説明

インテリアコーディネートシステム、サーバ、インテリアコーディネート方法およびプログラム

【課題】 物件の閲覧・選択・分析、転居の準備等をトータルサポートし、理想の室内環境の提案をすることで、ユーザの心身安定・向上や時間短縮を図ることができるインテリアコーディネートシステム、サーバ、インテリアコーディネート方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】 サーバ20に、方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースから、ネットワーク100を介して接続されているユーザ端末10から取得したユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境情報を生成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転居等に際しての物件の閲覧、室内環境の提案、その準備、そして引っ越し等をトータルにサポートするインテリアコーディネートシステム、サーバ、インテリアコーディネート方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
長引く不況、犯罪の多発等により、現代人は疲れやすく、精神が荒廃しやすい傾向にある。そんな時にこそ、居心地良く心が安らぐようなインテリア・室内環境を整え、現状の向上を図ることが求められる。
【0003】
従来、引っ越しの物件を探す際、不動産会社へ直接出向き、出ている物件の中から選ぶか、インターネット上で検索し、ピックアップした物件を実際に見て、その中から決めるという方法があった。
【0004】
ユーザ自身が情報収集をし、室内環境に取り込もうと思ったら、かなりの手間と時間がかかるところであるが、それを不動産会社が代行することで、滞り無く引っ越しを進めることができる。
【0005】
ここで、部屋物件に関する情報及び部屋に装備する生活用品に関する情報や予約・契約の進捗、生活用品の配置を入居希望者にシミュレーションしてもらい、部屋の間取図や部屋3D図を再現できるデータ、プログラムを、物件データ管理者が管理するWEBサイトのデータベースサーバーに蓄積し、入居希望部屋物件の検索・選択から生活用品の配置・編集する配置シミュレーションによって物件を確定し、入居を決定した顧客のデータと合わせて入居物件への引越しデータとして契約業者に送信し、また、部屋探しプランニングシステムにより作成されたレイアウト図に基づいて入居物件に生活用品を配置して、住居物件への引越を完了するまでをWEB上で送受信できるようにすることで、顧客の部屋選び、生活用品の配置イメージ作りから生活用品の手配、配置図に基づいた生活用品の配送・設置等、転居の初期段階から入居完了までのサービスを提供することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、利用者の希望条件に基づいた不動産情報を提供し、選択した物件の建物擬似見学等を実現することができる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−13500号公報
【特許文献2】特開2003−186969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来例においては次のような問題点があった。
【0008】
ユーザがいくつかの物件(異なる不動産会社間)でどれにするか迷った場合、自分の直感や不動産会社の応対によって決定をしがちであるが、実際に暮らし始めた後のことを考えると、自分と物件の相性に目を向けて選択をした方が良い。しかしながら、ユーザは、転居の必要が生じた際、これを機に室内環境の向上を図ろうと思っても、どこに何を配置するのが良いのか情報を得るのが難しく、また、インテリアを考えるのも面倒であるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、物件の閲覧・選択・分析、転居の準備等をトータルサポートし、理想の室内環境の提案をすることで、ユーザの心身安定・向上や時間短縮を図ることができるインテリアコーディネートシステム、サーバ、インテリアコーディネート方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、ネットワークを介して接続されているユーザ端末と、サーバと、を含むインテリアコーディネートシステムであって、方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースからユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境を提案することを特徴とするインテリアコーディネートシステムである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインテリアコーディネートシステムにおいて、サーバが、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つをなすことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースからユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境を提案することを特徴とするサーバである。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のサーバにおいて、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つをなすことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、ネットワークを介して接続されているユーザ端末と、サーバと、を含むインテリアコーディネート方法であって、方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースからユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境を提案することを特徴とするインテリアコーディネート方法である。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のインテリアコーディネート方法において、サーバが、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つをなすことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、サーバに、方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースから、ネットワークを介して接続されているユーザ端末から取得したユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境情報を生成させることを特徴とするプログラムである。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のプログラムにおいて、サーバに、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のインテリアコーディネートシステム、サーバ、インテリアコーディネート方法およびプログラムによれば、物件の閲覧・選択・分析、転居の準備等をトータルサポートし、理想の室内環境の提案をすることで、ユーザの心身安定・向上や時間短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の一実施の形態について図を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1を参照すると、本実施の形態におけるインテリアコーディネートシステムは、ユーザ端末10と、サーバ20と、から構成されている。また、ユーザ端末10およびサーバ20は、プログラム制御により動作し、ネットワーク100を介して相互に接続されている。ネットワーク100は、任意のネットワークであってよく、例えば、光ファイバ、インターネット、公衆回線、LAN(Local Area Network)、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等であってもよい。なお、通信方法は、有線であっても、無線であってもよい。
【0021】
ユーザ端末10は、不動産会社等の顧客が用いる情報処理装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機等であり、ネットワーク100を介してサーバ20へ接続する機能を有している。
【0022】
サーバ20は、不動産会社等に設けられる情報処理装置で、例えば、ワーク・ステーション等であり、物件の住所と外観の写真をクリックすると、立地条件・部屋の間取り・賃貸条件等の表示が出力される。その中からユーザ端末10が希望する物件を選択し、画面の案内に従って個人情報を入力・送信すると、その物件にユーザ端末10が居住した場合に理想的となる室内環境(コーディネートされたインテリア)が表示され、Web上で3D体験を行なうことができる。
【0023】
ここで、サーバ20は、図4を参照すると、データベース30を備えており、ユーザ情報テーブル等を有している。データベース30には、方位学データベース、環境学データベース、色彩学データベースおよび統計学データベースが含まれている。なお、図7に示すような情報が物件情報データベースとして別に設けられていてもよい。
【0024】
また、実際の賃貸契約が結ばれた後、室内環境案に使用された家具・雑貨等の購入をユーザ端末10の使用者が希望する場合、サーバ20を介して不動産会社等より販売店側の情報処理装置へ発注する。そして実際の室内インテリアが確定したら、サーバ20から運送会社側の情報処理装置へその配置図の情報を送信し、引越しを進める。
【0025】
次に、図2を参照して、本実施の形態における処理動作のフローについて説明する。なお、以降の説明では、ネットワーク100はインターネットであるとする。
【0026】
まず、ユーザ端末10は、ネットワーク100を介して、サーバ20に接続する(S201)。
【0027】
ユーザ端末10は、サーバ20から送信され(S202)、所定の表示部に表示された各物件の情報を閲覧し、希望物件を選択する(S203)。
【0028】
さらに、画面の案内に従い、現住所・生年月日・好みの配色・現在所有する家具の種類や形等の個人情報を入力し、サーバ20に送信する(S204)。
【0029】
サーバ20は、データベースによって、ステップS203で選択された物件の方位学・環境学的分析と、ステップS204で特定される個人情報の色彩学・統計学的分析とを組み合わせ、理想的な室内環境の結果をWeb上に表示する(S205)。例えば、図6に示すような室内の見取り図等の情報が表示されてもよい。ここで、方位学・環境学・色彩学的なデータベースの例として、図8に示すような各種の情報が結び付けられていてもよい。また、統計学的データベースの具体例として、図9に示すような各種の情報が結び付けられていてもよい。
【0030】
さらに、その室内の3D体験ができることであってもよい。その時、ユーザ端末10がさらに家具を追加したい場合、カタログ表示されているものから選んでダブルクリックすれば、室内環境図に設置できることとすればなお、ユーザの利便性が向上する。
【0031】
ユーザ端末10の使用者がその物件に居住を決めたら、不動産会社と賃貸契約を締結する(S206)。このときの契約手続きはオンラインで行なうことであってもよい。
【0032】
その時、インテリアに取り入れたい家具や小物があれば不動産会社に対して要求する(S207)。
【0033】
不動産会社はその追加の要求を受け付け、小売店業者に発注する(S208)。
【0034】
ユーザ端末10が室内インテリアを確定(S209)したら、不動産会社はサーバ20を介して、その間取り・インテリア配置図と転居先を運送会社の端末へ送信し、引っ越しの手配をする(S210)。
【0035】
次に、図3・図4を参照して、ユーザ端末10がWebページを介して室内インテリアを確定する処理のフロー説明する。
【0036】
図3を参照すると、ユーザ端末10は、ネットワーク100を介してサーバ20へ接続し、不動産会社のWebページを閲覧する(S301)。
【0037】
初期画面においてユーザ端末10は、賃貸料の予算金額を送信する(S302)。
【0038】
それを受け、サーバ20は、予算金額に基づいて該当する物件を絞り込んでユーザ端末10に送信する(S303)。
【0039】
ユーザ端末10は、その物件を閲覧し、外観写真をクリックすると(S304)、サーバ20から送信された個人情報入力画面が表示される(S305)。
【0040】
そこでユーザ端末10は、IDとパスワードを設定するとともに個人情報を入力し、送信する(S306)。
【0041】
サーバ20は、それらの内容をデータベース30(図4参照)内のユーザ情報テーブルの中に保存し(S307)、分析結果をユーザ端末10に送信する(S308)。
【0042】
さらに、ユーザ端末10が「3D体験をする」を選択すると、部屋のインテリア配置図が3Dで表示される(S309)。
【0043】
同時に、例えば、図5に示すようなカタログ画面が開き(S310)、家具を追加させる時はダブルクリックでカタログから選んで仮配置する。また、家具の配置はドラッグで移動させることができる。
【0044】
こうして室内インテリアが確定すると、ユーザ端末10は、その図面情報をサーバ20へ送信する(S311)。すると、サーバ20内にあるデータベース30のユーザ情報テーブルに、その確定版が保存される。
【0045】
上記の実施の形態によれば、日々の生活をより良い室内環境で過ごすために、多方面からの情報は、あればある程よい。不動産会社側からユーザに提供してきた、物件の情報、そして応対サービスに加えて、物件に合わせた理想の室内環境を提案することで、多くの情報を提供することができる。
【0046】
また、ユーザとしても、物件と自分とを照らし合わせた上での室内環境案は、インテリアを考える手間が省ける、室内環境を最適な状態に整えることができるという大きなメリットになり、物件選択の決め手ともなり得る。
【0047】
また、最適な室内環境の提案の手段として、方位学・色彩学・統計学的な分析をデータベース化し、物件と入居希望者に合った配置図をウェブ上で確認することができる。つまり、環境学的にどこに何を配置するのが最適か、また色彩学的にどのような素材でどのような色彩のインテリアを施すのが合っているのか、その物件に居住した時の吉方位等、より良い室内環境のための自分に合った自分だけの情報を得ることができる。
【0048】
また、インテリアを考える手間が省けるのはもちろんのこと、理想の室内環境を手に入れることで、心身の安定と向上が望める。例えば、自分で情報収集をして現在の住居に取り込もうとすると、相当の時間と手間がかかるが、引越しコーディネート会社を通すことにより、引越しに併せて手配が可能となり、効率化を図ることができる。
【0049】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、上記の実施の形態におけるユーザ端末10およびサーバ20の機能を実現するためのプログラムを各装置等に読込ませて実行することにより本システムの機能を実現する処理を行なってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスク等を介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線等を介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0050】
上述する各実施の形態は、ユーザ端末10およびサーバ20が別個に接続されているシステム構成について説明したが、各機能が1つのコンピュータシステムとして実現されている構成や機能毎に複数のサーバ装置等が追加された構成にも適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態におけるインテリアコーディネートシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるインテリアコーディネート処理動作を示すシーケンス図である。
【図3】ユーザ端末がWebページを介して室内インテリアを確定する処理処理動作を示すシーケンス図である。
【図4】サーバの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態におけるカタログ表示画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における選択された室内環境の一例を示す図である。
【図7】物件情報データベースに格納される情報の一例を示す図である。
【図8】方位学・環境学・色彩学的なデータベースに格納される情報の一例を示す図である。
【図9】統計学的なデータベースに格納される情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 ユーザ端末
20 サーバ
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されているユーザ端末と、サーバと、を含むインテリアコーディネートシステムであって、
方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースからユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境を提案することを特徴とするインテリアコーディネートシステム。
【請求項2】
前記サーバが、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つをなすことを特徴とする請求項1記載のインテリアコーディネートシステム。
【請求項3】
方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースからユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境を提案することを特徴とするサーバ。
【請求項4】
物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つをなすことを特徴とする請求項3記載のサーバ。
【請求項5】
ネットワークを介して接続されているユーザ端末と、サーバと、を含むインテリアコーディネート方法であって、
方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースからユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境を提案することを特徴とするインテリアコーディネート方法。
【請求項6】
前記サーバが、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つをなすことを特徴とする請求項5記載のインテリアコーディネート方法。
【請求項7】
サーバに、方位学、環境学、色彩学および統計学のうちの少なくとも1つの情報を格納したデータベースから、ネットワークを介して接続されているユーザ端末から取得したユーザの個人情報と物件情報を組み合わせて室内環境情報を生成させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記サーバに、物件の選択、家具の購入、家具の配置決定、運送業者の手配の少なくとも1つを実行させることを特徴とする請求項7記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−318358(P2006−318358A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−142464(P2005−142464)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)