説明

アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ

【課題】高温での性能劣化が小さく、かつ火花電圧が高いアルミ電解コンデンサ用電解液ならびにそれを用いたアルミ電解コンデンサを提供する。
【解決手段】非プロトン性溶媒(A)、特定のイミダゾリウムカチオン(B)と炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸アニオン(C)との塩からなる電解質(D)、および炭素数5〜10である1価アルコール(F1)および/または炭素数2〜10である多価アルコール(F2)とホウ酸とが反応してなるホウ酸エステル(E)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型テレビ等デジタル家電の薄型化、省エネルギー化に伴い、電解液の火花電圧が高く、さらに周辺環境の高温化に伴い、高温での特性劣化が小さい電解液が望まれている。従来、高温で特性劣化が小さい電解液としては、アルキル置換アミジンを有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とする、いわゆるアミジン系電解液(例えば特許文献1)などが知られている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されている、アルキル置換アミジン基を含有する化合物の4級化物のカルボン酸塩を電解質とするアミジン系電解液は、火花電圧が低いという課題があった。そこで中圧級アルミ電解コンデンサ用電解液としては、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等直鎖飽和カルボン酸またはその塩を含有するエチレングリコールを溶媒とする電解液が知られている(例えば特許文献2)。
【0004】
ところが、上記電解液では火花電圧は高められるものの高温条件下では経時的に性能が劣化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−148196号公報
【特許文献2】特開昭56−108229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は高温での性能劣化が小さく、かつ火花電圧が高いアルミ電解コンデンサ用電解液ならびにそれを用いたアルミ電解コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、非プロトン性溶媒(A)、下記一般式(1)で表されるカチオン(B)と炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸アニオン(C)との塩からなる電解質(D)、および炭素数5〜10である1価アルコール(F1)および/または炭素数2〜10である多価アルコール(F2)とホウ酸とが反応してなるホウ酸エステル(E)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液である。
【化1】

[式中R〜Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。]
【発明の効果】
【0008】
本発明の電解液は、高温での性能劣化が小さく、かつ火花電圧が高い性能を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、非プロトン性溶媒(A)、一般式(1)で表されるカチオン(B)と炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸アニオン(C)との塩からなる電解質(D)、および炭素数5〜10である1価アルコール(F1)および/または炭素数2〜10である多価アルコール(F2)とホウ酸とが反応してなるホウ酸エステル(E)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液である。
【0010】
本発明の電解液を用いることで、高温での性能劣化が小さく、かつ火花電圧が高いアルミニウム電解コンデンサ用電解液を得ることができる。
【0011】
本発明の電解液を構成する電解質(D)について説明する。
【0012】
電解質(D)は下記一般式(1)で表されるカチオン(B)と炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸アニオン(C)との塩からなる。
【0013】
【化1】

[式中R〜Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。]
【0014】
炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸アニオン(C)は、炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸(C0)のアニオンである。(C0)としては、下記一般式(2)で表される1価の芳香族カルボン酸(C01)のほか、1価の縮合多環式芳香族カルボン酸である以下のものが挙げられる。1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボン酸等。それらの中で、1価の芳香族カルボン酸(C01)が好ましい。
【0015】
【化2】

[式中R〜R10は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または下式(3)で表される基である。]
【0016】
【化3】

[式中Xは炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜5であり、Yは炭素数1〜8のアルキル基である。]
【0017】
式(2)中R〜R10における炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジエチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、1,3,5,7−テトラメチルオクチルなどの分岐アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−n−オクチル−シクロヘキシルなどの環状アルキル基などが挙げられる。
【0018】
これらの中で、火花電圧と電導度の観点から、好ましくは炭素数4〜18、さらに好ましくは炭素数4〜12である。
【0019】
上記式(2)中R〜R10における炭素数1〜18のアルコキシ基とは、芳香環に直接結合した酸素原子にさらに炭素数1〜18のアルキル基が結合したものであり、炭素数1〜18のアルキル基の具体例は上記で述べたとおりである。これらの中で、火花電圧と電導度の観点から、好ましくは炭素数4〜18、さらに好ましくは炭素数4〜12である。
【0020】
上記式(3)中Xは炭素数2または3のアルキレンであり、エチレン、プロピレン、トリメチレンである。好ましくはエチレン、プロピレンである。
【0021】
式(3)中nは1〜5の整数であり、火花電圧と電導度の観点からn=2〜4が好ましい。
【0022】
式(3)中Yにおける炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチルなどの直鎖アルキル基、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシルなどの分岐アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの環状アルキル基などが挙げられる。これらの中で、火花電圧と電導度の観点から、さらに好ましくは炭素数2〜6である。
【0023】
式(3)における好ましい具体例としては、1,4,7−トリオキサノニル、1,4,7−トリオキサウンデシル、1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルウンデシル、1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルトリデシル、1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル、1,4,7,10,13−ペンタオキサ−3,6−9,12−ジメチルペンタデシルなどが挙げられる。これらの中で、火花電圧と電導度の観点から、さらに好ましくは1,4,7−トリオキサウンデシル、1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルウンデシル、1,4,7,10−テトラオキサテトラデシルである。
【0024】
1価のカルボン酸(C01)の好ましい具体例としては、4−(n−ブチル)安息香酸、3−(n−ブチル)安息香酸、4−(t−ブチル)安息香酸、4−(n−ヘキシル)安息香酸、4−(n−オクチル)安息香酸、4−(n−ドデシル)安息香酸、4−シクロヘキシル安息香酸、4−(1,1−ジエチルプロピル)安息香酸、4−(1,1,3,3−テトラエチルブチル)安息香酸、3,5−ジイソプロピル安息香酸、2,6−ジイソプロピル安息香酸、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸、4−(n−ブトキシ)安息香酸、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸、4−(n−ドデシルオキシ)安息香酸、4−(t−ブトキシ)安息香酸、2−(n−ブトキシ)安息香酸、3,5−ジ(n−ブトキシ)安息香酸、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸、2,6−ジ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸、3,4,5−トリ(n−ブチル)安息香酸、3,4,5−トリ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸、4−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸、3−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸、4−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸、3−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸、4−(1,4,7−トリオキサ3,6−ジメチルウンデシル)安息香酸、4−(1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルトリデシル)安息香酸、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸、4−(1,4,7,10,13−ペンタオキサ−3,6−9,12−ジメチルペンタデシル)安息香酸、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸、2,6−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸、3,4,5−トリス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸などが挙げられる。
これらの中で火花電圧と電導度の観点から、4−(n−ヘキシル)安息香酸、4−(n−オクチル)安息香酸、3,5−ジイソプロピル安息香酸、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸、3,5−ジ(n−ブトキシ)安息香酸、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸、3,4,5−トリ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸、4−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸がさらに好ましい。
【0025】
1価のカルボン酸アニオン(C)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
カチオン(B)は上記一般式(1)で表されるものである。
【0027】
一般式(1)中、R〜Rの炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられる。R、Rの炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
【0028】
カチオン(B)の具体例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。
【0029】
上記の中で、さらに好ましくは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウムである。
【0030】
電解質(D)中のアニオン(C)とカチオン(B)とのモル比率(アニオン/カチオン)は、コンデンサ部材{アルミニウム電解コンデンサの封口ゴム、および酸化アルミニウム箔等}の腐食の観点から、好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1、特に好ましくは0.95〜1.05である。
【0031】
モル比率が0.8〜1.2であると、電解液の液性がアルカリ性に偏らず、アルミニウム電解コンデンサの封口ゴムであるブチルゴムが劣化しにくく、この結果、電解液がコンデンサから漏れる等の不具合が生じにくい。また、電解液の液性が酸性に偏らず、陽極の酸化アルミニウム箔が腐食されにくく、この結果、ショート等の不具合が生じにくい。
【0032】
電解質(D)の具体例としては、4−(n−ブチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ブチル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ブチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3−(n−ブチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3−(n−ブチル)安息香酸、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3−(n−ブチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(t−ブチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(t−ブチル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(t−ブチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ドデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ドデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ドデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−シクロヘキシル安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−シクロヘキシル安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−シクロヘキシル安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,1−ジエチルプロピル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,1−ジエチルプロピル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,1−ジエチルプロピル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,1,3,3−テトラエチルブチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,1,3,3−テトラエチルブチル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,1,3,3−テトラエチルブチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジイソプロピル安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジイソプロピル安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジイソプロピル安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ジイソプロピル安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ジイソプロピル安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ジイソプロピル安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、2,4,6−トリイソプロピル安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ブトキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ブトキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ブトキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ドデシルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ドデシルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ドデシルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(t−ブトキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(t−ブトキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(t−ブトキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、2−(n−ブトキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、2−(n−ブトキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、2−(n−ブトキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−ブトキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−ブトキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−ブトキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ジ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ジ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ジ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリ(n−ブチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリ(n−ブチル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリ(n−ブチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリ(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3−(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3−(1,4,7−トリオキサウンデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサ3,6−ジメチルウンデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサ3,6−ジメチルウンデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサ3,6−ジメチルウンデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルトリデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルトリデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7−トリオキサ−3,6−ジメチルトリデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10,13−ペンタオキサ−3,6−9,12−ジメチルペンタデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10,13−ペンタオキサ−3,6−9,12−ジメチルペンタデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10,13−ペンタオキサ−3,6−9,12−ジメチルペンタデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、2,6−ビス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,4,5−トリス(1,4,7−トリオキサノニル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩が挙げられる。
【0033】
上記の中で、さらに好ましくは4−(n−ヘキシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−ヘキシルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(n−オクチルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、3,5−ジ(n−オクチルオキシ)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩、4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデシル)安息香酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム塩である。
【0034】
ホウ酸エステル(E)は、炭素数5〜10である1価アルコール(F1)および/または炭素数2〜10である多価アルコール(F2)とホウ酸とを以下の反応条件で反応してなるものである。反応生成物は多種類の化合物の混合物であり、組成で正確に記載することは困難である。
反応条件:ホウ酸と(F1)および/または(F2)を混合し、その混合物を60〜90℃に加熱し除々に減圧して4.0〜6.0kPaにしてエステル化(脱水)を行う。目標の圧力に到達した後、さらに100〜110℃まで加熱してエステル化する。4.0〜6.0kPaで水分と低沸分を留去し終わるまで反応してホウ酸エステル(E)を得ることができる。
【0035】
ホウ酸エステル(E)の製造時の各原料の仕込み比は、ホウ酸が25〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
ホウ酸とアルコールの等量比(ホウ酸/アルコール)は、0.1/0.01〜0.1/0.3、さらに好ましくは0.1/0.02〜0.1/0.15である。
【0036】
ホウ酸エステル(E)中に含まれるホウ素含有量は、好ましくは7〜16重量%、より好ましくは9〜13重量%である。ホウ酸エステル(E)中のホウ素含量が7重量%以上である場合は突発的なショートの発生を抑える効果が大きい。ホウ酸エステル(E)中のホウ素含量が16重量%以下の場合は電解液中への溶解性が良好である。
【0037】
ホウ酸エステル(E)中のホウ素含量は、次の方法で測定することができる。
100mLビーカーに試料を秤量(Sg)し、グリセリン溶液(グリセリン:イオン交換水=等容量)50mLを加え、0.1mol/L苛性カリ標準液で電位差滴定を行い、変曲点までに要した0.1mol/L苛性カリ標準液の滴定量(AmL)を求める。
下記式により算出し、2回以上の試験結果の差がホウ素含量として0.2%以内で一致した時の平均値を少数点以下1位まで求める。
ホウ素含量(重量%)={(A×f×1.08)/(S×1000)}×100
ここでfは0.1mol/L苛性カリ標準液の力価を示す。
【0038】
炭素数5〜10である1価アルコール(F1)としては、アルカノール(芳香環含む)、(ポリ)アルキレングリコール(炭素数2〜9)モノアルキル(炭素数1〜8)エーテルが挙げられる。
具体例としては以下のものが挙げられる。
(1)1価のアルコール
(a)アルカノール
1−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール、3−ペンチルアルコール、1−ヘキシルアルコール、2−ヘキシルアルコール、3−ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコールなど。
(b)アルキレングリコールアルキルエーテル
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなど。
【0039】
炭素数2〜10である多価アルコール(F2)としては、以下のものが挙げられる。
(2)2価のアルコール
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、など。
(3)3価以上のアルコール
グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、1,2,6−シクロヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,3,4−ブタンテトラオール、エリトリトール、リビトールなど。
【0040】
炭素数5〜10である1価アルコール(F1)または炭素数2〜10である多価アルコール(F2)であるアルコール(F)は、(F1)と(F2)の一種または二種以上を併用してもよく、ホウ酸エステルになった際の、電解液への溶解性の観点から、アルキレン(炭素数2〜10)グリコールまたはアルキレン(炭素数2〜9)グリコールモノアルキル(炭素数1〜8)エーテルが好ましい。ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが特に好ましい。
【0041】
1価アルコール(F1)の炭素数が4以下になると、コンデンサの封口ゴムを通過してホウ酸が析出してコンデンサのショートを招くため好ましくない。また、1価のアルコールまたは多価アルコールの炭素数が10を超えるとホウ酸エステルになった際、粘度が高くなるため、取り扱いが困難になり、また、電解液の比電導度を低下させるため好ましくない。
【0042】
非プロトン性溶媒(A)としては、(1)エーテル、(2)アミド、(3)オキサゾリジノン、(4)ラクトン、(5)ニトリル、(6)カーボネート、(7)スルホン、(8)その他の有機溶媒が含まれる。
【0043】
(1)エーテル
モノエーテル(エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなど)、トリエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)。
【0044】
(2)アミド
ホルムアミド(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
【0045】
(3)オキサゾリジノン
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど。
【0046】
(4)ラクトン
ガンマブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、ベータブチロラクトン、ガンマバレロラクトン、デルタバレロラクトンなど。
【0047】
(5)ニトリル
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ベンゾニトリルなど。
【0048】
(6)カーボネート
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
【0049】
(7)スルホン
スルホラン、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホンなど。
【0050】
(8)その他の有機溶媒
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、芳香族溶媒(トルエン、キシレンなど)パラフィン溶媒(ノルマルパラフィン、イソパラフィンなど)など。
【0051】
非プロトン性溶媒(A)は、一種または二種以上を併用してもよい。これらのうち、ラクトンおよびスルホンが好ましく、さらに好ましくはガンマブチロラクトン、スルホラン、ガンマブチロラクトンとスルホランの混合溶媒である。
【0052】
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液は、非プロトン性溶媒(A)と、上記一般式(1)で示されるカチオン(B)と1価の芳香族カルボン酸アニオン(C)との塩を主電解質として含有する。ここで主電解質として含有するとは、本発明の電解コンデンサ用電解液中に含有される電解質の50重量%以上は電解質(D)であることを示すものとする。
【0053】
ホウ酸エステル(E)の含有量は、比電導度と火花電圧の両方の観点から、非プロトン性溶媒(A)、電解質(D)およびホウ酸エステル(E)の合計重量に基づいて、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。
電解質(D)の含有量は、比電導度と非プロトン性溶媒への溶解度の観点から、非プロトン性溶媒(A)、電解質(D)およびホウ酸エステル(E)の合計重量に対して、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。
有機溶媒(A)の含有量は、比電導度の観点から、非プロトン性溶媒(A)、電解質(D)およびホウ酸エステル(E)の合計重量に対して、好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは50〜90重量%である。
【0054】
本発明の電解液には必要により、電解液に通常用いられる種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、ニトロ化合物(例えば、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、p−ニトロフェノールなど)などを挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、非プロトン性溶媒(A)、電解質(D)およびホウ酸エステル(E)の合計重量に対して、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下がよい。
【0055】
本発明の電解液は、アルミニウム電解コンデンサ用として好適である。アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形のアルミニウム電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉してアルミニウム電解コンデンサを構成することができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
【0057】
製造例1
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートメタノール溶液の製造方法
攪拌機付き耐圧容器中に、ジメチルカーボネート(東京化成製)180部、メタノール63部を仕込み、そこへ2,4−ジメチルイミダゾリン98部を滴下し120℃にて15時間攪拌させることにより1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートのメタノール溶液を得た。
【0058】
製造例2
2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートメタノール溶液の製造方法
製造例1において2,4−ジメチルイミダゾリン98部を2−エチル−4−メチルイミダゾリン112部とした以外は製造例1と同様の操作を行い、2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートメタノール溶液を得た。
【0059】
製造例3
3,5−ビス(n−オクチルオキシ)安息香酸(C−4)の合成
環流管付き反応容器に3,5−ジヒドロキシ安息香酸(和光純薬製)15部、水酸化カリウム28部を加え、これをエタノール300部で溶解させた。次いで1−ブロモオクタン(和光純薬製)40部を添加し、これを加熱環流下反応させた。エタノールをエバポレーターを用い濃縮後、水200部を加え溶解させた。pH1〜2になるまで濃塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で5回洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターで濃縮した。アセトンで再結晶を行い、白色固体22部(収率60%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が3,5−ビス(n−オクチルオキシ)安息香酸(C−4)であることを確認した。
【0060】
製造例4
3,4,5−トリス(n−ヘキシルオキシ)安息香酸(C−5)の合成
製造例3において3,5−ジヒドロキシ安息香酸(和光純薬製)15部を没食子酸(東京化成製)17部、水酸化カリウム28部を42部、1−ブロモオクタン(和光純薬製)40部を1−ブロモへキサン(和光純薬製)50部とした以外は製造例3と同様の操作を行い、淡黄色固体30部(収率70%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が3,4,5−トリス(n−ヘキシルオキシ)安息香酸(C−5)であることを確認した。
【0061】
製造例5
4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデカニル)安息香酸(C−6)の合成
(1)トリエチレングリコールモノブチルエーテルp−トルエンスルホン酸エステルの合成
環流管付き反応容器にトリエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成製)21部ピリジン10部をテトラヒドロフラン100部に溶解させ、そこへp−トルエンスルホン酸クロライド(和光純薬製)19部を少しずつ加えた。環流下で反応後エバポレーターにて濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮し微黄色固体33部(収率92%)を得た。H−NMRによりこの固体がトリエチレングリコールモノブチルエーテルp−トルエンスルホン酸エステルであることを確認した。
(2)4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデカニル)安息香酸(C−6)の合成
製造例3において3,5−ジヒドロキシ安息香酸(和光純薬製)15部を4−ヒドロキシ安息香酸(東京化成製)14部、水酸化カリウム28部を20部、1−ブロモオクタン(和光純薬製)40部をトリエチレングリコールモノブチルエーテルp−トルエンスルホン酸エステル36部とした以外は製造例3と同様の操作を行い、淡黄色固体23部(収率71%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデカニル)安息香酸(C−6)であることを確認した。
【0062】
製造例6
芳香族カルボン酸(C−1)の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−1)の合成
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートのメタノール溶液86部に4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を加え塩交換を行った。この溶液をロータリーエバポレーターを用いて100℃にて減圧下濃縮し黄色固体80部(収率99%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が4−(n−ヘキシル)安息香酸の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−1)であることを確認した。
【0063】
製造例7
芳香族カルボン酸(C−2)の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−2)の合成
製造例6において4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を2,4,6−トリイソプロピル安息香酸(C−2、和光純薬製)60部とした以外は製造例6と同様の操作を行い、黄土色固体72部(収率97%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が2,4,6−トリイソプロピル安息香酸の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−2)であることを確認した。
【0064】
製造例8
芳香族カルボン酸(C−3)の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−3)の合成
製造例6において4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を4−(n−オクチルオキシ)安息香酸(C−3、東京化成製)61部とした以外は製造例6と同様の操作を行い、黄色液体88部(収率97%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が4−(n−オクチルオキシ)安息香酸の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−3)であることを確認した。
【0065】
製造例9
芳香族カルボン酸(C−4)の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−4)の合成
製造例6において4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を製造例3にて合成した芳香族カルボン酸(C−4)92部とした以外は製造例6と同様の操作を行い、黄色固体122部(収率99%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が3,5−ビス(n−オクチルオキシ)安息香酸の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−4)であることを確認した。
【0066】
製造例10
芳香族カルボン酸(C−5)の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−5)の合成
製造例6において4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を製造例4にて合成した芳香族カルボン酸(C−5)103部とした以外は製造例6と同様の操作を行い、黄色固体130(収率98%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が3,4,5−トリス(n−ヘキシルオキシ)安息香酸の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−5)であることを確認した。
【0067】
製造例11
芳香族カルボン酸(C−6)の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−6)の合成
製造例6において4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を製造例5にて合成した芳香族カルボン酸(C−6)79部とした以外は製造例6と同様の操作を行い、黄褐色液体109部(収率99%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が4−(1,4,7,10−テトラオキサテトラデカニル)安息香酸の1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム塩(D−6)であることを確認した。
【0068】
製造例12
芳香族カルボン酸(C−1)の2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩(D−7)の合成
製造例2で合成した2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートのメタノール溶液91部に4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を加え塩交換を行った。この溶液をロータリーエバポレーターを用いて100℃にて減圧下濃縮し黄色固体84部(収率99%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が4−(n−ヘキシル)安息香酸の2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩(D−7)であることを確認した。
【0069】
製造例13
芳香族カルボン酸(C−3)の2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩(D−8)の合成
製造例12において4−(n−ヘキシル)安息香酸(C−1、東京化成製)50部を4−(n−オクチルオキシ)安息香酸(C−3、東京化成製)61部とした以外は製造例12と同様の操作を行い、黄土色固体92部(収率97%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が4−(n−オクチルオキシ)安息香酸の2−エチル−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム塩(D−8)であることを確認した。
【0070】
製造例14
ホウ酸(1.0mol)とジエチレングリコール(0.19mol)とトリエチレングリコールモノメチルエーテル(0.12mol)を混合し、80℃に加熱し、除々に減圧して4.0kPaにしてエステル化を行い、さらに105℃まで加熱することでエステル化と低沸分を留去することでホウ酸エステル(E−1)を得た。ホウ酸エステル(E−1)のホウ素含量は12.0%であった。
【0071】
製造例15
ホウ酸(0.56mol)とジエチレングリコール(0.3mol)とトリエチレングリコールモノメチルエーテル(0.2mol)を混合し、80℃に加熱し、除々に減圧して4.0kPaにしてエステル化を行い、さらに105℃まで加熱することでエステル化と低沸分を留去することでホウ酸エステル(E−2)を得た。ホウ酸エステル(E−2)のホウ素含量は7.1%であった。
【0072】
製造例16
ホウ酸(0.8mol)とエチレングリコール(0.4mol)とジエチレングリコールモノメチルエーテル(0.2mol)を混合し、80℃に加熱し、除々に減圧して4.0kPaにしてエステル化を行い、さらに105℃まで加熱することでエステル化と低沸分を留去することでホウ酸エステル(E−3)を得た。ホウ酸エステル(E−3)のホウ素含量は10.2%であった。
【0073】
比較製造例1
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム=フタル酸塩(G−1)の合成
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートのメタノール溶液86部にフタル酸40部を加え塩交換を行った。この溶液をロータリーエバポレーターを用いて100℃にて減圧下濃縮し黄色固体69部(収率98%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム=フタル酸塩(G−1)であることを確認した。
【0074】
比較製造例2
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム=アゼライン酸塩(G−2)の合成
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムメチルカーボネートのメタノール溶液82部にアゼライン酸(ナカライテスク製)53部を加え塩交換を行った。この溶液をロータリーエバポレーターを用いて100℃にて減圧下濃縮し褐色固体82部(収率99%)を得た。H−NMRによる分析により、この固体が1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム=アゼライン酸塩(G−2)であることを確認した。
【0075】
実施例1
ガラス製容器に製造例6で合成した電解質(D−1)14.6部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン82.4部を加え1時間攪拌し均一溶液を得た。そこへホウ酸エステル(E−1)3.0部を添加して混合し、本発明の電解液を得た。
【0076】
実施例2
ガラス製容器に製造例6で合成した電解質(D−1)14.2部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン80.1部を加え1時間攪拌し均一溶液を得た。そこへホウ酸エステル(E−1)5.7部を添加して混合し、本発明の電解液を得た。
【0077】
実施例3
ラス製容器に製造例6で合成した電解質(D−1)13.6部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン77.3部を加え1時間攪拌し均一溶液を得た。そこへホウ酸エステル(E−1)9.1部を添加して混合し、本発明の電解液を得た。
【0078】
実施例4〜10
実施例2において電解質(D−1)の代わりに各電解質(D−2)〜(D−8)とした以外は実施例2と同様な操作を行い、実施例4〜10の本発明の電解液を得た。
【0079】
実施例11〜12
実施例2において、ホウ酸エステル(E−1)の代わりに各ホウ酸エステル(E−2)〜(E−3)とした以外は、実施例2と同様な操作を行い、実施例11〜12の本発明の電解液を得た。
【0080】
実施例13
ガラス製容器に製造例6で合成した電解質(D−1)14.6部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン65.9部とスルホラン16.5部を加え1時間攪拌し均一溶液を得た。そこへホウ酸エステル(E−1)3.0部を添加して混合し、本発明の電解液を得た。
【0081】
比較例1
ガラス製容器に電解質(D−1)15.0部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン85.0部を加え1時間攪拌することで、比較例1の電解液を得た。
【0082】
比較例2
ガラス製容器に電解質(D−1)14.2部とエチレングリコール80.1部を加え1時間攪拌し均一溶液を得た。そこへホウ酸エステル(E−1)を5.7部添加して混合し比較例2の電解液を得た。
【0083】
比較例3
ガラス製容器に比較製造例1で合成した電解質(G−1)14.2部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン80.1部を加え1時間攪拌し、ホウ酸エステル(E−1)を5.7部添加したが、溶解せず均一な溶液が得られなかった。
【0084】
比較例4
ガラス製容器に比較製造例2で合成した電解質(G−2)14.2部と非プロトン性溶媒(A)ガンマブチロラクトン80.1部を加え1時間攪拌し均一溶液を得た。そこへホウ酸エステル(E−1)を5.7部添加し比較例4の電解液を得た。
【0085】
比較例5
ガラス製容器に安息香酸12.5部とエチレングリコール80.1部を加え、そこへアンモニアガス1.7部を吹き込み、安息香酸アンモニウム塩(G−3)のエチレングリコール溶液を調製した。1時間攪拌しさらにホウ酸エステル(E−1)を5.7部添加し、比較例5の電解液を得た。
【0086】
実施例1〜12および比較例1〜4で得た電解液を用い、以下に示す方法で、125℃で1000時間経過後の比電導度変化率、火花電圧を評価し、その結果を表1に記載した。
【0087】
<比電導度(初期)> <比電導度変化率>
東亜電波工業株式会社製電導度計CM−40Sを用い、30℃での比電導度を測定した。125℃で1000時間耐熱試験前後の電解液について測定し、以下の式により比電導度変化率(%)を算出した。
比電導度変化率(%)=100×[(耐熱試験前比電導度)−(耐熱試験後比電導度)]/(耐熱試験前比電導度)
【0088】
<火花電圧>
陽極に10cmの高圧用化成エッチングアルミニウム箔、陰極に10cmのプレーンなアルミニウム箔を用い、25℃にて定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の火花電圧を測定した。
【0089】
【表1】

*不均一な溶液であるので測定実施しなかった。
【0090】
表1で明らかなように、実施例の電解液は比較例の電解液に比べ高い火花電圧を有し、かつ比電導度の経時変化が少ないことがわかった。また比較電解液1ではホウ酸エステルを添加しなかったために比電導度の経時変化が大きい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の電解液は、高い火花電圧を有する信頼性の高いアルミニウム電解コンデンサとして有用であり、したがって市場における使用電源の長寿命化が進む中で、この発明の電解液の市場価値は非常に大きい。
本発明の電解液は、車載電装用電源用やデジタル家電用のアルミニウム電解コンデンサに特に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非プロトン性溶媒(A)、下記一般式(1)で表されるカチオン(B)と炭素数11〜30である1価芳香族カルボン酸アニオン(C)との塩からなる電解質(D)、および炭素数5〜10である1価アルコール(F1)および/または炭素数2〜10である多価アルコール(F2)とホウ酸とが反応してなるホウ酸エステル(E)を含有するアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
【化1】

[式中R〜Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、R、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。]
【請求項2】
1価芳香族カルボン酸アニオン(C)が、下記一般式(2)で表される請求項1に記載の電解液。
【化2】

[式中R〜R10は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基または下式(3)で表される基である。]
【化3】

[式中Xは炭素数2または3のアルキレンであり、nは1〜5であり、Yは炭素数1〜8のアルキル基である。]
【請求項3】
非プロトン性溶媒(A)、電解質(D)およびホウ酸エステル(E)の合計重量に対して、ホウ酸エステル(E)の含有量が1〜30重量%である請求項1または2に記載の電解液。
【請求項4】
ホウ酸エステル(E)中に含まれるホウ素含有量が7〜16重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
【請求項5】
アルコール(F)が、2価アルコールおよび/または2価アルコールのモノアルキルエーテルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いてなるアルミニウム電解コンデンサ。

【公開番号】特開2013−51238(P2013−51238A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187001(P2011−187001)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)