説明

アンケート結果分析システム及び方法

【課題】アンケート回答の集計において回答比率としては突出しなくとも重視すべき回答を見過ごすことなく、またアンケート集計結果の分析を行って次に取るべきアクション案を抽出して出力するアンケート結果分析システムを提供する。
【解決手段】アンケートの質問及び回答肢のデータを予め格納する質問回答肢マスタDBから作成したアンケートのデータを、ネットワークを通じてアンケートに回答するアンケート回答者端末に送信し、アンケート回答データを受け付けアンケート回答DBに格納するアンケート回答収集手段と、アンケート回答DBに格納されたアンケート回答データを分析集計しアンケート集計結果としてアンケート集計DBに格納するアンケート回答集計手段とを備え、アンケート回答集計手段は質問ごとにその回答数を全回答数で除して回答率を算出し、予め設定した閾値以上の回答率を有する質問の回答を分析対象としてアンケート集計DBに格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば機器メーカーが自社の商品を購入した顧客に対して、自社の商品についてのアンケート調査を行い、今後の商品開発やマーケティングの材料とするのに適した、アンケートの結果の内容を分析するためのアンケート結果分析システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アンケート結果を分析するシステムとしては、アンケート回答における多数意見がどの質問に集中しているのか、また、どの質問で意見が分かれているのかを特定する等の質問に対する統計データの取得を目的とするものが存在している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−272773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の従来の技術には次のような解決すべき問題があった。
(1)特許文献1のシステムでは、例えば、ある質問の回答について、絶対数として多数の回答があった場合でも、その質問全体の回答肢の中では回答比率として突出しなかった場合には、それが重要な回答であっても見過ごされてしまう可能性があるという問題があった。
【0005】
(2)また、特許文献1のシステムでは、アンケートについて集計結果の出力までは実施するものの、次に行うべきアクションを導き出す手段を備えていなかった。そのため、集計結果を分析して、次にどのようなアクションを採用するべきかを判断するためには、分析者として業務に関する知識や経験が必要であり、これらの知識や経験のある担当者以外では、判断に長時間を要したり、適切な判断ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑み、根拠ある論理に基づいてアンケート結果を分析するものであり、本発明の第1の目的は、アンケート回答の集計において回答比率としては突出しなくとも重視すべき回答を見過ごすことがないアンケート結果分析システムを提供することであり、そして第2の目的は、アンケート集計結果の分析を行って次に取るべきアクション案を抽出して出力するアンケート結果分析システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、下記の各発明によって解決することができる。
すなわち、本発明のアンケート結果分析システムは、アンケートの質問及び回答肢のデータを予め格納する質問回答肢マスタDBからアンケートの質問と回答肢を選択して作成したアンケートのデータを、ネットワークを通じてアンケートに回答するアンケート回答者端末に送信し、かつネットワークを通じて前記アンケート回答者端末からのアンケート回答データを受け付けアンケート回答DBに格納するアンケート回答収集手段と、前記アンケート回答DBに格納されたアンケート回答データを分析集計しアンケート集計結果としてアンケート集計DBに格納するアンケート回答集計手段と、を備え、該アンケート回答集計手段はアンケートの質問ごとにその回答数を全回答数で除して回答率を算出し、予め設定した閾値以上の回答率を有するアンケートの質問の回答をアンケート分析集計対象としてアンケート集計DBに格納することを特徴とする。
【0008】
また、前記アンケート回答収集手段は、前記質問回答肢マスタDBにアンケートの質問の回答肢ごとに重み付けとなる重み点数を設定することを特徴とする。
【0009】
また、前記アンケート回答集計手段は、前記回答肢ごとの回答数に当該回答肢の重み点数を掛けて算出した重み集計値をアンケート集計DBに格納することを特徴とする。
【0010】
また、前記アンケート集計DBに格納されたアンケート集計結果を分析しその結果予め設定されたアクションを判定する対応アクション抽出手段を備え、該対応アクション抽出手段は判定した前記アクションとその前記アンケート集計結果を対応アクションDBに格納することを特徴とする。
【0011】
また、前記対応アクション抽出手段は、前記アクションごとに判定対象の前記アンケートの質問と、該質問の全ての回答肢の重み集計値の合計に対するアクション対応の回答肢の重み集計値の合計が占める割合である占有率を判定するための占有率閾値とを設定するアクション対象質問マスタDBから前記アンケートの質問と前記占有率閾値とを取得して、該占有率閾値を超える前記占有率の回答肢をアクションを起こす対象として前記対応アクションDBに格納することを特徴とする。
【0012】
本発明のアンケート結果分析方法は、アンケートの質問及び回答肢のデータを予め格納する質問回答肢マスタDBからアンケートの質問と回答肢を選択して作成したアンケートのデータを、ネットワークを通じてアンケートに回答するアンケート回答者端末に送信し、かつネットワークを通じてアンケート回答者端末からのアンケート回答データを受け付けアンケート回答DBに格納するアンケート回答収集手段と、前記アンケート回答DBに格納されたアンケート回答データを分析集計しアンケート集計結果としてアンケート集計DBに格納するアンケート回答集計手段と、を備えてなるアンケート結果分析システムのアンケート結果分析方法において、前記アンケート回答集計手段はアンケートの質問ごとにその回答数を全回答数で除して回答率を算出し、予め設定した閾値以上の回答率を有するアンケートの質問の回答をアンケート分析集計対象としてアンケート集計DBに格納することを特徴とする。
【0013】
また、前記アンケート回答収集手段は、質問回答肢マスタDBにアンケートの質問の回答肢ごとに重み付けとなる重み点数を設定することを特徴とする。
【0014】
また、前記アンケート回答集計手段は、前記回答肢ごとの回答数に当該回答肢の重み点数を掛けて重み集計値を算出することを特徴とする。
【0015】
また、対応アクション抽出手段が前記アンケート集計DBに格納されたアンケート集計結果を分析しその結果予め設定されたアクションを判定することを特徴とする。
【0016】
また、前記対応アクション抽出手段は、前記アクションごとに判定対象の前記アンケートの質問と、該質問の全ての回答肢の重み集計値の合計に対するアクション対応の回答肢の重み集計値の合計が占める割合である占有率を判定するための占有率閾値とを設定するアクション対象質問マスタDBから前記アンケートの質問と前記占有率閾値とを取得して、該占有率閾値を超える前記占有率の回答肢をアクションを起こす対象として前記対応アクションDBに格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアンケート結果分析システム及び方法によれば、アンケート結果を分析する際、質問の特徴に重み付けを加味して分析することが可能となり、効率よくかつ的確に次に取るべきアクションの案を導き出すことができる。また、回答肢に重み付けを設定すること、及びアクションに対応する質問と回答肢を任意で設定することにより、根拠ある論理に基づいてアンケートの目的に合わせた分析結果を導出することができ、また業務に関する知識や経験が不足している人員でも短時間で分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のアンケート結果分析システムの全体を示す構成図である。
【図2】本発明のアンケート回答収集手段の動作を示したフローである。
【図3】本発明のアンケート回答集計手段の動作を示したフローである。
【図4】本発明の対応アクション抽出手段の動作を示したフローである。
【図5】本発明のアンケート結果分析システムのアンケート回答入力画面の例である。
【図6】本発明の質問マスタDBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図7】本発明の回答肢マスタDBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図8】本発明のアンケート回答DBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図9】本発明のアンケート集計DBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図10】本発明のアクションマスタDBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図11】本発明のアクション対象質問マスタDBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図12】本発明のアクション対象回答肢マスタDBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図13】本発明の対応アクションDBのテーブルフォーマットとデータ例である。
【図14】本発明のアンケート結果分析システムの出力結果の例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明のアンケート結果分析システム及び方法を実施するための形態を詳細に説明する。図1〜図14は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0020】
<全体構成>
図1は、本発明のアンケート結果分析システム111が適用されるコンピュータシステムの全体を示す構成図である。
【0021】
アンケート結果分析システム111は、質問マスタDB117及び回答肢マスタDB118から抽出したアンケートの質問及び回答肢のデータを利用してアンケート回答入力画面116を生成し、これをネットワーク112を介してアンケート回答者の端末11,12・・・1nに送信し、これを表示し、次にアンケート回答者が入力したアンケート回答をその端末からネットワーク112を介して収集し、アンケート回答DB119に格納するアンケート回答収集手段113と、
アンケート回答DB119に格納したアンケート回答データを取り出して集計し、アンケート集計DB120に格納するアンケート回答集計手段114と、
アクションマスタDB121とアクション対象質問マスタDB122とアクション対象回答肢マスタDB123から取り出したデータを基に、アンケート集計DB120に格納されたアンケート集計データを分析して、対応アクションDB124から対応するアクションを抽出する対応アクション抽出手段115とから構成されている。
【0022】
<動作>
図2は、アンケート回答収集手段113の処理動作を示したフローである。
まず、アンケート回答収集手段113が、質問マスタDB117及び回答肢マスタDB118から取り出したアンケートの質問及び回答肢のデータを利用してアンケート回答入力画面116を生成し、これをアンケートに回答しようとする回答者のアンケート回答者端末11,12・・・1nに送信し、アンケート回答入力画面116を表示する(S11)。
具体的には、アンケート回答収集手段113は、質問マスタDB117から、図6に示すテーブルフォーマット中の「アンケートNo」「アンケート名称」「質問No」「質問文言」の各項目のデータを取得し、回答肢マスタDB118から、図7に示すテーブルフォーマット中の「アンケートNo」「質問No」「回答肢No」「回答肢文言」の各項目のデータを取得して、図5の例に示すアンケート回答入力画面116を生成する。そして、このアンケート回答入力画面116を、ネットワーク112を通じてアンケート回答者端末11,12・・・1nに送信する。
【0023】
次に、アンケート回答者がアンケート回答者端末11,12・・・1nに表示されたアンケート回答入力画面116に対してアンケート回答の入力を行い、入力が完了したアンケート回答データは、ネットワーク112を経由して送信され、アンケート結果分析システム111において受信される(S12)。
【0024】
次に、アンケート回答収集手段113は、受信したアンケート回答データを、図8に示すテーブルフォーマットによりアンケート回答DB119に格納する(S13)。
【0025】
具体的には、アンケート回答収集手段113は、アンケート回答データを受信すると、まず、回答者を一意管理するための回答者Noを採番する。次に、受信した回答データの各項目をアンケート回答DB119に格納する。すなわち、アンケート回答DB119のデータテーブルの項目「アンケートNo」に回答者が回答したアンケートNoを格納し、項目「回答者No」に前記回答者Noを格納し、項目「回答者名」に回答者が回答した回答者氏名を格納し、項目「質問No」に回答者が回答した質問の質問Noを格納し、項目「回答肢No」に回答者が質問に対して回答した回答肢Noを格納する。
【0026】
図3は、アンケート回答集計手段114の処理動作を示したフローである。
このアンケート回答集計手段114の処理は、アンケート作成・管理・分析者端末21,22・・・2mによって開始される。
まず分析者は、アンケート作成・管理・分析者端末21,22・・・2mからアンケート結果分析システム111を作動して、アンケート回答集計手段114が、分析対象とするアンケートNoのアンケートに対する全回答数をカウントする(S21)。
具体的には、アンケート回答集計手段114は、アンケート回答DB119に格納されている回答データの中から、今回分析対象とするアンケートNoに該当する回答データの数をカウントする。すなわち分析対象のアンケートNoの全回答数を取得する。
【0027】
次にアンケート回答集計手段114は、今回分析対象のアンケートNoのアンケート情報を質問マスタDB117から取得する。このとき、該当アンケートNoのデータを、質問Noの昇順に1レコードずつ取得する。取得項目は、質問マスタDB117の図6に示すテーブルフォーマット中の「アンケートNo」「質問No」である(S22)。
【0028】
ステップS22において対象のデータが存在しない場合は、処理を終了し、データが存在する場合は、ステップS24に遷移する(S23)。
【0029】
アンケート回答DB119に格納されている回答データの中から、今回分析対象のアンケートNoかつステップS22で取得した質問Noに該当する回答数をカウントする(S24)。
【0030】
ステップS24で取得した回答数を、ステップS21で取得した回答数、すなわちそのアンケートNoに対する全ての回答数で割り、100倍した値を算出する。これが該当質問Noの回答率となる。

回答率=該当質問Noの回答数/アンケートNoに対する全ての回答数×100(S25)
【0031】
質問マスタDB117から、分析対象のアンケートNoかつステップS22で取得した質問Noに該当するレコードの項目「回答率閾値」を取得し、ステップS25の回答率と前記回答率閾値とを比較して、集計データとして有効かどうかを判別する。回答率が回答率閾値以上の場合は、集計対象であるとしてステップS31に遷移する。回答率が回答率閾値未満の場合は、集計対象外であるとしてステップS22に戻り、次の質問Noについての処理を開始する(S26)。
【0032】
アンケート回答DB119より、分析対象のアンケートNoかつステップS22で取得した質問Noに該当する回答肢のデータを、回答肢Noの昇順で1レコードずつ取得する。取得項目は、アンケート回答DB119の「アンケートNo」「質問No」「回答肢No」である(S31)。
【0033】
ステップS31において対象のデータが存在しなかった場合はステップS22に戻り、次の質問Noについての処理を開始する。対象のデータが存在した場合は、ステップS27へ遷移する(S32)。
【0034】
アンケート回答DB119に格納されている、分析対象のアンケートNoかつステップS22で取得した質問NoかつステップS31で取得した回答肢Noの数をカウントする(S27)。
【0035】
回答肢マスタDB118より、分析対象のアンケートNo、かつステップS22で取得した質問No、かつステップS31で取得した回答肢Noに該当するレコードから項目「重み点数」を取得する(S28)。この重み点数は、根拠ある論理に基づいて設定されるものである。
【0036】
ステップS27でカウントした回答数と、ステップS28で回答肢マスタDB118より取得した重み点数を掛け合わせて、今回集計対象の質問Noかつ回答肢ごとの「重み集計値」を算出する。

重み集計値=回答数×重み点数(S29)
【0037】
ステップS29で算出した重み集計値及び回答数を、アンケート集計DB120(テーブルフォーマットは図9を参照)に格納する。分析対象のアンケートNoは項目「アンケートNo」に格納し、ステップS22で取得した質問Noを項目「質問No」に格納し、ステップS31で取得した回答肢Noを項目「回答肢No」に格納し、ステップS27でカウントした回答数を項目「回答数」に格納し、ステップS29で算出した重み集計値を項目「重み集計値」に格納する。本ステップ実施後はステップS22に戻り、次の質問Noについての処理を開始する(S30)。
【0038】
図4は、対応アクション抽出手段115の処理動作を示したフローである。
本実施例の一つのアンケートには単一あるいは複数の質問が含まれており、それぞれの質問に次に取るべきアクション候補が結び付けられているが、この中からどのアクションを採用すべきかを判定するため、本機能ではアクション一つずつについてアクションを起こすべきかどうかを判定を行うものである。
【0039】
この対応アクション抽出手段115の処理は、アンケート作成・管理・分析者端末21,22・・・2mによって開始される。
まず、アクション対象質問マスタDB122(テーブルフォーマットは図11を参照)より1レコード取得する。ここで取得する項目は、「アクションNo」とそれに紐付く「アンケートNo」、「質問No」及び「占有率閾値」である。
なお、アクション対象質問マスタDB122においては、1つの「アクションNo」に紐付く「アンケートNo」と「質問No」の組合せは、1:1の関係にある(S41)。
【0040】
ステップS41でアクション対象質問マスタDB122からデータが取得できたか否かを判定し、データが取得できた場合はステップS44へ遷移し、データが取得できなかった場合は処理を終了する(S42)。
【0041】
アクション対象質問重み合計値、及びアクション対象回答肢重み合計値の初期値として、アクション対象質問重み合計値=0、アクション対象回答肢重み合計値=0を設定する(S44)。
【0042】
分析対象のアンケートNoかつステップS41で取得した質問Noの回答データをアンケート集計DB120より1件取得する。ステップS41で取得したアクションNoに紐付くアンケートNoかつ質問Noに該当する回答データを取得することで、アクションの候補に対しての回答があるかを判断する(S45)。
【0043】
ステップS45で回答データが取得できた場合、すなわちステップS41で取得したアクションNoに対する回答があった場合、ステップS47へ遷移する。データが取得できなかった場合、ステップS51へ遷移する(S46)。
【0044】
アクション対象質問重み合計値のカウントを次の式によって実施する。

アクション対象質問重み合計値=アクション対象質問重み合計値+アンケート集計DBより取得したレコードの「重み集計値」

アクション対象質問重み合計値とは、アクションNoに紐付く「アンケートNo」かつ「質問No」に対して回答された全ての回答の重み集計値を合計したものである(S47)。
【0045】
ステップS41で取得した「アンケートNo」「質問No」、かつステップS45で取得した「回答肢No」に該当する回答データが、アクション対象回答肢マスタDB123(テーブルフォーマットは図12を参照)に存在するかどうか検索を行う(S48)。
【0046】
ここでアクション対象回答肢マスタDB123に該当する回答データが存在するということは、ステップS45で取得した回答肢が重み付けの対象となるということである。
【0047】
アクション対象回答肢重み合計値のカウントを次の式によって実施する。

アクション対象回答肢重み合計値=アクション対象回答肢重み合計値+アンケート集計DBより取得したレコードの「重み集計値」

ここでは、ステップS41で取得したアクションNoに対して実際にアンケート回答が行われ、かつ、重み付けの対象となる回答肢の重み点数を集計している(S50)。
【0048】
アクション対象の回答肢の重みが同質問内で占める割合である占有率を、次の式により算出する。

占有率=アクション対象回答肢重み合計値/アクション対象質問重み合計値×100(S51)
【0049】
次に、ステップS41において取得したアクション対象質問マスタDB122から該当のアンケートNo、質問Noの占有率の閾値と、ステップS51で算出した占有率とを比較して、アクションを起こす程の重みがあるかを判別する。比較の結果、占有率が閾値以上であった場合、対応アクションに該当するとしてステップS53に遷移する。閾値未満だった場合、対応アクションに該当しないとしてステップS41に戻り、次のアクションNoについての処理を行う(S52)。
【0050】
ステップS52で占有率が閾値以上であった場合は、アクションNo及びステップS51で算出した占有率を対応アクションDB124(テーブルフォーマットは図13を参照)に格納する。このとき、アクションNoは項目「アクションNo」に格納し、占有率は項目「占有率」に格納する。格納したらステップS41に戻り、次のアクションNoについての処理を行う(S53)。
【0051】
このようにして、対応アクションDB124に対応アクション分析資料が格納され、その分析結果を閲覧する方法の例として図14の出力例を示す。
本出力例は、分析対象となるアンケートから抽出された、次に取るべきアクションの候補を示す「対応アクション」(図10のテーブルフォーマットに示すアクションマスタDB121より取得する「アクションNo」に紐付く「アクション名」)と、そのアクションを導き出した質問を示す「質問内容」、その質問に対する回答数合計を示す「回答数」、その質問の回答肢を示す「回答肢」、回答肢別の点数を示す「点数」、その質問の回答肢において、どの回答肢が本アクションを抽出する対象であったかを示す「対象」、アクション対象となる回答肢の点数の合計値の占有率及び、本質問が有効と判定する元となった占有率の閾値を示す「対象回答肢占有率(閾値)」で構成されている。
なお、本出力例は一例であり、これまでの集計及び分析の手段において各テーブルに格納された集計結果を利用し、目的に応じた出力を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のアンケート結果分析システムは、図1に示すように、コンピュータのCPU、メモリ、補助記憶装置、ディスプレイ、入力デバイス等を含むハードウェア資源上に構築されたOS、アプリケーション、データベース、ネットワークシステム等によって実現されるものであり、アンケート結果分析という情報処理が上記のハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであるから、自然法則を利用した技術的思想に該当するものであり、アンケート結果分析業務を実施するアウトソーシングサービスに利用できる。
【符号の説明】
【0053】
11,12・・・1n アンケート回答者端末
111 アンケート結果分析システム
112 ネットワーク
113 アンケート回答収集手段
114 アンケート回答集計手段
115 対応アクション抽出手段
116 アンケート回答入力画面
117 質問マスタDB
118 回答肢マスタDB
119 アンケート回答DB
120 アンケート集計DB
121 アクションマスタDB
122 アクション対象質問マスタDB
123 アクション対象回答肢マスタDB
124 対応アクションDB
21,22・・・2m アンケート作成・管理・分析者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンケートの質問及び回答肢のデータを予め格納する質問回答肢マスタDBからアンケートの質問と回答肢を選択して作成したアンケートのデータを、ネットワークを通じてアンケートに回答するアンケート回答者端末に送信し、かつネットワークを通じて前記アンケート回答者端末からのアンケート回答データを受け付けアンケート回答DBに格納するアンケート回答収集手段と、
前記アンケート回答DBに格納されたアンケート回答データを分析集計しアンケート集計結果としてアンケート集計DBに格納するアンケート回答集計手段と、を備え、
該アンケート回答集計手段はアンケートの質問ごとにその回答数を全回答数で除して回答率を算出し、予め設定した閾値以上の回答率を有するアンケートの質問の回答をアンケート分析集計対象としてアンケート集計DBに格納することを特徴とするアンケート結果分析システム。
【請求項2】
前記アンケート回答収集手段は、前記質問回答肢マスタDBにアンケートの質問の回答肢ごとに重み付けとなる重み点数を設定することを特徴とする請求項1記載のアンケート結果分析システム。
【請求項3】
前記アンケート回答集計手段は、前記回答肢ごとの回答数に当該回答肢の重み点数を掛けて算出した重み集計値をアンケート集計DBに格納することを特徴とする請求項2記載のアンケート結果分析システム。
【請求項4】
前記アンケート集計DBに格納されたアンケート集計結果を分析しその結果予め設定されたアクションを判定する対応アクション抽出手段を備え、該対応アクション抽出手段は判定した前記アクションとその前記アンケート集計結果を対応アクションDBに格納することを特徴とする請求項1記載のアンケート結果分析システム。
【請求項5】
前記対応アクション抽出手段は、前記アクションごとに判定対象の前記アンケートの質問と、該質問の全ての回答肢の重み集計値の合計に対するアクション対応の回答肢の重み集計値の合計が占める割合である占有率を判定するための占有率閾値とを設定するアクション対象質問マスタDBから前記アンケートの質問と前記占有率閾値とを取得して、該占有率閾値を超える前記占有率の回答肢をアクションを起こす対象として前記対応アクションDBに格納することを特徴とする請求項4記載のアンケート結果分析システム。
【請求項6】
アンケートの質問及び回答肢のデータを予め格納する質問回答肢マスタDBからアンケートの質問と回答肢を選択して作成したアンケートのデータを、ネットワークを通じてアンケートに回答するアンケート回答者端末に送信し、かつネットワークを通じてアンケート回答者端末からのアンケート回答データを受け付けアンケート回答DBに格納するアンケート回答収集手段と、
前記アンケート回答DBに格納されたアンケート回答データを分析集計しアンケート集計結果としてアンケート集計DBに格納するアンケート回答集計手段と、を備えてなるアンケート結果分析システムのアンケート結果分析方法において、
前記アンケート回答集計手段はアンケートの質問ごとにその回答数を全回答数で除して回答率を算出し、予め設定した閾値以上の回答率を有するアンケートの質問の回答をアンケート分析集計対象としてアンケート集計DBに格納することを特徴とするアンケート結果分析方法。
【請求項7】
前記アンケート回答収集手段は、質問回答肢マスタDBにアンケートの質問の回答肢ごとに重み付けとなる重み点数を設定することを特徴とする請求項6記載のアンケート結果分析方法。
【請求項8】
前記アンケート回答集計手段は、前記回答肢ごとの回答数に当該回答肢の重み点数を掛けて重み集計値を算出することを特徴とする請求項7記載のアンケート結果分析方法。
【請求項9】
対応アクション抽出手段が前記アンケート集計DBに格納されたアンケート集計結果を分析しその結果予め設定されたアクションを判定することを特徴とする請求項6記載のアンケート結果分析方法。
【請求項10】
前記対応アクション抽出手段は、前記アクションごとに判定対象の前記アンケートの質問と、該質問の全ての回答肢の重み集計値の合計に対するアクション対応の回答肢の重み集計値の合計が占める割合である占有率を判定するための占有率閾値とを設定するアクション対象質問マスタDBから前記アンケートの質問と前記占有率閾値とを取得して、該占有率閾値を超える前記占有率の回答肢をアクションを起こす対象として前記対応アクションDBに格納することを特徴とする請求項9記載のアンケート結果分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−277511(P2010−277511A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132046(P2009−132046)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)