説明

イオン線治療用フレキシブルエネルギーフィルタ

a)プラスチックまたは水等価材料のクッション(4)、あるいは、プラスチックまたは水等価材料の少なくとも2つのソフトシートの積層体(4)と、b)クッションの表面またはプラスチックまたは水等価材料のソフトシートの表面に設けられた、あるいは、クッション中に埋め込まれた、または、プラスチックまたは水等価材料のソフトシート中または2つのプラスチックまたは水等価材料のソフトシート(4)の間に埋め込まれた、複数の金属粒子(8)好ましくは金属球体の層(6)であって、組織に入射する前の粒子線装置の出射口におけるビーム走査領域の断面積に少なくとも相当する断面積を有する層(6)と、を有する、ことを特徴とする粒子線治療用フレキシブルエネルギーフィルタ(2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン線治療用フレキシブルエネルギーフィルタに関する。また、本発明は、陽子線またはイオン線用のガントリまたは固定ビームラインにおける該フレキシブルエネルギーフィルタの使用に関する。さらに、本発明は、ビームが組織に入る前の、陽子線またはイオン線治療におけるエネルギー拡散を増大させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
陽子線またはイオン線(ハドロン治療)を用いた放射線治療において、患者組織内への透過深さは、組織に入射する際の粒子のエネルギーに依存する。深さに依存した線量分布はブラッグ曲線により特徴付けられる。すなわち、線量は、深さ方向でほぼ一定であるが、その範囲の終端部における粒子の停止前の最後の1〜2cmにおいて増大する。ブラッグピークの幅は、患者に入射するイオン線のエネルギー拡散により一部定められるが、通常、腫瘍への照射に直接用いるには狭すぎる。したがって、図1(a)に示されているように、ブラッグピークは、異なる範囲を有する曲線を「重ねる」ことにより(すなわち、異なるエネルギーを用いて)、腫瘍の厚さ(標的領域)全体に拡散される。このように曲線を重ねることにより、腫瘍の厚さと同じ厚さの高線量領域が形成される。図1(b)は、エネルギー調整の位置によるブラッグピークの形状への影響を示す。上図は、ノズルにおけるエネルギー調整を示し、下図は、分析系の前の、ビームラインにおけるエネルギー調整を示す。
【0003】
この範囲調整、すなわち実際のエネルギー調整は、ビーム伝送系の最後の部分(ノズル)において行うことができる。この部分は、たとえば、患者に対する陽子線またはイオン線の方向を調整するための、回転型ビーム伝送系(ガントリともいう)に設けられる。たとえば、PLEXIGLAS(登録商標)製の回転ホイールをビーム経路に挿入してアジマス方向の厚さを変えてもよく、あるいは、任意の数のPLEXIGLAS(登録商標)のプレートをビーム経路に挿入してもよい(図1(b)上図)。5mm厚のシートをビーム経路に挿入することにより、組織中のブラッグピークは5mmずつ延長される(図1(b)上右図)。調整ホイールまたはプレートの前の元のビームにおけるエネルギー分布は一定であるので、ブラッグピークの形状は変化しない。深さ方向の位置のみが変化する。
【0004】
範囲調整を、粒子加速機内で、または、加速器の直後に設けられたデグレーダを用いて行うとき、ノズル内での範囲調整を用いるシステムと比べて、患者に達するビームの絶対エネルギー分布は、ビームエネルギーが低下するにつれてより低いものとなる。したがって、ブラッグピークは、図1(b)の下右図に示されるように、より低いエネルギーにおいてより鋭いものとなる。この方法は、ポール・シェラー研究所(スイス国、5232、Villigen)のガントリ2において用いられるが、上流でのエネルギー調整を採用する他のガントリまたは固定ビームラインにも同様に用いることができる。
【0005】
比較的低いビームエネルギーにおける鋭いブラッグピークは、鋭いエッジの線量分布が必要である場合に有益である。しかし、ブラッグ曲線を重ねる必要がある場合、目標の深さの線量分布を得るためには、より鋭いブラッグピークにはより多くのブラッグ曲線(すなわちビームエネルギー)が必要とされる。これは100MeV以下のビームエネルギーを印加する際に問題となり始める。この問題は、いくつかの方法により対処することができる。
【0006】
第1の解決手段は、ノズルに挿入される、100〜110MeVの陽子を止めるために十分な厚さを有するレンジシフタ(グラファイトまたはPLEXIGLAS(登録商標)製のプレート)を用い、加速器またはデグレーダからの最低の陽子線エネルギーとして、たとえば、100〜110MeVを用いるものである。この場合、ブラッグピークは十分な幅を未だ有し、最大5mmずつの範囲調整が可能である。
【0007】
その代わりに、またはレンジシフタと組み合わせて、ブラッグピークを拡げるために、リッジフィルタをノズルに挿入することもできる。このリッジフィルタは、深い溝および隆起(リッジ)を有する、PLEXIGLAS(登録商標)製の(または他の材料の)層である。このプレートを通る粒子は、他の材料の厚みを通り、すなわち、このフィルタを出るビームのエネルギー拡散を拡大し、その結果、ブラッグピークの幅は患者の中で拡大される。この方法は、炭素イオン治療用のノズルにも用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いずれの方法にも同じ問題がある。機械的制約により、レンジシフタ/リッジフィルタと患者との間に、ある程度の距離が存在することである。これは、レンジシフタ/リッジフィルタにおける多重散乱によるビームの横方向のスミアリングを引き起こし、不鮮明な線量分布エッジを生じさせる。さらに、治療計画(線量計算)および治療期間を2つの異なるパートに分けなければならない(レンジシフタの有無に応じて)。
【0009】
したがって、本発明は、ブラッグピークを拡大し、同時に、個々のビームエネルギーにおける横方向のビームエッジの鋭さを維持するための、特により低いビームエネルギーにおける、ビームエネルギーの所定の拡散を可能とするエネルギーフィルタシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、本発明に係る、
(a)プラスチックまたは水等価材料のクッション(4)、あるいは、プラスチックまたは水等価材料の少なくとも2つのソフトシートの積層体(4)と、
(b)クッションの表面またはプラスチックまたは水等価材料のソフトシートの表面に埋め込まれた、あるいは、クッション中に設けられた、または、プラスチックまたは水等価材料のソフトシート中またはプラスチックまたは水等価材料の2つのソフトシート(4)の間に埋め込まれた、複数の金属粒子(8)好ましくは金属球体の層(6)であって、組織に入射する前の粒子線装置の出射口におけるビーム走査領域の断面積に少なくとも相当する断面積を有する層(6)と、
を有する、粒子線治療用フレキシブルエネルギーフィルタ(2)により解決される。
【0011】
このエネルギーフィルタは、リッジフィルタと同様に機能し、低エネルギー(70〜100MeV)の陽子線のブラッグピークを拡大させ、その結果、ビームのエネルギー調整を235〜70MeVの全範囲にわたって、5mmずつ行うことができる。機械的柔軟性により、このエネルギーフィルタは、柔軟な(フレキシブル)ソフトプラスチックシート(フラップ)における複数の金属粒子の層の後ろの患者の肌までの距離が短いため、フィルタ内の散乱効果を最少化して、患者の肌の上に配置することができる。
【0012】
典型的には、ソフトプラスチックシートは、たとえば、2〜15mm、好ましくは3〜8mmの厚さを有しており、金属粒子は2mm未満、好ましくは1mm未満の最大サイズを有する。したがって、この粒サイズは、粒子(たとえば球体)の多重散乱による、フラップの直後に生じうる影や線量の不均一性が無くなるように十分小さいものであることを保証し、一方で、十分なエネルギー低減を実際に実現するために必要とされる最小サイズを有することを保証するものである。
【0013】
線量分布における粒子の影の影響をさらに低減するために、複数の金属粒子の層は、イオン線または陽子線の伝播方向に存在する非対称なプラスチック層中に配置されている。非対称とは、ソフトプラスチックシートへのイオン線または陽子線が入射する側の厚みと、ソフトプラスチックシートの出射側におけるプラスチック層の厚みとが異なることを意味する。
【0014】
目標のエネルギー拡散を実現するため、複数の金属粒子の層は、たとえば、サイズの異なる、高密度物質たとえば鉛の複数の粒子を含む、および/または、サイズの等しいまたはサイズの異なる、組成の異なる、たとえば鉛、銅およびタングステンの複数の粒子の混合物を含む。単位層領域当たりの粒子の量は、拡大後のブラッグピークの目標形状から導かれる。層中の粒子の位置は、粒子の後ろでの線量分布における規則的な影のパターンを防ぐために、ランダムに分散させてもよい。
【0015】
典型的には、ソフトプラスチックシートは、たとえば、放射線治療に用いられる標準的なボーラス材料、たとえば、ビニルプラスチック中に内包された合成油ゲル、たとえば市販のSuperflabの。この材料は十分に柔軟であるため、ソフトプラスチックシートは、患者の体の輪郭に可能な限り最も良く適合し、目標の厚さで均一な厚さを維持することができる。
【0016】
本発明の他の実施形態は、陽子ガントリまたはイオンガントリあるいは固定ビームラインと組み合わされ、その照射ノズルの下流にフィルタが配置される、本発明に係るエネルギーフィルタの使用を含む。
【0017】
組織に入射する前の陽子線またはイオン線におけるエネルギー拡散を実現するための方法に関して、本発明の解決手段は、組織に入射する前の陽子線またはイオン線におけるエネルギー拡散を実現するための方法を提供し、この方法では、患者配置システムと組み合わされたガントリまたは固定ビームラインを目標方向に陽子線またはイオン線を形成するよう設け、本発明に係るエネルギーフィルタを組織に近い、該組織の上流に設ける。
【0018】
本発明の好ましい実施形態について、以下図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】目標の高線量領域を形成するために重ねられた、異なる範囲のブラッグ曲線を概略的に示す。
【図2】エネルギーフィルタの概略断面図である(縮尺は異なる)。
【図3】図2のエネルギーフィルタの効果を示すブラッグ曲線の概略図である。
【図4】陽子線の横方向の散乱を無視した線量計算から可視化された、ビーム方向に対して横方向の平面内の粒子分布の概略図である。
【図5】水ファントム中の深さに依存した、線量分布の概略図である。
【図6】水ファントム中の深さ6cmにおけるビーム方向に横方向の平面内の線量分布の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、陽子線治療やイオン線治療などのための、フレキシブルエネルギーフィルタまたはエネルギー拡散システム(図2中、参照番号2で示される)を提供する。最も新しい陽子線治療装置については、欧州特許出願1740270(本明細書中に参照により含まれる)に開示されている。この陽子線治療装置は、現在、ポール・シェラー研究所において「ガントリ2」施設として用いられている。たとえば上記施設においても用いることのできるフレキシブルエネルギーフィルタ2が図2に示されており、これは、2つの、30x30cm(または任意の他の適切なサイズ)のソフトプラスチックシートと、これらのシートの間に設けられた重金属の球体8の層6との積層体4として構成されている。リッジフィルタと同様に、フィルタ2は、低エネルギー陽子線(70〜100MeV)のブラッグピークを拡散させ、235〜70MeVの範囲全体にわたって、5mmずつのビームのエネルギー調整を可能とする。図2に示されるように、ソフトかつ柔軟な(フレキシブル)プラスチックのフラップ4は、5mm以下の厚さを有し、金属球体8の埋め込み層6を囲んでいる。本発明の大きな利点は、フラップ4が非常に柔軟であるため、患者の肌(図示せず)の上に置くことができることである。勿論、このエネルギーフィルタ2は、ノズルに容易に設ける(たとえば丸めて)こともできる。異なるエネルギーまたは調整幅用に、異なるエネルギーフィルタを設計することもできる。
【0021】
エネルギーフィルタフラップ2が患者の肌の上に置かれたとき、エネルギーフィルタ2の散乱効果は、フラップ4の背後の距離が短いために最少化される。したがって、線量分布のエッジは従来用いられていた方法により得られるものよりもより鋭いものとなる。
【0022】
球体8は、図2の層6に示されているような、異なるサイズの高密度材料(たとえば鉛)の球体、あるいは、等しいサイズのまたは異なるサイズの、異なる組成たとえばタングステン、鉛、銅の球体の混合物である。ワイヤや他の形状も使用可能である。球体8は、ソフト材料の2つのシート4の間の層6中に埋め込まれている。代わりに、球体8は、プラスチックまたは水等価材料のクッション上に設けられていてもよい。球体8は、クッション内に設けられていても良く、すなわち、球体8はクッションまたはフレキシブルシートの構造中に成形されていてもよい。
【0023】
線量分布における球体8の影の影響を低減するため、球体8は比較的小さい(≦1mm)。図2に示されているように、たとえば、出射側においてより厚いプラスチック層を設けることが有利である。元のビーム経路Bはフラップ4を通過し、そのエネルギーは金属球体8の層6により拡散される。図2中、等距離の矢印で示されたビームBとの比較のために、修正されたビームB’におけるエネルギー拡散は、修正されたビームB’を表すために用いている、異なる長さの矢印により示されている。したがって、エネルギーフィルタ2の入射側から層6までの第1の距離d1は、層6からエネルギーフィルタ2の出射側までの第2の距離d2とは異なるように(図中、2倍小さい距離の例を示す)選択される。
【0024】
球体8の異なる幾何的配置での種々のシミュレーションおよび測定を、球体8の最適な分散および構成を見いだすために行った。典型的には、球体8の多重散乱による、エネルギーフィルタ2の直後の影の発生および線量の不均一性が生じないように、球体8は十分小さくなければならない。一方で、球体8は十分なエネルギー低減が得られるような最小のサイズである必要がある。
【0025】
非常に簡単なモデルを用いたコンピュータシミュレーションにより、裏付ける結果が得られた。3つの重み付けを用いて調整を行い、97MeVのブラッグ曲線を同じ形状の215MeVのブラッグ曲線へ拡散させた。最大の重み付けは4mmの水と等価な厚さにより、中程度の重み付けは1mm(φ)の銅の球体により、そして、最小の重み付けは1mm(φ)のタンタルの球体により得たものである。シミュレーションでは、いずれの球体も4mmの水に埋没させたものとした(プラスチック層をシミュレーション)。図3は、215MeVの曲線と比較して拡大された、97MeVの(「単一エネルギー」の)拡散ブラッグ曲線と、目標形状として用いた215MeVのブラッグ曲線とを示す。3つの破線は、拡散曲線の3つの構成成分を表す。
【0026】
図4は、水ファントムの6.9cmの深さにおける、ビーム方向に対して横方向の平面における、計算された線量分布を示す。計算では、フィルタ中の球体のパターンを可視化するため、水ファントムにおける横方向の散乱は抑制した。図4は、球体8がどのように分散可能であるかを示し、黒点はタンタルの球体を表し、白点は銅の球体を表す。この実施例のシミュレーションでは、球体の位置は層6内でランダムに分散されていなかった。水ファントム中の陽子の横方向の散乱を無視すると、層6中の球体8の画像は拡散ブラッグピークの最大範囲における深さにおいて明確に見て取れるようになる。
【0027】
図5は、サイズが1mmおよび0.5mmのタングステンの球体のエネルギーフィルタの後ろ10mmを起点とした、水ファントム中の深さに依存した線量分布を示す。下の画像は深さ方向の線量プロファイルまたは軸方向の線量プロファイルを示す。これは、横方向の次元にわたって統合することにより得られた。
【0028】
図6は、ビーム方向に対して横方向の平面における、サイズが1mmおよび0.5mmのタングステンの球体のエネルギーフィルタの後ろを起点とした、水ファントム中の深さ6cmにおける線量分布を示す。右の画像は深さ4cm、6cm、7.4cmにおける線量プロファイルを表す。図6(左)は、エネルギーフィルタの下流0mmおよび3つの異なる深さにおける横方向のプロファイルを起点とした、水ファントム中の深さ10mmにおける横方向の線量分布を示す。
【0029】
その図は、線量分布が非常に均一であることを示す。線量の相対標準偏差は、深さに依存して、1.6%〜4%であり、0.1mmのピクセルサイズで定められている。解像度1mmでは、これは0.5%〜1.3%の標準偏差を示している。
【符号の説明】
【0030】
2 フレキシブルエネルギーフィルタ、 4 フラップ(積層体)、 6 層、 8 球体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)プラスチックまたは水等価材料のクッション(4)、あるいは、プラスチックまたは水等価材料の少なくとも2つのソフトシートの積層体(4)と、
(b)前記クッションの表面または前記プラスチックまたは水等価材料のソフトシートの表面に設けられた、あるいは、前記クッション中に埋め込まれた、または、プラスチックまたは水等価材料のソフトシート中またはプラスチックまたは水等価材料の2つのソフトシート(4)の間に埋め込まれた、複数の金属粒子(8)好ましくは金属球体の層(6)であって、組織に入射する前の粒子線装置の出射口におけるビーム走査領域の断面積に少なくとも相当する断面積を有する層(6)と、
を有する、ことを特徴とする粒子線治療用フレキシブルエネルギーフィルタ(2)。
【請求項2】
前記プラスチックまたは水等価材料のクッションまたはソフトシート(4)は、2〜15mm、好ましくは3〜8mmの厚さを有しており、
前記金属粒子(8)は2mm未満、好ましくは1mm未満の最大サイズを有する、
請求項1記載のエネルギーフィルタ(2)。
【請求項3】
前記複数の金属粒子(8)の層は、イオン線または陽子線の伝播方向に関して非対称に(d1≠d2)配列されている、請求項1または2記載のエネルギーフィルタ(2)。
【請求項4】
前記複数の金属粒子(8)の層(6)は、サイズの異なる、高密度物質たとえば鉛の複数の粒子、および/または、サイズの等しいまたはサイズの異なる、組成の異なる、たとえば鉛、銅およびタングステンの複数の粒子の混合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のエネルギーフィルタ(2)。
【請求項5】
前記クッションまたは前記ソフトシートは、放射線治療に用いられる標準的なボーラス材料、たとえば、ビニルプラスチック中に内包された合成油ゲルの、請求項1〜4のいずれか1項記載のエネルギーフィルタ(2)。
【請求項6】
陽子ガントリまたはイオンガントリあるいは固定ビームラインと組み合わされ、その照射ノズルの下流に前記フィルタ(2)が配置される、請求項1〜5のいずれか1項記載のエネルギーフィルタ(2)の使用。
【請求項7】
組織のイオン線治療におけるエネルギー拡散のための方法であって、
ガントリまたは固定ビームラインを目標方向に陽子線またはイオン線を形成するよう設け、請求項1〜5のいずれか1項記載のエネルギーフィルタ(2)を、患者の輪郭にその形状が適合化された、当該患者の組織のカバーとして設ける、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−512057(P2013−512057A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541393(P2012−541393)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067540
【国際公開番号】WO2011/064121
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(501494414)パウル・シェラー・インスティトゥート (19)
【Fターム(参考)】