説明

イベント情報発信装置およびコンピュータプログラム

【課題】 イベントに参加する参加者にとって、参加したいイベントや類似するイベントに関する情報を、イベント開催の直前でも入手できる技術を提供する。
【解決手段】 各種のイベントに参加を希望する会員に対してイベント情報を提供する。イベント日時、イベント内容、参加予定人数などのイベントデータを随時蓄積するイベントDBと、 イベントのスケジュール管理に関する情報提供を欲する会員に関する属性データなどの会員データを随時蓄積する会員DBと、 天気予報を随時受信する天気予報受信手段と、 前記の会員データ、イベントデータおよび天気予報に基づいて、会員毎に当該会員に合わせたイベントデータを抽出してイベントお知らせ情報を編集するイベント抽出手段と、 そのイベントの開催日時から逆算された複数または単数のタイミングにて、会員に係る情報端末にイベントお知らせ情報を送信するお知らせ送信手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベント案内を欲する会員に対して、イベント案内を多様なタイミングにて提供するイベント情報発信装置およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スケジュール管理に関しては、情報技術および通信技術の発展により、さまざまなツールやソフトウェアが提供されるようになっている。たとえば、特許文献1に記載された技術では、「スケジュール情報を入力し、保存管理し、画面表示することにより、スケジュールの立案・確認を支援する電子式のスケジュール管理ソフトウェア」が開示されている。
また、携帯電話におけるスケジュール機能について、スケジュールに登録したイベントなどに関するアプリケーション操作をスムースに実行可能とする技術」が開示されている。
【0003】
また、イベント情報を収集する技術として特許文献3には、「イベント情報送受信システムにおいて、複数のイベント情報を送信する場合であっても、そのイベント情報を解りやすく使用者に伝えられるようにする」という技術が開示されている。
【0004】
イベントに参加する参加者は、前述したようなソフトウェアアプリケーションをインストールしたり、イベント情報を収集することが可能な情報端末を持っていれば、イベント情報を入手することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−203353号公報
【特許文献2】特開2007−257210公報
【特許文献3】特開2006−323658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イベントに参加する参加者としては、参加人数などに制限がある場合には、予め参加申し込みをしておくのが一般的である。しかし、参加者としてのコンディションが良いとは限らない。たとえば、親子で参加するようなイベントの場合、イベントの当日に子どもの体調が良いかどうか、当日になってみないと分からない、というのが現実である。
その結果、イベント当日になって参加できない、という予約者は多くいる。そのため、イベントの主催者としては、イベントの集客には苦心し、あるいは多くの労力や費用を割いているにも関わらず、開催費用が採算割れとなってしまう事態も少なくない。
【0007】
また、子どもが風邪を引いたので、既に申し込んでいたイベント参加をキャンセルしたが、前日や当日になったら子どもが元気になった、という場合も少なくない。キャンセルしてしまったイベントには参加締め切りのために再申し込みができないものの、似たようなイベントがあれば当日でも参加したい、という場合もある。
このような場合に、適切な情報を入手することは容易ではない。また、前日や当日になってしまっているのであるから、情報入手のための時間も限られている。
【0008】
興味のある分野のイベントだったので参加申し込みをしておいたが、そのイベント会場よりも自宅に近い場所で、類似のイベントがある、ということが参加申し込みをした後で判明する、という場合もある。 このような場合、類似のイベントのいずれに参加するのかは、自宅からの距離や参加費用などの様々な比較要因に基づいて、参加者が決断することとなる。
【0009】
前述してきた説明では、「イベント」がレジャー的イベントを前提としてきた。しかし、この「イベント」を更に広義の意味で捉えると、類似するイベントの比較考量をする機会を欲している、という潜在ニーズがある。
たとえば、教育系セミナー(就職活動セミナー)が民間企業や行政などで相次いで開催される場合など、いずれのイベントに参加するのかは、参加者としてはじっくり比較したい。しかし、類似するイベントを比較するために行う情報収集は、インターネットを使ったキーワード検索が中心であり、欲するひとつの情報にたどり着くまでに時間が掛かる。そのため、類似するイベントを比較するまでの情報収集は、大変困難である。
【0010】
本発明が解決すべき課題は、イベントに参加する参加者にとって、参加したいイベントや類似するイベントに関する情報を、イベント開催の直前でも入手できる技術が提供することにある。
本願における第一の発明の目的は、イベントに参加する参加者に対して、参加したいイベントや類似するイベントに関する情報をイベント開催の直前でも入手できるように提供可能なイベント情報発信装置を提供することである。
本願における第二の発明の目的は、イベントに参加する参加者に対して、参加したいイベントや類似するイベントに関する情報をイベント開催の直前でも入手できるように提供可能なコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 各種のイベントに参加を希望する会員に対してイベント情報を提供するイベント情報発信装置に係る。
すなわち、 イベント日時、イベント内容、参加予定人数などのイベントデータを随時蓄積するイベントデータベースと、 イベントのスケジュール管理に関する情報提供を欲する会員に関する属性データなどの会員データを随時蓄積する会員データベースと、 天気予報を随時受信する天気予報受信手段と、 前記の会員データ、イベントデータおよび天気予報に基づいて、会員毎に当該会員に合わせたイベントデータを抽出してイベントお知らせ情報を編集するイベント抽出手段と、 そのイベント抽出手段が抽出したイベントの開催日時から逆算された複数または単数のタイミングにて、会員に係る情報端末にイベントお知らせ情報を送信するお知らせ送信手段と、を備えたイベント情報発信装置である。
【0012】
(用語説明)
「随時蓄積」とは、定期的にインターネット上を巡回して収集したデータを蓄積したり、イベント主催者等から提供されるデータを蓄積したりと、データの追加更新が適宜可能である旨を意図している。
「会員」は、予め会員登録をしたユーザである。ただし、一時的に会員となる仮登録などの制度を排除する趣旨ではない。また、会員にはイベント主催者を含んでも良い。イベント主催者もイベント参加者となり得るし、イベント参加者もイベント主催者になり得るからである。
「イベントお知らせ情報」の送信タイミングは、会員が予め選択したり、本願に係るイベント情報発信装置が自動的に決定したりすることができる。たとえば、イベントの開始1ヶ月前、1週間前、3日前、1日前、当日などにおけるタイミング、それらの中から取捨選択されたタイミングなどである。
【0013】
(作用)
イベント日時、イベント内容、参加予定人数などのイベントデータを、イベントデータベースに随時蓄積する。また、イベントのスケジュール管理に関する情報提供を欲する会員に関する属性データなどの会員データを、会員データベース随時蓄積する。 天気予報については、天気予報受信手段が随時受信する。
前記の会員データ、イベントデータおよび天気予報に基づいて、イベント抽出手段が会員毎に当該会員に合わせたイベントデータを抽出してイベントお知らせ情報を編集する。そのイベント抽出手段が抽出したイベントの開催日時から逆算された複数または単数のタイミングにて、お知らせ送信手段が会員に係る情報端末にイベントお知らせ情報を送信する。
会員は、自らの趣味などに合わせたイベントに関するイベントお知らせ情報を自らの情報端末にて受信することができる。
また、天気予報と併せて入手できるので、イベントへの参加の検討に役立つ。
イベント主催者も、会員登録をしておけば、前述のイベントお知らせ情報を入手することができる。
【0014】
(第一の発明のバリエーション1)
第一の発明は、以下のように形成することができる。
すなわち、 会員がどのようなサイトにアクセスしたかを得て当該会員の興味などを解析するアクセス解析手段と、 会員がどのようなキーワード入力したかを得て当該会員の興味などを解析するキーワード解析手段と、を備え、 前記アクセス解析手段が解析した結果および前記キーワード解析手段が解析した結果を、前記会員データベースに追加入力することとしたイベント情報発信装置としてもよい。
【0015】
(作用)
会員がどのようなサイトにアクセスしたかを得て当該会員の興味などを、アクセス解析手段が解析する。 また、会員がどのようなキーワード入力したかを得て当該会員の興味などを、キーワード解析手段が解析する。
前記アクセス解析手段が解析した結果および前記キーワード解析手段が解析した結果は、前記会員データベースに追加入力される。 そのため、前記のイベント抽出手段は、会員の興味に合わせたイベント情報を抽出することができる。
【0016】
(第一の発明のバリエーション2)
第一の発明は、更に以下のように形成することもできる。
すなわち、前記イベント抽出手段が抽出したイベントお知らせ情報と、前記会員データベースに蓄積された会員データとを用いて、前記イベントお知らせ情報に係るイベント情報を当該会員に適した順に比較して出力するための演算を実行するイベント比較手段を備えたイベント情報発信装置としてもよい。
【0017】
(作用)
イベント比較手段は、前記イベント抽出手段が抽出したイベントお知らせ情報と、前記会員データベースに蓄積された会員データとを用いて、前記イベントお知らせ情報に係るイベント情報を当該会員に適した順に比較して出力する。その出力結果は、会員としては、自らの選択に役立てることができる。
【0018】
(第二の発明)
本願の第二の発明は、各種のイベントに参加を希望する会員に対してイベント情報を提供するコンピュータプログラムに係る。
そのプログラムは、 イベント日時、イベント内容、参加予定人数などのイベントデータをイベントデータベースに随時蓄積するイベントデータ蓄積手順と、 イベントのスケジュール管理に関する情報提供を欲する会員に関する属性データなどの会員データを会員データベースに随時蓄積する会員データ蓄積手順と、 天気予報を随時受信する天気予報受信手順と、 前記の会員データ、イベントデータおよび天気予報に基づいて、会員毎に当該会員に合わせたイベントデータを抽出してイベントお知らせ情報を編集するイベント抽出手順と、 そのイベント抽出手順にて抽出したイベントの開催日時から逆算された複数または単数のタイミングにて、会員に係る情報端末にイベントお知らせ情報を送信するお知らせ送信手順と、 をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0019】
(第二の発明のバリエーション)
第二の発明は、前記イベント抽出手順にて抽出したイベントお知らせ情報と、前記会員データベースに蓄積された会員データとを用いて、前記イベントお知らせ情報に係るイベント情報を当該会員に適した順に比較して出力するための演算を実行するイベント比較手順をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとすることもできる。
【0020】
第二の発明は、記録媒体(たとえば、ハードディスク、CD−R、DVD−Rなど)に格納して提供することもできる。また、通信回線を介して送信することもできる。
【発明の効果】
【0021】
本願における第一の発明によれば、イベントに参加する参加者に対して、参加したいイベントや類似するイベントに関する情報をイベント開催の直前でも入手できるように提供可能なイベント情報発信装置を提供することである。
本願における第二の発明によれば、イベントに参加する参加者に対して、参加したいイベントや類似するイベントに関する情報をイベント開催の直前でも入手できるように提供可能なコンピュータプログラムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における主要部を示す概念図である。
【図3】本発明の第二の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における主要部を示す概念図である。
【図5】本発明の第二の実施形態におけるバリエーションを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本願発明を実施形態に基づいて更に詳しく説明する。図1が第一の実施形態を示し、図3が第二の実施形態を示し、図5が第二の実施形態のバリエーションを示す。また、図2および図4はいずれの実施形態においても用いる機能について詳細に説明するための図である。
【0024】
(図1)
図1に示すように、本願に係るイベントスケジュール管理装置を管理するシステム運営者は、会場に関するデータを随時蓄積する会場データベース、イベントに関するデータを随時蓄積するイベントデータベース、以下に示す情報提供サービスを受けることを希望する会員に関するデータを随時蓄積する会員データベースを、それぞれ備えており、適宜、データの追加更新を行っている。
なお、会員は、未成年の場合には保護者とともに会員となる一方、その未成年と保護者とは別々の会員データを登録できるようにしてもよい。
【0025】
会場データベースには、会場名、使用できる時間帯、使用できるイベントの種類、駐車場の収容台数などのデータが蓄積されている。
たとえば、××小学校が会場名であるとすると、使用できる時間帯は、土曜日および日曜日であって学校行事がない日や、夜間照明を備えている場合には、平日の夜間などとなる。使用できるイベントの種類は、野球のフィールドまたはサッカーのフィールド二面が確保できるグラウンドと、バスケットボールまたはバレーボールのコート四面が確保できる体育館、25メートルプールとなる。体育館は、バドミントンコートであれば六面を確保でき、卓球であれば十二の卓球台を置くことができる。
【0026】
イベントデータベースには、イベントの種類、開催日時、主催者、参加人数、確保されているイベント会場、開催費用などのデータが蓄積されている。
たとえば、イベントの種類が△市内小学生低学年サッカー大会であるとすると、開催日時が×月△日の日曜日8:00〜16:00、主催者が△市教育委員会(代表者A氏)、参加人数が△市内サッカーチーム4つ、児童が約100名、保護者やコーチが約70名で合計約170名、確保されているイベント会場は××小学校のグラウンド、開催費用は10万円、といったデータが入力されている。
【0027】
会員データベースには、イベントに参加したいと考える個人のほか、イベント主催者となりうる者も会員として登録されている。 たとえば、親子四人家族のB氏は、親子で参加できるイベントに参加したいとして個人での会員登録をしている傍ら、小学生に理科の実験イベントをボランティアで提供する理科実験ファームの主催者であるので、理科実験ファームという会員登録もしている。
さて、会員データベースには、氏名や連絡先(情報端末のメールアドレスを含む)の他、「支払い上限額」が含まれている旨、図示してある。これは、イベント参加に際して支払うことができる金額の上限額である。たとえば、3000円という支払い上限額が登録されていれば、一家族5000円の参加費が必要なイベントは、案内の連絡が来ないこととなる。
【0028】
さて、システム運営者に係る予約確認送信手段は、×月△日の前日である土曜日の午前中、△市内小学生低学年サッカー大会の主催者である△市教育委員会の代表者B氏に係る情報端末に対して、予約確認を送信する。この予約確認の中には、類似イベントの情報(△市内小学校中学年および高学年のサッカー大会がそれぞれどこの会場にて開催される旨)、翌日の天気予報などが含まれている。
なお、空き会場情報をも予約確認情報に含めることとしてもよい。それによって、会場の稼働率アップにつなげる。
【0029】
図中の「予約確認送信手段」において「イベント重複情報」が予約確認送信手段の送信情報として示してあるが、具体的には、以下のようなことである。 たとえば、小学生とその保護者に「親子水泳教室」というイベントが、××小学校のプールで予定されているが、同日に△△スイミングスクールの温水プールにて「親子水泳体験」というイベントが予定されている、といった場合に、相互の情報を「イベント重複情報」として、予約確認の送信の際に送信される。
【0030】
イベント提供者は、上記のイベント重複情報を自らの情報端末にて受信する。 イベント提供者は、イベント当日である翌日の天気予報が「曇り時々雨」であって最高気温が摂氏23度であるという場合、屋外プールでの「親子水泳教室」には多くの参加者が見込めないとして、キャンセルする、という判断も可能となる。
イベント提供者は、予約確認に対する判断結果を、確認返答として「イベントの遂行、キャンセルまたは変更」の旨、システム運営者に対して返信する。 図1中、イベントの遂行の場合については、確認返答受信手段以後の矢印を破線とし、キャンセルまたは変更の場合と区別している。
【0031】
なお、このイベント提供者は、前述のイベント重複情報も受信しているので、イベント中止を参加者に連絡した上で、△△スイミングスクールの温水プールにて「親子水泳体験」がある旨を追加の情報として連絡することができる。そうすれば、参加申し込みをしていた家族への代替案の提供にもなる。
【0032】
「予約情報の変更」について説明する。
前述のように、イベントの種類が△市内小学生低学年サッカー大会であり、開催日時が×月△日の日曜日8:00〜16:00、という予約内容の確認が、主催者である△市教育委員会(代表者A氏)に送信されたとする。 A氏のもとに、参加予定だったチームの一つが参加できない旨の連絡があったとき、借りる予定だった二面のサッカーグラウンドは不要となったので一面をキャンセルする、という旨を確認返答送信手段によって返信する。
【0033】
予約内容が変更された旨の連絡を受けた確認返答受信手段は、代替案抽出手段によって、会員データベース、会員情報抽出手段を用いて、グラウンド一面を借りたいという会員を抽出する。そして、抽出された会員に対して情報送信手段が、「×月△日の日曜日8:00〜16:00に××小学校グラウンドの一面が空き、サッカーまたは野球が行える旨」を送信する。
情報を受信した会員は、突然空いた××小学校グラウンドを借りるかどうか判断し、借りたい場合には予約をする旨を返信すればよい。
【0034】
イベント参加者としては、遂行されるイベントについても、キャンセルまたは変更されたイベントについても、情報送信手段からのイベントお知らせ情報を自らに係る情報端末にて受け取ることで、イベント参加の再検討などをすることができる。
また、イベント提供者としても、遂行されるイベントについても、キャンセルまたは変更されたイベントについても、情報送信手段からのイベントお知らせ情報を自らに係る情報端末にて受け取ることで、イベント企画の再検討の機会を得ることができる。
【0035】
(図2)
図2は、イベント情報検索画面において、検索条件を入力し、イベント情報を一覧できるイベント情報一覧画面に、検索結果に当てはまる情報を出力させた様子を示している。
イベント情報一覧画面には、類似または競合するイベントの実施状況を出力させたり、スケジュールの重複について出力させたり、会場の空き状況を出力させたり、イベント当日の天気予報を出力させたりすることができる。
このイベント情報一覧画面を出力させることにより、イベント主催者がイベントの変更やキャンセルを検討する。
【0036】
図2に示したイベント情報検索画面やイベント情報一覧画面は、インターネットを介してシステム運営者によって提供されることとしてもよいし、会員登録したユーザに係る情報端末にインストールされたソフトウェアによって検索や一覧表示が可能であるようにしてもよい。
【0037】
(図3)
図3は、会員へのイベント情報を提供するサービスについて図示している。
会員データベースには、氏名や連絡先(情報端末のメールアドレスを含む)、家族構成といった会員の属性情報が記録されている。また、興味のある分野(スポーツ、親子参加型、美術、音楽、ものづくり、体験型など)に関する情報を予め登録してもらい、あるいは追加で登録している。
そうした登録情報や、イベントに関するアクセス履歴などに基づいて、キーワード解析手段やアクセス解析手段にて、その会員が興味のありそうなイベントを、イベント抽出手段がイベントデータベースから抽出する。
【0038】
イベント抽出手段が抽出したイベント情報に、天気予報受信手段にて受信した天気予報を加えて、会員に係る情報端末(お知らせ受信手段)へ送信する。たとえば、会員Aに対しては、イベントαに関する情報と、天気予報を加味したそのイベントαが開催される確率(90%)という情報とを送信することになる。
会員Aに対しては、キーワード解析手段やアクセス解析手段にて、前述のイベントαのほかにイベントβも抽出されており、イベントβに関する情報が、その開催確率とともに届くこととなる。 したがって、会員Aは、イベントα、イベントβのいずれかに参加しようという選択肢ができることとなる。
【0039】
会員Bについても、会員Aに対する情報提供とほぼ同様である。すなわち、キーワード解析手段やアクセス解析手段にて会員Bが興味のありそうなイベントγ、イベントθが抽出され、天気予報に基づく開催確率とともにイベントγ、θに関する情報が、お知らせ受信手段にて受信できる。
【0040】
(図4)
図4は、イベントデータベースのイベントデータおよび会員データベースの会員データに対する追加変更について説明している。
まず、イベントデータベースは、イベント主催者やイベント広報担当(イベント広報を専門とする業者を含む)などによって登録されたデータ、システム運営者に係るコンピュータにインストールされたソフトウェアによってインターネット上を自動的に巡回しながら収集してきたデータを、イベントデータとして随時蓄積していく。
【0041】
会員データベースは、会員が登録時に書き込んだ属性データや案内送付希望のカテゴリの他、様々なサイトに書き込んだ自己紹介、日記やブログ、掲示板への書き込み内容、過去のイベント参加履歴、過去のイベント検索履歴、スケジュール、などを随時蓄積していく。
このような会員データベースと前記のイベントデータベースとを用いて、会員に対して、抽出したイベントに関するイベントデータを、イベントの開始1ヶ月前、1週間前、3日前、1日前、当日などのタイミング(それらの中から会員によって取捨選択されたタイミングでもよい)で、会員に係る情報端末へ送信する。
こうした情報提供によって会員によるイベントへの申し込みを促し、会員がイベント参加の申し込みを行った場合には、その申し込みデータを受信する。
【0042】
なお、図4では図示していないが、天気予報受信手段がイベント当日の天気予報を受信しており、その天気予報と合わせて送信することとしている。
以上により、イベントを開催するための会場を、効率的に利用することができる。 その結果として、イベント会場の稼働率の上昇、収益率のアップにも貢献できる。
【0043】
(図5)
図5は、第二の実施形態のバリエーションを示す概念図である。
会員Aは、「類似のイベントを比較し、自分の嗜好に合う順に並べて送信してもらう」という追加サービスを登録していたとする。また、会員Bはその追加サービスは登録していなかったとする。
【0044】
前述のイベント抽出手段が抽出したイベントお知らせ情報は、イベント比較手段に送られる。そして、会員Aの会員データに基づいて会員Aの嗜好などに応じて、抽出されたイベントお知らせ情報を点数付けする。例えば、会員Aの嗜好が「イベントの充実度に最も重きを置き、参加費が多少高くても、イベント開催地が自宅から比較的遠くても余り苦にしない」という分析がなされたとする。
イベント抽出手段が抽出したイベントお知らせ情報は、イベントαとイベントβの2つであったが、上記の分析結果により、総合お薦め度はイベントβが「A」、イベントαが「B」となった。そのため、会員Aに係る情報端末に対しては、イベントβ、イベントαの順に送信し、各イベントお知らせ情報には、その点数付けも含む。
【0045】
比較情報をも得ることができる会員Aとしては、多数のイベントお知らせ情報が送られてきたときに、どのイベントに参加するかについて、判断の参考とすることができる。
一方、会員Bは、イベント比較の追加サービスを登録していなかったため、会員Bのために抽出されたイベントγおよびイベントθに関するイベントお知らせ情報は、そのままお知らせ送信手段から会員Bに係る情報端末に送信されてくる。
【0046】
本願発明は、イベントとして広義のレジャー的なイベントを例として説明してきたが、本願発明に言う「イベント」は、レジャーの要素があるイベントに限らない。たとえば、教育系セミナーでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本願発明は、イベント会場の運営を行うサービス業者、イベント会場に関する情報を提供するサービス業者、イベントを企画運営するサービス業者、行政サービスなどにおいて、利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種のイベントに参加を希望する会員に対してイベント情報を提供する装置であって、
イベント日時、イベント内容、参加予定人数などのイベントデータを随時蓄積するイベントデータベースと、
イベントのスケジュール管理に関する情報提供を欲する会員に関する属性データなどの会員データを随時蓄積する会員データベースと、
天気予報を随時受信する天気予報受信手段と、
前記の会員データ、イベントデータおよび天気予報に基づいて、会員毎に当該会員に合わせたイベントデータを抽出してイベントお知らせ情報を編集するイベント抽出手段と、
そのイベント抽出手段が抽出したイベントの開催日時から逆算された複数または単数のタイミングにて、会員に係る情報端末にイベントお知らせ情報を送信するお知らせ送信手段と、
を備えたイベント情報発信装置。
【請求項2】
会員がどのようなサイトにアクセスしたかを得て当該会員の興味などを解析するアクセス解析手段と、
会員がどのようなキーワード入力したかを得て当該会員の興味などを解析するキーワード解析手段と、を備え、
前記アクセス解析手段が解析した結果および前記キーワード解析手段が解析した結果を、前記会員データベースに追加入力することとした請求項1に記載のイベント情報発信装置。
【請求項3】
前記イベント抽出手段が抽出したイベントお知らせ情報と、前記会員データベースに蓄積された会員データとを用いて、前記イベントお知らせ情報に係るイベント情報を当該会員に適した順に比較して出力するための演算を実行するイベント比較手段を備えた請求項1または請求項2のいずれかに記載のイベント情報発信装置。
【請求項4】
各種のイベントに参加を希望する会員に対してイベント情報を提供するコンピュータプログラムであって、
イベント日時、イベント内容、参加予定人数などのイベントデータをイベントデータベースに随時蓄積するイベントデータ蓄積手順と、
イベントのスケジュール管理に関する情報提供を欲する会員に関する属性データなどの会員データを会員データベースに随時蓄積する会員データ蓄積手順と、
天気予報を随時受信する天気予報受信手順と、
前記の会員データ、イベントデータおよび天気予報に基づいて、会員毎に当該会員に合わせたイベントデータを抽出してイベントお知らせ情報を編集するイベント抽出手順と、
そのイベント抽出手順にて抽出したイベントの開催日時から逆算された複数または単数のタイミングにて、会員に係る情報端末にイベントお知らせ情報を送信するお知らせ送信手順と、 をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記イベント抽出手順にて抽出したイベントお知らせ情報と、前記会員データベースに蓄積された会員データとを用いて、前記イベントお知らせ情報に係るイベント情報を当該会員に適した順に比較して出力するための演算を実行するイベント比較手順を備えた請求項4記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−203914(P2011−203914A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69396(P2010−69396)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)