説明

イベント対応の業務管理システム

【課題】本発明の目的は、非定常時のイベント対応業務においても業務従事者の記憶に頼ることなく、過去に実施した例のあるイベント対応の業務を確実に再実行するもので、業務の効率改善、信頼性向上を図るイベント対応の業務管理システムを提供することにある。
【解決手段】本発明は、画面表示するディスプレイと、キーボード入力装置又はポインティングデバイスと、外部から入力されるイベントの文字列を受信するイベント処理部と、文字列からキーワードを抽出するキーワード処理部と、抽出された前記キーワードに対応する業務の業務名称及び業務内容をリスト化し、リストに基づいて業務従事者により選択された前記業務の作業内容を表示処理する操作ガイダンス部と、選択された作業内容を操作ガイダンス部に通知処理する操作受信部とを有することを特徴とするイベント対応の業務管理システムにある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造業における新規なイベント対応の業務管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1の作業工程管理装置に示すような、製造業における業務システムは、多くの場合、業務に合わせて幾多の業務の実行パッケージが組み込まれており、定型業務はともかく、何らかの予期せぬイベントの発生時は、そのイベントに応じて対応する業務を業務従事者が手動で起動して遂行することが普通であった。
【0003】
特許文献2には、業務管理装置の表示制御手段では、任意の製造イベントに対する表示要求に応じて、製造イベントに固有のキー情報と対応付けられた各製造ノート情報を業務データサーバから取得すると共に、プロセス制御システム側のプロセスデータサーバから通知イベント情報を取得し、これらを画面表示部の画面に一覧表示すること、又、特許文献3には特許文献2と同様にこれらを画面表示部の画面に時系列順に一覧表示することにより、プロセス制御システムからの通知イベントについてその発生要因を迅速かつ的確に調べることができるようにするプロセス運転業務管理システムが開示されている。これらの特許文献2及び3には、外部から入力されるイベント内容の文字列からキーワードを抽出し、そのキーワードに対応する業務内容をリスト化して画面表示すると共に、そのリストから選択する業務の詳細な作業手順をディスプレイに表示することは示されていない。
【0004】
図7は、従来の製造業向け業務システムの定型業務フローを示す図である。図7に示すように、このような業務システムが対象とする業務の全体フロー図は、定常時は、工程進行の場面々々で、様々な指示書や記録書、指図書類が入り乱れ、錯綜した状況下ではあるが、業務従事者はガイダンスに従い、適切な処置を講じることを比較的容易に実現できた。
【0005】
図8は、従来の製造業向け業務システムのイベント対応業務フローを示す図である。図8に示す非定常時のイベント対応業務となると、業務従事者は記憶に頼らざるを得ず、業務の起動が遅たり、起動し忘れて業務の実行を怠ってしまうようなことがあった。
【0006】
【特許文献1】特開2003−186517号公報
【特許文献2】特開2005−275512号公報
【特許文献3】特開2005−275514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、非定常時のイベント対応業務においても業務従事者の記憶に頼ることなく、過去に実施した例のあるイベント対応の業務を確実に再実行するもので、業務の効率改善、信頼性向上を図るイベント対応の業務管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次のような仕掛けを有するイベント対応業務の自動呼出しシステムを有するものである。即ち、メールやアラーム、又は、ネットワーク上のデータなどの外部から入力されるイベントとしての文字列を受信し、それを解釈してキーワードを検索し、対応する業務の内容の候補をリスト化してディスプレイに表示し、そのリストから選択する業務の詳細な作業手順をディスプレイに表示する業務管理システムにある。
【0009】
キーワードに対応する業務の候補のリストは、外部から入力されるイベントに対応して実行した業務の名称及び詳細な作業手順と、イベントの文字列から抽出したキーワードとを関連付けて記憶する学習方式にて生成・記憶する。その際、ディスプレイに表示された専用の画面からイベントや業務について任意のコメントを入力させ、業務内容の候補に付加してリスト内容を充実させる。業務従事者がイベントに対し何も操作しない未処理のイベントも順次記憶するが、定期的に、又は業務従事者の要求時に内容全件をリスト化して、未処理イベントの削除を促すようにもする。又、メールやアラームではなく、口頭での割込み的業務にも対応できるように、業務従事者の、ある時点からの業務の詳細作業手順を記憶し、ある時点で締めて、一連の作業に任意のコメント、及び業務名称を入力させ、その中からキーワードを抽出して詳細作業手順と対応付けて記憶するようにする。更に、ある時点からの一連の作業で表示される画面上の文字列もキーワードとして区分し、業務名称、コメント、詳細作業手順と対応付けして記憶するようにする。
【0010】
具体的には、本発明は、画面表示するディスプレイと、キーボード入力装置又はポインティングデバイスと、外部から入力されるイベントの文字列を受信するイベント処理部と、前記文字列からキーワードを抽出するキーワード処理部と、前記抽出された前記キーワードに対応する業務の業務名称及び業務内容をリスト化し、該リストに基づいて業務従事者により選択された前記業務の作業内容を表示処理する操作ガイダンス部と、前記選択された前記作業内容を前記操作ガイダンス部に通知処理する操作受信部とを有することを特徴とするイベント対応の業務管理システムにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、過去に業務を実行した例のあるイベントの再発生に対し、業務従事者の記憶に頼ることなく業務の詳細な作業手順を自動でディスプレイに表示して実行することができ、業務の効率改善、信頼性向上の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、製造業向けイベント対応業務の自動呼出しシステムを実現した業務管理システムサーバの機構を示したものである。以下、本実施例のシステム構成を説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施例のイベント対応の業務管理システムは、画面表示するモニタ107と、キーボード入力装置108と、外部から入力されるイベントの文字列を受信するイベント処理部102と、文字列からキーワードを抽出するキーワード処理部103と、抽出されたキーワードに対応する業務の業務名称及び業務内容をリスト化し、リストに基づいて業務従事者により選択された業務の作業内容を表示処理する操作ガイダンス部105と、選択された作業内容を操作ガイダンス部105に通知処理する操作受信部106とを有する。
【0014】
又、キーワードを記憶すると共に、イベントに対応して実行された業務名称と業務内容の詳細な作業手順とをキーワードに関連付けて記憶すると共に、業務名称をキーワードに関連付けて記憶するとき、業務について入力される任意のコメントと共に記憶するキーワード記憶部104と、業務名称に前記任意のコメントを付加して、リストとして表示処理する操作ガイダンス部105とを有する。キーワード記憶部104は、業務の実行時に、業務画面用の文字列記憶部112からモニタ107に表示される文字列よりキーワードを取り出し、業務名称、コメント、作業手順及びキーワードを関連付けて記憶する。
【0015】
イベント発生時に業務名称の候補をリスト化してディスプレイに表示する際に、イベントに対し何も選択しなかった場合、イベントを未処理イベントとして順次記憶する未処理イベント記憶部110と、定期的又は操作受信部106からの要求時に未処理イベント記憶部110の内容全件をリスト化して未処理イベントとして操作ガイダンス部105に通知処理する未処理イベント処理部111を有する。
【0016】
未処理イベントが通知された時点で、未処理イベント記憶部110に対し、操作受信部106からの指定のイベントを削除する未処理イベント処理部111と、業務の実行前に任意の前記コメントの文字列と業務名称の入力を受け付ける操作受信部106と、業務名称及びコメントからキーワードを取り出し、続いて実行される作業手順をキーワードに関連付けて記憶するキーワード記憶部104を有する。
【0017】
以下、本実施例の操作手順を説明する。図1に示すように、受信イベント101は、後述する図6に示す計測・制御装置609から業務管理システムサーバ601へ送られてくるプロセスメッセージや、ホストコンピュータ607から電子メールで送られてくるメッセージなどである。
【0018】
これらのメッセージは、業務従事者に対し、何らかの業務の実行を督促するもので、イベント処理部102で取り込まれる。それら文字列中の語句からキーワードを抽出し、キーワード記憶部104を生成する処理がキーワード処理部103である。キーワード記憶部104は、イベントから抽出されたキーワードと、それに対応して実行された業務の業務名称及びキーワード記憶部104の生成時に業務従事者が付加するコメントの並びから構成される。
【0019】
図6に示す業務システムサーバ601で受信した受信イベント101を、イベント処理部102で取り込み、キーワード記憶部104と照合して既に過去に行われたイベントに対し何らかの業務の登録があると判断した場合に、操作ガイダンス部105でそのイベントに対する業務の候補をモニタ107に表示する。それに対し、業務従事者がキーボード108、又はマウス109より応答する内容を操作受信部106で処理し、キーワード処理部103に伝達して所要の詳細作業手順を表示する。
【0020】
もし受信したイベントに対し、業務従事者が何のアクションも実施しなかった場合、操作受信部106の通知を受けて、未処理イベント処理部111が未処理イベント記憶部110にそのイベントが未処理であることを書き込む。未処理イベントは定期的、或いは業務従事者の操作受信部106を通じての要求時に操作ガイダンス部105を通じてモニタ107にリスト表示され、業務従事者は操作受信部106を経由し未処理イベント処理部111を通じて、適宜、未処理イベントを削除することができる。
【0021】
アラームでも電子メールでもない、口頭による割込み的業務の発生時、業務従事者は、操作受信部106を経由し、キーワード処理部103を通じて、業務名称と任意のコメントを決め、業務に対応する詳細な作業を実行開始し、適当なところで締めて、業務名称とコメントに含まれる文字列からキーワードを抽出し、業務名称、コメント、詳細作業手順を組にしてキーワードに対応させてキーワード記憶部104に記憶させることができる。更に、業務の実行時に業務画面用文字列記憶部112から操作ガイダンス部105に表示される文字列をキーワード処理部103にて取り込み、その中からキーワードを抽出して、業務名称、コメント、詳細作業手順の組と共にキーワード記憶部104に記憶させることもできる。
【0022】
図2は、製造業向け定型業務の処理を行う画面を示すものである。図2では、画面219上の全工程表示エリア214に示す業務フロー図に従い業務を行う。具体的には、例えば、現在実行中の処理である太枠で示した混合221の詳細が作業手順ウィンドウ215と共に作業手順エリア219に全表示され、その中に作業のステップ222と作業内容表示欄218の組が順次表示される。それぞれの作業を実行し、確認釦216を押下して1ステップの作業を終了し、次の作業に移る。なお、画面上部に業務によっては必要な詳細情報を呼び出したり、途中で業務を中止したりするための、仕込み詳細201〜閉じる209の各種アイコンが配置され、製造指図の情報211等も表示される。
【0023】
図3は、製造業向けイベント対応業務の処理を行う画面示すものである。図3では、画面323上に、例えばホストコンピュータ607から受信した受信メール内容316と、その中から抽出された発生イベントに対するキーワード表示エリア317、及びその表示されたキーワードに結び付けられた業務の候補等がキーワード検索結果一覧表示エリア318に表示される。それらの業務の候補の中から適宜、業務を選択すると、例えば、選択した太枠で示したキーワード検索結果一覧表示エリア318につき、その詳細を作業手順表示エリア319に表示され、その中に作業のステップ325と作業内容322の組が順次表示される。それぞれの作業を実行し、確認釦320を押下して1ステップの作業を終了し、次の作業に移る。なお、画面上部に業務によっては必要な詳細情報を呼び出したり、途中で業務を中止したりするための、仕込み詳細301〜閉じる309の各種アイコンが配置され、製造指図の情報313等も表示される。
【0024】
図4は、製造業向け作業内容からのキーワード記憶、業務名称入力の画面を示すものである。図4では、画面423上で、業務名称表示エリア417に業務の名称を、コメント表示エリア418にコメントを入力し、順次、業務に対応する作業を行うことにより作業手順表示エリア419に作業の詳細手順が表示され、入力した業務名称、コメント、及び詳細作業手順の文字列から抽出されたキーワードがキーワード表示エリア416に表示される。これ以後、割込み的業務の発生時にこれらのキーワードで検索をかければ、業務の候補とコメントが表示され、それらから適宜選択すれば、業務名称、コメント、詳細作業手順が表示される。選択した業務につき、作業手順ウィンドウ419が表示され、その中に作業のステップ425と作業内容422の組が順次表示される。それぞれの作業を実行し、確認釦420を押下して1ステップの作業を終了し、次の作業に移る。なお、画面上部に業務によっては必要な詳細情報を呼び出したり、途中で業務を中止したりするための、仕込み詳細401〜閉じる409の各種アイコンが配置され、製造指図の情報413等も表示される。
【0025】
図5は、製造業向けイベント対応業務の自動呼出し業務管理システムを適用した機構の処理フローを示したものである。図5で、まず、割込み的業務が発生した場合、アラームや電子メール等の、入力文字列に対するイベント対応の処理か、あるいは、口頭受付等、入力文字列がなく、業務従事者に手作業でキーワードの元になる業務名称やコメント等を入力させる処理かをイベント処理判定部500で判定し、前者はイベント処理部501に、後者はキーワード処理部518に分岐する。イベント処理部501では、図6に示す業務管理システムサーバ601に計測・制御装置609から送られてくるプロセスメッセージや、ホストコンピュータ621から電子メールで送られてくるメッセージを取り込み、キーワード処理部502でイベントの中に既にキーワードとして登録されているものが存在するかどうかを判定する。キーワードとして登録されているものが存在すれば、操作ガイダンス処理部513に移行し、存在しなければ、キーワード処理部503に移行する。キーワード処理部503は、キーワードテーブル更新準備部であり、イベントの中から抽出するキーワードを格納する枠をキーワード記憶部104に確保する処理を行う。
【0026】
続いて、操作受信部504で業務従事者の操作を待つ操作受信待ち部で、操作があれば、操作受信部505に移行し、イベント対応ジョブ実施判定が行われる。操作が無ければ、未登録イベント処理部507に移行する。キーワード処理部506は、キーワードテーブル登録するもので、業務従事者が実行した業務の名称、実行した作業の詳細手順、及び任意に入力するコメントをキーワード記憶部104のイベント用に設けられた枠に登録する。未登録イベント処理部507では、イベントに対する業務の実行は行われなかったものとして、未処理イベント記憶部110に該イベントを登録する。
【0027】
続いて、未処理イベント処理部508に移行し、業務従事者から未処理イベントの表示要求があるか、あるいは、現在時間が未処理イベントの定期的表示のタイミングに合致するかを未処理イベントリスト表示判定し、いずれかが成立すれば、操作ガイダンス処理部509に移行して、未処理イベント記憶部110の内容を未処理イベントリスト表示し、操作受信部510で業務従事者の操作を待つ。
【0028】
続く操作受信部511で、もし、未処理イベント削除要求の判定があれば、未処理イベント処理部512で、指定されたイベントを未処理イベント記憶部110から未処理イベント削除処理する。その後、先頭のイベント処理部501に戻る。なお、操作ガイダンス部513では、キーワード記憶部104における、該イベントに関する登録内容から業務の候補を割り出し、ジョブの候補のガイダンス表示する。
【0029】
続いて、操作受信部514で業務従事者の操作を待ち、操作受信部515で、ガイダンス表示された業務のいずれかを業務従事者が選択したかどうかを被ガイドジョブ実行判定し、選択したならば、操作ガイダンス部517に移行し、選択した業務の詳細作業手順を表示する。もし、選択がなければ操作受信部516でイベントに対し、何か操作を実施したかどうかをジョブ起動判定し、何の操作もなければ、未登録イベント処理部507に移行する。
【0030】
また、キーワード処理部518では、業務従事者に業務名称やコメントを入力させ、それらの文字列と、業務名称に対応して実行される一連の作業で表示される業務画面に含まれる文字列の中からキーワードを抽出し、それらを格納する枠をキーワード記憶部104に確保するキーワード処理部519にて処理を行い、キーワード処理部506に移行する。
【0031】
図6は、製造業向けの業務管理システムのハードウェア構成例を示す図である。図6に示すように、製造業向けの業務管理システムのハードウェア構成例は、ホストコンピュータ607、業務管理システムサーバ601、製造情報LAN604、業務システムクライアント603などから構成される。
【0032】
計測・制御装置609は、主原料投入口611から製品倉庫619までの個々の装置から計測・制御信号をスキャンし、それらに動作指令を出す。即ち、主原料投入口611で原料運搬車610から主原料を受入れ、秤量器(1)613で所定量を秤量して混合器614に投入する。また、副原料投入口612で副原料運搬車621から副原料を受入れ、秤量器(2)622で所定量を秤量して混合器614に投入して、主原料と副原料を混合器614で混合する。
【0033】
続いて、混合物を中間タンク(A)615、或いは中間タンク(B)616のいずれか空いている方に、一旦蓄積する。尚、続く反応の際中に主原料、副原料の混合物が中間タンク(A)又は(B)に蓄積されることもある。中間タンク(A)615又は(B)616のいずれかの蓄積完了しているタンクから主原料、及び副原料の混合物を移送して反応器617にて温度・圧力を加えて反応させ、反応が終了したら生成物を取り出して充填器618によって生成物を容器に充填する。続いて、製品倉庫619に生成物を送って保管し、製品運搬車620によって市場に積出す。
【0034】
以上の一連の工程で業務管理システムサーバ601が計測・制御装置609を通じて個々の装置に順次、指令を出す。その過程での生産に関する各種のデータを業務管理システムサーバ601が製造業務用操作卓605を経由して収集し、入力情報、出力情報として蓄積・管理を行う。又、業務管理システムサーバ601は、計測制御装置609を通じた原料投入から製品出荷までの工程のみならず、現場操作卓606などの動きを含め、製造全体を統括する役割を担う。
【0035】
製造業における業務管理システムは、従来、計測・制御装置609、計測・制御LAN608及び製造業務用操作卓605を中心に、計測・制御を重点に構築されてきた製造システムを、原料の入荷から製造、品質管理、製品の出荷までの一連の製造実行システムのレベルまで拡大し、全体の業務を効率化するというものである。この業務管理システムサーバ601が、全体を最適に動かす業務処理を行う。
【0036】
以上、本実施例では、外部から入力されるイベントの文字列に含まれるキーワードに応じて、業務の内容をディスプレイに表示するので、イベント発生時に記憶に頼ることなくスムーズに業務に移行でき、また、新規イベント発生時にキーワードを取り出し、イベントに対応して実施した業務の名称と対応付けて登録する仕掛けによって次回以降のイベント発生時に、キーワードにて検索し、当該業務と詳細な作業内容の表示を行うことができる。
【0037】
又、本実施例では、イベントのキーワードに対応して登録される業務名の他に、業務従事者が任意のコメントを付加するので、登録内容にコメントとして補足事項を付加することにより、より使い勝手よく、イベント対応の業務管理を運用することができる。そして、イベントが発生したが何も業務を実行することの無かった場合に、そのイベントを記憶しておき、覚書風に幾つかのそのようなイベントを集めておいて、定期的に、又は業務従事者の要求時にリスト表示し、後々に業務従事者が何らかの業務を思い起こし、業務を実行するとか、そのイベントが不要と判断して削除する等、イベント記憶部に乗らないイベントも捨てずに後々に業務を連想させる備忘録の役割を担わせることができる。
【0038】
以上のように、本実施例によれば、記憶に頼らずともイベント対応の業務内容をディスプレイ表示することができ、また、発生イベントの備忘録として運用することもできて、全体として業務の効率改善、信頼性向上の効果がある。従って、通常は定型的な業務形態であるが、割り込み的にイベント対応での業務処理を要求された場合、個人のスキル、経験によらずとも非定型的な業務をスムーズに業務遂行できる。
【0039】
以上の実施例は、製造業向けの業務管理システムについて示したものであるが、その他に、宅配等の配送業、JR・私鉄等の公共交通機関、POS端末を使用するコンビニ等の日用雑貨品の小売業、端末で窓口業務を行う銀行等の金融機関など、端末を使用して定型業務を行い、割込み的に定型外の業務の発生が伴う、ありとあらゆる業種に適用できるものである。例えば、宅配等の配送業では、配送員は携帯端末を使用し、時々刻々の配送業務を最大効率で実行しようとするが、顧客先で本社からのメール等で、前例のない対応を求められることがある。そういう業務の事例を、本実施例により端末を通じて本社のサーバにインプットしておけば、次回は業務の作業手順が端末に表示されるのでスピーディーに対応でき、業務の効率改善の効果がある。
【0040】
又、JR・私鉄等でも窓口の発券係や、車掌が端末や携帯端末で発券や精算業務を行うが、前例のない対応を余儀なくされたとき、その業務内容を本実施例により文字列でインプットし、併せて業務手順を逐一サーバに記憶させておけば、次回は端末に呼び出してスピーディーに処理でき、業務効率改善の効果がある。
【0041】
更に、POS端末を使用するコンビニ等の日用雑貨品の小売業では、当然、在庫の極小化を狙い、商品を売り切るための日夜の努力が続けられているが、フランチャイズの本社から突然メールで前例の無い指示が来ることもあり得、そういう場合の対応手順を本発明により蓄積しておけば、次回からの対応が迅速化され、業務効率向上の効果が得られる。又、端末で窓口業務を行う銀行等の金融機関において、本店等からメールで前例の無い指示が来たり、窓口で顧客から前例のない対応を求められる場合がある。そういう場合の対応手順を本発明により蓄積しておけば、次回からの対応が迅速化され、業務効率向上、サービス向上の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】製造業向けイベント対応業務の自動呼出しシステムを実現した業務管理システムサーバの機構を示したものである。
【図2】製造業向け定型の業務の処理画面である。
【図3】製造業向けイベント対応の業務の処理画面である。
【図4】製造業向け作業内容からのキーワード記憶、業務名称の入力の画面を示すものである。
【図5】製造業向けイベント対応業務の自動呼出し業務管理システムを適用した機構の処理フロー図である。
【図6】製造業向け業務管理システムのハードウェア構成例を示す図である。
【図7】製造業向け業務システムの定型業務フロー図である。
【図8】製造業向け業務システムのイベント対応業務フロー図である。
【符号の説明】
【0043】
101…受信イベント、102…イベント処理部、103…キーワード処理部、104…キーワード記憶部、105…操作ガイダンス部、106…操作受信部、107…モニタ(ディスプレイ)、108…キーボード入力装置、109…マウス、110…未処理イベント記憶部、111…未処理イベント処理部、112…業務画面用文字列記憶部、214…全工程表示エリア、215…作業手順ウィンドウ、217…コメント入力欄、218、322、422…作業内容表示欄、219、319、419…作業手順表示エリア、223、323、423…画面、310…アラーム発生表示、311…メール受信表示、316…アラーム発生又はメール受信内容表示エリア、317…キーワード表示エリア、318…キーワード検索結果一覧表示エリア、216、320、420…確認ボタン、321…コメント入力欄、416…キーワード表示エリア、417…業務名称表示エリア、418…コメント表示エリア、500…イベント処理判定部、501…イベント処理部、502、503、506、518、519…キーワード処理部、504、505、510、511、514、515、516…操作受信部、507…未登録イベント処理部、508、512…未処理イベント処理部、509、513、517…操作ガイダンス処理部、510、511、514、515、516…操作受信部、601…業務管理システムサーバ、602…業務情報LAN、603…業務システムクライアント、604…製造情報LAN、605…製造業務用操作卓、606…現場操作卓、607…ホストコンピュータ、608…計測・制御LAN、609…計測・制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示するディスプレイと、キーボード入力装置又はポインティングデバイスと、外部から入力されるイベントの文字列を受信するイベント処理部と、前記文字列からキーワードを抽出するキーワード処理部と、前記抽出された前記キーワードに対応する業務の業務名称及び業務内容をリスト化し、該リストに基づいて業務従事者により選択された前記業務の作業内容を表示処理する操作ガイダンス部と、前記選択された前記作業内容を前記操作ガイダンス部に通知処理する操作受信部とを有することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項2】
請求項1において、前記キーワードを記憶すると共に、前記イベントに対応して実行された前記業務名称と業務内容の詳細な作業手順とを前記キーワードに関連付けて記憶するキーワード記憶部を備えることを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項3】
請求項2において、前記キーワード記憶部は、前記業務名称を前記キーワードに関連付けて記憶するとき、前記業務について入力される任意のコメントと共に記憶し、前記操作ガイダンス部は前記業務名称に前記任意のコメントを付加して、前記リストとして表示処理することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記イベント発生時に前記業務名称の候補をリスト化して前記ディスプレイに表示する際に、前記イベントに対し何も選択しなかった場合、前記イベントを未処理イベントとして順次記憶する未処理イベント記憶部と、定期的又は前記操作受信部からの要求時に前記未処理イベント記憶部の内容全件をリスト化して前記未処理イベントとして前記操作ガイダンス部に通知処理する未処理イベント処理部を備えることを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項5】
請求項4において、前記未処理イベント処理部は、前記未処理イベントが通知された時点で、前記未処理イベント記憶部に対し、前記操作受信部からの指定のイベントを削除することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、前記操作受信部は、前記業務の実行前に任意の前記コメントの文字列と前記業務名称の入力を受け付け、前記キーワード記憶部は前記業務名称及びコメントからキーワードを取り出し、続いて実行される作業手順を前記キーワードに関連付けて記憶することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、前記キーワード記憶部は、前記業務の実行時に、業務画面用の文字列記憶部から前記ディスプレイに表示される文字列よりキーワードを取り出し、前記業務名称、コメント、作業手順及び前記キーワードを関連付けて記憶することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、前記ディスプレイは、前記イベントの発生事実及び該イベントの内容を通知するイベント内容表示エリアと、前記イベントの内容に含まれる文字列をキーワードに区分して検索し、該キーワードに対応する業務の候補をリスト化して表示するキーワード検索結果一覧表示エリアと、表示された業務の候補の中で任意の候補の詳細な作業手順を表示する作業手順表示エリアを有することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。
【請求項9】
請求項8において、前記ディスプレイは、業務の作業中に前記業務の名称を入力し表示する業務名称表示エリアと、前記入力した前記業務における前記コメントを入力し表示するコメント表示エリアとを有することを特徴とするイベント対応の業務管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−188274(P2007−188274A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5556(P2006−5556)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)