説明

インデックス可能なドリルインサート

【課題】インデックス可能なドリルインサートを提供する。
【解決手段】本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートであって、ほぼ平坦な頂面及び底面、ならびに頂面及び底面に隣接する側面と、頂面に交差する側面の4つの同一の切刃であって、ドリル本体の軸線に向かって内側に向けられた第1の部分刃と、第1の部分刃から延びかつインサート軸線を中心とした仮想内接円に対して接線方向にある第2の部分刃と、インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃であって、前記第2及び第3の部分刃が遷移部分刃によって共に接合され、遷移部分刃が第2の部分刃と凹曲線を成し、第3の部分刃と凸曲線を成す第3の部分刃と、1つの切刃の第1の部分刃に隣接し、後続の切刃の第3の部分刃を伴うインサートの4つのコーナーにおける所定の半径の湾曲したノーズ部とを備える4つの同一の切刃とを備える四辺形のインデックス可能なドリルインサートに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の明細書は、特に、本発明の性質及び本発明が実行されるべき方法を記載している。
【0002】
本開示の実施形態はドリルインサートに関し、より詳しくは、実施形態は、ドリル本体の周辺ポケット用の四辺形のインデックス可能なドリルインサートに関する。
【背景技術】
【0003】
ドリル工具は、金属ワークピースの円筒穴を穿孔するために使用される。ドリル工具の切削又は穿孔動作は、ドリル工具に選択的に取り付けられる工具ホルダ及びドリルインサートの組み合わせ等のほぼ円筒状の細長いドリル工具によって行ってもよい。次に、このような構成は、工具ホルダの一端が、ホルダをその長手方向軸線を中心に回転させる駆動装置にしっかりと取り付けられる用途に使用してもよい。細長い工具ホルダの反対側端部において、切削インサートが、切削されるべき材料に係合する。代わりに、例えばホルダを旋盤等の心押し台に位置付けする際に、ワークピースをホルダ及び切削インサートに対して回転させてもよい。さらに、工具及びワークピースを互いに回転させてもよい。切削インサートを使用することにより、工具全体の代わりに、切削表面の摩耗の際にインサートの迅速な変更が可能になり、ドリルアセンブリ全体ではなく、インサートを単に変更することによって、様々な異なる穿孔用途のために1つの工具を使用することが可能になる。
【0004】
インデックス可能なドリルインサートは、順々に切削するためにインサートの全ての側面を使用することができるので、穿孔において非常に重要な役割を果たす。さらに、インサートを使用することにより、製造準備時間及び組立時間が低減される。
【0005】
四辺形のインデックス可能なドリルインサートの使用は当業界で公知である。しかし、当業界のインサートは、ワークピースを切削するための4つの長方形切刃を備える。長方形切刃を使用することにより、力が、正確に中心ではなくドリル本体全体に作用するので、ドリルがその中心からずれることになる。さらに、ドリルのずれにより、実用の用途において不適切な狭い壁が形成される。さらに、インデックス可能な従来のドリルインサートは、ドリル穴の直径が所定値よりも小さい場合にドリル穴の表面を擦る。
【0006】
上記の不都合に鑑み、4つの同一の切刃を有するドリルインサートを開発することが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に記載のドリルインサートを設けることによって、従来技術の欠点が克服されかつ追加の利点が提供される。
【0008】
追加の特徴及び利点は本開示の技術によって実現される。本開示の他の実施形態及び態様は本明細書に詳細に記載され、主張する本開示の一部であると考えられる。
【0009】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートであって、ほぼ平坦な頂面及び底面と、ドリルインサートの4つの側から頂面及び底面に隣接する側面とを備え、正の切削形状を提供するために底面が頂面よりも小さい、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供する。頂面に交差する側面の4つの同一の切刃であって、各切刃が、ドリル本体の軸線に向かって内側に向けられた第1の部分刃と、第1の部分刃から延びかつインサート軸線を中心とした仮想内接円に対して接線方向にある第2の部分刃と、インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃であって、前記第2及び前記第3の部分刃が遷移部分刃によって共に接合され、遷移部分刃が第2の部分刃と凹曲線を成し、第3の部分刃と凸曲線を成す第3の部分刃と、1つの切刃の第1の部分刃に隣接して、後続の切刃の第3の部分刃を伴うインサートの4つのコーナーにおける所定の半径の湾曲したノーズ部とを備える4つの同一の切刃。ドリルインサートはまた、インサートにドリル本体を取り付けるためにドリルインサートの頂面と底面との間に延びるドリルインサートの中心の貫通穴と、ドリルインサートの底刃に設けられた面取り部とを含む。
【0010】
本開示の一実施形態では、前記ドリルインサートはドリル本体の周辺ポケットに取り付けられる。
【0011】
本開示の一実施形態では、部分刃は直線状であり、この場合、第1の部分刃、第2の部分刃及び第3の部分刃は、インサートの水平軸線(B−B)に対してそれぞれ約0.5°〜約5°、約5°〜約15°の範囲及び0°の角度で傾斜される。
【0012】
本開示の一実施形態では、湾曲したノーズ部(108)は約0.4mm〜約1.2mmの範囲の半径を有する。
【0013】
本開示の一実施形態では、貫通穴は、インサートねじを受容するために口部と一連の段部とを備える。
【0014】
本開示の一実施形態では、面取り部の角度はドリルインサートの厚さに依存し、好ましくは、ドリルインサートの垂直軸線に対して約30°である。
【0015】
本開示の一実施形態では、頂面には口部の周りの突出部が設けられる。
【0016】
本開示の一実施形態では、インサートの刃面のコーナーはドリルインサートの垂直軸線に対して約0度〜約11度の範囲の角度を成して、インサートとポケットとの間の逃げ角を容易にする。
【0017】
上記の概要は例示的なものに過ぎず、決して、限定することを意図するものではない。上記の例示的態様、実施形態、及び特徴に加えて、別の態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0018】
本開示の新規な特徴及び特性は添付の特許請求の範囲に記載される。しかし、本開示自体、並びに本開示の好ましい使用モード、別の目的及び利点は、添付図と関連して読むときに、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。ここで、1つ以上の実施形態は、同様の参照番号が同様の要素を表す添付図を参照して一例としてのみ示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本開示のドリルインサートの頂面斜視図である。
【図2】本開示のドリルインサートの底面斜視図である。
【図3】本開示のドリルインサートの平面図である。
【図4】本開示のドリルインサートの側面図である。
【図5】ドリル本体の周辺ポケットの本開示のドリルインサートと、ドリル本体の中心ポケットの従来のインサートとを有するドリル本体の図である。
【図6】ドリル本体の周辺ポケットの本開示のドリルインサートを有するドリル工具の分解図である。
【0020】
図は、例示目的のみのために本開示の実施形態を示している。当業者は、以下の説明から、本明細書に記載した本開示の原理から逸脱することなく、本明細書に示される構造及び方法の代替実施形態を使用してもよいことを容易に認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上記のことは、以下の本開示の詳細な説明をよりよく理解し得るために本開示の特徴及び技術的利点を広く略述している。本開示の請求項の主題を形成する本開示の追加の特徴及び利点について以下に説明する。開示した概念及び特定の実施形態は、本開示の同じ目的を実行するための他の構造体を修正又は設計するための基礎として容易に利用し得ることが当業者によって理解されるべきである。このような等価の構造が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の精神及び範囲から逸脱しないことも当業者によって理解されるべきである。別の目的及び利点と共に、本開示の操作機構及び方法の両方に関して本開示の特性であると考えられる新規な特徴は、添付図と関連して考慮するときに以下の説明からよりよく理解されるであろう。しかし、図の各々が例示及び説明目的のみのために提供され、本開示の限定の定義として意図されるものではないことを明確に理解すべきである。
【0022】
背景技術に記載した欠点を克服するために、四辺形のインデックス可能なドリルインサートが開発される。本開示のドリルインサートは、ドリル本体の中心に力を導く複数の部分刃を有する4つの同一の切刃からなり、前記中心は、穿孔作業中にドリル本体がその中心からずれることを防止するのを助ける。
【0023】
図1及び図2は、ドリルインサート(100)の頂面及び底面斜視図を示した例示的な実施形態である。前記ドリルインサート(100)は、頂面(101)と、底面(201)と、頂面及び底面(101及び201)に隣接する側面(102)とを備える。ドリルインサート(100)の頂面(101)は、ドリルインサート(100)とドリル本体(502)のポケット(602)との間に正の逃げ角を提供するために底面(201)よりも大きい。頂面(101)の刃(103)は、穿孔軸線(504)に力を導いて、ドリル本体(502)がその中心からずれることを防止するために、複数の部分刃(104、105及び107)に分割される。第1の部分刃(104)は穿孔軸線(504)に向かって内側に向けられ、ドリルインサート(100)の水平軸線(B−B)に対して約0.5°〜約1.5°の範囲、好ましくは約1°の角度を成す。第2の部分刃(105)は第1の部分刃(104)の端部から始まり、ドリルインサート(100)の水平軸線(B−B)に対して約5°〜約15°の範囲、好ましくは約6°の角度を成す。第2の部分刃(105)はドリルインサート(100)の内接円直径(301)に対して接線方向にある。第3の部分刃(106)は、遷移刃(107)を介して第2の部分刃(105)に接続される。第3の部分刃(106)は直線状であり、インサート軸線の中心から離れて延びる。遷移刃(107)はスプラインであり、第2の部分刃(105)と凹曲線(107a)を成し、第3の部分刃(106)と凸曲線(107b)を成す。さらに、刃(103)のコーナー(108)はコーナー半径を有し、1つの刃(103)の第3の部分刃(106)に接続され、次の刃(103)の第1の部分刃(104)に至る。コーナー半径はインサートの厚さと、内接円直径(301)とに依存する。コーナー半径は約0.4mm〜約1.2mmの範囲にある。
【0024】
本開示の一実施形態では、第1の部分刃(104)及び第2の部分刃(105)は、傾斜が正である角度に、内接円(301)に向かって内側に向けられる。
【0025】
ドリルインサート(100)は、さらに、インサート(100)にドリル本体(502)を取り付けるためにドリルインサート(100)の頂面(101)から底面(201)に延びる穴(109)を含む。ドリルインサート(100)を取り付けるためのインサートねじ(601)をドリル本体(502)のポケット(602)に受容するために、口部(109a)が頂面(101)の穴の周りに設けられ、一連の段部(109b)が穴(109)の円周に設けられる。
【0026】
本開示の一実施形態では、突出部(111)がドリルインサート(100)の頂面(101)に設けられる。前記突出部(111)は、穿孔作業から生じるチップの切削を容易にし、チップをドリル本体(502)のヘリカルフルート部(503)に導いて、チップの除去を容易にする。
【0027】
ドリルインサート(100)の側面(102)は、ドリルインサートをドリル本体のポケット(602)の内部に固定するために複数の突出部(112)を含む。突出部(112)は、ポケット(602)の壁と接触し、ポケット(602)の内部におけるドリルインサート(100)の回転運動を阻止する。さらに、側面(102)のコーナー(102a)はドリルインサート(100)の垂直軸線(A−A)に対して約11度の角度を成して、インサート(100)とポケット(602)との間の逃げ角を容易にする。この逃げ角は一次逃げ角であり、ドリル本体のポケット(602)からインサート(100)を容易に取り外すのを助ける。
【0028】
図3及び図4は、ドリルインサート(100)の平面図及び正面図を示した例示的な実施形態である。切刃を複数の部分刃(104、105及び106)に分割することが、ドリルインサート(100)の平面図に明確に示されている。遷移刃(107)を有する部分刃(104、105及び106)はドリル本体(502)の中心又は穿孔軸線(504)に力を導き、これにより、ドリルがその中心からずれることが防止される。部分刃(104、105及び106)及び遷移刃(107)のサイズ又は長さは、内接円直径(301)がインサートの様々なサイズを受容するように増大するにつれて変化し、したがって、サイズが増大するにつれて比例して変化するようになる。一実施形態では、第1の部分刃(104)、及び第2の部分刃(105)は共に、切刃(103)の全長の約30%〜約60%の範囲の長さを形成する。そして、第3の部分刃(106)の長さは切刃(103)の全長の約30%〜約60%の範囲にある。
【0029】
さらに、インサート(100)の二次逃げ角を容易にするために、面取り部(110)が、図4に示したように底部(201)に向かってドリルインサート(100)の底刃に設けられる。面取り部(110)の角度はドリルインサート(100)の垂直軸線(A−A)に対して約30°であり、前記角度はドリルインサート(100)の厚さの変化と共に変化する。面取り部(110)はドリル本体(502)のポケット(602)の掘削を防止し、次に、このことは、ドリルインサート(100)が動作しているときにポケット(602)の摩耗を排除する。面取り部(110)はまた、ドリル穴の直径が所定の限界よりも小さいときに、ドリルインサート(100)によるドリル穴の表面の擦れを排除する。
【0030】
一実施形態では、ドリルインサート(100)はドリル本体(502)の周辺ポケット(602)内で使用される。切刃(103)のコーナー部(108)は、ドリル本体(502)の内部ポケット(602)のインサートによって形成される穴を拡大する。
【0031】
図5は、ドリル本体の周辺ポケット(602)内の本開示のドリルインサートと、ドリル本体の中心ポケット内の従来のインサートとを有するドリル本体を示している例示的な実施形態である。ドリル工具(500)は所定の長さのシャンク(501)と円筒基本形状のドリル本体(502)とを含む。ドリル本体(502)は、ドリルインサートを受容するために、一方がドリル本体の中心にありかつ他方がドリル本体の周辺にある一対のインサートポケットを含む。ドリル本体(502)はまた、穿孔作業中に生じるチップを除去するために、ドリル本体の円周のヘリカルフルート(503)を含む。穿孔作業中に生じるチップは、ドリルインサート(100)の突出部(111)によって切削され、チップを廃棄するためにドリル本体(502)のヘリカルフルート(503)を介して案内される。一実施形態では、穿孔作業中に生じる力がドリル軸線(504)に導かれるように、内向きインサート及び外向きボードインサートがドリル本体(502)に位置付けされ、これにより、ドリル本体(502)がその中心からずれることが防止される。
【0032】
本開示の一実施形態では、穿孔作業中に、内向きインサートが、最初に、適度な切削力を加え、次に、外向きインサートがワークピースを切削し始める。
【0033】
図6は、ドリル本体(502)の周辺ポケット(602)内の本開示のドリルインサート(100)を有するドリル工具(500)の分解図を示している例示的な実施形態である。ドリルインサート(100)はドリル本体(502)の周辺ポケット(602)内に位置付けされ、周辺ポケット(602)の形状はドリルインサートの形状と整合する。さらに、周辺ポケット(602)は、インサートねじ(601)を使用してドリルインサート(100)とドリル本体(502)とを締結するためのねじ付き穴を含む。インサートねじ(601)は一連の段部とねじ付き部とを含み、このねじ付き部はドリルインサート(100)の貫通穴(109)を通過し、ドリルインサート(100)を周辺ポケット(602)の内部に締結する。さらに、ドリル本体はその中心ポケットに従来のインサートを備える。
【0034】
利点
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートでは、全ての4つの切刃が穿孔のために使用され、すなわち1つの刃が摩耗した場合に次の刃を切削のために使用することができる。
【0035】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートは、ドリル軸線(504)に力を導くために複数の部分刃に分割される4つの同一の切刃を有し、これにより、ドリルがその中心からずれることが排除される。
【0036】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートはその底部に、インサートによるドリル穴の擦れを防止する面取り部を有する。
【0037】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートは、穿孔工程中に生じたチップを破壊するために、ドリルインサートの頂面に突出部を有する。
【0038】
相当語句
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関し、当業者は、内容及び/又は用途に適切であるように、複数形から単数形に及び/又は単数形から複数形に変えることができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確さのために本明細書で明確に規定することが可能である。
【0039】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)に用いられる用語は、通常、「開かれた」用語として意図される(例えば、「含んでいる」という用語は、「〜を含んでいるが、それらに限定されない」と解釈すべきであり、「有している」という用語は、「〜を少なくとも有している」と解釈すべきであり、「含む」という用語は、「〜を含むが、それらに限定されない」と解釈すべきである、等々)ことが当業者によって理解されるであろう。導入された請求項の詳述の特定の数が意図されている場合、このような意図は請求項に明示的に詳述され、そのような詳述がない場合にはそうした意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の詳述を導入するために、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」という導入句の使用を含むことがある。しかし、このような句の使用は、同じ請求項が、導入句「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」及び「a」又は「an」等の不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の詳述の導入が、このような導入された請求項の詳述を含む任意の特定の請求項を、1つのみのこのような詳述を含む発明に限定することを意味すると解釈すべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的に、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈すべきである)。同じことが、請求項の詳述を導入するために使用される定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、導入された請求項の詳述の特定の数が明示的に詳述されているとしても、当業者は、このような詳述が、典型的に、少なくとも1つの詳述された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句をもたない「2つの詳述」という裸の詳述は、典型的に、少なくとも2つの詳述、又は2つ以上の詳述を意味する)。さらに、「A、B、及びCの少なくとも1つ、等々」と同様の慣例が使用される当該例において、一般に、このような構文は、当業者が慣例を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又はA、B、及びCを共に、等々を有するシステムを含むが、それらに限定されないであろう)。「A、B、又はCの少なくとも1つ、等々」と同様の慣例が使用される当該例において、一般に、このような構文は、当業者が慣例を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又はA、B、及びCを共に、等々を有するシステムを含むが、それらに限定されないであろう)。説明、請求項、又は図面であるにしろ、2つ以上の代替用語を提供する実質的に任意の離接語及び/又は句は、用語の1つ、用語のどちらか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」或いは「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0040】
様々な態様及び実施形態について本明細書に開示してきたが、他の態様及び実施形態が当業者に明らかであろう。本明細書に開示した様々な態様及び実施形態は例示目的のためにあり、限定することを意図するものではなく、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって指示される。
【0041】
この点において、1つのみ又は任意の組み合わせであるにしろ、上記構成要素の全てが、本発明にとって不可欠であると主張され、特に、図面に示した詳細及び図面の参照番号が以下のように付与されることに留意されたい。
【0042】
【表1】

【符号の説明】
【0043】
100 ドリルインサート
101 インサートの頂面
102 インサートの側面
102a 刃面のコーナー
103 切刃
104 第1の部分刃
105 第2の部分刃
106 第3の部分刃
107 遷移刃
107a 遷移刃の凹曲線
107b 遷移刃の凸曲線
108 ノーズ部
109 貫通穴
109a 貫通穴の口部
109b 段部
110 面取り部
111 頂面の突出部
112 側面の突出部
201 インサートの底面
301 仮想内接円直径
501 ドリル工具のシャンク部
502 ドリル本体
503 ドリル本体へのヘリカルフルート
601 インサートねじ
602 ドリル本体の周辺ポケット
A−A ドリルインサートの垂直軸線
B−B ドリルインサートの水平軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四辺形のインデックス可能なドリルインサート(100)であって、
ほぼ平坦な頂面(101)及び底面(201)、ならびに、前記ドリルインサート(100)の4つの側から前記頂面及び底面(101及び201)に隣接する側面(102)であって、正の切削形状を提供するために前記底面(201)が前記頂面(101)よりも小さい、頂面(101)及び底面(201)、ならびに側面(102)と、
前記頂面(101)に交差する前記側面(102)の4つの同一の切刃(103)であって、各切刃(103)が、
前記ドリル本体(502)の軸線(504)に向かって内側に向けられた第1の部分刃(104)と、
前記第1の部分刃(104)から延びかつ前記インサート(100)の軸線を中心とした仮想内接円(301)に対して接線方向にある第2の部分刃(105)と、
前記インサート(100)の軸線から離れて延びる第3の部分刃(106)であって、前記第2及び前記第3の部分刃(105及び106)が遷移部分刃(107)によって共に接合され、遷移部分刃(107)が前記第2の部分刃(105)と凹曲線(107a)を成し、前記第3の部分刃(106)と凸曲線(107b)を成す第3の部分刃(106)と、
1つの切刃の第1の部分刃(104)に隣接し、後続の切刃の第3の部分刃(106)を伴う前記インサート(100)の4つのコーナーにおける所定の半径の湾曲したノーズ部(108)と、
を備える4つの同一の切刃(103)と、
前記インサート(100)に前記ドリル本体を取り付けるために前記ドリルインサート(100)の前記頂面(101)と前記底面(201)との間に延びる前記ドリルインサート(100)の中心の貫通穴(109)と、
前記ドリルインサート(100)の前記底刃(201)に設けられた面取り部(110)と、
を備える四辺形のインデックス可能なドリルインサート(100)。
【請求項2】
前記ドリルインサート(100)が前記ドリル本体の周辺ポケット(602)に取り付けられる請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項3】
前記部分刃(104、105及び106)が直線状であり、前記第1の部分刃(104)、第2の部分刃(105)及び第3の部分刃(106)が、前記インサートの水平軸線に対してそれぞれ約0.5°〜約5°の範囲、約5°〜約15°の範囲、及び0°の角度で傾斜される請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項4】
前記湾曲したノーズ部(108)が約0.4mm〜約1.2mmの範囲の半径を有する請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項5】
前記貫通穴(109)が、インサートねじを受容するために口部(109a)と一連の段部(109b)とを備える請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項6】
前記面取り部(110)の角度が前記ドリルインサート(100)の厚さに依存し、好ましくは、前記ドリルインサート(100)の垂直軸線に対して約30度である請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項7】
前記頂面(101)には、前記口部(110a)の周りの突出部(111)が設けられる請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項8】
前記インサート(100)の刃面(102)のコーナー(102a)が前記ドリルインサート(100)の垂直軸線に対して約0〜約11度の範囲の角度を成して、前記インサート(100)と前記ポケット(602)との間の逃げ角を容易にする請求項1に記載のドリルインサート。
【請求項9】
ドリル本体の周辺のポケット(602)内の請求項1に記載の四辺形のインデックス可能なドリルインサート(100)と、前記ドリル本体の中心ポケット内のインサートとを備えるドリル本体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−22728(P2013−22728A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160027(P2012−160027)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【出願人】(512012470)ケンナメタル インディア リミテッド (3)
【Fターム(参考)】