説明

インクジェット捺染用インク及びインクジェット捺染方法

【目的】 分散染料で染色可能な繊維を主体とする布帛をインクジェット方式で捺染する際、染色上の問題、インクの吐出特性上の問題、更に保存安定性上の問題を同時に満足するインク及び捺染方法を提供する。
【構成】 インクジェット捺染用インクの構成を、分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を少なくとも含有するものとし、前記分散染料の含有量がインク全重量に対して0.1〜10重量%、比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット捺染用インク組成物に関し、特に、分散染料で染色可能な繊維から構成される織布または不織布あるいはこれらの繊維と他の合成繊維及び天然繊維からなる混紡織布あるいは混紡不織布の捺染方法に適したインクジェット捺染用インクと、これを用いたインクジェット捺染方法、該方法により得られる捺染物及び、記録ユニット、インクカートリッジ、及び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、捺染の主流はスクリーン捺染、ローラー捺染である。しかしながら、こ30れらの方式は、多品種少量生産に不向きであり、流行への迅速な対応も困難であることから最近では、無製版の電子捺染システムの確立が要望されている。
【0003】この要望に対してインクジェット記録による捺染方法が数多く提案されており各方面からの期待も大きくなっている。
【0004】分散染料を用いたインクジェット捺染用インクとしては、(1)高温時及び長期保存における分散安定性が良好なこと、(2)発色に十分な濃度を与えること、(3)ヘッドのノズルを目詰まりさせないこと、(4)布帛上で不規則なにじみがなくかつ均染性に優れていること、(5)長期にわたる耐久においても吐出特性に変化のないこと、特に特開昭54−59936号公報に記載されている熱エネルギーによる体積変化を利用してインクを吐出させる方式の場合には、熱エネルギーを与えるヒーター上に異物の沈着がなく、また消泡時のキャビテーションによるヒーター破壊を起こさず安定した吐出が可能であること、(6)マルチノズルヘッドを用いてもノズル間での吐出速度やヨレの変動が少ないこと、等の要求性能が挙げられる。
【0005】これらの要求性能を満足させるために、従来からは以下のような手段がとられてきた。
【0006】まず(1)については、分散染料の様に水不溶性または水難溶性の色素を用いるような場合は特に重要で、インクジェット用インクのような低粘度が必須の液体では、従来の分散染料の液状品よりも分散安定性が低下し、高温時や長期保存時に染料が沈降するという問題点は避けられない。この問題に対して、特開平2−189373には、インク中の水不溶性色素の粒子径を制御しかつ溶液密度を1.01〜1.3に調整する提案がなされているが提示範囲は極めて広範囲であり、この提案だけでは、すべての効果は期待できない。
【0007】(2)については、染料の濃度を高くすることで十分な濃度を与えるというのが一般的な手段であり、特に200pl以下の小液滴を用いたり、吸収力の強い布帛を捺染する場合は、必須技術である。しかし、こうしたインクは、ノズル先端からのインクの蒸発のため増粘したり、染料が沈降して(3)の問題を引き起こすに至る。
【0008】そこで(3)に対しては、グリセリン等の多価アルコールを添加する等の手段がとられてきたが、分散染料の様に水不溶性または水難溶性の色素を用いるような場合は、特に完全といえるような解決策はなく、染料と溶剤の極めて特異的な組み合わせ以外は、満足な結果は得られない。
【0009】(4)については、すでに数多くの提案がされており、例えば特開昭62−283174においてはカルボン酸基含有ポリマーのインクへの添加が挙げられるがいずれも(3)や(5)の問題は、避けられない。
【0010】(5)については、含有する染料の構造に起因する場合があるが溶剤が存在することによる分散破壊の影響も考えられ、詳しい検討がなされておらず十分な問題解決に至っていない。
【0011】(6)については、マルチノズルヘッド、とりわけインクが隣接ノズル間で物理的な相互作用を受ける場合に問題となるがインク面からの解析は進んでいないというのが現状である。以上のごとく従来の技術では個々の性能を単独で満足させる手段は見出せても、これらの性能を同時に満足させ、係る一連の問題を解決する捺染用インク及びインクジェット捺染方法は今迄のところ知られていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、分散染料で染色可能な繊維を主体として構成される布帛に対する、上述のごとき従来の一般的な捺染用インク及びインクジェット捺染の課題、すなわち布帛上で不規則な滲みが起こらず高濃度で鮮明かつ均染性に優れた捺染物を得るといった染色上の問題、吐出性能、特にマルチノズルヘッドや熱エネルギー方式によるインクジェット方式において吐出安定性が良好であるといった吐出特性上の問題、更に高温時及び長期にわたって分散状態が安定したインクを得るという保存安定性上の問題を同時に満足するインク及び捺染方法を提供することにある。このような本発明の目的は以下の本発明によって達成される。
【0013】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を含有するインクジェット捺染用インクであって、前記分散染料をインク全重量に対して0.1〜10重量%含有し、かつ比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲であることを特徴とするインクジェット捺染用インクである。又、本発明は分散染料で染色可能な布帛に対し捺染用インクをインクジェット方式により付与し、ついで熱処理するインクジェット捺染方法において、前記捺染用インクとして分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を含有するインクジェット捺染用インクであって、前記分散染料をインク全重量に対して0.1〜10重量%含有し、かつ比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲であるインクを用いることを特徴とするインクジェット捺染方法である。又本発明は上記捺染方法で製造した捺染物である。又、本発明は上記捺染方法にて使用されるインクカートリッジ、記録ユニット、記録装置も包含するものである。
【0014】
【作用】本発明者はインクジェット捺染用インクにおいて、前述の如き種々の要求性能を同時に満足させるべくインクの改良を行つた結果、分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を含有するインクジェット捺染用インクにおいて、前記分散染料をインク全重量に対して0.1〜10重量%含有し、かつ比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲に制御することによって、吐出安定性や長期の保存性、滲み性が格段に改善されることを知見した。また、印字後の布帛を観察すると、ムラ、ヨレ、混色部の色ズレが見られず、更にその布帛を発色させたところ輪郭がシャープで鮮明な捺染物が得られた。
【0015】これらの現象は用いるインクの比重及び粘度に大きく関係する。保存安定性のうち沈降については 色素と液媒体の比重差が無ければ、色素の沈降は理論上起こらないが、そのようなインクを調整することは、他性能とのバランスを考慮すると難しい場合が多い。解決手段として分散剤を入れると比重差による影響は多少、緩和できるが根本的な解決とはなりにくい。しかしこの系においてインク全体としての比重を染料濃度が、10%以下のインクジェット用インクとしては通常で使用する範囲外ともいえる1.1以上に制御することで保存安定性が格段に良くなることを知見した。特に低粘度(2.5〜4.9cP)の領域にあるインクではその効果が大きい。
【0016】次に吐出性能という面では比重が1.1以上であると熱を利用してインクを吐出させるインクジェット方式、あるいはマルチノズルタイプのヘッドを用いる場合には特に隣接ノズル間の吐出速度や液滴容量のバラツキが押さえられることを知見した。熱を利用する方式における良好な効果は、発泡時の泡の安定性に起因しているものと思われる。
【0017】染色性の面では、比重の増加にともない、液的重量が増加し、繊維のけば等による着弾時の乱れが抑制される。また混色に際し打ち込み順序の違い等による染料の分布の変動が少なく染色安定性及び均染性の点でも良好な結果が得られるものと思われる。更にヘッドがシリアルに移動することによって印捺を行う場合には、飛翔時の空気抵抗の影響が低減されるため、着弾精度が向上し印字ムラ、ヨレ、混色部のの色ズレを押さえることができると思われる。
【0018】以上のことより、比重が1.1以上になると各種性能の向上が認められるが、上限値については、余りに比重が大きいと吐出速度や液滴容量の低減が起こり、濃色の捺染物が得られないという問題が生ずるため上記設定が必要である。総合的に検討した結果、粘度2.5〜4.9cP、比重1.1〜1.2に制御することが格段の効果を得るための条件であるという結果に至り、本発明を完成するに至ったものである。
【0019】次に好ましい実施態様を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0020】本発明のインクジェット捺染用インクは、少なくとも、0.1〜10重量%の分散染料、分散剤及び水性液媒体から構成され、該インクの比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲であることを特徴としている。
【0021】本発明にて使用し主として本発明を特徴づけるインクの物性は、比重と粘度であり、比重の調整は、1.1〜1.2、好ましくは、1.11〜1.19、より好ましくは、1.12〜1.18の範囲である。比重が1.1未満の場合は、ノズル間の吐出速度や液適容量のばらつきが大きく、布帛上での印捺ドットのヨレやムラが問題となる場合がある。また保存安定性の劣化が顕著となる。比重が1.2を超えると吐出速度や吐出容量の低下が起こり、濃色の捺染物が得られないという問題が起こる。
【0022】次に、本発明に用いる捺染用インクとしては、分散染料、分散剤および水性液媒体から構成されるインクジェット捺染用インクである。
【0023】分散染料としては以下に限定されるものではないが、C.I.ディスパ−ズイエロ−5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、211、224および237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119および163;C.I.ディスパ−ズレッド54、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、179、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、288、311、323、343、348、356および362;C.I.ディスパ−ズバイオレット26、33、77;C.I.ディスパ−ズブル−56、60、73、79、79:1、87、87:1、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365および368;C.I.ディスパーズグリーン6:1および9が好ましい。
【0024】更に、これら染料の含有量(2種以上を併用して使用する場合は総含有量)は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜9重量%、より好ましくは1〜8重量%の範囲である。分散染料の含有量が0.1重量%未満の場合は、発色の濃度が不十分である。また10重量%を超えて含有すると物性面の制約があるため、インクの保存安定性劣化やノズル先端付近におけるインク蒸発に伴う増粘や析出による不吐出を引き起こす。
【0025】さらに、本発明に使用するインクの水性液媒体に分散染料を分散させる化合物としては、いわゆる分散剤、界面活性剤、樹脂等をもちいることができる。分散剤または界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系のいずれも使用できるが、例えば、アニオン系のものとしては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、及びこれらの置換誘導体等があり、ノニオン系のものとしては、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマ−、アセチレングリコールまたはそのエチレンオキサイド付加物、及びこれらの置換誘導体等が挙げられる。中でもナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物及びその誘導体(特にアルキル化物)、アセチレングリコールまたはそのエチレンオキサイド付加物は、特に好ましいものである。
【0026】樹脂分散剤としてはスチレン及びその誘導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、α,β−不飽和カルボン酸の脂肪族アルコ−ルエステル等、アクリル酸及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、イタコン酸及びその誘導体、フマ−ル酸及びその誘導体、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれる少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体、並びにこれらの塩などを挙げることができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であることが好ましい。中でも、側鎖にカルボキシル基及びその塩類を有する水溶性高分子化合物が特に良好である。
【0027】分散染料を分散させる化合物の含有率はインク全重量に対して 0.02 〜30重量%とすることが好ましく、特に0.05〜25重量%とすることが好ましい。
【0028】また本発明に使用する、水を主成分とする水性液媒体は、インク全重量に対して10〜93重量%、好ましくは25〜87重量%、より好ましくは30〜82重量%の範囲で含有することが好ましい。
【0029】更に、水溶性有機溶剤を使用することによって、本発明の効果をより顕著にすることもできる。そのような溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール類、アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;チオジグリコール;ビスヒドロキシエチルスルホン;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。 上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインクの全重量に対して重量%で0〜50%、好ましくは2〜45%の範囲である。
【0030】上記のごとき媒体を併用する場合は単独でも混合物としても使用できるが、好ましい水溶性有機溶剤は、1価アルコール類、ケトン類、ビスヒドロキシエチルスルホン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びその誘導体(中でもそのアルキルエーテル類)である。中でもビスヒドロキシエチルスルホンは、比重を調整する際、特に好ましい化合物である。
【0031】本発明のインクの主成分は上記の通りであるが、その他各種の消泡剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤等を必要に応じて添加することができる。中でも尿素及びその誘導体、三価までのカルボン酸及びその塩類、りん酸及びその誘導体は、本発明の効果をより顕著にする効果がある。
【0032】以上の本発明におけるインクは、上記分散染料、分散染料を分散させる化合物、溶剤、水、その他の添加物と共に、従来公知の分散方法、混合方法等を用いて製造することができる。
【0033】本発明において使用する布帛を構成する素材としては、分散染料で染色可能な繊維を含有するものである。中でも、ポリエステル、アセテート、トリアセテートを含有するものが好ましい。その中でもポリエステルを含有するものが特に好ましいものである。上記繊維は織物、編物、不織布等いずれの形態でも使用できる。
【0034】係る布帛は、分散染料で染色可能な繊維100%で構成されるものが好適であるが、混紡率30%以上、好ましくは50%以上であれば、分散染料で染色可能な繊維と他の素材、例えばレーヨン、綿、ポリウレタン、アクリル、ナイロン、羊毛、絹等との混紡織布または混紡不織布等も本発明の捺染用布帛として使用することができる。
【0035】また、係る布帛を構成する糸の太さとしては、10d〜100dの範囲が好ましく、更にその糸を構成している繊維の太さとしては特に制限はないが、1d以下であると本発明の効果がより発揮される。
【0036】上記のインクジェット捺染用布帛は、布帛の乾燥重量に対して0.01〜20重量%の水溶性金属塩、水溶性高分子、尿素、チオ尿素および界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの物質を含有するとさらに好適である。それらの物質を合わせた含有量は、好ましくは0.5〜18%,より好ましくは1〜15%である。0.01%以下ではこれらの物質を添加する効果がなく、20%以上では布帛の搬送性及び染色性の点から好ましくない場合がある。
【0037】水溶性高分子の例としては、トウモロコシ、小麦等のデンプン物質;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系物質;アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グアーガム、タマリンド種子等の多糖類;ゼラチン、カゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物質;リグニン系物質等の天然水溶性高分子が挙げられる。更に、合成高分子では、例えば、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも多糖類系高分子やセルロース系高分子が好ましい。
【0038】水溶性金属塩類としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物の様に、典型的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例としては、例えば、アルカリ金属塩では、NaCl、Na2 SO4 、KCl、CH3 COONa等が挙げられ、又、アルカリ土類金属塩としては、CaCl2 、MgCl2 等が挙げられる。中でもNa、K、Caの塩類が好ましい。
【0039】界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系のものが使用され、代表的には、アニオン系では高級アルコール硫酸エステル塩、ナフタレン誘導体のスルホン酸塩、カチオン系では第4級アンモニウム塩、両性ではイミダゾリン誘導体、ノニオン系ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0040】次に、本発明の布帛においてはその水分率を好ましくは、1.0〜101.0%、より好ましくは、3.0〜81.0%の範囲とする。水分率が1.0%未満の場合では、発色性及びにじみ防止性の点で不都合が生じたり、水分率が101.0%を超えると、搬送性及び特に滲みの点で好ましくない場合がある。
【0041】尚、布帛中の水分率の測定方法としては、JIS L 1019を参照した。即ち、試料100gを正確に秤り取り、105±2℃の乾燥器中に入れ恒量になるまで乾燥した後、水洗処理を行い、再び恒量になるまで乾燥し、繊維部のみの乾燥後重量を測定し、次式によって布帛中の水分率を求める。
【0042】
水分率(%)={(W−W’)/W”} ×100(W:乾燥前重量、W’:乾燥後重量、W”:水洗乾燥後繊維部重量)
本発明の方法におけるインクジェット記録方式は、従来公知のいずれのインクジェット記録方式でも良いが、例えば、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させる方式に対して最も有効である。その理由としては、上記方式はマルチノズルを有する記録ヘッドの場合がほとんどであり、その場合、各ノズル間のインクの吐出速度のばらつきが小さく、インクの吐出速度が5〜20m/secの範囲に集約されており、本発明のインクの効果をより有効に発揮できることがあげられる。この速度で分散染料を含むインクが布帛に衝突した場合の着滴時の液滴の繊維に対する浸透の具合が最適である。またこの様な方式において本発明に使用するインクを用いると、長時間連続的に記録を行ってもそのヒーター上の異物の沈着や断線が発生せず、目詰まりのない安定した印捺が可能となる。
【0043】更に本発明のインクを使用し、特に効果の高い捺染方法が得られる条件としては、吐出液滴が20〜200pl、インク打込量が4〜40nl/mm2 、駆動周波数1.5KHz以上、及びヘッド温度35〜60℃の条件が好ましい。
【0044】本発明のインクを用いて捺染を行うのに好適な装置の一例として、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーよりに滴を発生させる装置が挙げられるが、以下にこれについて説明する。
【0045】その装置の主要部であるヘッド構成例を図1R>1、図2及び図3に示す。
【0046】ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックスまたはプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなっている。
【0047】インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0048】今、電極17−1、17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、オリフィス22よりインク21が吐出して記録小滴24となり、布帛25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面である。
【0049】図4にかかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
【0050】図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する布帛にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0051】51は布帛を挿入する為の給布部、52は不図示のモータにより駆動される布送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ布帛が給布され記録が進行するにつれて排布ローラ53を配した排布部へ排布される。
【0052】上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0053】記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0054】上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0055】図5は、インクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。インクはインク供給部材、例えばチューブを介してヘッドに供給される。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部40としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体になったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0056】図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0057】以上の如くして本発明に使用される捺染用インクは、布帛上に付与されるがこの状態では単に付着しているに過ぎないので、引続き繊維への染料の反応定着工程及び未定着の染料の除去工程を施すことが必須である。この様な反応定着工程及び未定着の染料の除去方法は、定着法に関しては、HTスチ−ミング法またはサ−モゾル法を用いた場合、本発明の効果が顕著である。さらにHTスチ−ミング法の場合、140℃〜180℃で2分〜30分間の処理条件の場合が好ましく、160℃〜180℃で6分〜8分間の処理条件の場合がより好ましい。サ−モゾル法の場合は、160℃〜210℃で10秒〜5分の処理条件の場合が好ましく、180℃〜210℃で20秒〜2分の処理条件の場合がより好ましい。また、除去方法に関しては、従来公知のソーピング方法で行えば良いが、特に還元洗浄を行うことが好ましい。
【0058】なお以上述べた処理が施された布帛は、その後所望の大きさに切り離され、その切り離された片は、縫着、接着、溶着などの最終的な加工品を得るための工程を施され、ワンピース、ドレス、ネクタイ、水着などの衣類や布団カバー、ソファーカバー、ハンカチ、カーテンなどを得ることができる。布帛を縫製などによって加工して衣類その他の日用品とする方法は、例えば「最新ニット縫製マニュアル」(センイジャーナル社発行)や月刊誌「装苑」(文化出版局発行)など、公知の書籍に多数記載されている。
【0059】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中部及び%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
布帛(A)の作成梳毛調のポリエステル繊維100%からなる織布を、予め濃度10%の尿素の水溶液に浸し、絞り率60%で脱水後乾燥し、布帛の水分率を6%に調整した。分散染料液(I〜III)の作成ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 20部リグニンスルホン酸ナトリウム 5部イオン交換水 55部ジエチレングリコール 10部上記成分を混合し、この溶液に新たに下記分散染料10部をそれぞれ加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
分散染料 C.I.ディスパーズ イエロー 42 (I用)
C.I.ディスパーズ レッド 92 (II用)
C.I.ディスパーズ ブルー 60 (III用)
分散機 サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディア ジルコニウムビーズ1mm径粉砕メディアの充填率 50%(体積)
粉砕時間 3時間さらに、フロロポアフィルターFP−250(住友電工社製)にてろ過し粗大粒子を除去して分散染料液(I〜III)を得た。
【0060】実施例1インク(a)の製造・上記分散染料液(I) 40部・チオジグリコール 10部・ビスヒドロキシエチルスルホン 15部・ジエチレングリコール 5部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン 0.05部−4,7−ジオール・尿素 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 27.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(a)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(a)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0061】比重 1.14粘度(25℃) 3.65cP表面張力(25℃) 44.3dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(a)をカラーバブルジェットプリンターBJC600(商品名 キヤノン製)に搭載し、上記の織布(A)に印字密度100%及び200%部の10cmx5cmのベタサンプルのプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように滲み性及び均染性が良好で、しかも印字密度100%部でも濃色が得られた。
【0062】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように吐出性は連続印字の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このインクは、高温時及び長期にわたって分散が安定していた。
【0063】比較例1インク(b)の製造・上記分散染料液(I) 40部・チオジグリコール 10部・ビスヒドロキシエチルスルホン 40部・ジエチレングリコール 5部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン 0.05部−4,7−ジオール・尿素 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 2.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(b)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(b)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0064】比重 1.21粘度(25℃) 4.25cP表面張力(25℃) 45.5dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(b)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(A)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて均染性及び濃色性が悪化した。
【0065】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて吐出安定性は悪化した。またこのインクは、実施例1に比べて高温時及び長期にわたる分散安定性が悪かった。
【0066】比較例2インク(c)の製造・上記分散染料液(I) 40部・チオジグリコール 10部・ビスヒドロキシエチルスルホン 4部・ジエチレングリコール 5部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン 0.05部−4,7−ジオール ・尿素 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 38.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(c)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(c)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0067】比重 1.09粘度(25℃) 3.11cP表面張力(25℃) 44.0dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(c)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(A)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて特に滲み性が悪化した。
【0068】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて吐出安定性は悪化した。また、このインクは、実施例1に比べて高温時及び長期にわたる分散安定性が悪かった。
【0069】比較例3インク(d)の製造・上記分散染料液(I) 40部・チオジグリコール 10部・ビスヒドロキシエチルスルホン 15部・トリプロピレングリコール 15部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン 0.05部−4,7−ジオール・尿素 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 17.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(d)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(d)の物性を測定したところ以下の様であった。
比重 1.15粘度(25℃) 5.01cP表面張力(25℃) 46.2dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(d)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(A)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて滲み性及び均染性が悪化した。
【0070】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて吐出安定性は悪化した。またこのインクは実施例1に比べて高温時及び長期にわたる分散安定性が悪かった。
【0071】比較例4インク(e)の製造・上記分散染料液(I) 40部・チオジグリコール 5部・ビスヒドロキシエチルスルホン 15部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン 0.05部−4,7−ジオール・尿素 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 37.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(e)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(e)の物性を測定したところ以下の様であった。
比重 1.13粘度(25℃) 2.42cP表面張力(25℃) 44.5dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(e)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(A)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて滲み性及び均染性が悪化した。
【0072】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように実施例1に比べて吐出安定性は悪化した。また、このインクは、実施例1に比べて高温時及び長期にわたる分散安定性が悪かった。
【0073】実施例2インク(f)の製造・上記分散染料液(II) 45部・チオジグリコール 8部・ビスヒドロキシエチルスルホン 18部・トリプロピレングリコール 7部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン 0.05部−4,7−ジオール・クエン酸 1部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 20.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(f)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(f)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0074】
比重 1.16粘度(25℃) 4.50cP表面張力(25℃) 41.5dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(f)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(A)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように滲み性及び均染性が良好で、しかも印字密度100%部でも濃色が得られた。
【0075】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように吐出性は連続印字の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このインクは、高温時及び長期にわたって分散が安定していた。
【0076】実施例3インク(g)の製造・上記分散染料液(III) 35部・チオジグリコール 5部・ビスヒドロキシエチルスルホン 15部・エチルアルコール 3部・尿素 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 40部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(g)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(g)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0077】
比重 1.13粘度(25℃) 2.71cP表面張力(25℃) 49.5dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(g)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(A)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように滲み性及び均染性が良好で、しかも印字密度100%部でも濃色が得られた。
【0078】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように吐出性は連続印字の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このインクは、高温時及び長期にわたって分散が安定していた。
布帛(B)の作成ポリエステル繊維85%及び綿15%の混紡糸からなる織布を、予め濃度2%のアルギン酸ナトリウムの水溶液に浸し、絞り率60%で脱水後乾燥し、布帛の水分率を9%に調整した。
分散染料液(IV〜VI)の作成メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 30部イオン交換水 45部ジエチレングリコール 5部上記成分を混合し、この溶液に新たに下記分散染料20部をそれぞれ加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
分散染料 C.I.ディスパーズ イエロー 224 (IV用)
C.I.ディスパーズ レッド 152 (V 用)
C.I.ディスパーズ ブルー 183 (VI用)
分散機 サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディア ガラスビーズ1mm径粉砕メディアの充填率 50%(体積)
粉砕時間 3時間さらに、フロロポアフィルターFP−250(住友電工社製)にてろ過し粗大粒子を除去して分散染料液(IV〜VI)を得た。
【0079】実施例4インク(h)の製造・上記分散染料液(IV) 40部・チオジグリコール 8部・ビスヒドロキシエチルスルホン 23部・ジエレングリコール 5部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7 0.1部−ジオールのエチレンオキサイド付加物(n=3.5)
・尿素 4部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 19.8部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(h)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(h)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0080】
比重 1.17粘度(25℃) 4.23cP表面張力(25℃) 35.1dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(h)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(B)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように滲み性及び均染性が良好で、しかも印字密度100%部でも濃色が得られた。
【0081】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように吐出性は連続印字の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このインクは、高温時及び長期にわたって分散が安定していた。
【0082】実施例5インク(i)の製造・上記分散染料液(V) 5部・チオジグリコール 10部・ビスヒドロキシエチルスルホン 15部・テトラエチレングリコール 5部・2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7 0.1部−ジオールのエチレンオキサイド付加物(n=3.5)
・クエン酸三ナトリウム 2部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 62.9部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(i)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(i)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0083】
比重 1.14粘度(25℃) 3.30cP表面張力(25℃) 40.6dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(i)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(B)にプリントを行い、180℃で8分間の蒸熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように滲み性及び均染性が良好で、しかも印字密度100%部でも濃色が得られた。
【0084】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように吐出性は連続印字の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このインクは、高温時及び長期にわたって分散が安定していた。
【0085】実施例6インク(j)の製造・上記分散染料液(VI) 30部・チオジグリコール 5部・ビスヒドロキシエチルスルホン 18部・エチルアルコール 3部・尿素 5部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 39部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(j)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(j)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0086】
比重 1.15粘度(25℃) 3.39cP表面張力(25℃) 42.9dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(j)を使用し、実施例1と同様に上記の織布(B)にプリントを行い、200℃で30秒間の乾熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色性及び均染性について評価した。その結果、表1に示したように滲み性及び均染性が良好で、しかも印字密度100%部でも濃色が得られた。
【0087】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように吐出性は連続印字の前後でも変化無く非常に安定していた。また、このインクは、高温時及び長期にわたって分散が安定していた。
【0088】比較例5インク(k)の製造・上記分散染料液(VI) 55部・チオジグリコール 5部・ビスヒドロキシエチルスルホン 18部・エチルアルコール 3部・尿素 5部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 14部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(k)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(k)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0089】
比重 1.17粘度(25℃) 4.39cP表面張力(25℃) 39.4dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(k)を使用し、実施例6と同様に上記の織布(B)にプリントを行い、200℃で30秒間の乾熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色び均染性について評価した。その結果、表1に示したように実施例6に比べて均染性が悪化した。
【0090】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように実施例6に比べて吐出安定性は悪化した。また、このインクは、実施例6に比べて高温時及び長期にわたる分散安定性が悪かった。
【0091】比較例6インク(l)の製造・上記分散染料液(VI) 4部・チオジグリコール 5部・ビスヒドロキシエチルスルホン 18部・エチルアルコール 3部・尿素 5部・メタケイ酸ナトリウム 0.0005部・硫酸鉄 0.001部・塩化カルシウム 0.002部・イオン交換水 14部上記の全成分を混合し、混合液を水酸化ナトリウムでpH8に調整し、2時間撹拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品名、住友電工製)にてろ過し、インクジェット捺染用インク(l)を得た。得られたインクジェット捺染用インク(l)の物性を測定したところ以下の様であった。
【0092】
比重 1.13粘度(25℃) 2.89cP表面張力(25℃) 46.2dyn/cmこの様にして得られたインクジェット捺染用インク(l)を使用し、実施例6と同様に上記の織布(B)にプリントを行い、200℃で30秒間の乾熱処理による定着を行った。その後、これを水洗及び還元洗浄して、染色品の滲み性、濃色び均染性について評価した。その結果、表1に示したように実施例6に比べて特に濃色性が悪化した。
【0093】さらに、上記プリンターで連続10時間のベタ印字を行い、連続印字の前後での吐出安定性を評価した。その結果、表1に示したように実施例6に比べて吐出安定性は悪化した。
【0094】
【表1】


*1 エッジの直線部分の不規則な乱れを肉眼で観察し、判定した。
【0095】○:乱れが全くない △:乱れが少しある X:乱れが多い*2 100%ベタ部のK/S値を10個所それぞれ測定し、その平均値に対するばらつきを見た。
【0096】○:全ての個所でK/S値のばらつきが0.5未満。
【0097】(均染性が良い。)
△:1個所以上でK/S値のばらつきが0.5以上。
【0098】(均染性が劣る。)
X:全ての個所でK/S値のばらつきが0.5以上。
【0099】(均染性が非常に劣る。)
K/S=(1−R)2 /2RR:最大吸収波長の反射率*3 印字密度100%及び200%部の発色後のK/S値を測定して、100%と200%部の相対評価によって100%部の濃淡度を判定した。
【0100】○:200%部のK/S値が100%部の1.5倍以下(100%部でも濃色が得られる)
△:200%部のK/S値が100%部の1.5〜1.8倍(100%部ではほとんど濃色が得られない)
X:200%部のK/S値が100%部の1.8倍以上(100%部では全く濃色が得られない)
*4 連続10時間のベタ印字を行った後のインクの吐出ヨレとインク液適量の印字前との変化を測定した。
【0101】○:吐出ヨレの悪化及びインク液適量の変化がほとんど見られない。
【0102】(吐出安定性が良好)
△:吐出ヨレの悪化またはインク液適量の変化の一方がある。
【0103】(吐出安定性が若干劣る)
X:吐出ヨレの悪化及びインク液適量の変化の両方がある。
【0104】(吐出安定性が非常に劣る)
実施例7インク(a,f,g)をカラーバブルジェットプリンターBJC600(商品名、キヤノン製)に搭載し、織布(A)に各インクの印字密度が50〜100%である3種のインクの様々な打ち込み順序の混色の印字を行った。更に、180℃で6分間、及び8分間の蒸熱処理を行い、水洗及び還元洗浄してプリント画像を評価した。
【0105】その結果、打ち込み順序によらず色相が安定しており6分間と8分間の蒸熱時間の差も見られず染色の安定性が良好であった。
【0106】比較例7実施例7においてインクaの代わりにcを用いた以外は実施例7と同様に処理したところ、cインクが関係する混色部のみが、打ち込み順序、蒸熱時間の違いによる染色安定性に関し、実施例に7に比較して明らかに劣る結果となった。
【0107】実施例8実施例7においてインク(a,f,g)の代わりにインク(h,i,j)を用いた以外は、実施例7と同様な評価を行った。
【0108】その結果、打ち込み順序によらず色相が安定しており6分間と8分間の蒸熱時間の差も見られず染色の安定性が良好であった。
【0109】
【発明の効果】以上説明した様に本発明のインクジェット捺染用インクによれば、布帛上で不規則な滲みがなく高濃度でかつ均染性に優れた捺染物が得られないといった染色上の問題、吐出性能、特にマルチノズルヘッドや熱エネルギー方式によるインクジェット方式において吐出安定性が悪いといった問題、さらに高温時及び長期にわたって分散が安定したインクが得られないという保存安定性上の問題を同時に満足することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの部分斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの一例を示す断面図である。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
61 ワイピング部材
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を少なくとも含有するインクジェット捺染用インクであって、前記分散染料をインク全重量に対して0.1〜10重量%含有し、かつ比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲であることを特徴とするインクジェット捺染用インク。
【請求項2】 前記分散染料を分散させる化合物が、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物及びその誘導体、側鎖にカルボキシル基及びその塩類を有する水溶性の高分子化合物の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項3】 前記水性液媒体中にビスヒドロキシエチルスルホン及びその誘導体を含有する請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項4】 前記水性液媒体中に、尿素及びその誘導体、三価までのカルボン酸及びその塩類、りん酸及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項5】 前記水性液媒体中に1価アルコール、ケトン、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物の中から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項6】 前記水性液媒体中にグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項7】 インクジェット方式が熱エネルギーを利用してインクを吐出させる方式である請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項8】 表面張力が30〜50dyn/cmである請求項1に記載のインクジェット捺染用インク。
【請求項9】 インクをインクジェット方式によって布帛上に付与し、次いで熱処理を行うインクジェット捺染方法であって、前記布帛が分散染料で染色可能な繊維を含有する布帛であり、前記インクがインク全重量に対して0.1〜10重量%の分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を含有し、かつ比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲であることを特徴とするインクジェット捺染方法。
【請求項10】 少なくとも2種のインクをインクジェット方式によって布帛上で混色させて付与し、次いで熱処理を行うインクジェット捺染方法であって、前記布帛が分散染料で染色可能な繊維を含有する布帛であり、前記インクがインク全重量に対して0.1〜10重量%の分散染料、前記分散染料を分散する化合物、及び水性液媒体を含有し、かつ比重が1.1〜1.2、25℃における粘度が2.5〜4.9cPの範囲であることを特徴とするインクジェット捺染方法。
【請求項11】 前記布帛がポリエステル繊維を含むものである請求項9又は10に記載のインクジェット捺染方法。
【請求項12】 前記熱処理が、高温蒸熱(HTスチ−ミング)法またはサ−モゾル法である請求項9又は10に記載のインクジェット捺染方法。
【請求項13】 前記インクジェット方式が熱エネルギーを利用してインクを吐出させるインクジェット方式である請求項9又は10に記載のインクジェット捺染方法。
【請求項14】 前記インクを付与する前に、前記布帛に前処理を施す請求項9又は10に記載のインクジェット捺染方法。
【請求項15】 請求項9又は10記載のインクジェット捺染方法で捺染された捺染物。
【請求項16】 インクを収容したインク収容部、該インクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた記録ユニットにおいて、前記インクが請求項1に記載のインクであることを特徴とする記録ユニット。
【請求項17】 前記ヘッド部がインクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項16に記載の記録ユニット。
【請求項18】 インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項19】 インクを収容したインク収容部と、該インクをインク滴として吐出させる為のヘッド部とを有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが請求項1に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項20】 前記ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項19に記載のインクジェット記録装置。
【請求項21】 インクを吐出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェット記録装置において、前記インクが請求項1に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項22】 前記記録ヘッドがインクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項21に記載のインクジェット記録装置。
【請求項23】 請求項15に記載の捺染物を更に加工して得られた加工品。
【請求項24】 前記加工品が前記捺染物を所望の大きさに切り離し、切り離された片に対して最終的な加工品を得るための工程を施して得られたものである請求項23記載の加工品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開平8−127981
【公開日】平成8年(1996)5月21日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−265214
【出願日】平成6年(1994)10月28日
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)