)通信を行うことができる。UE510で、DL通信は、アンテナ516およびトランシーバを介して受信され得る。一態様では、DL通信情報は、ビームフォーミング重みベクトルを含むことができる。別の態様では、端末510は、トランシーバおよびアンテナ516を介して基地局520へのアップリンク(UL)通信を行うことができる。基地局520で、UL通信は、アンテナ526およびトランシーバを介して受信され得る。一態様では、UE510から基地局520に伝えられる情報は、ビームフォーミング重みベクトルを使用して送信され得る。
【0054】
動作時、ビームフォーミングを可能にする閉ループアップリンク送信方式は、UE510が複数のアンテナ516から基地局520に複数のパイロットチャネル信号を送信することを含むことができる。さらに、基地局520に関連付けられた送信ダイバーシティモジュール522は、複数のパイロットチャネル送信を受信し、受信されたパイロットチャネルに基づいてアップリンクチャネル値を推定することができる。ビームフォーミングベクトルモジュール524は、プライマリパイロットチャネルの受信された信号対雑音比を最大にするために、推定されたアップリンクチャネル値から、最適な位相および/または振幅値を決定することができる。一態様では、プライマリパイロットチャネルは、第1のパイロットチャネルである。さらに、ビームフォーミングベクトルモジュール524は、決定された値からビームフォーミング重みベクトルを生成することができ、ビームフォーミング重みベクトルをUE510に送信することができる。一態様では、ビームフォーミング重みベクトルは、フラクショナル専用物理チャネル(F-DPCH)を使用して送信される。またさらに、UE510は、ビームフォーミング重みベクトルを受信することができ、ビームフォーミングベクトルモジュール514は、ビームフォーミング重みベクトル情報を少なくとも1つまたは複数のデータチャネルおよび1つまたは複数の制御チャネルに適用することができる。一態様では、データチャネルには、拡張専用物理データチャネル(E-DPDCH)、高速専用物理データチャネル(HS-DPDCH)、R99専用物理データチャネル(R99-DPDCH)などがある。さらに、一態様では、制御チャネルには、拡張専用物理制御チャネル(E-DPCCH)などがある。さらに、1つまたは複数のパイロットチャネルは、DPCCHを使用して使用可能であり得る。さらに、データチャネルおよび制御チャネルは、優位な仮想アンテナ上で送信することができ、様々なビームフォーミング方式は、パイロットチャネルへのビームフォーミング情報の適用に関して異なり得る。一態様では、チャネル推定モジュール528は、受信されたパイロットチャネルを分析し、送信されたデータチャネルおよび制御チャネルを復調することができる。
【0055】
図6は、提示した主題の様々な態様による様々な方法を示す。説明を簡単にするために、方法は、一連の行為として図示および説明しているが、いくつかの行為は、本明細書で図示および説明したものと異なる順序で、および/または他の行為と同時に行うことができるため、請求する主題は、行為の順序によって限定されないことを理解し、諒解されたい。たとえば、方法は、代わりに、たとえば状態図においてなど、一連の相互に関係する状態またはイベントとして表すことができることを、当業者であれば理解し、諒解されよう。さらに、請求された主題に従って方法を実施するために、示したすべての行為が必要とされ得るわけではない。さらに、以下および本明細書の全体にわたって開示される方法を製造品に格納して、そのような方法をコンピュータにトランスポートし、伝達するのを容易にすることができることをさらに諒解されたい。製造品の用語は、本明細書で使用する場合、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア、または媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを含むものとする。
【0056】
次に図6を参照すると、アップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティのチャネル推定を可能にするための例示的な方法600が示される。全般的に、参照番号602で、ノードBは、UEから複数のパイロットチャネル信号を受信することができる。一態様では、複数のパイロットチャネルは、複数の物理チャネルに関連付けられていてもよい。一態様では、随意に、参照番号604で、ノードBは、ビームフォーミング重み情報を決定し、UEに送信するためのビームフォーミング重みベクトルを生成することができる。参照番号606で、ノードBは、受信されたパイロットチャネルから複合チャネル値を推定することができる。一態様では、r=1,2としてインデックスが付けられたノードB受信アンテナでは、値
【0057】
【数1】

【0058】
は、(たとえばプライマリパイロットP1およびセカンダリパイロットP2など)受信されたパイロットチャネルから取得されたスロット当たりのチャネル推定を表すことができ、式中、kは、フィンガー指数(finger index)であり、IおよびQは、同相成分および直交成分を示す。言い換えれば、
【0059】
【数2】

【0060】
は、2つの仮想アンテナの複合チャネルのチャネル推定として定義され得る。参照番号608で、ノードBは、複合チャネルのチャネル推定から物理チャネル値を推定することができる。一態様では、基礎をなす物理チャネルを回復するために、以下の式1〜式4を使用して、上記で説明した値が変換され得る。
【0061】
【数3】

【0062】
【数4】

【0063】
【数5】

【0064】
【数6】

【0065】
式1〜式4は、r=1,2として、スロット当たりの物理チャネル推定を決定するために適用され得る。一態様では、随意に、参照番号610で、観測された信号対雑音比を増加させるために、これらのスロット当たりの物理チャネル推定値がさらにフィルタ処理され得る。1つのそのような態様では、値は、複数のスロットにわたって平均され得る。
【0066】
参照番号612で、ノードBは、優位な仮想アンテナについての複合チャネル値を合成することができる。一態様では、スロット[n]について、次のように式5および式6を使用することによって、複合チャネルを合成することができる。
【0067】
【数7】

【0068】
【数8】

【0069】
式5および式6で使用される場合、a1およびa2は、ビームフォーミングベクトルの振幅値とすることができ、ビームフォーミング位相はθによって示され、この場合、ビームフォーミング重みベクトルは、[a1[n],a2[n]ejθ[n]]と示される。一態様では、ビームフォーミング重みベクトルは、より早くUEに送信されていてもよい。ビームフォーミング重みベクトルの適用例について、図7を参照してさらに説明し得る。参照番号614で、ノードBは、優位な仮想アンテナについての合成された複合チャネル値を使用して、データチャネルおよび制御チャネルを復調することができる。したがって、ビームフォーミング位相の不連続性がチャネル推定の品質に与え得る任意の影響を低減しながら、複合チャネル値を取得することができる。
【0070】
次に図7を参照すると、アップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティ方式を実施するための例示的なブロック図が示される。図示された態様において、例示的なUE700が示される。UE700は、変調ユニット706を介してアクセスされる複数のアンテナ(702、704)を含むことができる。さらに、UE700は、ビームフォーミング重みベクトル、および/またはビームフォーミング重みベクトルから導出されたビームフォーミング重み情報を適用するように動作可能な1つまたは複数のビームフォーミングモジュール708を含むことができる。さらに、拡散モジュール712は、プライマリパイロットチャネル714、1つまたは複数のデータチャネル716、1つまたは複数の制御チャネル718、およびセカンダリパイロットチャネル720など、様々なチャネルに拡散率を適用することができる。一態様では、データチャネル716には、拡張専用物理データチャネル(E-DPDCH)、高速専用物理データチャネル(HS-DPDCH)、R99専用物理データチャネル(R99-DPDCH)などがある。さらに、一態様では、制御チャネル718には、拡張専用物理制御チャネル(E-DPCCH)などがある。
【0071】
図7に示すように、データチャネル716および制御チャネル718、ならびにプライマリパイロットチャネル714は、ダウンリンク制御チャネルを介してノードBによって信号を送られるビームフォーミング重みベクトルを使用して、優位な仮想アンテナ上で送信することができ、セカンダリパイロットチャネル720は、より弱い仮想アンテナ上で送信され得る。そのような態様では、優位な仮想アンテナに関連付けられたビームフォーミングベクトルは、[a1 a2e]と表すことができ、式中、
【0072】
【数9】

【0073】
であり、ビームフォーミング位相は、θによって示される。一態様では、ビームフォーミング位相θは、{0、90、180、270}度などの有限集合に量子化され得る。同様に、別の態様では、振幅変数[a1 a2]は、有限集合に属し得る。
【0074】
さらに、スケーリング係数722は、セカンダリパイロットチャネル720に適用され得る。そのような態様では、セカンダリパイロットチャネルの導入による、ノードB受信機でのチャネル推定と送信電力オーバーヘッドとの間のトレードオフを達成するために、1より小さい非負のスケーリング係数α722を導入することができる。
【0075】
一態様では、より弱いアンテナまたは仮想アンテナに関連付けられたビームフォーミングベクトルは、[a2 -a1e]と表され得る。一態様では、より弱いアンテナ704に関連付けられたビームフォーミングベクトルは、優位なアンテナ702に関連付けられたビームフォーミングベクトルに対して位相を180度シフトさせるようにしてもよい。
【0076】
動作時、第1のアンテナ702上で送信されるベースバンド信号に対するビームフォーミングベクトルの適用は、[βcxp1'(n)+βdxd(n)+βecxec(n)+βedxed(n)+βhsxhs(n)]・α1・s(n)+αβcxp2(n)・α2・s(n)と表すことができ、第2のアンテナ704上で送信されるベースバンド信号は、[βcxp1'(n)+βdxd(n)+βecxec(n)+βedxed(n)+βhsxhs(n)]・α2e・s(n)+αβcxp2(n)・(-α1e)・s(n)と表すことができ、式中、nは、チップ指数であり、x(n)と下付き文字c、d、ec、hs、edはそれぞれ、DPCCH、DPDCH、E-DPCCH、HS-DPCCH、およびE-DPDCHチャネルを表し得る。適切な下付き文字と一緒の変数βは、特定チャネルのための利得係数を示し、s(n)は、スクランブルシーケンスである。
【0077】
次に図8を参照すると、アップリンクビームフォーミング送信ダイバーシティ方式のチャネル推定を実施するための例示的なブロック図が示される。図示された態様において、プライマリおよびセカンダリパイロットチャネルが受信され得る。図6を参照しながら上記で説明したように、r=1,2としてインデックスが付けられたノードB受信アンテナでは、値
【0078】
【数10】

【0079】
は、(たとえばプライマリパイロットP1およびセカンダリパイロットP2など)受信されたパイロットチャネルから取得されたスロット当たりのチャネル推定を表すことができ、式中、kは、フィンガー指数であり、IおよびQは、同相成分および直交成分を示す。さらに、図示のように、そのような受信されたパイロットチャネル信号は、図6を参照しながら説明した式1〜式4を使用して、802で、基礎をなす物理チャネルを推定するために使用され得る。804で、観測された信号対雑音比を増加させるために、導出された物理チャネル値がさらにフィルタ処理され得る。1つのそのような態様では、値は、複数のスロットにわたって平均され得る。その後、806で、図7を参照しながら説明したように、物理チャネル値およびビームフォーミング重みベクトルから複合チャネルが合成され得る。
【0080】
次に図9を参照すると、1つまたは複数のビームフォーミング方式を使用して、アップリンク送信ダイバーシティを可能にするワイヤレス通信デバイス900(たとえばクライアントデバイス)の図が示されている。クライアントデバイス900は、たとえば、1つまたは複数の受信アンテナ(図示せず)から1つまたは複数の信号を受信し、受信信号に典型的なアクション(たとえばフィルタ処理、増幅、ダウンコンバートなど)を実行し、条件付きの信号をデジタル化してサンプルを取得する受信機902を含む。受信機902は、受信された信号の復調のための搬送周波数を提供することができる発振器、および受信されたシンボルを復調し、それらをチャネル推定のためにプロセッサ906に提供することができる復調器を含むことができる。一態様では、クライアントデバイス900は、セカンダリ受信機952をさらに含み、情報の追加チャネルを受信することができる。
【0081】
プロセッサ906は、受信機902によって受信される情報を分析し、および/あるいは1つまたは複数の送信機920(説明を簡単にするために、送信機920およびオプションのセカンダリ送信機922のみが示される)による送信のための情報を生成する専用のプロセッサ、クライアントデバイス900の1つまたは複数の構成要素を制御するプロセッサ、および/または受信機902および/または受信機952によって受信される情報を分析し、1つまたは複数の送信アンテナ(図示せず)上での送信のために送信機920によって送信するための情報を生成し、クライアントデバイス900の1つまたは複数の構成要素を制御するプロセッサとすることができる。一態様では、クライアントデバイス900は、セカンダリ受信機922をさらに含み、情報の追加チャネルを送信することができる。
【0082】
クライアントデバイス900は、プロセッサ906に動作可能に結合され、送信すべきデータ、受信されたデータ、使用可能なチャネルに関連する情報、分析された信号および/または干渉強度に関連付けられたデータ、割り当てられたチャネル、電力、レートなどに関連する情報、およびチャネルを推定し、チャネルを介して通信するための任意の他の適切な情報を格納することができるメモリ908をさらに含むことができる。メモリ908は、(たとえば、性能ベース、容量ベースなど)チャネルを推定し、および/または使用することに関連付けられたプロトコルおよび/またはアルゴリズムをさらに格納することができる。
【0083】
本明細書で説明するデータストア(たとえば、メモリ908)は揮発性メモリまたは不揮発性メモリのいずれかとすることができる、または揮発性と不揮発性の両方のメモリを含むことができることは諒解されよう。限定ではなく例として、不揮発性メモリには、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、またはフラッシュメモリなどがあり得る。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができ、これは外部キャッシュメモリとして働く。限定ではなく例として、RAMは、同期RAM (SRAM)、ダイナミックRAM (DRAM)、同期DRAM (SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM (DDR SDRAM)、拡張SDRAM (ESDRAM)、シンクリンクDRAM (SLDRAM)、およびダイレクトRambus RAM (DRRAM)など、多くの形で使用可能である。対象のシステムおよび方法のメモリ908は、それだけに限定されないが、これらおよび任意の他の適切なタイプのメモリを含むものとする。
【0084】
クライアントデバイス900は、送信ダイバーシティ通信を可能にするための送信ダイバーシティモジュール912をさらに含み得る。送信ダイバーシティバーシティモジュール912は、受信されたビームフォーミング重みベクトルを処理し、データチャネル、制御チャネル、または複数のパイロットチャネルのうちの少なくとも1つにビームフォーミング情報を適用するためのビームフォーミングベクトルモジュール914をさらに含み得る。一態様では、データチャネルには、拡張専用物理データチャネル(E-DPDCH)、高速専用物理データチャネル(HS-DPDCH)、R99専用物理データチャネル(R99-DPDCH)などがある。さらに、一態様では、制御チャネルには、拡張専用物理制御チャネル(E-DPCCH)、専用物理制御チャネル(DPDCH)などがある。さらに、1つまたは複数のパイロットチャネルは、1つまたは複数のDPCCHを使用して使用可能であり得る。さらに、データチャネルおよび制御チャネルは、優位な仮想アンテナ上で送信することができ、様々なビームフォーミング方式は、パイロットチャネルへのビームフォーミング情報の適用に関して異なり得る。
【0085】
さらに、モバイルデバイス900は、ユーザインターフェース940を含むことができる。ユーザインターフェース940は、ワイヤレスデバイス900への入力を生成するための入力機構942、およびワイヤレスデバイス900のユーザによる消費のための情報を生成するための出力機構944を含むことができる。たとえば、入力機構942は、キーまたはキーボード、マウス、タッチスクリーンディスプレイ、マイクロフォンなどの機構を含み得る。さらに、たとえば、出力機構944は、ディスプレイ、オーディオスピーカ、ハプティックフィードバック機構、パーソナルエリアネットワーク(PAN)トランシーバなどを含み得る。図示された態様では、出力機構944は、画像またはビデオフォーマットのメディアコンテンツを提示するように動作可能なディスプレイ、またはオーディオフォーマットのメディアコンテンツを提示するオーディオスピーカを含み得る。
【0086】
図10を参照すると、例示的なシステム1000は、複数の受信アンテナ1006を介して1つまたは複数のユーザデバイス900から信号を受信する受信機1010、および複数の送信アンテナ1008を介して1つまたは複数のユーザデバイス900に送信する送信機1020を含む基地局1002を含む。受信機1010は、受信アンテナ1006から情報を受信することができる。シンボルは、上記のプロセッサと類似した、ワイヤレスデータ処理に関連した情報を格納するメモリ1014に結合されるプロセッサ1012によって分析され得る。プロセッサ1012は、送信ダイバーシティ対応ユーザデバイス900から受信された信号の処理を容易にする送信ダイバーシティモジュール1016にさらに結合される。一態様では、送信ダイバーシティモジュール1016は、ユーザデバイス900から受信された複数のパイロットチャネルを処理することができる。そのような態様では、送信ダイバーシティモジュール1016は、プライマリパイロットチャネルの受信された信号対雑音比を最大にするために、推定されたアップリンクチャネル値から、最適な位相および/または振幅値を決定するように動作可能なビームフォーミングベクトルモジュール1018をさらに含む。一態様では、プライマリパイロットチャネルは、第1のパイロットチャネルである。さらに、ビームフォーミングベクトルモジュール1018は、決定された値からビームフォーミング重みベクトルを生成することができ、ビームフォーミング重みベクトルをUE900に送信することができる。一態様では、ビームフォーミング重みベクトルは、フラクショナル専用物理チャネル(F-DPCH)を使用して送信される。信号は、送信機1020によって1つまたは複数の送信アンテナ1008を介してユーザデバイス900に送信するために、多重化され、および/または準備され得る。一態様では、送信ダイバーシティモジュール1016は、ビームフォーミング位相の不連続性が復調のためのチャネル推定の品質に与え得る任意の影響を低減するように動作可能であり得るチャネル推定モジュール1019を含み得る。一態様では、チャネル推定モジュール1019は、受信されたパイロットチャネルを分析し、送信されたデータチャネルおよび制御チャネルを復調することができる。チャネル推定モジュール1019
によって一態様で使用される方法については、図6および図8を参照しながら説明する。
【0087】
開示されるプロセスにおけるステップの特定の順序または階層は例示的な手法の一例であることを理解されたい。設計上の選好に基づいて、本開示の範囲内のままでありながら、プロセスにおけるステップの特定の順序または階層が再構成され得ることを理解されたい。添付の方法クレームは、サンプルの順序における様々なステップの要素を提示しており、提示される特定の順序または階層に限定されるものではない。
【0088】
情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを当業者であれば理解されよう。たとえば、上記説明の全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは粒子、光場もしくは粒子、またはその任意の組合せによって表され得る。
【0089】
さらに、本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能に関して上記で全体的に説明されている。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーションおよび全体的なシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0090】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、たとえばDSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに結合した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組合せとして実装され得る。
【0091】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施されるか、またはその2つの組合せで実施され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。ASICはユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0092】
開示される実施形態の上記の説明は、当業者が本開示を作成または使用できるようにするために提供される。これらの実施形態への様々な修正が当業者には容易に明らかになることになり、本明細書に定義する一般原理は、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなしに他の実施形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書に示す実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴に一致する最大の範囲を与えられるものである。
【符号の説明】
【0093】
100 アクセスポイント
104 アンテナ
106 アンテナ
108 アンテナ
110 アンテナ
112 アンテナ
114 アンテナ
116 アクセス端末
118 逆方向リンク
120 順方向リンク
122 アクセス端末
124 逆方向リンク
126 順方向リンク
200 MIMOシステム
210 送信機システム
212 データソース
214 TXデータプロセッサ
220 TX MIMOプロセッサ
222 送信機、受信機
224 アンテナ
230 プロセッサ
236 データソース
238 TXデータプロセッサ
240 復調器
242 RXデータプロセッサ
250 受信機システム
252 アンテナ
254 受信機、送信機
260 RXデータプロセッサ
270 プロセッサ
280 変調器
300 装置
302 バス
304 プロセッサ
306 コンピュータ可読媒体
308 バスインターフェース
310 トランシーバ
312 ユーザインターフェース
314 処理システム
400 UMTSシステム
402 UMTS地上無線アクセスネットワーク
404 コアネットワーク
406 RNC
407 RNS
408 ノードB
410 ユーザ機器
411 汎用加入者識別モジュール
412 MSC
414 GMSC
415 HLR
416 回路交換ネットワーク
418 SGSN
420 GGSN
422 パケットベースネットワーク
500 ワイヤレス通信システム
510 ワイヤレス通信デバイス
512 送信ダイバーシティモジュール
514 ビームフォーミングベクトルモジュール
516 アンテナ
520 基地局
522 送信ダイバーシティモジュール
524 ビームフォーミングベクトルモジュール
526 アンテナ
528 チャネル推定モジュール
700 UE
702 アンテナ
704 アンテナ
706 変調ユニット
708 ビームフォーミングモジュール
712 拡散モジュール
714 プライマリパイロットチャネル
716 データチャネル
718 制御チャネル
720 セカンダリパイロットチャネル
722 スケーリング係数
900 ワイヤレス通信システム
902 受信機
906 プロセッサ
908 メモリ
912 送信ダイバーシティモジュール
914 ビームフォーミングベクトルモジュール
920 送信機
922 セカンダリ送信機
940 ユーザインターフェース
942 入力機構
944 出力機構
952 セカンダリ受信機
1000 システム
1002 基地局
1006 受信アンテナ
1008 送信アンテナ
1010 受信機
1012 プロセッサ
1014 メモリ
1016 送信ダイバーシティモジュール
1018 ビームフォーミングベクトルモジュール
1019 チャネル推定モジュール
1020 送信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するステップと、
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するステップと、
前記導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するステップと、
前記2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するステップと
を含む、基地局によってチャネル推定を可能にする方法。
【請求項2】
ユーザ機器からデータチャネルおよび制御チャネルを受信するステップと、
前記合成された複合チャネル推定を使用して前記データチャネルおよび制御チャネルを復調するステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数のスロットにわたって前記導出された物理チャネルのうちの少なくとも1つを平均するステップ
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルが時間整合される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから前記ビームフォーミング重みベクトルを生成するステップ
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
受信されたデータチャネルおよび制御チャネルの信号対雑音比を最大にするために、前記ビームフォーミング重みベクトルが生成される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ビームフォーミング重みベクトルが位相情報または振幅情報のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記位相情報が、0度、90度、180度、および270度を含む使用可能な位相の有限集合のうちの1つの選択を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ビームフォーミング重みベクトルをUEに送信するステップであり、前記ビームフォーミング重みベクトルがフラクショナル専用物理チャネルを使用して送信される、ステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コンピュータに、
プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信させ、
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出させ、
前記導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出させ、
前記2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成させる
ためのコードを記録したコンピュータ可読記録媒体。
【請求項11】
前記コンピュータ可読記録媒体が、コンピュータに
ユーザ機器からデータチャネルおよび制御チャネルを受信させ、
前記合成された複合チャネル推定を使用して前記データチャネルおよび制御チャネルを復調させる
ためのコードをさらに記録する請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項12】
前記コンピュータ可読記録媒体が、前記コンピュータに、複数のスロットにわたって前記導出された物理チャネルのうちの少なくとも1つを平均させるためのコードをさらに記録する請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項13】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルが時間整合される請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項14】
前記コンピュータ可読記録媒体が、前記コンピュータに、前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから前記ビームフォーミング重みベクトルを生成させるためのコードをさらに記録する請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項15】
受信されたデータチャネルおよび制御チャネルの信号対雑音比を最大にするために、前記ビームフォーミング重みベクトルが生成される請求項14に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項16】
ビームフォーミング重みベクトルが位相情報または振幅情報のうちの少なくとも1つを含む請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項17】
前記位相情報が、0度、90度、180度、および270度を含む使用可能な位相の有限集合のうちの1つの選択を含む請求項16に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項18】
前記コンピュータ可読記録媒体が、前記コンピュータに、前記ビームフォーミング重みベクトルをUEに送信させ、前記ビームフォーミング重みベクトルがフラクショナル専用物理チャネルを使用して送信されるようにするためのコードをさらに記録する請求項10に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項19】
基地局によって、プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するための手段と、
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出するための手段と、
前記導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出するための手段と、
前記2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するための手段と
を含む、装置。
【請求項20】
ユーザ機器からデータチャネルおよび制御チャネルを受信するための手段と、
前記合成された複合チャネル推定を使用して前記データチャネルおよび制御チャネルを復調するための手段と
をさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項21】
複数のスロットにわたって前記導出された物理チャネルのうちの少なくとも1つを平均するための手段
をさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルが時間整合される請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから前記ビームフォーミング重みベクトルを生成するための手段
をさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項24】
受信されたデータチャネルおよび制御チャネルの信号対雑音比を最大にするために、前記ビームフォーミング重みベクトルが生成される請求項23に記載の装置。
【請求項25】
ビームフォーミング重みベクトルが位相情報または振幅情報のうちの少なくとも1つを含む請求項19に記載の装置。
【請求項26】
前記位相情報が、0度、90度、180度、および270度を含む使用可能な位相の有限集合のうちの1つの選択を含む請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記ビームフォーミング重みベクトルをUEに送信するための手段であり、前記ビームフォーミング重みベクトルがフラクショナル専用物理チャネルを使用して送信される、手段をさらに含む請求項19に記載の装置。
【請求項28】
プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信し、前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出し、前記導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出し、前記2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成するように構成されたプロセッサと、
データを格納するための前記プロセッサに結合されたメモリと
を含む、ワイヤレス通信システムで動作可能な装置。
【請求項29】
前記プロセッサが、
ユーザ機器からデータチャネルおよび制御チャネルを受信し、
前記合成された複合チャネル推定を使用して前記データチャネルおよび制御チャネルを復調する
ようにさらに構成された請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記プロセッサが、複数のスロットにわたって前記導出された物理チャネルのうちの少なくとも1つを平均するようにさらに構成された請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルが時間整合される請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記プロセッサが、前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから前記ビームフォーミング重みベクトルを生成するようにさらに構成された請求項28に記載の装置。
【請求項33】
受信されたデータチャネルおよび制御チャネルの信号対雑音比を最大にするために、前記ビームフォーミング重みベクトルが生成される請求項32に記載の装置。
【請求項34】
ビームフォーミング重みベクトルが位相情報または振幅情報のうちの少なくとも1つを含む請求項28に記載の装置。
【請求項35】
前記位相情報が、0度、90度、180度、および270度を含む使用可能な位相の有限集合のうちの1つの選択を含む請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記プロセッサが、前記ビームフォーミング重みベクトルをUEに送信し、前記ビームフォーミング重みベクトルがフラクショナル専用物理チャネルを使用して送信されるようにさらに構成された請求項28に記載の装置。
【請求項37】
プライマリパイロットチャネルおよびセカンダリパイロットチャネルを受信するように動作可能な受信機と、
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから2つ以上の複合チャネルを導出し、
前記導出された2つ以上の複合チャネルから2つ以上の物理チャネルを導出し、
前記2つ以上の導出された物理チャネルおよびビームフォーミング重みベクトルから優位な仮想アンテナについての複合チャネル推定を合成する
ためのチャネル推定モジュールと
を含む、基地局。
【請求項38】
前記受信機が、ユーザ機器からデータチャネルおよび制御チャネルを受信するようにさらに動作可能であり、
前記チャネル推定モジュールが、前記合成された複合チャネル推定を使用して、前記データチャネルおよび制御チャネルを復調するようにさらに動作可能である
請求項37に記載の基地局。
【請求項39】
前記チャネル推定モジュールが、複数のスロットにわたって前記導出された物理チャネルのうちの少なくとも1つを平均するようにさらに動作可能である請求項37に記載の基地局。
【請求項40】
前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルが時間整合される請求項37に記載の基地局。
【請求項41】
前記チャネル推定モジュールが、前記受信されたプライマリおよびセカンダリパイロットチャネルから前記ビームフォーミング重みベクトルを生成するようにさらに動作可能である請求項37に記載の基地局。
【請求項42】
受信されたデータチャネルおよび制御チャネルの信号対雑音比を最大にするために、前記ビームフォーミング重みベクトルが生成される請求項41に記載の基地局。
【請求項43】
ビームフォーミング重みベクトルが位相情報または振幅情報のうちの少なくとも1つを含む請求項37に記載の基地局。
【請求項44】
前記位相情報が、0度、90度、180度、および270度を含む使用可能な位相の有限集合のうちの1つの選択を含む請求項43に記載の基地局。
【請求項45】
前記ビームフォーミング重みベクトルをUEに送信するように動作可能な送信機であり、前記ビームフォーミング重みベクトルがフラクショナル専用物理チャネルを使用して送信される、送信機
をさらに含む請求項37に記載の基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−519314(P2013−519314A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552117(P2012−552117)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/023785
【国際公開番号】WO2011/097507
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】