説明

イエロートナー

【課題】 イエロー顔料及びC.I.ソルベントイエロー98を用いたイエロートナーを懸濁重合法により製造する場合において、着色力及び耐光性を向上させたトナーを提供する。
【解決手段】 重合性単量体、イエロー着色剤、及びワックスを含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して前記重合性単量体組成物の粒子を形成し、前記粒子に含まれる前記重合性単量体を重合して得られるトナー粒子を有するイエロートナーにおいて、前記イエロー着色剤が、イエロー顔料とC.I.ソルベントイエロー98とを有し、前記イエロー顔料をスチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力をA(mN/m)、前記C.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力をB(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
3.0≦(B−A)≦15.0 (1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるイエロートナーに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像の画質を向上させる観点から、耐光性に優れ、また着色力の高いカラートナーが要求されている。これに対し、トナーに含有される着色剤からのアプローチとしてこれまで様々な検討が行われている。
【0003】
トナーの着色剤として顔料を使用する場合、耐光性には優れるが、トナーの結着樹脂に対して不溶性であるため、粒径が数十乃至数百nmの粒子として結着樹脂中に分散することになり、着色力の向上が課題となっている。
【0004】
また、トナーの着色剤として染料を用いる場合、染料は分子状態で、結着樹脂に染着するため、着色力は一般に良好である。また、この着色力は染料の分子構造に依存する。具体的には、C.I.ソルベントイエロー98の如き着色力の高い分子構造を有する染料を着色剤としてトナーに使用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、C.I.ソルベントイエロー98を含有するトナーは、着色力に優れるものの、耐光性についてはまだ改善の余地があることが分かった。
【0005】
このような課題を解決するために、顔料と染料を併用したトナーが知られている(特許文献2参照)。しかし、懸濁重合法によって得られたトナーにおいて、イエロー顔料とC.I.ソルベントイエロー98を併用した場合、イエロー顔料の分散性が低下してしまい、そのため、着色力が低下しやすくなることが分かった。
【0006】
このように、従来のイエロートナーでは、着色力の向上と耐光性の向上とをさらに高いレベルで両立させることが困難であり、更なる改善が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−250440号公報
【特許文献2】特開2000−162824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、イエロー顔料及びC.I.ソルベントイエロー98を用いたイエロートナーを懸濁重合法により製造する場合において、着色力及び耐光性を向上させたイエロートナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明は、重合性単量体、イエロー着色剤、及びワックスを含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して前記重合性単量体組成物の粒子を形成し、前記粒子に含まれる前記重合性単量体を重合して得られるイエロートナー粒子を有するイエロートナーにおいて、前記イエロー着色剤が、イエロー顔料とC.I.ソルベントイエロー98とを有し、前記イエロー顔料をスチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力をA(mN/m)、前記C.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力をB(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするイエロートナーに関する。
3.0≦(B−A)≦15.0 (1)
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、イエロー顔料及びC.I.ソルベントイエロー98を用いたイエロートナーを懸濁重合法により製造する場合において、着色力及び耐光性を向上させたイエロートナーを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、懸濁重合法によって作製されたイエロートナーにおいて、異なるイエロー着色剤の間の界面張力の関係を制御することにより、イエロートナー粒子中におけるイエロー顔料の分散性を安定化させることができ、着色力及び耐光性の高いイエロートナーを得ることができることを見出し、本発明に至った。
【0012】
本発明者らは、イエロー顔料の分散性が損なわれることなく、着色力を向上させることができるイエロートナーについて鋭意検討を行った。その中でも特に、イエロー顔料の分散性が、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子(以下、液滴とも称する)を造粒してから重合性単量体の反応が進むにつれて低下している点に着目し、この液滴中のイエロー着色剤と水系媒体との間の界面での相互作用について検討を重ねた。
【0013】
その結果、C.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液とイエロー顔料をスチレンに分散させた分散液のそれぞれ水に対する界面張力の差を適切な範囲に調整することにより、該液滴中の重合性単量体の重合反応が完了するまでイエロー顔料の分散状態を維持できることを見出し、本発明に至った。
【0014】
本発明のイエロートナーは、重合性単量体、イエロー着色剤、及びワックスを含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して前記重合性単量体組成物の粒子を形成し、前記粒子に含まれる前記重合性単量体を重合して得られるイエロートナー粒子を有するイエロートナーにおいて、前記イエロー着色剤が、イエロー顔料とC.I.ソルベントイエロー98とを有し、前記イエロー顔料をスチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力をA(mN/m)、前記C.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力をB(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
3.0≦(B−A)≦15.0 (1)
イエロー顔料の分散性が高まるメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
【0015】
一般に水系媒体における重合性単量体組成物の液滴の界面張力は、その値が小さいほど、界面が水に馴染みやすい性質を示す。従って、イエロー顔料をスチレンに分散させた分散液、及び、C.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液のそれぞれの水に対する界面張力が、上記関係式(1)を満たすとき、重合性単量体組成物の液滴中で、C.I.ソルベントイエロー98よりもイエロー顔料が重合性単量体組成物の液滴の外層に分散する傾向を示すと考えられる。その結果、イエロー顔料の分散性が高まり、着色力の優れたトナーが得られると考えている。
【0016】
この界面張力の差(B−A)が3.0mN/m未満なると、重合性単量体組成物の液滴中で、C.I.ソルベントイエロー98よりもイエロー顔料が内層に分散する傾向を示す。つまりは、イエロー顔料が液滴の中心に存在しやすくなり、分散している顔料間距離が小さくなるため、イエロー顔料の凝集が起こりやすくなり、着色力が低下しやすくなる。
【0017】
また、界面張力の差(B−A)が15.0mN/mよりも大きくなると、重合性単量体組成物の液滴中でC.I.ソルベントイエロー98とイエロー顔料とが偏在しやすくなり、C.I.ソルベントイエロー98の層とイエロー顔料の層との層分離が起こりやすくなる。その結果、着色力が低下しやすくなる。
【0018】
本発明のイエロー顔料としては、未処理の化合物が本発明で規定する界面張力を満たす場合には、そのままで用いればよいが、未処理の状態では本発明で規定する界面張力を満たさない場合には、処理剤によって処理を施し、本発明で規定する界面張力を満たすようにした上で用いればよい。尚、処理剤による処理を行った場合には、処理剤を含む処理後の化合物をイエロー顔料とみなす。
【0019】
未処理或いは処理した上で用いることのできるイエロー顔料としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、ベンズイミダゾロン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及び、アリルアミド化合物が挙げられる。より具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
【0020】
これらのイエロー顔料の中でも、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、及び、ベンズイミダゾロン化合物が好ましく、更に好ましくは、ジスアゾ化合物であり、特に好ましくは、エステル結合部位を有するC.I.ピグメントイエロー155である。このようなイエロー顔料を用いることによって、帯電安定性に優れたイエロートナーが得られる。
【0021】
処理剤としては、ロジン、ロジン酸、不均化ロジン、マレイン酸エステル樹脂、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、及び、テトラヒドロアビエチン酸が挙げられる。その中でも、イエロー顔料が、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びテトラヒドロアビエチン酸からなる群より選択される少なくとも一つの処理剤によって処理されたC.I.ピグメントイエロー155、又は、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びテトラヒドロアビエチン酸からなる群より選択される少なくとも一つの処理剤によって処理されたC.I.ピグメントイエロー180であることが好ましく、より好ましくは、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸からなる群より選択される少なくとも一つの処理剤によって処理されたC.I.ピグメントイエロー155である。また、イエロー顔料のカップラーの構造、結晶構造、及び、一次粒径によっても、界面張力を制御することが可能である。
【0022】
イエロー顔料は、重合性単量体100.0質量部に対し、2.0質量部以上10.0質量部以下添加して用いることが好ましい。
【0023】
さらに本発明では、イエロー染料としてC.I.ソルベントイエロー98を用いる必要がある。C.I.ソルベントイエロー98の含有量としては、重合性単量体100.0質量部に対し、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
【0024】
また、重合性単量体100.0質量部に対するイエロー顔料の含有量をX(質量部)、C.I.ソルベントイエロー98の含有量をY(質量部)としたとき、前記Xと前記Yが、下記式(2)の関係を満たすことが、耐光性の向上の点から好ましい。
{X/(X+Y)}≧0.50 (2)
より好ましくは、前記Xと前記Yが、下記式(2)’の関係を満たすことである。
0.92≧{X/(X+Y)}≧0.50 (2)’
【0025】
以下、本発明のトナーを得る上で、必須の技術となる懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法を説明する。重合性単量体、イエロー着色剤、ワックス、及び必要に応じた他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機に依って均一に溶解または分散させる。これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、前記重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に分散して粒子を形成(造粒)し、粒子中の重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を製造する。なお、前記重合開始剤は、重合性単量体組成物中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に前記重合性単量体組成物を分散する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
【0026】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル共重合体、エポキシ樹脂、及び、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。上記結着樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
【0027】
結着樹脂を生成するための重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル系単量体或いはメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドの如きエン系単量体。
【0028】
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナーのTHF可溶成分の分子量を制御するために、結着樹脂を合成する時に架橋剤を用いてもよい。
【0029】
2官能の架橋剤として、以下のものが挙げられる。
ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び前記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
【0030】
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート。
【0031】
これらの架橋剤の添加量は、重合性単量体100.0質量部に対して、0.05質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上1.5質量部以下である。
【0032】
本発明のトナーに使用可能なワックスとしては、以下のものが挙げられる。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体(誘導体には酸化物や、ビニル系重合性単量体とのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる)、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ンワックス。これらワックスは単独で、または2種以上を併せて用いられる。
【0033】
本発明に用いられるワックスの含有量は、重合性単量体100.0質量部に対して3.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは6.0質量部以上15.0質量部以下である。
【0034】
更に、前記ワックスは、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時のDSC曲線において、最大吸熱ピーク温度が60℃以上120℃以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは70℃以上110℃以下である。
【0035】
本発明において、上述の結着樹脂と共にポリエステル樹脂等のカルボキシ基を有する極性樹脂を用いることができる。
【0036】
特に本発明における懸濁重合法によりトナー粒子を製造する場合に、重合性単量体組成物中に極性樹脂を添加すると、極性樹脂によってトナー粒子の表面に薄層を形成させることができる。さらに、結着樹脂との親和性が高い極性樹脂を用いることで、トナー粒子中心から表面に向けて、傾斜的に極性樹脂を増加させた構造を持たせるなど、トナー粒子中における樹脂の構造を制御することができる。即ち、極性樹脂を添加することは、コアシェル構造のシェル部を強化することができる。
【0037】
上記極性樹脂の好ましい添加量は、重合性単量体100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.5質量部以上20.0質量部以下である。
【0038】
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をさらに添加することも可能である。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
【0039】
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
【0040】
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。
モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、及び、樹脂系帯電制御剤。
【0041】
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩の如きによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
【0042】
本発明のトナーは、これら荷電制御剤を単独で或いは2種類以上組み合わせて含有してもよい。
荷電制御剤の好ましい配合量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.1質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。しかしながら、本発明のトナーには、荷電制御剤の添加は必須ではなく、トナー規制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含ませる必要はない。
【0043】
本発明のトナーに用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。
【0044】
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性単量体100質量部に対して3質量部以上20質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独または混合して使用される。
【0045】
本発明において、水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、公知の無機系及び有機系の分散安定剤を用いることができる。
【0046】
具体的には、無機系の分散安定剤の例としては、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
【0047】
また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
【0048】
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
【0049】
本発明のトナーに用いられる水系媒体調製時に使用する分散安定剤としては、無機系の難水溶性の分散安定剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散安定剤を用いることが好ましい。
【0050】
また、本発明においては、水系媒体を調製する場合に、これらの分散安定剤の使用量は重合性単量体100.0質量部に対して、0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300質量部以上3,000質量部以下の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
【0051】
上記のような分散安定剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散安定剤の粒子を得るために、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、分散安定剤を生成させて水系媒体を調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。
【0052】
本発明のトナーは、トナー粒子と、無機微粉体等の外添剤とを有するトナーであることが好ましい。
【0053】
前記無機微粉体としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体またはそれらの複酸化物微粉体の如き微粉体が挙げられる。前記無機微粉体の中でもシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体が好ましい。また、無機微粉体以外の外添剤として、各種樹脂粒子、脂肪酸金属塩などが挙げられる。これらを単独で、あるいは複数を併用して用いることが好ましい。
【0054】
前記シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカ、ゾル−ゲル法により製造されるゾルゲルシリカなどが挙げられる。無機微粉体としては、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO2−の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他の如き金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって製造された、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体であっても良い。
【0055】
前記無機微粉体を疎水化処理することによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成できるので、疎水化処理された無機微粉体を用いることが好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿してしまうと、トナーとしての帯電量が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなり、耐久性が低下する傾向にある。
【0056】
無機微粉体の疎水化処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で或いは併用して用いられても良い。
【0057】
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理した疎水化処理無機微粉体が、環境特性に優れるため好ましい。
以下、本発明に係る界面張力の測定方法について説明する。
【0058】
<界面張力測定>
本発明における界面張力は、以下に述べる懸滴法により測定した。具体的には温度25℃の環境下にて協和界面科学(株)製のFACE 固液界面解析装置 Drop Master700を用い、レンズ部の視野としてWIDE1にて測定した。
【0059】
まず、鉛直方向に内径が0.4mmの細管の先端部分をイオン交換水に入れる。次に細管はシリンジ部に接続する。シリンジ部には測定するサンプルをスチレンに溶解させた溶解液(単に溶解液とも称する)またはサンプルをスチレンに分散させた分散液(単に分散液とも称する)を脱気した状態で入れる。なお、本発明の測定方法においては、溶解液または分散液のサンプル濃度は0.99質量%で実施した。
【0060】
次にシリンジ部を協和界面科学(株)製 AUTO DISPENSER AD−31に接続して溶解液または分散液を細管から押し出すことにより、イオン交換水内で細管先端部に液滴を作成することができる。そして、この液滴の形状から水との界面張力を計算する。液滴を作成する上での制御や計算方法については協和界面科学(株)製の測定解析システムを用いて行った。なお、計算に必要な水と溶解液または分散液の密度差は、水とスチレンの密度差である0.1g/cmとして行った。最終的な界面張力の測定結果は10回の測定値の平均値とした。
【実施例】
【0061】
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
【0062】
<イエロー顔料1の製造例>
C.I.ピグメントイエロー155に対して、処理剤としてジヒドロアビエチン酸を用いて処理を行い、スチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力が19.8mN/mとなるように調製されたイエロー顔料1を作製した。
【0063】
<イエロー顔料2乃至9の製造例>
イエロー顔料2乃至9は、表1に示す処方に変更し、スチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力を満たすように調製した以外はイエロー顔料1と同様の方法で作製した。
【0064】
【表1】

【0065】
<ポリエステル樹脂1の製造例>
・テレフタル酸 15.00部
・イソフタル酸 15.00部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 70.00部
・シュウ酸チタン酸カリウム 0.03部
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、上記各成分を仕込み、窒素雰囲気下、220℃で17時間反応を行い、更に10乃至20mmHgの減圧下で0.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.10部添加して、175℃で2.0時間反応させ、ポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は9,500、ガラス転移温度(Tg)は73℃、酸価(Av)は8.0mgKOH/gであった。
【0066】
<カルボキシ基含有スチレンアクリル樹脂1の製造例>
・スチレン(St) 91.65部
・メチルメタクリレート(MMA) 2.50部
・メタクリル酸(MAA) 3.35部
・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(2HEMA) 2.50部
・パーブチルD(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製)) 2.00部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、140℃に昇温させた後、2時間かけて滴下した。更に、キシレン還流下で10時間保持し、重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去してカルボキシ基含有スチレンアクリル樹脂1を得た。得られたカルボキシ基含有スチレンアクリル樹脂1の重量平均分子量(Mw)は14,500、ガラス転移温度(Tg)は92℃、酸価(Av)は20.3mgKOH/gであった。
【0067】
<イエロートナー1の製造例>
スチレン60.0質量部に対して、イエロー顔料1を5.0質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を1.0質量部用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
【0068】
一方、別容器に60℃に加温したイオン交換水900質量部、リン酸三カルシウム2.5質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10000rpmにて撹拌し、水系媒体を得た。
【0069】
また、下記材料をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5000rpmにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 66.0質量部
・スチレン 10.0質量部
・n−ブチルアクリレート 30.0質量部
・C.I.ソルベントイエロー98 1.0質量部
・ポリエステル樹脂1 5.0質量部
更に、60℃に加温した後、ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)10.0質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。なお、ここで用いられたC.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力は32.3mN/mである。
【0070】
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。5時間反応させた後、更に85℃に昇温し、2時間反応させた。冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。トナー粒子を濾別し、水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥し、イエロートナー粒子1を得た。得られたイエロートナー粒子1の重量平均粒径(D4)をコールター・カウンターMultisizer3(ベックマン・コールター社製)で測定したところ、6.2μmであった。
【0071】
このイエロートナー粒子1を100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.8質量部(数平均一次粒子径:16nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で10分間乾式混合して、イエロートナー1を得た。イエロートナー1の各種物性を表3に示す。
【0072】
<イエロートナー2乃至14の製造例>
イエロートナー1の製造例において、添加するイエロー顔料の種類や添加量、及びC.I.ソルベントイエロー98の添加量を表2に示す組成に変更することを除いて、イエロートナー1の製造例と同様にしてイエロートナー2乃至14を製造した。得られたイエロートナー2乃至14の各種物性を表3に示す。
【0073】
<イエロートナー15の製造例>
イエロートナー1の製造例において、ポリエステル樹脂1の代わりに前記カルボキシ基含有スチレンアクリル樹脂1を用いたことを除いて、イエロートナー1の製造例と同様にしてイエロートナー15を製造した。得られたイエロートナー15の各種物性を表3に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
〔表3において、Aはイエロー顔料をスチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力(mN/m)、BはC.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力(mN/m)を表す。また、Xは重合性単量体100.0質量部に対するイエロー顔料の含有量(質量部)、Yは重合性単量体100.0質量部に対するC.I.ソルベントイエロー98の含有量(質量部)を表す。〕
【0077】
〔実施例1〕
上記イエロートナー1について、以下の評価方法に基づいて評価を行った。
なお、評価機としてはLBP7200C(キヤノン社製)を使用し、イエロートナーカートリッジに入っていたイエロートナーをイエロートナー1に詰め替えて評価を行った。常温常湿環境下(23℃、55%RH)において着色力及び耐光性の評価を行い、高温高湿環境下(30℃、80%RH)においてカブリの評価を行った。なお、評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、秤量80g/m)を用いた。評価結果を表4に示す。
【0078】
(1)着色力
評価紙上のトナーの載り量が0.50mg/cmであるベタ画像を作成し、その画像濃度をカラー反射濃度計(X−RITE 404A:X−Rite Co.製)を用いて測定し、評価した。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.35以上、1.40未満
C:画像濃度が1.20以上、1.35未満
D:画像濃度が1.20未満
【0079】
(2)耐光性
評価紙上のトナーの載り量が0.5乃至0.6mg/cmのべタ画像を作成し、カーボンアークランプを光源とした紫外線オートフェードメーター「FAL−AU」(スガ試験機社製)を用い、「JIS K 7102」に準じて評価した。照射時間を300時間とし、光照射前後の画像濃度の維持率を算出し、画像の耐光性を評価した。画像濃度維持率(%)が100%に近い程、画像耐光性に優れることになる。
A:90%以上
B:90%未満
【0080】
(3)カブリ
5%の印字比率の画像を2,800枚印字した後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と記録材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはブルーフィルターを用いた。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上
【0081】
〔実施例2乃至12、比較例1乃至3〕
イエロートナー2乃至15を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0082】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性単量体、イエロー着色剤、及びワックスを含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して前記重合性単量体組成物の粒子を形成し、前記粒子に含まれる前記重合性単量体を重合して得られるイエロートナー粒子を有するイエロートナーにおいて、
前記イエロー着色剤が、イエロー顔料とC.I.ソルベントイエロー98とを有し、
前記イエロー顔料をスチレンに分散させた分散液の水に対する界面張力をA(mN/m)、前記C.I.ソルベントイエロー98をスチレンに溶解させた溶解液の水に対する界面張力をB(mN/m)としたとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするイエロートナー。
3.0≦(B−A)≦15.0 (1)
【請求項2】
前記重合性単量体100.0質量部に対する前記イエロー顔料の含有量X(質量部)が2.0質量部以上10.0質量部以下であり、前記C.I.ソルベントイエロー98の含有量Y(質量部)が0.5質量部以上5.0質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
【請求項3】
前記Xと前記Yが、下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のイエロートナー。
{X/(X+Y)}≧0.50 (2)
【請求項4】
前記イエロー顔料が、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びテトラヒドロアビエチン酸からなる群より選択される少なくとも一つの処理剤によって処理されたC.I.ピグメントイエロー155、又は、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸及びテトラヒドロアビエチン酸からなる群より選択される少なくとも一つの処理剤によって処理されたC.I.ピグメントイエロー180であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項5】
前記イエロー顔料が、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸及びデヒドロアビエチン酸からなる群より選択される少なくとも一つの処理剤によって処理されたC.I.ピグメントイエロー155であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のイエロートナー。

【公開番号】特開2013−113981(P2013−113981A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259147(P2011−259147)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】