説明

インクジェット用画像記録媒体

【課題】 インクジェットプリンターで安定な画像を形成することができ、十分な強度を有しかつ皮膚への貼付時に違和感のない、医療用粘着テープに有用なインクジェット用画像記録媒体を提供する。
【解決手段】 40〜95wt%のホットメルト粘着剤及び5〜60wt%の軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂を含む、20〜1000μmの厚みを有する粘着剤層と、
前記粘着剤層上に設けられた、15〜50μmの厚みを有するインクジェット用印刷インクを受容できる画像受容層とを備えている、
インクジェット用画像記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば皮膚に貼付可能な医療用の粘着パッド又は粘着テープのような粘着シートからなり、いわゆるインクジェット法によりインク画像を形成することが可能なインクジェット用画像記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用粘着パッドの中には、例えば特許文献1(特開平8−142493号公報)および、特許文献2(特開平8−207499号)に開示されているように、装飾的な画像を感圧接着剤層に備えて、圧力による皮膚への転写で貼着されるとき、その画像がタトゥー(刺青)に見えるものがある。このような医療用粘着パッドは「タトゥーシール」としてよく知られている。
【0003】
また、かかるタトゥーシールには、いわゆる水転写タイプも知られている。水転写タイプは例えば特許文献3(特開平11−227390号公報)に開示されているように、水溶性糊層を使用している。そして、皮膚へ貼付する際には水でこのシールを湿らせる工程が一般に必要となる。
【0004】
また、上述した特許文献3や特許文献4(特開2000−160111号公報)に開示されているように、ユーザの好みに応じてユーザ自身がプリンターにより、タトゥーのような装飾的なインク画像を設けることができるようになっている。
【0005】
一方、装飾的な画像を支持基材表面に備えた医療用粘着パッドも知られており、ガーゼを取り付けているときには例えば「救急ばんそうこう」として使用可能となる。このような救急ばんそうこうは、皮膚へ貼着されるとき、ガーゼにより傷口を覆って保護しながら、皮膚を装飾することが可能となる。また、この救急ばんそうこうは支持基材により実質的に強化されて、例えばチューブなどを皮膚へ固定することも可能となる。
【0006】
しかしながら、上述したいずれのタイプの場合も、以下のような問題点を有する。
(1)タトゥーシール自身の引き裂き強度が低く、貼付中や剥離時に衣服との摩擦や爪の引っかきによる破れが起こり易い。このような場合、スムーズな剥離が困難となり痛みなどを伴う。また、このように引き裂き強度が低いと、タトゥーシール等の装飾用途以外、例えば病院などで脱脂綿やチューブを皮膚に固定することが実質上困難となる。
(2)インクジェット方式に用いられるインクには染料インクと顔料インクが通常ある。一般にインク画像は水でにじんでしまう可能性があり、特に粘着転写タイプの場合においても貼付中において使用者の発汗によりその画像がにじんでしまう可能性がある。
(3)上述した「救急ばんそうこう」は支持基材を有するために、皮膚へ貼着されるときその画像がタトゥーのように見えない。また、このように支持基材があると貼付中に機械刺激が発生し違和感(不快感)を感じる。
【0007】
【特許文献1】特開平8−142493号公報
【特許文献2】特開平8−207499号公報
【特許文献3】特開平11−227390号公報
【特許文献4】特開2000−160111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、支持基材なしでタトゥーシールとしても使用可能で、貼付中又は剥離時に汗によるインクジェット画像の滲み防止及び引き裂き強度や違和感の改善をした粘着転写タイプのインクジェット用画像記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、40〜95wt%のホットメルト粘着剤及び5〜60wt%の軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂を含む、20〜1000μmの厚みを有する粘着剤層と、
前記粘着剤層上に設けられた、15〜50μmの厚みを有するインクジェット用印刷インクを受容できる画像受容層とを備えている、
インクジェット用画像記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のインクジェット用画像記録媒体は以下のような効果を奏する。
(1)本発明のインクジェット用画像記録媒体では、上記のように所定厚さの粘着剤層にホットメルト粘着剤及び軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂(以下において、「熱可塑性樹脂成分」とも呼ぶ)を所定の割合で含むことにより、支持基材を用いなくても粘着剤層自体でその形状を効果的に維持することできる。すなわち、所定の割合で含まれる熱可塑性樹脂成分は画像記録媒体の引き裂き強度を効果的に高めることができる。また、粘着剤層が所定の厚みに調整されることによって、汗によるインク画像の滲みを防止できる。このことは、粘着剤層を所定の厚みにすることで、粘着剤層を介して汗が画像受容層に染み込むのを防止することができることによるものである。また、本発明のインクジェット用画像記録媒体は、温度23℃及び引張速度300mm/min、試料巾25mm、初期試料長50mmの条件で引っ張ると、10%引張時の応力が0.1〜10N/25mmの範囲にあり、最大応力が0.1〜20N/25mmの範囲にあって、医療用途に特に優れた柔軟性とコシ(粘り)がある。また、本発明の粘着テープには、画像形成面に比較的薄い画像受容層及び必要に応じて粘着剤層と画像受容層との間にプライマー層が設けられているのみである。このため、支持基材上に粘着剤層を設けた通常の粘着テープとは異なり、粘着剤層のかかる柔軟性とコシ(粘り)を阻害しない。かくして、本発明のインクジェット用画像記録媒体は、例えば、貼付時における被着体としての人体の皮膚、肘又は膝への機械的な刺激や違和感、剥離時の痛み又はダメージを大幅に低減することができる。また、支持基材により光透過が阻害されることがないので、インク受容層に形成された画像がタトゥーシールのように見える。
【0011】
(2)本発明のインクジェット用画像記録媒体は、好適には、最大応力を受けたときに、30〜1000%の伸び率を示す。この場合、インクジェット用画像記録媒体は、その伸展性に基づいて、その接着面積を増大させることができる。その結果、被着体からの剥離時に被着体へのダメージも効果的に低減させることができる。
【0012】
(3)本発明のインクジェット用画像記録媒体では、ユーザが市販のパーソナルコンピュータで、好みの模様やデジタルカメラから取り込んだ好みの画像を、市販のインクジェットプリンターを用いて本発明のインクジェット用画像記録媒体の表面に記録することが可能であって、この記録した画像を有する状態において皮膚に貼付することができる。すなわち、ユーザが好みの画像を取捨選択し、好みの画像を本発明のインクジェット用画像記録媒体の表面に容易に記録し、それを皮膚装飾用テープとして用いることができるため、ユーザのパーソナリティーにあった皮膚装飾品をユーザが自分自身で容易に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に示すように、本発明のインクジェット用画像記録媒体1は、粘着剤層2と、この粘着剤層2の上に設けられた画像受容層3を備えている。なお、本発明のインクジェット用画像記録媒体1は、通常、粘着テープ又はシートの形態で使用されるので、このようなインクジェット用画像記録媒体を「粘着テープ」とも呼ぶ。粘着剤層2の厚みは、20μm〜1000μm、好ましくは30μm〜400μm、さらに好ましくは50μm〜300μmである。粘着剤層2の厚みが20μmを下回ると、粘着テープ1の引き裂き強度が低下し、テープのコシが不足する。また、使用者の汗が画像受容層(「インク受容層」とも呼ぶ)に染み込み、画像が滲むことがある。また、粘着剤層2の厚みが1000μmを上回ると、粘着テープの引き裂き強度は増すものの、厚すぎるため、特に人体に適用した場合に貼付時の違和感を伴うため好ましくない。画像受容層3の厚みは、15〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは15〜30μmである。受容層が薄すぎると、インクジェットプリンターで印刷した際に、インク吸収能力が不足し、鮮明な画像を得ることができない。また、受容層が厚すぎると、皮膚に貼付したときに、皮膚の伸縮に画像受容層の伸縮が追従できずにひび割れを生じることがある。
【0014】
粘着剤層2は、ホットメルト粘着剤40〜95wt%と軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂成分)5〜60wt%を含む。熱可塑性樹脂成分が5wt%を下回ると、粘着剤層の引き裂き強度が不足し、使用中に爪で引っ掛けたり、衣服に擦れた場合に破れが発生する可能性がある。また、熱可塑性樹脂成分が60wt%を上回ると、粘着剤層の粘着力が不足し、所定の粘着力が得られず、被着体への固定ができなくなり、またテープの柔軟性が損なわれる。肘、膝等の可動部位に適用する場合には、ホットメルト粘着剤層95〜75wt%と、熱可塑性樹脂成分5〜25wt%であることが好ましい。また、頭部、胸部、背中等の非可動部位にできるだけしっかり固定したい場合は、ホットメルト粘着剤層75〜50wt%と熱可塑性樹脂成分25〜50wt%であることが好ましい。
【0015】
ホットメルト接着剤は、ホットメルトアクリル系粘着剤、ホットメルトゴム系粘着剤、又はこれらの混合物より選ばれる。ホットメルトゴム系粘着剤としては、特に制限はなく、一般的に用いられているスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ゴムのような合成ゴムとロジン系粘着付与剤のような粘着付与剤との混合物を用いることができる。合成ゴムとしては、例えば、クレイトンポリマー社製Kraton 1107及びKraton 1112が挙げられ、粘着付与剤としてはHercules Inc., Wilmington DE製FORAL 85が挙げられる。他の合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ネオプレン−ブチレンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
【0016】
ホットメルトアクリル系粘着剤としては、例えば(i)平均して少なくとも4個の炭素を有するアルキル基を含む、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、モノマーAとする)と、(ii)少なくとも1種のモノエチレン性不飽和強化用モノマー(以下、モノマーBとする)とのコポリマーを用いることができる。
【0017】
モノマーAは、アルキル基が平均して少なくとも4個の炭素原子を有する、モノエチレン性不飽和(メタ)アクリル酸アルキルエステル(すなわち、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート)である。(メタ)アクリレートのアルキル基は、4〜14個の炭素原子を有することが好ましい。このアルキル基は、場合により、ヘテロ原子を含んでもよく、線状であっても分枝状であってもよい。ホモ重合したとき、これらのモノマーは、一般に約10℃未満であるガラス転移温度を有する本質的に粘着性のポリマーを生じる。好ましいこのような(メタ)アクリレートモノマーは、次の一般式
【0018】
【化1】

【0019】
(上式中、R1はH又はCH3であって、後者は、(メタ)アクリレートモノマーがメタクリレートモノマーである場合に相当し、R2は、直鎖又は分枝鎖の炭化水素基から選択され、場合により1個以上のヘテロ原子を含む。R2基内の炭素原子数は、4〜14個であることが好ましく、さらに好ましくは4〜8個である)を有する。
【0020】
モノマーAの例としては、2−メチルブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−メトキシ−エチルアクリレート、2−エトキシ−エチルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、及びイソノニルアクリレート等が挙げられるが、その限りではない。モノマーAとして使用することができる好ましい(メタ)アクリレートとしては、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、及びn−ブチルアクリレート等がある。モノマーAとして分類される様々なモノマーの組み合せを使用して、本発明の粘着剤層のホットメルト粘着剤成分を作ることができる。
【0021】
本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、少なくとも85wt%のモノマーAを含むことが好ましく、さらに好ましくは、少なくとも90wt%、最も好ましくは、少なくとも95wt%の、モノマーAを含む。好ましくは、本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、99wt%以下のモノマーAを含み、さらに好ましくは、98wt%以下、最も好ましくは、96wt%以下の、モノマーAを含む。
【0022】
モノエチレン性不飽和強化用モノマーであるモノマーBは、コポリマーのガラス転移温度を上昇させる。本明細書で使用する「強化用」モノマーは、粘着剤のモジュラスを上昇させ、それによって、強度を高めるものである。好ましくは、モノマーBは、少なくとも約10℃のホモポリマーTgを有する。さらに好ましくは、モノマーBは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、及びアクリレートを含む、強化用モノエチレン性不飽和遊離基共重合可能な(メタ)アクリル系モノマーである。モノマーBの例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−アミノエチルアクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N、N−ジメチロールアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルアクリルアミド等のアクリルアミド類が挙げられるが、それらに限定されない。モノマーBのその他の例としては、アクリル酸及びメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、2,2−(ジエトキシ)エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレート、メチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、2−(フェノキシ)エチルアクリレート又はメタクリレート、ビフェニリルアクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、フェニルアクリレート、N−ビニルピロリドン、及びN−ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。モノマーBとして使用することができる好ましい強化用一官能価アクリル系モノマーとしては、アクリル酸及びメタクリル酸などがある。Bモノマーとして分類される様々な強化用一官能価モノマーの組合わせを使用して、本発明のインクジェット用画像記録媒体の製造に使用されるホットメルトアクリル系粘着剤のコポリマーを作ることができる。
【0023】
好ましくは、本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、少なくとも1wt%のモノマーBを含み、さらに好ましくは、少なくとも2wt%、最も好ましくは、少なくとも6wt%の、モノマーBを含む。好ましくは、本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、このホットメルトアクリル系粘着剤の総質量に基づいて、15wt%以下のモノマーBを含み、さらに好ましくは、10wt%以下、最も好ましくは、5wt%以下の、モノマーBを含む。
【0024】
本発明の粘着剤層のホットメルトアクリル系粘着剤は、上記のモノマーA及びモノマーBに加え、これらと共重合可能な他のモノマー、例えばビニルエステル、及びN−ビニルラクタム類が存在していてもよい。その例としては、ポリスチレンマクロマー、ポリ(メチルメタクリレート)マクロマー、ポリ(メトキシ−エチレングリコール)マクロマー、4−(N、N−ジメチルアミド)ブチルアクリレート;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等の、N−ビニルラクタム類;及びN−ビニルホルムアミド等があるが、それらに限定されない。必要に応じて、これらのモノマーの様々な組み合せを使用することができる。好ましくは、この場合により存在しうるモノマーは、ホットメルトアクリル系粘着剤の2wt%〜20wt%の量で含まれることができる。
【0025】
粘着剤層の、剪断強さ、凝集強さ、弾性率、及び初期タックもしくは初期粘着力を改良するために、粘着剤層を構成するコポリマー及びフィルム形成成分を架橋してもよい。架橋剤は、モノマーA及びB並びに他のモノマーと共重合されるものであることが好ましい。架橋剤は、化学的架橋(たとえば、共有結合)を生じさせることができる。あるいは、架橋剤は、たとえば、相分離又は酸塩基相互作用による強化ドメインの形成に起因する物理的架橋を生じさせることができる。適当な架橋剤は、米国特許第4,379,201号明細書、第4,737,59号明細書、第5,506,279号明細書、及び第4,554,324号明細書に開示されている。様々な架橋剤の組合わせを使用して、本発明で使用されるコポリマー成分を作ることができる。このような架橋剤としては、化学的架橋剤、物理的架橋剤及び金属架橋剤が挙げられる。
【0026】
化学架橋剤としては、たとえば、多価アジリジン等の熱架橋剤などがある。その1例は、しばしば「ビスアミド」と呼ばれる、1,1′−(1,3−フェニレンジカルボニル)−ビス−(2−メチルアジリジン)である。このような化学的架橋剤は、重合後に酸官能基を含む溶剤系粘着剤に加え、塗布された粘着剤の炉乾燥中に、熱によって活性化させることができる。
【0027】
この化学架橋剤は、米国特許第4,737,559号明細書に開示されているもの等の、オルト−芳香族ヒドロキシル基を含まない、共重合可能なモノエチレン性不飽和芳香族ケトンモノマーである。具体例としては、パラ−アクリルオキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノン、アクリル化アントラキノン類等々がある。他の適当な架橋剤としては、架橋反応を実行するのに遊離基を頼みにする化学的架橋剤などがある。例えば、ペルオキシド類等の試薬は、遊離基の前駆体の役割を果たす。十分に加熱したとき、これらの前駆体は、ポリマー鎖の架橋反応をもたらす遊離基を生成する。
【0028】
熱架橋剤又は感光性架橋剤を別にして、架橋は、例えば、紫外線、X線、γ線又は電子線等の放射線又は高エネルギー電磁放射線を使用して行うことができる。
【0029】
物理架橋剤としては、ビニル官能基を含み、かつポリスチレン及びポリメチルメタクリレートを主成分とするもの等の、Tgの高いマクロマーが挙げられる。このようなビニル末端ポリマー架橋用モノマーは、高分子モノマー(すなわちマクロマー)と呼ばれることもある。このようなモノマーは周知であり、米国特許第3,786,116号明細書及び第3,842,059号明細書、並びにY.Yamashitaら、Polymer Journal, 14, 255-260 (1982)及びK.Itoら、Macromolecules, 13, 216-221 (1980)に開示されている方法で調製することができる。一般に、このようなモノマーは陰イオン重合又は遊離基重合で調製される。
【0030】
金属架橋剤としては、金属含有塩類又は他の金属含有化合物などが挙げられる。適当な金属としては、たとえば、亜鉛、チタンなどがある。金属含有化合物の例としては、酸化亜鉛、炭酸アンモニウム亜鉛、ステアリン酸亜鉛等々が挙げられる。
【0031】
これらの架橋剤を使用する場合、粘着剤を架橋させて十分な凝集強さを提供し、被着体に対して所望の最終的接着力特性をもたらすのに十分な量を意味する有効な量で、架橋剤を使用する。使用する場合、モノマー100部を基準にして0.1部〜10部の量で架橋剤を使用することが好ましい。
【0032】
粘着剤の特性を変えるために、その他の添加剤を、粘着剤形成成分及びフィルム形成成分に含めてもよく、あるいは、これらの2成分の混合物の配合時又は塗布時に加えてもよい。このような添加剤としては、可塑剤、粘着付与剤、顔料、補強剤、強化剤、難燃剤、酸化防止剤、及び安定剤などがある。添加剤は、所望の最終用途特性を得るのに十分な量で加えられる。また、ガラス又はポリマーのバブル又はビーズ(発泡であっても未発泡であってもよい)、繊維、疎水性又は親水性シリカ、ポリエステル、ナイロン、及びポリプロピレン等の細かく粉砕したポリマー粒子等の充填剤を添加してもよい。
【0033】
(メタ)アクリレートと酸性コモノマーとの共重合を促進するために遊離基開始剤を加えることが好ましい。使用される開始剤のタイプは、重合方法によって異なる。モノマーの重合可能な混合物を重合するのに有用な光開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル又はベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類、2−メチル−2−ヒドロキシプリピオフェノン等の置換ベンゾインエーテル類、2−ナフタレン塩化スルホニル等の芳香族塩化スルホニル類、及び1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性な酸化物などがある。市販の光開始剤の一例は、IRGACURE 651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、Ciba-Geigy Corporationから市販)である。適当な熱開始剤の例としては、AIBN(2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル))、tert−ブチルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類、及びベンゾイルペルオキシド及びシクロヘキサンペルオキシド等のペルオキシド類などが挙げられる。一般に、開始剤は、共重合可能なモノマーの質量を基準にして、0.005wt%〜1wt%の量で存在する。
【0034】
また、コポリマーの分子量を調節するために、連鎖移動剤も場合により含む。連鎖移動剤は、遊離基重合を制御する物質であり、一般に、当技術分野で周知である。適当な連鎖移動剤としては、アルコール類(たとえば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール)、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素;ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、イソオクチルチオグリコラート(IOTG)、2−エチルヘキシルチオグリコラート、2−エチルヘキシルメルカプトプリピオネート、2−メルカプトイミダゾール、及び2−メルカプトエチルエーテル等のイオウ化合物及びそれらの混合物などがある。有用な連鎖移動剤の量は、望ましい連鎖移動剤の分子量及びタイプによって異なる。非アルコール連鎖移動剤は、一般に、総モノマー100部当たり0.001〜10質量部の量で使用され、好ましくは、0.01部〜0.5部、最も好ましくは0.02部〜0.20部の量で使用され、アルコール含有系の場合には、もっと多くてもよい。
【0035】
このコポリマーは、多種多様な従来の遊離基重合方法で重合することができる。適当な方法としては、米国特許第4,181,752号、第4,833,179号、第5,804,610号及び第5,382,451号に記載されているものなどがある。
【0036】
例えば、溶液重合方法では、アルキル(メタ)アクリレートモノマー及び酸性モノマーを、適当な不活性な有機溶剤、及び使用する場合、遊離基共重合可能な架橋剤と一緒に、スターラー、温度計、コンデンサー、添加用ロート、及びサーモウォッチ(商標)温度モニタを備えた4つ口反応容器に入れる。このモノマー混合物を反応容器に入れた後、濃縮した熱遊離基開始剤溶液を添加用ロートに加える。次いで、反応容器全体及び添加用ロート及びそれらの内容物を、窒素でパージし、不活性な雰囲気を作る。いったんパージしたら、容器内の溶液を加熱して、添加した熱開始剤を分解し、反応中ずっと混合物を攪拌する。一般に、約20時間で、約98〜約99%の転換が得られる。必要に応じて溶剤を除去し、ホットメルト塗布可能な粘着剤を生成する。必要であれば、適当な不活性な有機溶剤は、反応物及び生成物に対して不活性な有機液体であってもよく、そうでなければ反応に悪影響を及ぼさない。このような溶剤としては、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、及びそれらの混合物などがある。溶剤の量は、反応物(モノマー、架橋剤、開始剤)及び溶剤の総質量に基づいて、一般に約30wt%〜約80wt%である。
【0037】
別の重合方法は、モノマー混合物の紫外線(UV)開始光重合である。この組成物は、適当な光開始剤及び架橋剤と共に、可撓性担体ウェブ上に塗布され、不活性な雰囲気、すなわち、窒素雰囲気等の無酸素雰囲気で重合される。十分に不活性な雰囲気を実現することができる。光活性な被覆層を、実質的に紫外線を通すプラスチックフィルムで覆い、一般に、約500ミリジュール/cm2の総線量を与える蛍光灯型の紫外線ランプを使用して、空気中で、そのフィルムを通して照射する。
【0038】
米国特許第4,619,979号明細書及び第4,843,134号明細書に記載されている、押出機内での連続遊離基重合;米国特許第5,637,646号明細書に記載の、バッチ反応器を使用した本質的に断熱的な重合方法;及び、米国特許第5,804,610号明細書に記載の、パッケージド・プレ接着剤組成物を重合するために説明された方法等の無溶媒重合方法を使用して、コポリマーを製造することも可能である。
【0039】
熱可塑性樹脂成分は、常温において固体でありかつ粘着性を示さない熱可塑性樹脂より構成される。具体的には、この熱可塑性樹脂は、ポリビニル、ポリエステル、ポリウレタン、セルロース樹脂、ポリアミド及びアセタール樹脂からなる群より選ばれる。ポリビニルとしてはポリオレフィン及びアクリル樹脂が例示され、ポリオレフィンとしてはポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体が例示され、アクリル樹脂としてはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルが例示される。ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートが例示される。セルロース樹脂としてはセルロースアセテートが例示される。熱可塑性樹脂成分はホットメルト粘着剤成分中に均一に分散されることが好ましい。
なお、「軟化点」(ビカット軟化点)はJIS K 7206に準拠し測定される温度である。
【0040】
粘着剤層上に設けられる画像受容層は、粘着剤層の柔軟性を損なうことなく、粘着テープのインクジェット印刷による画像形成を可能にするものである。この画像受容層の厚みは、15〜50μm、好ましくは15〜30μmである。受容層が薄すぎると、インクジェットプリンターで印刷した際に、インク吸収能力が不足し、鮮明な画像を得ることができない。また、受容層が厚すぎると、皮膚に貼付したときに、皮膚の伸縮に画像受容層の伸縮が追従できずにひび割れを生じることがある。
【0041】
本発明の画像記録媒体の画像受容層は、バインダーポリマーと、凝集剤(例えば、カチオン性ポリマー(またはオリゴマー))とを混合して含む単層から形成されても良いが、好適には、次の様にして2層を積層した構造であるのが良い。すなわち、粘着剤層上に形成される2層からなる画像受容層であり、該2層は、前記バインダーポリマーを含有する基層と、前記基層表面近傍に局在化する様に一部または全部が前記基層に含浸された状態で、カチオン性ポリマー(またはオリゴマー)を凝集剤として含有する上層とを備えたインク受容層である。この様なインク受容層を用いれば、染料インク印刷と顔料インク印刷の両方において、黄変防止作用及びにじみ防止作用がいっそう効果的に高められる。この様にインク受容層が2層構造を有する場合、インク受容層のバインダーは、イオン変性ポリマーを含むのが好ましい。
【0042】
凝集剤は、分子内にカチオン性官能基を有するカチオン性有機オリゴマー(カチオン性オリゴマー)または、分子内にカチオン性官能基を有するカチオン性有機ポリマー(カチオン性ポリマー)である。カチオン性オリゴマーは、水溶性塩類の様な低分子量凝集剤と、ポリマーとの中間の分子量を有する。カチオン性オリゴマーの重量平均分子量は、通常500〜10,000である。また、カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、通常10,000〜1,000,000である。
【0043】
カチオン性ポリマーまたはオリゴマーは、含窒素カチオン性官能基、スルホニウム塩(たとえば、−S+R2・X-;Rはメチルまたは水素、Xはハロゲンイオン)及びホスホニウム塩(−P+R3・X-;Rはメチルまたは水素、Xはハロゲンイオン)からなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオン性官能基を分子内に有する。含窒素カチオン性官能基は、アミン塩、4級アンモニウム塩(たとえば、−N+R3・X-;Rはメチルまたは水素、Xはハロゲンイオン)、ピリジニウム塩(たとえば、−N+C5H5・X-、Xはハロゲンイオン)及びポリエチレンポリアミン(たとえば、−NH(C2H4NH)mH;mは2〜4)からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる。
【0044】
画像受容層にバインダーポリマーと混合して添加される場合、カチオン性ポリマーまたはカチオン性オリゴマーは、分子内にスルホニウム塩、ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩及びピリジニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオン塩官能基を有するのが好ましい。これらのカチオン塩官能基は、適度なイオン解離性を有するので黄変防止に有利であり、また、親水性多孔支持体の助けを借りて、顔料インク印刷におけるにじみ等を防止可能な様に凝集作用を発揮できる。また、画像受容層のバインダーがイオン変性ポリマー(特にアニオン性官能基を含むポリマー)を含む場合、画像受容層形成用の塗料中でバインダーポリマーと相互作用して、カチオン性ポリマーが凝集体を形成することなく、安定に分散または溶解した状態を保持可能である。この様な観点から特に好適には、分子内に4級アンモニウム塩基を有するポリマーまたはオリゴマーである。
【0045】
カチオン性ポリマーとして、たとえば、それぞれ分子内にカチオン性官能基を含有する、ポリアミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、またはポリオキシアルキレンエーテルを主体とする分子主鎖を有するポリマーが使用できる。カチオン性オリゴマーも同様に、たとえば、それぞれ分子内にカチオン性官能基を含有する、ポリアミン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、またはポリオキシアルキレンエーテルを主体とする分子主鎖を有するオリゴマーが使用できる。
【0046】
本発明で使用可能なカチオン性ポリウレタンは、ポリウレタン合成のための常法に従って調製できる。たとえば、ポリイソシアネートと、第4級アンモニウム基等のカチオン性官能基を有するポリオールを含有するポリオール混合物との反応で調製できる。また、カチオン性官能基が4級アンモニウム塩基である場合、活性水素と第3級アミノ基とを分子内に有する化合物とポリオールとの混合物と、ポリイソシアネートとの反応で得た前駆体を、4級化して調製できる。この様な反応は、たとえば次の様にして行う。
【0047】
まず、窒素置換した反応容器に、分子主鎖を形成する原料オリゴマーとして、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を少なくとも2個有するポリオールと、活性水素を持たない溶媒を投入する。ポリオールの重量平均分子量は、通常300〜5,000である。次に、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとを加え、60℃以上に数時間加熱し、上記原料オリゴマーと反応させる。この反応で得た生成物を50℃以下に冷却し、その生成物に、活性水素と3級アミノ基とを有するアミノ基含有化合物とを添加してから、さらに60℃以上に加熱して数時間反応させる。これにより、カチオン性オリゴマー前駆体であるウレタンプレポリマーが得られる。アミノ基含有化合物としては、それぞれ分子内に活性水素と3級アミノ基とを有する、ジオール、トリオール、ジアミンまたはトリアミン化合物である。これらの化合物の重量平均分子量は、通常300未満である。この様にして得たウレタンプレポリマーと酸とを反応させ、上記3級アミノ基を4級化する。最後に未反応イソシアネート基をつぶすために、過剰量の水を加えて、さらに50℃程度で数時間反応させ、目的のカチオン性オリゴマー(カチオン性ポリウレタンオリゴマー)を含有する水溶液を得ることができる。
【0048】
上記ポリオールとしては、たとえば、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA・プロピレンオキサイドの付加重合物、ビスフェノールS・プロピレンオキサイドの付加重合物、アジピン酸系ポリエステル、イソフタル酸系ポリエステル等が使用できる。上記アミノ基含有化合物としては、たとえば、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ブチルイミノビスプロピルアミン、トリ(2−アミノエチル)アミン等が挙げられる。上記ポリイソシアネートとしては、通常のポリウレタン合成に用いられるものが使用できる。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
【0049】
また、本発明で使用できるカチオン性ポリマーの具体例として、たとえば、日華化学株式会社から入手可能な4級アンモニウム塩基含有カチオン性ポリアミンである、ネオフィックス(商標)IJ−450、日本PMC株式会社から入手可能なカチオン性ポリアミド樹脂である、WSシリーズ(商標)等を挙げることができる。また、本発明で使用できるカチオン性オリゴマーの具体例として、たとえば、日華化学株式会社から入手可能な4級アンモニウム塩基含有カチオン性ポリウレタンである、ネオフィックス(商標)IJ−450、Witco Chemical 社から入手可能な4級アンモニウム塩基含有有機オリゴマーである、Emcol(商標)CC−9、Emcol(商標)CC−36、Emcol(商標)CC−42等を挙げることができる。
【0050】
凝集剤として画像受容層に含まれるカチオン性オリゴマーまたはポリマーの量は、バインダーポリマー100質量部に対して、通常1〜40質量部、好適には3〜35質量部、特に好適には5〜30質量部である。含有量が少なすぎると凝集力が低下し、顔料インク印刷においてインク像のにじみが発生するおそれがあり、反対に多すぎると、染料インク印刷において黄変が生じるおそれがある。
【0051】
また、本発明の効果を損なわない限り、カチオン性オリゴマーまたはポリマーと、アニオン性有機オリゴマーとを併用することもできる。アニオン性有機オリゴマーは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、またはポリオキシアルキレンエーテルを主体とする分子主鎖と、アニオン性官能基とを有するオリゴマーである。アニオン性官能基としては、たとえば、カルボン酸塩系、スルホン酸塩系、燐酸エステル塩系等が挙げられる。また、ベタイン系、スルホベタイン系等の両イオン性のオリゴマーも併用できる。これら、カチオン性オリゴマーまたはポリマーと併用可能なオリゴマーの重量平均分子量は、通常500〜8,000である。
【0052】
画像受容層のバインダーポリマーとしては、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン・アクリルニトリル共重合体、ポリアミド、アクリル系ポリマー、ポリエステル等が使用できる。好適には、イオン変性ポリマーである。イオン変性ポリマーは、カチオン性オリゴマーまたはカチオン性ポリマーと共同して、顔料や染料を印刷部位に留めておき、にじみ防止効果を高める様に作用する。この様な観点からは、イオン変性ポリマーとカチオン性ポリマーとの組合せが好ましい。なお、イオン変性ポリマーは、通常、水分散性のものを使用する。
【0053】
画像受容層には、画像受容層の多孔性を高めてインク乾燥性をさらに改良するために、無機微細粉末を含有させるのが好ましい。無機微細粉末としては、炭酸カルシウム、アルミナ、焼成クレイ、シリカ(アモルファスシリカを含む)、珪藻土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等が使用できる。微細粉末の粒径は、通常0.3〜10μm、好適には0.8〜5μmである。無機微細粉末の添加量は、バインダー100質量部に対して、15〜65質量部、好適には25〜55質量部である。無機微細粉末の含有量が少なすぎる場合、インク乾燥性を改良する効果が高められないおそれがあり、反対に多すぎる場合は、画像受容層の機械的強度が不十分になるおそれがある。また、画像受容層に、その他の添加剤、たとえば、熱安定剤、紫外線吸収剤、分散剤、帯電防止剤、酸化防止剤などを配合することもできる。
【0054】
画像受容層は、たとえば、カチオン性オリゴマーおよびバインダーポリマーを含む液体を、本発明の粘着剤層の表面に塗布、乾燥して形成する。その場合の溶媒として、水やアルコールを用いるのが好適である。また、バインダーを含有するプライマー層をまず形成した後に、カチオン性ポリマー等の凝集剤を含有する塗料を塗布、乾燥させて画像受容層を形成することもできる。特に凝集剤がカチオン性ポリマーの様な成膜性が高い材料である場合、基層用バインダーポリマーを含有する基層を形成し、その基層の上に凝集剤を含有する塗料を塗布、乾燥させて凝集剤を含有する上層を形成し、その上層が基層の表面近傍に局在化する様に、上層の一部または全部が基層に含浸された構造の画像受容層を形成することが容易である。この様に、バインダーを含有するプライマー層を形成した後、その層の表面に凝集剤を含む塗料を塗布する場合、凝集剤は、インクが適用される画像受容層表面に局在するので、凝集剤の効果を高めるのに有利である。なお、この場合、基層に無機微細粉末を含有させ、上層の一部または全部が含浸しやすい様にするのが好ましい。
【0055】
画像受容層を形成する塗料を塗布する塗布装置には、通常のコータ、たとえば、バーコータ、ナイフコータ、ロールコータ、ダイコータ等が使用できる。なお、上層用塗料に含まれるカチオン性ポリマー(またはオリゴマー)の濃度は、通常0.5〜30質量%、好適には1〜25質量%である。
【0056】
本発明のインクジェット用画像記録媒体は、粘着剤層と画像受容層との密着性を高めるために、それらの間にプライマー層を有することもできる。プライマー層は画像受容層の投錨性を付与するものであれば特に限定されないが、画像受容層に形成される画像の鮮明性を失わないために透明であることが好ましい。具体的には、グラビア印刷やスクリーン印刷などの公知の塗工方法で塗工可能な印刷インクが挙げられる。また、透明な樹脂(例えば、ポリウレタン)のインクとして例えば、大日精化製のメジウム(商品名)をプライマー層として用いることができる。またプライマー層は、イオン変性ポリマーを含んでも良い。
【0057】
本発明において好適に使用できるイオン変性ポリマーは、たとえば、カチオン変性ポリウレタン、カチオン変性ポリエステル等のカチオン変性ポリマーである。この様なカチオン変性ポリマーを含む画像受容層は、特にインクジェット印刷された画像の耐水性を高めるのに有利である。
【0058】
イオン性ポリマーの具体例として、特開平10−181189号公報に開示されている、分子内にスルホン酸基を含有するポリウレタンと、エピクロルヒドリンポリアミドとの混合物からなるイオン変性ポリウレタンを挙げることができる。エピクロルヒドリンポリアミドは、たとえば、アジピン酸とジエチレントリアミンの脱水重縮合により得ることができる。分子内にスルホン酸基を含有するポリウレタンは、たとえば、分子内にスルホン酸基を含有する第1のジオールと、分子内にスルホン酸基を含まない第2のジオールと、ジイソシアネートとの重合反応により得ることができる。上記第1のジオールは、たとえば、ジメチルソジウムスルホイソフタレートとジオールとのエステル交換により得ることができる。
【0059】
イオン変性ポリマーの市販の具体例として、大日本インキ化学工業(株)社から市販されている、パテラコール(商標)IJ−170(カチオン変性ポリウレタンと無機微粉末とを含有する塗料)、パテラコール(商標)IJ−21(無機微粉末を含有しない、カチオン変性ポリウレタン含有塗料)等を挙げることができる。
【0060】
プライマー層は粘着剤層の柔軟性を損なわないために極薄であることが望ましく、通常、0.1〜15μm、さらに好ましくは0.1〜5μmで適用される。
【0061】
本発明のインクジェット用画像記録媒体(例えば、粘着テープ)は、例えば以下の工程によって製造することができる。
(1)上記のホットメルト粘着剤と熱可塑性樹脂成分とを加熱しながら均一に混練し、粘着性混合物を調製する工程、
(2)この粘着性混合物を所定温度に保ちながら剥離紙の滑面に所定の厚さで塗工し、粘着剤層を形成する工程、
場合により、(3)粘着剤層の上にプライマー層を形成する工程、
(4)粘着剤層上に(又はプライマー層上に)画像形成層を形成する工程。
【0062】
また例えば以下のような工程で製造することもできる。
(1)上記のホットメルト粘着剤と熱可塑性樹脂成分とを加熱しながら均一に混練し、粘着性混合物を調製する工程、
(2)この粘着性混合物を所定温度に保ちながら剥離紙(A)の滑面に所定の厚さで塗工し、粘着剤層を形成する工程、
(3)上記の画像形成層を、剥離紙(B)の滑面上に所定の厚みで塗工し、(剥離紙と画像受容層は再剥離可能なようにする)
場合により、(4)画像受容層の上にプライマー層を形成する工程、
(5)粘着剤層上に、画像受容層(場合によりプライマー層)をラミネートし粘着剤層の上に画像受容層を形成した後に剥離紙(B)を剥離し、画像受容層をあらわにする工程。
【0063】
得られたインクジェット用画像記録媒体は、染料系、顔料系などのインクジェットプリンター用印刷インクでインクジェット方式にて容易に所望の画像を形成することができる。このため、家庭及び工場などのユーザがいる現場で所望の画像を取り込んだ粘着シートを形成することができる。
【0064】
本発明のインクジェット用画像記録媒体は、10%引張時で0.1〜10N/25mmの応力を示す。さらに、本発明のインクジェット用画像記録媒体は、0.1〜20N/25mm、好ましくは0.1〜15N/25mm、さらに好ましくは0.1〜10N/25mmの最大応力を示す。その結果、本発明のインクジェット用画像記録媒体は柔軟性とコシ(粘り)を示し、適度な引き裂き強度を有する。
【0065】
この最大応力が0.1N/25mmを下回ると、シートの強度が不足し、コシも不足するため使用の際に扱いにくく好ましくない。また、逆にこの最大応力が20N/25mmを上回ると、特に人体に貼付した場合に皮膚の動きにシートが柔軟に追従しきれないために、貼付中に違和感を感じることとなり好ましくない。
【0066】
また本発明のインクジェット用画像記録媒体の最大点伸び率が、30〜1000%の範囲にあることが好ましい。この最大点伸び率が30%を下回ると、特に人体に貼付した場合、皮膚の動きにテープが追従しきれず貼付中に違和感を感じることとなる。さらに、テープを剥離する際にテープのストレッチが不足しているため、剥離の応力をテープが吸収しきれず、場合によっては痛みを感じるため好ましくない。またテープの最大点伸び率が1000%を超える場合、被着体からテープを剥離させる際、テープが伸びすぎてしまい、なかなか被着体から剥がれなかったり、テープ同士がくっついたりして使用しにくくなり好ましくない。
【0067】
なお、上記最大応力は、JIS-K7115に準拠し、引張試験機を用いて、温度23℃、引張速度300mm/minで試料を引張ったときの最大応力を意味する(試料幅25mm、つかみ間隔50mm)。また、上記伸び率は、JIS-K7115に準拠し、引張試験機を用いて、温度23℃、引張速度300mm/minで試料を引張ったときの最大応力時の伸び率を意味する(試料幅25mm、つかみ間隔50mm)。
【実施例】
【0068】
実施例1
(1)2リットルのフラスコに750gの脱イオン水を入れ、これに1.5gのZnO及び0.75gの親水性シリカを加えた。フラスコを窒素でパージし、ZnOとシリカが分散するまで55℃に加熱した。これとは別に、480gのイソオクチルアクリレート、20gのメチルメタクリレート及び1gのアクリルオキシベンゾフェノンの混合物に2.5gのVAZOTM64(E.I.DuPont製の開始剤)及び0.5gのイソオクチルチオグリコレートを攪拌しながら加えた。こうして得られた、開始剤及び連鎖延長剤を含む溶液を上記の水溶液に激しく攪拌しながら(700rpm)加え、懸濁液を得た。少なくとも6時間、窒素パージしながら反応を続け、その間反応温度が70℃を越えないようにした。こうして形成したビーズを濾過により集め、脱イオン水で洗浄した。これを乾燥することによりホットメルト粘着剤としてのアクリル系粘着剤を得た。
【0069】
(2)(1)で得られたホットメルト粘着剤を低密度ポリエチレン(商品名ノバテックLD、日本ポリオレフィン製)と、70:30の質量比で二軸押出機にて165℃で均一に混練し、粘着性混合物を得た。この混合物を140℃にて剥離紙(商品名SLK-50W、カイト化学製)の滑面に厚みが100μmとなるように塗工し、その後紫外線を照射して粘着剤層を形成した。
【0070】
(3)(2)で得られた粘着剤層の上に、乾燥後の厚み1μmとなるように、透明な印刷インキ(大日精化製:ハイラミック:メジウム(透明インク)をプライマーとして全面塗工し、その後オーブンにて乾燥し、プライマー層を粘着剤層の上に形成した。
【0071】
(4)(3)で得られた積層体のプライマー層上に、画像受容層として(パテラコール(商標)IJ−170 100質量部 ・凝集剤: ネオフィックス(商標)IJ−450 13質量部ここで、パテラコール(商標)IJ−170は、水分散性のカチオン変性ポリウレタン(約50質量%のシリカ粒子含有)を含有するコーティング剤として、大日本インキ化学工業(株)社から入手可能なものである。また、ネオフィックス(商標)IJ−450は、第4級アンモニウム塩基を分子内に有するカチオン性有機オリゴマーを含有するコーティング剤として、日華化学(株)社から入手可能なものである。なお、受容層用塗料中の凝集剤成分(カチオン性有機オリゴマー)の量は、バインダーポリマー100質量部に対して、20質量部であった。)を乾燥後の厚みが15μmとなるように全面塗工し、その後100℃×3分間のオープンにて乾燥し、本発明のインクジェット用画像記録媒体を得た。
【0072】
実施例2
画像受容層の乾燥後の厚みが24μmとなるように画像受容層を塗工する点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0073】
実施例3
画像受容層の乾燥後の厚みが31μmとなるように画像受容層を塗工する点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0074】
実施例4
ホットメルトアクリル粘着剤と熱可塑性樹脂の混練比を82.5/17.5として、粘着剤を混練する点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0075】
実施例5
ホットメルトアクリル粘着剤と熱可塑性樹脂の混練比を50/50として、粘着剤を混練する点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0076】
実施例6
実施例1と同様にインクジェット用画像記録媒体を形成したが、プライマー層を用いなかった。
【0077】
比較例1
画像受容層の乾燥後の厚みが60μmとなるように、画像受容層を塗工する点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0078】
比較例2
画像受容層を設けない点とプライマー層の厚みを8μmとする点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0079】
比較例3
ホットメルトアクリル粘着剤と熱可塑性樹脂の混練比を100/0として、粘着剤を混練する点のみ実施例1に変更を加えて粘着テープを得た。
【0080】
比較例4
ジョンソン&ジョンソン社の「バンドエイド」 スヌーピー防水テープを本例のサンプルとした。これは、支持基材上に特定のキャラクターが既に印刷された救急ばんそうこうの例である。このサンプルは製品サイズ58mm×19mmであった。
【0081】
比較例5
ナップクリエイティブ株式会社(販売元)の「くまのプーさん ボディーパラダイスシール」を本件のサンプルとした。これは特定のキャラクターが既に印刷された粘着転写タイプのタトゥーシールである。このサンプルは製品サイズ:約75mm×50mmであった。
【0082】
評価項目
上記の実施例、および比較例で作成された試作サンプルについて以下のような評価を行った。
【0083】
最大点伸度
テープの最大点伸度は、JIS K-7115に準拠し、引張試験機を用いて、温度23℃、伸張速度300mm/minで、試料を伸張させ応力が最大になったときの伸度を測定した。(試料幅25mm、初期試料長50mm)
【0084】
最大点応力
テープの最大点伸度は、JIS K-7115に準拠し、引張試験機を用いて、温度23℃、伸張速度300mm/minで、試料を伸張させ応力が最大になったときの応力を測定した。(試料幅25mm、初期試料長50mm)
【0085】
剥離時の痛み
健康な人6名の腕に25mm×50mmのテープを貼付し、(比較例4,5は製品のサイズにて実施)貼付後24時間後に剥離させた際の痛みの感覚についてインタビューを行い下記のようにスコアリングした。
++:全く痛くない
+:痛くないが、くすぐったい
−:少し痛みがある
−−:痛い
【0086】
貼付中の違和感
健康な人6名の腕に25mm×50mmの本発明のテープを貼付し、(比較例4,5は製品のサイズにて実施)貼付中の違和感についてインタビューを行い下記のようにスコアリングした。
++:貼付されていることを全く忘れてしまうほど、違和感がない
+:時折、違和感があるが不快ではない
−:時折、不快な違和感がある
−−:常に、違和感があり、不快である
【0087】
インクジェットプリンターでの印刷可否
実施例、比較例で作成したインクジェット用画像記録媒体を用い、次に示す実際のプリンターで印刷を行い画像印刷した。印刷した画像について、目視にて観察し印刷性の良否を評価した。
プリンター:キャノン製 PIXUS 560i、HP製 deskjet 967C
++:印刷性が良好であった
−−:印刷できなかった
【0088】
インクジェットプリンターで印刷後、皮膚に貼付したときの画像受容層のひび割れについて
実施例、比較例で作成したインクジェット用画像記録媒体に、キャノン製 PIXUS 560iで実際に印刷を行い、印刷済みのインクジェット記録用媒体を、健康な人2名の手首に貼付し24時間後に画像受容層にひび割れが発生してないか目視にて観察し評価した。
++:ひび割れが発生してない
+:微小なひび割れがあるが、目立たないので問題ない
−:大きなひび割れが発生している
【0089】
引き裂き強度
健康な人6名の腕に25mm×50mmの本発明のテープ(比較例4,5は製品のサイズにて実施)で、10cmの長さに鋏で切断したテルモ製のサフィード 胃管カテーテル (SF-GT1010S Fr.10)(以下「チューブ」と呼称する)を皮膚に強固に固定できるかどうかの評価を行なった。この評価において、図2に示すように、皮膚10上にチューブ11を配置し、本発明のテープ12で固定した。固定した後、チューブ11の端を少し指でゆすりチューブ11がシッカリと皮膚10に固定されているか調べた。
【0090】
++:しっかりチューブが固定されている
−−:テープにすぐに破れが生じ、チューブを固定することができない
上記の評価項目について試験を行った際の結果を下記の表に示す。
【0091】
対汗性
実施例で作成したインクジェット用画像記録媒体に、エプソン製 PX−G900(顔料インクタイプ)、PM−G700(染料インクタイプ)で実際に印刷を行い、印刷済みのインクジェット記録用媒体を、健康な人2名の上腕内側に貼付した。気温33℃で4時間経過した後に、目視にて観察し評価した結果、印刷された画像が汗で滲むことはなかった。
【0092】
【表1】

【0093】
上記の結果より、ユーザが市販のパーソナルコンピュータで、好みの模様やデジタルカメラから取り込んだ好みの画像を、市販のインクジェットプリンターを用いて本発明のインクジェット用画像記録媒体の表面に印刷することによって、容易に好みの模様、もしくは画像が印刷された。本発明では支持基材を必要とせず、貼付した皮膚に違和感を生じない。また、本発明では、皮膚への物品の固定も可能な皮膚装飾用テープを得ることが可能であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明のインクジェット用画像記録媒体の構成を示す略断面図である。
【図2】引き裂き強度試験において、本発明のインクジェット用画像記録媒体が皮膚を固定しているようすを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1 インクジェット用画像記録媒体
2 粘着剤層
3 画像受容層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
40〜95wt%のホットメルト粘着剤及び5〜60wt%の軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂を含む、20〜1000μmの厚みを有する粘着剤層と、
前記粘着剤層上に設けられた、15〜50μmの厚みを有するインクジェット用印刷インクを受容できる画像受容層とを備えている、
インクジェット用画像記録媒体。
【請求項2】
前記軟化点が25〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂はポリビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂及びアセタール樹脂からなる群より選ばれる、請求項1記載のインクジェット用画像記録媒体。
【請求項3】
前記ホットメルト粘着剤は、アルキル基が平均して少なくとも4個の炭素原子を有する、モノエチレン性不飽和(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、
モノエチレン性不飽和強化用モノマーとの共重合体を含む、請求項1又は2記載のインクジェット用画像記録媒体。
【請求項4】
前記画像受容層はバインダーと凝集剤とを含有し、前記凝集剤として、分子内にカチオン性官能基を有するカチオン性有機オリゴマーまたは分子内にカチオン性官能基を有するカチオン性ポリマーを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット画像記録媒体。
【請求項5】
前記カチオン性有機オリゴマーまたはカチオン性ポリマーのカチオン性官能基が、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、4級アンモニウム塩及びピリジニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオン塩官能基である請求項4記載の画像記録媒体。
【請求項6】
前記粘着剤層と、前記画像受容層との間にプライマー層を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のインクジェット用画像記録媒体。
【請求項7】
前記プライマー層は0.01〜15μmの厚さである、請求項1〜6のいずれか1記載のインクジェット用画像記録媒体。
【請求項8】
医療用粘着テープである、請求項1〜7のいずれか1項記載のインクジェット画像記録媒体。

【図1】
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【図2】
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