説明

イオンフロー静電記録ヘッドの製造方法

【目的】本発明は、誘電体層を安価に製造でき、イオンの発生効率が高く、放電による誘電体層の破壊を防止して長寿命にすることを最も主要な特徴とする。
【構成】誘電体ペーストを加熱硬化して形成された誘電体層4上にペルヒドロポリシラザンと希釈用キシレンとを主成分とする溶液を塗布し、この誘電体層4上に塗布溶液を介して第2電極6を位置合わせ状態で配置した後、塗布溶液を加熱硬化して誘電体層4と第2電極6との間を接着することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば静電式の印刷や複写を行なう静電記録装置で使用されるイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷等において、高電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的に被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯電させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロー静電記録ヘッドは誘電体層とその誘電体層の一方の側に固着され、第1の方向に伸びる複数の第1電極と、誘電体層の他方の側に固着され、第1電極の伸び方向と交差する方向に伸びる複数の第2電極とを有し、複数の第1電極と複数の第2電極とでマトリックスを構成する。
【0004】このマトリックスの選択された部分に対応する第1電極と第2電極との間に交互に高電圧を印加することにより、その部分に対向する第2電極の近傍に正・負のイオンが発生する。この発生したイオンを選択的に抽出して被帯電部材を帯電させることができる。したがって、マトリックス構造の電極を選択的に駆動することにより、ドットによる静電記録を行なうことができる。
【0005】ここで使用される誘電体層を形成する誘電物質は、イオン発生のために印加される高電圧でも絶縁破壊しないことが要求される。また、イオンの発生を効率よくするためには誘電体層を形成する誘電物質として高い誘電率を持つものが適している。
【0006】例えば特表昭57−501348号公報では誘電物質としてマイカが用いられ、有機ポリシロキサン系の接着剤により電極に固着させている。ここで用いられるマイカは、シート状で厚さは非常に薄いものとなっている。
【0007】また、近年では特開平2−153760号公報のようにマイカの代わりにシリコーン変性ポリマー等の有機高分子材料に酸化チタンや、チタン酸バリウムなどの無機の粉末を分散させてペースト状にした誘電物質をフレキシブル基板およびこの基板上に積層された第1電極上に塗布し、加熱硬化することにより、誘電体層を形成する方法も提唱されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】イオンフロー静電記録ヘッドの誘電体層を形成する誘電物質として使用されるマイカは電気特性に優れているが、天然物であるため、均一で安定な品質を得にくい問題がある。さらに、天然物のマイカを任意の形状に成形するすることは非常に困難なため、イオンフロー静電記録ヘッドの安定供給とコスト面で大きな問題がある。
【0009】また、誘電体ペーストを塗布したのち加熱硬化することにより誘電体層を形成する方法は、有機物をバインダーとして用いるため、高い誘電率を得ることが難しいうえ、イオンフロー静電記録ヘッドの動作中、イオン発生時の放電により、誘電体層の表面分子鎖の結合が切断され易いため、絶縁破壊を起こし易い問題がある。
【0010】これは、誘電体ペーストを加熱硬化して形成された誘電体層の誘電率の低さを補なうために例えば印加電圧を高くしたり、誘電体層を薄くする必要性があるので、より顕著な問題として発現している。
【0011】さらに、誘電体層上に第2電極を積層する作業時には、有機高分子からなる接着剤や、粘着材が用いられるが、これらもまた耐電圧が十分ではなく、絶縁破壊の起点となるおそれがある。
【0012】また、誘電体層上に塗布された接着剤や、粘着材が第2電極の開口部内にはみ出すことにより、イオンフロー静電記録ヘッドの動作時にこのイオンフロー静電記録ヘッドからのイオン発生を阻害するおそれがある。
【0013】本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、誘電体層としてマイカを用いるより場合よりも安価に製造することができるうえ、イオンの発生効率が高く、放電による誘電体層の破壊を起こし難い、長寿命のイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は有機高分子材料と溶剤からなるバインダーに無機の粉体を分散させた誘電体ペーストをイオンフロー静電記録ヘッド本体の絶縁基板上およびこの絶縁基板上に積層された第1電極上に塗布したのち、加熱硬化して誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、少なくともアルコキシドシランまたはシラザンのうちのいずれか一方と、希釈用溶剤とを主成分とする溶液を前記誘電体層上に塗布する溶液塗布工程と、前記誘電体層上に前記塗布溶液を介して第2電極を位置合わせ状態で配置した後、前記塗布溶液を加熱硬化して前記誘電体層と前記第2電極との間を接着する第2電極接着工程とを具備したものである。
【0015】
【作用】上記の方法では誘電体ペーストを加熱硬化して誘電体層を形成したのち、この誘電体層上に少なくともアルコキシドシランまたはシラザンのうちのいずれか一方と、希釈用溶剤とを主成分とする溶液を塗布し、さらにこの誘電体層上に塗布溶液を介して第2電極を位置合わせ状態で配置した後、塗布溶液を加熱硬化して誘電体層と第2電極との間を接着することにより、誘電体層上で加熱硬化された塗布溶液によってSiO2 を主成分とする珪素化合物層を形成し、誘電体層表面からのイオンの発生効率を高める。また、有機高分子による接着剤、粘着材を用いる必要がないため、絶縁破壊を助長したり、第2電極の開口部に接着剤、粘着材がはみ出してイオン発生を阻害することもない。さらに、放電による誘電体層の破壊は主に表面において顕著であるが、有機高分子に比べ結合が極めて強いSiO2 を主成分とする珪素化合物層を形成することにより、放電による破壊が起こり難くするようにしたのである。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図面を参照して説明する。図1(A),(B)は静電記録装置のイオンフロー静電記録ヘッド1の概略構成を示すもので、2はイオンフロー静電記録ヘッド1の絶縁基板である。
【0017】この絶縁基板2上にはイオン発生用の誘導電極である複数の第1電極3…が設けられている。これらの複数の第1電極3…は一方向に向けて略平行に並設されている。また、絶縁基板1上には第1電極3…の並設面側にこれらの第1電極3…を埋設する状態で誘電体層4が設けられている。この誘電体層4は絶縁基板2よび第1電極3…上に塗布された誘電体ペーストを加熱硬化させて形成されている。
【0018】また、誘電体層4の表面にはSiO2 を主成分とする珪素化合物層によって形成される接着剤層5を介して放電電極である複数の第2電極6…が接着されている。この場合、複数の第2電極6…は誘電体層4における絶縁基板2とは反対側の面に第1電極3…と交差する方向に並設されており、第1電極3…と第2電極6…とによってマトリックスが構成されている。そして、第2電極6…にはこのマトリックスと対応する部位にそれぞれイオン発生用の開口部6a…が形成されている。
【0019】また、誘電体層4の第2電極6…の並設面側には第2電極6…を埋設する状態で絶縁体層7が設けられている。この絶縁体層7には第2電極6…の各開口部6a…と対応する部位に開口部7a…が形成されている。
【0020】さらに、絶縁体層7の表面には帯状の第3電極8が設けられている。この第3電極8には第1電極3…と第2電極6…とのマトリックスと対応する部位に開口部8a…が形成されている。この第3電極8の開口部8a…は絶縁体層7の開口部7a…および第2電極6…の開口部6a…と連通されてイオンフロー静電記録ヘッド1のイオン流通過口9…が形成されている。
【0021】そして、イオンフロー静電記録ヘッド1の動作時には印字信号にもとづいて第1電極3…と第2電極6…との間のマトリックスが適宜選択され、選択されたマトリックス部分に対応する第1電極3…と第2電極6…との間に交流電圧が印加される。これにより、選択されたマトリックス部分に対応する第2電極6…の開口部6a…内の近傍部位に正負イオンが発生する。このとき、第2電極6…と第3電極8との間にはバイアス電圧が印加され、その極性によって決まるイオンのみが第2電極6…の開口部6a…内の近傍部位に発生したイオンから抽出される。そして、抽出されたイオンは絶縁体層7の開口部7aおよび第3電極8の開口部8a…を通過し、図示しない誘電体ドラムを局部的に帯電させる。したがって、第1電極3…および第2電極6…の選択的駆動により、誘電体ドラム上にドット潜像を形成することができる。
【0022】次に、図1(A),(B)のイオンフロー静電記録ヘッド1の製造方法について詳細に説明する。まず、絶縁基板2上に第1電極3…が形成される。この場合、絶縁基板2は例えば厚さ100μmのガラス−エポキシFRP(繊維強化プラスチック)板が使用される。そして、この絶縁基板2上に例えば厚さ18μmの銅箔が貼着されたのち、絶縁基板2上の銅箔が通常のフォトリソグラフィーおよびエッチング加工でパターニングされて複数の第1電極3…が回路形成される。続いて、第1電極3…が貼りつけられた絶縁基板2は洗浄され、乾燥される。
【0023】また、絶縁基板2上に第1電極3…を形成した後、絶縁基板2上の第1電極3のパターン間および第1電極3…上に誘電体層4が形成される。この誘電体層4の形成時には予め誘電体ペーストを作成する。
【0024】この誘電体ペーストはバインダー樹脂にシリコーン変性ポリエステル/アルキッド、例えばイー・エス・エル日本株式会社製の「ESL241」(商品名)を使用し、これに希釈用溶剤として酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチルを加えて粘度を調整しながら、酸化チタン(TiO2 )の粉体(フィラー)を徐々に加えて混合することにより、混合粉体の含有量82wt.%に調整したものである。
【0025】また、減圧脱泡装置により、誘電体ペーストの脱泡作業を行なう。ここで加えた粉体は、シランカップリング剤の3〜5wt.%エタノール溶液中で混合し、乾燥させたものである。さらに、絶縁基板2上および第1電極3…上に、接着性向上のためのシランカップリング剤が予め塗布されたのち、80度の温風で風乾させる。
【0026】次に、この誘電体ペーストは図2に示すように例えばスクリーン印刷等の手段によって絶縁基板2上の第1電極3のパターン間および第1電極3…上に塗布される。続いて、塗布された誘電体ペーストは150℃で4時間加熱硬化され、例えば厚さ33μmの誘電体層4が形成される(誘電体層形成工程)。
【0027】次に、この誘電体層4の上にペルヒドロポリシラザン、例えば東燃(株)社製の「東燃ポリシラザン」(商品名)を希釈用溶剤であるキシレンで約20%に希釈した溶液が塗布される(溶液塗布工程)。
【0028】さらに、誘電体層4の上にこの塗布溶液を介して第2電極6…が載置される。この第2電極6…は予め厚さ30μmのステンレス箔をフォトエッチング等で複数の第2電極6…および各第2電極6の開口部6a…の電極パターンがそれぞれパターニングされた電極板によって形成されている。そして、この第2電極6…の電極板は図3に示すように第2電極6…の各開口部6a…を複数の第1電極3…に位置合わせした状態で、誘電体層4の上に塗布溶液を介して接合される。
【0029】さらに、誘電体層4と第2電極6…との接合後、上記積層体が大気中で約200度で1時間加熱されることにより、ペルヒドロポリシラザン溶液が加熱硬化され、誘電体層4に第2電極6…が固定される。この場合、ペルヒドロポリシラザン溶液の加熱硬化によってSiO2 を主成分とする珪素化合物層の接着剤層5が形成され、この接着剤層5を介して第2電極6…が誘電体層4に接着される(第2電極接着工程)。
【0030】次に、この第2電極6…およびこの第2電極6…の各開口部6a…内の誘電体層4の上に絶縁体層7を形成する例えば厚さ100μm程度の感光性絶縁フィルム(ソルダーレジスト)を真空ラミネートする。さらに、この感光性絶縁フィルムに露光・現像等のフォトエッチング処理を施して複数の第2電極6…の開口部6a…と対応した開口部7aを形成する。
【0031】また、このように形成された絶縁体層7の上に例えば厚さ30μm程度のステンレス箔に第2電極6…の開口部6a…と対応した開口部8a…が形成された第3電極8が接合される。この第3電極8はその開口部8a…を第2電極6…の開口部6a…と対応させた状態で位置決めして接着されることにより、イオンフロ−静電記録ヘッド1が製造される。
【0032】そこで、上記方法によれば誘電体ペーストを加熱硬化して誘電体層4を形成したのち、この誘電体層4上にペルヒドロポリシラザンと、キシレンとを主成分とする溶液を塗布し、さらにこの誘電体層4上に塗布溶液を介して第2電極6…を位置合わせ状態で配置した後、塗布溶液を加熱硬化して誘電体層4と第2電極6…との間を接着するようにした。
【0033】ここで、誘電体層4の表面からの放電の効率を上げるためには高い誘電率を持つ物質を誘電体層4に用いる事が一般的であるが、SiO2 の存在がイオンの発生効率を向上させる事が鋭意検討の結果、確認されている。このSiO2 は誘電率自体は高くなく、高誘電化による効果ではない事は明らかである。
【0034】また、アルコキシドシラン、シラザンを加熱硬化することによりSiO2 を主成分とする珪素化合物が得られることは一般に知られている。したがって、本実施例のように誘電体層4上にペルヒドロポリシラザン溶液を塗布し、第2電極6…を配置後、加熱硬化してSiO2 を主成分とする珪素化合物層の接着剤層5を形成することにより、誘電体層4表面からのイオンの発生効率を高めることができる。
【0035】そのため、イオンフロー静電記録ヘッド1の動作時に従来に比べて印加電圧を下げたり、誘電体層4の厚さを厚くすることができるので、絶縁破壊を起こし難くすることができる。
【0036】また、第2電極6…を誘電体層4表面に固定する手段として従来のように有機高分子による接着剤、粘着材を用いる必要がないので、イオンフロー静電記録ヘッド1の動作時に絶縁破壊を助長したり、第2電極6…の開口部6a…内に接着剤、粘着材がはみ出してイオン発生を阻害するおそれもない。
【0037】さらに、イオンフロー静電記録ヘッド1の動作時に放電による誘電体層4の破壊は主に表面において顕著であるが、有機高分子に比べて結合が極めて強いSiO2 を主成分とする珪素化合物層の接着剤層5を形成することにより、放電による破壊が起こり難くすることができる。そのため、誘電体層4の表面の耐電圧性を高めることができ、極めて長寿命のイオンフロー静電記録ヘッド1を得る事ができる。
【0038】次に、この発明の第2の実施例について説明する。この実施例では誘電体層4の形成時に使用される誘電体ペーストが変更されている。すなわち、ここでは誘電体物質のバインダーとしてビスマレイミド・トリアジンレジンである三菱瓦斯化学株式会社製の「BT RESIN」(商品名)を用い、希釈用溶剤として酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチルを用いて粘度を調整しながら、酸化チタンの粉体を徐々に加えて混合し、混合粉体の含有量82wt.%の誘電体ペーストを作成する。
【0039】また、減圧脱泡装置により、誘電体ペーストの脱泡作業を行なう。ここで加えた粉体は、シランカップリング剤の3〜5wt.%エタノール溶液中で混合し、乾燥させたものである。さらに、絶縁基板2上および第1電極3…上に、接着性向上のためのシランカップリング剤が予め塗布されたのち、80度の温風で風乾させる。
【0040】次に、この誘電体ペーストは図2に示すように例えばスクリーン印刷等の手段によって絶縁基板2上の第1電極3のパターン間および第1電極3…上に塗布される。続いて、塗布された誘電体ペーストは150℃で4時間加熱硬化され、例えば厚さ33μmの誘電体層4が形成される(誘電体層形成工程)。
【0041】次に、この誘電体層4の上にアルコキシドシラン溶液を塗布したのち、誘電体層4の上にこの塗布溶液を介して第2電極6…が載置される。この第2電極6…は予めステンレス箔をフォトエッチング等で複数の第2電極6…および各第2電極6の開口部6a…の電極パターンがそれぞれパターニングされた電極板によって形成されている。そして、この第2電極6…の電極板は第2電極6…の各開口部6a…を複数の第1電極3…に位置合わせした状態で、誘電体層4の上にアルコキシドシランの塗布溶液を介して接合される。
【0042】さらに、誘電体層4と第2電極6…との接合後、上記積層体が大気中で約200度で1時間加熱されることにより、アルコキシドシランの塗布溶液が加熱硬化され、誘電体層4に第2電極6…が固定される。この場合、アルコキシドシラン溶液の加熱硬化によってSiO2 を主成分とする珪素化合物層の接着剤層5が形成され、この接着剤層5を介して第2電極6…が誘電体層4に接着される(第2電極接着工程)。他の工程は、第1の実施例と同様である。
【0043】そこで、上記方法では誘電体層4上に塗布されたアルコキシドシラン溶液を加熱硬化してSiO2 を主成分とする珪素化合物層の接着剤層5を形成し、この接着剤層5を介して誘電体層4と第2電極6…との間を接着するようにしたので、この場合も第1の実施例と同様に、誘電体層4表面からのイオンの発生効率を高めることができる他、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、その他この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば誘電体ペーストを加熱硬化して誘電体層を形成したのち、この誘電体層上に少なくともアルコキシドシランまたはシラザンのうちのいずれか一方と、希釈用溶剤とを主成分とする溶液を塗布し、さらにこの誘電体層上に塗布溶液を介して第2電極を位置合わせ状態で配置した後、塗布溶液を加熱硬化して誘電体層と第2電極との間を接着するようにしたので、誘電体層としてマイカを用いるより場合よりも安価に製造することができるうえ、イオンの発生効率が高く、放電による誘電体層の破壊を起こし難く、イオンフロー静電記録ヘッド本体の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示すもので、(A)はイオンフロ−静電記録ヘッドの概略構成を示す要部の縦断面図、(B)はイオンフロ−静電記録ヘッドの断面斜視図。
【図2】 誘電体層形成工程を説明するための要部の縦断面図。
【図3】 第2電極接着工程を説明するための要部の縦断面図。
【符号の説明】
2…絶縁基板,3…第1電極,4…誘電体層,5…接着剤層,6…第2電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機高分子材料と溶剤からなるバインダーに無機の粉体を分散させた誘電体ペーストをイオンフロー静電記録ヘッド本体の絶縁基板上およびこの絶縁基板上に積層された第1電極上に塗布したのち、加熱硬化して誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、少なくともアルコキシドシランまたはシラザンのうちのいずれか一方と、希釈用溶剤とを主成分とする溶液を前記誘電体層上に塗布する溶液塗布工程と、前記誘電体層上に前記塗布溶液を介して第2電極を位置合わせ状態で配置した後、前記塗布溶液を加熱硬化して前記誘電体層と前記第2電極との間を接着する第2電極接着工程とを具備したことを特徴とするイオンフロー静電記録ヘッドの製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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