説明

イヤホンセット

【課題】イヤホンと、このイヤホンを使用者の耳に適切に掛けるため、2軸方向に回動させることができる耳掛け部を含んで成る、イヤホンセットの提供。
【解決手段】本発明のイヤホンセットは、イヤホン10と耳掛け部20を含む。イヤホン10は殻体12と、殻体12から延伸された軸部14を含む。耳掛け部20はブッシング16、接続部材30、フック部22を含み、ブッシング16は軸部14上に設置され、接続部材30はブッシング16上に設置される環状部34を含み、ブッシング16はイヤホン10の重量からのトルクを受けるため環状部34内で回動しないが、適切なトルクが加わると、ブッシング16は環状部34内で回動させることができ、フック部22は接続部材30に回動可能に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイヤホンセットに関し、詳細には、イヤホンと、2軸方向に回動可能な耳掛け部を含み、使用者の耳に適切にイヤホンを掛けることができる、イヤホンセットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話はワイヤレスコミュニケーションの手段として普及しており、使用者は携帯電話を使用するとき、携帯電話を耳に近づけて持つ。しかしながら、安全性と健康のため、携帯電話を使用するとき頭部から離して使いたいという使用者もいる。この場合、使用者は携帯電話にヘッドセットを組み合わせることができ、このようなヘッドセットにはイヤホンとマイクロホンが含まれる。使用者はイヤホンを耳の近くに、そしてマイクロホンを口の近くに配置して使用する。
【0003】
早期において、ヘッドセットはワイヤで携帯電話に接続されていた。ヘッドセットのうち小型で軽量なイヤホンは耳の中に挿入して使用されるが、ワイヤが往々にして物品に絡まり、使用者にとって煩わしいものとなっている。
【0004】
前述の欠点を回避するため、ワイヤレスのヘッドセットが考案されている。ワイヤレスヘッドセットは、イヤホン、マイクロホン、送受信機、そしてこれらイヤホン、マイクロホン、送受信機を収容する殻体を含んで成る。このようなヘッドセットは大きく重いため、耳に掛けるための耳掛け部が必要である。
【0005】
従来の耳掛け部は使用者の特定の側の耳のみに装着するようになっており、通常は左耳用である。
【0006】
特許文献1及び2に開示されているように、ヘッドセットはイヤホン、マイクロホン、これらイヤホンとマイクロホンを収容する殻体、そしてこの殻体に接続された耳掛け部を含んで成る。この耳掛け部は回動させて使用者のどちらの耳にも殻体を掛けて使用することができるようになっている。しかしながら、殻体は耳掛け部に対して回動させることができないため、イヤホンを使用者のいずれの耳にも適切に近付けて配置することが困難である。
【特許文献1】台湾特許公報第519363号
【特許文献2】台湾特許公報第465894号
【特許文献3】台湾特許公報第M257589号
【0007】
特許文献3で開示されているヘッドセットは、イヤホン、イクロホン、これらイヤホンとマイクロホンを収容する殻体、そしてこの殻体に接続された耳掛け部を含んで成る。この耳掛け部は回動させて使用者のどちらの耳にも殻体を掛けて使用することができるようになっている。この殻体は回動させることができ、耳掛け部に対しいくつかの角度位置のうち好みの位置に調整して殻体を弾力的に配置することができ、マイクロホンを使用者の口近くに配置することができるようになっている。しかしながらこの殻体は耳掛け部に対してあらゆる好みの角度位置に配置することはできない。
【0008】
このため、本発明は先行技術における問題を排除または少なくとも軽減することを意図している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、イヤホンと、このイヤホンを使用者の耳に適切に掛けるため、2軸方向に回動させることができる耳掛け部を含んで成る、イヤホンセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本願発明は、イヤホンと、耳掛け部とを含むイヤホンセットであって、前記イヤホンは、殻体と、前記殻体から延出する軸部を含み、前記耳掛け部は、前記軸部上に設置されたブッシングと、前記ブッシング上に設置された環状部を含み、かつ前記ブッシングが前記イヤホンの重量によるトルクを受けるため前記環状部内で回動しないが、適切なトルクが加わると前記環状部内で回動させることができる接続部材と、前記接続部材に回動可能に接続されたフック部とを含むことを特徴とする、イヤホンセット。
【0011】
ここで、前記ブッシングをゴム製とするのが好ましい。また、前記フック部を前記接続部材に回動可能に接続する回動ユニットを設けるとよい。
【0012】
また、前記回動ユニットが管体と、前記管体に一部が回動可能に挿入された軸棒とを含ませるとよい。また、前記管体を前記フック部に接続するとよい。
【0013】
前記軸棒を前記接続部材に接続するとよい。前記接続部材が前記環状部から延伸された管部を含み、前記軸棒を前記管部に挿入するとよい。前記管体と前記軸棒を金属製にするとよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のその他目的、利点及び特徴について、以下、図面に基づき明らかにする。
【0015】
ここでは本発明について、最良の実施例と図面に基づき、詳細に説明する。
【0016】
図1から図3に示すように、本発明の最良の実施例によるイヤホンセットは、イヤホン10と、このイヤホン10を使用者の耳に適切に掛けるため、2軸方向に回動させることができる耳掛け部20を含んで成る。
【0017】
イヤホン10はイヤホン10の外装である殻体12と、この殻体12から延出する軸部14とを含み、殻体12と軸部14は通常プラスチック製とすることができ、且つ、殻体12と軸部14は一体として設けることが望ましい。
【0018】
前記耳掛け部20はブッシング16、接続部材30、回動ユニット40、フック部22を含む。
【0019】
前記ブッシング16は前記軸部14上に設置され、ブッシング16と軸部14間を接着剤で強固に固定されている。ブッシング16はゴム製とするのが望ましい。
【0020】
前記接続部材30は、環状部34と、この環状部34から延伸された管部32を含む。前記環状部34はブッシング16上に設置される。この接続部材30は通常プラスチック製とすることができる。環状部34とブッシング16間には適切な摩擦力が存在し、環状部34はイヤホン10の重量からのトルクを受けるためブッシング16上で回動しないが、適切なトルクが加わると、環状部34はブッシング16上で回動させることができ、このため、環状部34はブッシング16に対しあらゆる好みの位置に動かして弾力的に保持することができる。
【0021】
すなわち、環状部34に形成された開口部内に圧入されたブッシング16によって、イヤホン10は中空支持される。このため、イヤホン10の重量によって、ブッシング16に対して軸部14の軸方向周りの回転モーメントが加わることとなる。このとき、ブッシング16と環状部34との間に発生する摩擦力により、ブッシング16が軸部14の軸方向周りに回転するのを防止することができる(ブッシング16が環状部34内で回転するのを防止できる)。
【0022】
他方、イヤホン10による回転モーメントよりも大きな回転モーメントがブッシング16に働いた場合には、ブッシング16と環状部34との間に働く摩擦力に抗して、環状部34内におけるブッシング16の回転動作が許容される。
【0023】
前記回動ユニット40は管体42と、この管体42内に一部が挿入された軸棒44を含む。前記軸棒44はその一部が管部32に挿入される。この軸棒44は前記管体42上のいくつかの角度位置から選択したいずれかの位置に弾力的に保持される。前記回動ユニット40は金属製とするのが望しい。前記管体42はフック部22に挿入され、前記軸棒44は接続部材30の管部32に挿入される。
すなわち、軸棒44はその一部が管部32に回転可能に挿入されている。
【0024】
前記回動ユニット40はフック部22と接続部材30内に隠して配置するのが望ましい。回動ユニット40は接続部材30に対してフック部22を回動させ、接続部材30上の選択した角度位置にフック部22を弾力的に保持することを可能にする。すなわち、フック部22及び軸棒44を、軸棒44の軸方向周りに一体的に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の最良の実施例に基づくイヤホンセットの立体分解図である。
【図2】図1のイヤホンセットの側面図である。
【図3】図2における3−3線でのイヤホンセットの断面図である。
【符号の説明】
【0026】
10 イヤホン
12 殻体
14 軸部
16 ブッシング
20 耳掛け部
22 フック部
30 接続部材
32 管部
34 環状部
40 回動ユニット
42 管体
44 軸棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンと、耳掛け部とを含むイヤホンセットであって、
前記イヤホンは、殻体と、前記殻体から延出する軸部を含み、
前記耳掛け部は、前記軸部上に設置されたブッシングと、前記ブッシング上に設置された環状部を含み、かつ前記ブッシングが前記イヤホンの重量によるトルクを受けるため前記環状部内で回動しないが、適切なトルクが加わると前記環状部内で回動させることができる接続部材と、前記接続部材に回動可能に接続されたフック部と
を含むことを特徴とする、イヤホンセット。
【請求項2】
前記ブッシングがゴム製であることを特徴とする請求項1に記載のイヤホンセット。
【請求項3】
前記フック部を前記接続部材に回動可能に接続する回動ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載のイヤホンセット。
【請求項4】
前記回動ユニットが管体と、前記管体に一部が回動可能に挿入された軸棒を含むことを特徴とする請求項3に記載のイヤホンセット。
【請求項5】
前記管体が前記フック部に接続された、請求項4に記載のイヤホンセット。
【請求項6】
前記軸棒が前記接続部材に接続された、請求項4に記載のイヤホンセット。
【請求項7】
前記接続部材が前記環状部から延伸された管部を含み、前記軸棒が前記管部に挿入される、請求項6に記載のイヤホンセット。
【請求項8】
前記管体と前記軸棒が金属製である、請求項4に記載のイヤホンセット。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−199264(P2008−199264A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31761(P2007−31761)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(504037461)ギガ−バイト テクノロジー カンパニー リミテッド (28)
【Fターム(参考)】