説明

アーチスプリングを有する中敷

【課題】従来の中敷に関する問題を克服する中敷を提供すること。
【解決手段】履物とともに利用する中敷10であって、第一の厚みのかかと部分14と、フォアフット部分12と、フォアフット部分とかかと部分とを一緒につなぐ中央部分16であって、中央部分は、かかと部分の第一の厚みよりもずっと薄い実質的に一定の第二の厚みと上向きの湾曲とを有する、中央部分と、フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がり、かつ、その上に人が立つ上部表面と、フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる下部表面を含む第一の層を含む。第一の層は、第一の硬さの材料から作られる。十分に一定の厚みの柔軟かつ弾力的かつ薄いアーチばね挿入物は、凹みで安定させられ、かつ、中央部分の湾曲に従う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、履物の中敷に関し、より詳細には、改良されたアーチばねを有する中敷に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、体型に合わせた中敷は、主には、例えば発泡材料のような分厚く、かさばる中敷材料で作られたアーチ部分を有する。しかし、このことは、分厚く、かさばるアーチ部分が足の下に過剰のかさばりをもたらし足に不快さをもたらすので、例えば、組み込みのアーチ部分を有する靴とともに利用されるとき、欠点となり得る。さらに、組み合わせて利用することが、快適さを求めるにはかさばり過ぎになり得るので、そのような中敷は、組み込みアーチサポートをすでに有する靴において、利用することができない可能性がある。
【0003】
さらに、そのような従来のかさばったアーチ部分に対して、アーチ部分の堅さを変化させるために、熟練した技術者にも困難であるが、発泡材料とその厚みとを変化させる必要がある。
【0004】
また、かさばった発泡アーチ部分に対して、人がアーチ部分において踏み入れれば踏み入れるほど、それによって発泡材料が圧縮されるので、発泡材料は堅くなる。それ故に、発泡材料の抵抗は、ステップの間で異なる。したがって、かさばった発泡材料を中敷のアーチ部分のために利用することは、異なる身体の構造および異なる歩調に対して多様になるので、アーチの堅さを定義、設定、または、決定することをより困難にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明によって、以下のものが提供される:
(項目1) 履物とともに利用するための中敷であって、該中敷は、
(a)第一の層であって、該第一の層は、
第一の厚みを有するかかと部分と、
フォアフット部分と、
該フォアフット部分と該かかと部分とを一緒につなぐ中央部分であって、該中央部分は、該かかと部分の該第一の厚みをよりも小さい第二の厚みを有し、上向きの湾曲を有する、中央部分と、
該フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる上部表面であって、該上部表面上に人間が立つ、上部表面と、
該フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる下部表面であって、該下部表面は、該中央部分に浅い凹みを含む、下部表面と
を含み、
該第一の層は、第一の硬さを有する材料から作られる、第一の層と、
(b)該凹みに固定され、かつ、該中央部分の該湾曲に従い、実質的に一定の厚みの、柔軟で弾力性のある薄いアーチばね挿入物であって、該アーチばね挿入物は、該第一の硬さよりも大きい第二の硬さを有する材料を含む、アーチばね挿入物と
を含む、中敷。
(項目2) 前記アーチばね挿入物および前記凹みは、実質的に類似の形状および寸法を有する、項目1に記載の中敷。
(項目3) 前記アーチばね挿入物は、その後部位置にコーナーウィングセクションを含み、該ウィングセクションは前記かかと部分に僅かに広がる、項目1に記載の中敷。
(項目4) 前記かかと部分は、該かかと部分において利用者のかかとを維持するために、カップ状である、項目1に記載の中敷。
(項目5) 前記アーチばね挿入物は、その中央セクションに向かって幅が次第に細くなる、項目1に記載の中敷。
(項目6) アーチ領域は、約5と60ポンド/インチとの間の範囲の堅さを有する、項目1に記載の中敷。
(項目7) アーチ領域は、約5と20ポンド/インチとの間の範囲の堅さを有する、項目1に記載の中敷。
(項目8) 前記フォアフット部分は、利用時に、該フォアフット部分が利用者の中足骨の末端で直ちに終わるような長さを有する、項目1に記載の中敷。
(項目9) 前記第一の層は、約40と約70との間のShore Type OOのジュロメーター硬さを有する柔軟性があり弾力性のある発泡材料を含む、項目1に記載の中敷。
(項目10) 前記アーチばね挿入物は、約100,000と約500,000p.s.i.との間の曲げ率を有する材料を含む、項目1に記載の中敷。
(項目11) 前記アーチばね挿入物は、約150,000と約400,000p.s.i.との間の曲げ率を有する材料を含む、項目1に記載の中敷。
(項目12) 前記アーチばね挿入物は、約180,000と約230,000p.s.i.との間の曲げ率を有する材料を含む、項目1に記載の中敷。
(項目13) 履物とともに利用するための中敷であって、該中敷は、
(a)第一の層であって、該第一の層は、
第一の厚みを有するかかと部分と、
フォアフット部分と、
該フォアフット部分と該かかと部分とを一緒につなぐ中央部分であって、該中央部分は、該かかと部分の該第一の厚みをよりも小さい第二の厚みを有し、上向きの湾曲を有する、中央部分と、
該フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる上部表面であって、該上部表面上に人間が立つ、上部表面と、
該フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる下部表面であって、該下部表面は、該中央部分に浅い凹みを含む、下部表面と
を含み、
該第一の層は、約40と約70との間のShore Type OOジュロメーター硬さを有する材料を含む、第一の層と、
(b)該凹みに固定され、かつ、該中央部分の該湾曲に従い、実質的に一定の厚みの、柔軟で弾力性のある薄いアーチばね挿入物であって、該一定の厚みは、該浅い凹みの深さを近似し、該アーチばね挿入物は、約100,000と約500,000p.s.i.との間の曲げ率を有する材料を含む、アーチばね挿入物と
を含む、中敷。
(項目14) 前記アーチばね挿入物および前記凹みは、実質的に類似の形状と寸法を有する、項目13に記載の中敷。
(項目15) 前記アーチばね挿入物は、約150,000と約400,000p.s.i.との間の曲げ率を有する材料を含む、項目13に記載の中敷。
(項目16) 前記アーチばね挿入物は、約180,000と約230,000p.s.i.との間の曲げ率を有する材料を含む、項目13に記載の中敷。
(項目17) アーチ領域は、約5と60ポンド/インチとの間の範囲の堅さを有する、項目13に記載の中敷。
(項目18) アーチ領域は、約5と20ポンド/インチとの間の範囲の堅さを有する、項目13に記載の中敷。
(項目19) 約5と60ポンド/インチとの間の範囲のアーチ領域硬さを有する履物とともに利用する中敷であって、該中敷は、
(a)第一の層であって、該第一の層は、
第一の厚みを有するかかと部分と、
フォアフット部分と、
該フォアフット部分と該かかと部分とを一緒につなぐ中央部分であって、該中央部分は、該かかと部分の該第一の厚みをよりも小さい第二の厚みを有し、上向きの湾曲を有する、中央部分と、
該フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる上部表面であって、該上部表面上に人間が立つ、上部表面と、
該フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる下部表面であって、該下部表面は該中央部分に浅い凹みを含む、下部表面とを含み、
該第一の層は、約40と約70との間のShore Type OOジュロメーター硬さを有する材料を含む、第一の層と、
(b)該凹みに固定され、かつ、該中央部分の該湾曲に従い、十分に一定の厚みの、柔軟で弾力性のある薄いアーチばね挿入物であって、該アーチばね挿入物は、該浅い凹みと十分に類似する形状と寸法とを有し、該アーチばね挿入物は、約100,000と約500,000p.s.i.との間の曲げ率を有する、アーチばね挿入物と
を含む、中敷。
(項目20) アーチ領域の硬さは、約5と20ポンド/インチとの間の範囲にある、項目19に記載の中敷。
(発明の要旨)
従って、本発明の特徴は、前述の従来の中敷に関する問題を克服する中敷を提供することである。
【0006】
本発明の別の特徴は、アーチ部分におけるかさばった発泡材料を、ばねのように機能する相対的に強くて、薄く、弾力的で、かつ、柔軟な材料に取り替える中敷を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる別の特徴は、利用者の足のアーチ領域を快適にサポートする中敷を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる別の特徴は、中敷が闊歩する間平らになるように、足のアーチに沿って連続的に収縮する中敷を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる特徴は、個々人の足の要求に適応するアーチ部分を有する中敷を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる特徴は、アーチ部分の屈曲がステップの全体に渡って変化し、より制御され、かつ、一定の抵抗を提供する中敷を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる特徴は、異なる体型に適応し得るアーチ部分を有する中敷を提供することである。
【0012】
本発明の別の特徴は、自然な身体の動きをまねるように、ステップの間にアーチ部分が伸長する中敷を提供することである。
【0013】
本発明の局面に応じて、履物とともに利用する中敷は、第一の厚みのかかと部分と、フォアフット部分と、フォアフット部分とかかと部分とを一緒につなぐ中央部分であって、中央部分は、かかと部分の第一の厚みよりもずっと薄い実質的に一定の第二の厚みと上向きの湾曲とを有する、中央部分と、フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がり、かつ、その上に人が立つ上部表面と、フォアフット部分と中央部分とかかと部分とに沿って広がる下部表面(下部表面は、中央部分において、浅い凹みを含む)を含む第一の層を含む。第一の層は、第一の硬さの材料から作られる。十分に一定の厚みの柔軟かつ弾力的かつ薄いアーチばね挿入物は、凹みで安定させられ、かつ、中央部分の湾曲に従う。アーチばね挿入物は、第一の硬さよりも大きい第二の硬さの材料から作られる。
【0014】
アーチばね挿入物および凹みは、好ましくは、十分に同じ形状および寸法を有する。さらに、アーチばね挿入物は、随意的に、その後部セクションに、コーナーウィングセクションを含む。後部セクションは、かかと部分へ僅かに広がる。アーチばね挿入物は、随意的に、その中央セクションへ向かって幅が次第に細くもなり得る。好ましくは、アーチばね挿入物は、5および60ポンド/インチ(0.89から10.7Kg/cm)の間の範囲、より好ましくは、5および20ポンド/インチ(0.89から3.57Kg/cm)の間の範囲の堅さを有する。
【0015】
かかと部分は、かかと部分において人のかかとを維持するために、カップの形状である。フォアフット部分は、使用中に、フォアフット部分が利用者の中足骨の末端で直ちに終わるような長さを有する。
【0016】
第一の層は、好ましくは、40〜70の範囲のShore Type OOジュロメーター硬さを有する柔軟性があり弾力性のある発泡材料から生成される。一方、アーチばね挿入物の材料が一般的に100,000〜500,000p.s.i.(6.89・10〜3.45・10Newton/meter)の範囲、好ましくは、150,000〜400,000p.s.i.(1.03・10〜2.76・10N/m)の範囲、さらに好ましくは、180,000〜230,000p.s.i.(1.24・10〜1.59・10N/m)の範囲の曲げ率を有する。
本発明の上述および他の特徴は、添付した図と共に読み取られ得る以下のその詳細な記述から容易に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に従った左の中敷の透視図である。
【図2】図2は、中敷の底の斜視図である。
【図3】図3は、中敷の前面の立面図である。
【図4】図4は、中敷の後面の立面図である。
【図5】図5は、中敷の右側の立面図である。
【図6】図6は、中敷の左側の立面図である。
【図7】図7は、中敷の上からの平面図である。
【図8】図8は、中敷の底の平面図である。
【図9】図9は、図8の線9−9に沿った、中敷の断面図である。
【図10】図10は、図8の線10−10に沿った、中敷の断面図である。
【図11】図11は、図8の線11−11に沿った、中敷の断面図である。
【図12】図12は、本発明のアーチの硬さと対比したアーチ快適さ評価のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
詳細に図を参照して、本発明に従う4分の3の長さの左の中敷10が、周知のように、履物の記事において用いられるように適用される。右の中敷図(示せず)は左の中敷10の鏡像であると理解するので、左の中敷10だけが、ここで記述される。「4分の3の長さの中敷」は、フォアフット部分のついた中敷を意味する。フォアフット部分は、利用中、利用者の中足骨の末端で直ちに終わる。すなわち、ちょうど溝の下に位置する。そのような場合、適正な大きさの中敷10が、かなり様々なサイズの靴に挿入され得る。
【0019】
特に、中敷10は、人間の左足の一般的な形状を有し、したがって、フォアフット部分12、かかと部分14、および、フォアフット部分12とかかと部分14とを一緒につなぐ中央部分16とを含む。かかと部分14は、つま先部分12よりも厚い厚みを有する。例えば、フォアフット部分は約1〜3mmの厚みを有し得る一方、それに対する制限なしに、かかと部分14は、約5〜8mmの厚みを有し得る。中央部分16は、しばしば、その長さを通して、フォアフット部分12と同じ範囲の厚みを有する。しかし、その厚みは後ろ端付近では、テーパー状の態様で、かかと部分14の増加した厚みに合うように増加する。いくつかの例では、例えば、フォアフット部分を中央部分より薄く製造することによってフォアフット部分に対して異なる厚さを利用することは、望ましいことであり得る。したがって、フォアフット部分12および中央部分16はともに、典型的であるが必要ではないが、以下に示されること以外に、全体を通して一般的に小さな一定の厚みを有する。
【0020】
かさばるアーチ領域を有するずっと分厚い従来の中央部分と比較して、中央部分16の相対的に小さな厚みが原因で、中央部分16は、人間の足のアーチに対応して、上向きにカーブしている。
【0021】
かかと部分14は、好ましくはカップ状のかかと部分であることが好まれる。特に、示されるように、以下に議論される以外に、相対的に平らな中心部分14aと、中心部分14aの側面および後部の周りに広がるスロープの側壁14bとを含む。一般的に、かかとが表面に突き当たるとき、かかとの太ったパッド(足の裏の柔らかい部分)は広がる。カップ状のかかと部分はそれによって、人間のかかとを安定させ、かつ、かかと部分14においてかかとを維持し、その結果、かかとの太ったパッド部分のそのような広がりを妨げ、かつ、かかと部分14におけるかかとの側面方向への任意の動きをも防ぐ。
【0022】
枕14cは、かかと部分14の真ん中に、隆起した部分として提供され、かつ、最大の力を受けとるかかと部分14の領域で提供される。エネルギーを和らげることは直接厚さに比例するので、クッション効果は、通常、中敷全体のかさばりを増加させることによって達成される。本発明は、かかと部分14における中敷の上部表面の上、すなわち、歩行中に最大の力が生じる領域のみに、厚さ約3mmまでの僅かなかさばりを増加させることによって、これを達成する。同様の枕12aは、利用者の第二および第三の中足骨にちょうど近接して位置するフォアフット部分12に提供される。第二および第三の中足骨は、ステップの「つま先が離れる」フェーズの間、フォアフットにおける最大の力の位置である。
【0023】
中敷10は、下部層18、および、フォアフット部分12とカップ状のかかと部分14と中央部分16とに沿って、接着剤、無線周波数溶接などのような任意の適当な手段によって下部層18の上部表面に固定されたトップカバー20とによって形成される。
【0024】
下部層18は、中敷上にかかとが突き当たることによる衝撃を和らげ、かつ、吸収し得る任意の柔軟な物質を含む、任意の適当な材料から作られ得るが、これらは制限されない。適当な衝撃吸収材料は、任意の適当な発泡を含み得る。例えば、架橋結合ポリエチレン、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリビニル塩化物、合成および天然ゴムラテックス、ネオプレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンまたはスチレン−ブタジエン−スチレン型のブロックポリマーエラストマー、熱可塑性エラストマー、エチレンプロピレンゴム、シリコンエラストマー、ポリスチレン、ポリウレア、あるいは、ポリウレタンであるが、これらは制限されない。好ましくは、4,4’−ジフェニルメタンジイソデシネート(MDI)またはトルエンジイソデシネート(TDI)に基づくモノマーもしくはプレポリマー化されたジイソデシネートのようなポリオール鎖およびイソシアネートから生成される柔軟なプリウレタン発泡である。そのような発泡は、衝撃吸収弾力層を作るための機械的な泡立てによることと同様に、フッ化炭化水素、水、メチレン塩化物、または、他の気体生成試薬を用いて吹き込まれ得る。そのような発泡は、有利に、所望の形状またはジオメトリに成形され得る。粘弾性ポリマー、または、シリコンゲルとして知られる材料の分類のような非発泡エラストマーも、有利に利用されてもよい。非発泡エラストマーは、50℃から100℃の範囲で実施される動的機械分析によって試験されると、ハイレベルのダンピングを示す。弾力性のあるポリエチレンは、ジイソデシネートプレポリマー、ポリオール、触媒、および、安定剤から作られ得る。それらは、所望の物理的特性のウォーターブラウン(water blown)ポリエチレン発泡を提供する。適当なジイソデシネートポリマーおよびポリオール成分は、米国New Jersey州Parsippany市BASFから共に入手可能なPolymeric MDI M−10(CAS 9016−87−9)およびPolymeric MDI MM−103(CAS 25686−28−6)と、米国New Jersey州Parsippany市BASFから共に入手可能なPluracol 945(CAS9082−00−2)およびPluracol 1003と、米国Pennsylvania州Pittsburgh市Mobayから入手可能なMultrinol 9200と、米国Michigan州Midland市Dow Chemical Companyから入手可能なMDIジイソデシネートプレポリマーXAS 10971.02およびポリオールブレンドXUS 18021.00と、米国Connecticut州Danbury市Union Carbideから入手可能なNiax34−28とを含有する。これらのウレタンシステムは、一般的に界面活性剤、発泡剤、紫外線安定剤、および/または、触媒パッケージを含む。適当な触媒は、米国ペンシルバニア州アレンタウン市Air Products Inc.から全て入手可能なDabco33−LV(CAS280−57−9、2526−71−8)、Dabco X543(CAS Trade Secret)、Dabco
T−12(CAS77−58−7)、および、Dabco TAC(CAS107−21−1)と、米国New York州New York市Witco Chemical
Co.からのFomrez UL−38、スズオクトアート、または、米国ジョージア州ノークロスOSI Corp.から入手可能なA−1(CAS 3033−62−3)とを含有する。適当な安定剤は、米国North Carolina州Greensboro市Ciba Geigy Corporationから全て入手可能なTinuvin 765(CAS 41556−26−7)、Tinuvin 328(CAS 27973−55−1)、Tinuvin 213(CAS 104810−48−2)、Irganox 1010(CAS 6683−19−8)、Irganox 245(CAS 36443−68−2)、または、米国New Jersey州Clifton市Givaudan CorporationからのGivsorb UV−1(CAS 057834−33−0)およびGivsorb UV−2(CAS 065816−20−8)を含有する。適当な界面活性剤は、米国Pennsylvania州Allentown市Air Products Corp.から全て入手可能なDC−5169(混合物)、DC190(CAS68037−64−9)、DC197(CAS69430−39−3)、DC−5125(CAS 68037−62−7)と、米国Connecticut州Danbury Union CarbideからのL−5302(CAS 企業秘密)を含有する。
【0025】
あるいは、下部面18は、積層合成、すなわち、任意の前述の材料の多層混合物であり得る。多層混合物は、ポリエチレンビニルアセテートおよびポリエチレンの混合物(2層)、ポリウタレンおよびポリビニル塩化物の混合物(2層)、または、エチレンプロピレンゴムとポリウタレン発泡とエチレンビニルアセテートとの混合物(3層)のような、上述の材料の1つ以上から生成され得る。
【0026】
好ましくは、下部層18は、米国Massachusetts州canton市, Instron Corporationによってこの目的で販売されている試験装置を利用して計測される40〜70の範囲のShore Type OOジュロメーター硬さを有する柔軟性があり弾力性のある発泡材料のような発泡ウレタン型材料から生成され得る。そのような材料は、かかとの十分な衝撃吸収と、ミッドフットとフォアフットのクッション効果を提供する。
【0027】
トップカバー20は、任意の適当な材料から、不可欠なトップカバーとして、生成され得る。適当な材料は、繊維、レザー、レザーボード、膨張させたビニル発泡、フロック加工ビニルフィルム、凝固ポリウレタン、スクリムのゴム発泡、支持されたポリウレタン発泡、積層ポリウレタンフィルム、あるいは、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン、アクリルニトリルターポリマーおよびコポリマー、ビニル、または、他のアクリルのようなin−moldコーティングであるが、これらに制限されない。トップカバー20の所望の特性は、良好な耐久性、安定性、視覚的な外観を含む。トップカバー20は、容易に成型され得るために、低いモジュラス(modulus)で表示されるような良好な柔軟性を有することも望ましい。トップカバー20の結合表面は、下部層18の上部表面への適当な機械的結合を達成するために、適当な組成が提供されるべきである。トップカバー20は、ブラッシュドニット積層トップクロス(例えば、ブラッシュドニット繊維/ウタレンフィルム/非織りスクリムクロスラミネート)、または、ウレタンニットラミネートトップクロスのような繊維であり得る。好ましくは、トップカバー20は、ポリエステルファブリック材料から作られる。
【0028】
下部層18は、熱封着、超音波封着、無線周波数封着、積層、熱成型、反応射出成型、および、圧縮成型、必要であれば、二次の型抜き、または、in−mold型抜きが続くような従来の方法で作られ得る。代表的な方法は、例えば、米国特許第3,489,594号、3,530,489号、4,257,176号、4,185,402号、4,586,273号と、Handbook of Plastics, Herber R. Simonds and Carleton Ellis, 1943, New York, N.Y.と、Reaciton Injection Molding Machinery and Processes, F.Melvin Sweeney, 1987, New York, N.Y.と、Flexible Polyurethane Foams, George Woods, 1982, New Jerseyとに教示されている。以上の予備の教示は、本明細書中で参照として援用され得る。好ましくは、中敷は、米国特許第4,694,589号に教示されているような発泡反応成型プロセスによって作られる。
【0029】
使用中、中敷10は、中央部分16の内側が靴の内部に接触して置かれるように、靴の中に配置される。フォアフット部分12は、中足骨のちょうど前で終わり得る。しかし、中敷10は、完全な長さの中敷でもあり得る。すなわち、足全体に沿って広がる。
【0030】
本発明によると、中敷10には、下部セクション18の下部表面に、約2mmの深さまたは厚みの浅い凹み24が提供される。浅い凹み24は、中央部分16全体に実質的に沿って広がり、その中心に向かって次第に細くなる。したがって、例えば、浅い凹み24は、その後部セクションで約4mmの幅、その中心セクションで約3.5mmの深さ、その前面セクションで約5mmの幅を有し得る。
【0031】
さらに、凹み24は、その後部セクションでコーナーウィングセクション24aおよび24bを凹ませる。コーナーウィングセクション24aおよび24bは、好ましくは、僅かにかかと部分14へ広がり、その目的は、以下に続く議論から明らかになる。中央部分16の湾曲が原因で、浅い凹み24は、同様の湾曲に従うことが理解される。
【0032】
約2mmの厚みと、浅い凹み24と同様の形状および寸法とを有する柔軟で弾力性のあるアーチばね挿入物26は、浅い凹み24の内部に固定される。アーチばね挿入物26は、中敷10の下部層18の発泡材料よりハードで、かつ、堅い材料から作られる。例えば、アーチばね挿入物26は、例えば、米国Delaware州Wilmington市E.I. du Pont de Nemours and Companyによる商標「DELRIN」の下に販売されるファイバーガラスで満たされたポリプロピレン、ナイロン、ファイバーガラス、ポリプロピレン、織り押出混合物、ABS、熱可塑性ポリマー、カーボングラファイト、ポリアセチル、または、任意の他の適当な材料から生成され得る。
【0033】
アーチばね挿入物26に利用される材料は、一般に、約100,000から500,000ポンド/平方インチ(6.89・10から3.45・10Newton/meter)の範囲、好ましくは、約150,000から400,000p.s.i.(1.03・10から2.76・10N/m)の範囲、さらに好ましくは、約180,000から230,000p.s.i.(1.24・10から1.59・10N/m)の範囲の曲げ率を有する。曲げ率を計測するための技術は、当業者には周知である。
【0034】
中敷10のアーチ領域は、好ましくは、約5から60ポンド/インチ(0.89から10.7Kg/cm)の間の範囲、さらに好ましくは、約5から20ポンド/インチ(0.89から3.75Kg/cm)の間の範囲の堅さを有する。図12は、アーチ堅さのばらつきの効果を示す。図12では、x軸は堅さ(ポンド/インチで表現される)、および、y軸は以下により詳細が述べられる「快適率」である。この図では、ダイヤモンド記号(◆)は母集団の満80%を表わし、一方、四角記号(■)は、母集団の満90%を表わす。堅さが約5ポンド/インチ(0.89Kg/cm)より下に落ちると、中敷10は、十分なサポートを提供しない。一方、アーチ堅さが有意に約60ポンド/インチ(10.7Kg/cm)より大きくなると、中敷は、快適さを失う。上述の好ましい特性を有するために開発された様々な見本は、所望のサポート量をも提供する一方で、優れたアーチの快適さを提供するように示された。
【0035】
堅さを決定するため方法は、米国Massachusetts州canton市Instron Corporationによって販売されるINSTRONTM圧縮強さ試験機の使用を伴った。切り落とされたアーチフランジを有する中敷10は、50ポンド(22.7Kg)のロードセルを備え付けられた試験機のプラットフォームに配置された。中敷アーチの中央領域のたわみ量の計測は、加えられた荷重の関数として記録された。本発明の目的のために、加えられた力の範囲を超えて計測されるとき、堅さは、対応するアーチたわみ観測量に対する加えられた荷重の比重として定義される。
【0036】
快適率は、ばらついたアーチ堅さを有する中敷の異なる見本バージョンの利用者を測量することによって決定された。これらの主観的評価は、以前に自分たちの靴を履いている間に足の不快さを経験したことのある30人の男性と30人の女性とを利用した対の比較クロスオーバー研究から得られた。被験者は、広範にばらつく足のサイズを有し、かつ、足の型の正規分布を表わした。中敷の見本対は、2連続日、かつ、一日あたり少なくとも8時間の間、被験者によって靴の内部に装着された。次に、被験者は中敷の快適さ、サポートの度合い、全体的な満足度を評価した。評点は、試験された個々のアーチ堅さに対する快適さの点数を得るために、組み合わされた。
【0037】
典型的には、アーチばね挿入物26は、接着剤によって凹み24に固定されるが、ばねはまた、型に配置もされ得る。さらに、中敷10の下部セクション18の余りは、そこに成型されることができ、それによって成型操作の間にアーチばね挿入物26の材料に結合され得る。
【0038】
人は中敷10の上を踏むので、アーチばね挿入物26は平らになる。この操作の間、屈曲は、ステップ周期を通して変化する。そのような場合、アーチばね挿入物26のエッジは、外に向かって動き、その結果、中敷10に加えられる重さに対する抵抗に変化はない。すなわち、材料の圧縮のせいで人間がそこを踏むときに抵抗が増加する従来技術の中敷のかさばった発泡アーチ部分とは異なって、抵抗は、実質的に一定である。したがって、本発明の操作では、アーチばね挿入物26は、十分に人間の足のアーチのように振舞い、人間の足は、平らになるときに伸長する。従って、アーチばね挿入物26は、自然の体の動きに従い、かつ、異なる身体構造および異なる歩き方により適応する。すなわち、それぞれの人間の足の要求により適応する。従って、本発明に従う中敷10は、異なるサイズ、長さ、重さ、などに適し、したがって、かさばったアーチ部分を有する従来の中敷よりも多目的である。
【0039】
アーチばね挿入物26のジオメトリおよび材料は、例えば、アーチの厚み、構成、高さなどを変化させることによって、堅さの範囲を最適化するために、容易に設計され得る。中敷10のアーチ領域の堅さは、中敷10の下部層18において利用される材料、アーチばね挿入物26の材料の性質、および、アーチジオメトリの関数である。
【0040】
アーチばね挿入物26は、凹んだコーナーウィングセクション24aと24bとの内部で固定されるウィング26aと26bとをさらに含む。ウィング26aは、闊歩する間に足が自然に動くことを可能にする。すなわち、通常のかかとからアーチへの進行を伴う。従って、人のかかとがまだ発泡材料の十分なクッションによって支えられている間、ウィング26aは、かかとによる打ち込みの後半部分の間、足のアーチが作用を開始するのを許可し、それによって、自然な遷移を提供する。
【0041】
従って、本発明では、中敷10は、従来の中敷のアーチ部分のかさばった発泡材料を、ばねのように機能し、かつ、利用者の足のアーチ領域を快適に支える相対的に薄く柔軟で弾力性のあるアーチばね挿入物26に、取り替える。アーチばね挿入物26によって、中敷10は、歩いている間、足のアーチが平らになるように収縮および伸長し、それによって、個々人の足の要求に適応し、より制御された抵抗を提供する。中敷10は、任意の靴、すなわち、組み込みアーチ支持のついた靴に対してでさえも、不快さを発生させ得る足の下の過剰なかさばりを導入することなしに、挿入し得る。
【0042】
本発明は、「中敷」という単語を使用するが、「中底」または「挿入物」のような他の同等物または同様の単語の使用は、同義であり、かつ、相互に変更可能であると考えられ、さらに、それによってここで特許請求の範囲に掲げられた本発明に含まれることが理解される。
【0043】
さらに、本発明は、主に取り外し可能な中敷に関係して述べられたが、本発明は、靴底に直接組み込まれ得る。さらに、本発明は、靴底を対象とすることが想定される。この点では、取り外し可能な中敷、または、靴に組み込みの中敷を含む履物とともに利用される中敷に対する請求項において参照される。靴に組み込みの中敷の場合、例えば、かかと部分は、固定され得、中央部分とフォアフット部分とは、足が曲がるときに伸長することが許される。
【0044】
添付の図面を参照して特定の本発明の好ましい実施形態が述べられたが、本発明は、それらの明確な実施形態に限定されないことと、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲および意図から逸脱することなく、様々な変更と改変が、該当分野における従来の技術の一つによってそこに達成され得ることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−279419(P2009−279419A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168024(P2009−168024)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【分割の表示】特願2007−122912(P2007−122912)の分割
【原出願日】平成15年8月4日(2003.8.4)
【出願人】(398029706)シェーリング−プラウ ヘルスケア プロダクツ,インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】