説明

イメージエントリシステム、イメージエントリ方法およびプログラム

【課題】
データの多い、少ないに関わらず、安全に処理できるイメージエントリシステムを提供する。
【解決手段】
実施形態のイメージエントリシステムは、入力された帳票のイメージにおけるコードデータをエントリ処理するためのものである。イメージデータ件数とコードデータ処理済件数とを管理するデータ量管理部と、即時処理可能である第一の外部端末群と、処理依頼通知を受付可能である第二の外部端末群とを登録する外部端末管理部とを備える。イメージデータ件数がコードデータ処理済件数を第一の基準値より上回っているときは、第一の外部端末群の端末に対してイメージを分割して送信し、そのエントリ処理をさせ、イメージデータ件数がコードデータ処理済件数を第二の基準値より上回っているときは、第二の外部端末群の端末に対して処理依頼通知をし、処理可能の返信があればその端末を第一の外部端末群とみなして管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データエントリにおいて外部端末と連携するイメージエントリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行・保険等の業務システムにおいて、営業店や支社から送付される帳票のイメージを読み取るスキャナ等を元に、センタに設置したPCの画面にイメージを表示する等してエントリ処理を行っている。
【0003】
しかし、業務の繁閑により処理するデータ量にばらつきがあり、繁忙日を前提としたシステムではデータ量が少ない時期にはシステム規模や人員に無駄が生じていた。また、データ量の少ない日を前提とすると、データを処理しきれない問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−6315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
データの多い、少ないに関わらず、安全に処理できるイメージエントリシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のイメージエントリシステムは、入力された帳票のイメージにおけるコードデータをエントリ処理するためのものである。イメージデータ件数とコードデータ処理済件数とを管理するデータ量管理部と、即時処理可能である第一の外部端末群と、処理依頼通知を受付可能である第二の外部端末群とを登録する外部端末管理部とを備える。イメージデータ件数がコードデータ処理済件数を第一の基準値より上回っているときは、第一の外部端末群の端末に対してイメージを分割して送信し、そのエントリ処理をさせ、イメージデータ件数がコードデータ処理済件数を第二の基準値より上回っているときは、第二の外部端末群の端末に対して処理依頼通知をし、処理可能の返信があればその端末を第一の外部端末群とみなして管理する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態のシステム構成図
【図2】本実施形態のフローチャート
【図3】イメージテーブルのデータ構成図
【図4】コードテーブルのデータ構成図
【図5】データ量管理テーブルのデータ構成図
【図6】伝票イメージの分割処理の概要図
【図7】外部端末管理テーブルのデータ構成図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、以下(1)〜(3)をその主旨としている。
【0009】
(1)システム規模を適正にする。そこで、外部エントリの活用をすること。
【0010】
(2)データ量に依存せず、柔軟に処理できる仕組みとしたい。そこで、携帯電話機、PDA等を用いたエントリ処理を行うこと。
【0011】
(3)外部処理時もセキュリティを維持したい。そこで、イメージデータの分割、マスキング処理を行うこと。
【0012】
図1は、本実施形態のシステム構成図である。
【0013】
イメージエントリシステムは、銀行・保険等の業務において、入力された帳票のイメージにおけるコードデータをエントリ処理するためのものである。営業店等の拠点100とセンタ200とが通信可能になっている。拠点100では銀行・保険等の業務に係る伝票101を取り扱う。スキャナ102を設置している。
【0014】
センタ200では、各拠点からの伝票について集中して受け入れ、エントリ処理を行う。そこで、イメージエントリの業務用のPC201や、スキャナ202を設置している。センタ200における機能としては、イメージエントリ処理部203、データ量管理処理部204、外部連携処理部205、およびデータ登録処理部206といったものがあり、これらの処理をサーバ等のコンピュータ(図示せず)に実行させるためのプログラムが実行されることにより、当該機能を実現している。
【0015】
また、イメージテーブル207、コードテーブル208、データ量管理テーブル209、および外部端末管理テーブル210といった各種データベースを、記憶装置(図示せず)上に構築している。これらデータベースを、上記各種処理部から必要に応じてアクセスできるようにシステムを構成している。
【0016】
「外部」300は、携帯電話機、PDA、デジタルTV等の外部端末含む群を指しており、「A群」300A、「B群」300Bと称する2群が存在する。これら外部の各群は、センタ200と通信可能になっている。
【0017】
「A群」300Aとは、即時に処理可能として登録されている、第一の外部端末群をいう。例えば、携帯電話機(通常、複数存在し、301A、302A、・・・と称する)、PDA、デジタルTV等である。
【0018】
「B群」300Bとは、即時に処理可能ではないが、処理依頼の通知を受付可能として登録されている、第二の外部端末群をいう。例えば、携帯電話機(通常、複数存在し、301B、302B、・・・と称する)PDA302B、デジタルTV等である。
【0019】
次に、本実施形態における処理の流れを説明する。
【0020】
図2は、本実施形態のフローチャートである。
【0021】
(ステップS201:イメージデータの取得・登録)
営業店等の拠点100に設置したスキャナ102、または、センタ200に設置したスキャナ202により、伝票101のイメージデータを取得し、イメージテーブル207に登録する。
【0022】
図3は、本実施形態のイメージテーブル207のデータ構造である。
【0023】
イメージテーブル207は、イメージデータのデータベースであり、イメージデータのキー情報207Aに基づいて、登録されたイメージデータ207Bを検索することができるように構成されている。
【0024】
(ステップS202:センタPCでのデータ入力処理)
イメージエントリ処理部203は、イメージテーブル207から伝票のイメージデータをPC201の画面に表示し、人によるイメージデータを基にしたデータ入力処理を可能とする。また、入力されたコードデータをコードテーブル208に登録する。
【0025】
図4は、本実施形態のコードテーブル208のデータ構造である。
【0026】
コードテーブル208は、入力されたコードデータのデータベースである。先に説明したイメージテーブル207と同一の「イメージデータのキー情報」207Aに対応付けて、そのイメージデータについて入力された入力データ208Aを登録し、また、データのキー情報208Bを用いて入力データ208Aを検索することができるように構成されている。
【0027】
(ステップS203:データ処理状況の管理)
データ管理処理部204は、イメージテーブル207に登録されたデータ量とコードテーブル208のデータ処理状況を、データ量管理テーブル209に登録する。
【0028】
図5は、本実施形態のデータ量管理テーブル209のデータ構造である。
【0029】
データ量管理テーブル209には、イメージデータ件数209A、コードデータ件数209B、コードデータ処理済件数209C、処理端末数209D、外部端末利用有無基準値209E、および外部端末追加利用有無基準値209Fが登録される。
【0030】
イメージデータ件数209Aは、イメージテーブル207に登録されている、入力された帳票のイメージデータ207Bの件数であり、データ量管理処理部204がこれを登録する。
【0031】
コードデータ件数209Bは、コードテーブル208に登録されている入力データ208A、すなわちエントリ処理が済んだものの件数であり、データ量管理処理部204がこれを登録する。
【0032】
コードデータ処理済件数209Cはコードデータ件数209Bのうち、処理が済んだものの件数である。
【0033】
処理端末数209Dは、センタ200または外部300において処理を行っている端末の数である。
【0034】
外部端末利用有無基準値209Eは、センタ200のPC201に加えて、外部300の「A群」の端末を利用するか否かの判断基準の値である。
【0035】
外部端末追加利用有無基準値209Eは、外部300の「B群」の端末を、上記「A群」に追加的に利用するか否かの判断基準の値である。
【0036】
(ステップS204:処理量が基準値を超えたかの判断)
外部連携処理部205はデータ量管理テーブル209を基に処理量を判断し、外部端末のエントリを行うかを決定する。
ここで、外部端末のエントリを行うか否かの判断基準の式を、以下に示す。
【0037】
イメージデータ件数 − コードデータ処理済み件数 > 外部端末利用有無基準値
【0038】
この式において、外部端末利用有無基準値209E(第一の基準値)を超えていなければ、センタ200のPC201での通常処理を続行してもよい(S204:NO)。
【0039】
(ステップS205:「A群」の端末にイメージを一部切出し送信)
イメージデータ件数がコードデータ処理済件数を外部端末利用有無基準値よりも上回っているときは、外部端末のエントリを行う(S204:YES)。
【0040】
イメージテーブル207から伝票のイメージデータを外部端末管理テーブル205にその時点で処理可能として登録された「A群」300Aの端末に対し送信する。
【0041】
また、外部連携処理部205は外部端末に送信するイメージを、マスキングあるいは一部イメージに分割して切り出し、そのエントリ処理をさせるために送信する。
【0042】
図6は、伝票イメージの分割処理の概要図である。
【0043】
伝票に記入されている文字について、そのイメージを、セキュリティを維持するために、個々の文字ごとに分割する。その切り出された一部イメージを、外部端末である携帯電話機301Aと302Aに送信している。各端末においては、各イメージを基にしたコード入力が行われる。
【0044】
図7は、本実施形態の外部端末管理テーブル210のデータ構造である。
【0045】
外部端末管理テーブル210には、端末ID210A、送信番号210B、利用登録状況210Cおよび処理状況210Dが登録される。
【0046】
端末ID210Aは、外部300の端末のIDである。
【0047】
送信番号210Bは、端末ID210Aで識別される外部端末に送信したデータの番号である。
【0048】
利用登録状況210Cは、端末ID210Aで識別される外部端末が「A群」であるのか「B群」であるかどうかの登録状況をあらわす。
【0049】
処理状況210Dは、端末ID210Aで識別される外部端末がその時点で処理可能であるかどうかの状況をあらわす。「A群」の端末は通常その時点で即時処理可能な状況である。一方で、「B群」の端末は通常は処理可能な状況ではないが、後述するように、処理依頼通知を受付可能な状況であり、処理依頼を通知して、処理可能な状況に変更することができる。
【0050】
(ステップS206:「A群」の端末による一部イメージの入力処理)
外部端末では伝票の一部イメージを基にコードデータの入力を行いセンタ200へ返信する。データ登録処理部206は、返信されたデータをコードテーブル208に登録する。
【0051】
(ステップS207:処理量が「A群」では不足かの判断)
外部連携処理部205は、データ量管理テーブル209と外部端末管理テーブル210から既に処理している「A群」300Aでは処理の許容量が不足するか否かを判断する。
ここで、外部端末が「A群」300Aでは不足か否かの判断基準を、以下に示す。
【0052】
イメージデータ件数 − コードデータ処理済件数 > 外部端末追加利用有無基準値
【0053】
(ステップS208:「B群」の端末に処理依頼を通知)
イメージデータ件数がコードデータ処理済件数を外部端末追加利用有無基準値209F(第二の基準値)よりも上回っているときは(S207:YES)、外部端末管理テーブル210に登録された受付可能な外部端末「B群」300Bに対して、処理依頼の通知を行う。「B群」300Bの端末では人により受付可否を返信する。
【0054】
(ステップS209:処理可能な「B群」の端末を「A群」と同様と管理)
外部連携処理部205は受付可能と返信のあった「B群」300Bの端末を、「A群」300Aと同様とみなして管理する。すなわち、処理状況210Dにおいて「処理可能」としたうえで、イメージデータの送信処理を行う。
【0055】
そして、処理量が「A群」では不足か否かの判断(S207)に再度戻り、その後の処理を続行する。
【0056】
なお、外部端末追加利用有無基準値209Fを超えていなければ(S207:NO)、「A群」300Aでの処理を続行してもよく、先に処理依頼をして「A群」と同様の管理をしていた「B群」の端末については、処理依頼を解除してよく、その時点で処理可能ではないという状況に戻してもよい。したがって、システム規模を適正にすることができる。または、データ量に依存せず、柔軟に処理できる仕組みとなっている。
【0057】
さらに、ここで、処理量がこの外部端末利用有無基準値を超えていなければ、センタ200のPC201での通常処理に戻ってもよい(S204:NO)。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯電話機やPDA等を用いた外部エントリを活用し、エントリ作業量の管理を行うことができるようになり、しかも、データの多い、少ないに関わらず、安全に処理できるイメージエントリシステムを提供することができる。なお、ポイント付与等の応用も容易である。
【0059】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
拠点100、センタ200、データ量管理テーブル209、外部端末管理テーブル210、外部300、外部端末「A群」300A、外部端末「B群」300B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された帳票のイメージにおけるコードデータをエントリ処理するためのイメージエントリシステムであって、
入力された帳票のイメージの件数であるイメージデータ件数と前記処理が済んだコードデータ処理済件数とを管理するデータ量管理部と、
即時処理可能である第一の外部端末群と、処理依頼通知を受付可能である第二の外部端末群とを登録する外部端末管理部とを記憶する記憶装置と、
前記イメージデータ件数が前記コードデータ処理済件数を第一の基準値より上回っているときは、第一の外部端末群の端末に対して前記イメージを分割して送信し、そのエントリ処理をさせ、
前記イメージデータ件数が前記コードデータ処理済件数を第二の基準値より上回っているときは、第二の外部端末群の端末に対して処理依頼通知をし、処理可能の返信があればその端末を第一の外部端末群とみなして管理する外部連携処理部とを備えるイメージエントリシステム。
【請求項2】
入力された帳票のイメージにおけるコードデータをエントリ処理するためのコンピュータによるイメージエントリ方法であって、
記憶装置に、入力された帳票のイメージの件数であるイメージデータ件数と前記処理が済んだコードデータ処理済件数とを管理するデータ量管理部と、
即時処理可能である第一の外部端末群と、処理依頼通知を受付可能である第二の外部端末群とを登録する外部端末管理部とを記憶するステップと、
前記イメージデータ件数が前記コードデータ処理済件数を第一の基準値より上回っているときは、第一の外部端末群の端末に対して前記イメージを分割して送信し、そのエントリ処理をさせるステップと、
前記イメージデータ件数が前記コードデータ処理済件数を第二の基準値より上回っているときは、第二の外部端末群の端末に対して処理依頼通知をし、処理可能の返信があればその端末を第一の外部端末群とみなすステップとを含むイメージエントリ方法。
【請求項3】
入力された帳票のイメージにおけるコードデータをエントリ処理するためのプログラムであって、
記憶装置に、入力された帳票のイメージの件数であるイメージデータ件数と前記処理が済んだコードデータ処理済件数とを管理するデータ量管理部と、
即時処理可能である第一の外部端末群と、処理依頼通知を受付可能である第二の外部端末群とを登録する外部端末管理部とを記憶させ、
コンピュータに、前記イメージデータ件数が前記コードデータ処理済件数を第一の基準値より上回っているときは、第一の外部端末群の端末に対して前記イメージを分割して送信し、そのエントリ処理をさせる手順と、
前記イメージデータ件数が前記コードデータ処理済件数を第二の基準値より上回っているときは、第二の外部端末群の端末に対して処理依頼通知をし、処理可能の返信があればその端末を第一の外部端末群とみなす手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−79060(P2012−79060A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223182(P2010−223182)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)