説明

インジケータ付フィルタおよびその製造方法ならびにその製造装置

【課題】フィルタ本体の一部に、高い寸法精度および高い表面平坦度でインジケータ部を形成可能で、インジケータ部の全面において部分的な通気阻害性のムラが発生せず、しかも使用開始直後までのフィルタ本体の美感も良好なインジケータ付フィルタおよびその製造方法ならびにその製造装置を提供する。
【解決手段】フィルタ本体12の一部に熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムFを熱融着するので、フィルタ本体12の一部に、高い寸法精度および高い表面平坦度でインジケータ部13を形成することができる。これにより、インジケータ部13の全面において部分的な通気阻害性のムラが発生せず、しかも使用開始直後までのフィルタ本体12の美感も良好になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はインジケータ付フィルタおよびその製造方法ならびにその製造装置、詳しくは使用により汚れてしまうフィルタの交換時期を知らせるインジケータ機能を有したフィルタおよびその製造方法ならびにその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、油煙によるフィルタの汚れを原因としたフィルタの取り替え時期を判別(視認)するため、フィルタの一部に通気を妨げるインジケータ部を設けたものが市販されている(例えば特許文献1)。
特許文献1は、離型用シート上に無色のインキまたは無色の接着剤によって印刷されたフィルタ交換時期を指示する文字または図柄(インジケータ部)を、不織布シートに転写(糊付け)したフィルタである。
別のインジケータ付きのフィルタとして、例えば彩色したアップリケや彩色した刺しゅうからなる図形や文字(インジケータ部)付きのものが知られている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特許第3703811号公報
【特許文献2】実開昭53−76280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のフィルタは、このようにフィルタ交換時期を指示する文字または図柄が糊付けされたものである。実質的な糊付けは、離型用シートに転写された高粘度で無色のインキまたは接着剤を、フィルタの本体である不織布シートに移すことで行われる。使用される無色のインキまたは接着剤は、フィルタの通気阻害性を高めるため、離型用シートの表面に厚く印刷される。そのため、転写時に文字や図柄がきれいに剥がれず、その一部が剥離シートに残ってしまい、転写された文字や図柄の一部に欠けや厚さムラが発生し易かった。
また、特許文献2のフィルタの場合には、上述したようにインジケータ部が彩色したアップリケや刺しゅうであった。そのため、フィルタの使用開始時からインジケータ部とフィルタの他の部分との識別が可能で、使用による汚れによりインジケータ部の識別力(視認力)が高まるというインジケータ本来の機能を損なうものであった。
【0004】
そこで、発明者は鋭意研究の結果、インジケータ部の形成方法として、フィルタ本体の一部に透明または半透明な熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムを熱融着することに想到した。この方法を採用すれば、不織布の他の部分に対して使用当初は識別力を与えず、かつ通気性能については上記フィルタの他の部分に対して十分に差異を与えることができることを知見し、この発明を完成させた。
【0005】
この発明は、インジケータ部を高い寸法精度および高い表面平坦度で形成することができ、その結果、インジケータ部の一部に通気阻害性のムラが発生せず、しかもフィルタの使用開始まではインジケータ部とフィルタの他の部分との識別力がほとんどないインジケータ付フィルタおよびその製造方法ならびにその製造装置を提供することを目的としている。
また、この発明は、融着用フィルムからインジケータ部を高い寸法精度で確実にカットすることができるフィルタの製造方法およびその製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、不織布製のフィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に透明または半透明な熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムを熱融着することで、前記フィルタ本体の他の部分に対して通気性能に差異を与えるインジケータ部を設けたインジケータ付フィルタである。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、フィルタ本体の一部には熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムが熱融着されているので、フィルタ本体の一部に、高い寸法精度および高い表面平坦度でインジケータ部を形成することができる。これにより、インジケータ部の全面において部分的な通気阻害性のムラが発生しない。
しかも、融着用フィルムは透明または半透明である。そのため、使用開始直後まではインジケータ部とフィルタの他の部分との識別力がほとんどない。その後、例えば油煙がフィルタを通過すると、油煙中の油分がフィルタに捕集され、フィルタは徐々に変色していく。このとき、インジケータ部は融着用フィルムからなるために通気性がなく、インジケータ部への油分の付着量は少なく、この部分の変色の度合いは小さくなる。その結果、フィルタ表面には油汚れに起因した色の濃淡が現出し、次第にその差は大きくなる。よって、使用者はその色の濃淡からインジケータ部をはっきりと視認できた時をフィルタの交換時期と判断することができる。このように、使用開始直後まではフィルタの他の部分との識別力がほとんどなく、フィルタの美感も良好となる。
【0008】
インジケータ付フィルタの用途としては、例えば換気扇用のフィルタ、レンジフード用のフィルタ、通風口用のフィルタ、扇風機用のフィルタ、エアコン用のフィルタなどが挙げられる。
フィルタ本体の素材としては、例えば綿、麻、絹といった各種の天然繊維製の不織布でもよいし、各種の熱可塑性合成樹脂繊維製、各種の熱硬化性合成樹脂繊維製の不織布でもよい。例えば、熱可塑性合成樹脂繊維としては、ポリプロピレン系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維、ポリエチレン系樹脂繊維などが挙げられる。その際のバインダとしては、例えばアクリル系バインダ、ポリ塩化ビニル系バインダなどを採用することができる。
不織布を構成する繊維の直径(繊維径)は任意である。
【0009】
不織布の目付やその厚さは任意である。フィルタの圧力損失としては、例えば7〜15Paである。
インジケータ部の形状(平面的な形状)は任意である。例えば、各種の文字、各種の模様などを採用することができる。その他、円形状、楕円形状、三角形状以上の多角形状でもよい。
融着用フィルムは透明でもよいし、半透明でもよい。その素材としては、例えばポリエチレンなどを採用することができる。
融着用フィルムの厚さとしては、例えば15〜40μmである。40μmを超えると、圧着温度、圧着時間を標準より高く設定しなければならない。
【0010】
融着用フィルムの熱融着温度は、融着用フィルムの素材により異なる。例えばフィルム素材がポリエチレンの場合には140〜280℃、フィルム素材がポリプロピレンの場合には200〜280℃である。
なお、フィルタ本体が熱可塑性合成樹脂繊維製の場合には、融着用フィルムとして、熱可塑性合成樹脂繊維の融点より低い融点の熱可塑性合成樹脂製のフィルムを採用することができる。このとき、融着用フィルムの熱融着温度は、融着用フィルムの融点以上で、かつ上記熱可塑性合成樹脂繊維の融点未満でもよい。このように温度設定すれば、フィルムの熱融着時に融着フィルムの一部がフィルタ本体の表面に固着されるとともに、部分的にフィルタ本体が溶け、そのフィルタ本体の溶けた部分の嵩が低下することはない。これにより、例えば熱融着温度を上記熱可塑性合成樹脂繊維の融点以上に設定した際に比べて、インジケータ部とフィルタの他の部分との使用開始までの識別力を低下させ、インジケータ付フィルタの使用当初におけるフィルタの美感を高めることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、不織布製のフィルタ本体の表面または裏面に、透明または半透明な融着用フィルムを重ね置きするフィルム載置工程と、該融着用フィルムの一部を、この融着用フィルムの融点以上に押圧部分が加熱された熱押圧子により前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に押圧し、前記融着用フィルムの一部を前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に熱融着してインジケータ部を設ける熱融着工程とを備えたフィルタ製造方法である。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、不織布製のフィルタ本体の表面または裏面に融着用フィルムを重ね置きし、融着用フィルムの融点以上に押圧部分が加熱された熱押圧子により融着用フィルムの一部を押圧する。これにより、融着用フィルムの一部がフィルタ本体の一部に熱融着され、フィルタ本体にインジケータ部が形成される。その結果、インジケータ部を高い寸法精度および高い表面平坦度で形成することができる。しかも、インジケータ部の一部に通気阻害性のムラが発生せず、フィルタの使用開始まではインジケータ部とフィルタの他の部分との識別力がほとんどない高品質のインジケータ付フィルタが得られる。
【0013】
熱押圧子の先端面の形状は、インジケータ部の形状に応じて任意に変更される。例えば、各種の文字、各種の模様などでもよいし、円形状、楕円形状、三角形状以上の多角形状でもよい。
熱押圧子は、例えば昇降式の上,下金型の嵌合面に形成してもよいし、回転式金型の回転ローラの外周面に形成してもよい。熱押圧子の素材としては、例えばステンレス、銅などの金属を採用することができる。
熱プレスの時間は、熱可塑性合成樹脂繊維の融点および熱押圧子の押圧部分の加熱温度などの熱プレス条件により適宜変更される。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記フィルム載置工程の前に、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分を挿通する第1の挿通孔が形成された第1のフィルムカット部材を、前記フィルタ本体の融着用フィルムが重ね置きされる表面または裏面に載置し、前記フィルム載置工程の後に、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分を挿通する第2の挿通孔が形成された第2のフィルムカット部材を前記融着用フィルムの上に載置し、前記熱融着工程では、前記熱押圧子の押圧部分を、前記第2の挿通孔を通して前記融着用フィルムの一部に押圧し、さらに押圧を進行させることで、該融着用フィルムの一部を前記第1の挿通孔を通して前記フィルタ本体に熱融着する請求項2に記載のフィルタ製造方法である。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、融着用フィルムのフィルタ本体への熱融着時には、フィルタ本体に第1のフィルムカット部材、融着用フィルム、第2のフィルムカット部材を順次載置し、融着用フィルムを第1のフィルムカット部材と第2のフィルムカット部材とにより挟持して位置決めする。その後、熱押圧子を下降し、第2の挿通孔を通して押圧部分により融着用フィルムを押圧し、さらに押圧を進行させることで、融着用フィルムの一部を第1の挿通孔を通してフィルタ本体に熱融着する。
その後は、熱押圧子と、第2のフィルムカット部材と、融着用フィルムと、第1のフィルムカット部材とを、順次、除々に上昇させる。この時、融着用フィルムは押圧部分により押圧された部分がフィルタ本体の一部に融着しているので、融着用フィルムが上昇すると、フィルタ本体に融着した部分にフィルタ本体からの引き剥がし力(剥離力)が作用する。そして、この状態で第1のフィルムカット部材を上昇させる。また、融着用フィルムの材質や厚さによっては、融着用フィルムがフィルタ本体に接触したとき、第1フィルムカット部材を上下に数回微動させる。これにより、フィルタ本体の融着部分の端が、第1のフィルムカット部材の第1の挿通孔の形成壁のエッジで正確にカットされる。その結果、融着用フィルムからインジケータ部を高い寸法精度で確実にカットすることができる。
【0016】
第1の挿通孔および第2の挿通孔の形状およびサイズは、熱押圧子の押圧部分の押圧面の形状およびサイズにより適宜変更される。
第1のフィルムカット部材および第2のフィルムカット部材の素材は任意である。例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの各種の金属などを採用することができる。その他、各種のセラミックスなどを採用することができる。熱押圧子の熱により変形しない素材が好ましい。
第1のフィルムカット部材および第2のフィルムカット部材は板状の部材でもよいし、ブロック状の部材でもよい。両フィルムカット部材は同じ形状でもよいし、異なる形状でもよい。両フィルムカット部材の平面視した形状としては、例えば円形状、楕円形状、三角形以上の多角形状でもよい。
【0017】
請求項4に記載の発明は、不織布製のフィルタ本体が載置される作業ステージを有したテーブルと、前記作業ステージに不織布製のフィルタ本体を供給するフィルタ供給手段と、 前記作業ステージに、透明または半透明の熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムを、前記フィルタ本体に重ね置き状態で供給するフィルム供給手段と、前記作業ステージの上方に配置され、前記融着用フィルムの融点以上に加熱され、かつ前記融着用フィルムの一部を前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に押圧することで、前記融着用フィルムの一部を前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に熱融着する熱押圧子と、該熱押圧子を加熱する加熱手段と、前記熱押圧子を昇降させる押圧子昇降手段と、前記フィルタ本体の融着用フィルムが重ね置きされる表面または裏面に載置され、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分が挿通される第1の挿通孔が形成された第1のフィルムカット部材と、前記第1のフィルムカット部材を昇降させる第1部材昇降手段と、前記第1のフィルムカット部材に載置された融着用フィルムに載置され、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分が挿通される第2の挿通孔が形成された第2のフィルムカット部材と、前記第2のフィルムカット部材を昇降させる第2部材昇降手段とを備えたフィルタ製造装置である。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、融着用フィルムのフィルタ本体への熱融着時には、フィルタ供給手段によりテーブルの作業ステージにフィルタ本体を供給し、その後、第1部材昇降手段によりフィルタ本体の上に第1のフィルムカット部材を載置する。次に、フィルム供給手段により第1のフィルムカット部材の上に融着用フィルムを供給し、それから第2部材昇降手段により融着用フィルムの上に第2のフィルムカット部材を載置する。このとき、第2の挿通孔は第1の挿通孔の真上に、平面視して互いが重なるように配置される。
次に、熱押圧子を下降し、第2の挿通孔を通して押圧部分により融着用フィルムを押圧し、さらに押圧を進行させることで、融着用フィルムの一部を第1の挿通孔を通してフィルタ本体に熱融着する。こうして、融着用フィルムは両フィルムカット部材により挟持されて位置決めされる。
その後、熱押圧子と、第2のフィルムカット部材と、フィルム供給手段と、第1のフィルムカット部材とを、順次、除々に上昇させる。この時、融着用フィルムは押圧部分により押圧された部分がフィルタ本体の一部に融着しているので、フィルム供給手段が上昇すると、フィルタ本体に融着した部分にフィルタ本体からの引き剥がし力が作用する。その後、この状態で第1のフィルムカット部材を上昇させることで、フィルタ本体の融着部分の端が第1のフィルムカット部材の第1の挿通孔の形成壁のエッジで正確にカットされる。その結果、融着用フィルムからインジケータ部を高い寸法精度で確実にカットすることができる。
【0019】
テーブルの素材および形状は任意である。また、作業ステージはテーブルのどの位置に設けられてもよい。
フィルタ供給手段としては、例えば繰り出しローラ、巻き取りローラおよびこの巻き取りローラを回転駆動する回転モータを備えたものなどを採用することができる。
加熱手段としては、電熱ヒータ、セラミックヒータなどを採用することができる。
フィルム供給手段としては、例えばフィルタ供給手段と同じ構造のものを採用することができる。
第1部材昇降手段および第2部材昇降手段としては、例えばエアシリンダ、電動シリンダ、油圧シリンダ、ねじ送り装置およびチェーン送り装置などを採用することができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、フィルタ本体の一部に熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムの一部を熱融着するので、フィルタ本体の一部に、高い寸法精度および高い表面平坦度でインジケータ部を形成することができる。これにより、インジケータ部の全面において部分的な通気阻害性のムラが発生せず、しかも使用開始直後までのフィルタの美感も良好になる。
【0021】
特に、請求項3に記載のフィルタ製造方法および請求項4に記載のフィルタ製造装置によれば、フィルタ本体の一部に熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムを熱融着後、第1のフィルムカット部材を、融着用フィルムの一部がフィルタ本体に融着した状態で上昇させるので、フィルタ本体の融着部分の端が第1のフィルムカット部材の第1の挿通孔の形成壁のエッジで正確にカットされる。これにより、融着用フィルムからインジケータ部を高い寸法精度で確実にカットすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1において、10はインジケータ付フィルタ(以下、フィルタ)で、このフィルタ10は、レンジフード11の開口部に展張される平面視して矩形状のレンジフード用のものである。フィルタ10は、不織布製のフィルタ本体12の表面の一部に透明なポリエチレン樹脂(熱可塑性合成樹脂)製の融着用フィルム(以下、フィルム)Fを熱融着することで、フィルタ本体12の他の部分に対して通気性能に差異を与えるインジケータ部13を形成したものである。以下、フィルタ10を詳細に説明する。
【0024】
フィルタ10は、繊維径が約10デニールのポリエステル繊維(熱可塑性合成樹脂繊維)を、アクリル系のバインダにより接着して固定した矩形シート状の不織布からなるフィルタ本体12を基材とする。フィルタ本体12の目付は40g/m、厚さは2mm、フィルタ圧損失は10Paである。ポリエステル系繊維の融点は250℃である。
フィルムFは、ポリエチレン樹脂(融点110℃)からなる厚さ25μmの通気性がないフィルムである。
フィルタ本体12の中央部には、フィルタ本体12の他の部分に対して通気性能に差異を付ける「とりかえて」の5文字のインジケータ部13が一定のピッチで形成されている。
【0025】
インジケータ部13は、フィルタ本体12の一部を上記フィルムFの融点およびポリエステル繊維の融点より高い温度(255℃)で熱プレスして形成される。この場合、インジケータ部13は陥没状態で形成される(図2(a))。また、インジケータ部13は、フィルタ本体12の一部を上記ポリエステル繊維の融点より低く、かつフィルムFの融点より高い温度(180℃)で熱プレスしてもよい。この場合、インジケータ部13はポリエステル繊維をほとんど押し潰すことなく、フィルタ本体12の表面上に所定形状のフィルムFの一部が付着した状態で形成される(図2(b))。こうすれば、フィルタ10の使用開始時までにおけるインジケータ部13とフィルタ本体12の他の部分との識別力をさらに低下させることができる。
【0026】
このように、フィルタ10によれば、フィルタ本体12の一部にはポリエチレン樹脂製のフィルムFが熱融着されているので、フィルタ本体12の一部に、高い寸法精度および高い表面平坦度でインジケータ部13を形成することができる。これにより、インジケータ部13の全面において部分的な通気阻害性のムラが発生しない。
しかも、フィルムFは透明である。そのため、使用開始直後まではインジケータ部13とフィルタ10の他の部分との識別力がほとんどない。その後、例えば油煙がフィルタ10を通過すると、油煙中の油分がフィルタ10に捕集され、フィルタ10は徐々に変色していく。このとき、インジケータ部13はフィルムFが融着されているために通気性がなく、インジケータ部13への油分の付着量は少なく、この部分の変色の度合いは小さくなる。その結果、フィルタ表面には油汚れに起因した色の濃淡が現出し、次第にその差は大きくなる。よって、使用者はその色の濃淡からインジケータ部13をはっきりと視認できた時をフィルタ10の交換時期と判断することができる。このように、使用開始直後まではフィルタ10の他の部分との識別力がほとんどなく、フィルタ10の美感も良好となる。
【0027】
次に、図3〜図5を参照して、インジケータ部13を形成する熱プレス機14を説明する。ここでは、説明の都合上、それぞれ熱プレス機14を中心として、フィルムFが熱プレス機14へ供給される方向をX1方向、フィルムが排出される方向をX2方向、X1方向と水平に直交する方向をY1方向、Y1方向とは反対の方向をY2方向、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。
【0028】
図3〜図5に示すように、熱プレス機14は、フィルタ本体12が載置される作業ステージSを有したテーブルTが組み込まれた載置架台15と、作業ステージSにフィルタ本体12を供給するフィルタ供給手段16と、作業ステージSに、透明なポリエチレン樹脂製のフィルムFを、フィルタ本体12に重ね置き状態で供給するフィルム供給手段17と、作業ステージSの上方(Z1方向)に配置され、フィルムFの融点以上に加熱され、かつフィルムFの一部をフィルタ本体12の表面の一部に押圧することで、フィルムFの一部をフィルタ本体12の表面の一部に熱融着する熱押圧子18と、熱押圧子18を加熱する電気ヒータ(加熱手段)Hと、熱押圧子18を昇降させるエアシリンダ(押圧子昇降手段)20と、フィルタ本体12のフィルムFが重ね置きされる表面に載置され、熱押圧子18の押圧部分18aの押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつこの熱押圧子18の押圧部分18aが挿通される第1の挿通孔19aが形成された第1のフィルムカット部材19と、第1のフィルムカット部材19に載置されたフィルムFに載置され、熱押圧子18の押圧部分18aの押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ熱押圧子18の押圧部分18aが挿通される第2の挿通孔40aが形成された第2のフィルムカット部材40とを備えている。エアシリンダ20は、第1のフィルムカット部材19を昇降させる第1部材昇降手段と、第2のフィルムカット部材40を昇降させる第2部材昇降手段とを兼ねている。
【0029】
以下、これらの構成部品を詳細に説明する。
載置架台15は、鋼材からなる縦長な六面体の箱枠で、4本の支柱21と、各支柱21の長さ方向の中間部に水平配置された平面視して矩形状のテーブルTと、各支柱21の上端部に横架された天井板22とを有している。テーブルTの上板の上面には、X1−X2方向へ長い平面視して矩形状のフィルタ載置板23が固着されている。フィルタ載置板23の長さ方向の中央部一帯が前記作業ステージSとなっている。作業ステージSには、断熱素材からなる平面視して矩形状のクッション板24が固定されている。
テーブルTのX1方向の辺より外方には、フィルタ本体12が巻き付けられた繰り出しローラ25を有する繰り出し部26が配置されている。また、テーブルTのX2方向の辺より外方には、フィルタ本体12の巻き取りローラ27およびこれを回転駆動させる電動式の巻き取りモータM1を備えた巻き取り部28が配置されている。前記フィルタ供給手段16は、繰り出し部26、巻き取り部28、巻き取りモータM1により構成されている。なお、フィルタ供給手段16は必ずしも必要でない。例えば、作業者が所定形状のフィルタ本体12を作業ステージS上に順次載置してもよい。
【0030】
テーブルTの上板と天井板22との各隅部付近には、合計4本の大径な丸棒である第1のスライドロッド29がそれぞれ垂直に立設されている。各第1のスライドロッド29には、平面視して矩形状の上側昇降板30がその四隅に配置された第1のスライドリング(ボス)31を介して水平状態で昇降自在に設けられている。天井板22の中央部上には、1本の前記エアシリンダ20が立設されている。エアシリンダ20の下向きのロッド20aの先端部には、上側昇降板30の中央部が固定されている。また、上側昇降板30の下方(Z2方向)には、平面視して矩形状で、かつX1,X2方向へ長い矩形状の開口部32aが中央部に形成された下側昇降板32が配置されている。下側昇降板32の四隅には、第2のスライドリング33が配設されている。各第2のスライドリング33を介して、下側昇降板32は4本の第1のスライドロッド29を摺動ガイドとして水平に昇降する。
【0031】
下側昇降板32のX1方向の端部には、フィルムFを繰り出しローラ25Aに巻き付けた繰り出し部26Aが、そのローラ軸をY1,Y2方向に向けて支持する軸支台50を介して回転自在に立設されている。また、下側昇降板32のX2方向の端部には、フィルムFの巻き取りローラ27Aおよびこれを回転駆動させる電動式の巻き取りモータM2を有した巻き取り部28Aが、巻き取りローラ27Aのローラ軸をY1,Y2方向に向けて支持する軸支台51により回転自在に立設されている。
下側昇降板32のX1側の端の下部および下側昇降板32のX2側の端の下部には、軸線方向をY1,Y2方向へ向けた細長いガイドローラ34が軸支されている。繰り出し部26Aから繰り出されたフィルムFは、一対のガイドローラ34を介して、下側昇降板32の若干下方で水平な展張状態で巻き取り部28Aに巻き取られる。フィルム供給手段17は、繰り出し部26A、巻き取り部28A、巻き取りモータM2、一対のガイドローラ34により構成されている。
【0032】
下側昇降板32には、その各第2のスライドリング33の取り付け部分より若干装置中心側(下側昇降板32の中心側)には、第1のスライドロッド29より細い合計4本の第2のスライドロッド35がそれぞれ立設されている。各第2のスライドロッド35は、第1のスライドロッド29の略3分の1の長さを有し、上側昇降板30の各第2のスライドリング33の取り付け部分より若干装置中心側に配設されたスライド孔を介して、各第2のスライドロッド35の上端部が上側昇降板30の上方に突出している。これらの突出部分には、スライド孔からの第2のスライドロッド35の抜け落ちを防ぐストッパ36がそれぞれ固着されている。
【0033】
上側昇降板30の各スライド孔より装置内側には、第3のスライドリング37と、第4のスライドリング38と、第5のスライドリング39とが、上側昇降板30の中心部(ロッドの固着部分)へ向かって、順次、所定間隔をあけて4つずつ配設されている。
各第3のスライドリング37には、第1のスライドロッド29の略半分の長さを有する第3のスライドロッド41がそれぞれ挿通されている。各第3のスライドロッド41のうち、上側昇降板30より上方に配置された上端部には、抜け止めとなるナット42がそれぞれ固定されている。また、各第3のスライドロッド41の上端部には、コイルばね43がそれぞれ挿通されている。各コイルばね43の下端部は、対応する第3のスライドリング37に固着されている。各コイルばね43の上端部は、対応するナット42に固着されている。したがって、各第3のスライドロッド41は、各コイルばね43のばね力により、弾性的な付勢状態で上側昇降板30からそれぞれ垂下されている。
【0034】
各第3のスライドロッド41の下端には、前記開口部32aと略同じサイズの平面視して矩形状を有した前記第1のフィルムカット部材19が、その表面を水平にして固着されている。第1のフィルムカット部材19は金属板製で、その長さ方向の中間部一帯に、上記第1の挿通孔19aが形成されている。ここでの第1の挿通孔19aは、「とりかえて」の文字を鏡に写した(表裏反転させた)5つの逆さ文字の孔である。第1のフィルムカット部材19は、フィルムFより下方に配置される。
各第4のスライドリング38には、第1のスライドロッド29より若干長い第4のスライドロッド44がそれぞれ挿通されている。各第4のスライドロッド44の上側昇降板30より上方に突出した上端部には、抜け止めとなる別のナット42Aがそれぞれ固定されている。各第4のスライドロッド44の上端部には、別のコイルばね43Aがそれぞれ挿通されている。各別のコイルばね43Aの下端部は、対応する第4のスライドリング38に固着されている。また、各別のコイルばね43Aの上端部は、対応する別のナット42Aに固着されている。したがって、各第4のスライドロッド44は、対応する別のコイルばね43Aのばね力により、弾性的な付勢状態で上側昇降板30からそれぞれ垂下されている。
【0035】
各第4のスライドロッド44の下端には、第1のフィルムカット部材19より小さいサイズの平面視して矩形状を有した前記第2のフィルムカット部材40が、その表面を水平にして固着されている。第2のフィルムカット部材40は金属板製で、その長さ方向の中間部一帯に、上記第2の挿通孔40aが形成されている。第2の挿通孔40aは、第1の挿通孔19aと同じサイズの「とりかえて」の文字を表裏反転させた5つの逆さ文字の孔である。第1の挿通孔19aと第2の挿通孔40aとは、平面視して完全に重なるように配置されている。第1のフィルムカット部材19は、フィルムFより上方に配置されている。
【0036】
各第5のスライドリング39には、第4のスライドロッド44の略半分の長さを有した第5のスライドロッド45がそれぞれ挿通されている。各第5のスライドロッド45のうち、上側昇降板30より上方に突出した上端部には、抜け止めとなるストッパ46がそれぞれ固定されている。各第5のスライドロッド45の下端には、厚肉な金属板製の前記熱押圧子18がその下面を水平にして固定されている。各第5のスライドロッド45のうち、上側昇降板30より下方に突出した部分には他のコイルばね43Bが挿通されている。したがって、各第5のスライドロッド45は、対応する他のコイルばね43Bのばね力により、弾性的な付勢状態で上側昇降板30からそれぞれ垂下されている。
前記熱押圧子18は、平面視して第2のフィルムカット部材40より小さい矩形状を有し、第2のフィルムカット部材40の上方に配置されている。熱押圧子18には、電気ヒータHが内設されている。熱押圧子18の下面には、前記第1の挿通孔19aおよび第2の挿通孔40aと略同じ形状、略同じサイズの押圧面を有した押圧部分18aが突設されている。押圧部分18aは、平面視して前記第1の挿通孔19aと第2の挿通孔40aとに重なるように配置されている。
【0037】
次に、図2〜図4を参照して、熱プレス機14を用いたインジケータ付フィルタ10の製造方法を説明する。
図3および図4に示すように、巻き取りモータM1により巻き取りローラ27が回転すると、繰出しローラ15からフィルタ本体12が一定ピッチ分だけ順次繰り出される。これにより、フィルタ本体12は、その先端部から順に作業ステージSを通過して巻取りローラ16へ巻き取られる。フィルタ本体12の一部が、作業ステージSのクッション板24上に達すると、巻き取りモータM1の回転が一時停止する。その後、エアシリンダ20のロッド20aを下方へ突出させることで、上側昇降板30が下側昇降板32を伴い除々に下降していく。その途中、まず第1のフィルムカット部材19がフィルタ本体12の一部に当接し、各第3のスライドロッド41に設けられた各コイルばね43のばね力に抗して、フィルタ本体12の一部を上方から押圧する。このとき、第1のフィルムカット部材19の上には、巻き取りモータM2により繰り出しローラ25Aから一定ピッチで繰り出されたフィルムFが供給されているものとする。
【0038】
次に、エアシリンダ20のロッド20aをさらに突出させ、各第4のスライドロッド44に設けられた各コイルばね43Aのばね力に抗して、フィルムFの上に第2のフィルムカット部材40を押圧する。このとき、第2の挿通孔40aは前記第1の挿通孔19aの真上に、平面視して互いが重なるように配置される。フィルムFは、作業ステージS上で第1のフィルムカット部材19と、第2のフィルムカット部材40とにより挟持されて位置決めされる。
それから、エアシリンダ20のロッド20aをさらに突出させて熱押圧子18をより下降し、第5のスライドロッド45のコイルばね43のばね力に抗して、第2の挿通孔40aを通してフィルムFの一部を押圧部分18aにより上方から押圧する。そして、さらに押圧を進行させることで、フィルムFの一部を第1の挿通孔19aを通してフィルタ本体12に押圧する。このとき、熱押圧子18の押圧部分18aの加熱温度は、フィルムFおよびフィルタ本体12が溶融可能な255℃に設定されている。そのため、フィルムFの一部(逆さ文字部分)がフィルタ本体12に熱融着されて「とりかえて」の文字からなる無色のインジケータ部13が形成される。しかも、押圧部分18aにより押圧されたフィルタ本体12の一部が溶けて部分的に高密度となり、その部分の嵩が低くなる(図2(a))。
【0039】
次に、エアシリンダ20のロッド20aを除々に引き込ませて上側昇降板30を除々に上昇させる。これにより、まず熱押圧子18が除々に上昇し、押圧部分18aの押圧面が熱融着されたフィルムFの一部から離反する。それから、第2のフィルムカット部材40が除々に上昇してフィルムFの上面から離反し、さらに下側昇降板32が除々に上昇する。この時、フィルムFはその一部分がフィルタ本体12に融着している。そのため、下側昇降板32が上昇すると、フィルタ本体12に融着した部分にフィルタ本体12からの引き剥がし力が作用する。続いて、この力が作用した状態で第1のフィルムカット部材19が除々に上昇して行く。これにより、フィルタ本体12の融着部分の外周縁が、第1のフィルムカット部材19の第1の挿通孔19aの形成壁のエッジでカットされる。その結果、フィルムFからインジケータ部13を高い寸法精度で確実にカットすることができる。
その後、巻き取りモータM1により巻き取りローラ27を所定回転させ、繰出しローラ25からフィルタ本体12を所定長さ繰り出し、新しいフィルタ部分を作業ステージSに供給するとともに、巻き取りモータM2により巻き取りローラ27Aを所定回転させ、繰出しローラ25AからフィルムFを所定長さ繰り出し、新しいフィルム部分を作業ステージSの真上に供給する。それから、上述したインジケータ部13の形成作業を繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施例1に係るインジケータ付フィルタの使用状態を示す正面図である。
【図2】(a)は、この発明の実施例1に係るインジケータ付フィルタの要部拡大断面図である。(b)は、この発明の実施例1に係る別のインジケータ付フィルタの要部拡大断面図である。
【図3】この発明の実施例1に係るインジケータ付フィルタの製造装置を示す正面図である。
【図4】この発明の実施例1に係るインジケータ付フィルタの製造装置を示す側面図である。
【図5】この発明の実施例1に係るインジケータ付フィルタの製造装置の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10 インジケータ付フィルタ、
12 フィルタ本体、
13 インジケータ部、
16 フィルタ供給手段、
17 フィルム供給手段、
18 熱押圧子、
18a 押圧部分、
19 第1のフィルムカット部材、
19a 第1の挿通孔、
20 エアシリンダ(押圧子昇降手段、第1部材昇降手段、第2部材昇降手段)、
40 第2のフィルムカット部材、
40a 第2の挿通孔、
F 融着用フィルム、
H 電気ヒータ(加熱手段)、
S 作業ステージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布製のフィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に透明または半透明な熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムを熱融着することで、前記フィルタ本体の他の部分に対して通気性能に差異を与えるインジケータ部を設けたインジケータ付フィルタ。
【請求項2】
不織布製のフィルタ本体の表面または裏面に、透明または半透明な融着用フィルムを重ね置きするフィルム載置工程と、
該融着用フィルムの一部を、この融着用フィルムの融点以上に押圧部分が加熱された熱押圧子により前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に押圧し、前記融着用フィルムの一部を前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に熱融着してインジケータ部を設ける熱融着工程とを備えたフィルタ製造方法。
【請求項3】
前記フィルム載置工程の前に、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分を挿通する第1の挿通孔が形成された第1のフィルムカット部材を、前記フィルタ本体の融着用フィルムが重ね置きされる表面または裏面に載置し、
前記フィルム載置工程の後に、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分を挿通する第2の挿通孔が形成された第2のフィルムカット部材を前記融着用フィルムの上に載置し、
前記熱融着工程では、前記熱押圧子の押圧部分を、前記第2の挿通孔を通して前記融着用フィルムの一部に押圧し、さらに押圧を進行させることで、該融着用フィルムの一部を前記第1の挿通孔を通して前記フィルタ本体に熱融着する請求項2に記載のフィルタ製造方法。
【請求項4】
不織布製のフィルタ本体が載置される作業ステージを有したテーブルと、
前記作業ステージに不織布製のフィルタ本体を供給するフィルタ供給手段と、
前記作業ステージに、透明または半透明の熱可塑性合成樹脂製の融着用フィルムを、前記フィルタ本体に重ね置き状態で供給するフィルム供給手段と、
前記作業ステージの上方に配置され、前記融着用フィルムの融点以上に加熱され、かつ前記融着用フィルムの一部を前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に押圧することで、前記融着用フィルムの一部を前記フィルタ本体の表面の一部または裏面の一部に熱融着する熱押圧子と、
該熱押圧子を加熱する加熱手段と、
前記熱押圧子を昇降させる押圧子昇降手段と、
前記フィルタ本体の融着用フィルムが重ね置きされる表面または裏面に載置され、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分が挿通される第1の挿通孔が形成された第1のフィルムカット部材と、
前記第1のフィルムカット部材を昇降させる第1部材昇降手段と、
前記第1のフィルムカット部材に載置された融着用フィルムに載置され、前記熱押圧子の押圧部分の押圧面と略同じ形状、略同じサイズで、かつ前記熱押圧子の押圧部分が挿通される第2の挿通孔が形成された第2のフィルムカット部材と、
前記第2のフィルムカット部材を昇降させる第2部材昇降手段とを備えたフィルタ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−155152(P2008−155152A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348240(P2006−348240)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(394025186)株式会社日本デンソー (6)
【Fターム(参考)】