説明

アンテナダイバシティを実装するためのシステムおよび方法

【課題】完全なアンテナダイバシティでは、種々のシステムまたは種々の通信規格における同時通信が望ましい。スイッチなどの追加構成要素から生じる伝送経路における追加損失を最小にする。
【解決手段】アンテナダイバシティを実装するためのシステム(102)、通信デバイス(100)および方法は第1の無線部を複数のアンテナ(104、106、108)の1つに選択的に接続する第1のスイッチ(116)および第2の無線部を複数のアンテナ(104、106、108)の1つに選択的に接続する第2のスイッチ(118)を含む。本システム(102)はまた第1の無線部のポート(124)および第2の無線部のポート(126)に接続する複数のアンテナ(104、106、108)の1つを検出するアンテナ検出器(122)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信デバイスおよびシステムに関し、特にアンテナダイバシティを実装するための通信デバイス、システムおよび方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
セルラー電話機などの移動通信デバイスはその移動性の故に種々の地理的場所に持ち運ぶことが出来、そこで種々の規格即ち移動アクセスプロトコルで動作する種々のシステムによりサービスの提供を受けることができる。従って、移動通信デバイスは複数の異なるシステムにおいて、複数の異なる規格および周波数帯の下で動作するように設計されつつある。幾つかの地理的場所で、幾つかのシステムにおける通信性能は他より良好でありえ、種々の無線部即ち送受信機と移動通信デバイスの種々のアンテナとの間または固定内部アンテナと移動通信デバイスに接続可能な取り外し可能アンテナとの間を切り替えることができれば最適通信にとり望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
完全なアンテナダイバシティを必要とするであろう種々のシステムまたは種々の通信規格における同時通信が望ましいであろう状況がまた存在しうる。完全なアンテナダイバシティでは、スイッチなどの追加構成要素から生じる伝送経路における追加損失を最小にするという課題が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態に従い、アンテナダイバシティを実装するためのシステムは第1の無線部を複数のアンテナの1つに選択的に接続する第1のスイッチおよび第2の無線部を複数のアンテナの1つに選択的に接続する第2のスイッチを含むであろう。システムは、また第1の無線部のポートおよび第2の無線部のポートに接続する複数のアンテナの1つを検出するアンテナ検出器を含むであろう。
【0005】
本発明の実施形態に従い、アンテナダイバシティを実装するためのシステムは第1の無線部を複数のアンテナの1つに選択的に接続する第1のスイッチおよび第2の無線部を複数のアンテナの1つに選択的に接続する第2のスイッチを含むであろう。システムは、さらに第1および第2のスイッチのそれぞれへのスイッチ制御線を含むであろう。スイッチ制御線は電気的に連動し、第1の無線部または第2の無線部のいずれかから複数のアンテナの1つへの接続を行い、第1および第2の無線部を共に複数のアンテナの1つに常に接続することができる。
【0006】
本発明の別の実施形態に従い、通信デバイスはアンテナダイバシティを提供する複数のアンテナを含むであろう。複数のアンテナは固定アンテナおよび取り外し可能アンテナを含むであろう。通信デバイスは、また第1の無線部および第2の無線部を含むであろう。第1のスイッチを備え、第1の無線部を固定アンテナまたは取り外し可能アンテナの1つに選択的に接続することができ、第2のスイッチを備え、第2の無線部を固定アンテナまたは取り外し可能アンテナの1つに選択的に接続することができる。通信デバイスはさらに各無線部のポートへの有効なアンテナ接続を検出する検出器を含むであろう。
【0007】
本発明の実施形態に従い、アンテナダイバシティを実装するための方法はダイバシティアンテナの存在を検出するステップおよびダイバシティアンテナの不在に応じて全ての通信のための主内部アンテナを選択するステップを含むであろう。本方法は、またダイバシティアンテナの存在に応じてダイバシティ動作モードに入るステップを含むであろう。
【0008】
本発明の別の実施形態に従い、アンテナダイバシティを実装するためのコンピュータプログラム製品は、本明細書において実施するコンピュータの使用可能なプログラムコードを持つコンピュータの可読媒体を含むであろう。コンピュータの可読媒体は、ダイバシティアンテナの存在を検出するように構成するコンピュータの使用可能なプログラムコードを含むであろう。コンピュータの可読媒体は、またダイバシティアンテナの不在に応じて全ての通信のための主内部アンテナを選択するように構成するコンピュータの使用可能なプログラムコードを含むであろう。コンピュータの可読媒体は、さらにダイバシティアンテナの存在に応じてダイバシティ動作モードに入るように構成するコンピュータの使用可能なプログラムコードを含むであろう。
【0009】
本発明のその他の態様および特徴は、特許請求の範囲により全て定義するように、添付する図面と共に以下の本発明の非限定的な詳細な説明を精査すれば当業者には明らかになろう。
【0010】
以下の発明を実施するための最良の形態では、本発明の特定の実施形態を示す添付する図面を参照する。種々の構成および動作を持つその他の実施形態は本発明の範囲を逸脱しない。
【0011】
当業者が理解するであろうように、本発明は方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として実施することができる。従って本発明は、完全にハードウェアの実施形態、(ファームウェア、内在ソフトウェア、マイクロコード、などを含む)完全にソフトウェアの実施形態、または全て一般に本明細書では「回路」、「モジュール」または「システム」と呼ぶであろうソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形式を取ることができる。その上、本発明はコンピュータの使用可能な蓄積媒体上のコンピュータプログラム製品の形式を取ることができ、コンピュータプログラム製品は媒体において実施するコンピュータの使用可能なプログラムコードを持つ。
【0012】
任意の適するコンピュータの可読媒体を利用することができる。コンピュータの使用可能またはコンピュータの可読媒体は、例えば以下に限定しないが、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体システム、装置、デバイス、または伝播媒体でありうる。コンピュータの可読媒体に関するより詳細な例は(全てを尽くすリストではないが)以下の1つまたは複数の結線を持つ電気的接続、携帯可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能で、プログラム可能な読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯可能なコンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD−ROM)、光蓄積デバイス、インターネットまたはイントラネットをサポートするものなどの伝送媒体、または磁気的蓄積デバイスを含むであろう。プログラムを例えば紙またはその他の媒体の光学的走査により電子的に記録し、次いで必要であればコンパイル、インタプリート、または適するようにその他の方法で処理し、次いでコンピュータメモリに蓄積することができるので、コンピュータの使用可能またはコンピュータの可読媒体はプログラムを印刷する紙、または別の適する媒体でさえありうることに留意されたい。本書類のコンテキストでは、コンピュータの使用可能またはコンピュータの可読媒体はプログラムを包含、蓄積、通信、伝播、伝送して、命令実行システム、装置、またはデバイスによりまたは命令実行システム、装置、またはデバイスと接続して使用することができる任意の媒体でありうる。
【0013】
本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードはJava(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語で書くことができる。とはいえ本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、また「C」プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続きプログラミング言語で書くことができる。プログラムコードは完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で独立のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上でおよび部分的に遠隔コンピュータ上でまたは完全に遠隔コンピュータまたはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータはローカル・エリヤ・ネットワーク(local area network、LAN)または広域エリヤネットワーク(wide area network、WAN)を通じてユーザのコンピュータに接続することができるか、または外部コンピュータに(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)接続することができる。
【0014】
本発明の実施形態に従う方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート例図およびブロック図またはそのいずれかを参照して、本発明を以下に説明する。フローチャート例図およびブロック図またはそのいずれかの各ブロック、およびフローチャート例図およびブロック図またはそのいずれかのブロックの組み合わせをコンピュータプログラム命令により実装することができることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータまたはマシーンを作成するその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供し、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行する命令が、フローチャートおよびブロック図またはそのいずれかのブロックにおいて指定する機能/動作を実装する手段を作成するようにすることができる。
【0015】
これらのコンピュータプログラム命令を、またコンピュータの可読メモリに蓄積することができ、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置が特定の方法で機能するように指令することができ、コンピュータの可読メモリに蓄積する命令がフローチャートおよびブロック図またはそのいずれかのブロックにおいて指定する機能/動作を実装する命令手段を含む製品を作成するようにすることができる。
【0016】
コンピュータプログラム命令をまたコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置にロードし、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置において実行する一連の動作ステップがコンピュータを実装する処理を作成するようにし、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置において実行する命令が、フローチャートおよびブロック図またはそのいずれかのブロックにおいて指定する機能/動作を実装するステップを提供するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】、
【図1B】本発明の実施形態に従いアンテナダイバシティを実装するための例示的通信デバイスおよびシステムのブロック概要図である。
【図2A】本発明の実施形態に従いアンテナダイバシティを実装するための方法例のフローチャートである。
【図2B】本発明の実施形態によるアンテナダイバシティを実装するための方法例のフローチャートである(図2Aおよび図2Bを纏めて図2)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施形態に従いアンテナダイバシティを実装するための例示的通信デバイス100およびシステム102のブロック概要図である。通信デバイス100は複数のアンテナ104を含むであろう。複数のアンテナ104は主アンテナ106およびダイバシティアンテナ108を含むであろう。図1の実施形態に示すように、主アンテナ104は、取り外し可能であり、無線周波数(radio frequency、RF)コネクタ110、ジャックまたはその他のタイプのアンテナ接続手段に差し込むことができる外部アンテナでありうる。ダイバシティアンテナ108は固定の内部アンテナでありうる。本発明のその他の実施形態では、主アンテナ106は固定の内部アンテナであり、ダイバシティアンテナ108は取り外し可能でありうる。
【0019】
通信デバイス100はまた第1の無線部112および第2の無線部114を含むであろう。第1の無線部112は、汎用移動通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)タイプの送受信機またはその他のタイプの送受信機でありえ、第2の無線部114は、GSM(Global System Mobile Communications、グローバルシステム移動通信)のための高度データ展開(EDGE、Enhanced Data for GSM Evolution)タイプの送受信機またはその他のタイプの送受信機でありうる。第1のスイッチ116は、第1の無線部112即ちUMTS送受信機を主アンテナ106またはダイバシティアンテナ108の1つに選択的に接続することができる。第2のスイッチ118は、第2の無線部114即ちEDGE送受信機を主アンテナ106またはダイバシティアンテナ108の1つに選択的に接続することができる。第1のスイッチ116および第2のスイッチ118はそれぞれ、代替RF信号経路即ちアンテナを選択するための単極双投(SPDT)無線周波数(RF)スイッチまたはその他のタイプのデバイスでありうる。このスイッチ装置はいずれかのアンテナからいずれかの送受信機への伝送経路におけるただ1つの追加スイッチ要素損失のみによりUMTSおよびEDGE無線双方の完全なアンテナダイバシティ(TxおよびRx)を可能にする。さらに、このように接続する2つのSPDTスイッチ要素116および118は、1つのスイッチ116または118のみを通した無線部112または114(UMTSまたはEDGE)のいずれかのアンテナ106または108のいずれかへの接続を可能にする。この装置はまた必要であればEDGEおよびUMTS双方の同時動作、即ち非圧縮モード動作を可能にする。
【0020】
第1のスイッチ116および第2のスイッチ118はデコーダ/選択器モジュール即ちハードウェアコントローラ120により制御することができる。デコーダ/選択器モジュール即ちハードウェアコントローラ120は複数のアンテナ104の内無線部112および114のそれぞれにそれぞれ結合するアンテナを制御することができる。図2に関してさらに詳細に説明するように、この制御は利用可能なシステムおよび信号強度または利用可能な各システムから測定可能なその他の動作パラメータなどの関係する性能パラメータに基づき自動的でありうる。あるいは、無線部に接続するアンテナはユーザにより制御することができる。従って、デコーダ/選択器モジュール即ちハードウェアコントローラ120は本発明の幾つかの実施形態では随意選択でありうる。
【0021】
スイッチ116および118の制御線は、破線121により示すように集められる、即ちアンテナ選択スイッチ制御線でありうる(明確さのために図1では1本の線により示す)。スイッチ116および118の制御線121を電気的に連動させ、送受信機112および114のいずれかからアンテナ106および108のいずれかへの接続を行う。送受信機112および114はその場合共に常にアンテナ106および108の1つに接続することができる。この接続はコントローラ即ち選択器120のただ1本の制御線による所与の無線送受信機112および114のアンテナ間の切り替えを可能にし、所望であれば無線送受信機112および114双方の同時動作を可能にする。これが可能であるのは、2本のアンテナ106および108が物理的および電気的に分離しているからである。UMTSは、この正確な動作モードを必要とする非圧縮モードを有するが、一度に2つの無線が動作することの難しさのために多くの注意を引かなかった。
【0022】
通信デバイス100はまた、第1の無線部112のポート124に接続することができる複数のアンテナ104の内のどれかひとつと、第2の無線部114のポート126に接続することができる複数のアンテナ104の内のどれかひとつとを検出するアンテナ検出器122を含むであろう。アンテナ検出器122はまた、図1に示す本発明の実施形態で説明するように主アンテナ106などの取り外し可能アンテナの取り外しを検出するアンテナ取り外しセンサ128を組み込むかまたは定義することができる。アンテナ検出器122即ち取り外しセンサ128は、機械的に動作するかまたは他の手段により動作することのできるスイッチ130などと結合することができるコネクタ110を含むであろう。検出器122即ちセンサ128は、また電源132(Vcc)およびアンテナの存在または取り外しを検出する接地電位135または類似の装置に結合する電圧分割器抵抗回路134(抵抗134aおよび134b)を含むであろう。アンテナ検出器122即ち取り外しセンサ128は、またデコーダ/選択器モジュール即ちハードウェア120の一部でありうるレベル検出器136を含むであろう。アンテナ検出信号138をアンテナ検出器122からレベル検出器136へ送信することができる。
【0023】
通信デバイス100はまた第1の無線部112即ちUMTS送受信機と結合することができる複数極RFスイッチ138を含むであろう。複数極RFスイッチ138は第1の無線部112における種々のサブ無線部を選択する単極三投(SP3T)スイッチ等でありうる。種々のサブ無線部は種々の周波数帯における動作に適応することができる。例えば、複数極スイッチ138は2100MHz送受信切替機140、1900MHz送受信切替機142、800MHz送受信切替機144などの構成要素を選択するように制御することができる。送受信切替機140、142、および144のそれぞれはUMTS/EDGE移動通信端末146等に結合することができる。端末146はユーザとインタフェースし、ユーザが通信デバイス100の動作を制御する構成要素を含むであろう。構成要素(明確さのために図示しない)はキーパッド、ディスプレイ、マイクロフォン、スピーカまたはユーザによるデバイスの制御および動作を容易にする移動通信デバイスに普通のその他の構成要素を含むであろう。
【0024】
通信デバイス100はまたEDGEアンテナスイッチ148即ちモジュールを含むであろう。EDGEアンテナスイッチ148は第2のスイッチ118により複数のアンテナの内の1本をEDGE送受信機114の適する周波数の一部または部分(800MHz、900MHz、1800MHzまたは1900MHz)に選択的に結合することができる。EDGEアンテナスイッチ148はUMTS/EDGE端末146に結合することができる。
【0025】
図2Aおよび図2B(纏めて図2)は本発明の実施形態によるアンテナダイバシティを実装するための方法例200のフローチャートである。方法200は図1の通信デバイス100または類似の通信デバイスにより実施または実行することができる。ブロック202で、図1のデバイス100などの通信デバイスは電力供給を受けることができるか、または通信デバイスは利用可能な新しいかまたは追加通信ネットワークまたはシステムにより新たな地理的領域に入る。ブロック204で、ダイバシティアンテナが存在するかの判断を行うことができる。ダイバシティアンテナが存在するとブロック204で判断すれば、方法200はブロック218に進む。ブロック218で、通信デバイスはダイバシティ動作モードに入ることができる。ダイバシティ動作モードでは、通信デバイスまたはユーザは図1のアンテナ104に類似の複数のアンテナの中から1つのアンテナを選択することができ、このアンテナはシステムの通信品質に関連する信号強度またはその他のパラメータなどの、検出するかまたは測定する通信パラメータまたはシステムのパラメータに応じて最良の性能を提供することができる。
【0026】
ダイバシティアンテナの不在をブロック204で判断すれば、方法200はブロック206に進む。ブロック206で、通信デバイスに関連する主即ち固定内部アンテナを全ての通信のために選択する。ブロック208で、利用可能なシステムに関連する通信パラメータを周期的に測定する。ブロック210で、信号強度などの測定パラメータが所定のレベル即ち限度を超えるかの判断を行う。所定のレベル即ち限度を超えなければ、方法200はブロック208に戻り、パラメータの周期的測定を続ける。所定のレベル即ち限度を超えれば、例えば信号強度が所定のレベルを下回れば、方法200はブロック212に進むことができる。
【0027】
ブロック212で、信号強度などの測定パラメータが下限に近いかまたは所定の閾値を下回り、外部アンテナなどの別のアンテナにおける動作が最良でありうることをユーザにアドバイスするメッセージをユーザに提示することができる。メッセージはディスプレイに提示し、警告音を生成し、通信デバイスのスピーカまたはこれらの手段の組み合わせにより音声助言を生成するか、またはその他の手段を使用して現在の動作状態または別のアンテナ即ちダイバシティアンテナ動作を使用すべきことをユーザにアドバイスすることができる。方法200は次いでブロック204に戻り、本方法は前記と同様に続ける。
【0028】
ブロック214で、図1の通信デバイス100に関して説明したアンテナ検出器122などのアンテナ検出器手段を周期的にポーリングし、ダイバシティアンテナを取り付けたかまたは稼動したかを判断することができる。ポーリングは図1のアンテナ検出線150に結合するピンなどのピン上の信号を検出するかまたはその他の手段により実行することができる。
【0029】
ブロック216で、ダイバシティアンテナの存在の判断を行う。ダイバシティアンテナの不在をブロック216で判断すれば、本方法200はブロック214に戻り、アンテナ検出器手段などはダイバシティアンテナの存在の周期的ポーリングを継続する。ダイバシティアンテナの存在をブロック216で判断すれば、方法200はブロック218に進む。以前に考察したように、通信デバイスはダイバシティアンテナの存在の検出に応じてブロック218でダイバシティ動作モードに入ることができる。
【0030】
ブロック220で、ダイバシティアンテナが通信デバイスから取り外されたかまたは非接続になったかを判断することができる、即ちダイバシティアンテナの取り外しまたは非接続を検出することができる。ダイバシティアンテナの取り外しがブロック220で検出されなければ、方法200はブロック222に進み、ダイバシティモードの動作を継続する。ダイバシティアンテナの取り外しまたは非接続をブロック220で検出すれば、方法200はブロック224に進む。ブロック224で、スイッチ制御の設定またはモードに関わらず全ての通信に主アンテナ即ち内部固定アンテナを自動的に選択する。取り外し可能アンテナの取り外し後の内部固定アンテナの選択応答はナノ秒の約数10分の1であり、あらゆるモードまたはアンテナ選択器スイッチをリセットすることなく取り外し可能アンテナを取り外し、内部固定アンテナを使用する動作を選択する場合、電力増幅器、スイッチおよびその他の敏感な構成要素などの通信デバイスの構成要素への損傷を防止することができる。
【0031】
本発明をUMTS送受信機およびEDGE送受信機の使用に関して説明し、図示したが、本明細書で説明した構成および方法は異なるプロトコルまたは規格により動作する環境または通信システムの他の多様なタイプにおいて動作可能な他のタイプの通信デバイスに適用可能でありうる。
【0032】
図面のフローチャートおよびブロック図は本発明の多様な実施形態による構成、機能およびシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能な実装動作を示す。この点について、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定する論理機能を実装する1つまたは複数の実行可能な命令を含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を表すことができる。幾つかの代替実装では、ブロックに注記する機能は図面に注記する順序外で生じることがありうることにまた留意すべきである。例えば、包含する機能に応じて、連続して示す2つのブロックを実際には実質上競合して実行するか、またはブロックを時に逆の順序で実行することがありうる。指定する機能または動作を実行する専用ハードウェアベースシステム、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせにより、ブロック図およびフローチャート例図またはそのいずれかの各ブロック、およびブロック図およびフローチャート例図またはそのいずれかのブロックの組み合わせを実装することができることをまた注記することにする。
【0033】
本明細書で使用する用語は特定の実施形態のみを説明することを目的とし、本発明を制限しようとすることを意図しない。本明細書で使用するように、コンテキストにより明確に他に指示しない限り、単数形「不定冠詞a」、「不定冠詞an」および「定冠詞」は複数形をも含むと考えられる。用語「包含する」または「包含している」は、本明細書で使用する場合記載する特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらの組み合わせの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、以上のグループ、またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0034】
特定の実施形態を本明細書で説明し、図示したが、同じ目的を達成するように計算するあらゆる装置は図示する特定の実施形態を置換することができ、本発明には他の環境では他の適用があることを当業者は理解する。本願は本発明のあらゆる適応または変形を含むと考えられる。添付する特許請求の範囲は本発明の範囲を決して本明細書で説明する特定の実施形態に限定するとは考えられない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナダイバシティを実装するためのシステム(102)であって、
第1の無線部(112)を複数のアンテナ(104、106、108)の1つに選択的に接続する第1のスイッチ(116)と、
第2の無線部(114)を前記複数のアンテナ(104、106、108)の1つに選択的に接続する第2のスイッチ(118)と、
前記第1の無線部(112)のポート(124)および前記第2の無線部(114)のポート(126)に接続する前記複数のアンテナ(104、106、108)の1つを検出するアンテナ検出器(122)と
を含むシステム(102)。
【請求項2】
前記複数のアンテナ(104、106、108)が内部固定アンテナ(108)および取り外し可能アンテナ(106)を含む請求項1に記載のシステム(102)。
【請求項3】
前記取り外し可能アンテナ(106)の取り外しを検出するアンテナ取り外しセンサ(128)をさらに含む請求項2に記載のシステム(102)。
【請求項4】
前記アンテナ取り外しセンサが、
アンテナコネクタ(110)と、
電源(132)と、
前記アンテナコネクタ(110)および前記電源(132)に結合可能な抵抗分割器(134)と
を含む請求項3に記載のシステム(102)。
【請求項5】
前記アンテナ取り外しセンサ(128)が前記取り外し可能アンテナ(106)の取り外しを検出するレベル検出器(136)をさらに含む請求項4に記載のシステム(102)。
【請求項6】
前記第1の無線部(112)がUMTS送受信機(112)を含み、前記UMTS送受信機(112)が非圧縮モードで動作可能である請求項1に記載のシステム(102)。
【請求項7】
複数のUMTS無線帯(140、142、144)の選択を行う前記第1のスイッチ(116)に結合可能な複数極RFスイッチ(138)をさらに含む請求項6に記載のシステム(102)。
【請求項8】
前記第2の無線部(114)がEDGE送受信機(144)を含み、前記システム(102)が前記第2のスイッチ(118)に結合可能なEDGEアンテナ・スイッチ・モジュール(148)をさらに含む請求項1に記載のシステム(102)。
【請求項9】
前記複数のアンテナ(104、106、108)が主アンテナ(106)およびダイバシティアンテナ(108)を含む請求項1に記載のシステム(102)。
【請求項10】
前記複数のアンテナ(104、106、108)の取り外し可能アンテナの存在または不存在の検出に応じて前記第1のスイッチ(116)および前記第2のスイッチ(118)の動作を制御するデコーダ/選択器(120)をさらに含む請求項1に記載のシステム(102)。
【請求項11】
前記第1のスイッチ(116)および前記第2のスイッチ(118)の動作を制御する連動制御線(121)をさらに含む請求項1に記載のシステム(102)。
【請求項12】
アンテナダイバシティを実装するためのシステム(102)であって、
第1の無線部(112)を複数のアンテナ(104、106、108)の1つに選択的に接続する第1のスイッチ(116)と、
第2の無線部(114)を前記複数のアンテナ(104、106、108)の1つに選択的に接続する第2のスイッチ(118)と、
電気的に連動しており、前記第1の無線部(112)または前記第2の無線部(114)のいずれかから前記複数のアンテナ(104、106、108)の1つへの接続を行い、前記第1および第2の無線部(112、114)を共に前記複数のアンテナ(104、106、108)の1つに常に接続する、前記第1および第2のスイッチ(116、118)のそれぞれへのスイッチ制御線(121)と、
を含むシステム(102)。
【請求項13】
前記組編成スイッチ制御線(121)を使用して、前記複数のアンテナ(104、106、108)の間で前記第1の無線部(112)および前記第2の無線部(114)を切り替えるコントローラ(120)をさらに含む請求項12に記載のシステム(102)。
【請求項14】
前記複数のアンテナ(104、106、108)の1つの取り外しに感応するアンテナセンサ(128)をさらに含む請求項12に記載のシステム(102)。
【請求項15】
前記第1の無線部(112)および前記第2の無線部(114)が同時に動作可能である請求項12に記載のシステム(102)。
【請求項16】
通信デバイス(100)であって、
固定アンテナ(108)および取り外し可能アンテナ(106)を含み、アンテナダイバシティを提供する複数のアンテナ(104、106、108)と、
第1の無線部(112)と、
第2の無線部(114)と、
前記第1の無線部(112)を前記固定アンテナ(108)および前記取り外し可能アンテナ(106)の1つに選択的に接続する第1のスイッチ(116)と、
前記第2の無線部(114)を前記固定アンテナ(108)および前記取り外し可能アンテナ(106)の1つに選択的に接続する第2のスイッチ(118)と、
各無線部(112、114)のポート(124,126)への有効なアンテナ接続を検出する検出器(122)と
を含む通信デバイス(100)。
【請求項17】
複数のUMTS無線帯(140、142、144)の選択を行う前記第1のスイッチ(116)に結合可能な複数極RFスイッチ(138)をさらに含む請求項16に記載の通信デバイス(100)。
【請求項18】
前記第2の無線部(114)に結合可能なEDGEスイッチモジュール(148)をさらに含む請求項16に記載の通信デバイス(100)。
【請求項19】
少なくとも1つの通信パラメータ(208)の検出に応じて前記第1のスイッチ(116)および前記第2のスイッチ(118)の動作を制御するデコーダ/選択器(120)をさらに含む請求項16に記載の通信デバイス(100)。
【請求項20】
前記第1および第2のスイッチ(116、118)の動作を制御する連動スイッチ制御線(121)をさらに含む請求項16に記載の通信デバイス(100)。
【請求項21】
アンテナダイバシティを実装するための方法(200)であって、
ダイバシティアンテナ(108)の存在を検出するステップ(204)と、
前記ダイバシティアンテナ(108)の不在に応じて全ての通信のための主内部アンテナ(106)を選択するステップ(206)と、
前記ダイバシティアンテナ(108)の存在に応じてダイバシティ動作モードに入るステップ(218)と
を含む方法(200)。
【請求項22】
通信パラメータを周期的に測定するステップ(208)と、
所定の制限を超える測定した前記通信パラメータ(210)に応じて、ユーザにアドバイスするステップ(212)と
を更に含む請求項21に記載の方法(200)。
【請求項23】
前記ユーザにアドバイスするステップ(212)が最良の動作のための外部アンテナ(106)の使用を前記ユーザにアドバイスするステップ(212)を含む請求項22に記載の方法(200)。
【請求項24】
ダイバシティアンテナ(108)が通信に設けられたかを判断するために周期的にポーリングするステップ(214)と、
前記ダイバシティアンテナ(108)の存在の検出ステップ(216)に応じて前記ダイバシティ動作モードに入るステップ(218)と
をさらに含む請求項21に記載の方法(200)。
【請求項25】
前記ダイバシティ動作モードに入るステップ(218)が通信パラメータ(218)の検出に応じて前記ダイバシティアンテナ(108)または前記主アンテナ(106)の1つを選択するステップ(218)を含む請求項24に記載の方法(200)。
【請求項26】
前記ダイバシティアンテナ(108)の取り外しを検出するステップ(220)に応じて主内部アンテナ(106)を自動的に選択するステップ(224)と、
前記ダイバシティアンテナ(108)の検出(220)に応じて前記ダイバシティ動作モードにおける動作を続けるステップ(222)と
をさらに含む請求項21に記載の方法(200)。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate


【公開番号】特開2012−124911(P2012−124911A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−3599(P2012−3599)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【分割の表示】特願2008−545572(P2008−545572)の分割
【原出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502087507)ソニーモバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】