説明

アンギオテンシンIIタイプ1レセプターに対するモノクローナル抗体の治療的使用方法

【課題】癌および血管平滑筋細胞増殖の治療のために、アンギオテンシンIIタイプ1レセプターに対するモノクローナル抗体の使用法の提供。
【解決手段】癌の治療のための医薬品の調製または血管平滑筋(VSM)細胞増殖の治療のための医薬品の調製における、配列MILNSSTEDG IKRIQDDCPK AGRHNYIFVM IPTLYSIIFV VGIFGによって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドに対するモノクローナル抗体またはその断片の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に癌および血管平滑筋細胞増殖の治療におけるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターに対するモノクローナル抗体の治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アンギオテンシンIIは哺乳動物の電解質ホメオスタシスおよび血圧制御において中心的役割を担う(Peach Physiol. Rev 57 313-370 (1977):非特許文献1 ; Vinson et al "The Adrenal Cortex", Prentice Hall, Englefield Heights (1992):非特許文献2)。タイプ1および2と呼ばれるアンギオテンシンIIレセプターの2つの主なタイプ(AT1およびAT2)が認識されているが、アンギオテンシンIIの周知の作用の大部分はAT1サブタイプを介して発現する(Herblin et al Am. J. Hypertens. 4 299S-302S (1991):非特許文献3 ; Ouali et al J. Steroid. Biochem. Mol. Biol. 43 271-280 (1992):非特許文献4)。
【0003】
AT1レセプターサブタイプに対するモノクローナル抗体6313/G2(Barker et al J. Mol. Endocrinol. 11 241-245 (1993):非特許文献5)がこのレセプターの分布について調べるために用いられている(Vinson et al Mol. Med. Today 1 35-38 (1995):非特許文献6)。このモノクローナル抗体は、例えば高血圧または子宮収縮の治療において血管収縮を制御するための治療物質としての用途が示唆されている。
【0004】
この抗体は、例えば喉頭癌(Marsigliante et al Cancer Letters 110 19-27 (1996):非特許文献7)、腎(Harrison-Bernard et al Am. J. Physiol. 42 F170-F177 (1997):非特許文献8 ; Cheng et al Am. J. Physiol. 43 F10-F17 (1998):非特許文献9)、および脳(Yang et al J. Neuroscience 17 1660-1669 (1997):非特許文献10)のような様々な組織における特殊画像化物質として用いられている。この抗体はアンギオテンシンII誘導AT1レセプター内在化およびPKC活性化を遮断することが示されているが、逆に、カルシウム応答を促進する(Kapas et al Biochem. Biophys. Res. Comm. 204 1292-1298 (1994):非特許文献11 ; Vinson et al J. Endocrinol. 141 R5-R9 (1994):非特許文献12)。乳房腫瘍にAT1およびAT2レセプターが存在することはアンギオテンシンの局所産生と共に報告されている(Inwang et al Brit. J. Cancer 75 1279-1283 (1997):非特許文献13 ; Tahmasebi et al Eur. J. Cancer 34 1777-1782 (1998):非特許文献14)。
【0005】
モノクローナル抗体6313/G2は、ブダペスト条約に基づいて1993年7月21日にEuropean Collection of Animal Cell Cultures (ECACC), Porton Down, United Kingdomに寄託されてアクセッション番号93072117とされたハイブリドーマセルラインによって分泌される。この寄託は、Dr Gavin P VinsonおよびDr Stewart Barker、Department of Biochemistry, Queen Mary & Westfield College, Mile End Road, London E1 4NSによって行われた。寄託者は出願者に対して本出願において寄託された材料に言及する権限を与えており、欧州特許条約第28条(1)(d)に基づいて寄託された材料が一般に利用可能とされることに無条件かつ取り消し不能の同意を与えている。
【0006】
このハイブリドーマセルラインはラット血管平滑筋AT1レセプターのアミノ酸残基8〜17に特異的に結合する抗体を産生し、その配列はヒトおよびウシの細胞のAT1レセプターにも見出されている。エピトープ配列は次の通りである。

または、次のようにも表される。

現在では、驚いたことにアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端配列を含むペプチド配列に対するモノクローナル抗体が以前にはそのような用途について示唆も実証もされなかった一部の医学的状態におけるさらなる治療用途を持つことが明らかになっている。さらに、これらの治療効果は、アンギオテンシンIIの有益な作用は保持しつつ、関連する医学的状態におけるこの分子の有害作用を遮断するモノクローナル抗体の能力に見られる。現在では、N末端配列全体の機能的に重要な役割が認識されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Peach Physiol. Rev 57 313-370 (1977)
【非特許文献2】Vinson et al "The Adrenal Cortex", Prentice Hall, Englefield Heights (1992)
【非特許文献3】Herblin et al Am. J. Hypertens. 4 299S-302S (1991)
【非特許文献4】Ouali et al J. Steroid. Biochem. Mol. Biol. 43 271-280 (1992)
【非特許文献5】Barker et al J. Mol. Endocrinol. 11 241-245 (1993)
【非特許文献6】Vinson et al Mol. Med. Today 1 35-38 (1995)
【非特許文献7】Marsigliante et al Cancer Letters 110 19-27 (1996)
【非特許文献8】Harrison-Bernard et al Am. J. Physiol. 42 F170-F177 (1997)
【非特許文献9】Cheng et al Am. J. Physiol. 43 F10-F17 (1998)
【非特許文献10】Yang et al J. Neuroscience 17 1660-1669 (1997)
【非特許文献11】Kapas et al Biochem. Biophys. Res. Comm. 204 1292-1298 (1994)
【非特許文献12】Vinson et al J. Endocrinol. 141 R5-R9 (1994)
【非特許文献13】Inwang et al Brit. J. Cancer 75 1279-1283 (1997)
【非特許文献14】Tahmasebi et al Eur. J. Cancer 34 1777-1782 (1998)
【発明の概要】
【0008】
本発明の最初の局面に従って、癌の治療のための医薬品の調製における、配列
MILNSSTEDG IKRIQDDCPK AGRHNYIFVM IPTLYSIIFV VGIFG
によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の使用法が提供される。
【0009】
上記において、および本明細書を通じて、アミノ酸残基は通常のIUPAC一文字命名法により割り付けられる。一文字表記は、アミノ酸残基の古典的三文字表記と次のように関連づけることができる:

本明細書で用いられるように、「ペプチド」という用語はオリゴペプチドまたはポリペプチドを含み、これらの用語は互換的に使用することができる。
【0010】
ペプチドは抗原性を付与するために必要な少なくとも最低限のサイズであり、通常は少なくとも6または7残基であるが、例えば20アミノ酸残基までの任意の適切な長さであることができる。好ましくは、9または10残基であることができる。最良のペプチドは、天然のアンギオテンシンIIタイプ1レセプター分子の局所的表面特性、つまり、そのレセプターの周囲表面レベルから突出するまたは周囲表面レベル内に達する何らかの三次元構造を持つ特性に対応すると期待することが可能である。好ましいペプチドは1〜45の領域に対応して、好ましくは8〜17の残基に対応する。
【0011】
おそらく、少なくともその分子の一部が抗原性の点からそのペプチドと同等であることを確保する最も単純な方法は、その分子の一部がそのペプチドと一致または立体配座の点で類似のアミノ酸残基の配列を持つことである。しかし、抗原同等性をもたらすその他の任意の方法を使用することが可能であり、一例は抗イディオタイプ抗体またはその他の(実に非タンパク性の)類似物を使用することである。
【0012】
従って本発明は、アンギオテンシンIIタイプ1レセプターと構造的相同性を持つ短いペプチド(好ましくは10アミノ酸残基またはそれよりも短いが、一般的には少なくとも4または5アミノ酸残基であり、例えば、6〜8残基または7〜9残基)に対するモノクローナル抗体の使用を内包する。
【0013】
従って本発明は、好ましい態様において、アミノ酸配列:

を持つペプチド配列またはその活性断片および/もしくはその保存的変異型に対するモノクローナル抗体の使用を内包する。この配列はラットアンギオテンシンIIタイプ1レセプター配列、残基8〜17に由来する。この断片における保存的置換は、Eに対するD、Dに対するE、Gに対するA、Iに対するL、Kに対するR、Rに対するK、Qに対するN、またはこれらの任意の組み合わせである。
【0014】
配列

は、ヒト、チンパンジー、マウス(AT1b)および(AT1b)、ウシ、イヌ、ヒツジ、ウサギ、およびラット(AT1b)の種間で完全に100%保存される。変異は残基8に見られて、モルモットの場合はQであり、ラット(AT1a)ではDであり、スナネズミではDである。N末端配列の1〜45の領域全体におけるこれらの種の配列相同性を図9に示す。
【0015】
従って、アンギオテンシンIIタイプ1レセプターの残基8〜17に対応するペプチドの好ましいコンセンサス配列は:

の構造を持ち、ここで次の残基はそれぞれ独立に次の通りであることができる:残基8はE、DまたはQであることが可能であり、残基9はDまたはE、残基10はGまたはA、残基11はIまたはA、残基12はKまたはR、残基13はRまたはK、残基14はIまたはA、残基15はQまたはN、残基16および17はぞれぞれDまたはEであることができる。
【0016】
ペプチドは一般に抗原性であり、投与された際に癌の治療に使用することのできる抗体の産生を刺激することができる。
【0017】
上記の通り、特定の配列の活性サブフラグメントは定義されるように使用することができる。活性サブフラグメントは、次の一つまたはいくつかを含むペンタペプチドからなるか、または含むことができる:


【0018】
活性サブフラグメントは、次の一つまたはいくつかを含むヘキサペプチドからなるか、または含むことができる:


【0019】
または、活性サブフラグメントは次の一つまたはいくつかを含むヘプタペプチドからなるか、または含むことができる:


【0020】
さらに、活性サブフラグメントは以下を含むオクタペプチドからなるか、または含むことができる:


【0021】
さらに、活性サブフラグメントは以下を含むノナペプチドからなるか、または含むことができる:


【0022】
さらに、活性サブフラグメントは以下を含むデカペプチドからなるか、または含むことができる:


【0023】
好ましいフラグメントは、配列

のいくつか、例えば少なくとも4つの残基を含むフラグメントを含む。
【0024】
上記の配列の一つよりも多い組み合わせを用いることができる点に留意すべきである。
【0025】
本発明に基づく使用に備えてモノクローナル抗体を調製するために用いられるペプチドおよびその他の分子は様々な方法で抗原性とされるか、または提示されることが可能である。好ましくは、本発明に基づく分子の(ペプチド断片またはサブフラグメントのような)抗原性領域はキャリアペプチドまたはキャリアタンパク質に連結した特定のアミノ酸配列を含む。一般に、キャリアに連結したペプチド配列(例えば、上記配列の一つまたはいくつか)の、例えば5〜10の複数コピーを持つことが好ましい。このキャリアは便宜上、一般的に大きなタンパク質とすることが可能であり、このタンパク質は物質的な観点では不活性であり、天然の成長ホルモンに関連するものとは異なる種または属から派生する。キャリアの例には、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、およびオボアルブミンのようなアルブミンが含まれる(但し、この最後のケースでは運搬可能なペプチドはそれほど多くないであろう)。または、キーホールリンペットヘモシアニンを用いることができる。キャリアは一般に断片が由来する種とは異なる種に由来することが好ましい。
【0026】
上記のようなペプチド配列をアルブミンに連結することは必須ではなく、それらはβ-ガラクトシダーゼ、特に細菌由来のβ-ガラクトシダーゼのようなその他の高分子に連結することができる。
【0027】
本発明は、ペプチドである分子、または上記のペプチドと実質的な(例えば、30%、50%、または実に70%、適切には80、85%、90%、または95%を越える)配列相同性を共有するペプチド領域を持つ分子に対するモノクローナル抗体の使用を内包する。同様に、保存的アミノ酸置換はペプチドの免疫原性または抗原性を低下させない可能性がある。このように、抗原性の点で類似する相同体は、上記のペプチドによって定義される同一の領域においてアンギオテンシンIIタイプ1レセプターに結合する抗体を引き出す。相同体の使用が「自己」トレランスを回避する方法であり得ることは周知である。このように、他の種に由来する対応配列の使用は本発明において有利である可能性がある。
【0028】
または、モノクローナル抗体は、上記のような配列のポリマーであるまたはそのポリマーを含むペプチドであるまたはそのペプチドを含む分子に対して調製することが可能である。適切な配列は、2つのシステイン残基を架橋結合してジスルフィド結合を形成することによって、または(カルボジイミド、グルタルアルデヒド、またはその他のジアルデヒドもしくはジ(またはポリ)機能性カルボン酸のような外的化学的共役物質を用いることによって重合させることができる。さらなる選択肢として、ペプチドポリマーを産生するために組換えDNA手法を用いることができる。
【0029】
(例えばリシン残基の作用を介して起こることができる)化学的共役およびジスルフィド結合形成は共役する残基が配列の末端である場合に限定されず、内部の残基も適切であり得ることに留意するべきである。所望されるならば、共役残基、例えばシステイン残基を付加することができる。
【0030】
必ずしも上記のいずれかの配列を外部ペプチドと共役させる必要はないことが明らかであろう。それらは独自に抗原性であることができる。このような場合、DEAEデキストランおよびMerck 7426のような特定のアジュバントを選択することが勧められる可能性がある。
【0031】
本発明に従って用いられるモノクローナル抗体は、KohlerおよびMilsteinの標準的方法(Nature 256 495-497 (1975))によって近交系マウスを免疫することによって作成することができる。上記のエピトープ配列に対応するペプチドは手頃な任意の化学的または生物学的経路によって合成することができて、その後、ウシ血清アルブミン(BSA)または別の適切な分子に結合させた後にマウスを免疫するために用いられる。ペプチド-BSA抱合体をブースター注射した後、マウスの脾臓を摘出して、脾細胞をマウスミエローマ細胞と混合する。続いて、混合したミエローマ−リンパ球ハイブリッドは、非融合ミエローマ細胞およびミエローマハイブリッドの増殖を阻害するために適切な細胞培養培地を用いてヒポキサンチン、チミジンおよびアミノプテリン中での生育によって選択することができる。
【0032】
ハイブリドーマ細胞は、Engvall et al Immunochem. 8 871 (1991)に述べられた手法の変法によって、アンギオテンシンIIタイプ1レセプターの用いられたエピトープに対する反応性に関してELISAによりスクリーニングすることができる。または、Beckmann et al J. Immunol. 144 4212 (1990)に述べられる抗体捕捉法を用いることができる。陽性ハイブリドーマ細胞を同質遺伝子のBalb/cマウスに腹腔内注射して、上記のアンギオテンシンIIタイプ1レセプターN末端配列由来の用いられたエピトープに対して形成される高濃度のモノクローナル抗体を含む腹水を産生することができる。または、様々な手法によって、ハイブリドーマ細胞をインビトロにおいてフラスコまたは回転ボトルで培養することができる。マウス腹水中に産生されるモノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈降法およびその後のゲル排除クロマトグラフィーにより精製することができる。または、モノクローナル抗体を産生するために用いられるエピトープに対する結合に基づくアフィニティークロマトグラフィーが可能であるように、プロテインAまたはプロテインGに対する抗体の結合に基づくアフィニティークロマトグラフィーを使用することができる。モノクローナル抗体6313/G2は、Barker et al J. Mol. Endocrinol. 11 241-245 (1993)に述べられるように調製された。高血圧の治療および子宮収縮の制御におけるこの抗体の使用については、WO-A-9509186において述べられた。但し、その他の潜在的治療分野におけるより広い有用性に関する示唆はなかった。
【0033】
ラットのアンギオテンシンIIタイプ1レセプターについてはMurphy et al Nature 351 233-236 (1992)に述べられていて、少なくとも残基8〜17を含むことが確認されている細胞外ドメインは次のアミノ酸配列

により示される。
上記のアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端配列残基1〜45、好ましくは8〜17のエピトープは、そのエピトープの全体的な形状および/または立体配座が依然抗原性であるようなアミノ酸の置換、および/または挿入、および/または欠失による修飾によって変化させることができる。
【0034】
本発明の好ましい態様において、モノクローナル抗体は6313/G2である。モノクローナル抗体6313/G2はブダペスト条約に基づいて1993年7月21日にEuropean Collection of Animal Cell Cultures (ECACC), Porton Down, United Kingdomに寄託されてアクセッション番号93072117とされたハイブリドーマセルラインより分泌される。このハイブリドーマセルラインは標準的な条件下にて適切に培養することができる。
【0035】
本発明の使用において、癌の治療には、転移の阻害、腫瘍細胞のマトリックスタンパク質への結合の阻害、腫瘍細胞による浸潤の阻害、および腫瘍細胞増殖の阻害が含まれるが、これらに限定されるものではない。このような治療が可能である癌腫瘍の例には乳癌および前立腺癌が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本発明の第二の局面において、次の配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体の、血管平滑筋(VSM)細胞増殖の治療のための医薬品の調製における使用法が提供される。
【0037】
血管平滑筋細胞増殖の治療には、VSM細胞増殖との関連性を示す複合疾患状態であるアテローム性動脈硬化症の治療を含めることができる。
【0038】
従って、本発明の第一の局面は、上記のアミノ酸配列によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の治療的量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む癌の治療のための方法にも及ぶ。
【0039】
従って、本発明の第二の局面は、上記のアミノ酸配列によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の治療的量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む血管平滑筋細胞増殖の治療のための方法にも及ぶ。
【0040】
本発明に従って用いられる抗体は、薬学的に許容される適切なアジュバントおよび/または希釈剤を用いて静脈内注射用に調製することができる。注射は、皮下注射を含めて、静脈内、筋肉内、腹腔内であることができる。例えば、リポソーム、腸溶性コーティングカプセルなどを介しての経口投与のようなその他の投与モードは除外されない。
【0041】
適切には、本発明に従って用いられる抗体は、US 4,816,567およびWO 94/10332に述べられるようなヒト化抗体;またはWO 94/09817に述べられるようなミクロボディー;またはGB-A-2272440に述べられるようなトランスジェニック抗体であることができる。このような合成構築物はキメラ分子を含む。従って、例えばヒト化(または霊長類化)抗体またはその誘導体の使用は本発明の範囲内である。ヒト化抗体の例は、ヒトフレームワーク領域とげっ歯類超可変領域を持つ抗体である。
【0042】
抗体全体に加えて、本発明は上記のアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端領域から選択されるエピトープに結合することのできる上記に定義されるモノクローナル抗体の誘導体の使用を含む。従って、本発明は抗体フラグメントの使用をさらに含む。抗体フラグメントの例はDougall et al Tibtech 12 372-379 (1994)により示される。
【0043】
抗体フラグメントには、例えば、Fab、F(ab')2およびFvフラグメント(Roitt et al "Immunology"、第2版(1989), Churchill Livingstone, London)が含まれる。Fvフラグメントに修正を加えて、単鎖Fv(scFv)分子として知られる合成構築物を産生することができる。これは、この分子の安定性に寄与するVhおよびVl領域と共有結合するペプチドリンカーを含む。
【0044】
その他の合成構築物にはCDRペプチドが含まれる。これらは、抗原結合決定基を持つ合成ペプチドである。ペプチド模倣体も使用することができる。これらの分子は通常、CDRループの構造を模倣して抗原相互反応性側鎖を含む立体配座の点で制限された有機環である。従って、所望のエピトープに結合することのできるこのような分子の使用も本発明の範囲内である。
【0045】
本発明の第三の局面において、配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチド配列またはその断片の、癌の治療のための医薬品の調製における使用法が提供される。
【0046】
本発明の第四の局面において、配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチド配列またはその断片を含むワクチン組成物が提供される。このワクチン組成物は、上記配列のポリペプチドまたは上記に定義されるような抗原性断片を含むことができ、任意にキャリアタンパク質に抱合される。このようなタンパク質またはペプチドに抗原性を付与する方法は、本発明の先の局面に関連して上記に定義される。例えば、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、およびオボアルブミンのようなアルブミンタンパク質。または、キーホールリンペットタンパク質(時に、キーホールリンペットヘモシアニンと呼ばれることもある)を用いることができる。このキャリアは一般に、断片の元となる動物とは別の種に由来する。このワクチン組成物には、例えばキラジャ(Quillaja)サポニンまたはその誘導体のようなサポニンアジュバントなどのその他のアジュバントをさらに加えることができる。
【0047】
特に好ましい態様において、次の工程を含む癌細胞の増殖、接着または浸潤を阻害するための方法が提供される:
(1)任意に静脈内注射用のような薬学的に許容される適切なアジュバントおよび/または希釈剤中のキャリアペプチドまたはタンパク質に抱合される、上記に定義されるようなアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドに対するモノクローナル抗体またはその断片を調製する工程
(2)任意に(1)のモノクローナル抗体調製物をリポソームまたは腸溶性コーティングカプセル調製剤としてさらに調製する工程
(3)(2)または(3)の調製物をインビトロにおける癌細胞集団または癌患者に投与する工程。
【0048】
または、この態様は工程(1)および(2)のみを含むこともできる。
【0049】
このような態様は、このような調製物の、例えば前立腺癌、乳癌(乳癌細胞の接着または浸潤を含む)の癌の治療のための医薬品の調製における使用に及ぶ。
【0050】
もう一つの好ましい態様において、上記の(1)〜(3)の工程を必要に応じて変更を加えて反復する血管平滑筋細胞増殖の阻害のための方法が提供される。
【0051】
本発明の第二およびその後の局面の好ましい特徴は、第一の局面と同じく必要に応じて変更を加えられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明は実施例および図を参照としてより詳細に説明されるものであり、これらは専ら例証目的のために提供されるものであって、本発明の限界として解釈されるべきではない。次の多くの図に対して参照が行われる:
【図1】PNT1a細胞増殖に対する抗体の影響を示す。
【図2】トリチウムチミジンの取り込みのアッセイによる大動脈平滑筋細胞増殖に対する抗体の影響を示す。
【図3】細胞外マトリックスタンパク質に対するMCF-7細胞の細胞接着アッセイの結果を示す。
【図4】細胞外マトリックスタンパク質に対するMCF-7細胞の化学的浸潤アッセイの結果を示す。
【図5】乳癌細胞におけるインテグリンα3およびβ1の発現に関するアッセイのウェスタンブロットの結果を示す。
【図6】抗体6313/G2のMCF-7細胞におけるカルシウム応答の刺激を示す。
【図7】抗体6313/G2のRASMCにおけるカルシウム応答の刺激を示す。
【図8】アンギオテンシンIIの作用、モノクローナル抗体活性化部位およびモノクローナル抗体ブロック部位に関する概略図を示す。
【図9】異なる種に由来するアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端配列における配列相同性を示す。ここで「X」は欠失残基を示し、「−」は同一残基を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0053】
実施例1:抗体6313/G2は前立腺PNT1A細胞における細胞増殖を阻害する
テトラゾリウム塩である臭化3-(4,5-ジメチルチアゾル-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム(MTT)は細胞酸化的代謝活性の指示薬として広く用いられる。MTTは還元されると強く着色したホルマザン産物を形成して、これは比色法によって測定することが可能であり、従ってしばしば細胞の生存度および増殖の定量的評価に用いられる。
【0054】
前立腺上皮セルラインであるPNT1aを96穴培養プレートにウェル当たり細胞1000個の濃度で接種した。細胞は、2mM L-グルタミン、1%非必須アミノ酸、2%ペニシリンおよびストレプトマイシン、ならびに1mMピルビン酸ナトリウム、10%ウシ胎児血清を添加したRPMI 1640培地の存在下で2日間培養して、その後、RPMI 1640血清フリー培地(200μl/ウェル)を用いて24時間インキュベートすることによって静止状態とした。続いて、刺激剤を適切な濃度で加えて、24時間および96時間、インキュベートした。インキュベート終了の4時間前に各ウェルにろ過(孔径 0.2μm)したMTTの(RPMI培地中)5mg/ml溶液20μlを加えて、37℃で引き続きインキュベートした。適切な時点で、各ウェルにDMSO 200μl、ソーレンセン(Sorensen)グリシン緩衝液(0.1Mグリシン、0.1M NaCl、1M NaOHでpH 10.5に調整)25μlを順次加えて、十分に混合した。5分後、545nmにおいて吸光度を判定した。
【0055】
結果は図1に示し、精製した抗体(ab)を培養中のPNT1a細胞に加えた。抗体濃度は(1:1600)100nmol/l、(1:160)1μmol/l、(1:16)10μmol/lであった。用いた抗体のすべての濃度において、増殖阻害は有意(P<0.05またはより有意)であった。
【0056】
実施例2:抗体6313/G2は血管平滑筋細胞における細胞増殖を阻害する
ASMCは、ラットの胸部および腹部動脈(RASMC)ならびにウシ大動脈(BASMC)から培地外植法によって単離して、数回、継代培養した。ラットの腹部および胸部大動脈の一部は、屠殺したラットから慎重に摘出して得た。子ウシの大動脈の一部は麻酔下にて得た。大動脈の一部を、組織培養培地を含むディプレッションスライドガラスに載せた後、解剖顕微鏡下において各組織片の外膜および外層部分を慎重に除去した。組織の残りの内側部分および内膜を別々の解剖用シャーレに回収して、新鮮な培養培地で数回洗浄した。この時点で、各組織片を約1mm四方に刻んで、25cm2組織培養フラスコに入れた。このフラスコに軽くキャップを被せて、加湿したCO2インキュベーターに収容した。2時間後、組織を剥離しないように、フラスコに100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、4μmol/L L-グルタミン、および20%FBSを添加したRPMI-1640培養培地の4mlを慎重に加えた。1週間後、試料に新鮮な培地を加えた。外植片に由来する細胞は、約2週間の期間中に比較的コンフルエントであった。続いて、それらをPBSですすいだ後、0.125%トリプシンおよび0.02%EDTAのPBS溶液を加えて37℃で1〜2分間、トリプシン処理した。得られた細胞懸濁液を、培養培地10mlを含む75cm2組織培養フラスコにピペットで分取して、上記の通りインキュベートした。実験は、3〜5回継代した細胞を用いて実施した。
【0057】
RASMCの懸濁液(1ml当たり細胞105個)は、20%FBSを加えたRPMI-1640を用いて実験初日に調製した。この細胞懸濁液の1mlを24穴マルチウェルプレートの各ウェルに接種した。予備培養後24時間にRPMI-1640培地を用いて培地を交換した。静止(血清由来)細胞または血清充満細胞を適切な実験培地で1群当たり4個のウェルにて48時間インキュベートした。3H-メチルチミジン(0.1mCi/ml)10μlを各ウェルに加えた(ウェル当たり培地1ml)。放射性チミジンの添加後24時間に、培地を吸引して、培養細胞を冷却PBSで3回洗った。続いて、細胞を0.1N NaOHの0.5mlに溶解して、0.3mlアリコートをシンチレーション液の3.5mlと混合して、室温にて一晩静置後、液体シンチレーションカウンターでトリチウム含有量をアッセイした。
【0058】
結果を図2に示す。増殖は10nmol/lのアンギオテンシンIIによって刺激されて、6313/G2(10μmol/L、**P<0.01)によって阻害された。
【0059】
実施例3:抗体6313/G2は乳癌細胞の細胞増殖を阻害する
MCF-7細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC), Manassas, VA 20108, USAから入手)を24穴プレートにウェル当たり細胞5000個の密度で播種して、5%ウシ胎児血清(FBS)を含むEagles最小必須培地(MEM)で24時間培養した。続いて、細胞を無血清培地でさらに24時間インキュベートした。この後、細胞を、無血清培地単独(対照ウェル)、またはアンギオテンシンII単独(1〜10nM)もしくは抗体6313/G2を併用した実験ウェルに無血清培地を加えたいずれかにて培養した。各処理は四連にて実施した。その後、細胞を24時間培養した。20時間後に各ウェルにトリチウムチミジンを加えて(Amersham Pharmacia Biotech, Amersham, UK, 50μCi/ml、比活性5Ci/mmol)、細胞をさらに4時間培養した。この期間の終了時に培地を吸引して、培養した細胞を氷冷緩衝液(50mM Tris-HCl、pH 7.4)で3回洗った。次に、細胞を0.1N NaOH 1mlに溶解して、この溶液の0.5mlをシンチレーションカクテル(トルエンシンチレーター、Packard Bioscience B. V. Groningen, Netherlands)の3.5mlと混合して、トリチウム含有量をアッセイした。
【0060】
実施例4:抗体6313は乳癌細胞の接着を阻害する
細胞外マトリックスタンパク質におけるMCF-7細胞の細胞接着アッセイを実施して検討した。96穴(平底)細胞培養プレートを段階的な量の精製ヒトマトリックスタンパク質であるコラーゲンタイプIV(50μg/ウェル)でコーティングした。プレートは、蒸発させるために室温にて層流キャビネットに入れて一晩放置した。
【0061】
MCF-7細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC), Manassas, VA 20108, USAから入手)は、6313/G2抗体で48時間処理した。対照は未処理とした。使用前に、非特異的結合を排除するために各ウェルをBSA(200μg/ml)で処理した。
【0062】
各ウェルに細胞培養培地(DMEM)中500個のMCF-7細胞を加えて、5%CO2環境において37℃で1時間インキュベートした。続いて、ウェルを無血清DMEMで3回洗って、Diff-quick固定液(7秒)、Diff quick I(7秒)およびDiff quick II(10秒)で染色して、水で1回洗った。
【0063】
次にウェルを顕微鏡下で観察して、接着細胞数をカウントした。抗体6313/G2は細胞接着を有意に抑制した(P<0.05)。結果を図3に示す。その数のMCF-7細胞が、抗体6313を加えた場合および加えない場合の処理に反応して、コラーゲン(50μg/ウェル)に接着した。
【0064】
実施例5:抗体6313は乳癌細胞浸潤を阻害する
細胞外マトリックスタンパク質に対するMCF-7細胞の化学浸潤アッセイを実施して検討した。8μmフィルター挿入物を精製ヒトコラーゲンタイプIVマトリックスタンパク質でコーティングして、室温で乾燥させるために層流キャビネット内に一晩放置した。MCF-7細胞を6163/G2抗体(ハイブリドーマ上清)で48時間処理した。対照の細胞は無処理とした。
【0065】
使用前に各ウェルにBSA(100μg/ml)を1時間加えた。3T3線維芽細胞を加えたインキュベーションによって予め条件づけしたDMEMを化学走性誘因物質として用いた。上部および下部チャンバーを形成するために、各ウェルにコーティングした挿入物をセットした。10,000個のMCF-7細胞を、無血清DMEMを加えた上部チャンバーに加えた。条件付けした3T3細胞培地を下部コンパートメントに分注した。プレートを被覆して、加湿した5%CO2環境において37℃にて24時間インキュベートした。
【0066】
インキュベート後、フィルターの上部表面に残った細胞を完全に回収して、コラーゲンを通過した細胞およびフィルターの下部表面に付着した細胞をDiff-Quikで染色してカウントした。結果を図4に示す。その数のMCF-7細胞が、抗体6313を加えた場合および加えない場合の処理に対してコラーゲン(50μu/ウェル)を通過して浸潤した。抗体6313は細胞浸潤を有意に阻害した(P>0.01)。
【0067】
実施例6:乳癌細胞におけるインテグリン発現に対する抗体6313の影響
インテグリン発現に対する抗体6313/G2の影響を調べた。結果は、抗体6313が乳癌細胞におけるインテグリンα3およびβ1の発現を著しく抑制することを示す。
【0068】
MCF-7セルラインを抗体6313/G2で48時間処理して、対照細胞は未処理とした。細胞膜分画を調製して、非還元8%SDS-PAGEゲルを分画化した。
【0069】
続いて、タンパク質を30V、4℃にて一晩、ニトロセルロース膜に移動させた。インテグリンα3およびβ1に対する一次および二次抗体を用いて、確立されたウェスタンブロット法によりニトロセルロース膜上のこれらのコンポーネントを検出した。発光バンドは、膜を強化化学ルミネセンス(ECL)ウェスタンブロット検出試薬中で1分間インキュベートして、ハイパーフィルムECL露光により現像した。結果を図5に示す。C=対照、A=検査した抗体、その他のレーン(M)は分子量マーカーである。
【0070】
実施例7:MCF-7細胞およびRASMCのカルシウム応答に対する抗体6313の影響
MCF-7細胞およびRASMCにおけるカルシウム応答に対する抗体6313の影響について調べた。抗体6313は双方においてカルシウム応答を刺激することが明らかとなった。
【0071】
カルシウムイオン([Ca2+])の測定には、培地改変クレブス−リンガー重炭酸溶液(3.6mM K+、1.2mM Ca2+、0.5mM Mg2+、5mMヘペス、および20mM HCO-)中で37℃にて30分間、細胞に1μMフラ-2を吸収させた。フラ-2の蛍光測定の同時測定には、カバーガラスに播種した細胞を、改変クレブス−リンガー重炭酸溶液中で倒立顕微鏡(Zeiss)のステージにセットした。励起波長は340nmおよび380nmであり、発光は510nmで検出した。カルシウムイオン濃度([Ca2+])は、340nmおよび380nmの励起波長における蛍光強度の比から算出した。
【0072】
MCF-7細胞およびRASMCにおける結果を図6に示す。垂直の矢印は、抗体6313/G2の添加時期を示す。蛍光強度の比の増大は、細胞内カルシウムイオン濃度に比例する。
【0073】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の治療のための医薬品の調製における、配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の使用。
【請求項2】
血管平滑筋(VSM)細胞増殖の治療のための医薬品の調製における、配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の使用。
【請求項3】
モノクローナル抗体がペプチド

に対して形成される、請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
モノクローナル抗体がヒト化抗体である、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。
【請求項5】
モノクローナル抗体がアクセッション番号93072117とされるハイブリドーマセルラインにより産生される6313/G2である、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。
【請求項6】
治療を必要とする患者に、アミノ酸配列

により定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の治療量を投与する工程を含む癌の治療のための方法。
【請求項7】
治療を必要とする患者に、アミノ酸配列

により定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチドまたはその断片に対するモノクローナル抗体またはその断片の治療量を投与する工程を含む血管平滑筋細胞増殖の治療のための方法。
【請求項8】
モノクローナル抗体がペプチド

に対して形成される、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
モノクローナル抗体がヒト化モノクローナル抗体である、請求項6〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
モノクローナル抗体がアクセッション番号93072117とされるハイブリドーマセルラインにより産生される6313/G2である、請求項6〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
癌の治療のための医薬品の調製における、配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチド配列またはその断片の使用。
【請求項12】
配列

によって定義されるアンギオテンシンIIタイプ1レセプターのN末端部分を含むペプチド配列またはその断片を含むワクチン組成物。
【請求項13】
ペプチドがキャリアタンパク質に抱合される、請求項11記載のワクチン組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−106035(P2010−106035A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13(P2010−13)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【分割の表示】特願2004−530398(P2004−530398)の分割
【原出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(501008923)クイーン メアリー アンド ウェストフィールド カレッジ (14)
【氏名又は名称原語表記】Queen Mary and Westfield College
【住所又は居所原語表記】Mile End Road,London,U.K.
【Fターム(参考)】