説明

イヤパッド

【課題】 メガネをかける人がヘッドフォンを装着した際に、イヤパッドがメガネのつる全体に干渉および圧迫することで、メガネのつる全体が側頭部および耳介を圧迫することにより生じる側頭部および耳介の痛みを飛躍的に改善したイヤパッドを提供することを目的とする。
【解決手段】ヘッドフォンのイヤパッド前方にメガネのつる中央部が収まる第一のへこみと、イヤパッド後方にメガネのつる後方部が収まる第二のへこみと、を設けることで、メガネをかける人がヘッドフォンを装着した際に、メガネのつる全体がイヤパッドから干渉および圧迫されなくなり、メガネのつる全体が側頭部および耳介を圧迫しなくなることで、側頭部および耳介の痛みが飛躍的に改善され、快適に長時間使用できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘッドフォンに採用可能なイヤパッド構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メガネをかける人がヘッドフォンを装着する場合、イヤパッドがメガネのつるに当たることで、イヤパッドがメガネのつるを圧迫し、メガネのつるが側頭部および耳介を圧迫するため長時間使用すると非常に大きな痛みを伴っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
これに対して特許文献1に示されるように、ヘッドフォンのイヤパッド前方にへこみを設けることで、メガネをかける人がヘッドフォンを装着すると、イヤパッドがメガネのつる中央部に当たらず、イヤパッドがメガネのつる中央部を圧迫しなくなり、メガネのつる中央部が側頭部および耳介を圧迫しなくなるため、痛みが生じず、メガネをかける人にとって快適な使用ができるとされている。
【特許文献1】 特開2002−101483
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているヘッドフォンはイヤパッド前方にメガネのつる中央部を干渉および圧迫しないためのへこみが設けられているが、頭部の大きさやメガネの大きさによって、メガネのつる後方部が耳介の後方に位置することとなり、メガネのつる後方部がイヤパッドに干渉すると、イヤパッドがメガネのつる後方部を圧迫し、メガネのつる後方部が側頭部および耳介を圧迫するため、大きな痛みが生じるという点に着目した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は従来の問題点を解決しようとするもので、ヘッドフォンのイヤパッドがメガネのつる中央部に干渉しないための第一のへこみと、ヘッドフォンのイヤパッドがメガネのつる後方部に干渉しないための第二のへこみと、を設ける構造とすることである。
【発明の効果】
【0006】
上記の構造によって、ヘッドフォンのイヤパッドがメガネのつる全体に干渉しなくなることで、メガネのつる全体がイヤパッドから圧迫されなくなり、メガネのつる全体が側頭部および耳介を圧迫しなくなることで、側頭部および耳介の痛みが飛躍的に改善され、快適に長時間使用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下に本発明の実施形態について図面を説明する。
【図1】本発明の実施形態1を示すイヤパッドの外観図であり、図1(a)が正面図、図1(b)が左側面図、図1(c)が右側面図
【図2】本発明の実施形態1を示すイヤパッドの斜面図
【図3】本発明の実施形態1を示すイヤパッド1が取り付けられたヘッドフォンを装着した際の、耳介とイヤパッドの配置関係を示す説明図
【図4】本発明の実施形態1を示すイヤパッド1が取り付けられたヘッドフォンの斜面図
【図5】本発明の実施形態2を示すイヤパッドカバーの外観図であり、図5(a)が正面図、図5(b)が左側面図、図5(c)が右側面図
【図6】本発明の実施形態2を示すイヤパッドカバーの斜面図
【図7】本発明の実施形態2を示すイヤパッドカバーが取り付けられたヘッドフォンの斜面図
【図8】本発明の実施形態2を示すイヤパッドカバーの後面およびヘッドフォンの関係性を示す斜面図
【発明を実施するための形態】
(実施形態1)本実施形態1の構造を説明する。図1が示すように、本発明の緩衝材の一具体例に該当する右イヤパッド1は、中央に開口部3を有した環状かつ板状であるベースパッド4と、ベースパッド4の主面上には例えば接着剤で接続された耳介11に接触する環状の緩衝材であるクッションパッド5と、を備えるイヤパッドである。
【0008】
さらにクッションパッド5の前方には耳介11に接触したときにメガネのつる中央部9との干渉を避ける第一のへこみ6が形成されており、クッションパッド5の後方にはメガネのつる後方部10との干渉をさける第二のへこみ7が外周よりも内側に形成された構造である。
【0009】
前記の前方および後方については、図3が示す通り右イヤパッド1を縦に分けてメガネのつる中央部に位置する方を前方とし、メガネのつる後方部に位置する方を後方とする。
【0010】
素材について説明する。右イヤパッド1の素材は例えばポリウレタン樹脂や合成ゴムなどの素材を発泡させて柔らかくし、そのままもしくは柔軟な合成合皮や布などで外側を包みこむものとする。
【0011】
作用について説明する。図4が示すように、右イヤパッド1を例えば接着剤で接続されたヘッドフォン8をメガネをかけた人が装着すると、図3が示すようにクッションパッド5が耳介11を包囲するように配置され、開口部3に耳介11が収まっており、メガネのつる中央部9は第一のへこみ6に収まる位置になるように設定され、メガネのつる後方部10は第二のへこみ7に収まる位置になるように設定されている。
【0012】
メガネのつる中央部9は第一のへこみ6に収まる位置になるように設定され、メガネのつる後方部10は第二のへこみ7に収まる位置になるように設定されることで、メガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10はクッションパッド5から干渉されなくなり、メガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10はクッションパッド5から圧迫されないこととなる。
【0013】
以上のようにメガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10はクッションパッド5から干渉されなくなることで圧迫されなくなり、メガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10が側頭部および耳介を圧迫しなくなることで、本発明の課題である側頭部および耳介の痛みが緩和され、快適に長時間使用できるようになる。
【0014】
ここでは右耳用の右イヤパッド1について説明したが、左耳用の左イヤパッド2についても配置や構成を面対象にしておけば同様の結果を得ることができる。
【0015】
(実施形態2)本実施形態1ではヘッドフォンへの脱着が容易ではないため、本実施形態2では本発明の右イヤパッド1を容易にヘッドフォンへ脱着可能な形態に改良しようとするものである。
【0016】
その構造を説明する。図5が示す通り右イヤパッドカバー12は、本実施形態1の構造を有した右イヤパッド1と、ベースパッド4の外周に一端部26が例えば接着剤で接続された筒状かつ柔軟性を有するシート状の右ハウジングカバー14と、を備えたイヤパッドカバーである。
【0017】
右ハウジングカバー14は、上方に他端部23から一端部26に向かって扇状に形成された切れ込みであるアーム用切れ込み16と、下方に他端部23から一端部26に向かって扇状に形成された切れ込みであるコード用切れ込み17と、が設けられている。
【0018】
さらに他端部23の前方には、他端部23を折り返し、他端部23を絞るための紐20を挿通可能な空洞を残して例えば接着剤で接続されている紐挿通部27が設けられ、他端部23の後方には、他端部23を折り返し、他端部23を絞るための紐20を挿通可能な空洞を残して例えば接着剤で接続されている紐挿通部28が設けられている。
【0019】
紐20は、紐挿通部27、28に挿通された2本の紐状体であり、紐20各々の両端は、アーム用切れ込み16およびコード用切れ込み17に位置し、アーム用切れ込み16に位置する紐20の各端部には、互いに脱着可能な接続部21が設置され、コード用切れ込み17に位置する紐20の各端部には互いに脱着可能な接続部22が設置されている。
【0020】
接続部21、22は、例えばウエストポーチのベルトを脱着するための、例えばプラスチックで形成されたワンタッチバックルを用いるものとする。
【0021】
前記の前方および後方については、図3が示す通り右イヤパッド1を縦に分けてメガネのつる中央部に位置する方を前方とし、メガネのつる後方部に位置する方を後方とする。
【0022】
前記の上方および下方については、図5が示す通り、右イヤパッドカバー12を横に分けて接続部21が位置する方を上方とし、接続部22が位置する方を下方とする。
【0023】
素材について説明する。右イヤパッド1の素材は例えばポリウレタン樹脂もしくは合成ゴムを発泡させて柔らかくし、そのままもしくは柔軟な合成合皮もしくは布で外側を包みこむものとし、右ハウジングカバー14は柔軟な合成合皮もしくは布を用いるものとする。
【0024】
紐20は例えば伸縮性のある合成ゴムを用いるものとする。
【0025】
次に右イヤパッドカバー12の脱着方法について説明する。取付け方法は図8aが示す通り接続部21、22を各々2つに分解し、図8bが示す通りベースパッド背面部24をヘッドフォン19のイヤパッド上面部25に接触させ、アーム用切れ込み16はアーム15が位置するよう設定し、アーム15を取り囲むように紐20を配置させ、紐20の両端に設置された接続部21を合成するものとする。
【0026】
さらにコード用切れ込み17はコード18が位置するよう設定し、コード18を取り囲むように紐20を配置させ、紐20の両端に設置された接続部22を合成することで右イヤパッドカバー12をヘッドフォン19に取付け可能となる。
【0027】
取外し方法は、前記の取付け方法を反対に行う事により右イヤパッドカバー12をヘッドフォン19から取外し可能となる。
【0028】
作用について説明する。図7が示すように、右イヤパッドカバー12を、前記取付け方法で取付けられたヘッドフォン19をメガネをかけた人が装着すると、図3が示すようにクッションパッド5が耳介11を包囲するように配置され、開口部3に耳介11が収まっており、メガネのつる中央部9は第一のへこみ6に収まる位置になるように設定され、メガネのつる後方部10は第二のへこみ7に収まる位置になるように設定されている。
【0029】
メガネのつる中央部9は第一のへこみ6に収まる位置になるように設定され、メガネのつる後方部10は第二のへこみ7に収まる位置になるように設定されることで、メガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10はクッションパッド5から干渉されなくなり、メガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10はクッションパッド5から圧迫されないこととなる。
【0030】
以上のようにメガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10はクッションパッド5から干渉されなくなることで圧迫されなくなり、メガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10が側頭部および耳介を圧迫しなくなることで、本発明の課題である側頭部および耳介の痛みが緩和され、快適に長時間使用できるようになり、前記の脱着方法により右イヤパッドカバー12をヘッドフォンへ容易に脱着することが可能となる。
【0031】
ここでは右耳用の右イヤパッドカバー12について説明したが、左耳用の左イヤパッドカバー13についても配置や構成を面対象にしておけば同様の結果を得ることができる。
【0032】
本実施形態1、2の部材の材料等は一例であり、これに限定されるものではない。
【0033】
本実施形態1、2のメガネのつる中央部9およびメガネのつる後方部10の深さは一例であり、これに限定されるものではない。
【0034】
本実施形態1、2クッションパッド5は耳介よりも大きいものが望ましいが、これに限定されるものではない。
【0035】
(変形形態)本実施形態1、2ではヘッドフォンを例として説明したが、これ以外にもイヤマフもしくは耳を押さえつける装置に適用しても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
ヘッドフォンおよびイヤマフ、もしくは耳を押さえつける装置に利用できる。
【符号の説明】
1 右イヤパッド
2 左イヤパッド
3 開口部
4 ベースパッド
5 クッションパッド
6 第一のへこみ
7 第二のへこみ
8 ヘッドフォン
9 メガネのつる中央部
10 メガネのつる後方部
11 耳介
12 右イヤパッドカバー
13 左イヤパッドカバー
14 右ハウジングカバー
15 アーム
16 アーム用切れ込み
17 コード用切れ込み
18 コード
19 ヘッドフォン
20 紐
21 接続部
22 接続部
23 他端部
24 ベースパッド背面部
25 イヤパッド上面部
26 一端部
27 紐挿通部
28 紐挿通部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状かつ板状であるベースパッドと、前記ベースパッドの主面上に取り付けられ、耳介に接触する環状の緩衝材であって、前方には耳介に接触したときにメガネのつる中央部との干渉を避ける第一のへこみが形成されており、後方には眼鏡のつる後方部との干渉をさける第二のへこみが外周よりも内側に形成されている緩衝材と、を備えるイヤパッド。
【請求項2】
請求項1に記載のイヤパッドと、前記イヤパッドの前記ベースパッドの外周に一端部が取り付けられ、筒状かつ柔軟性を有するシート状のハウジングカバーであって、上部と下部とに切れ込みが形成され、前記切れ込みは他端部から前記一端部に向かって形成されており、前記他端部には前記他端部を絞るための紐状体を挿通可能な折り返し部が形成されているハウジングカバーと、前記ハウジングカバーの前記上部と下部の切れ込みによって分けられた前方と後方の折り返し部にそれぞれ挿通された2本の紐状体であって、各々の両端が前記上部と下部の切れ込みに位置する2本の紐状体と、前記上部の切れ込みに位置する前記2本の紐状体の端部に取り付けられ、互いに脱着可能な上部接続部材と、前記下部の切れ込みに位置する前記2本の紐状体の端部に取り付けられ、互いに脱着可能な下部接続部材と、を備えるイヤパッドカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−244617(P2012−244617A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123800(P2011−123800)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【特許番号】特許第5046172号(P5046172)
【特許公報発行日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(511134399)
【Fターム(参考)】