説明

アルドステロン用計算尺、及び、その使用方法

【課題】原発性アルドステロン症を診断するのに好適なアルドステロン用計算尺等を提供する。
【解決手段】本発明に係る互いに摺動可能に接続したホルダ200とスライダ300とを備えるアルドステロン用計算尺100は、スライダ300に、血漿アルドステロン濃度を示す目盛り310が所定距離だけ離間して表記され、かつ、血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛り320が所定距離だけ離間して表記され、ホルダ200に、第1の表示窓210と第2の表示窓220とが開設されて、当該第1の表示窓210の縁部には血漿レニン活性を示す目盛り230が所定距離だけ離間して表記され、当該第2の表示窓220の縁部には血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛り320を指示するマーカ240が表記され、第1の表示窓210には、目盛り310が表示され、第2の表示窓220には、目盛り320が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原発性アルドステロン症を診断するのに好適なアルドステロン用計算尺及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高血圧は、日本国における代表的な生活習慣病であり、総患者数は4000万人とも報告されている。高血圧の原因の多くは、原因不明の本態性高血圧であるが、原因の一部は基礎疾患が明確な二次性高血圧である。特に副腎の腫瘍でアルドステロンを過剰に産生する原発性アルドステロン症(Primary Aldosteronism;PA)は、全高血圧の約5%程度を占めることが明らかにされ、従来考えられてきた割合よりも約10倍高いことから世界的に注目されている。
【0003】
原発性アルドステロン症の診断には、血液中の血漿アルドステロン濃度(Plasma Aldosterone Concentration;PAC)及び血漿レニン活性(Plasma Renin Activity;PRA)を測定して、血漿アルドステロン濃度血漿レニン活性比(血漿アルドステロン濃度/血漿レニン活性:plasma Aldosterone-Renin Ratio;ARR)を検査することが、重要であると世界的にも確認されている。当該検査方法は、日本高血圧学会の高血圧治療のガイドライン2009、日本内分泌学会の診療指針、米国内分泌学会のガイドラインでも共通して明記されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(2008; 93: 3266-3281)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に開示されている構成では、血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比を求めてARRを算出し、さらに、当該ARRが一定の数値範囲にあるか否かを判定することにより、原発性アルドステロン症であるか否かを診断している。従って、多忙な外来診療においても簡便に原発性アルドステロン症を診断するのに好適な新たな手法が求められている。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、原発性アルドステロン症を診断するのに好適なアルドステロン用計算尺及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るアルドステロン用計算尺は、
互いに摺動可能に接続したホルダとスライダとを備えるアルドステロン用計算尺であって、
前記スライダに、血漿アルドステロン濃度を示す目盛りが所定距離だけ離間して表記され、かつ、血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛りが所定距離だけ離間して表記され、
前記ホルダに、第1の表示窓と第2の表示窓とが開設されて、当該第1の表示窓の縁部には血漿レニン活性を示す目盛りが所定距離だけ離間して表記され、当該第2の表示窓の縁部には前記血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛りを指示するマーカが表記され、
前記第1の表示窓には、前記血漿アルドステロン濃度を示す目盛りが表示され、
前記第2の表示窓には、前記血漿アルドステロン濃度と前記血漿レニン活性との比率を示す目盛りが表示される、ことを特徴とする。
【0008】
前記血漿アルドステロン濃度を示す目盛りに表記される血漿アルドステロン濃度値と、前記血漿レニン活性を示す目盛りに表記される血漿レニン活性値と、を合わせた際に、前記血漿アルドステロン濃度値と血漿レニン活性値との比率を示す目盛りに表記される比率値が前記マーカに対応する位置に表示される、ことも可能である。
【0009】
前記血漿アルドステロン濃度値は、50から400まで表記され、
前記血漿レニン活性値は、0.1から2.0まで表記され、
前記比率値は、40から2000まで表記される、ことも可能である。
【0010】
前記ホルダに、原発性アルドステロン症の可能性が高い例示高血圧患者、原発性アルドステロン症を診断するためのフローチャート、及び/又は、カプトプリル負荷試験を実施・判定する方法が表記される、ことも可能である。
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るアルドステロン用計算尺の使用方法は、
患者の血液中から測定された血漿アルドステロン濃度値と血漿レニン活性値とを一致させるように、スライダをスライドさせて、当該測定された血漿アルドステロン濃度値と当該測定された血漿レニン活性値との比率を示す比率値を前記マーカに指示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、原発性アルドステロン症を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るアルドステロン用計算尺の正面図である。
【図2】スライダの正面図である。
【図3】図1におけるA−A線での断面図である。
【図4】アルドステロン用計算尺の背面図である。
【図5】アルドステロン用計算尺の使用状態を説明する図である。
【図6】アルドステロン用計算尺の使用状態を説明する図である。
【図7】アルドステロン用計算尺の変形例を示す図である。
【図8】スライダに血漿レニン活性値を表記した変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明のアルドステロン用計算尺の実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0015】
(アルドステロン用計算尺)
本発明の実施形態に係るアルドステロン用計算尺について図1〜図4を参照して説明する。
【0016】
本実施形態のアルドステロン用計算尺100は、図1及び図2に示すように、ホルダ200と、スライダ300と、から構成される。
【0017】
まず、ホルダ200を、図1を参照して説明する。ホルダ200は、厚紙を素材として、左、右の両端に開口291、292が形成されている封筒状のものである。開口291、292から後述するスライダ300の端部が露出している。ホルダ200の一面(正面)の中心部には、左右方向(長手方向)に延びる第1の表示窓210と第2の表示窓220とが形成される。
【0018】
第1の表示窓210には、スライダ300に表記される血漿アルドステロン濃度を示す目盛り310と、当該目盛り310に表記される血漿アルドステロン濃度値311と、が表示される。
【0019】
第1の表示窓210の一縁部には、目盛り230と、当該目盛り230に表記される血漿レニン活性値231と、当該目盛り230と当該血漿レニン活性値231とが血漿レニン活性を示す旨の表示260と、が表記される。表示260は、血漿レニン活性の単位(ng/ml/hr)や略語(PRA)が表記される。
【0020】
目盛り230に表記される血漿レニン活性値231の範囲は、0.01以上5.0以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1以上2.0以下である。
【0021】
また、第1の表示窓210の一縁部と相対する縁部には、第1の表示窓210から表示される目盛り310と血漿アルドステロン濃度値311とが血漿アルドステロン濃度を示す旨の表示250が表記される。表示250は、血漿アルドステロン濃度の単位(pg/ml)や略語(PAC)が表記される。
【0022】
第2の表示窓220には、スライダ300に表記される血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛り320と、当該目盛り320に表記される比率値321と、が表示される。スライダ300がホルダ200の内部を左右方向にスライドすることにより、目盛り310及び血漿アルドステロン濃度値311、並びに、目盛り320及び比率値321が移動する態様が第1の表示窓210及び第2の表示窓220から表示される。
【0023】
第2の表示窓220の一縁部には、比率値321を指示するマーカ240が表記される。また、比率値321が、血漿アルドステロン濃度値311/血漿レニン活性値231(plasma Aldosterone-Renin Ratio;ARR)であることを示す表示270が表記される。
マーカ240の一周辺部には、比率値321が、200より大きい場合には、原発性アルドステロン症が疑われる旨の表示280が表記される。
【0024】
次に、スライダ300を、図2を参照して説明する。スライダ300は、厚紙を素材として、長方形に形成されたシート状のものである。スライダ300の一面の中心部には、血漿アルドステロン濃度を示す目盛り310と、当該目盛り310に表記される血漿アルドステロン濃度値311と、が表記される。また、血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛り320と、当該目盛り320に表記される比率値321と、が表記される。
【0025】
目盛り310に表記される血漿アルドステロン濃度値311の範囲は、5以上2000以下とすることが好ましく、より好ましくは50以上400以下である。
目盛り320に表記される比率値321の範囲は、10以上5000以下とすることが好ましく、より好ましくは40以上2000以下である。
【0026】
比率値321が200より大きい範囲の目盛り320には、例えば、黄色から赤色に徐々に変化する色彩模様を表記することもできる。比率値321が200付近では黄色の色彩として、数値が大きくなるほど赤色の色彩とすることもできる。これは、比率値321が200より大きい場合には、原発性アルドステロン症の疑いがあることから、当該疑いを明確に表示するためである。
【0027】
図3は、図1におけるA−A線での断面図である。アルドステロン用計算尺100は、図3に示すように、ホルダ200がスライダ300を包み込むように形成される。また、スライダ300の表面の一部が、第1の表示窓210と第2の表示窓220とから露出して、表示される。
【0028】
図4は、ホルダ200の他面(背面)を示す図である。ホルダ200の他面には、図4に示すように、例えば、アルドステロン用計算尺100の使用方法を示す表示201、原発性アルドステロン症の可能性が高い高血圧患者を示す例示の表示202、原発性アルドステロン症を診断するためのフローチャートの表示203、及び、カプトプリル負荷試験を実施・判定する方法を示す表示204を表記することもできる。
【0029】
表示201には、例えば、ホルダ200の一面において、患者から測定された血漿アルドステロン濃度値311と血漿レニン活性値231とを第1の表示窓210において一致させることにより、当該血漿アルドステロン濃度値311と当該血漿レニン活性値231とから算出される比率比321がマーカ240に指示される旨のアルドステロン用計算尺100を使用する方法が表記される。
【0030】
表示202には、例えば、(1)50歳以下の高血圧、(2)低カリウム血症の合併、(3)中等症・重症高血圧(収縮期圧>160 mmHg又は拡張期圧>100 mmHg)、(4)治療抵抗性高血圧(降圧薬3剤以上を服用中)、(5)副腎偶発腫瘍の合併、の場合には、原発性アルドステロン症の可能性が高い高血圧患者である旨が表記される。
【0031】
表示203には、例えば、原発性アルドステロン症を診断するためのフローチャートが表記される。当該フローチャートには、表示202に例示される高血圧患者であるか否か、血漿アルドステロン濃度値と血漿レニン活性値との比率値が200より大きいか否か、当該比率値が200より大きい場合には、高血圧学会・内分泌学会に属する専門医に相談することを促す旨等が記載される。
【0032】
表示204には、カプトプリル負荷試験の実施及び/又は判定する方法が表記される。当該実施・判定方法として、例えば、(1)準備として、午前8〜9時、空腹、30分以上の安静臥床後に実施すること、(2)当日朝の降圧薬は中止すること、(3)カプトプリルを50 mg服用すること、(4)採血は、服用前及び/又は服用後、30分、60分、90分に実施すること(5)レニン活性及びアルドステロンを測定すること(6)ARR>200の場合には陽性と判定すること等が記載される。
【0033】
アルドステロン用計算尺100(又はホルダ200)の正面及び背面、並びに、スライダ300の正面及び背面には、任意の文字やフローチャートを表記することもできる。また、表示201〜204、250、260、270、及び、280を表記するか否かは任意である。
【0034】
(アルドステロン用計算尺の使用方法)
次に、アルドステロン用計算尺100を使用する方法について、図1、図5及び図6を参照して説明する。
【0035】
まず、図1に示すように、平筒状に形成されたホルダ200の内部に、シート状に形成されたスライダ300があらかじめ収納されている。
【0036】
患者の血液(血漿)中から測定された血漿アルドステロン濃度値311が200、血漿レニン活性値231が0.5の場合、図5に示すように、第1の表示窓210から表示される血漿アルドステロン濃度値311が示す200と血漿レニン活性値231が示す0.5とを一致させるように、開口291から露出しているスライダ300の端部を矢印の方向に引き出す。すると、スライダ300は、ホルダ200の内部をスライドして、第1の表示窓210から表示される血漿アルドステロン濃度値311が示す200の位置が変化する。
【0037】
スライダ300を所定の位置までスライドさせると、血漿アルドステロン濃度値311が示す200と血漿レニン活性値231が示す0.5との位置が一致する。スライダ300を引き出すことが停止されると、ホルダ200とスライダ300との接触抵抗により、当該位置が一致した状態が維持される。
【0038】
次に、第2の表示窓220から表示される血漿アルドステロン濃度値311/血漿レニン活性値231により算出される比率値321が計測される。当該位置が一致した状態において、マーカ240により指示された比率値321が当該患者のARRとなる。当該患者のARRは、マーカ240に指示された400(=200/0.5)である。
【0039】
続いて、表示280に表記されるARR>200に基づいて、また、目盛り320に表記される色彩の変化に基づいて、ARRが200より大きいか否かが判定される。ARR>200の場合には、原発性アルドステロン症が疑われると判定される。当該患者は、ARRが200より大きいため、原発性アルドステロン症の疑いが高いと判定される。
【0040】
また、例えば、血漿アルドステロン濃度値311=80、血漿レニン活性値231=0.2の場合、並びに、血漿アルドステロン濃度値311=400、血漿レニン活性値231=1.0の場合にも、ARR=400と算出される。これらの数値の場合についても、患者は原発性アルドステロン症の疑いが高いと判定される。
【0041】
患者のARRが200より大きい場合には、アルドステロン用計算尺100の背面に表記された表示203又は表示204に基づいて、専門医に相談すること、また、カプトプリル負荷試験を実施することも可能である。
【0042】
次に、患者の血液(血漿)中から測定された血漿アルドステロン濃度値311が50、血漿レニン活性値231が0.5の場合、図6に示すように、第1の表示窓210から表示される血漿アルドステロン濃度値311が示す50と血漿レニン活性値231が示す0.5とを一致させるように、開口292から露出しているスライダ300の端部を矢印の方向に引き出す。すると、スライダ300は、ホルダ200の内部をスライドして、第1の表示窓210から表示される血漿アルドステロン濃度値311が示す50の位置が変化する。
【0043】
スライダ300を所定の位置までスライドさせると、血漿アルドステロン濃度値311が示す50と血漿レニン活性値231が示す0.5との位置が一致する。
【0044】
当該位置が一致した状態において、第2の表示窓220から表示される血漿アルドステロン濃度値311/血漿レニン活性値231により算出される比率値321が計測される。マーカ240により指示された比率値321が当該患者のARRとなる。当該患者のARRは、マーカ240に指示された100(=50/0.5)である。
【0045】
続いて、表示280に表記されるARR>200に基づいて、また、目盛り320に表記される色彩の変化に基づいて、ARRが200より大きいか否かが判定される。当該患者のARRは100であるため、原発性アルドステロン症の疑いが低いと判定される。
【0046】
また、例えば、血漿アルドステロン濃度値311=100、血漿レニン活性値231=1.0の場合、並びに、血漿アルドステロン濃度値311=200、血漿レニン活性値231=2.0の場合にも、ARR=100と算出される。これらの数値の場合についても、患者は原発性アルドステロン症の疑いが低いと判定される。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、多忙な外来診療においても簡便に原発性アルドステロン症を診断することができる。
電卓等を使用して計算する従来の方法と比較すると、数値を誤入力することが少なく、正しい判定結果を得ることができる。また、ARRの算出結果、及び、ARRの算出後に医師が行うべき診療行為の両方を一目で認識することができ、その表示は消えることなく維持することができる。さらに、医師が患者に対し、算出されたARRを提示してわかりやすく説明を行うことが容易となり、より正確で具体的な診療指針を患者に示すことができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0049】
ホルダ200及びスライダ300の素材は、厚紙に限定されず、プラスチック、樹脂、鉄、アルミニウム、木材等、任意である。
【0050】
ホルダ200及びスライダ300の形状は、長方形に限定されず、正方形、楕円形等、任意である。図7は、アルドステロン用計算尺の変形例を示す図である。例えば、図7に示すように、ホルダ200及びスライダ300の形状を円形とすることもできる。この場合、スライダ300を左右方向に移動させるのではなく、スライダ300を回転させて、血漿アルドステロン濃度値311と血漿レニン活性値231とを第1の表示窓210において一致させる。
【0051】
ホルダ200及びスライダ300のサイズは限定されず、任意である。例えば、医者が患者に対して使用する場合には、当該サイズは縦10cm×横30cm程度である。
【0052】
第1の表示窓210及び第2の表示窓220のサイズは限定されず、任意である。
【0053】
目盛り320に施される色彩は、黄色や赤色に限定されず、任意である。
【0054】
目盛り230、目盛り310、目盛り320の刻み幅及び精度は、任意である。
【0055】
図8は、スライダ300に血漿レニン活性を示す目盛り230及び血漿レニン活性値231を表記した変形例である。図8に示すように、第1の表示窓210から表示されるように、スライダ300の一面に血漿レニン活性を示す目盛り230及び血漿レニン活性値231を表記することもできる。また、第1の表示窓210の一縁部に、血漿アルドステロン濃度を示す目盛り310及び血漿アルドステロン濃度値311を表記することもできる。
【符号の説明】
【0056】
100 アルドステロン用計算尺
200 ホルダ
210 第1の表示窓
220 第2の表示窓
230 目盛り
231 血漿レニン活性値
240 マーカ
291、292 開口
300 スライダ
310 目盛り
311 血漿アルドステロン濃度値
320 目盛り
321 比率値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに摺動可能に接続したホルダとスライダとを備えるアルドステロン用計算尺であって、
前記スライダに、血漿アルドステロン濃度を示す目盛りが所定距離だけ離間して表記され、かつ、血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛りが所定距離だけ離間して表記され、
前記ホルダに、第1の表示窓と第2の表示窓とが開設されて、当該第1の表示窓の縁部には血漿レニン活性を示す目盛りが所定距離だけ離間して表記され、当該第2の表示窓の縁部には前記血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性との比率を示す目盛りを指示するマーカが表記され、
前記第1の表示窓には、前記血漿アルドステロン濃度を示す目盛りが表示され、
前記第2の表示窓には、前記血漿アルドステロン濃度と前記血漿レニン活性との比率を示す目盛りが表示される、
ことを特徴とするアルドステロン用計算尺。
【請求項2】
前記血漿アルドステロン濃度を示す目盛りに表記される血漿アルドステロン濃度値と、前記血漿レニン活性を示す目盛りに表記される血漿レニン活性値と、を合わせた際に、前記血漿アルドステロン濃度値と血漿レニン活性値との比率を示す目盛りに表記される比率値が前記マーカに対応する位置に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載のアルドステロン用計算尺。
【請求項3】
前記血漿アルドステロン濃度値は、50から400まで表記され、
前記血漿レニン活性値は、0.1から2.0まで表記され、
前記比率値は、40から2000まで表記される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルドステロン用計算尺。
【請求項4】
前記ホルダに、原発性アルドステロン症の可能性が高い例示高血圧患者、原発性アルドステロン症を診断するためのフローチャート、及び/又は、カプトプリル負荷試験を実施・判定する方法が表記される、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルドステロン用計算尺。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルドステロン用計算尺の使用方法であって、
患者の血液中から測定された血漿アルドステロン濃度値と血漿レニン活性値とを一致させるように、スライダをスライドさせて、当該測定された血漿アルドステロン濃度値と当該測定された血漿レニン活性値との比率を示す比率値を前記マーカに指示させる、
ことを特徴とするアルドステロン用計算尺の使用方法。

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−160118(P2010−160118A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4001(P2009−4001)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(803000056)財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 (341)
【Fターム(参考)】