アップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法および装置
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)において実施されるアップリンク(UpLink:UL)送信ダイバーシティを実行するための方法および装置は、プリコーディング(precoding)情報を含む信号を受信することを含む。プリコーディング情報は、検出されそしてUL送信に適用される。UL送信は、適用されたプリコーディング情報と共に送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2009年3月16日に出願された番号第61/160,592号、2009年10月2日に出願された番号第61/248,241号、および2010年2月11日に出願された番号第61/303,443号の米国仮出願の利益を主張し、ここにこの番号を参照することにより、そのすべての開示内容を本明細書の一部とする。
【0003】
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)は、受信アンテナ・ダイバーシティを備えることができる。例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)の要件におけるある受信機種別を、受信ダイバーシティを想定して設計することができる。その上、3GPP WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)FDD(Frequency Division Duplex)仕様のR7(Release7)などの技術仕様においては、ダウンリンクMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)動作に対する支援が定義されている。R7 MIMOにおいては、例えば送信機(例えばノードB(Node−B))での2つのアンテナおよび受信機(例えばWTRU)での2つのアンテナによって空間的多重化が達成される。MIMO受信機により達成可能な潜在的な高データ速度および受信ダイバーシティ単独でもたらす性能の増加という理由により、2つの受信アンテナを伴って構築されるWTRUの数は、ここ何年かで増加する可能性がある。
【0004】
しかしながら、WTRUは、受信ダイバーシティおよびMIMO動作に対して複数のアンテナを伴って構築される場合があるが、現時点ではWTRUが空間的ダイバーシティを使用して送信する方法がない。そうすることにより、干渉が低いという理由によるシステムレベルの利得とともに、UL(UpLink:アップリンク)通信可能範囲を増大させることを可能性として提供することができる。したがって、アップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法および装置を提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【0005】
WTRUにおいて実施されるUL送信ダイバーシティを実行するための方法および装置が開示される。この方法は、アップリンクのプリコーディング(precoding)情報を含む信号を受信することを含む。アップリンクのプリコーディング情報は、検出されそしてUL送信に適用される。UL送信は、適用されたプリコーディングの重み(weight)と共に送信される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面に関連して例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
【0007】
【図1】複数のWTRU、1つのノードB、CRNC(Controlling Radio Network Controller)、SRNC(Serving Radio Network Controller)、およびコア・ネットワークを含む無線通信システムの一例を示す図である。
【図2】図1の無線通信システムの1つのWTRUおよびノードBの機能的ブロック図の一例である。
【図3】送信ダイバーシティを有するWTRUの機能的ブロック図の一例である。
【図4】送信ダイバーシティを有する代替のWTRUの機能的ブロック図の一例である。
【図5】F−DPCH(Fractional Dedicated Physical CHannel)フレーム形式の一例を示す図である。
【図6】代替のF−DPCHフレーム形式の一例を示す図である。
【図7】ULフィードバック・ビット結合の一例を表現するF−DPCHフレームの一例を示す図である。
【図8】UPCI(Uplink PreCoding Information)パターン・サイクルを有するF−DPCHの一例を示す図である。
【図9】単一のスロット中にて送信されるULフィードバックを有するF−DPCHの一例を示す図である。
【図10】DL(DownLink:ダウンリンク)チャネルにおいてプリコーディングの重みを信号送出するためのフレーム形式の一例を示す図である。
【図11】E−DPCCH(Enhanced Dedicated Physical Control CHannel)の符号化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
今後言及するとき、用語「WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)」は、限定的ではなく、UE(User Equipment:ユーザー機器)、移動局、固定型または移動体の加入者ユニット、ページャー、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、コンピューター、または無線環境において動作する能力のある他の任意の種別のデバイスを含む。今後言及するとき、用語「基地局(Base Station)」は、限定的ではなく、ノードB(Node−B)、サイト制御装置、AP(Access Point:アクセス・ポイント)、または無線環境において動作する能力のある他の任意の種別のインターフェイス・デバイスを含む。
【0009】
図1は、複数のWTRU110、1つのノードB120、CRNC(Controlling Radio Network Controller)130、SRNC(Serving Radio Network Controller)140、およびコア・ネットワーク150を含む無線通信システム100を示す。ノードB120およびCRNC130をUTRANとして集合的に呼ぶことができる。
【0010】
図1に示されるように、WTRU110はノードB120と通信状態にあり、ノードB120はCRNC130およびSRNC140と通信状態にある。3つのWTRU110、1つのノードB120、1つのCRNC130、および1つのSRNC140が図1において示されるが、無線通信システム100においては無線および有線の装置の任意の組み合わせを含むことができることに注意すべきである。
【0011】
図2は、図1の無線通信システム100のWTRU110およびノードB120の機能的ブロック図200である。図2に示されるように、WTRU110はノードB120と通信状態にあり、そして両方がアップリンク送信ダイバーシティの方法を実行するように構成される。
【0012】
典型的なWTRUで見出すことができるコンポーネントに加えて、WTRU110は処理装置115、受信機116、送信機117、メモリ118、およびアンテナ119を含む。メモリ118は、オペレーティング・システム、アプリケーションなどを含むソフトウェアを格納するために提供される。処理装置115は、単独で、またはソフトウェアに関連付けられて、アップリンク送信ダイバーシティの方法を実行するために提供される。受信機116および送信機117は、処理装置115と通信状態にある。アンテナ119は、受信機116および送信機117の両方と通信状態にあり、無線データの送信および受信を実行する。WTRU110においては1つのアンテナ119のみが示されるが、アップリンク送信ダイバーシティを実行するためにWTRU110により複数のアンテナを利用することができることもまた注意すべき場合がある。
【0013】
典型的なノードBにおいて見出すことができるコンポーネントに加えて、ノードB120は処理装置125、受信機126、送信機127、メモリ128、およびアンテナ129を含む。処理装置125は、アップリンク送信ダイバーシティの方法を実行するように構成される。受信機126および送信機127は、処理装置125と通信状態にある。アンテナ129は、受信機126および送信機127の両方と通信状態にあり、無線データの送信および受信を実行する。ノードB120においては1つのアンテナ129のみが示されるが、送信ダイバーシティを実行するためにノードB120において複数のアンテナを利用することができることもまた注意すべき場合がある。
【0014】
空間的送信ダイバーシティなど、アップリンク送信ダイバーシティを実施するためにここに多くの方法が説明される。UL送信ダイバーシティを実施するWTRU110は、上で説明されたように1つより多いアンテナを含む場合がある。その結果として図3は、空間的送信ダイバーシティなど、送信ダイバーシティを有するWTRU300の機能的ブロック図の一例である。WTRU300は、挿入(insertion)デバイス3101および3102、変調/拡散デバイス3201および3202、およびアンテナ3301および3302を含む。挿入デバイス3101および3102、は入力信号を受信し、そして信号にそれぞれプリコーディングの重み(weight)wlおよびw2を挿入する。例えば、プリコーディングの重みwlは信号に適用される位相角とすることができ、一方プリコーディングの重みw2はプリコーディングの重みwlの位相から位相偏移される(phase shifted)位相角とすることができる。変調/拡散デバイス3201および3202は、挿入デバイス3101および3102から信号を受信し、そしてその信号を変調および拡散する。変調/拡散デバイス3201および3202は、それらのそれぞれの信号を異なったまたは同一の拡散符号および変調を用いて拡散することができる。アンテナ3301および3302は無線により送信するために、変調/拡散デバイス3201および3202からそれぞれの信号を受信する。
【0015】
図4は、空間的送信ダイバーシティなどの、送信ダイバーシティを有する代替のWTRU400の機能的ブロック図の一例である。WTRU400は、挿入デバイス4101および4102、変調/拡散デバイス420、およびアンテナ4301および4302を含む。変調/拡散デバイス420は、入力信号を受信し、そしてその信号を変調/拡散する。挿入デバイス4101および4102は、変調/拡散デバイス420から信号を受信し、そしてその信号にそれぞれプリコーディングの重みwlおよびw2を挿入する。例えば、プリコーディングの重みwlは信号に適用される位相角とすることができ、一方プリコーディングの重みw2はプリコーディングの重みwlの位相から位相偏移される位相角とすることができる。アンテナ4301および4302は、無線により送信するために挿入デバイス4101および4102からそれぞれの信号を受信する。この代替手段においては、変調/拡散デバイス420によってそれが拡散または変調された後に、プリコーディングの重みwlおよびw2が信号に挿入される。
【0016】
送信ダイバーシティを実施するために、採用することができる方法には、開ループ送信ダイバーシティおよび閉ループ送信ダイバーシティの2つがある。開ループ送信ダイバーシティにおいては、それが受信機にて検出されるため、送信機はチャネル情報を意識しない。その結果として、ダウンリンク上にて送信される制御フィードバックはより少ない。WTRUは今後言及するとき、WTRU110、WTRU300、WTRU400、または任意の他の種別のWTRUを言及することができる。
【0017】
開ループ送信ダイバーシティ方式においては、WTRUが、時空間ブロック符号化による時空間送信ダイバーシティを使用することができる。さらに、UL変調はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)でもあるいは16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)でもないため、シンボル・レベルにてではなくチップ・レベルにてAlamouti(アラモチ)方式を適用することができる。また、WCDMA FDD DL信号などの、ダウンリンク信号にこれを適用することもできる。時間遅延(time delay)送信ダイバーシティによる結合時空間ブロック符号化をもまた利用することができる。
【0018】
開ループ送信ダイバーシティの一つの代替の方式においては、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)手順を介して送信ダイバーシティを達成することができる。例えば、それぞれのHARQ再送信に対して構成設定されたまたは予め定義された1組のプリコーディングの重みをそれぞれのアンテナに適用することができる。ノードB120は、例えば、E−DPCCH上のRSN(Retransmission Sequence Number)値、SFN(System Frame Number)、CFN(Connection Frame Number)、サブフレーム番号、またはそれらの任意の組み合わせに基づき、いずれのプリコーディングの重みが使用されるかを知ることができる。
【0019】
開ループ方式においては、予め定義されたまたは予め構成設定された1組のプリコーディングの重みを時間的に入れ替えることにより、送信ダイバーシティをまた達成することができる。そしてWTRUは異なった1組のプリコーディングの重みを時間的に入れ替えた形で使用することができ、ここでプリコーディングの重みを入れ替えるための時間の単位はまた、例えば所与のスロット、TTI、またはフレームの数として予め構成設定し、または予め定義することができる。一例においては、4つのプリコーディングの重みの組によりWTRUを構成設定することができる。TTIごとに異なった組の重みを使用し、いずれのプリコーディングの重みが使用されているかをノードBが意識しているようにすることができる。
【0020】
別の代替の開ループ送信ダイバーシティ方式においては、時間的に遅延された送信ダイバーシティを採用することができる。例えば、1つのアンテナ上の送信を別のアンテナ上の送信に対して遅延させることができる。ここで、ネットワークによるなどで、時間遅延を予め構成設定しまたは予め定義することができる。あるいはまた、1組のプリコーディングの重みを非遅延送信に対して使用し、一方で時間的に遅延された送信信号に対して別の組を使用することができる。さらに、例えばRSN、SFN、CFN、サブフレーム番号、またはそれらの任意の組み合わせに基づき、HARQ送信ごとにプリコーディングの重みまたは遅延を変えることができる。
【0021】
開ループ送信ダイバーシティ方式に対比して、閉ループ送信ダイバーシティ方式においては、受信機にて検出されるチャネルの状態、または使用されるべきプリコーディング情報について送信機には知識がある。この知識は、ノードB120が使用すべく望んでいるプリコーディングの重みを受信機(例えばノードB120)が送信機(例えばWTRU)に通信する形態である場合がある。高速フィードバック・チャネル上にて送信機に情報を送信し戻すことによって、これを達成することができる。あるいはまたはさらに加えて、送信機(例えばWTRU)は、送信するためにいずれのプリコーディングの重みを適用または使用するかを判定するためにチャネル状態情報を利用することができる。
【0022】
受信機から送信機へ送信し戻される好適なプリコーディングの重みの情報には、例えばプリコーディングの重みの表への索引を含むことができる。一例においては、表中のそれぞれの索引付けされた位置には、1つまたは複数のプリコーディング・ベクトルに対応する1つまたは複数のプリコーディングの重みが含まれる。そのような例においては、プリコーディング・ベクトルは1つまたは複数の重みを形成する重みベクトルwk=[wk,1,wk,2,・・・wk,N]を含むことができ、ここでkは重みベクトルの索引指標であり、そしてNはそのアンテナ数に対応するベクトルにおける要素数である。図3および図4の例において表現されるように、2つアンテナの特定の場合に対しては、プリコーディング・ベクトルは2つのエントリー(1アンテナあたり1つ)wlおよびw2を含む。一般的には、複数のプリコーディング・ベクトルを考慮すると、wk=[wk,1,wk,2]としてそれぞれのベクトルkを表すことができる。2つアンテナの送信ダイバーシティ・システムに対するNの重みベクトルを含む表の一例が下の表1において示される。
【0023】
【表1】
【0024】
閉ループ・ダイバーシティを実行する1つの方法においては、例えばF−DPCH上にてフィードバックを伝達することができる。WTRUなどのフィードバックを受信する送信機は、いずれのプリコーディングの重み、または重みベクトルを使用するべきかを判定するためにF−DPCHビットの値を解釈し直すことができる。図5は、F−DPCHフレーム形式500の一例を示し、これは従来のF−DPCHフレーム形式と同様とすることができる。F−DPCHフレーム形式500は、複数のスロット510(例えば、5100、5101、…、510i、…、51014)を含む。それぞれのスロット510は、TxOFF(Transmit(Tx) OFFset)フィールド、TPC(Transmit Power Control)フィールド、および別のTxOFFフィールドなどの、複数のフィールドを含む。例えばスロット510iを使用して、TxOFFフィールド511は、NOFF1ビットを含み、TPCフィールド512はNTPCビットを含み、そしてTxOFFフィールド513はNOFF2ビットを含む。以下の表2は、F−DPCHスロット510iの例のフィールドにおける情報を示す情報表の一例である。
【0025】
【表2】
【0026】
ここで表2を参照すると、F−DPCHスロット510iはスロットあたりのTPCコマンドに関して2ビットの情報を含む(すなわち、NTPC=2)。F−DPCHスロット形式の一例においては、2つのTPCコマンド・ビットの内の1つを利用してTPCコマンドを表し、一方もう片方では、いずれのプリコーディングの重みを適用すべきかを表すことができる。例えばF−DPCHスロット形式510iのTPCフィールド512中の第2のビットが「0」である場合には、第1のプリコーディング重みベクトル(wl)を適用することができ、一方第2のビットが「1」である場合には、第2のプリコーディング重みベクトル(w2)を適用することができる。そしてWTRUは、対応するTPCコマンドが適用されているそれぞれのスロットにおいて同一時刻にてプリコーディングの重みを適用することができる。
【0027】
代替の方法においては、修正されたF−DPCHスロット形式を利用して、WTRUが使用すべきであるとノードBが望むプリコーディングの重み、または重みベクトルをWTRUに通知することができる。図6は、そのような代替のF−DPCHフレーム形式の一例600を示す。F−DPCHフレーム形式600は、複数のスロット610(例えば、6100、6101、…、610i、…、61014)を含み、これらはF−DPCH形式500と同様に複数のフィールドを含む。例えばスロット610iを使用して、TxOFFフィールド611はNOFF1ビットを含み、そしてTxOFFフィールド613はNOFF2ビットを含む。しかしながらフィールド612は、NTPCビットおよびNUPCIビットの両方を含む、TPCおよびUPCI(Uplink PreCoding Information)両方のフィールドである。下の表3は、F−DPCHスロット形式の例610iのフィールドにおける情報を示す情報表の一例である。
【0028】
【表3】
【0029】
上の表3中に示されるように、NTPCビットが2に等しいと、NUPCIビットは0に等しくなる。NTPCビットが1である場合には、NUPCIビットは1である。その結果としてWTRUは、スロット形式「0」は両方のビットがTPCに寄与するとして、一方スロット形式「0A」はその第2のビットがUPCIに寄与するとして解釈されるなどと、スロット形式を解釈することができる。いずれのスロット形式が利用されるかをそれが知ることを可能とするために、例えばRRC信号方式を介して、F−DPCHフレーム形式を使用して、ネットワークによりWTRUを構成設定することができる。構成設定された結果WTRUは、その接続の間中またはネットワークから再構成を受信するまで、同一のF−DPCHフレーム形式を使用することができる。
【0030】
図6のF−DPCHスロット形式610iを利用する代替の方法においては、UPCIフィールドに含まれる「1」ビットは好適なプリコーディングの重みを表すことができ、一方TPCフィールドからの「1」ビットは、TPCコマンドのために利用することができる。固定数のF−DPCHコマンドまたはスロットにわたるUPCIビットを結合することによって、プリコーディングの重みに索引付けすることができ、これにより2つより多いプリコーディングの重みまたは重みベクトルの索引付けを可能とすることができる。
【0031】
例えばMの連続したUPCIビットを結合すると、2Mの予め定義された符号化重みベクトルの内の1つに索引付けすることができる。M=3の例を使用すると、ノードBは、3ビットの索引のそれぞれのビットを、3つの無線スロットにわたってUPCIフィールドにおいて1回に1つずつ送信することにより、8つのプリコーディング重みベクトルの内の1つの索引を信号送出することができ、これらのスロットは、連続した無線スロットである場合、またはそうでない場合がある。そしてWTRUは3つのUPCIビットを蓄積し、そして次のUL無線スロットエッジ(slot edge)、または予め定義された将来のUL無線スロットエッジに、プリコーディング・ベクトルを適用することができる。図7は、ULフィードバック・ビット結合の一例700を表現するF−DPCHフレームの一例を示す。図7においては、プリコーディング索引は、F−DPCHのUFBフィールド中に含まれ、そして例えばa0a1a2、b0b1b2、c0c1c2、d0d1d2、およびe0e1e2と指定されて示される。WTRUは次に復号化し、そして例えばDPCCH上のULに関してプリコーディングの重みを適用する。さらに、プリコーディングの重みの受信およびそれらのULにおける適用の間に時間遅延がある場合がある。
【0032】
閉ループ・アップリンク送信ダイバーシティを実行するための別の方法の一例においては、予め決められたサイクルにわたって、TPCフィールド中のF−DPCHの2ビットを交替し、TPCコマンドまたはプリコーディングの重みまたは重みベクトルのいずれかを示すことができる。すなわち所与のサイクルにわたって、WTRUはいくつかのスロットにおいてTPCフィールドをTPCコマンドであるとし、一方他のスロットにおいてはUPCIとして解釈することができる。図8は、UPCIパターン・サイクルを有するF−DPCHの一例800を示す。サイクル長(例えばNcycleの無線スロットまたは1フレーム)およびオフセット(例えば無線スロットまたはサブフレームを単位としてのNoffset)を構成することができ、これがパターンを定義する。そのパターンは、スロットにおいてTPCコマンド810がいつ送信され、そしてUPCI820がいつ送信されるかを示す。例えば図8に示された例において、Ncycleは2つの無線フレームに等しく、一方Noffsetは26の無線スロットに等しい。あるいはまた、サイクル長および/またはオフセットは、ミリセカンドなどの時間単位にて表現することができる。
【0033】
引き続き図8を参照して、UPCIビット820が送信されるスロットはTPC情報を伝達することができない。その時点では送信機がTPCコマンドを受信していないので、UPCIビット820スロットの直前に先行するスロット(すなわち最後のTPCビットのスロット810)において使用されたものと同一のDPCCH送信電力をそれが維持することができる。UPCIビットを検出した後に送信機は、アップリンク送信に対応するプリコーディングの重みを適用する。送信機がそのUPCIを含むF−DPCHを受信した後にすぐに、または予め定義された時間の瞬間にこの適用を生起させることができる。一例においては、次のスロット境界(boundary)にて適用を生起させることができる。
【0034】
図9は、単一のスロットにおいて送信されるULフィードバックを有するF−DPCHの一例900を示す。この例においては、F−DPCH910はUPCIビットを含み、このビットがダウンリンクにおいて送信機によって検出される。そして送信機は、アップリンクDPCCH920上の次のフレームにおいてプリコーディングの重みを適用する。例えば図9において示されるように、F−DPCH910上にてUPCIビットを受信するまで、送信機はプリコーディング重みベクトルwA(A)を適用する。その時点にて送信機は、UPCIビットを検出し、そしてプリコーディング重みベクトルwB(B)を使用するべきと判断する。その結果として次のUL DPCCHフレーム920の始めに送信機は、プリコーディング重みベクトルwBを適用し始める。
【0035】
閉ループ・ダイバーシティを実行する別の方法においては、追加的ダウンリンク物理チャネル上にてフィードバックを伝達することができる。この追加的ダウンリンク物理チャネルは例えば、既存のF−DPCHと同様のフレームおよびスロット形式を選ぶことができる。これらの場合においては、WTRUは同時にチャネルのように2つまでのF−DPCHを受信および処理することができる。この内1つがTPCコマンドを伝達し、そして他方がプリコーディング情報を伝達する。ここに説明した複数のプリコーディング情報ビットを送信するための他の方法と組み合わせて、この方法を使用することが可能である。
【0036】
閉ループ送信ダイバーシティを実行するための別の方法例においては、E−AGCH(Enhanced dedicated channel Access Grant CHannel)サブフレーム上にてプリコーディングの重みを送信することができる。新しいプリコーディングの重みを含む新しいE−AGCHサブフレームが受信されるまで、WTRUは送信されたプリコーディングの重みを利用することができる。E−AGCH中の既存のビットの再解釈(reinterpretation)を介して、またはE−AGCHを修正することによって、(例えばUPCIフィールドを追加)、この信号送出を達成することができる。新しいHS−SCCH(High Speed Shared Control CHannel)を使用して、プリコーディングの重みを表すことができ、ここでもやはり新しいプリコーディングの重みを受信するまで、WTRUは表されたプリコーディングの重みを適用する。さらに、ノードBまたはネットワークからプリコーディングの重みを受信した後の予め定められた期間の経過の後に1組の予め定義されたプリコーディングの重みをデフォルトとするようにWTRUを構成することができる。例えばE−AGCHまたはHS−SCCH上にて伝達されるなどで、WTRUが新しいプリコーディングの重み情報を受信すると、WTRUはタイマーを始動しそして新しいプリコーディングの重みを適用することができる。タイマーが満了すると、WTRUは予め定義されたデフォルトのプリコーディングの重みを適用するように立ち戻ることができる。WTRUは新しいプリコーディングの重みを受信するたびに、タイマーをリセットすることができる。
【0037】
別の例におけるプリコーディングの重みは、E−RGCH(E−DCH Relative Grant CHannel)またはE−HICH(E−DCH HARQ acknowledgment Indicator CHannel)などの、またはこれらと同様な、ダウンリンク制御チャネル上にて送信することができる。図10は、DL(DownLink:ダウンリンク)チャネルにおいてプリコーディングの重みを信号送出するためのフレーム形式の一例1000を示す。フレーム形式1000は、複数のスロット1010(スロット#0、スロット#l、スロット#2、スロット#i、スロット#14と指定)を含む。それぞれのスロット1010中にビット系列1011が含まれる。スロットの一例としてスロット#i(1010i)を使用すると、それぞれビット系列bi,0、bi,1からbi,39を含むビット系列l0lli,0、1011i,1、…、1011i,39を含み、これらが順に40の直交系列の1つに対応する。
【0038】
ネットワークが、RRC信号方式を介してそれぞれのWTRUまたはWTRUのグループに1つまたは複数の直交系列を割り当てることができ、これが信号送出されたプリコーディングの重みによって多重化されまたは変調される。そして予め定められたスロット数(例えば2ms TTIについて3つのスロット)にわたってこれらの変調された直交系列を繰り返すことができる。プリコーディングの重みコマンド中の、1つのTTIから別のものへの、または1つのスロットから別のものへの系列ホッピングを適用することもまたできる。例えば、3GPP仕様における例えばレリース6などの、E−HIGHおよびE−RGCHに対して使用される系列ホッピングを使用することができる。系列ホッピングのこの例においては、特定のWTRUに割り付けられた直交系列が、予め定義された方法にて3スロットごとに変えられる。
【0039】
複数のノードB120またはセルがある1つのWTRUのアクティブな組の一部である場合、例えばそのWTRUがソフト・ハンドオーバー状態にある場合においては、アクティブな組のそれぞれのノードB120またはセルは、説明された任意の方法を使用してプリコーディングの重みのコマンドをWTRUに転送することができる。すべてのノードB120またはセルからのプリコーディングの重み情報を結合し、UL送信のための最適なプリコーディングの重みを決定するようにWTRUを構成することができる。例えば、プリコーディングの重み[wl、w2]が値[1,0]または[0,1]しか取ることができない場合には、UL送信のためのプリコーディング・ベクトルをアクティブな組におけるノードB120またはセルの多数決によるプリコーディングの重みとして選定するようにWTRUを構成することができる。
【0040】
あるいはまた、対応する(serving)E−DCHノードBがプリコーディングの重みコマンドを送信することができ、ここではアクティブな組の中の他のノードBまたはセルは、いずれのプリコーディングの重み情報をも送出しない。この場合においては、WTRUは対応するE−DCHノードBから受信されたプリコーディングの重み情報を適用することができる。
【0041】
ノードB120が2つの送信アンテナからのチャネルを適切に推定するために、それぞれのアンテナ(すなわちアンテナ330または430のそれぞれ)からパイロット・ビットを送信するようにWTRUを構成することができ、そしてそれらのパイロット・ビットに重み付けすることができる。その上、それぞれのアンテナから発出されるパイロットを区別するようにノードB120を構成することができる。WCDMA FDDシステムなどのシステムにおいては、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)上にてパイロット・ビットを伝達することができる。
【0042】
一つの方法例においては、それぞれのアンテナの間でDPCCHを交替して送信することができ、ここで交替のサイクルは予め定義するか、またはネットワークにより構成設定することができる。例えば、WTRUはDPCCHの送信をスロットごとに交替して行うことができる。別の例においては、この交替をTTIごとに実行することができる。あるいはまたはさらに加えて、交替の系列は同一のまたは前のTTI中のE−DCH送信に関連付けられたRSNに依存することができる。
【0043】
別の方法例においては、1アンテナあたり1つのDPCCHを送信することができ、そして異なったスクランブリング符号および/またはチャネライゼーション符号を使用して第2のアンテナに対するDPCCHを送信することができる。また、第2のアンテナ上にて送信されたDPCCHの新しいスロット形式を、新しいDPCCHのみがパイロット・ビットを伝達する(すなわちTPCコマンド無しで)ように、設計することができる。
【0044】
別の代替の方法においては、2つのUL送信アンテナ上にて、2つの直交パイロット・パターン、または系列を送信するようにWTRUを構成することができる。これらのパイロット・パターンは、MIMOまたはTXダイバーシティ動作を支援するように上位層によって予め定義し、そして構成設定することができる。従来品との互換性に対しては、主アンテナが第1アンテナのDPCCH上にて従来のパイロット・パターンを送信することができる。そして第2のアンテナがDPCCH上にて異なった、オプション的に直交のパイロット・パターンを送信することができる。第2のDPCCHのTPCフィールドは、追加パイロット・ビットを含むことができ、いずれの情報も伝達することができず(すなわち、DTXed(Discontinuously Transmitted(TXed))、または主DPCCH上のTPCフィールドと同一のTPC情報を含むことができる。
【0045】
プリコーディングの重みを選択するための別の代替の方法においては、プロービング(probing)を採用することができる。この方法においては、wlなどの、第1の組の重みを使用してその送信の部分(fl)を、およびw2の第2の組の重みを使用してその送信の部分(f2)を送出するようにWTRUを構成することができ、ここでwlは、要素の数がアンテナの数に対応するベクトルである。一例においては、部分1は部分2より大きく(fl>f2)、そして両方の部分の合計は1に等しい(fl+f2=1)。例えばWTRUは、3つの内の2つのスロットに対して重みwlを、そして残っているスロットに対して重みw2を使用して送信することができる。あるいはまたWTRUは、4つの内の3つのサブフレームに対して重みwlを、そして4つの内の1つのサブフレームに対して重みw2を使用して送信することができる。基地局受信機またはノードB120は使用する重みのパターンを知ることができる。
【0046】
チャネルのフェーディング状態によっては、2組の重みの内の1つ(wlまたはw2)が他方より好ましい受信をもたらす場合がある。基地局受信機またはノードB120は、パターンに関する知識および所与の時間の瞬間での受信の品質に基づき、いずれの重みの組が最適のものであるかを検出することができる。この情報に基づき、基地局またはノードB120は、例えば上で説明されたフィードバック方法の内の1つに従って、フィードバック信号を送出することができる。いろいろな方法にてフィードバック信号を設計することができる。
【0047】
例えば、送信の最大部分(例えばfl)の間、最良の重みの組を使用することができるように、フィードバック信号が定期的に送出され、そしてWTRUが重みの組wlおよびw2を入れ替えることができるか否かを表すことができる。別のオプションにおいては、フィードバック信号が定期的に送出され、そしていずれの重みの組を部分flおよびf2の間に使用することできるかを表すことができる。2組の予め定義された重みについて1ビットを使用してこれを達成することができる。
【0048】
別の代替においては、送信の最大部分の間、最良の重みの組を使用することができるように、ノードB120が重みの組を入れ替えるようにコマンドすることを欲するときにのみ、フィードバック信号を送出することができる。例えば、特有なE−RNTI(E−DCH Radio Network Temporary Identifier)を使用する新しいHS−SCCHオーダーまたは特定のE−AGCH値がある場合がある。
【0049】
上の部分的な重み付けのオプションを2つより多くの重みの組を使用するように拡張することができる。さらに、チャネルの可干渉時間によって、最適性能になるように、部分flまたはf2を上位層により調整することができる。また、チャネル変動の速さによって許容されるのと同程度の部分の相違(flおよびf2の間の)を有することが有益である場合がある。
【0050】
UL送信に適用されるべきプリコーディングの重みを、WTRUがUTRANに対して表すことができるようにすることもまた、一つの代替の方法である。例えば、個々のアンテナ・プリコーディングの重みを含むプリコーディング重みベクトルのリストへの索引をUL送信の一部として信号送出することができる。この表示は、UPWI(Uplink Precoding Weight Information)フィールドの形をとることができる。
【0051】
UL DPCCHスロット形式は、UPWIフィールドまたは既存のUL DPCCHスロット形式でのいくつかのビットの再解釈(reinterpretation)を含むことができる。下の表4は、UL DPCCHスロット形式の情報表の一例を示し、ここで最後の3つの列がUPWIフィールドを含む。
【0052】
【表4】
【0053】
この例においては、既存のUL DPCCHスロット形式が、プリコーディングの重み情報を判定するためのビットの再解釈(reinterpretation)を含み、プリコーディングの重み情報として既存のフィールドの内容を解釈することができる。例えば、スロット形式5およびスロット形式0は互いによく似ている。したがって、プリコーディングの重み情報としてスロット0においてNTFCIフィールド中のビットを再解釈することができる。
【0054】
さらに、アップリンク・プリコーディングの重み情報フィールドを含む新しいE−DPCCHスロット形式を利用することができる。ここでもUPWIフィールド、例えば2ビットのフィールド、を加えることによって、これを達成することができ、これがE−DPCCHの符号化率を増加させることができる。この例においては、E−DPCCHに対して符号化するビットの総数は12(すなわちE−TFCIのための7ビット、ハッピー・ビット1ビット、RSNのための2ビット、およびUPWIのための2ビット)まで上げられる。例えば、(32,10)Reed−Muller(リード−マラー)符号中に2つの新しい基底(basis)を加えることによって(32,12)符号がもたらされ、追加2ビットを符号化することができる。
【0055】
あるいはまた、E−DPCCH中で符号化しないでUPWIビットを送信することができ、または従来のE−DPCCHフィールドとは別にUPWIビットを符号化することができる。E−DPCCHの従来のフィールドを、従来の(32,10)リード−マラー符号を使用して符号化することができるが、結果としての符号化されたビットの予め定義された部分集合(NE-DPCCH<30)のみが送信される。UPWIを伝達するために残りのビットを使用することができる。この方法では、従来のE−DPCCHフィールドとは異なった保護によるUPWI送信を可能とする。
【0056】
図11は、E−DPCCHの符号化の一例1100を示す。図11に示されるように、E−TFCI、ハッピー・ビット、およびRSNが、多重化機能1101、符号化機能(例えば(32,10)リード−マラー符号化)1102、および符号化ビット選択機能1103を通って進む。そしてUPWIフィールドは、新しいE−DPCCH物理チャネル対応付け(mapping)機能1104においてE−DPCCHに対応付けられる。例えば対応付けを連続的に扱うことができる、すなわち従来のE−DPCCHフィールドからのすべての符号化されたビットが最初に、次にUPWIフィールドからのビットが送信される。あるいはまた、対応付けの順序を逆にすることができる。すなわち、UPWIフィールドからのビットが最初で、次に従来のE−DPCCHフィールドからの符号化されたビットが送信される。別の例においては、従来のE−DPCCHフィールドからの符号化されたビットにUPWIフィールドからのビットをインタリーブ(interleave)することができる。インタリーブの一例は、例えば無線スロットの最後のシンボルの間に、スロットごとに1つのUPWIビットを送信することを含むことができる。
【0057】
WTRUからアップリンク・プリコーディングの重み情報を送信するために他の代替の方法がある。一例においては、UL DPCCH上にWTRUによって送信されるパイロット系列がアップリンク・プリコーディングの重み情報を表すことができる。例えば、プリコーディング重みベクトル1に対してパイロット系列1を使用することができ、そしてプリコーディング重みベクトル2に対してパイロット系列2を使用することができる。新しいMAC(Media Access Control)層のヘッダー要素または他のL2(Layer 2:第2層)ヘッダー情報要素もまた、ULプリコーディング情報を転送するために使用することができる。
【0058】
特徴および要素が上で特定の組み合わせにて記述されているが、それぞれの特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独にて、または他の特徴および要素の有無にかかわらず様々な組み合わせにて使用することができる。ここに提供される方法またはフロー図は、汎用目的のコンピューターまたは処理装置による実行のための、コンピューターにて読み取り可能な記憶媒体に組み込まれたコンピューター・プログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにて実施することができる。コンピューターにて読み取り可能な記憶媒体の例としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスター、キャッシュ・メモリ、半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気−光学媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(Digital Versatile Disk)などの光学媒体が含まれる。
【0059】
適当な処理装置の例としては、汎用目的処理装置、専用目的処理装置、従来の処理装置、DSP(Digital Signal Processor)、複数のマイクロ処理装置、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロ処理装置、制御装置、マイクロ制御装置、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他の任意の種別のIC(Integrated Circuit:集積回路)、および/または状態マシンが含まれる。
【0060】
WTRU、UE、端末、基地局、RNC(Radio Network Controller)、または任意のホスト・コンピューターにおいて使用するための無線周波数送受信機を実施するために、ソフトウェアに関連付けられた処理装置を使用することができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにて実施され、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンズフリー受話器、キーボード、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュール、FM(Frequency Modulated)無線ユニット、LCD(Liquid Crystal Display)表示ユニット、OLED(Organic Light-Emitting Diode)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディア・プレーヤー、テレビゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネット・ブラウザー、および/または任意のWLAN(Wireless Local Access Network)モジュールもしくはUWB(Ultra Wide Band)モジュールなどのモジュールと連動して使用することができる。
【0061】
実施形態:
1.WTRUにおいて実施される、アップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法。
【0062】
2.前記WTRUが、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信するステップをさらに具備する、実施形態1の方法。
【0063】
3.前記WTRUが、アップリンク・プリコーディング情報を含む信号を受信するステップであって、前記アップリンク・プリコーディング情報が、ULプリコーディングの重みを含むことをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0064】
4.前記WTRUが、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出するステップおよびUL送信に対して前記ULプリコーディングの重みを適用するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0065】
5.前記WTRUが、前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0066】
6.前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第1のアンテナ上での送信に適用される第1のプリコーディングの重みを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0067】
7.前記第1のプリコーディングの重みが、前記UL送信に適用される位相角である、前のいずれかの実施形態の方法。
【0068】
8.前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第2のアンテナ上での送信に適用される第2のプリコーディングの重みを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0069】
9.前記第2のプリコーディングの重みが、前記第2のアンテナ上での前記UL送信に適用される第1のプリコーディングの重みの位相偏移角である、前のいずれかの実施形態の方法。
【0070】
10.前記プリコーディング情報が、F−DPCH(Fractional Dedicated Physical CHannel)フレーム・スロット中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0071】
11.前記F−DPCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPCI(Uplink PreCoding Information)フィールドを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0072】
12.前記プリコーディング情報が、前記F−DPCHのTPC(Transmit Power Control)フィールド中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0073】
13.F−DPCHスロット中に含まれるTPC(Transmit Power Control:送信電力制御)フィールドおよびUPCIフィールドが時間的に交替される、前のいずれかの実施形態の方法。
【0074】
14.前記送信電力が、前記UPCIフィールド・スロットに先立って送信された前記TPCフィールドに従って前記UPCIフィールド・スロット送信の間適用される、前のいずれかの実施形態の方法。
【0075】
15.前記プリコーディング情報が、E−AGCH(Enhanced dedicated channel Access Grant CHannel)サブフレーム中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0076】
16.前記WTRUが、前記プリコーディング情報の受信の後にタイマーを始動するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0077】
17.前記WTRUが、前記表されたプリコーディングの重みを適用するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0078】
18.前記WTRUが、前記タイマーの満了という条件にてデフォルトのプリコーディングの重みを適用するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0079】
19.前記パイロット・ビットが、それぞれのアンテナ上にて時間的に交替させてDPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)を送信、異なったチャネライゼーション符号を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、および異なったパイロット・ビット系列を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、の送信技法の内の1つを使用して複数のアンテナのそれぞれ上にて送信される、前のいずれかの実施形態の方法。
【0080】
20.第2のアンテナ上にて送信される前記DPCCHが、TPC(Transmit Power Control)情報を含まない、前のいずれかの実施形態の方法。
【0081】
21.前記WTRUが、UL(UpLink:アップリンク)送信に対して適用するためのプリコーディングの重み情報を決定するステップであって、前記決定されたプリコーディング情報がプリコーディング重みベクトルのリストへの索引であることをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0082】
22.前記WTRUが、前記決定されたプリコーディングの重み情報を送信するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0083】
23.前記WTRUが、前記適用されたプリコーディング情報を有するUL送信を送信するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0084】
24.前記プリコーディング情報が、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)スロット形式中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0085】
25.前記DPCCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPWI(Uplink Precoding Weight Information)フィールドを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0086】
26.前記プリコーディング情報が、E(enhanced)− DPCCHスロット形式中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0087】
27.前のいずれかの実施形態の方法を実行するように構成されたWTRU。
【0088】
28.受信機をさらに具備する、実施形態27のWTRU。
【0089】
29.送信機をさらに具備する、実施形態27〜28のいずれかのWTRU。
【0090】
30.前記受信機および/または送信機と通信状態にある処理装置をさらに具備する、実施形態27〜29のいずれかのWTRU。
【0091】
31.処理装置が、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信、アップリンク・プリコーディング情報を含む信号を受信することであって前記アップリンク・プリコーディング情報がULプリコーディングの重みを含むこと、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出および前記ULプリコーディングの重みをUL送信に適用、および/または前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信、の内の1つまたは複数を実行するように構成される、実施形態27〜30のいずれかのWTRU。
【0092】
32.第1のアンテナおよび第2のアンテナをさらに具備することであって、前記プリコーディング情報が、前記第1のアンテナによるUL送信に適用するための第1のプリコーディングの重み、および前記第2のアンテナによるUL送信に適用するための第2のプリコーディングの重みを含むことをさらに具備する、実施形態27〜31のいずれかのWTRU。
【技術分野】
【0001】
この出願は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2009年3月16日に出願された番号第61/160,592号、2009年10月2日に出願された番号第61/248,241号、および2010年2月11日に出願された番号第61/303,443号の米国仮出願の利益を主張し、ここにこの番号を参照することにより、そのすべての開示内容を本明細書の一部とする。
【0003】
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)は、受信アンテナ・ダイバーシティを備えることができる。例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)の要件におけるある受信機種別を、受信ダイバーシティを想定して設計することができる。その上、3GPP WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)FDD(Frequency Division Duplex)仕様のR7(Release7)などの技術仕様においては、ダウンリンクMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)動作に対する支援が定義されている。R7 MIMOにおいては、例えば送信機(例えばノードB(Node−B))での2つのアンテナおよび受信機(例えばWTRU)での2つのアンテナによって空間的多重化が達成される。MIMO受信機により達成可能な潜在的な高データ速度および受信ダイバーシティ単独でもたらす性能の増加という理由により、2つの受信アンテナを伴って構築されるWTRUの数は、ここ何年かで増加する可能性がある。
【0004】
しかしながら、WTRUは、受信ダイバーシティおよびMIMO動作に対して複数のアンテナを伴って構築される場合があるが、現時点ではWTRUが空間的ダイバーシティを使用して送信する方法がない。そうすることにより、干渉が低いという理由によるシステムレベルの利得とともに、UL(UpLink:アップリンク)通信可能範囲を増大させることを可能性として提供することができる。したがって、アップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法および装置を提供することは有益であろう。
【発明の概要】
【0005】
WTRUにおいて実施されるUL送信ダイバーシティを実行するための方法および装置が開示される。この方法は、アップリンクのプリコーディング(precoding)情報を含む信号を受信することを含む。アップリンクのプリコーディング情報は、検出されそしてUL送信に適用される。UL送信は、適用されたプリコーディングの重み(weight)と共に送信される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面に関連して例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
【0007】
【図1】複数のWTRU、1つのノードB、CRNC(Controlling Radio Network Controller)、SRNC(Serving Radio Network Controller)、およびコア・ネットワークを含む無線通信システムの一例を示す図である。
【図2】図1の無線通信システムの1つのWTRUおよびノードBの機能的ブロック図の一例である。
【図3】送信ダイバーシティを有するWTRUの機能的ブロック図の一例である。
【図4】送信ダイバーシティを有する代替のWTRUの機能的ブロック図の一例である。
【図5】F−DPCH(Fractional Dedicated Physical CHannel)フレーム形式の一例を示す図である。
【図6】代替のF−DPCHフレーム形式の一例を示す図である。
【図7】ULフィードバック・ビット結合の一例を表現するF−DPCHフレームの一例を示す図である。
【図8】UPCI(Uplink PreCoding Information)パターン・サイクルを有するF−DPCHの一例を示す図である。
【図9】単一のスロット中にて送信されるULフィードバックを有するF−DPCHの一例を示す図である。
【図10】DL(DownLink:ダウンリンク)チャネルにおいてプリコーディングの重みを信号送出するためのフレーム形式の一例を示す図である。
【図11】E−DPCCH(Enhanced Dedicated Physical Control CHannel)の符号化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
今後言及するとき、用語「WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)」は、限定的ではなく、UE(User Equipment:ユーザー機器)、移動局、固定型または移動体の加入者ユニット、ページャー、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、コンピューター、または無線環境において動作する能力のある他の任意の種別のデバイスを含む。今後言及するとき、用語「基地局(Base Station)」は、限定的ではなく、ノードB(Node−B)、サイト制御装置、AP(Access Point:アクセス・ポイント)、または無線環境において動作する能力のある他の任意の種別のインターフェイス・デバイスを含む。
【0009】
図1は、複数のWTRU110、1つのノードB120、CRNC(Controlling Radio Network Controller)130、SRNC(Serving Radio Network Controller)140、およびコア・ネットワーク150を含む無線通信システム100を示す。ノードB120およびCRNC130をUTRANとして集合的に呼ぶことができる。
【0010】
図1に示されるように、WTRU110はノードB120と通信状態にあり、ノードB120はCRNC130およびSRNC140と通信状態にある。3つのWTRU110、1つのノードB120、1つのCRNC130、および1つのSRNC140が図1において示されるが、無線通信システム100においては無線および有線の装置の任意の組み合わせを含むことができることに注意すべきである。
【0011】
図2は、図1の無線通信システム100のWTRU110およびノードB120の機能的ブロック図200である。図2に示されるように、WTRU110はノードB120と通信状態にあり、そして両方がアップリンク送信ダイバーシティの方法を実行するように構成される。
【0012】
典型的なWTRUで見出すことができるコンポーネントに加えて、WTRU110は処理装置115、受信機116、送信機117、メモリ118、およびアンテナ119を含む。メモリ118は、オペレーティング・システム、アプリケーションなどを含むソフトウェアを格納するために提供される。処理装置115は、単独で、またはソフトウェアに関連付けられて、アップリンク送信ダイバーシティの方法を実行するために提供される。受信機116および送信機117は、処理装置115と通信状態にある。アンテナ119は、受信機116および送信機117の両方と通信状態にあり、無線データの送信および受信を実行する。WTRU110においては1つのアンテナ119のみが示されるが、アップリンク送信ダイバーシティを実行するためにWTRU110により複数のアンテナを利用することができることもまた注意すべき場合がある。
【0013】
典型的なノードBにおいて見出すことができるコンポーネントに加えて、ノードB120は処理装置125、受信機126、送信機127、メモリ128、およびアンテナ129を含む。処理装置125は、アップリンク送信ダイバーシティの方法を実行するように構成される。受信機126および送信機127は、処理装置125と通信状態にある。アンテナ129は、受信機126および送信機127の両方と通信状態にあり、無線データの送信および受信を実行する。ノードB120においては1つのアンテナ129のみが示されるが、送信ダイバーシティを実行するためにノードB120において複数のアンテナを利用することができることもまた注意すべき場合がある。
【0014】
空間的送信ダイバーシティなど、アップリンク送信ダイバーシティを実施するためにここに多くの方法が説明される。UL送信ダイバーシティを実施するWTRU110は、上で説明されたように1つより多いアンテナを含む場合がある。その結果として図3は、空間的送信ダイバーシティなど、送信ダイバーシティを有するWTRU300の機能的ブロック図の一例である。WTRU300は、挿入(insertion)デバイス3101および3102、変調/拡散デバイス3201および3202、およびアンテナ3301および3302を含む。挿入デバイス3101および3102、は入力信号を受信し、そして信号にそれぞれプリコーディングの重み(weight)wlおよびw2を挿入する。例えば、プリコーディングの重みwlは信号に適用される位相角とすることができ、一方プリコーディングの重みw2はプリコーディングの重みwlの位相から位相偏移される(phase shifted)位相角とすることができる。変調/拡散デバイス3201および3202は、挿入デバイス3101および3102から信号を受信し、そしてその信号を変調および拡散する。変調/拡散デバイス3201および3202は、それらのそれぞれの信号を異なったまたは同一の拡散符号および変調を用いて拡散することができる。アンテナ3301および3302は無線により送信するために、変調/拡散デバイス3201および3202からそれぞれの信号を受信する。
【0015】
図4は、空間的送信ダイバーシティなどの、送信ダイバーシティを有する代替のWTRU400の機能的ブロック図の一例である。WTRU400は、挿入デバイス4101および4102、変調/拡散デバイス420、およびアンテナ4301および4302を含む。変調/拡散デバイス420は、入力信号を受信し、そしてその信号を変調/拡散する。挿入デバイス4101および4102は、変調/拡散デバイス420から信号を受信し、そしてその信号にそれぞれプリコーディングの重みwlおよびw2を挿入する。例えば、プリコーディングの重みwlは信号に適用される位相角とすることができ、一方プリコーディングの重みw2はプリコーディングの重みwlの位相から位相偏移される位相角とすることができる。アンテナ4301および4302は、無線により送信するために挿入デバイス4101および4102からそれぞれの信号を受信する。この代替手段においては、変調/拡散デバイス420によってそれが拡散または変調された後に、プリコーディングの重みwlおよびw2が信号に挿入される。
【0016】
送信ダイバーシティを実施するために、採用することができる方法には、開ループ送信ダイバーシティおよび閉ループ送信ダイバーシティの2つがある。開ループ送信ダイバーシティにおいては、それが受信機にて検出されるため、送信機はチャネル情報を意識しない。その結果として、ダウンリンク上にて送信される制御フィードバックはより少ない。WTRUは今後言及するとき、WTRU110、WTRU300、WTRU400、または任意の他の種別のWTRUを言及することができる。
【0017】
開ループ送信ダイバーシティ方式においては、WTRUが、時空間ブロック符号化による時空間送信ダイバーシティを使用することができる。さらに、UL変調はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)でもあるいは16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)でもないため、シンボル・レベルにてではなくチップ・レベルにてAlamouti(アラモチ)方式を適用することができる。また、WCDMA FDD DL信号などの、ダウンリンク信号にこれを適用することもできる。時間遅延(time delay)送信ダイバーシティによる結合時空間ブロック符号化をもまた利用することができる。
【0018】
開ループ送信ダイバーシティの一つの代替の方式においては、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)手順を介して送信ダイバーシティを達成することができる。例えば、それぞれのHARQ再送信に対して構成設定されたまたは予め定義された1組のプリコーディングの重みをそれぞれのアンテナに適用することができる。ノードB120は、例えば、E−DPCCH上のRSN(Retransmission Sequence Number)値、SFN(System Frame Number)、CFN(Connection Frame Number)、サブフレーム番号、またはそれらの任意の組み合わせに基づき、いずれのプリコーディングの重みが使用されるかを知ることができる。
【0019】
開ループ方式においては、予め定義されたまたは予め構成設定された1組のプリコーディングの重みを時間的に入れ替えることにより、送信ダイバーシティをまた達成することができる。そしてWTRUは異なった1組のプリコーディングの重みを時間的に入れ替えた形で使用することができ、ここでプリコーディングの重みを入れ替えるための時間の単位はまた、例えば所与のスロット、TTI、またはフレームの数として予め構成設定し、または予め定義することができる。一例においては、4つのプリコーディングの重みの組によりWTRUを構成設定することができる。TTIごとに異なった組の重みを使用し、いずれのプリコーディングの重みが使用されているかをノードBが意識しているようにすることができる。
【0020】
別の代替の開ループ送信ダイバーシティ方式においては、時間的に遅延された送信ダイバーシティを採用することができる。例えば、1つのアンテナ上の送信を別のアンテナ上の送信に対して遅延させることができる。ここで、ネットワークによるなどで、時間遅延を予め構成設定しまたは予め定義することができる。あるいはまた、1組のプリコーディングの重みを非遅延送信に対して使用し、一方で時間的に遅延された送信信号に対して別の組を使用することができる。さらに、例えばRSN、SFN、CFN、サブフレーム番号、またはそれらの任意の組み合わせに基づき、HARQ送信ごとにプリコーディングの重みまたは遅延を変えることができる。
【0021】
開ループ送信ダイバーシティ方式に対比して、閉ループ送信ダイバーシティ方式においては、受信機にて検出されるチャネルの状態、または使用されるべきプリコーディング情報について送信機には知識がある。この知識は、ノードB120が使用すべく望んでいるプリコーディングの重みを受信機(例えばノードB120)が送信機(例えばWTRU)に通信する形態である場合がある。高速フィードバック・チャネル上にて送信機に情報を送信し戻すことによって、これを達成することができる。あるいはまたはさらに加えて、送信機(例えばWTRU)は、送信するためにいずれのプリコーディングの重みを適用または使用するかを判定するためにチャネル状態情報を利用することができる。
【0022】
受信機から送信機へ送信し戻される好適なプリコーディングの重みの情報には、例えばプリコーディングの重みの表への索引を含むことができる。一例においては、表中のそれぞれの索引付けされた位置には、1つまたは複数のプリコーディング・ベクトルに対応する1つまたは複数のプリコーディングの重みが含まれる。そのような例においては、プリコーディング・ベクトルは1つまたは複数の重みを形成する重みベクトルwk=[wk,1,wk,2,・・・wk,N]を含むことができ、ここでkは重みベクトルの索引指標であり、そしてNはそのアンテナ数に対応するベクトルにおける要素数である。図3および図4の例において表現されるように、2つアンテナの特定の場合に対しては、プリコーディング・ベクトルは2つのエントリー(1アンテナあたり1つ)wlおよびw2を含む。一般的には、複数のプリコーディング・ベクトルを考慮すると、wk=[wk,1,wk,2]としてそれぞれのベクトルkを表すことができる。2つアンテナの送信ダイバーシティ・システムに対するNの重みベクトルを含む表の一例が下の表1において示される。
【0023】
【表1】
【0024】
閉ループ・ダイバーシティを実行する1つの方法においては、例えばF−DPCH上にてフィードバックを伝達することができる。WTRUなどのフィードバックを受信する送信機は、いずれのプリコーディングの重み、または重みベクトルを使用するべきかを判定するためにF−DPCHビットの値を解釈し直すことができる。図5は、F−DPCHフレーム形式500の一例を示し、これは従来のF−DPCHフレーム形式と同様とすることができる。F−DPCHフレーム形式500は、複数のスロット510(例えば、5100、5101、…、510i、…、51014)を含む。それぞれのスロット510は、TxOFF(Transmit(Tx) OFFset)フィールド、TPC(Transmit Power Control)フィールド、および別のTxOFFフィールドなどの、複数のフィールドを含む。例えばスロット510iを使用して、TxOFFフィールド511は、NOFF1ビットを含み、TPCフィールド512はNTPCビットを含み、そしてTxOFFフィールド513はNOFF2ビットを含む。以下の表2は、F−DPCHスロット510iの例のフィールドにおける情報を示す情報表の一例である。
【0025】
【表2】
【0026】
ここで表2を参照すると、F−DPCHスロット510iはスロットあたりのTPCコマンドに関して2ビットの情報を含む(すなわち、NTPC=2)。F−DPCHスロット形式の一例においては、2つのTPCコマンド・ビットの内の1つを利用してTPCコマンドを表し、一方もう片方では、いずれのプリコーディングの重みを適用すべきかを表すことができる。例えばF−DPCHスロット形式510iのTPCフィールド512中の第2のビットが「0」である場合には、第1のプリコーディング重みベクトル(wl)を適用することができ、一方第2のビットが「1」である場合には、第2のプリコーディング重みベクトル(w2)を適用することができる。そしてWTRUは、対応するTPCコマンドが適用されているそれぞれのスロットにおいて同一時刻にてプリコーディングの重みを適用することができる。
【0027】
代替の方法においては、修正されたF−DPCHスロット形式を利用して、WTRUが使用すべきであるとノードBが望むプリコーディングの重み、または重みベクトルをWTRUに通知することができる。図6は、そのような代替のF−DPCHフレーム形式の一例600を示す。F−DPCHフレーム形式600は、複数のスロット610(例えば、6100、6101、…、610i、…、61014)を含み、これらはF−DPCH形式500と同様に複数のフィールドを含む。例えばスロット610iを使用して、TxOFFフィールド611はNOFF1ビットを含み、そしてTxOFFフィールド613はNOFF2ビットを含む。しかしながらフィールド612は、NTPCビットおよびNUPCIビットの両方を含む、TPCおよびUPCI(Uplink PreCoding Information)両方のフィールドである。下の表3は、F−DPCHスロット形式の例610iのフィールドにおける情報を示す情報表の一例である。
【0028】
【表3】
【0029】
上の表3中に示されるように、NTPCビットが2に等しいと、NUPCIビットは0に等しくなる。NTPCビットが1である場合には、NUPCIビットは1である。その結果としてWTRUは、スロット形式「0」は両方のビットがTPCに寄与するとして、一方スロット形式「0A」はその第2のビットがUPCIに寄与するとして解釈されるなどと、スロット形式を解釈することができる。いずれのスロット形式が利用されるかをそれが知ることを可能とするために、例えばRRC信号方式を介して、F−DPCHフレーム形式を使用して、ネットワークによりWTRUを構成設定することができる。構成設定された結果WTRUは、その接続の間中またはネットワークから再構成を受信するまで、同一のF−DPCHフレーム形式を使用することができる。
【0030】
図6のF−DPCHスロット形式610iを利用する代替の方法においては、UPCIフィールドに含まれる「1」ビットは好適なプリコーディングの重みを表すことができ、一方TPCフィールドからの「1」ビットは、TPCコマンドのために利用することができる。固定数のF−DPCHコマンドまたはスロットにわたるUPCIビットを結合することによって、プリコーディングの重みに索引付けすることができ、これにより2つより多いプリコーディングの重みまたは重みベクトルの索引付けを可能とすることができる。
【0031】
例えばMの連続したUPCIビットを結合すると、2Mの予め定義された符号化重みベクトルの内の1つに索引付けすることができる。M=3の例を使用すると、ノードBは、3ビットの索引のそれぞれのビットを、3つの無線スロットにわたってUPCIフィールドにおいて1回に1つずつ送信することにより、8つのプリコーディング重みベクトルの内の1つの索引を信号送出することができ、これらのスロットは、連続した無線スロットである場合、またはそうでない場合がある。そしてWTRUは3つのUPCIビットを蓄積し、そして次のUL無線スロットエッジ(slot edge)、または予め定義された将来のUL無線スロットエッジに、プリコーディング・ベクトルを適用することができる。図7は、ULフィードバック・ビット結合の一例700を表現するF−DPCHフレームの一例を示す。図7においては、プリコーディング索引は、F−DPCHのUFBフィールド中に含まれ、そして例えばa0a1a2、b0b1b2、c0c1c2、d0d1d2、およびe0e1e2と指定されて示される。WTRUは次に復号化し、そして例えばDPCCH上のULに関してプリコーディングの重みを適用する。さらに、プリコーディングの重みの受信およびそれらのULにおける適用の間に時間遅延がある場合がある。
【0032】
閉ループ・アップリンク送信ダイバーシティを実行するための別の方法の一例においては、予め決められたサイクルにわたって、TPCフィールド中のF−DPCHの2ビットを交替し、TPCコマンドまたはプリコーディングの重みまたは重みベクトルのいずれかを示すことができる。すなわち所与のサイクルにわたって、WTRUはいくつかのスロットにおいてTPCフィールドをTPCコマンドであるとし、一方他のスロットにおいてはUPCIとして解釈することができる。図8は、UPCIパターン・サイクルを有するF−DPCHの一例800を示す。サイクル長(例えばNcycleの無線スロットまたは1フレーム)およびオフセット(例えば無線スロットまたはサブフレームを単位としてのNoffset)を構成することができ、これがパターンを定義する。そのパターンは、スロットにおいてTPCコマンド810がいつ送信され、そしてUPCI820がいつ送信されるかを示す。例えば図8に示された例において、Ncycleは2つの無線フレームに等しく、一方Noffsetは26の無線スロットに等しい。あるいはまた、サイクル長および/またはオフセットは、ミリセカンドなどの時間単位にて表現することができる。
【0033】
引き続き図8を参照して、UPCIビット820が送信されるスロットはTPC情報を伝達することができない。その時点では送信機がTPCコマンドを受信していないので、UPCIビット820スロットの直前に先行するスロット(すなわち最後のTPCビットのスロット810)において使用されたものと同一のDPCCH送信電力をそれが維持することができる。UPCIビットを検出した後に送信機は、アップリンク送信に対応するプリコーディングの重みを適用する。送信機がそのUPCIを含むF−DPCHを受信した後にすぐに、または予め定義された時間の瞬間にこの適用を生起させることができる。一例においては、次のスロット境界(boundary)にて適用を生起させることができる。
【0034】
図9は、単一のスロットにおいて送信されるULフィードバックを有するF−DPCHの一例900を示す。この例においては、F−DPCH910はUPCIビットを含み、このビットがダウンリンクにおいて送信機によって検出される。そして送信機は、アップリンクDPCCH920上の次のフレームにおいてプリコーディングの重みを適用する。例えば図9において示されるように、F−DPCH910上にてUPCIビットを受信するまで、送信機はプリコーディング重みベクトルwA(A)を適用する。その時点にて送信機は、UPCIビットを検出し、そしてプリコーディング重みベクトルwB(B)を使用するべきと判断する。その結果として次のUL DPCCHフレーム920の始めに送信機は、プリコーディング重みベクトルwBを適用し始める。
【0035】
閉ループ・ダイバーシティを実行する別の方法においては、追加的ダウンリンク物理チャネル上にてフィードバックを伝達することができる。この追加的ダウンリンク物理チャネルは例えば、既存のF−DPCHと同様のフレームおよびスロット形式を選ぶことができる。これらの場合においては、WTRUは同時にチャネルのように2つまでのF−DPCHを受信および処理することができる。この内1つがTPCコマンドを伝達し、そして他方がプリコーディング情報を伝達する。ここに説明した複数のプリコーディング情報ビットを送信するための他の方法と組み合わせて、この方法を使用することが可能である。
【0036】
閉ループ送信ダイバーシティを実行するための別の方法例においては、E−AGCH(Enhanced dedicated channel Access Grant CHannel)サブフレーム上にてプリコーディングの重みを送信することができる。新しいプリコーディングの重みを含む新しいE−AGCHサブフレームが受信されるまで、WTRUは送信されたプリコーディングの重みを利用することができる。E−AGCH中の既存のビットの再解釈(reinterpretation)を介して、またはE−AGCHを修正することによって、(例えばUPCIフィールドを追加)、この信号送出を達成することができる。新しいHS−SCCH(High Speed Shared Control CHannel)を使用して、プリコーディングの重みを表すことができ、ここでもやはり新しいプリコーディングの重みを受信するまで、WTRUは表されたプリコーディングの重みを適用する。さらに、ノードBまたはネットワークからプリコーディングの重みを受信した後の予め定められた期間の経過の後に1組の予め定義されたプリコーディングの重みをデフォルトとするようにWTRUを構成することができる。例えばE−AGCHまたはHS−SCCH上にて伝達されるなどで、WTRUが新しいプリコーディングの重み情報を受信すると、WTRUはタイマーを始動しそして新しいプリコーディングの重みを適用することができる。タイマーが満了すると、WTRUは予め定義されたデフォルトのプリコーディングの重みを適用するように立ち戻ることができる。WTRUは新しいプリコーディングの重みを受信するたびに、タイマーをリセットすることができる。
【0037】
別の例におけるプリコーディングの重みは、E−RGCH(E−DCH Relative Grant CHannel)またはE−HICH(E−DCH HARQ acknowledgment Indicator CHannel)などの、またはこれらと同様な、ダウンリンク制御チャネル上にて送信することができる。図10は、DL(DownLink:ダウンリンク)チャネルにおいてプリコーディングの重みを信号送出するためのフレーム形式の一例1000を示す。フレーム形式1000は、複数のスロット1010(スロット#0、スロット#l、スロット#2、スロット#i、スロット#14と指定)を含む。それぞれのスロット1010中にビット系列1011が含まれる。スロットの一例としてスロット#i(1010i)を使用すると、それぞれビット系列bi,0、bi,1からbi,39を含むビット系列l0lli,0、1011i,1、…、1011i,39を含み、これらが順に40の直交系列の1つに対応する。
【0038】
ネットワークが、RRC信号方式を介してそれぞれのWTRUまたはWTRUのグループに1つまたは複数の直交系列を割り当てることができ、これが信号送出されたプリコーディングの重みによって多重化されまたは変調される。そして予め定められたスロット数(例えば2ms TTIについて3つのスロット)にわたってこれらの変調された直交系列を繰り返すことができる。プリコーディングの重みコマンド中の、1つのTTIから別のものへの、または1つのスロットから別のものへの系列ホッピングを適用することもまたできる。例えば、3GPP仕様における例えばレリース6などの、E−HIGHおよびE−RGCHに対して使用される系列ホッピングを使用することができる。系列ホッピングのこの例においては、特定のWTRUに割り付けられた直交系列が、予め定義された方法にて3スロットごとに変えられる。
【0039】
複数のノードB120またはセルがある1つのWTRUのアクティブな組の一部である場合、例えばそのWTRUがソフト・ハンドオーバー状態にある場合においては、アクティブな組のそれぞれのノードB120またはセルは、説明された任意の方法を使用してプリコーディングの重みのコマンドをWTRUに転送することができる。すべてのノードB120またはセルからのプリコーディングの重み情報を結合し、UL送信のための最適なプリコーディングの重みを決定するようにWTRUを構成することができる。例えば、プリコーディングの重み[wl、w2]が値[1,0]または[0,1]しか取ることができない場合には、UL送信のためのプリコーディング・ベクトルをアクティブな組におけるノードB120またはセルの多数決によるプリコーディングの重みとして選定するようにWTRUを構成することができる。
【0040】
あるいはまた、対応する(serving)E−DCHノードBがプリコーディングの重みコマンドを送信することができ、ここではアクティブな組の中の他のノードBまたはセルは、いずれのプリコーディングの重み情報をも送出しない。この場合においては、WTRUは対応するE−DCHノードBから受信されたプリコーディングの重み情報を適用することができる。
【0041】
ノードB120が2つの送信アンテナからのチャネルを適切に推定するために、それぞれのアンテナ(すなわちアンテナ330または430のそれぞれ)からパイロット・ビットを送信するようにWTRUを構成することができ、そしてそれらのパイロット・ビットに重み付けすることができる。その上、それぞれのアンテナから発出されるパイロットを区別するようにノードB120を構成することができる。WCDMA FDDシステムなどのシステムにおいては、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)上にてパイロット・ビットを伝達することができる。
【0042】
一つの方法例においては、それぞれのアンテナの間でDPCCHを交替して送信することができ、ここで交替のサイクルは予め定義するか、またはネットワークにより構成設定することができる。例えば、WTRUはDPCCHの送信をスロットごとに交替して行うことができる。別の例においては、この交替をTTIごとに実行することができる。あるいはまたはさらに加えて、交替の系列は同一のまたは前のTTI中のE−DCH送信に関連付けられたRSNに依存することができる。
【0043】
別の方法例においては、1アンテナあたり1つのDPCCHを送信することができ、そして異なったスクランブリング符号および/またはチャネライゼーション符号を使用して第2のアンテナに対するDPCCHを送信することができる。また、第2のアンテナ上にて送信されたDPCCHの新しいスロット形式を、新しいDPCCHのみがパイロット・ビットを伝達する(すなわちTPCコマンド無しで)ように、設計することができる。
【0044】
別の代替の方法においては、2つのUL送信アンテナ上にて、2つの直交パイロット・パターン、または系列を送信するようにWTRUを構成することができる。これらのパイロット・パターンは、MIMOまたはTXダイバーシティ動作を支援するように上位層によって予め定義し、そして構成設定することができる。従来品との互換性に対しては、主アンテナが第1アンテナのDPCCH上にて従来のパイロット・パターンを送信することができる。そして第2のアンテナがDPCCH上にて異なった、オプション的に直交のパイロット・パターンを送信することができる。第2のDPCCHのTPCフィールドは、追加パイロット・ビットを含むことができ、いずれの情報も伝達することができず(すなわち、DTXed(Discontinuously Transmitted(TXed))、または主DPCCH上のTPCフィールドと同一のTPC情報を含むことができる。
【0045】
プリコーディングの重みを選択するための別の代替の方法においては、プロービング(probing)を採用することができる。この方法においては、wlなどの、第1の組の重みを使用してその送信の部分(fl)を、およびw2の第2の組の重みを使用してその送信の部分(f2)を送出するようにWTRUを構成することができ、ここでwlは、要素の数がアンテナの数に対応するベクトルである。一例においては、部分1は部分2より大きく(fl>f2)、そして両方の部分の合計は1に等しい(fl+f2=1)。例えばWTRUは、3つの内の2つのスロットに対して重みwlを、そして残っているスロットに対して重みw2を使用して送信することができる。あるいはまたWTRUは、4つの内の3つのサブフレームに対して重みwlを、そして4つの内の1つのサブフレームに対して重みw2を使用して送信することができる。基地局受信機またはノードB120は使用する重みのパターンを知ることができる。
【0046】
チャネルのフェーディング状態によっては、2組の重みの内の1つ(wlまたはw2)が他方より好ましい受信をもたらす場合がある。基地局受信機またはノードB120は、パターンに関する知識および所与の時間の瞬間での受信の品質に基づき、いずれの重みの組が最適のものであるかを検出することができる。この情報に基づき、基地局またはノードB120は、例えば上で説明されたフィードバック方法の内の1つに従って、フィードバック信号を送出することができる。いろいろな方法にてフィードバック信号を設計することができる。
【0047】
例えば、送信の最大部分(例えばfl)の間、最良の重みの組を使用することができるように、フィードバック信号が定期的に送出され、そしてWTRUが重みの組wlおよびw2を入れ替えることができるか否かを表すことができる。別のオプションにおいては、フィードバック信号が定期的に送出され、そしていずれの重みの組を部分flおよびf2の間に使用することできるかを表すことができる。2組の予め定義された重みについて1ビットを使用してこれを達成することができる。
【0048】
別の代替においては、送信の最大部分の間、最良の重みの組を使用することができるように、ノードB120が重みの組を入れ替えるようにコマンドすることを欲するときにのみ、フィードバック信号を送出することができる。例えば、特有なE−RNTI(E−DCH Radio Network Temporary Identifier)を使用する新しいHS−SCCHオーダーまたは特定のE−AGCH値がある場合がある。
【0049】
上の部分的な重み付けのオプションを2つより多くの重みの組を使用するように拡張することができる。さらに、チャネルの可干渉時間によって、最適性能になるように、部分flまたはf2を上位層により調整することができる。また、チャネル変動の速さによって許容されるのと同程度の部分の相違(flおよびf2の間の)を有することが有益である場合がある。
【0050】
UL送信に適用されるべきプリコーディングの重みを、WTRUがUTRANに対して表すことができるようにすることもまた、一つの代替の方法である。例えば、個々のアンテナ・プリコーディングの重みを含むプリコーディング重みベクトルのリストへの索引をUL送信の一部として信号送出することができる。この表示は、UPWI(Uplink Precoding Weight Information)フィールドの形をとることができる。
【0051】
UL DPCCHスロット形式は、UPWIフィールドまたは既存のUL DPCCHスロット形式でのいくつかのビットの再解釈(reinterpretation)を含むことができる。下の表4は、UL DPCCHスロット形式の情報表の一例を示し、ここで最後の3つの列がUPWIフィールドを含む。
【0052】
【表4】
【0053】
この例においては、既存のUL DPCCHスロット形式が、プリコーディングの重み情報を判定するためのビットの再解釈(reinterpretation)を含み、プリコーディングの重み情報として既存のフィールドの内容を解釈することができる。例えば、スロット形式5およびスロット形式0は互いによく似ている。したがって、プリコーディングの重み情報としてスロット0においてNTFCIフィールド中のビットを再解釈することができる。
【0054】
さらに、アップリンク・プリコーディングの重み情報フィールドを含む新しいE−DPCCHスロット形式を利用することができる。ここでもUPWIフィールド、例えば2ビットのフィールド、を加えることによって、これを達成することができ、これがE−DPCCHの符号化率を増加させることができる。この例においては、E−DPCCHに対して符号化するビットの総数は12(すなわちE−TFCIのための7ビット、ハッピー・ビット1ビット、RSNのための2ビット、およびUPWIのための2ビット)まで上げられる。例えば、(32,10)Reed−Muller(リード−マラー)符号中に2つの新しい基底(basis)を加えることによって(32,12)符号がもたらされ、追加2ビットを符号化することができる。
【0055】
あるいはまた、E−DPCCH中で符号化しないでUPWIビットを送信することができ、または従来のE−DPCCHフィールドとは別にUPWIビットを符号化することができる。E−DPCCHの従来のフィールドを、従来の(32,10)リード−マラー符号を使用して符号化することができるが、結果としての符号化されたビットの予め定義された部分集合(NE-DPCCH<30)のみが送信される。UPWIを伝達するために残りのビットを使用することができる。この方法では、従来のE−DPCCHフィールドとは異なった保護によるUPWI送信を可能とする。
【0056】
図11は、E−DPCCHの符号化の一例1100を示す。図11に示されるように、E−TFCI、ハッピー・ビット、およびRSNが、多重化機能1101、符号化機能(例えば(32,10)リード−マラー符号化)1102、および符号化ビット選択機能1103を通って進む。そしてUPWIフィールドは、新しいE−DPCCH物理チャネル対応付け(mapping)機能1104においてE−DPCCHに対応付けられる。例えば対応付けを連続的に扱うことができる、すなわち従来のE−DPCCHフィールドからのすべての符号化されたビットが最初に、次にUPWIフィールドからのビットが送信される。あるいはまた、対応付けの順序を逆にすることができる。すなわち、UPWIフィールドからのビットが最初で、次に従来のE−DPCCHフィールドからの符号化されたビットが送信される。別の例においては、従来のE−DPCCHフィールドからの符号化されたビットにUPWIフィールドからのビットをインタリーブ(interleave)することができる。インタリーブの一例は、例えば無線スロットの最後のシンボルの間に、スロットごとに1つのUPWIビットを送信することを含むことができる。
【0057】
WTRUからアップリンク・プリコーディングの重み情報を送信するために他の代替の方法がある。一例においては、UL DPCCH上にWTRUによって送信されるパイロット系列がアップリンク・プリコーディングの重み情報を表すことができる。例えば、プリコーディング重みベクトル1に対してパイロット系列1を使用することができ、そしてプリコーディング重みベクトル2に対してパイロット系列2を使用することができる。新しいMAC(Media Access Control)層のヘッダー要素または他のL2(Layer 2:第2層)ヘッダー情報要素もまた、ULプリコーディング情報を転送するために使用することができる。
【0058】
特徴および要素が上で特定の組み合わせにて記述されているが、それぞれの特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独にて、または他の特徴および要素の有無にかかわらず様々な組み合わせにて使用することができる。ここに提供される方法またはフロー図は、汎用目的のコンピューターまたは処理装置による実行のための、コンピューターにて読み取り可能な記憶媒体に組み込まれたコンピューター・プログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにて実施することができる。コンピューターにて読み取り可能な記憶媒体の例としては、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、レジスター、キャッシュ・メモリ、半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気−光学媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(Digital Versatile Disk)などの光学媒体が含まれる。
【0059】
適当な処理装置の例としては、汎用目的処理装置、専用目的処理装置、従来の処理装置、DSP(Digital Signal Processor)、複数のマイクロ処理装置、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロ処理装置、制御装置、マイクロ制御装置、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他の任意の種別のIC(Integrated Circuit:集積回路)、および/または状態マシンが含まれる。
【0060】
WTRU、UE、端末、基地局、RNC(Radio Network Controller)、または任意のホスト・コンピューターにおいて使用するための無線周波数送受信機を実施するために、ソフトウェアに関連付けられた処理装置を使用することができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにて実施され、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンズフリー受話器、キーボード、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュール、FM(Frequency Modulated)無線ユニット、LCD(Liquid Crystal Display)表示ユニット、OLED(Organic Light-Emitting Diode)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディア・プレーヤー、テレビゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネット・ブラウザー、および/または任意のWLAN(Wireless Local Access Network)モジュールもしくはUWB(Ultra Wide Band)モジュールなどのモジュールと連動して使用することができる。
【0061】
実施形態:
1.WTRUにおいて実施される、アップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法。
【0062】
2.前記WTRUが、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信するステップをさらに具備する、実施形態1の方法。
【0063】
3.前記WTRUが、アップリンク・プリコーディング情報を含む信号を受信するステップであって、前記アップリンク・プリコーディング情報が、ULプリコーディングの重みを含むことをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0064】
4.前記WTRUが、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出するステップおよびUL送信に対して前記ULプリコーディングの重みを適用するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0065】
5.前記WTRUが、前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0066】
6.前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第1のアンテナ上での送信に適用される第1のプリコーディングの重みを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0067】
7.前記第1のプリコーディングの重みが、前記UL送信に適用される位相角である、前のいずれかの実施形態の方法。
【0068】
8.前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第2のアンテナ上での送信に適用される第2のプリコーディングの重みを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0069】
9.前記第2のプリコーディングの重みが、前記第2のアンテナ上での前記UL送信に適用される第1のプリコーディングの重みの位相偏移角である、前のいずれかの実施形態の方法。
【0070】
10.前記プリコーディング情報が、F−DPCH(Fractional Dedicated Physical CHannel)フレーム・スロット中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0071】
11.前記F−DPCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPCI(Uplink PreCoding Information)フィールドを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0072】
12.前記プリコーディング情報が、前記F−DPCHのTPC(Transmit Power Control)フィールド中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0073】
13.F−DPCHスロット中に含まれるTPC(Transmit Power Control:送信電力制御)フィールドおよびUPCIフィールドが時間的に交替される、前のいずれかの実施形態の方法。
【0074】
14.前記送信電力が、前記UPCIフィールド・スロットに先立って送信された前記TPCフィールドに従って前記UPCIフィールド・スロット送信の間適用される、前のいずれかの実施形態の方法。
【0075】
15.前記プリコーディング情報が、E−AGCH(Enhanced dedicated channel Access Grant CHannel)サブフレーム中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0076】
16.前記WTRUが、前記プリコーディング情報の受信の後にタイマーを始動するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0077】
17.前記WTRUが、前記表されたプリコーディングの重みを適用するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0078】
18.前記WTRUが、前記タイマーの満了という条件にてデフォルトのプリコーディングの重みを適用するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0079】
19.前記パイロット・ビットが、それぞれのアンテナ上にて時間的に交替させてDPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)を送信、異なったチャネライゼーション符号を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、および異なったパイロット・ビット系列を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、の送信技法の内の1つを使用して複数のアンテナのそれぞれ上にて送信される、前のいずれかの実施形態の方法。
【0080】
20.第2のアンテナ上にて送信される前記DPCCHが、TPC(Transmit Power Control)情報を含まない、前のいずれかの実施形態の方法。
【0081】
21.前記WTRUが、UL(UpLink:アップリンク)送信に対して適用するためのプリコーディングの重み情報を決定するステップであって、前記決定されたプリコーディング情報がプリコーディング重みベクトルのリストへの索引であることをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0082】
22.前記WTRUが、前記決定されたプリコーディングの重み情報を送信するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0083】
23.前記WTRUが、前記適用されたプリコーディング情報を有するUL送信を送信するステップをさらに具備する、前のいずれかの実施形態の方法。
【0084】
24.前記プリコーディング情報が、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)スロット形式中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0085】
25.前記DPCCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPWI(Uplink Precoding Weight Information)フィールドを含む、前のいずれかの実施形態の方法。
【0086】
26.前記プリコーディング情報が、E(enhanced)− DPCCHスロット形式中に含まれる、前のいずれかの実施形態の方法。
【0087】
27.前のいずれかの実施形態の方法を実行するように構成されたWTRU。
【0088】
28.受信機をさらに具備する、実施形態27のWTRU。
【0089】
29.送信機をさらに具備する、実施形態27〜28のいずれかのWTRU。
【0090】
30.前記受信機および/または送信機と通信状態にある処理装置をさらに具備する、実施形態27〜29のいずれかのWTRU。
【0091】
31.処理装置が、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信、アップリンク・プリコーディング情報を含む信号を受信することであって前記アップリンク・プリコーディング情報がULプリコーディングの重みを含むこと、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出および前記ULプリコーディングの重みをUL送信に適用、および/または前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信、の内の1つまたは複数を実行するように構成される、実施形態27〜30のいずれかのWTRU。
【0092】
32.第1のアンテナおよび第2のアンテナをさらに具備することであって、前記プリコーディング情報が、前記第1のアンテナによるUL送信に適用するための第1のプリコーディングの重み、および前記第2のアンテナによるUL送信に適用するための第2のプリコーディングの重みを含むことをさらに具備する、実施形態27〜31のいずれかのWTRU。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)が、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信するステップと、
前記WTRUが、アップリンク(UpLink:UL)・プリコーディング(precoding)情報を含む信号を受信するステップであって、前記アップリンク・プリコーディング情報が、ULプリコーディングの重みを含むステップと、
前記WTRUが、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出するステップ、およびUL送信に対して前記ULプリコーディングの重みを適用するステップと、
前記WTRUが、前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信するステップと
を具備することを特徴とする、前記WTRUにおいて実施されるアップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法。
【請求項2】
前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第1のアンテナ上での送信に適用される第1のプリコーディングの重みを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプリコーディングの重みが、前記UL送信に適用される位相角であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第2のアンテナ上での送信に適用される第2のプリコーディングの重みを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のプリコーディングの重みが、前記第2のアンテナ上での前記UL送信に適用される第1のプリコーディングの重みの位相偏移角であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プリコーディング情報が、F−DPCH(Fractional Dedicated Physical CHannel)フレーム・スロット中に含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記F−DPCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPCI(Uplink PreCoding Information)フィールドを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プリコーディング情報が、前記F−DPCHのTPC(Transmit Power Control)フィールド中に含まれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
F−DPCHスロット中に含まれるTPC(Transmit Power Control:送信電力制御)フィールドおよびUPCIフィールドが時間的に交替されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記送信電力が、前記UPCIフィールド・スロットに先立って送信された前記TPCフィールドに従って前記UPCIフィールド・スロット送信の間適用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プリコーディング情報が、E−AGCH(Enhanced dedicated channel Access Grant CHannel)サブフレーム中に含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記WTRUが、前記プリコーディング情報の受信の後にタイマーを始動するステップと、
前記WTRUが、前記表されたプリコーディングの重みを適用するステップと、
前記WTRUが、前記タイマーの満了という条件にてデフォルトのプリコーディングの重みを適用するステップと
をさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パイロット・ビットが、それぞれのアンテナ上にて時間的に交替させてDPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)を送信、異なったチャネライゼーション符号を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、および異なったパイロット・ビット系列を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、の送信技法の内の1つを使用して複数のアンテナのそれぞれ上にて送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第2のアンテナ上にて送信される前記DPCCHが、TPC(Transmit Power Control)情報を含まないことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)が、UL(UpLink:アップリンク)送信に対して適用するためのプリコーディングの重み情報を決定するステップであって、前記決定されたプリコーディング情報がプリコーディング重みベクトルのリストへの索引であるステップと、
前記WTRUが、前記決定されたプリコーディングの重み情報を送信するステップと、
前記WTRUが、前記適用されたプリコーディング情報を有するUL送信を送信するステップと
を具備することを特徴とする、前記WTRUにおいて実施されるプリコーディングの重み情報を信号送出するための方法。
【請求項16】
前記プリコーディング情報が、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)スロット形式中に含まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記DPCCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPWI(Uplink Precoding Weight Information)フィールドを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プリコーディング情報が、E(Enhanced)− DPCCHスロット形式中に含まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
受信機と、
送信機と、
前記受信機および/または送信機と通信状態にある処理装置であって、前記処理装置が、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信し、アップリンク・プリコーディング情報を含む信号を受信することであって前記アップリンク・プリコーディング情報がULプリコーディングの重みを含み、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出しおよび前記ULプリコーディングの重みをUL送信に適用することと、および前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信するように構成される処理装置と
を具備することを特徴とするWTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)。
【請求項20】
第1のアンテナと、
第2のアンテナとをさらに具備し、
前記プリコーディング情報が、前記第1のアンテナによるUL送信に適用するための第1のプリコーディングの重み、および前記第2のアンテナによるUL送信に適用するための第2のプリコーディングの重みを含むこと
を特徴とする請求項19に記載のWTRU。
【請求項1】
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)が、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信するステップと、
前記WTRUが、アップリンク(UpLink:UL)・プリコーディング(precoding)情報を含む信号を受信するステップであって、前記アップリンク・プリコーディング情報が、ULプリコーディングの重みを含むステップと、
前記WTRUが、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出するステップ、およびUL送信に対して前記ULプリコーディングの重みを適用するステップと、
前記WTRUが、前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信するステップと
を具備することを特徴とする、前記WTRUにおいて実施されるアップリンク送信ダイバーシティを実行するための方法。
【請求項2】
前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第1のアンテナ上での送信に適用される第1のプリコーディングの重みを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプリコーディングの重みが、前記UL送信に適用される位相角であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プリコーディング情報が、前記WTRUの第2のアンテナ上での送信に適用される第2のプリコーディングの重みを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のプリコーディングの重みが、前記第2のアンテナ上での前記UL送信に適用される第1のプリコーディングの重みの位相偏移角であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プリコーディング情報が、F−DPCH(Fractional Dedicated Physical CHannel)フレーム・スロット中に含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記F−DPCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPCI(Uplink PreCoding Information)フィールドを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プリコーディング情報が、前記F−DPCHのTPC(Transmit Power Control)フィールド中に含まれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
F−DPCHスロット中に含まれるTPC(Transmit Power Control:送信電力制御)フィールドおよびUPCIフィールドが時間的に交替されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記送信電力が、前記UPCIフィールド・スロットに先立って送信された前記TPCフィールドに従って前記UPCIフィールド・スロット送信の間適用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プリコーディング情報が、E−AGCH(Enhanced dedicated channel Access Grant CHannel)サブフレーム中に含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記WTRUが、前記プリコーディング情報の受信の後にタイマーを始動するステップと、
前記WTRUが、前記表されたプリコーディングの重みを適用するステップと、
前記WTRUが、前記タイマーの満了という条件にてデフォルトのプリコーディングの重みを適用するステップと
をさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パイロット・ビットが、それぞれのアンテナ上にて時間的に交替させてDPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)を送信、異なったチャネライゼーション符号を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、および異なったパイロット・ビット系列を使用して1アンテナあたり1つのDPCCHを同時に送信、の送信技法の内の1つを使用して複数のアンテナのそれぞれ上にて送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第2のアンテナ上にて送信される前記DPCCHが、TPC(Transmit Power Control)情報を含まないことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)が、UL(UpLink:アップリンク)送信に対して適用するためのプリコーディングの重み情報を決定するステップであって、前記決定されたプリコーディング情報がプリコーディング重みベクトルのリストへの索引であるステップと、
前記WTRUが、前記決定されたプリコーディングの重み情報を送信するステップと、
前記WTRUが、前記適用されたプリコーディング情報を有するUL送信を送信するステップと
を具備することを特徴とする、前記WTRUにおいて実施されるプリコーディングの重み情報を信号送出するための方法。
【請求項16】
前記プリコーディング情報が、DPCCH(Dedicated Physical Control CHannel)スロット形式中に含まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記DPCCHスロット形式が、前記プリコーディング情報を含むUPWI(Uplink Precoding Weight Information)フィールドを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プリコーディング情報が、E(Enhanced)− DPCCHスロット形式中に含まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
受信機と、
送信機と、
前記受信機および/または送信機と通信状態にある処理装置であって、前記処理装置が、少なくとも1つの送信アンテナ上にて1つのパイロット・ビットを送信し、アップリンク・プリコーディング情報を含む信号を受信することであって前記アップリンク・プリコーディング情報がULプリコーディングの重みを含み、前記アップリンク・プリコーディング情報を検出しおよび前記ULプリコーディングの重みをUL送信に適用することと、および前記適用されたプリコーディングの重みと共に前記UL送信を送信するように構成される処理装置と
を具備することを特徴とするWTRU(Wireless Transmit/Receive Unit:無線送受信ユニット)。
【請求項20】
第1のアンテナと、
第2のアンテナとをさらに具備し、
前記プリコーディング情報が、前記第1のアンテナによるUL送信に適用するための第1のプリコーディングの重み、および前記第2のアンテナによるUL送信に適用するための第2のプリコーディングの重みを含むこと
を特徴とする請求項19に記載のWTRU。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−521159(P2012−521159A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500852(P2012−500852)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/027322
【国際公開番号】WO2010/107699
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/027322
【国際公開番号】WO2010/107699
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】
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