説明

インスタントメッセージシステムを使用するオンラインショップの管理

オンラインショップを管理するための方法およびシステムは、インスタントメッセージシステムを使用して、補助アカウントが1次アカウントユーザのオンラインショップにログインし、それを管理することを可能にする。1次アカウントユーザは、オンラインショップサーバにオンラインショップを作成し、それ自体をインスタントメッセージシステムの1つ以上の補助アカウントに関連づける。1次アカウントユーザが承認して補助アカウントがオンラインショップを管理することが可能になると、システムは、補助アカウントと1次アカウントとの間の承認関係を記録する。承認関係は、インスタントメッセージシステムに記録され得る。記録された承認関係に基づいて、システムは、承認された補助アカウントのユーザがインスタントメッセージシステムを介してオンラインショップシステムを管理することを可能にする。この目的のために機能するインスタントメッセージサーバも開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスタントメッセージシステムを使用するオンラインショップの管理に関する。
【0002】
<関連出願>
本出願は、2008年1月23日に出願された中国特許出願第200810002793.5号、名称「INSTANT MESSAGING SYSTEM AND SYSTEM FOR MANAGING ONLINE SHOP」の優先的利益を主張し、該中国特許は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本開示は、電子商取引技術の分野に関し、具体的には、オンラインショップを管理するための方法およびシステムに関する。
【0004】
既存の電子商取引システムにおいては、ユーザは、インターネット上にショップを開き、登録したアカウントを介して、そのオンラインショップにログインし、そのオンラインショップを管理することができる。オンラインショップにログインし、かつオンラインショップを管理するためのこのアカウントを介して、ユーザは、購入者と通信するためにAliWangWang等のインスタントメッセージシステム(IM)にログインし、かつ、対応するパスワードを備える1つ以上の補助アカウントをインスタントメッセージシステムに作成することができる。補助アカウントのユーザも、オンラインショップと取引を行う購入者と通信することができる。
【0005】
ユーザがオンラインショップのアカウントを作成する場合、アカウントは、電子商取引サイトであるTaoBao.comでのサーバ等のオンラインショップサーバに保存される。ユーザが、TaoBao.comと関連するAliWangWang等の関連するインスタントメッセージサーバにログインすると、インスタントメッセージサーバは、TaoBao.comのオンラインショップサーバに、ユーザのアカウント名およびパスワードを確認することを要求し、検証の成功後、ユーザがAliWangWangにログインすることを許可する。一方で、補助アカウントは、インスタントメッセージシステムのAliWangWang上に作成され、AliWangWangのIMサーバにのみ保存されるため、補助アカウントのユーザは、TaoBao.comのオンラインショップサーバにログインすることは不可能である。
【0006】
一般的に、アカウントSから1つ以上の補助アカウントが作成される場合、アカウントSは、「1次アカウント」と呼ばれ、補助アカウントは1次アカウントにサービスを提供することができる。しかしながら、これらの補助アカウントのユーザは、IMだけにログインすることが可能であり、オンラインショップシステムにログインすることはできない。この結果、既存システムの補助アカウントのユーザは、1次アカウントユーザにより確立されるオンラインショップにログインして、それを管理することはできない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、オンラインショップを管理して、インスタントメッセージシステムの補助アカウントのユーザが1次アカウントユーザにより作成されたオンラインショップにログインし、それを管理することを可能にするインスタントメッセージシステム、ならびに方法およびシステムを提供する。
【0008】
本開示の一態様は、オンラインショップを管理するための方法を提供する。オンラインショップは、1次アカウントの1次アカウントユーザに関連して、オンラインショップサーバ上に作成される。1次アカウントに関連する補助アカウントもインスタントメッセージシステムに作成される。当該方法は、1次アカウントのユーザが、補助アカウントがオンラインショップを管理することを承認することを可能にし、補助アカウントと1次アカウントとの間の承認関係を記録する。当該方法は、次に、承認された補助アカウントが、記録された承認関係に基づいて、インスタントメッセージシステムを介してオンラインショップの運営管理を実行することを可能にする。
【0009】
一実施形態においては、承認関係はインスタントメッセージシステムに記録される。一実施形態においては、1次アカウントもインスタントメッセージシステムに作成され、補助アカウントは、1次アカウントに関連してインスタントメッセージシステムに作成される。補助アカウントは、1次アカウントユーザによりインスタントメッセージシステムに作成され得る。
【0010】
本開示の別の態様は、1次アカウントユーザにより作成されたオンラインショップをホストするオンラインショップサーバを含むオンラインショップを管理するためのシステム、ならびに1次アカウントおよび補助アカウントを有するインスタントメッセージシステムを提供する。インスタントメッセージシステムは、補助アカウントがオンラインショップを管理することに対して1次アカウントにより与えられる承認を受け取るため、補助アカウントと1次アカウントの間の承認関係を記録するため、および承認された補助アカウントが、記録された承認関係に従って、オンラインショップを管理することを可能にするために適合される。
【0011】
本開示の別の態様は、承認ユニットと管理ユニットとを含む、インスタントメッセージシステムである。承認ユニットは、1次アカウントが、1次アカウントにより所有されるオンラインショップを補助アカウントが管理することを承認することを可能にするため、および補助アカウントと1次アカウントユーザとの間の承認関係を記録するために使用される。管理ユニットは、承認された補助アカウントが、承認関係に従って、オンラインショップを管理することを可能にするために使用される。
【0012】
本開示の一部の例示的な実施形態においては、1次アカウントユーザは、オンラインショップサーバ上にオンラインショップを作成し、さらに、インスタントメッセージシステムに1つ以上の補助アカウントを作成する。1次アカウントユーザは、補助アカウントがオンラインショップを管理することを承認する。補助アカウントと1次アカウントとの間の承認関係は、インスタントメッセージシステムに記録される。補助アカウントは、次に、インスタントメッセージシステムに記録された承認関係に基づいて、インスタントメッセージシステムを介してオンラインショップの運営管理を実施する。この技術的スキームを使用して、補助アカウントは、インスタントメッセージシステムにログインして購入者と通信することが可能なだけでなく、1次アカウントユーザの代わりに、1次アカウントユーザによりオンラインショップサーバ上に作成されたオンラインショップを管理することも可能であり、したがって、1次アカウントユーザの作業負荷を軽減する。
【0013】
本概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明される概念のいくつかを、簡素化された形式で導入するために提供される。本概要は、特許請求対象の主要機能または重要機能を特定することを目的とするものでも、特許請求対象の範囲を決定する上での支援として使用されることを目的とするものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
発明を実施するための形態は、添付の図面を参照して説明される。異なる図面における同一の参照番号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【0015】
【図1】本開示の例示的な実施形態に従い、1次アカウントユーザのオンラインショップを管理することを補助アカウントが承認される流れを示す図である。
【図2】本開示の例示的な実施形態に従い、承認された補助アカウントが1次アカウントユーザのオンラインショップにログインし、それを管理する流れを示す図である。
【図3】オンラインショップを管理するための例示的なシステムの模式図である。
【図4】本開示の方法を実現するための例示的な環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、オンラインショップを管理して、インスタントメッセージシステムの補助アカウントのユーザが1次アカウントユーザにより作成されたオンラインショップにログインし、それを管理することを可能にするためのインスタントメッセージシステム、ならびに方法およびシステムを提供する。1次アカウントユーザは、多様な販売者の商品を扱うオンラインショップの所有者であり得、各販売者は、1次アカウントに関連して作成される補助アカウントのユーザであり得る。
【0017】
本開示の例示的な実施形態において、1次アカウントユーザは、例えば、AliWangWang等のIMシステムにログインすることができる。同時に、同一のユーザがオンラインショップ(例えば、TaoBao.com上のTaoBaoショップ)を作成することを申し込んでいた場合、1次アカウントユーザはオンラインショップにログインしてオンラインショップを管理することもできる。
【0018】
一般的に、アカウントSから1つ以上の補助アカウント、S1、S2、・・・Snが作成される場合、アカウントSは1次アカウントになる。補助アカウントのユーザは、IMシステムにログインして、1次アカウントユーザにサービスを提供することができる。この意味において、1次アカウントのユーザは、「ボス」のように機能し、一方で、補助アカウントは「アシスタント」の役割を果たす。補助アカウントは、1次アカウントユーザにより作成され得るが、補助アカウントのユーザによる、またはIMシステムによる等の様々な方式においても作成され得る。しかしながら、補助アカウントが1次アカウントにサービスを提供するためには、補助アカウントは、一般的に、1次アカウントに関連づけられる必要がある。
【0019】
本開示のシステムおよび方法は、補助アカウントのユーザ(例えば、販売者)が、1次アカウントユーザのオンラインショップを管理する必要性に応えて提供される。例えば、補助アカウントのユーザは、商品の価格および/もしくは商品の出荷費用を変更、または商品の評価を提供することが必要な場合がある。
【0020】
実際には、ユーザは、まず、オンラインショップサーバ上にオンラインショップを作成する。ユーザがオンラインショップを管理して、付随する業務を行うために、オンラインショップに接続されたインスタントメッセージシステム上には1次アカウントも作成される。ユーザは、オンラインショップに関連する、1次アカウントの1次アカウントユーザになる。1次アカウントに関連する1つ以上の補助アカウントが、インスタントメッセージシステムに作成され得る。この時点で、1次アカウントユーザと補助アカウントのユーザの両方は、オンラインショップの顧客(例えば、購入者)と通信することができるが、1次アカウントユーザだけが、1次アカウントを介して、オンラインショップにログインして、それを管理することが可能である。
【0021】
次に、1次アカウントユーザは、補助アカウントに対して、そのユーザがオンラインショップを管理することを承認する。承認と管理の両方は、インスタントメッセージシステムを介して実行され得る。システムは、補助アカウントと1次アカウントとの間の承認関係を記録し、記録された承認関係に基づいて、補助アカウントのユーザがオンラインショップの運営管理を行うことを可能にする。一実施形態においては、補助アカウントのユーザは、インスタントメッセージシステムを介してオンラインショップの運営管理を行い、インスタントメッセージシステムは承認関係を格納する。承認関係は、オンラインショップサーバ、または別のサーバまたはストレージシステム等のシステムの他の部分にも格納され得、必要な場合にインスタントメッセージシステムへ伝えられ得る。
【0022】
添付の図面と組み合わせて、本開示におけるオンラインショップを管理するための例示的な方法を以下に説明する。この説明において、プロセスが説明される順序は、限定として解釈されることを意図せず、また、任意の数の説明されるプロセスのブロックは、当該方法、または代替の方法を実現するように、任意の順序で組み合わされ得る。
【0023】
図1は、本開示の例示的な実施形態に従い、1次アカウントユーザのオンラインショップを管理することを補助アカウントがどのように承認されるかを示す。図1に示されるように、1次アカウントユーザのオンラインショップを補助アカウントが管理することを承認するための方法の例示的な実施形態が以下に示される。
【0024】
S101で、補助アカウントのユーザは、IMシステムのインスタントメッセージ(IM)サーバの端末を介して、承認の要求を1次アカウントへ提出する。要求は、補助アカウントの情報(例えば、補助アカウントのアカウント名および/またはパスワード)を含む。
【0025】
S102で、補助アカウントからの要求に基づいて、1次アカウントユーザは、IM端末を介して承認検証の要求をIMサーバに提出する。要求は、オンラインショップのログイン情報と補助アカウントの情報とを含む。オンラインショップのログイン情報は、オンラインショップへのログインおよび、その管理をするために1次アカウントユーザにより使用されるアカウント名およびパスワードを含むことができる。
【0026】
S103で、IMサーバは、1次アカウントユーザにより提出されたログイン情報を、オンラインショップが作成されているオンラインショップサーバへ検証のために送る。
【0027】
S104で、オンラインショップサーバに格納された1次アカウントユーザのログイン情報に基づいて、オンラインショップサーバは、IMサーバを介して1次アカウントユーザにより提出されたログイン情報が正しいかどうかを検証する。検証に成功した場合、プロセスはS105に続く。そうでなければ、プロセスはS107へ進む。
【0028】
S105で、IMサーバは、補助アカウントと1次アカウントとの承認関係を記録する。具体的には、IMサーバは、補助アカウントが、1次アカウントユーザのオンラインショップにログインするために承認されたアカウントであると見なす。
【0029】
S106で、IMサーバは、1次アカウントユーザおよび承認されている補助アカウントに、それぞれのIM端末を介して、承認が成功したことを示すメッセージを返す。
【0030】
S107で、IMサーバは、1次アカウントユーザおよび承認を待機している補助アカウントに、それぞれのIM端末を介して、承認が成功しなかったことを示すメッセージを返す。
【0031】
特定の補助アカウントに与えられる承認は、1次アカウントユーザの権限と同一の権限を有する無制限の承認、または1次アカウントユーザにより定義される制限された承認のいずれかであり得ることに留意されたい。例えば、無制限の承認の場合、1次アカウントユーザがオンラインショップにログオンするために使用される同一のログイン情報(例えば、アカウント名およびパスワード)が、補助アカウントのユーザに与えられてもよい。代替として、オンラインショップの運営を制限する場合、制限されたアカウントのログイン情報が、補助アカウントのユーザに与えられてもよい。このような制限された承認は、各補助アカウントに対してカスタマイズされてもよく、例えば、オンラインショップを利用している、特定の区分の商品の販売者に対応する場合がある。以下では、一般的な承認が与えられるという想定で、プロセスを詳細に説明する。しかし、当該説明は、制限された承認またはカスタマイズされた承認が与えられた場合の用途に等しく適用可能である。
【0032】
図2は、承認された補助アカウントが、どのように1次アカウントユーザのオンラインショップにログインし、それを管理するかを示す流れ図である。具体的には、補助アカウントに対する承認を確立後、プロセスは次のように進むことができる。
【0033】
S201で、補助アカウントのユーザは、1次アカウントユーザのオンラインショップにログインし、それを管理するための要求をIMサーバに提出する。
【0034】
S202で、記録された承認関係に基づき、IMサーバは、補助アカウント(または補助アカウントのユーザ)がオンラインショップを管理することを1次アカウントユーザにより承認されているかどうかを判断する。承認された場合、プロセスはS203に続く。そうでなければ、プロセスはS208へ進む。
【0035】
S203で、IMサーバは、1次アカウントユーザのアカウント情報(例えば、アカウント番号またはアカウント名)を補助アカウントのユーザに送る。
【0036】
S204で、補助アカウントのユーザは、1次アカウントユーザのパスワードの要求をIMサーバへ送る。1次アカウントユーザのアカウント情報を用いて、補助アカウントのユーザは、1次アカウントユーザとして動作することができ、1次アカウントを介して要求を送る。好ましい実施形態においては、これは、IMサーバを介して実行される。
【0037】
S205で、IMサーバは、オンラインショップサーバから1次アカウントユーザのパスワードを取得し、パスワードを補助アカウントへ返す。パスワードは、補助アカウントへ明示的に返されてもよく、または、現在のログインに対して、システムによってのみ認識される暗号化された形式で補助アカウントに与えられてもよい。後者の場合、ログオンのプロセスは、承認条件を満たした後、システムにより自動的に処理され得、実際のログイン情報は補助アカウントのユーザには知らされない。
【0038】
S206で、補助アカウントのユーザは、1次アカウントユーザのアカウント情報およびパスワードを使用して、1次アカウントユーザのオンラインショップにログインする。好ましい実施形態においては、これは、補助アカウントのユーザが、IMを離れてオンラインショップサーバのクライアント側を介してオンラインショップに個別にログインすることなく、IMサーバのクライアント側のユーザインターフェース上にとどまっている間に、IMサーバを介して実行される。
【0039】
S207で、補助アカウントはオンラインショップを管理する。
【0040】
S208で、IMサーバは、1次アカウントユーザのオンラインショップにログインするための補助アカウントの要求を拒否する。
【0041】
S203、S204およびS205のステップは、オンラインショップの必要なログイン情報を補助アカウントのユーザに提供するために使用されることに留意されたい。上記の手順は、これを実現するための実施例に過ぎない。他の方法を使用して、既存の承認関係に基づいて同じ結果を実現することができる。例えば、IMサーバは、補助アカウントと1次アカウントとの間の承認関係を確立する際(例えば、図1のS102)、1次アカウントユーザにより提供されるオンラインショップのログイン情報を保持することができる。この場合、IMサーバは、オンラインショップのサーバにさらに要求することなく、保持したオンラインショップログイン情報を補助アカウントのユーザに提供することができる。前述のように、オンラインショップへの無制限のログインのために1次アカウントユーザにより使用される同一のログイン情報が、補助アカウントのユーザに提供され得るが、他の任意の所望の形式の制限またはカスタマイズされた承認も使用され得る。
【0042】
開示されたオンラインショップ管理の例示的なシステムを以下に説明する。
【0043】
図3は、本開示に従い、オンラインショップを管理するための例示的なシステムの模式図である。図3に示されるように、オンラインショップを管理するためのシステム300は、インスタントメッセージシステム301とオンラインショップサーバ302とを含む。オンラインショップサーバ302は、1次アカウントユーザにより作成されるオンラインショップを格納するために使用される。インスタントメッセージシステム301は、1次アカウントと、関連の補助アカウント等の複数のユーザアカウントとを含み、ユーザアカウント間のインスタントメッセージの通信を助ける。
【0044】
インスタントメッセージシステム301は、さらに、1次アカウントにより所有されるオンラインショップを補助アカウントが管理することに対して、1次アカウントにより与えられる承認を受け取るため、補助アカウントと1次アカウントの間の承認関係を記録するため、および記録された承認関係に従って、承認された補助アカウントがオンラインショップを管理することを可能にするために使用される。
【0045】
インスタントメッセージシステム301は、補助アカウントのユーザがオンラインショップを管理することを1次アカウントが承認するため、および補助アカウントと1次アカウントユーザとの間の承認関係を記録するために使用される承認ユニット321と、記録された承認関係に従い、承認された補助アカウントによるオンラインショップ上の運営管理を実施するために使用される管理ユニット322とを含むことができることが好ましい。
【0046】
承認ユニット321は、起動ユニット3211と、要求ユニット3212と、検証ユニット3213とを含むことができることが好ましい。起動ユニット3211は、補助アカウントから承認の要求を受け取るため、および要求ユニット3212を起動して、1次アカウントによる承認検証の要求を提出させるためのものである。要求ユニット3212は、起動ユニット3211による起動後、1次アカウントによる承認検証の要求を提出するために使用される。要求は、オンラインショップのログイン情報と、承認を待機している補助アカウントの情報とを含む。検証ユニット3213は、1次アカウントユーザにより提出されたログイン情報を検証するため、および検証の成功後、補助アカウントと1次アカウントとの間の承認関係を記録するために使用される。
【0047】
一実施形態においては、検証ユニット3213は、検証のために、1次アカウントユーザにより提出されたログイン情報をオンラインショップサーバ302に送り、オンラインショップサーバ302から返される検証結果を受け取る。オンラインショップサーバ302は、そこに格納されたオンラインショップのログイン情報と照合することによって、1次アカウントユーザにより提出されたログイン情報を検証し、検証結果を検証ユニット3213に返す。
【0048】
一実施形態においては、管理ユニット322は、オンラインショップにログインし、それを管理するための補助アカウントの要求を送るために使用されるログイン管理および要求ユニット3221と、記録された承認関係に基づいて、補助アカウントがオンラインショップを管理するために承認されているかどうかを判断するため、および補助アカウントが承認されている場合にオンラインショップのログイン情報を使用してオンラインショップにログインするため、または補助アカウントが承認されていない場合には要求を拒否するために使用される判断ユニット3222とを含む。
【0049】
一実施形態においては、判断ユニット3222は、補助アカウントのユーザがオンラインショップにログインすることを可能にするために、オンラインショップサーバ302から1次アカウントユーザのパスワードを取得する。
【0050】
一実施形態においては、起動ユニット3211と、要求ユニット3212と、ログイン管理および要求ユニット3221とは、インスタントメッセージシステム301のクライアント側に存在し、一方で、検証ユニット3213および判断ユニット3222は、インスタントメッセージシステム301のサーバ側に所在する。
【0051】
開示された方法およびシステムは、ソフトウェアまたはハードウェアのいずれかのみを使用して実現され得るが、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実現されることが好ましい。ソフトウェアは、ストレージ媒体に格納され得る。ソフトウェアは、本開示の例示的な実施形態において説明された方法を実行するように、1つ以上のコンピュータ装置(サーバ等)に対する命令を含むことができる。
【0052】
図4は、本開示の方法を実現するための例示的な環境を示す。示された環境400において、一部のコンポーネントは、クライアント側に存在し、他のコンポーネントはサーバ側に存在する。しかしながら、これらのコンポーネントは他の複数の場所に存在してもよい。さらに、示されたコンポーネントのうち2つ以上は、単一の場所で単一のコンポーネントを形成するように組み合わせることができる。
【0053】
インスタントメッセージサーバ401、オンラインショップサーバ402、および任意選択のサーバ403は、サーバ側にあり、ネットワーク490を介して、441、442および443等のクライアント側のコンピュータ装置(クライアント端末)に接続される。一実施形態においては、インスタントメッセージサーバ401およびオンラインショップサーバ402は、各々、サーバコンピュータで実現され、一方で、クライアント側のコンピュータ装置441、442および443は各々、電話機、コンピュータ、または携帯用デバイスまたは電話機であり得、ユーザの通信端末として使用される。
【0054】
示されているように、インスタントメッセージサーバ401は、プロセッサ410、I/Oデバイス420、コンピュータで読取可能な媒体430、およびネットワークインターフェース(非表示)を含むサーバで実現される。コンピュータで読取可能な媒体430は、アプリケーションプログラムのモジュール432およびデータ433(ユーザのアカウント情報および承認関係等)を格納する。代替として、データ434のうちの少なくとも一部は、オンラインショップサーバ402および/または任意選択のサーバ403に格納されてもよい。アプリケーションプログラムのモジュール432は、プロセッサ410により実行されると、本明細書に説明されたプロセスの動作をプロセッサ410に実行させる、命令を含む。
【0055】
オンラインショップサーバ402および任意選択のサーバ403は各々、独自のプロセッサ、I/Oデバイス、ネットワークインターフェース、およびアプリケーションプログラムのモジュールを格納するコンピュータで読取可能な媒体を備えたサーバで実現され得る。オンラインショップサーバ402、インスタントメッセージサーバ401および任意選択のサーバ403のサーバは、本明細書に説明するように、オンラインショップ管理のために協働する。インスタントメッセージサーバ401、オンラインショップサーバ402および任意選択のサーバ403は、各々任意の適切なコンピュータ装置で実現され得、各々サーバ群等複数のサーバで実現され得ることに留意されたい。一方で、これらのシステムのいずれもサーバまたはサーバ群に組み合わせられ得る。例えば、インスタントメッセージサーバ401およびオンラインショップサーバ402は、1つ以上のサーバで実現される統合システムとして組み合わされ得、どちらか、または両方がさらに任意選択のサーバ403と組み合わされ得る。これらのシステムのうちいずれも、同じルートドメインの下のLANまたはネットワークを形成するように接続され得る。一実施形態においては、インスタントメッセージサーバ401およびオンラインショップサーバ402は、ネットワーク490を介してインスタントメッセージを使用する複数のユーザに、集中化オンラインショップ管理サービスを提供する。
【0056】
コンピュータで読取可能な媒体は、コンピュータデータを格納するための任意の適切なストレージまたは記憶装置であり得ることが理解される。このようなストレージまたは記憶装置は、ハードディスク、フラッシュメモリデバイス、光学式データストレージ、およびフロッピーディスクを含むがこれらに限定されない。さらに、コンピュータが実行可能な命令を包含するコンピュータで読取可能な媒体は、ローカルシステムの(1つまたは複数の)コンポーネント、または複数のリモートシステムのネットワーク上に分散されたコンポーネントから構成され得る。コンピュータが実行可能な命令のデータは、有形の物理的記憶装置において送達されるか、または電子的に伝送される、かのどちらかであり得る。
【0057】
要約すると、本開示の例示的な実施形態は、インスタントメッセージシステムを介して1次アカウントユーザのオンラインショップを管理することを1つ以上の補助アカウントのユーザに承認することにより、承認された補助アカウントのユーザが、オンラインショップを管理することを可能にする。オンラインショップサーバを介してオンラインショップに直接ログインすることができる1次アカウントユーザとは異なり、承認された補助アカウントのユーザは、インスタントメッセージサーバを介してオンラインショップにログインして、管理運営を実施することができ、オンラインショップサーバを介してオンラインショップに直接ログインする能力を有することを要求されない。さらに、承認は、1次アカウントユーザの承認に等しい完全な承認、またはカスタマイズまたは制限された承認のどちらかであり得る。オンラインショップへのログインは、承認された補助アカウントのユーザに提供される明示的なログイン情報に基づくか、または、承認の条件が満たされた後、オンラインショップに自動的にログインすることにより、知らされない方式でインスタントメッセージシステムにより処理されるか、のどちらかであり得る。
【0058】
開示された方法およびシステムを使用して、補助アカウントのユーザは、インスタントメッセージシステムにログインして購入者と通信できるだけでなく、1次アカウントユーザの代わりに1次アカウントユーザのオンラインショップを管理することも可能になり、したがって、1次アカウントのユーザの作業負荷を軽減する。
【0059】
本明細書において述べられた潜在的な利益および利点は、添付の請求項の範囲に対する制限または制約として解釈されないことを理解されたい。
【0060】
請求対象は、構造的特長および/または方法論的動作に特有の言語において説明されてきたが、添付の請求項において定義される請求対象は、必ずしも説明された特定の特長または動作に限定されないことを理解されたい。そうではなく、特定の特長および動作は、請求項を実施する例示的な形態として開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインショップを管理するための方法であって、
1次アカウントの1次アカウントユーザのために、オンラインショップサーバ上にオンラインショップを作成するステップと、
インスタントメッセージシステムに補助アカウントを作成するステップと、
前記補助アカウントが前記オンラインショップを管理することを承認し、前記補助アカウントと前記1次アカウントとの間の承認関係を記録するステップと、
前記記録された承認関係に基づいて、前記補助アカウントが、前記インスタントメッセージシステムを介して前記オンラインショップ上の運営管理を実行することを可能にするステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記承認関係は、前記インスタントメッセージシステムに記録される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補助アカウントが前記オンラインショップ上の運営管理を実行することを可能にするステップは、
前記補助アカウントのユーザが、前記インスタントメッセージシステムを介して前記オンラインショップにログインすることを可能にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記補助アカウントは、前記1次アカウントユーザにより前記インスタントメッセージシステムに作成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1次アカウントは、前記インスタントメッセージシステムに作成され、前記補助アカウントは、前記1次アカウントに関連して前記インスタントメッセージシステムに作成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記インスタントメッセージシステムは、前記オンラインショップサーバに接続されたインスタントメッセージサーバを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記補助アカウントが前記オンラインショップを管理することを承認し、前記補助アカウントと前記1次アカウントとの間の前記承認関係を記録するステップは、
前記1次アカウントから承認検証の要求を前記インスタントメッセージシステムに送るステップであって、前記要求は、前記オンラインショップにログインし、かつ前記オンラインショップを管理するためのオンラインショップアカウント情報と、補助アカウント情報とを含む、ステップと、
前記1次アカウントのユーザにより提出された前記オンラインショップのアカウント情報を検証し、前記インスタントメッセージシステムによる検証の成功後、前記補助アカウントと前記1次アカウントとの間の前記承認関係を記録するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1次アカウントは、前記補助アカウントからの承認の要求を受け取ると、前記承認検証の要求を前記インスタントメッセージシステムに送る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オンラインショップのアカウント情報を検証するステップは、
前記オンラインショップのアカウント情報を前記オンラインショップサーバに送るステップと、
前記オンラインショップアカウント情報を検証し、前記オンラインショップサーバによって、検証結果を前記インスタントメッセージに返すステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記補助アカウントが、前記記録された承認関係に基づいて、前記オンラインショップ上の運営管理を実行することを可能にするステップは、
前記インスタントメッセージシステムで、前記オンラインショップにログインし、かつ、前記オンラインショップを管理するための補助アカウントの要求を受け取るステップと、
前記記録された承認関係に基づいて前記補助アカウントが前記オンラインショップを管理することを承認されているかどうかを前記インスタントメッセージシステムにより判断するステップと、
承認される場合、前記補助アカウントが前記インスタントメッセージを介して前記オンラインショップにログインすることを可能にし、承認されない場合、前記補助アカウントの前記要求を拒否するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記インスタントメッセージシステムは、前記オンラインショップサーバから前記オンラインショップのログイン情報を受け取って、前記補助アカウントが前記オンラインショップにログインすることを可能にする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記オンラインショップのアカウント情報のうちの前記ログイン情報は、前記1次アカウントのアカウント名およびパスワードを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
オンラインショップを管理するためのシステムであって、
1次アカウントユーザにより作成されるオンラインショップを格納するオンラインショップサーバと、
1次アカウントおよび補助アカウントを有するインスタントメッセージシステムであって、前記補助アカウントが前記オンラインショップを管理することに対して前記1次アカウントにより与えられる承認を受け取るため、前記補助アカウントと前記1次アカウントとの間の承認関係を記録するため、および前記記録された承認関係に従い前記承認された補助アカウントが前記オンラインショップを管理することを可能にするために適合されている、インスタントメッセージシステムと、
を備える、システム。
【請求項14】
前記インスタントメッセージシステムは、
承認ユニットであって、前記補助アカウントのユーザが前記オンラインショップを管理することを前記1次アカウントユーザが承認するため、および前記補助アカウントと前記1次アカウントのユーザとの間の前記承認関係を記録するために使用される、承認ユニットと、
管理ユニットであって、前記記録された承認関係に従って、前記オンラインショップ上で前記承認された補助アカウントによる運営管理を行うために使用される、管理ユニットとを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記承認ユニットは、
前記1次アカウントによる承認検証の要求を提出するための要求ユニットであって、前記要求は、前記オンラインショップのログイン情報と、承認を待機している前記補助アカウントの情報とを含む、要求ユニットと、
検証ユニットであって、前記1次アカウントユーザにより提出される前記ログイン情報を検証するため、および検証の成功後、前記補助アカウントと前記1次アカウントとの間の前記承認関係を記録するために使用される、検証ユニットとを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記承認ユニットは、
前記補助アカウントから承認の要求を受け取るため、および前記1次アカウントによる前記承認検証の要求を提出するように前記要求ユニットを起動するための起動ユニットをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記検証ユニットは、前記1次アカウントユーザにより提出される前記オンラインショップの前記ログイン情報を前記オンラインショップサーバへ送り、前記オンラインショップサーバは、前記ログイン情報を検証して検証結果を前記検証ユニットへ返す、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記管理ユニットは、
ログイン管理および要求ユニットであって、前記オンラインショップにログインおよび管理するための前記補助アカウントの要求を送るために使用される、ログイン管理および要求ユニットと、
判断ユニットであって、前記記録された承認関係に基づいて前記オンラインショップを管理することを前記補助アカウントが承認されているかどうかを判断するため、および前記補助アカウントが承認される場合は前記オンラインにログインするため、または前記補助アカウントが承認されない場合は拒否するために、使用される、判断ユニットとを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記承認された補助アカウントが、前記記録された承認関係に従って、前記オンラインショップを管理することを可能にすることは、
前記インスタントメッセージシステムにより、前記オンラインショップサーバから前記オンラインショップのログイン情報を取得することを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
1次アカウントおよび補助アカウントをホストしているインスタントメッセージシステムであって、
承認ユニットであって、前記1次アカウントが、前記補助アカウントを承認して、前記1次アカウントにより所有されるオンラインショップを管理することを可能にするため、および前記補助アカウントと前記1次アカウントとの間の承認関係を記録するために使用される、承認ユニットと、
管理ユニットであって、前記承認された補助アカウントが、前記承認関係に従って前記オンラインショップを管理することを可能にするために使用される、管理ユニットと
を備える、インスタントメッセージシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−526005(P2011−526005A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544449(P2010−544449)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031871
【国際公開番号】WO2009/094567
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(508248069)アリババ グループ ホールディング リミテッド (105)
【Fターム(参考)】