説明

インク受容層形成用組成物及びこの製造方法

【課題】
スクリーン印刷法等でインク受容層を形成した場合であっても、塗膜の光沢の低下のないインク受容層形成用組成物を提供することである。
【解決手段】
無機微粒子(A)と、ポリビニルアルコール(B)と、水(C)と、液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)と、飽和脂肪族アミド(E)とを含むことを特徴とするインク受容層形成用組成物を用いる。さらに、疎水化したシリカ(G)、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)及び/又はカルボン酸(塩)(共)重合体(J)を含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク受容層形成用組成物及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無機微粒子{沈降法シリカ及び/又は気相法シリカ}、水溶性有機溶剤、並びにポリビニルアルコール等のバインダー{水溶性樹脂}を含有したインク受容層形成用組成物が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−098657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のインク受容層形成用組成物は、スクリーン印刷法等でインク受容層を形成した場合、泡かみによる泡痕や印刷時のメッシュ痕等の合一に起因して発生し、2〜5ミリメートル程度の大きさを有する模様{ゴルフボールのディンプル状の模様(以下「ディンプル」)}の発生等により塗膜の平滑性が損なわれるという問題がある。この結果、塗膜の光沢の低下や外観状の欠陥の発生を招くという問題が発生する。
本発明の目的は、スクリーン印刷法等でインク受容層を形成した場合であっても、塗膜の光沢の低下のないインク受容層形成用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のインク受容層形成用組成物の特徴は、無機微粒子(A)と、ポリビニルアルコール(B)と、水(C)と、液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)と、飽和脂肪族アミド(E)とを含むことを要旨とする。
【0006】
本発明のインク受容層形成用組成物の製造方法の特徴は、無機微粒子(A)の水分散体と、ポリビニルアルコール(B)の水溶液とを均一混合して混合液(AB)を得る混合工程(1)、
混合液(AB)と水(C)及び炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)とを均一混合して混合液(ABCH)を得る混合工程(2)、並びに
混合液(ABCH)と液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)並びに飽和脂肪族アミド(F)とを均一混合してインク受容層形成用組成物を得る混合工程(3)を含む点を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のインク受容層形成組成物は、平滑性に著しく優れたインク受容層を容易に形成できる。すなわち、本発明のインク受容形層成組成物を用いれば、スクリーン印刷法等でインク受容層を形成した場合であっても、ディンプル等による塗膜の平滑性が阻害されにくく、平滑性に優れたインク受容層が容易に得られる。したがって、本発明のインク受容層形成用組成物を用いると、さまざまな印刷方法で支持体に印刷しても高い平滑性を有し、高光沢を維持することが可能となる。
【0008】
本発明のインク受容層形成組成物の製造方法を適用すると、平滑性に著しく優れたインク受容層を容易に形成できる。すなわち、本発明の製造方法によると、スクリーン印刷法等でインク受容層を形成した場合であっても、ディンプル等による塗膜の平滑性が阻害されにくく、平滑性に優れたインク受容層が容易に得られる。したがって、本発明の製造方法を用いると、さまざまな印刷方法で支持体に印刷しても高い平滑性を有し、高光沢を維持することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
無機微粒子(A)としては、シリカ微粒子及びアルミナ微粒子等が含まれる。
シリカ微粒子としては、公知の方法{(1)真空中で金属シリコンを溶融、気化させ、酸化性雰囲気に導入して、シリカ微粒子を得る方法;(2)金属シリコン粉末を、酸素を含む火炎の中で蒸発・酸化させて、シリカ微粒子を得る方法;(3)テトラクロロシランを気化し、バーナー火炎中に噴出、酸化して、シリカ微粒子を得る方法(特公昭47−46274号公報等);(4)ケイ酸アルカリ金属塩(ケイ酸ナトリウム等)を原料とする水ガラス法;及び(5)アルコキシシラン(テトラエトキシシラン等)を原料とするアルコキシシラン法等等}によって得られるシリカ微粒子等が挙げられる。
【0010】
シリカ微粒子は市場から容易に入手でき、たとえば、アエロジルシリーズ{日本アエロジル(株)、「アエロジル」はデグサ アクチエンゲゼルシャフトの登録商標である。}、レオロシールシリーズ{(株)トクヤマ、「レオロシール」は同社の登録商標である。}、WACKER HDKシリーズ{旭化成ワッカー(株)、「WACKER」はワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトの登録商標である。}及びCab−O−Silシリーズ{Cabot Corporation、「Cab−O−Sil」は同社の登録商標である。}、アデライトシリーズ{(株)ADEKA、「アデライト」は同社の登録商標である。}、カタロイド−Sシリーズ{触媒化成工業(株)、「カタロイド」は同社の登録商標である。}、クォートロンシリーズ{扶桑化学工業(株)、「クォートロン」は同社の登録商標である。}及びスノーテックスシリーズ{日産化学工業(株)}等が挙げられる。
【0011】
アルミナ微粒子としては、公知の気相法{(1)真空中で金属アルミニウムを溶融、気化させ、酸化性雰囲気に導入して、アルミナ微粒子を得る方法;(2)金属アルミニウム粉末を、酸素を含む火炎の中で蒸発・酸化させて、アルミナ微粒子を得る方法;及び(3)塩化アルミニウムを気化し、バーナー火炎中に噴出、酸化して、アルミナ微粒子を得る方法(特表2005−506269号公報等)等}、公知の液相法{(4)アルキルアルミニウム又はアルコキシアルミニウムの加水分解法(化学総説No48,1985、超微粒子(日本化学会編)173頁〜175頁、株式会社学会出版センター、1985年発行);(5)アンモニウムミョウバン熱分解法;(6)アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法;(7)アルミニウム塩をアルカリ中和する方法;及び(8)アルミン酸塩を加水分解する方法等}等によって得られるアルミナ微粒子が挙げられる。
【0012】
アルミナ微粒子は市場から容易に入手でき、たとえば、Aeroxideシリーズ{Alu−c及びAl−65等、デグサ社、「Aeroxide」は同社の登録商標である。}、SpctrAlシリーズ{51、81、100等、キャボット社}、CAB−O−SPERSEシリーズ{SpctrAlシリーズの水分散体、キャボット社、AKPシリーズ{住友化学(株)製、「AKP」は同社の登録商標である。}、タイミクロンシリーズ{大明化学(株)製}、DISPERALシリーズ{Sasol社、「DISPERAL」は同社の登録商標である。}及びDISPALシリーズ{Sasol社、「DISPAL」は同社の登録商標である。}等}等が挙げられる。
【0013】
アルミナ微粒子は公知の分散剤(酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等)によって分散された分散液の形態(たとえば、アルミナゾル)で使用することもできる。
【0014】
アルミナゾルは市場から容易に入手でき、たとえば、カタロイド−Aシリーズ{触媒化成工業(株)製}及びアルミナゾルシリーズ{日産化学工業(株)製}等が挙げられる。
【0015】
無機微粒子(A)としては、シリカ微粒子及びアルミナ微粒子の他に、公知の無機微粒子(たとえば、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン又は酸化イットリウムの微粒子等)を使用してもよい。
無機微粒子(A)は2種以上の無機微粒子を使用することができる。
【0016】
無機微粒子(A)の体積平均一次粒子径(nm)は、7〜40が好ましく、さらに好ましくは9〜30、特に好ましくは12〜20である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる。
【0017】
なお、体積平均一次粒子径は、JIS Z8901−2006「試験用粉体及び試験用粒子」5.44粒子経分布(c)顕微鏡法に準拠し、振掛け法によって準備した試料を透過型電子顕微鏡で5万〜100万倍に拡大して観察した画像から200個以上の粒子を観察して算出される円相当径の算術平均値である。
【0018】
無機微粒子(A)の体積平均凝集粒子径(nm)は100〜300nmが好ましく、さらに好ましくは110〜250、特に好ましくは120〜200、最も好ましくは140〜180である。この範囲であると、形成されるインク受容層のインクの滲みと光沢のバランスが良好となり好ましい。
【0019】
なお、ここで言う体積平均凝集粒子径は、JIS Z8825−1:2001「粒子径解析−レーザー回折法」に準拠した測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば島津製作所製 商品名SALD−1100型等)で測定される。
【0020】
無機微粒子(A)のBET比表面積(m/g)は、50〜400が好ましく、さらに好ましくは90〜300である。この範囲であるとインクジェット印刷後の発色と塗布適性(特にスクリーン印刷適性)とのバランスがさらに良好となる。
【0021】
なお、BET比表面積は、JIS Z8830−2001「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」及びJIS R1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準拠し、乾燥した状態の無機微粒子を気体吸着法(流動法)にて測定する。キャリアガスとしては窒素−ヘリウムの混合ガスを用いた。そして脱着ピークの値からBET比表面積を算出することができる。
【0022】
ポリビニルアルコール(B)としては、完全ケン化型ポリビニルアルコール(B1)、部分ケン化型ポリビニルアルコール(B2)、カチオン変性ポリビニルアルコール(B3)、アニオン変性ポリビニルアルコール(B4)及びノニオン変性ポリビニルアルコール(B5)が含まれる。
【0023】
完全ケン化型ポリビニルアルコールとは、ケン化度が98モル%を超えて100モル%以下のポリビニルアルコールを意味する。部分ケン化ポリビニルアルコールとは、ケン化度が70〜98モル%のポリビニルアルコールを意味する。カチオン変性ポリビニルアルコールとは、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニオ基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を必要によりケン化して得られる構造のポリマーを意味する。アニオン変性ポリビニルアルコールとは、カルボキシ基やスルホ基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を必要によりケン化して得られる構造のポリマーを意味する。ノニオン変性ポリビニルアルコールとは、メルカプト基やケト基(カルボニル基)を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を必要によりケン化して得られる構造のポリマーを意味する。
【0024】
完全ケン化型ポリビニルアルコール(B1)及び部分ケン化型ポリビニルアルコール(B2)としては、公知のもの(たとえば、特開2006−28233号公報)等が使用できる。カチオン変性ポリビニルアルコール(B3)としては、公知のもの(たとえば、特開平10−119423号公報)等が使用できる。アニオン変性ポリビニルアルコール(B4)としては、公知のもの(たとえば、特開平1−206088号公報、特開昭61−237681号、特開昭63−307979号公報及び特開平7−285265号公報)等が使用できる。ノニオン変性ポリビニルアルコール(B5)としては、公知のもの(たとえば、特開平7−9758号公報及び特開平8−25795号公報)等が使用できる。
【0025】
これらのポリビニルアルコールのうち、形成されるインク受容層の塗膜強度の観点から、部分ケン化型ポリビニルアルコール(B2)及び完全ケン化型ポリビニルアルコール(B1)が好ましく、さらに好ましくは部分ケン化型ポリビニルアルコール(B2)、特に好ましくはケン化度が72〜96{好ましくは77〜95、特に好ましくは78〜90}モル%の部分ケン化型ポリビニルアルコールである。
【0026】
なお、ケン化度は、JIS K6726−1994「ポリビニルアルコール試験法 3.5ケン化度」に準拠して測定される。
【0027】
ポリビニルアルコール(B)の平均重合度は、1000〜6000が好ましく、さらに好ましくは2000〜5500、特に好ましくは2500〜5000である。この範囲であると、形成されるインク受容層の寸法安定性がさらに良好となる。
【0028】
なお、平均重合度は、JIS K6726−1994「ポリビニルアルコール試験法」3.7平均重合度に準拠して測定される。なお、カチオン変性ポリビニルアルコールの平均重合度は、特許第3434055号公報に記載された方法によって測定される。
【0029】
ポリビニルアルコール(B)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)の重量に基づいて、5〜55が好ましく、さらに好ましくは10〜50、特に好ましくは15〜45、最も好ましくは18〜40である。この範囲であるとインクジェット印刷後の発色性とバインダー強度とのバランスがさらに良好となり、形成されるインク受容層にクラックが発生しにくくなる。
【0030】
水(C)は、イオン交換水、蒸留水、超純水、水道水及び工業用水等が使用できる。
【0031】
無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)及び水(C)は、それぞれ、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。
【0032】
液状炭化水素(D)としては、20℃で液体であり、かつ、飽和脂肪族アミド(F)を加熱溶解できるものであれば制限なく、鉱油、イソパラフィン油、植物油及び動物油等が含まれる。
【0033】
鉱油としては、40℃における動粘度が5〜40mm/sの鉱油が含まれ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
【0034】
イソパラフィン油としては、25℃における動粘度が1〜20mm/sのイソパラフィン油が含まれ、商品名として、NAS−5H(日油株式会社)等が挙げられる。
【0035】
植物油としては、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、トウモロコシ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油及びパーム核油等が挙げられる。
【0036】
動物油としては、乳脂肪、牛脂、ラード、魚油及び鯨油等が挙げられる。
【0037】
これらの液状炭化水素(D)のうち、鉱油及び油脂(植物油)が好ましく、さらに好ましくは鉱油、特に好ましくは25℃における動粘度が5〜40mm/sの鉱油である。
【0038】
ポリオキシアルキレン化合物(E)としては、ポリオキシアルキレン基を含む化合物であれば制限なく使用できる。
ポリオキシアルキレン基としては、炭素数3〜4のオキシアルキレン基(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン)の複数個が化学結合した基が含まれる。
ポリオキシアルキレン基には、オキシアルキレン基の1種から構成されていてもよく、又は2種以上から構成されていてもよい。2種以上から構成される場合、結合様式はブロック、ランダム及びこれの混合のいずれでもよい。
【0039】
ポリオキシアルキレン化合物(E)としては、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物が含まれる。また、一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物に換えて、または加えて、特公昭50−5157号、特公昭49−38923号、特公昭50−1475号、特公昭45−7973号公報、特開昭50−4282号又は特開平2−289526号の各公報に記載されたポリオキシアルキレン化合物;並びにこれらの混合物等も使用できる。しかし、少なくとも一般式(1)で表されるポリアルキレン化合物を含むことが好ましい。
【0040】

{−(OA)−OR (1)
【0041】
一般式(1)において、Rは水素原子又は炭素数2〜22の有機基、Rは水素原子又は炭素数8〜31のアシル基、OAは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mは1〜3の整数、nは10〜60の整数を表す。
【0042】
のうち、炭素数2〜22の有機基としては、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基及びアシル基等が含まれる。
【0043】
直鎖アルキル基としては、エチル、n−ブロピル、n−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシル、カプリル、ラウリル、ミリスチル、ステアリル及びベヘニル等が挙げられる。
【0044】
直鎖アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、1−ヘキセニル、オクテニル、デカニル、オレイル、オクタデセニル及びドコセニル等が挙げられる。
【0045】
アシル基としては、カプロイル、ラウロイル、ミリスチロイル、ステアロイル、ベヘニロイル、リグノセリニル、セロチニル及びオレイロイル基等が挙げられる。
【0046】
これらのRのうち、塗膜の光沢の観点等から、水素原子、直鎖アルキル基及び直鎖アルケニル基が好ましく、さらに好ましくは水素原子及び直鎖アルキル、特に好ましくはn−ブロピル、n−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシル、最も好ましくはn−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシルである。
【0047】
のうち、炭素数8〜31のアシル基としては、カプロイル、ラウロイル、ミリスチロイル、ステアロイル、ベヘニロイル、リグノセリニル、セロチニル及びオレイロイル等が挙げられる。これらのRのうち、塗膜の光沢の観点等から、水素原子、ラウロイル、ミリスチロイル、オレイロイル及びステアロイル基が好ましく、さらに好ましくは水素原子、ラウロイル、オレイロイル及びステアロイル、特に好ましくは水素原子である。
【0048】
炭素数3〜4のオキシアルキレン基としては、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合物が含まれる。これらのうち、オキシプロピレンが好ましい。
【0049】
なお、オキシアルキレン基として、炭素数3〜4のオキシアルキレン基を主体的に含んでいればよく、一部にオキシエチレンを含んでもよい。主体的とは、オキシアルキレン基の構成単位のモル数に基づいて少なくとも70モル%含まれることを意味し、好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは85モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含まれることである。
【0050】
複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、ブロック状、ランダム状及びこれらの混合のいずれでもよいが、ランダム状が好ましい。
【0051】
nとしては、10〜60の整数が好ましく、さらに好ましくは20〜50の整数、特に好ましくは25〜45の整数である。この範囲であると、ハジキの発生がさらに抑制される。
【0052】
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物としては、以下の化学式で示される化合物等が挙げられる。なお、poはオキシプロピレン基を、boはオキシブチレン基を表し、・はブロック状を、/はランダム状を表す。
【0053】
−(po)25−OH (2)
−(po)45−OH (3)
−(po)30・(bo)−OH (4)
−(po)25−OH (5)
−(po)45−OH (6)
−(po)30・(bo)−OH (7)
−(po)25−OH (8)
−(po)40−OH (9)
−(po)30・(bo)−OH (10)
−(po30/bo)−OH (11)
11−(po)25−OH (12)
11−(po)45−OH (13)
11−(po)30・(bo)−OH (14)
13−(po)25−OH (15)
13−(po)45−OH (16)
13−(po)30・(bo)−OH (17)
−(po)10−OCO−C1223 (18)
−(po)15−OCO−C1223 (19)
−(po)10−OCO−C1733 (20)
−(po0/eo)−OH (21)
13−(po30/bo)−OH (22)
【0054】
これらのうち、式(6)、(9)、(13)、(14)、(15)、(19)又は(20)で表されるポリオキシアルキレン化合物が好ましく、さらに好ましくは式(6)、(9)、(14)又は(20)で表されるポリオキシアルキレン化合物である。これらのポリオキシアルキレン化合物(E)は、2種以上の混合物であってもよく、混合物の場合、上記の好ましいものが主成分として含まれていることが好ましい。
【0055】
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物は、公知の方法、例えば、炭素数2〜22の直鎖アルカノール又は直鎖アルケノールと炭素数3〜4のアルキレンオキシドとを反応させる方法、また炭素数2〜22の直鎖アルカノール又は直鎖アルケノールと炭素数3〜4のアルキレンオキシドとを反応させたのち、この反応物と炭素数2〜22又は炭素数8〜31の脂肪酸と反応させる方法等により得ることができる。
【0056】
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物は、市場から容易に入手でき、たとえば、商品名として、ニューポール LB−385,LB−625,LB−1145,LB−1715及びLB−1800X{三洋化成工業(株)製}、並びにユニルーブ MB−19,MB−38及びMB−370{日本油脂(株)製}等が挙げられる。
【0057】
液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)の含有量(重量%)は、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、80〜99.9が好ましく、さらに好ましくは85〜99.5、特に好ましくは90〜99、最も好ましくは92〜98である。この範囲であると、ディンプル等による塗膜の平滑性阻害の抑制と、インク受容層の光沢が両立できて好ましい。
【0058】
飽和脂肪族アミド(F)としては、炭素数1〜6のアルキレンジアミン若しくはアルケニレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(飽和脂肪族ジアミド)(F1)及び/又は炭素数1〜22のアルキルアミン、アルケニルアミン若しくはアンモニアと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(飽和脂肪族モノアミド)(F2)が含まれる。
【0059】
飽和脂肪族ジアミド(F1)としては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。
【0060】
飽和脂肪族モノアミド(F2)としては、N−ステアリルステアリルアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド及びステアリルアミド等が挙げられる。
【0061】
これらのうち、塗膜の光沢等の観点から、飽和脂肪族ジアミド(F1)が好ましく、さらに好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド、特に好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドである。これらのアミドは、2種以上の混合物であってもよく、混合物の場合、上記の好ましいものが主成分として含まれていることが好ましい。
【0062】
なお、主成分とは、飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、少なくとも40重量%を含まれる成分を意味し、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上含まれることである。
【0063】
飽和脂肪族アミド(F)中の副成分(主成分以外に含まれる成分)としては、上記の好ましい範囲以外のアミドの他に、未反応アミン、モノアミド及び未反応カルボン酸等が含まれる。副成分の含有量(重量%)は、飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、60未満が好ましく、さらに好ましくは50未満、特に好ましくは40未満、次に好ましくは30未満、最も好ましくは20未満である。
【0064】
飽和脂肪族アミド(F)の含有量(重量%)は、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて0.1〜20が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15、特に好ましくは1〜10、最も好ましくは2〜8である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高く高光沢のインク受容層を得ることができる。)。
【0065】
飽和脂肪族アミド(F)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)及び水(C)の重量に基づいて、0.001〜0.2が好ましく、さらに好ましくは0.002〜0.12、特に好ましくは0.003〜0.08、最も好ましくは0.004〜0.04である。この範囲であると、スクリーン印刷時のメッシュ痕やディンプルの発生抑制と、形成されるインク受容層の耐クラック性が両立できて好ましい。
【0066】
本発明のインク受容層形成用組成物は、予め、液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)と、飽和脂肪族アミド(F)とを均一混合しておくことが好ましい。このように予め、均一混合する場合、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の含有量(重量%)としては、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)及び水(C)の重量に基づいて、0.03〜4.8が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.07〜2、最も好ましくは0.1〜1である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる。
【0067】
本発明のインク受容層形成用組成物には、疎水化したシリカ(G)を含むことが好ましい。
【0068】
疎水化したシリカ(G)としては、上記の無機微粒子(A)中のシリカ微粒子を疎水化剤で加熱処理することにより容易に得ることができる。疎水化剤としては、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイル等が含まれる。
【0069】
シリコーンオイルとしては、動粘度10〜3000(mm/s、25℃)のジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロテトラジメチルシロキサン等も含まれる。
【0070】
変性シリコーンとしては、上記のジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子、及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたもの等が含まれる。
【0071】
疎水化剤の含有量(重量%)としては、疎水化したシリカ(G)の重量に基づいて、5〜70が好ましく、さらに好ましくは7〜50、特に好ましくは10〜30である。この範囲であると塗膜の光沢がさらに優れる。
【0072】
疎水化処理の加熱温度(℃)としては100〜400が好ましく、さらに好ましくは150〜350、特に好ましくは200〜300である。
【0073】
疎水化処理には、溶媒{液状炭化水素油(D)、動粘度(mm/s、40℃)5〜30のパラフィンオイル及びプロセスオイル等}及び反応触媒(硫酸、硝酸、塩酸、ヒドロキシ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−ニトロ安息香酸、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)等が使用できる。
【0074】
疎水化したシリカ(G)としては、商品名として、Nipsil SS−10,SS−40,SS−50及びSS−115(日本シリカ株式会社);AEROSIL R972,RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社);TS−530,TS−610,TS−720(キャボットカーボン社);AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社);REOLOSIL MT−10,DM−10及びDM−20S (株式会社トクヤマ);並びにSYLOPHOBIC 100,702,505及び603(富士シリシア化学株式会社)等が挙げられる。これらの疎水性シリカは、2種以上の混合物であってもよい。
【0075】
疎水化したシリカ(G)を含む場合、疎水化したシリカ(G)の含有量(重量%)としては、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)飽和脂肪族アミド(F)及び疎水化したシリカ(G)の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜4、特に好ましくは0.3〜3、最も好ましくは0.5〜2.2である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高く高光沢のインク受容層を得ることができる。)。
【0076】
疎水化したシリカ(G)を含む場合、予め、液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)と、飽和脂肪族アミド(F)と、疎水化したシリカ(G)とを均一混合しておくことが好ましい。このように予め、均一混合する場合、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)、飽和脂肪族アミド(F)及び疎水性したシリカ(G)の含有量(重量%)としては、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)及び水(C)の重量に基づいて、0.03〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.07〜2、最も好ましくは0.1〜1である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる。
【0077】
本発明のインク受容層形成用組成物には、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)を含むことが好ましい。
【0078】
炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)としては、脂肪族モノアルコール及び脂肪族多価アルコールが含まれる。
【0079】
脂肪族モノアルコールとしては、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール及び4−メチル−2−ペンタノール等が挙げられる。
【0080】
脂肪族多価アルコールとしては、ジオール{たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等}、3〜4価の多価アルコール{グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール及びジグリセリン等}が挙げられる。
【0081】
脂肪族アルコール(H)は、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよいが、形成されるインク受容層の光沢の観点から、少なくとも二種を含むことが好ましく、さらに好ましくは脂肪族モノアルコールを少なくとも二種含むこと、特に好ましくは1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール及び3−メチル−2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含むこと、つぎに好ましくは1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール及び3−メチル−1−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含むこと、最も好ましくは1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール及び1−ペンタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含むことである。
【0082】
脂肪族アルコール(H)を含む場合、脂肪族アルコール(H)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)の重量に基づいて、5〜600が好ましく、さらに好ましくは10〜500、特に好ましくは35〜320、最も好ましくは100〜200である。この範囲であるとインクジェット印刷後の発色と塗布適性(特にスクリーン印刷適性)とのバランスがさらに良好となる。
【0083】
炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)と水(C)との重量比(H/C)は、0.01〜0.9が好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.75、特に好ましくは0.03〜0.5、最も好ましくは0.05〜0.3である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高く高光沢のインク受容層を得ることができる。)。
【0084】
本発明のインク受容層形成用組成物には、さらに、カルボン酸(塩)(共)重合体(J)を含むことが好ましい。カルボン酸(塩)(共)重合体(J)を含むと、形成されるインク受容層のディンプルがさらに減少し、インク受容層の光沢がさらに良好となる。
【0085】
カルボン酸(塩)(共)重合体(J)としては、ビニル基含有カルボン酸(塩)を必須構成単量体とするポリマーであれば、ビニル基含有カルボン酸(塩)のホモポリマーであってもよいし、ビニル基含有カルボン酸(塩)と、他の単量体{(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニル基含有アミド、ビニル基含有スルホン酸、ビニル基含有ニトリル及びスチレン等}との共重合体であってもよい。
【0086】
本発明において、「・・カルボン酸(塩)」とは、「・・カルボン酸」、「・・カルボン酸の完全中和塩」又は「・・カルボン酸の部分中和塩」を意味する。
塩としては特に限定されるものではなく、公知のものを使用できる。これらのうち、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩及びアンモニウム塩が好ましい。
【0087】
カルボン酸(塩)(共)重合体(J)としては、ビニル基含有カルボン酸塩を必須構成単量体として重合して得てもよく、ビニル基含有カルボン酸塩及びビニル基含有カルボン酸を必須構成単量体として重合して得てもよく、ビニル基含有カルボン酸を必須構成単量体として重合した後、中和塩としてもよい。
【0088】
ビニル基含有カルボン酸(塩)としては、脂肪族モノカルボン酸(塩)、脂環式モノカルボン酸(塩)及び芳香族モノカルボン酸(塩)等が含まれ、たとえば、特開2004−315359号公報に記載のもの等が使用できる。これらのうち、脂肪族モノカルボン酸(塩)が好ましく、さらに好ましくはアクリル酸(塩)及びメタクリル酸(塩)、特に好ましくはアクリル酸(塩)である。
【0089】
他の単量体のうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、公知のものが使用でき、たとえば、特開2006−045549号公報に記載のもの等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さの観点から、1官能脂肪族(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はiso−プロピル(メタ)アクリレート、n−、iso−又はt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0090】
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、アルキル基の炭素数1〜6の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等が使用でき、たとえば、特開2006−045549号公報に記載のもの等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さの観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0091】
ビニル基含有アミド、ビニル基含有スルホン酸及びビニル基含有ニトリルとしては、公知のものが使用でき、たとえば、特開2004−315359号公報に記載のもの等が挙げられる。これらのうち、入手のし易さの観点から、ビニル基含有アミドが好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリルアミドが好ましく、さらに好ましくはジメチル(メタ)アクリルアミド及びジエチル(メタ)アクリルアミドである。
【0092】
他の単量体を構成単量体として含む場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)は、ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せのいずれでもよいが、生産性の観点等から、ランダム状及びブロック状とランダム状との組合せが好ましく、さらに好ましくはランダム状である。
【0093】
他の単量体を構成単量体とする場合、他の単量体単位の含有量(モル%)は、ビニル基含有カルボン酸(塩)単位のモル数に基づいて、5〜100が好ましく、さらに好ましくは10〜95、特に好ましくは30〜90である。
【0094】
カルボン酸(塩)(共)重合体(J)は、公知の重合方法{溶液重合法、パール重合法及び逆相乳化重合法等;たとえば、特開2004−315359号公報等}を用いて得ることができるが、特に限定されるものではない。
【0095】
カルボン酸(塩)(共)重合体(J)を含有する場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)は、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。また、この場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(J)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.02〜4、特に好ましくは0.05〜3、最も好ましくは0.1〜2である。この範囲であると形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高く高光沢のインク受容層を得ることができる。)。
【0096】
本発明のインク受容層形成用組成物には、必要に応じて、添加剤{分散剤(L)、有機微粒子(M)、酸化防止剤(N)、紫外線吸収剤(P)、架橋剤(Q)及び染料固着剤(K)等}を添加できる。添加剤は、それぞれ、2種以上を混合しても使用できる。
【0097】
分散剤(L)としては、公知のもの(たとえば、特開2006−231596号公報に記載されたカチオン性ポリマー、水溶性多価金属化合物及び界面活性剤等、特開2006−169321号公報に記載された低分子カチオン性分子、並びに特開2003−251918号公報に記載された有機酸及び無機酸等)等が使用できる。
【0098】
これらのうち、無機微粒子(A)としてシリカ微粒子を用いる場合、有機酸、無機酸、カチオン性ポリマー、水溶性多価金属化合物及び低分子カチオン性分子が好ましく、さらに好ましくは乳酸、ギ酸、酢酸、塩酸、硝酸カチオン性ポリマー及び低分子カチオン性分子、特に好ましくは乳酸、酢酸、硝酸、低分子カチオン性分子である。また、無機微粒子(A)としてアルミナ微粒子を用いる場合、有機酸及び無機酸が好ましく、さらに好ましくは乳酸、ギ酸、酢酸、塩酸及び硝酸、特に好ましくは乳酸、酢酸及び硝酸である。
【0099】
有機微粒子(M)としては、公知のもの(たとえば、特開2006−192634号公報及び特開2004−082729号公報に記載された有機微粒子)等が使用できる。これらのうち、架橋ポリビニルピロリドン粒子、アクリル重合体、スチレン−アクリル共重合体及び酢酸ビニル−アクリル共重合体が好ましい。
【0100】
酸化防止剤(N)としては、公知のもの{たとえば、特開2001−26178号公報}等が使用できる。これらのうち、印刷画像の発色性の観点から、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0101】
紫外線吸収剤(P)としては、公知のもの{たとえば、特開2000−42614号公報に記載された紫外線吸収剤、及び特開2004−42614号公報に記載された高分子型紫外線吸収剤等}等が使用できる。これらのうち、印刷画像の発色性の観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
【0102】
架橋剤(Q)としては、ポリビニルアルコール(B)を架橋できる化合物であれば制限なく使用でき、公知のもの(たとえば、特開2000−335087号公報)等が使用できる。これらのうち、架橋反応速度の観点から、ホウ素化合物及び金属含有化合物が好ましく、さらに好ましくは硼砂、ホウ酸、ホウ酸塩、酢酸ジルコニウム及び硝酸ジルコニウム、特に好ましくは硼砂、ホウ酸、酢酸ジルコニウム及び硝酸ジルコニウムである。
【0103】
染料固着剤(K)としては、公知のもの(たとえば、特開平10−264511号公報及び特許2000261号公報)等が使用できる。これらのうち、印刷画像の発色性の観点から、アリルアミン及びこの重合体塩、特許2000261号公報に記載のジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマー(アクリルアミド等)とを構成単位とする重合体、ジアリルアミン及びこの重合体塩、ジアリルジアルキルアンモニウム及びこの重合体塩、並びにジアリルアルキルアミン及びこの重合体塩が好ましく、さらに好ましくはジアリルアミン重合体塩、ジアリルジアルキルアンモニウム重合体塩、ジアリルアルキルアミン重合体塩及びジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成単位とする重合体、特に好ましくはジアリルアミン重合体塩酸塩、ジアリルジアルキルアンモニウム重合体塩酸塩、ジアリルアルキルアミン重合体塩酸塩及びジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成単位とする重合体、最も好ましくはジアリルアミン重合体塩酸塩、ジアリルアルキルアミン重合体塩酸塩及びジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン性ビニルモノマーとを構成単位とする重合体である。
【0104】
分散剤(L)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.001〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0105】
有機微粒子(M)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.001〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0106】
酸化防止剤(N)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.001〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0107】
紫外線吸収剤(P)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.001〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1、特に好ましくは0.1〜0.5である。
【0108】
架橋剤(Q)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.02〜5、特に好ましくは0.05〜1である。
【0109】
染料固着剤(K)を含有する場合、この含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.001〜10が好ましく、さらに好ましくは0.02〜7、特に好ましくは0.05〜5である。
【0110】
添加剤を含有する場合、添加剤は任意の段階で添加混合することができる。
【0111】
本発明のインク受容層形成用組成物は、以下の工程を含む製造方法により得ることが好ましい。
【0112】
<工程(1)>
無機微粒子(A)の水分散体と、ポリビニルアルコール(B)の水溶液とを均一混合して混合液(AB)を得る混合工程(1)
【0113】
<工程(2)>
混合液(AB)と水(C)及び炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)とを均一混合して混合液(ABCH)を得る混合工程(2)
【0114】
<工程(3)>
混合液(ABCH)と液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)並びに飽和脂肪族アミド(F)とを均一混合してインク受容層形成用組成物を得る混合工程(3)
【0115】
混合工程(2)において、さらにカルボン酸(塩)(共)重合体(J)及び/又は添加剤を均一混合することが好ましい。
【0116】
均一混合には、公知の分散機{たとえば、圧力式分散機(高圧ホモジナイザー等)、ボールミル、サンドミル、ロールミル、ビーズミル、各種汎用攪拌モーター、遊星型混分散機及び3軸遊星型ミキサー等}等が使用できる。これらの分散機のうち、遊星型混合分散機及び3軸遊星型ミキサーが好ましく、さらに好ましくは3軸遊星型ミキサーである。なお、3軸遊星型ミキサーは、遊星運動を行う2枚のブレードと高速回転翼の3軸から構成される。2枚のブレードは自転及び公転し、この自公転に同期しながら高速回転翼は自転する構造をとる分散機である(たとえば、登録実用新案第3026043号)。
【0117】
各工程の均一混合温度は特に制限ないが、工程(1)においては、60〜100℃が好ましく、さらに好ましくは65〜90℃、特に好ましくは70〜85℃である。また、工程(2)においては、10〜50℃が好ましく、さらに好ましくは20〜45℃、特に好ましくは25〜35℃である。この範囲であると保存安定性がさらに良好となる。また、工程(3)においては、10〜50℃が好ましく、さらに好ましくは20〜45℃、特に好ましくは25〜35℃である。
【0118】
各工程の均一混合時間は特に制限ないが、工程(1)においては0.5時間〜24時間が好ましく、さらに好ましくは1〜12時間である。これらの範囲であると溶け残りによる異物発生がなく、得られるインク受容層の光沢がさらに良好となる。また、工程(2)においては、5分〜24時間が好ましく、さらに好ましくは15分〜12時間である。この範囲であると得られるインク受容層の光沢がさらに良好となる。また、工程(3)においては、5分〜3時間が好ましく、さらに好ましくは10〜1時間である。この範囲であると、形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高く高光沢のインク受容層を得ることができる。)。
【0119】
本発明の水性インク受容層形成用組成物が適用できる支持体としては、紙{サイジングが施された紙、無サイズ紙、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、紙の片面あるいは両面が樹脂(ポリオレフィン等)で被覆された樹脂被覆紙等}、樹脂フィルム(シートを含む意味である){ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリスチレン、ポリアセテート、ポリシクロオレフィン、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート又はポリカーボネート等からなるフィルム、及びこれらの金属蒸着フィルム、無機物の充填又は微細な発泡により不透明化されたフィルムからなる合成紙等}、ディスク状の光記録メディア、ガラス板、金属板、布及び皮革等が挙げられる。これらのうち、樹脂フィルム及びディスク状の光記録メディアに好適である。
【0120】
本発明の水性インク受容層形成用組成物を、支持体に塗布して塗布層を形成する工程の前に、支持体の水性インク受容層を形成する面に、支持体と水性インク受容層との密着性を向上させる目的で、予め密着処理する工程、又は接着処理する工程を追加してもよい。特に、支持体として樹脂被覆紙、樹脂フィルム、又は合成紙を用いる場合、その表面にコロナ放電処理すること、あるいはゼラチン等によるアンダーコート層を設けることが好ましい。
【0121】
本発明の水性インク受容層形成用組成物を支持体に塗布して塗布層を形成する工程において、本発明の水性インク受容層形成用組成物は、スクリーン印刷法、ダイコーター法、ロールコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、バーコーター法又はスピンコーター法等を用いて塗布できる。
【0122】
本発明の水性インク受容層形成用組成物を用いれば、スクリーン印刷法でインク受容層を形成した場合であっても、塗膜の光沢の低下がない。スクリーン法を用いると、インクの使用量がスピンコーター法等の半分程度で済み、他の印刷法でできなかったインク受容層のパターン形成や模様の形成をすることができる。
【0123】
スクリーン印刷法に用いるスキージとしては、シリコーンゴム及びポリウレタンゴム等の樹脂製スキージやメタル製スキージのいずれもが使用できる。
スキージ硬度は、55〜95度が好ましく、さらに好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜80度である。
なお、スキージ硬度はJIS K6253−1997「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法 5.デュロメーター硬さ試験(タイプA)」に準拠して測定される。
スキージのヘッド形状は特に限定はされないが、特開2004−042644号公報に記載された形状等が使用でき、平形、剣形、角形及び平形をカットした形状等のいずれでもよい。
【0124】
スクリーン印刷法に用いるスクリーンメッシュマスクの材質としては、特に制限はなく、ステンレスメッシュ又はポリエステルメッシュを感光性乳剤で開口部を形成したもの等が挙げられる。
メッシュの目開き(μm)は30〜400が好ましく、さらに好ましくは、40〜300、特に好ましくは50〜250である。
なお、メッシュの目開きはJIS G3556−2002「工業用織金網 7.2試験方法 目開き」に準拠して測定される。
スクリーンメッシュマスクの厚み(メッシュと感光性乳剤との合計厚み )(μm)は、30〜200が好ましく、さらに好ましくは70〜150、特に好ましくは90〜120である。
【0125】
本発明の水性インク受容層形成用組成物をスクリーン印刷インキとして用いる場合、25℃において周波数1Hzにおける損失正接が0.4〜4.5であることが好ましく、さらに好ましくは0.6〜4.0、特に好ましくは1.0〜3.6である。これらの範囲であるとスクリーン印刷特性が良好となり、平滑性の高い塗膜が得られ高光沢が確保できる。
【0126】
損失正接は、「レオロジー工学とその応用技術」(株)フジ・テクノシステム、2001年1月12日 初版第1刷発行、第204〜206頁に記載の応力制御方式で測定可能な粘弾性測定装置(たとえば、商品名「レオストレスRS75」(HAAKE社製)を用いて求められ、たとえば、特開2006−241449号公報に記載の方法等で測定できる。
【0127】
本発明の水性インク受容層形成用組成物をスクリーン印刷インキとして用いる場合、25℃におけるコーン・プレート型の回転粘度(E型粘度)において、10rpmでの粘度(V10、mPa・s)は、1000〜15000が好ましく、さらに好ましくは1500〜12000、特に好ましくは2000〜10000である。また同様に、100rpmでの粘度(V100、mPa・s)は、500〜4500が好ましく、さらに好ましくは600〜4000、特に好ましくは800〜3000である。また、10rpmでの粘度(V10)と100rpmでの粘度(V100)との比(V10/V100)は、1.1〜10が好ましく、さらに好ましくは1.2〜7.0、特に好ましくは1.5〜5.0である。これらの範囲であるとスクリーン印刷特性が良好となり、平滑性の高い塗膜が得られ高光沢が確保できる。
【0128】
コーン・プレート型の回転粘度(E型粘度)は、JIS K7117−2「プラスチック−液状、乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法」に準拠して測定され、たとえば東機産業(株)製「RE−80U」等で測定できる。
【0129】
本発明の水性インク受容層形成用組成物を塗布した後、形成された塗布層を乾燥することによってインク受容層が形成される。
塗布層を乾燥して水性インク受容層を形成する工程において、乾燥は、30〜150℃、0.5〜30分間の条件が好ましく、さらに好ましくは40〜125℃、1〜20分間、特に好ましくは45〜100℃、3〜15分間、最も好ましくは50〜95℃、4〜10分間の条件である。
【0130】
水性インク受容層の厚さは、塗膜上への印刷方法、印刷に用いられるインクやそのインクに使用される溶剤の種類、そのインク量等によって適宜選択することができるが、1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは5〜70μm、特に好ましくは10〜50μm、最も好ましくは15〜45μmである。
【0131】
形成されたインク受容層への画像形成は、インクジェットプリンター、熱転写プリンター、レーザープリンター、オフセット印刷及び筆記用具(フェルトペン等)等により行うことができる。
【実施例】
【0132】
以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に言及しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。
【0133】
<製造例1>
温度計、攪拌機、コンデンサー、滴下ポンプ(2本)を備えた重合用ステンレス反応容器に、無水マレイン酸81.4部(0.83モル)及びイオン交換水293.9部を投入し、還流・攪拌下95℃に加熱した。その後還流(95℃)下で、80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)、48.5%水酸化ナトリウム水溶液173.6部及びイオン交換水156.0部を予め混合した単量体水溶液を180分間かけて滴下ポンプから滴下し、同時にもう一方の滴下ポンプから混合触媒溶液(過硫酸ナトリウム11.6部、35%過酸化水素水47.0部及びイオン交換水11.0の混合物)を同じく180分間かけて一定速度で滴下しながら重合させた。滴下終了後、さらに120分間、還流(95℃)を維持し、重合反応を完結させた。次いで、40℃以下に冷却した後、40℃以下を保ちながら48.5%水酸化ナトリウム水溶液152.4部で中和して共重合体(1)の水溶液を得た。さらにエバポレータにて共重合体(1)の水溶液から水を留去し、カルボン酸(塩)(共)重合体(j1)を得た。
【0134】
<製造例2>
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「ヒドロキシエチルアクリレート18.6部(0.16モル)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸(塩)(共)重合体(j2)を得た。
【0135】
<製造例3>
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「2−エチルヘキシルモノアクリレート239.6部(1.3モル)及びn−ブチルアクリレート166.7部(1.3モル)」に変更したこと、及び「80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)」を「80%アクリル酸水溶液26.0(0.29モル)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸(塩)(共)重合体(j3)を得た。
【0136】
<製造例4>
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「スチレン270.9部(2.6モル)」に変更したこと、「80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)」を「80%アクリル酸水溶液26.0(0.29モル)」に変更したこと、及び「48.5%水酸化ナトリウム水溶液173.6部」を「25%アンモニア水150.0部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸(塩)(共)重合体(j4)を得た。
【0137】
<製造例5>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、脂肪酸アミド(f1){エチレンビスステアリルアミド、アルフロー H−50S、日油(株)、「アルフロー」は同社の登録商標である。}40部、液状炭化水素油(d1){鉱物油、コスモSP−10、コスモ石油ルブリカンツ(株)}300部及びポリオキシアルキレン化合物(e1){ポリオキシプロピレン(40モル付加)モノブチルエーテル、ニューポールLB−1715、三洋化成工業(株)}50部及び疎水性シリカ(g1){ニップシール SS−100、東ソー・シリカ(株)}20部を加熱攪拌しながら140℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けてアミド溶解液(1)を得た。
【0138】
次いで、5℃に調節した液状炭化水素油(d1)590部を冷却攪拌しながら、これにアミド溶解液(1)を投入し15分間攪拌して混合物(1)(混合物の温度は46℃であった)を得た。
【0139】
混合物(1)をインペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて15分間攪拌{微細化処理(均質化処理)}して、飽和脂肪族アミド分散液(df1)を得た。
【0140】
<製造例6>
疎水性シリカ(g1){ニップシール SS−100、東ソー・シリカ(株)}20部を使用しなかったこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df2)を得た。
【0141】
<製造例7>
「液状炭化水素油(d1)」を「液状炭化水素油(d2){植物油、ファインオイル N、ミヨシ油脂株式会社}」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df3)を得た。
【0142】
<製造例8>
「ポリオキシアルキレン化合物(e1)」を「ポリオキシアルキレン化合物(e2){ポリオキシプロピレン(25モル付加)モノブチルエーテル、ニューポールLB−385、三洋化成工業(株)}」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df4)を得た。
【0143】
<製造例9>
「脂肪酸アミド(f1)」を「脂肪酸アミド(f2){エルカ酸モノアミド、アルフロー P−10、日油(株)}」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df5)を得た。
【0144】
<製造例10>
「ポリオキシアルキレン化合物(e1)」を投入せず、「5℃に調節した液状炭化水素油(d1)590部」を「5℃に調節した液状炭化水素油(d1)695部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df6)を得た。
【0145】
<製造例11>
「脂肪酸アミド(f1)40部」を「脂肪酸アミド(f1)10部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df7)を得た。
【0146】
<製造例12>
「脂肪酸アミド(f1)40部」を「脂肪酸アミド(f1)150部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df8)を得た。
【0147】
<製造例13>
「脂肪酸アミド(f1)40部」を「脂肪酸アミド(f1)1部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df9)を得た。
【0148】
<製造例14>
「脂肪酸アミド(f1)40部」を「脂肪酸アミド(f1)104部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df10)を得た。
【0149】
<製造例15>
「脂肪酸アミド(f1)40部」を「脂肪酸アミド(f1)20部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df11)を得た。
【0150】
<製造例16>
「脂肪酸アミド(f1)40部」を「脂肪酸アミド(f1)80部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df12)を得た。
【0151】
<製造例17>
「疎水性シリカ(g1)20部」を「疎水性シリカ(g1)5部」に変更したこと以外、製造例5と同様にして、飽和脂肪族アミド分散液(df13)を得た。
【0152】
<実施例1>
水(c1){イオン交換水}30部に、ポリビニルアルコール(b1){J−POVAL JP−45、日本酢ビポバール(株)製、ケン化度89モル%、重合度4500}5部を空気雰囲気下、15℃で分散した後、大気圧(約1013hPa)下で45分かけて80℃まで昇温し、80℃で6時間撹拌してポリビニルアルコール(b1)水溶液35部を得た。
【0153】
3軸遊星型ミキサ(浅田鉄工(株)製、プラネタリDESPA)に水(c2){イオン交換水}52部、乳酸0.2部{東京化成(株)製、試薬1級}、濃硝酸0.1部{東京化成(株)製、試薬1級}、染料固着剤(k1){PAS−M−1、日東紡績(株)製、N−メチルジアリルアミン・塩酸塩重合体}1.6部及び無機微粒子(a1){シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積200m/g}13部を仕込み、25〜30℃に保持し、分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌してから、上記で調製したポリビニルアルコール(b1)水溶液35部を仕込み、再び分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌した後、脂肪族アルコール(h1){1−ブタノール、NBO、チッソ(株)製}6部、脂肪族アルコール(h3){2−メチル−1−プロパノール、イソブタノール、協和発酵ケミカル(株)製}6部、脂肪族アルコール(h5){1−ペンタノール、和光純薬(株)製、試薬1級}2部、カルボン酸(塩)(共)重合体(j1)0.5部、架橋剤(q1){硼酸、東京化成(株)製、試薬1級}0.2部、架橋剤(q2){硼砂、東京化成(株)製、試薬1級}0.2部及び架橋剤(q3){硝酸ジルコニル、ジルコゾールZN、第一稀元素化学工業(株)製}0.7部を仕込み、さらに同条件にて1時間攪拌し、本発明のインク受容層形成用組成物(1)を得た。
【0154】
<実施例2〜10>
「脂肪族アルコール(h1)6部」、「脂肪族アルコール(h3)6部」、「脂肪族アルコール(h5)2部」、「カルボン酸(塩)(共)重合体(j1)0.5部」、及び「飽和脂肪族アミド分散液(df1)0.2部」を表1に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(2)〜(10)を得た。
【0155】
<実施例11〜20>
「カルボン酸(塩)(共)重合体(j1)0.5部」を表2に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(11)〜(20)を得た。
【0156】
<実施例21〜30>
「無機微粒子(a1)13部」、「ポリビニルアルコール(b1)5部」、「水(c1)30部」及び「水(c2)52部」を表3に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(21)〜(30)を得た。
【0157】
<実施例31〜36>
「ポリビニルアルコール(b1)5部」、を表4に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(31)〜(36)を得た。
【0158】
<実施例37〜55>
「飽和脂肪族アミド・液状炭化水素油溶解液(df1)0.2部」を表5〜7に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(37)〜(55)を得た。
【0159】
【表1】

【0160】
【表2】

【0161】
【表3】

【0162】
【表4】

【0163】
【表5】

【0164】
【表6】

【0165】
【表7】

【0166】
なお、表1〜7中の各含有成分に対応する数値は重量部を表し、各略号の意味は以下の通りである。
また、「H/C」は、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)と水(C)との重量比{(H)/(C)}を、「H%」は脂肪族アルコール(H)の無機微粒子(A)の重量に基づいた含有量(重量%)を、「BET」は用いた無機微粒子(A)のBET比表面積を、「PVA」はポリビニルアルコール(B)の無機微粒子(A)の重量に基づいた含有量(重量%)を、「F/(ABC)」は飽和脂肪族アミド(F)の無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)及び水(C)の重量に基づいた含有量(重量%)を、「F/(DEF)」は飽和脂肪族アミド(F)の液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいた含有量(重量%)を、「G%」は、疎水化したシリカ(G)の含有量(重量%)の液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)、飽和脂肪族アミド(F)及び疎水化したシリカ(G)の重量に基づいた含有量(重量%)を示す。
【0167】
a1;アエロジル200{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積200m/g}
a2;Aeroxide Alu−c{アルミナ微粒子、デグサ社製、気相法アルミナ、一次粒子径13nm、BET比表面積100m/g}
a3;アエロジル380{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径7nm、BET比表面積380m/g}
a4;アエロジルTT600{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径40nm、BET比表面積50m/g}
a5;アエロジル90G{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径20nm、BET比表面積90m/g}
a6;アエロジル300{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積300m/g}
a7;NanoTek TiO{二酸化チタン微粒子、シーアイ化成(株)製、二酸化チタン、一次粒径36nm、BET比表面積50m/g}
【0168】
b1;{J−POVAL JP−45、日本酢ビポバール(株)製、ケン化度89モル%、重合度4500}
【0169】
c1、c2;イオン交換水
【0170】
h1;1−ブタノール{NBO、チッソ(株)製}
h2;2−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h3;2−メチル−1−プロパノール{イソブタノール、協和発酵ケミカル(株)製}
h4;2−メチル−2−プロパノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h5;1−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h6;2−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h7;3−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h8;2−メチル−1−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h9;3−メチル−1−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h10;2−メチル−2−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h11;3−メチル−2−ブタノール{東京化成工業(株)製、試薬1級}
h12;1−プロパノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
h13;1−ヘキサノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
【0171】
df1:製造例5で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df2:製造例6で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df3:製造例7で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df4:製造例8で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df5:製造例9で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df6:製造例10で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df7:製造例11で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df8:製造例12で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df9:製造例13で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df10:製造例14で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df11:製造例15で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df12:製造例16で製造した飽和脂肪族アミド分散液
df13:製造例17で製造した飽和脂肪族アミド分散液
【0172】
j1;製造例1で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
j2;製造例2で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
j3;製造例3で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
j4;製造例4で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
【0173】
<比較例1>
「脂肪族アルコール(h1)5部」、「脂肪族アルコール(h3)5部」、「脂肪族アルコール(h5)1部」及び「水(c2)23部」のすべてを「水(c2)35部」に変更したこと及び「飽和脂肪族アミド分散液(df1)0.2部」を添加しなかったこと以外、実施例1と同様にして、比較用のインク受容層形成用組成物(R1)を得た。
【0174】
<比較例2>
水(c1)26.6部に、ポリビニルアルコール(b2){PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88モル%、重合度3500}2部を空気雰囲気下、15℃で分散した後、大気圧(約1013hPa)下で45分かけて90℃まで昇温し、90℃で6時間撹拌してポリビニルアルコール(b2)水溶液28.6部を得た。
【0175】
3軸遊星型ミキサ(浅田鉄工社製、プラネタリDESPA)に水(c2)64.8部、分散剤0.9部{シャロールDC−902P、第一工業製薬(株)製}及び無機微粒子(a5)10部{アエロジル300CF、日本アエロジル(株)製}を仕込み、25〜30℃に保持し、分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌してから、ポリビニルアルコール(b2)水溶液28.6部を仕込み、再び分散機の攪拌機の出力を80パーセントに固定して1時間攪拌した後、架橋剤(q3){硝酸ジルコニル、ZA−30、第一稀元素化学工業(株)製}0.5部、架橋剤(q4){ホウ酸、和光純薬工業(株)製、試薬特級}0.4部、水溶性樹脂(バインダー){スーパーフレックス600、第一工業製薬(株)製}1部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル{エマルゲン109P、花王(株)製}0.5部及びエタノール{和光純薬工業(株)製、試薬特級}2.5部を仕込みさらに同条件にて1時間攪拌して、比較用のインク受容層形成用組成物(R2)を得た。
【0176】
実施例及び比較例で得たインク受容層形成用組成物は、以下のようにして評価し、これらの結果を表8〜9に記載した。
<塗工フィルムの作製>
70枚のコクヨ(株)製OHPフィルム(品番VF−1)上に、紫外線硬化性樹脂SD−318(大日本インキ化学工業株式会社製)を10μm厚で塗布し、高圧水銀灯にて硬化させ、保護層を形成した。保護層上にスクリーンメッシュマスク(乳剤厚みが120μm、大きさが30cm×30cmのステンレス製版60メッシュ・目開き283μm・線径140μm)を配置(印刷ギャップ:1.5mm)し、25℃の環境下に6時間密封保管した評価試料{インク受容層形成用組成物}を硬度70°、長さ20cm、厚さ2cmの角形スキージにてマスク印刷{スキージ角度15°、移動速度150mm/sec、スキージ圧(スキージ押しつけ荷重)40kg)}して、70枚の塗工フィルムを得た。引き続き、塗工フィルムを70±5℃の熱風乾燥機中で10分間乾燥させて、70枚のインク受容層形成フィルムを得た。
【0177】
<光沢度>
インク受容層形成フィルムを20℃、65%RHの環境下で24時間調湿した後、JIS K5600−4−7:1999、塗料一般試験方法、第4部:塗膜の視覚特性、第7節:鏡面光沢度に準拠して、グロスチェッカIG−320{(株)堀場製作所社製}を用いて、黒フエルトの上に置いたインク受容層形成フィルム表面の60度鏡面光沢度を測定し、70枚の算術平均値を光沢度とした。
【0178】
<メッシュ痕>
作成したインク受容層形成フィルムにおいて、印刷時に発生するメッシュ痕の有無を目視で観察し、メッシュ痕が無く、平滑な印刷面が形成された場合を○、メッシュ痕が残っていることが確認された場合×とした。
【0179】
<損失正接>
インク受容層形成用組成物について、「レオストレスRS75」(HAAKE社製)を用いて25℃、1Hzにおける損失正接を測定した。
【0180】
<E型粘度>
インク受容層形成用組成物について、「RE−80U」(東機産業社製)を用いて25℃における10rpmでの粘度(V10、mPa・s)及び100rpmでの粘度(V100、mPa・s)を測定し、10rpmでの粘度(V10)と100rpmでの粘度(V100)との比(V10/V100)を算出した。
【0181】
【表8】

【0182】
【表9】

【0183】
本発明のインク受容層形成用組成物(実施例1〜55)は、比較用のインク受容層形成用組成物(比較例1〜2)に比較して、光沢度、メッシュ痕、損失正接及びV10/V100について著しく優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明のインク受容層形成用組成物は、水性インク受容層形成用として好適である。本発明のインク受容層形成用組成物は、種々の支持体に塗工でき、そして、この支持体に水性インキによる印刷適性を付与することができる。支持体としては、皮、布、樹脂成形体、紙、金属、段ボール及び陶磁器が含まれ、本発明の水性インク受容層形成用組成物が適用された支持体は、インクジェット印刷対応紙、インクジェット印刷対応産業用広告フィルム、プリペイドカード、光記録メディア(CD−R、CD−RW、DVD、BD等)、ICカード、磁気カード、電気機器用アクリル樹脂シート、建材用ポリカーボネート板、看板、表示パネル、表札、銘板、包装容器及び袋等として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機微粒子(A)と、ポリビニルアルコール(B)と、水(C)と、液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)と、飽和脂肪族アミド(F)とを含むことを特徴とするインク受容層形成用組成物。
【請求項2】
さらに疎水化したシリカ(G)を含んでなる請求項1に記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項3】
さらに炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)を含み、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)と水(C)との重量比(H/C)が0.01〜0.9である請求項1又は2に記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項4】
さらに、カルボン酸(塩)(共)重合体(J)を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項5】
無機微粒子(A)がシリカ微粒子又はアルミナ微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項6】
無機微粒子(A)の体積平均一次粒子径が7〜40nmである請求項1〜5のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項7】
無機微粒子(A)の体積平均凝集粒子径が100〜300nmである請求項1〜6のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項8】
脂肪族アルコール(H)が脂肪族モノアルコールである請求項3〜7のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項9】
脂肪族アルコール(H)が1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール及び3−メチル−2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含有する請求項3〜7のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項10】
ポリビニルアルコール(B)の含有量が、無機微粒子(A)の重量に基づいて、5〜50重量%である請求項1〜9のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項11】
疎水化したシリカ(G)の含有量が、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)、飽和脂肪族アミド(F)及びシリカ(G)の重量に基づいて0.1〜5重量%である請求項2〜10のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項12】
カルボン酸(塩)(共)重合体(J)の含有量が、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)、液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、0.01〜5重量%である請求項4〜11のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項13】
無機微粒子(A)のBET比表面積が50〜400m/gである請求項1〜12のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項14】
飽和脂肪族アミド(F)が、炭素数2〜6のアルキレン基を少なくとも一つ含む(ポリ)アミンと、炭素数6〜18の脂肪酸との反応生成物である請求項1〜13のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項15】
液状炭化水素油(D)、ポリオキシアルキレン化合物(E)及び飽和脂肪族アミド(F)の重量に基づいて、
液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)の含有量が80〜99.9重量%、
飽和脂肪族アミド(F)の含有量が0.1〜20重量%
である請求項1〜14のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項16】
飽和脂肪族アミド(F)の含有量が、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)及び水(C)の重量に基づいて、0.001〜0.2重量%である請求項1〜15のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項17】
さらに、染料固着剤(K)を含む請求項1〜16のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項18】
支持体にスクリーン印刷法で塗布するためのインク受容層形成用組成物である請求項1〜17のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
【請求項19】
無機微粒子(A)の水分散体と、ポリビニルアルコール(B)の水溶液とを均一混合して混合液(AB)を得る混合工程(1)、
混合液(AB)と水(C)及び炭素数4〜6の脂肪族アルコール(H)とを均一混合して混合液(ABCH)を得る混合工程(2)、並びに
混合液(ABCH)と液状炭化水素油(D)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(E)並びに飽和脂肪族アミド(F)とを均一混合してインク受容層形成用組成物を得る混合工程(3)を含むことを特徴とするインク受容層形成用組成物の製造方法。
【請求項20】
混合工程(2)において、さらにカルボン酸(塩)(共)重合体(J)及び/又は添加剤を均一混合する請求項19に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−56208(P2012−56208A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202384(P2010−202384)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000106438)サンノプコ株式会社 (124)
【Fターム(参考)】