インデックス可能なドリルインサート
【課題】インデックス可能なドリルインサートを提供する。
【解決手段】本開示は、ほぼ平坦な頂面と、底面と、頂部及び底面に隣接する側面とを備える四辺形のインデックス可能なドリルインサートに関する。4つの切刃は側面と頂面との交差部に構成される。各切刃は、第1の部分刃と、第1の部分刃から延びる第2の部分刃と、インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃とを備える。第2及び第3の部分刃は遷移部分刃によって共に接合される。遷移部分刃は基準水平面に対して10°〜90°の範囲の角度を成す。また、前記遷移部分刃は、第2の部分刃と凸曲線を成し、第3の部分刃と凹曲線を成す。ノーズ部はドリルインサートの4つのコーナーに設けられる。
【解決手段】本開示は、ほぼ平坦な頂面と、底面と、頂部及び底面に隣接する側面とを備える四辺形のインデックス可能なドリルインサートに関する。4つの切刃は側面と頂面との交差部に構成される。各切刃は、第1の部分刃と、第1の部分刃から延びる第2の部分刃と、インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃とを備える。第2及び第3の部分刃は遷移部分刃によって共に接合される。遷移部分刃は基準水平面に対して10°〜90°の範囲の角度を成す。また、前記遷移部分刃は、第2の部分刃と凸曲線を成し、第3の部分刃と凹曲線を成す。ノーズ部はドリルインサートの4つのコーナーに設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の明細書は、特に、本発明の性質及び本発明が実行されるべき方法を記載している。
【0002】
本開示の実施形態は切削工具の分野に関し、より詳しくは、ドリル工具に関する。ドリル工具は、ドリル本体と、ドリル本体の中心ポケット及び周辺ポケットに取り付けられた一対のインデックス可能なドリルインサートとを備える。
【背景技術】
【0003】
ドリル工具は、金属ワークピースに円筒穴を穿孔するために使用される。ドリル工具の切削又は穿孔動作は、ドリル工具に選択的に取り付けられる工具ホルダ及びドリルインサートの組み合わせ等のほぼ円筒状の細長いドリル工具によって行ってもよい。次に、このような構成は、工具ホルダの一端が、ホルダをその長手方向軸線を中心に回転させる駆動装置にしっかりと取り付けられる用途に使用してもよい。細長い工具ホルダの反対側端部において、切削インサートが、切削されるべき材料に係合する。代わりに、例えばホルダを旋盤等の心押し台に位置付けする際に、ワークピースをホルダ及び切削インサートに対して回転させてもよい。さらに、工具及びワークピースを互いに回転させてもよい。切削インサートを使用することにより、工具全体の代わりに、切削表面の摩耗の際にインサートの迅速な変更が可能になり、ドリルアセンブリ全体ではなく、インサートを単に変更することによって、様々な異なる穿孔用途のために1つの工具を使用することが可能になる。
【0004】
インデックス可能なドリルインサートは、順々に切削するためにインサートの全ての側面を使用することができるので、穿孔において非常に重要な役割を果たす。さらに、インサートを使用することにより、製造準備時間及び組立時間が低減される。
【0005】
四辺形のインデックス可能なドリルインサートの使用は当業界で公知である。しかし、当業界のインサートは、ワークピースを切削するための4つの長方形切刃を備える。長方形切刃を使用することにより、力が正確に中心ではなくドリル本体全体に作用するので、ドリルがその中心からずれることになる。さらに、ドリルのずれにより、実用の用途において不適切な狭い壁が形成される。インデックス可能な従来のドリルインサートは、ドリル穴の直径が、予め所望した値よりも小さい場合にドリル穴の表面を擦る。
【0006】
上記の不都合に鑑み、4つの同一の切刃を有するドリルインサートを開発することが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に記載のドリルインサートを設けることによって、従来技術の欠点が克服されかつ追加の利点が提供される。追加の特徴及び利点は本開示の技術によって実現される。本開示の他の実施形態及び態様は本明細書に詳細に記載され、主張する本開示の一部であると考えられる。
【0008】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)であって、ほぼ平坦な頂面(2)、底面(3)、及びドリルインサート(1)の4つの側から頂面(2)及び底面(3)に隣接する側面(4)であって、正の切削形状を提供するために底面(3)が頂面(2)よりも小さい、頂面(2)、底面(3)、及び側面(4)と、側面(4)と頂面(2)との交差部に構成された4つの切刃(5)であって、切刃(5)の各々が、ドリル本体(6)の軸線に向かって向けられた第1の部分刃(5a)と、第1の部分刃(5a)から延びる第2の部分刃(5b)と、インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃(5c)であって、前記第2及び前記第3の部分刃(5b及び5c)が共に遷移部分刃(7)によって接合され、前記遷移部分刃(7)が、基準水平軸線に対して約10°〜約90°の範囲の角度を成し、第2の部分刃(5b)と凸曲線(7b)を成し、第3の部分刃(5c)と凹曲線(7a)を成す第3の部分刃(5c)と、1つの切刃(5)の第1の部分刃(5a)に隣接し、後続の切刃(5)の第3の部分刃(5c)を伴うドリルインサート(1)の4つのコーナーの所定の半径のノーズ部(8)とを備えた4つの切刃(5)と、ドリル本体(6)を取り付けるためのドリルインサート(1)の中心のインサートねじ穴(9)とを備える四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)を提供する。
【0009】
一実施形態では、第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び第3の部分刃(5c)は直線状である。
【0010】
一実施形態では、第1の部分刃(5a)は基準水平面(18)に対して負の傾斜を成し、約0°〜約25°の範囲の角度で傾斜される。
【0011】
一実施形態では、第2の部分刃(5b)はドリルインサート(1)の基準水平面(18)に対して平行である。
【0012】
一実施形態では、第3の部分刃(5c)は基準水平面(18)に対して正の傾斜を成し、約0°〜約20°の範囲の角度で傾斜される。
【0013】
一実施形態では、ノーズ部(8)は約0.4mm〜約1mmの範囲の半径を有する。
【0014】
一実施形態では、側面(4)は、頂面(2)から延びる第1の逃げ面(4a)と、第1の逃げ面(4a)から底面(3)に延びる第2の逃げ面(4b)とに構成される。
【0015】
一実施形態では、第1の逃げ面(4a)はインサート軸線(19)に対して約1°〜約9°の範囲の角度を成す。
【0016】
一実施形態では、第2の逃げ面(4b)はインサート軸線(19)に対して約10°〜約30°の範囲の角度を成す。
【0017】
一実施形態では、ドリルインサート(1)は中心インサートであり、ドリル本体(6)の中心ポケット(6a)に取り付けられる。
【0018】
一実施形態では、第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び遷移部分刃(7)は共に、切刃(5)の全長の約10%〜約55%の範囲の長さを形成する。
【0019】
一実施形態では、ドリル(10)は、中心ポケット(6a)に取り付けられた四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)と、周辺ポケット(6b)に取り付けられた周辺インサート(11)とを備える。
【0020】
上記の概要は例示的なものに過ぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的態様、実施形態、及び特徴に加えて、別の態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0021】
本開示の新規な特徴及び特性は添付の特許請求の範囲に記載される。しかし、本開示自体、並びに本開示の好ましい使用モード、別の目的及び利点は、添付図と関連して読むときに、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。ここで、1つ以上の実施形態は、同様の参照番号が同様の要素を表す添付図を参照して一例としてのみ示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本開示によるドリルインサートの頂面斜視図である。
【図2】本開示によるドリルインサートの底面斜視図である。
【図3a】本開示によるドリルインサートの平面図である。
【図3b】本開示によるドリルインサートの平面図である。
【図4a】本開示によるドリルインサートの側面図である。
【図4b】本開示によるインサートの部分刃側面を示したドリルインサートの底面斜視図である。
【図5】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとからなるドリル本体の斜視図である。
【図6】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとからなるドリル本体の斜視図である。
【図7】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとを備えるドリル工具の側面図である。
【図8】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとを備えるドリル工具の側面図である。
【図9】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートを備えるドリル工具の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図は、例示目的のみのために本開示の実施形態を示している。当業者は、以下の説明から、本明細書に記載した本開示の原理から逸脱することなく、本明細書に示される構造及び方法の代替実施形態を使用してもよいことを容易に認識するであろう。
【0024】
上記のことは、以下の本開示の詳細な説明をよりよく理解し得るために本開示の特徴及び技術的利点を広く略述している。本開示の請求項の主題を形成する本開示の追加の特徴及び利点について以下に説明する。開示した概念及び特定の実施形態は、本開示の同じ目的を実行するための他の構造体を修正又は設計するための基礎として容易に利用し得ることが当業者によって認識されるべきである。このような等価の構造が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の精神及び範囲から逸脱しないことも当業者によって実現されるべきである。別の目的及び利点と共に、本開示の操作機構及び方法の両方に関して本開示の特性であると考えられる新規な特徴は、添付図と関連して考慮するときに以下の説明からよりよく理解されるであろう。しかし、図の各々が例示及び説明目的のみのために提供され、本開示の限定の定義として意図されるものではないことを明確に理解すべきである。
【0025】
この点において、1つのみ又は任意の組み合わせであるにしろ、構成要素の全てが、本発明にとって不可欠であると主張され、特に、図面に示した詳細及び図面の参照番号が以下のように付与されることに留意されたい。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
背景技術に記載した欠点を克服するために、四辺形のインデックス可能なドリルインサートが開発される。本開示のドリルインサートは、ドリル本体の中心に及びドリル本体の後端に向かって力を導く複数の部分刃を有する4つの同一の切刃からなり、穿孔作業中にドリル本体がその中心からずれることを防止するのを助ける。
【0030】
図1及び図2は、本開示の例示的な実施形態であり、インデックス可能なドリルインサート(1)の頂面及び底面斜視図を示している。ドリルインサート(1)の実施形態はドリル/ドリル工具(10)の内部/中心ポケットに使用される。したがって、内部/中心ポケットは内向き部、又は内向きインサートと呼ばれる。ドリルインサート(1)は、頂面(2)と、底面(3)と、頂面及び底面(2と3)のそれぞれに隣接する側面(4)とを備える。ドリルインサート(1)の頂面(2)は、ドリルインサート(1)とドリル本体(6)のポケット(6a)との間に正の切削形状を提供するために、底面(3)よりも大きくされる。頂面(2)は、片側に切刃を形成するために側面(4)に交差する。各切刃(5)は複数の部分刃(5a、5b及び5c)に分割される。部分刃は、加えられた力をドリル軸線(17)を通してドリル本体に導き、ドリル本体(6)がその中心からずれることを防止する。第1の部分刃(5a)は負の傾斜を成し、すなわち、第1の部分刃(5a)はドリル軸線(17)に向かって外側に向けられ、ドリルインサート(1)の基準水平面(18)に対して約0°〜約25°の範囲、好ましくは20°の角度「α」を成す。第2の部分刃(5b)は第1の部分刃(5a)の他端から延び、ドリルインサート(1)の基準水平面(18)に平行である。第3の部分刃(5c)は遷移部分刃(7)を介して第2の部分刃(5b)に接続される。第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び第3の部分刃(5c)は本質的に直線状である。第3の部分刃(5c)はインサート(1)の中心から離れて向けられる。遷移部分刃(7)は、第2の部分刃(5b)と凸曲線(7b)を成し、隣接する第3の部分刃(5c)と凹曲線(7a)を成すスプラインである。各切刃(5)のコーナーは、約0.4mm〜約1mmの範囲、好ましくは0.5mmのコーナー/ノーズ半径「R」を有するノーズ部(8)として構成される。ノーズ部(8)は、1つの切刃(5)の第3の部分刃(5c)に接続され、次の切刃(5)の第1の部分刃(5a)を伴う。コーナー半径(R)はインサート(1)の厚さ(T)と仮想内接円(12)の直径(D)とに依存する。
【0031】
ドリルインサート(1)は、さらに、インサート(1)にドリル本体(6)を取り付けるために、ドリルインサート(1)の頂面(2)から底面(3)に延びる中心のインサートねじ穴(9)からなる。また、口部(16)は、インサートねじ(15)によってドリルインサート(1)とドリル本体(6)との間を接続するために頂面(2)のインサートねじ穴(9)に設けられる。口部(16)は、さらに、ドリル本体(6)でクランプする間にねじ(15)のねじ頭部(15a)を支持するための肩部面(16a)からなる。口部(16)には、さらに、頂面(2)のインサートねじ穴(9)の周りの突出部(20)が設けられる。突出部(20)は、穿孔作業中に生じるチップ(図示せず)の切削、及びドリル本体(6)のヘリカルフルート部(14)に切削チップを導くことを容易にし、したがって、ドリル(10)からチップを除去する。
【0032】
図3a及び図3bを参照すると、図は、本開示によるドリルインサート(1)の平面図を示している。切刃(5)を遷移刃(7)と共に3つの部分刃(5a、5b及び5c)に特徴付けることは、ドリルインサート(1)の平面図に明確に示されている。外向きインサート(11)と共に、内向きインサート(1)の遷移刃(7)を有する部分刃(5a、5b及び5c)が、ドリル本体(6)の中心又はドリル軸線(17)に力を導く。このようにして、ドリル(10)がドリル軸線(17)からずれることを防止する。第1の部分刃(5a)は約20度の角度「α」で設けられ、形成された傾斜は基準水平面(18)に対して負である。第2の部分刃(5b)は基準水平面(18)に対してゼロ度を成す。第3の部分刃(5c)は基準水平面(18)に対して20度の角度「§」を成している。遷移部分刃(7)は基準水平面(18)に対して約10度〜約90度の範囲の角度「β」を成している。遷移部分刃(7)は、傾斜が正である基準水平面(18)に対して45度の角度「β」の急な上昇部を有する切刃の小さな部分である。このことは、第1の部分刃(5a)と遷移部分刃(7)との間に高点を提供し、したがって、遷移部分刃(7)は、最初にインサートに1度〜10度のリード角が付与されるときにワークピースと接触し、時計回り方向に回転する。
【0033】
例えば、図3bに示したように、第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び第3の部分刃(5c)は長さL1、L2、及びL3をそれぞれ有することができるであろう。遷移部分刃(7)はL4の長さを有することができるであろう。ノーズ部(8)はまた、切刃(5)の切削長さ(L)に寄与し、L5で示されている。したがって、「L」で示した切刃(5)の全長はL1、L2、L3、L4、及びL5の合計である。仮想内接円(12)の直径(D)がインサートの様々なサイズにより変化し、したがって、部分刃(5a、5b、5c)の長さ及び遷移刃(7)の長さの変化がドリルインサートサイズ及びドリル直径サイズに比例して変化するにつれて、部分刃(5a、5b及び5c)及び遷移刃(7)のサイズ又は長さが変化するようになる。
【0034】
図4aを参照すると、側面(4)は第1の逃げ面(4a)と第2の逃げ面(4b)とに構成される。第1の逃げ面(4a)はドリルインサート軸線(19)に対して約1度〜約9度の範囲、好ましくは9度の角度「Δ1」を成す。この逃げ角は、インサート(1)をドリル本体(6)のポケット(6a)から容易に取り外すのを助ける。第2の逃げ面(4b)はドリルインサート軸線(19)に対して約10度〜約30度の範囲の角度「Δ2」を成す。第2の逃げ面(4b)の前記角度は第1の逃げ面(4a)の厚さ(T1)に応じて変化する。厚さ(T2)の第2の逃げ面(4b)は側面(4)に設けられ、底面(3)に向かっている。第2の逃げ面(4b)はドリル本体(6)のポケット(6a)の掘削を防止し、これにより、次に、穿孔作業中のポケット(6a)の摩耗が排除される。第2の逃げ面(4b)はまた、ドリル穴の直径が所定値よりも小さいときに、ドリルインサート(1)によるワークピースのドリル穴表面(図示せず)の擦れを排除する。
【0035】
図4bを参照すると、側面(4)を備えるドリルインサート(1)は、頂面(2)に交差して部分刃(5a、5b、5c及び7)をそれぞれ形成する複数の部分側面(4c、4d、4e及び7c)からなる。部分側面(4dと4e)はドリルインサート(1)をドリル本体(6)のポケット(6a)の内部に固定する。部分側面(4cと7c)は、内部/中心ポケット(6a)の内側壁(21)と接触し、このようにして、部分刃(5b)及び遷移部分刃(7)の摩耗を防止する。しかし、部分側刃(4dと4e)は内部/中心ポケット(6a)の内側壁(21)と接触して、穿孔作業中の内部/中心ポケット(6a)の内部におけるドリルインサート(1)の回転運動を阻止する。
【0036】
図5〜図8は、ドリル本体(6)の周辺ポケット(6b)(図示せず)の周辺インサート(11)を有するドリル本体(6)、及びドリル本体(6)の内向き/中心ポケット(6a)の内部/内向きインサート(1)の例示的な実施形態を示している。ドリル/ドリル工具(10)は所定の長さのシャンク部(13)と基本円筒形状のドリル本体(6)とを含む。ドリル本体(6)は、ドリルインサートを受容するために、一方がドリル本体の中心にありかつ他方がドリル本体の周辺にある一対のインサートポケットを含む。ドリル本体(6)はまた、穿孔作業中に生じるチップ(図示せず)を除去するために、ドリル本体(6)の前端から延びるドリル本体の長さに沿ってヘリカルフルート(14)を含む。穿孔作業中に生じるチップは、ドリルインサート(1)の突出部(20)(図4aに図示)によって切削され、チップを廃棄するためにドリル本体(6)のヘリカルフルート(14)を介して案内される。
【0037】
一実施形態では、穿孔作業中に生じる力がドリル軸線(17)に導かれるように、任意の外向き/周辺インサートと共に、内向き/内部インサート(1)がドリル本体(6)に位置付けされ、ドリル本体(6)がその中心/ドリル軸線(17)からずれることを防止する。
【0038】
本開示の一実施形態では、穿孔作業中に、内向き/内部インサートは、最初に、適度な切削力を加え、次に、外向き/周辺インサートがワークピースを切削し始める。
【0039】
図9は、ドリル本体(6)の内向き/中心ポケット(6a)の本開示のドリルインサート(1)を備えるドリル/ドリル工具(10)の分解図を示している例示的な実施形態である。ドリルインサート(1)は、ドリル本体(6)と取り付けるために中心ポケット(6a)の形状と位置付けされかつ整合される。さらに、中心ポケット(6a)は、インサートねじ(15)を使用してドリルインサート(1)とドリル本体(6)とを締結/クランプするためのねじ付き穴(23)を含む。インサートねじ(15)は、口表面(16)の肩部(16a)(図3aに図示)のプロファイルと整合しかつ中心ポケット(6a)と締結するねじ頭部(15a)を含む。
【0040】
第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)、第3の部分刃(5c)及び遷移部分刃(7)はドリル後端の中心に切削力を導く。これらの部分(5a、5b、5c及び7)、及び周辺インサート(11)の切削部分刃は共に、ドリルが穿孔工程中に受ける切削力をバランスさせる。周辺インサート(11)はドリル本体(6)でクランプする間に周辺ポケット(6b)の内側壁(22)(図示せず)と接触する。したがって、ドリルが中心からずれることが防止される。ドリルのずれは、真っ直ぐな穴を形成せず、楕円形の穴を生じる可能性がある。したがって、力をバランスさせて、ドリルの振動を低減する必要があり、そうでない場合、穴の表面品質が下がる。第3の部分刃(5c)及びノーズ部(8)は共に、外向き/周辺インサート(11)のノーズ部を保護する他の機能に役立つ。このことは、インサートの両方をドリル本体(6)に組み立てる際に、内向きインサート(1)のノーズ部(8)を外向き/周辺インサートのノーズ部のわずかに前方に位置付けすることによって達成される。このことは、全ての4つの真の切刃が穿孔目的のためにインサートの両方に利用可能であることを保証するために行われる。
【0041】
利点
本開示は、中心/内向きポケット用の四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートでは、全ての4つの切刃が穿孔のために使用され、すなわち1つの刃が摩耗した場合に次の刃を切削のために使用することができる。
【0042】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートは、ドリル軸線に力を導くために複数の部分刃に分割される4つの同一の切刃を有し、したがって、ドリルがその中心からずれることが最小化される。
【0043】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートはその底面に、インサートによるドリル穴の擦れを防止するための第2の逃げ面/面取り部を有する。
【0044】
相当語句
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関し、当業者は、内容及び/又は用途に適切であるように、複数形から単数形に及び/又は単数形から複数形に変えることができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確さのために本明細書で明確に規定することが可能である。
【0045】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)に用いられる用語は、通常、「開かれた」用語として意図される(例えば、「含んでいる」という用語は、「〜を含んでいるが、それらに限定されない」と解釈すべきであり、「有している」という用語は、「〜を少なくとも有している」と解釈すべきであり、「含む」という用語は、「〜を含むが、それらに限定されない」と解釈すべきである、等々)ことが当業者によって理解されるであろう。導入された請求項の詳述の特定の数が意図されている場合、このような意図は請求項に明示的に詳述され、そのような詳述がない場合にはそうした意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の詳述を導入するために、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」という導入句の使用を含むことがある。しかし、このような句の使用は、同じ請求項が、導入句「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」及び「a」又は「an」等の不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の詳述の導入が、このような導入された請求項の詳述を含む任意の特定の請求項を、1つのみのこのような詳述を含む発明に限定することを意味すると解釈すべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的に、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈すべきである)。同じことが、請求項の詳述を導入するために使用される定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、導入された請求項の詳述の特定の数が明示的に詳述されているとしても、当業者は、このような詳述が、典型的に、少なくとも1つの詳述された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句をもたない「2つの詳述」という裸の詳述は、典型的に、少なくとも2つの詳述、又は2つ以上の詳述を意味する)。さらに、「A、B、及びCの少なくとも1つ、等々」と同様の慣例が使用される当該例において、一般に、このような構文は、当業者が慣例を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又はA、B、及びCを共に、等々を有するシステムを含むが、それらに限定されないであろう)。「A、B、又はCの少なくとも一方、等々」と同様の慣例が使用される当該例において、一般に、このような構文は、当業者が慣例を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又はA、B、及びCを共に、等々を有するシステムを含むが、それらに限定されないであろう)。説明、請求項、又は図面であるにしろ、2つ以上の代替用語を提供する実質的に任意の離接語及び/又は句は、用語の1つ、用語のどちらか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」或いは「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0046】
様々な態様及び実施形態について本明細書に開示してきたが、他の態様及び実施形態が当業者に明らかであろう。本明細書に開示した様々な態様及び実施形態は例示目的のためにあり、限定を意図するものではなく、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって指示される。
【符号の説明】
【0047】
1 ドリルインサート
2 ドリルインサートの頂面
3 ドリルインサートの底面
4 ドリルインサートの側面
4a ドリルインサートの第1の逃げ面
4b ドリルインサートの第2の逃げ面
4c ドリルインサートの部分側面
4d ドリルインサートの部分側面
4e ドリルインサートの部分側面
5 切刃
5a 第1の部分刃
5b 第2の部分刃
5c 第3の部分刃
6 ドリル本体
6a 内向き/中心ポケット
6b 外向き/周辺ポケット
7 遷移刃
7a 遷移刃の凹曲線
7b 遷移刃の凸曲線
7c ドリルインサートの部分側面
8 ノーズ部
9 インサートねじ穴
10 ドリル/ドリル工具
11 周辺インサート
12 仮想内接円
13 ドリル工具のシャンク部
14 ドリル本体のヘリカルフルート
15 インサートねじ
15a インサートねじ頭部
16 ドリルインサート(1)の口部
16a ドリルインサートの口部の肩部
17 ドリル/ドリル工具軸線
18 基準水平面
19 インサート軸線
20 インサートの口表面の周りの突出部
21 内向き/中心ポケットの内側壁
22 外向き/周辺ポケットの内側壁
23 ドリルポケット(6a)のねじ付き穴
D 仮想内接円直径
L 切刃の長さ
L1 第1の部分刃の長さ
L2 第2の部分刃の長さ
L3 第3の部分刃の長さ
L4 遷移部分刃の長さ
L5 ノーズ部の突出部の長さ
R ノーズ半径
T ドリルインサート(1)の厚さ
T1 第1の逃げ面(4a)の厚さ
T2 第2の逃げ面(4b)の厚さ
α 第1の部分刃の角度
β 遷移部分刃の角度
Δ1 第1の逃げ角
Δ2 第2の逃げ角
§ 第3の部分刃の角度
【技術分野】
【0001】
以下の明細書は、特に、本発明の性質及び本発明が実行されるべき方法を記載している。
【0002】
本開示の実施形態は切削工具の分野に関し、より詳しくは、ドリル工具に関する。ドリル工具は、ドリル本体と、ドリル本体の中心ポケット及び周辺ポケットに取り付けられた一対のインデックス可能なドリルインサートとを備える。
【背景技術】
【0003】
ドリル工具は、金属ワークピースに円筒穴を穿孔するために使用される。ドリル工具の切削又は穿孔動作は、ドリル工具に選択的に取り付けられる工具ホルダ及びドリルインサートの組み合わせ等のほぼ円筒状の細長いドリル工具によって行ってもよい。次に、このような構成は、工具ホルダの一端が、ホルダをその長手方向軸線を中心に回転させる駆動装置にしっかりと取り付けられる用途に使用してもよい。細長い工具ホルダの反対側端部において、切削インサートが、切削されるべき材料に係合する。代わりに、例えばホルダを旋盤等の心押し台に位置付けする際に、ワークピースをホルダ及び切削インサートに対して回転させてもよい。さらに、工具及びワークピースを互いに回転させてもよい。切削インサートを使用することにより、工具全体の代わりに、切削表面の摩耗の際にインサートの迅速な変更が可能になり、ドリルアセンブリ全体ではなく、インサートを単に変更することによって、様々な異なる穿孔用途のために1つの工具を使用することが可能になる。
【0004】
インデックス可能なドリルインサートは、順々に切削するためにインサートの全ての側面を使用することができるので、穿孔において非常に重要な役割を果たす。さらに、インサートを使用することにより、製造準備時間及び組立時間が低減される。
【0005】
四辺形のインデックス可能なドリルインサートの使用は当業界で公知である。しかし、当業界のインサートは、ワークピースを切削するための4つの長方形切刃を備える。長方形切刃を使用することにより、力が正確に中心ではなくドリル本体全体に作用するので、ドリルがその中心からずれることになる。さらに、ドリルのずれにより、実用の用途において不適切な狭い壁が形成される。インデックス可能な従来のドリルインサートは、ドリル穴の直径が、予め所望した値よりも小さい場合にドリル穴の表面を擦る。
【0006】
上記の不都合に鑑み、4つの同一の切刃を有するドリルインサートを開発することが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に記載のドリルインサートを設けることによって、従来技術の欠点が克服されかつ追加の利点が提供される。追加の特徴及び利点は本開示の技術によって実現される。本開示の他の実施形態及び態様は本明細書に詳細に記載され、主張する本開示の一部であると考えられる。
【0008】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)であって、ほぼ平坦な頂面(2)、底面(3)、及びドリルインサート(1)の4つの側から頂面(2)及び底面(3)に隣接する側面(4)であって、正の切削形状を提供するために底面(3)が頂面(2)よりも小さい、頂面(2)、底面(3)、及び側面(4)と、側面(4)と頂面(2)との交差部に構成された4つの切刃(5)であって、切刃(5)の各々が、ドリル本体(6)の軸線に向かって向けられた第1の部分刃(5a)と、第1の部分刃(5a)から延びる第2の部分刃(5b)と、インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃(5c)であって、前記第2及び前記第3の部分刃(5b及び5c)が共に遷移部分刃(7)によって接合され、前記遷移部分刃(7)が、基準水平軸線に対して約10°〜約90°の範囲の角度を成し、第2の部分刃(5b)と凸曲線(7b)を成し、第3の部分刃(5c)と凹曲線(7a)を成す第3の部分刃(5c)と、1つの切刃(5)の第1の部分刃(5a)に隣接し、後続の切刃(5)の第3の部分刃(5c)を伴うドリルインサート(1)の4つのコーナーの所定の半径のノーズ部(8)とを備えた4つの切刃(5)と、ドリル本体(6)を取り付けるためのドリルインサート(1)の中心のインサートねじ穴(9)とを備える四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)を提供する。
【0009】
一実施形態では、第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び第3の部分刃(5c)は直線状である。
【0010】
一実施形態では、第1の部分刃(5a)は基準水平面(18)に対して負の傾斜を成し、約0°〜約25°の範囲の角度で傾斜される。
【0011】
一実施形態では、第2の部分刃(5b)はドリルインサート(1)の基準水平面(18)に対して平行である。
【0012】
一実施形態では、第3の部分刃(5c)は基準水平面(18)に対して正の傾斜を成し、約0°〜約20°の範囲の角度で傾斜される。
【0013】
一実施形態では、ノーズ部(8)は約0.4mm〜約1mmの範囲の半径を有する。
【0014】
一実施形態では、側面(4)は、頂面(2)から延びる第1の逃げ面(4a)と、第1の逃げ面(4a)から底面(3)に延びる第2の逃げ面(4b)とに構成される。
【0015】
一実施形態では、第1の逃げ面(4a)はインサート軸線(19)に対して約1°〜約9°の範囲の角度を成す。
【0016】
一実施形態では、第2の逃げ面(4b)はインサート軸線(19)に対して約10°〜約30°の範囲の角度を成す。
【0017】
一実施形態では、ドリルインサート(1)は中心インサートであり、ドリル本体(6)の中心ポケット(6a)に取り付けられる。
【0018】
一実施形態では、第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び遷移部分刃(7)は共に、切刃(5)の全長の約10%〜約55%の範囲の長さを形成する。
【0019】
一実施形態では、ドリル(10)は、中心ポケット(6a)に取り付けられた四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)と、周辺ポケット(6b)に取り付けられた周辺インサート(11)とを備える。
【0020】
上記の概要は例示的なものに過ぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的態様、実施形態、及び特徴に加えて、別の態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0021】
本開示の新規な特徴及び特性は添付の特許請求の範囲に記載される。しかし、本開示自体、並びに本開示の好ましい使用モード、別の目的及び利点は、添付図と関連して読むときに、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。ここで、1つ以上の実施形態は、同様の参照番号が同様の要素を表す添付図を参照して一例としてのみ示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本開示によるドリルインサートの頂面斜視図である。
【図2】本開示によるドリルインサートの底面斜視図である。
【図3a】本開示によるドリルインサートの平面図である。
【図3b】本開示によるドリルインサートの平面図である。
【図4a】本開示によるドリルインサートの側面図である。
【図4b】本開示によるインサートの部分刃側面を示したドリルインサートの底面斜視図である。
【図5】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとからなるドリル本体の斜視図である。
【図6】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとからなるドリル本体の斜視図である。
【図7】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとを備えるドリル工具の側面図である。
【図8】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートとドリル本体の周辺ポケットの周辺インサートとを備えるドリル工具の側面図である。
【図9】本開示によるドリル本体の中心ポケットのドリルインサートを備えるドリル工具の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図は、例示目的のみのために本開示の実施形態を示している。当業者は、以下の説明から、本明細書に記載した本開示の原理から逸脱することなく、本明細書に示される構造及び方法の代替実施形態を使用してもよいことを容易に認識するであろう。
【0024】
上記のことは、以下の本開示の詳細な説明をよりよく理解し得るために本開示の特徴及び技術的利点を広く略述している。本開示の請求項の主題を形成する本開示の追加の特徴及び利点について以下に説明する。開示した概念及び特定の実施形態は、本開示の同じ目的を実行するための他の構造体を修正又は設計するための基礎として容易に利用し得ることが当業者によって認識されるべきである。このような等価の構造が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の精神及び範囲から逸脱しないことも当業者によって実現されるべきである。別の目的及び利点と共に、本開示の操作機構及び方法の両方に関して本開示の特性であると考えられる新規な特徴は、添付図と関連して考慮するときに以下の説明からよりよく理解されるであろう。しかし、図の各々が例示及び説明目的のみのために提供され、本開示の限定の定義として意図されるものではないことを明確に理解すべきである。
【0025】
この点において、1つのみ又は任意の組み合わせであるにしろ、構成要素の全てが、本発明にとって不可欠であると主張され、特に、図面に示した詳細及び図面の参照番号が以下のように付与されることに留意されたい。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
背景技術に記載した欠点を克服するために、四辺形のインデックス可能なドリルインサートが開発される。本開示のドリルインサートは、ドリル本体の中心に及びドリル本体の後端に向かって力を導く複数の部分刃を有する4つの同一の切刃からなり、穿孔作業中にドリル本体がその中心からずれることを防止するのを助ける。
【0030】
図1及び図2は、本開示の例示的な実施形態であり、インデックス可能なドリルインサート(1)の頂面及び底面斜視図を示している。ドリルインサート(1)の実施形態はドリル/ドリル工具(10)の内部/中心ポケットに使用される。したがって、内部/中心ポケットは内向き部、又は内向きインサートと呼ばれる。ドリルインサート(1)は、頂面(2)と、底面(3)と、頂面及び底面(2と3)のそれぞれに隣接する側面(4)とを備える。ドリルインサート(1)の頂面(2)は、ドリルインサート(1)とドリル本体(6)のポケット(6a)との間に正の切削形状を提供するために、底面(3)よりも大きくされる。頂面(2)は、片側に切刃を形成するために側面(4)に交差する。各切刃(5)は複数の部分刃(5a、5b及び5c)に分割される。部分刃は、加えられた力をドリル軸線(17)を通してドリル本体に導き、ドリル本体(6)がその中心からずれることを防止する。第1の部分刃(5a)は負の傾斜を成し、すなわち、第1の部分刃(5a)はドリル軸線(17)に向かって外側に向けられ、ドリルインサート(1)の基準水平面(18)に対して約0°〜約25°の範囲、好ましくは20°の角度「α」を成す。第2の部分刃(5b)は第1の部分刃(5a)の他端から延び、ドリルインサート(1)の基準水平面(18)に平行である。第3の部分刃(5c)は遷移部分刃(7)を介して第2の部分刃(5b)に接続される。第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び第3の部分刃(5c)は本質的に直線状である。第3の部分刃(5c)はインサート(1)の中心から離れて向けられる。遷移部分刃(7)は、第2の部分刃(5b)と凸曲線(7b)を成し、隣接する第3の部分刃(5c)と凹曲線(7a)を成すスプラインである。各切刃(5)のコーナーは、約0.4mm〜約1mmの範囲、好ましくは0.5mmのコーナー/ノーズ半径「R」を有するノーズ部(8)として構成される。ノーズ部(8)は、1つの切刃(5)の第3の部分刃(5c)に接続され、次の切刃(5)の第1の部分刃(5a)を伴う。コーナー半径(R)はインサート(1)の厚さ(T)と仮想内接円(12)の直径(D)とに依存する。
【0031】
ドリルインサート(1)は、さらに、インサート(1)にドリル本体(6)を取り付けるために、ドリルインサート(1)の頂面(2)から底面(3)に延びる中心のインサートねじ穴(9)からなる。また、口部(16)は、インサートねじ(15)によってドリルインサート(1)とドリル本体(6)との間を接続するために頂面(2)のインサートねじ穴(9)に設けられる。口部(16)は、さらに、ドリル本体(6)でクランプする間にねじ(15)のねじ頭部(15a)を支持するための肩部面(16a)からなる。口部(16)には、さらに、頂面(2)のインサートねじ穴(9)の周りの突出部(20)が設けられる。突出部(20)は、穿孔作業中に生じるチップ(図示せず)の切削、及びドリル本体(6)のヘリカルフルート部(14)に切削チップを導くことを容易にし、したがって、ドリル(10)からチップを除去する。
【0032】
図3a及び図3bを参照すると、図は、本開示によるドリルインサート(1)の平面図を示している。切刃(5)を遷移刃(7)と共に3つの部分刃(5a、5b及び5c)に特徴付けることは、ドリルインサート(1)の平面図に明確に示されている。外向きインサート(11)と共に、内向きインサート(1)の遷移刃(7)を有する部分刃(5a、5b及び5c)が、ドリル本体(6)の中心又はドリル軸線(17)に力を導く。このようにして、ドリル(10)がドリル軸線(17)からずれることを防止する。第1の部分刃(5a)は約20度の角度「α」で設けられ、形成された傾斜は基準水平面(18)に対して負である。第2の部分刃(5b)は基準水平面(18)に対してゼロ度を成す。第3の部分刃(5c)は基準水平面(18)に対して20度の角度「§」を成している。遷移部分刃(7)は基準水平面(18)に対して約10度〜約90度の範囲の角度「β」を成している。遷移部分刃(7)は、傾斜が正である基準水平面(18)に対して45度の角度「β」の急な上昇部を有する切刃の小さな部分である。このことは、第1の部分刃(5a)と遷移部分刃(7)との間に高点を提供し、したがって、遷移部分刃(7)は、最初にインサートに1度〜10度のリード角が付与されるときにワークピースと接触し、時計回り方向に回転する。
【0033】
例えば、図3bに示したように、第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)及び第3の部分刃(5c)は長さL1、L2、及びL3をそれぞれ有することができるであろう。遷移部分刃(7)はL4の長さを有することができるであろう。ノーズ部(8)はまた、切刃(5)の切削長さ(L)に寄与し、L5で示されている。したがって、「L」で示した切刃(5)の全長はL1、L2、L3、L4、及びL5の合計である。仮想内接円(12)の直径(D)がインサートの様々なサイズにより変化し、したがって、部分刃(5a、5b、5c)の長さ及び遷移刃(7)の長さの変化がドリルインサートサイズ及びドリル直径サイズに比例して変化するにつれて、部分刃(5a、5b及び5c)及び遷移刃(7)のサイズ又は長さが変化するようになる。
【0034】
図4aを参照すると、側面(4)は第1の逃げ面(4a)と第2の逃げ面(4b)とに構成される。第1の逃げ面(4a)はドリルインサート軸線(19)に対して約1度〜約9度の範囲、好ましくは9度の角度「Δ1」を成す。この逃げ角は、インサート(1)をドリル本体(6)のポケット(6a)から容易に取り外すのを助ける。第2の逃げ面(4b)はドリルインサート軸線(19)に対して約10度〜約30度の範囲の角度「Δ2」を成す。第2の逃げ面(4b)の前記角度は第1の逃げ面(4a)の厚さ(T1)に応じて変化する。厚さ(T2)の第2の逃げ面(4b)は側面(4)に設けられ、底面(3)に向かっている。第2の逃げ面(4b)はドリル本体(6)のポケット(6a)の掘削を防止し、これにより、次に、穿孔作業中のポケット(6a)の摩耗が排除される。第2の逃げ面(4b)はまた、ドリル穴の直径が所定値よりも小さいときに、ドリルインサート(1)によるワークピースのドリル穴表面(図示せず)の擦れを排除する。
【0035】
図4bを参照すると、側面(4)を備えるドリルインサート(1)は、頂面(2)に交差して部分刃(5a、5b、5c及び7)をそれぞれ形成する複数の部分側面(4c、4d、4e及び7c)からなる。部分側面(4dと4e)はドリルインサート(1)をドリル本体(6)のポケット(6a)の内部に固定する。部分側面(4cと7c)は、内部/中心ポケット(6a)の内側壁(21)と接触し、このようにして、部分刃(5b)及び遷移部分刃(7)の摩耗を防止する。しかし、部分側刃(4dと4e)は内部/中心ポケット(6a)の内側壁(21)と接触して、穿孔作業中の内部/中心ポケット(6a)の内部におけるドリルインサート(1)の回転運動を阻止する。
【0036】
図5〜図8は、ドリル本体(6)の周辺ポケット(6b)(図示せず)の周辺インサート(11)を有するドリル本体(6)、及びドリル本体(6)の内向き/中心ポケット(6a)の内部/内向きインサート(1)の例示的な実施形態を示している。ドリル/ドリル工具(10)は所定の長さのシャンク部(13)と基本円筒形状のドリル本体(6)とを含む。ドリル本体(6)は、ドリルインサートを受容するために、一方がドリル本体の中心にありかつ他方がドリル本体の周辺にある一対のインサートポケットを含む。ドリル本体(6)はまた、穿孔作業中に生じるチップ(図示せず)を除去するために、ドリル本体(6)の前端から延びるドリル本体の長さに沿ってヘリカルフルート(14)を含む。穿孔作業中に生じるチップは、ドリルインサート(1)の突出部(20)(図4aに図示)によって切削され、チップを廃棄するためにドリル本体(6)のヘリカルフルート(14)を介して案内される。
【0037】
一実施形態では、穿孔作業中に生じる力がドリル軸線(17)に導かれるように、任意の外向き/周辺インサートと共に、内向き/内部インサート(1)がドリル本体(6)に位置付けされ、ドリル本体(6)がその中心/ドリル軸線(17)からずれることを防止する。
【0038】
本開示の一実施形態では、穿孔作業中に、内向き/内部インサートは、最初に、適度な切削力を加え、次に、外向き/周辺インサートがワークピースを切削し始める。
【0039】
図9は、ドリル本体(6)の内向き/中心ポケット(6a)の本開示のドリルインサート(1)を備えるドリル/ドリル工具(10)の分解図を示している例示的な実施形態である。ドリルインサート(1)は、ドリル本体(6)と取り付けるために中心ポケット(6a)の形状と位置付けされかつ整合される。さらに、中心ポケット(6a)は、インサートねじ(15)を使用してドリルインサート(1)とドリル本体(6)とを締結/クランプするためのねじ付き穴(23)を含む。インサートねじ(15)は、口表面(16)の肩部(16a)(図3aに図示)のプロファイルと整合しかつ中心ポケット(6a)と締結するねじ頭部(15a)を含む。
【0040】
第1の部分刃(5a)、第2の部分刃(5b)、第3の部分刃(5c)及び遷移部分刃(7)はドリル後端の中心に切削力を導く。これらの部分(5a、5b、5c及び7)、及び周辺インサート(11)の切削部分刃は共に、ドリルが穿孔工程中に受ける切削力をバランスさせる。周辺インサート(11)はドリル本体(6)でクランプする間に周辺ポケット(6b)の内側壁(22)(図示せず)と接触する。したがって、ドリルが中心からずれることが防止される。ドリルのずれは、真っ直ぐな穴を形成せず、楕円形の穴を生じる可能性がある。したがって、力をバランスさせて、ドリルの振動を低減する必要があり、そうでない場合、穴の表面品質が下がる。第3の部分刃(5c)及びノーズ部(8)は共に、外向き/周辺インサート(11)のノーズ部を保護する他の機能に役立つ。このことは、インサートの両方をドリル本体(6)に組み立てる際に、内向きインサート(1)のノーズ部(8)を外向き/周辺インサートのノーズ部のわずかに前方に位置付けすることによって達成される。このことは、全ての4つの真の切刃が穿孔目的のためにインサートの両方に利用可能であることを保証するために行われる。
【0041】
利点
本開示は、中心/内向きポケット用の四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートでは、全ての4つの切刃が穿孔のために使用され、すなわち1つの刃が摩耗した場合に次の刃を切削のために使用することができる。
【0042】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートは、ドリル軸線に力を導くために複数の部分刃に分割される4つの同一の切刃を有し、したがって、ドリルがその中心からずれることが最小化される。
【0043】
本開示は、四辺形のインデックス可能なドリルインサートを提供し、このドリルインサートはその底面に、インサートによるドリル穴の擦れを防止するための第2の逃げ面/面取り部を有する。
【0044】
相当語句
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関し、当業者は、内容及び/又は用途に適切であるように、複数形から単数形に及び/又は単数形から複数形に変えることができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確さのために本明細書で明確に規定することが可能である。
【0045】
一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)に用いられる用語は、通常、「開かれた」用語として意図される(例えば、「含んでいる」という用語は、「〜を含んでいるが、それらに限定されない」と解釈すべきであり、「有している」という用語は、「〜を少なくとも有している」と解釈すべきであり、「含む」という用語は、「〜を含むが、それらに限定されない」と解釈すべきである、等々)ことが当業者によって理解されるであろう。導入された請求項の詳述の特定の数が意図されている場合、このような意図は請求項に明示的に詳述され、そのような詳述がない場合にはそうした意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の詳述を導入するために、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」という導入句の使用を含むことがある。しかし、このような句の使用は、同じ請求項が、導入句「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」及び「a」又は「an」等の不定冠詞を含むときでも、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の詳述の導入が、このような導入された請求項の詳述を含む任意の特定の請求項を、1つのみのこのような詳述を含む発明に限定することを意味すると解釈すべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的に、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈すべきである)。同じことが、請求項の詳述を導入するために使用される定冠詞の使用についても当てはまる。さらに、導入された請求項の詳述の特定の数が明示的に詳述されているとしても、当業者は、このような詳述が、典型的に、少なくとも1つの詳述された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句をもたない「2つの詳述」という裸の詳述は、典型的に、少なくとも2つの詳述、又は2つ以上の詳述を意味する)。さらに、「A、B、及びCの少なくとも1つ、等々」と同様の慣例が使用される当該例において、一般に、このような構文は、当業者が慣例を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又はA、B、及びCを共に、等々を有するシステムを含むが、それらに限定されないであろう)。「A、B、又はCの少なくとも一方、等々」と同様の慣例が使用される当該例において、一般に、このような構文は、当業者が慣例を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又はA、B、及びCを共に、等々を有するシステムを含むが、それらに限定されないであろう)。説明、請求項、又は図面であるにしろ、2つ以上の代替用語を提供する実質的に任意の離接語及び/又は句は、用語の1つ、用語のどちらか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、「A」又は「B」或いは「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0046】
様々な態様及び実施形態について本明細書に開示してきたが、他の態様及び実施形態が当業者に明らかであろう。本明細書に開示した様々な態様及び実施形態は例示目的のためにあり、限定を意図するものではなく、真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって指示される。
【符号の説明】
【0047】
1 ドリルインサート
2 ドリルインサートの頂面
3 ドリルインサートの底面
4 ドリルインサートの側面
4a ドリルインサートの第1の逃げ面
4b ドリルインサートの第2の逃げ面
4c ドリルインサートの部分側面
4d ドリルインサートの部分側面
4e ドリルインサートの部分側面
5 切刃
5a 第1の部分刃
5b 第2の部分刃
5c 第3の部分刃
6 ドリル本体
6a 内向き/中心ポケット
6b 外向き/周辺ポケット
7 遷移刃
7a 遷移刃の凹曲線
7b 遷移刃の凸曲線
7c ドリルインサートの部分側面
8 ノーズ部
9 インサートねじ穴
10 ドリル/ドリル工具
11 周辺インサート
12 仮想内接円
13 ドリル工具のシャンク部
14 ドリル本体のヘリカルフルート
15 インサートねじ
15a インサートねじ頭部
16 ドリルインサート(1)の口部
16a ドリルインサートの口部の肩部
17 ドリル/ドリル工具軸線
18 基準水平面
19 インサート軸線
20 インサートの口表面の周りの突出部
21 内向き/中心ポケットの内側壁
22 外向き/周辺ポケットの内側壁
23 ドリルポケット(6a)のねじ付き穴
D 仮想内接円直径
L 切刃の長さ
L1 第1の部分刃の長さ
L2 第2の部分刃の長さ
L3 第3の部分刃の長さ
L4 遷移部分刃の長さ
L5 ノーズ部の突出部の長さ
R ノーズ半径
T ドリルインサート(1)の厚さ
T1 第1の逃げ面(4a)の厚さ
T2 第2の逃げ面(4b)の厚さ
α 第1の部分刃の角度
β 遷移部分刃の角度
Δ1 第1の逃げ角
Δ2 第2の逃げ角
§ 第3の部分刃の角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)であって、
ほぼ平坦な頂面(2)、底面(3)、及び前記ドリルインサート(1)の4つの側から前記頂面(2)及び前記底面(3)に隣接する側面(4)であって、正の切削形状を提供するために前記底面(3)が前記頂面(2)よりも小さい、頂面(2)、底面(3)、及び側面(4)と、
前記側面(4)と前記頂面(2)との交差部に構成された4つの切刃(5)であって、前記切刃(5)の各々が、
ドリル本体(6)の軸線に向かって向けられた第1の部分刃(5a)と、
前記第1の部分刃(5a)から延びる第2の部分刃(5b)と、
インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃(5c)であって、前記第2及び前記第3の部分刃(5b及び5c)が共に遷移部分刃(7)によって接合され、前記遷移部分刃(7)が、基準水平軸線に対して約10°〜約90°の範囲の角度を成し、前記第2の部分刃(5b)と凸曲線(7b)を成し、前記第3の部分刃(5c)と凹曲線(7a)を成す第3の部分刃(5c)と、
1つの切刃(5)の前記第1の部分刃(5a)に隣接し、後続の切刃(5)の前記第3の部分刃(5c)を伴う前記ドリルインサート(1)の4つのコーナーの所定の半径のノーズ部(8)と、
を備えた4つの切刃(5)と、
前記ドリル本体(6)を取り付けるための前記ドリルインサート(1)の中心のインサートねじ穴(9)と、
を備える四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)。
【請求項2】
前記第1の部分刃(5a)、前記第2の部分刃(5b)及び前記第3の部分刃(5c)が直線状である請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項3】
前記第1の部分刃(5a)が基準水平面(18)に対して負の傾斜を成し、約0°〜約25°の範囲の角度で傾斜される請求項1又は2に記載のドリルインサート(1)。
【請求項4】
前記第2の部分刃(5b)が前記ドリルインサート(1)の前記基準水平面(18)に対して平行である請求項1〜3のいずれか一項に記載のドリルインサート(1)。
【請求項5】
前記第3の部分刃(5c)が基準水平面(18)に対して正の傾斜を成し、約0°〜約20°の範囲の角度で傾斜される請求項1〜4のいずれか一項に記載のドリルインサート(1)。
【請求項6】
前記ノーズ部(8)が約0.4mm〜約1mmの範囲の半径を有する請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項7】
前記側面(4)が、前記頂面(2)から延びる第1の逃げ面(4a)と、前記第1の逃げ面(4a)から前記底面(3)に延びる第2の逃げ面(4b)とに構成される請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項8】
前記第1の逃げ面(4a)がインサート軸線(19)に対して約1°〜約9°の範囲の角度を成す請求項7に記載のドリルインサート(1)。
【請求項9】
前記第2の逃げ面(4b)がインサート軸線(19)に対して約10°〜約30°の範囲の角度を成す請求項7に記載のドリルインサート(1)。
【請求項10】
前記ドリルインサート(1)が中心インサートであり、前記ドリル本体(6)の中心ポケット(6a)に取り付けられる請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項11】
前記第1の部分刃(5a)、前記第2の部分刃(5b)及び前記遷移部分刃(7)が共に、前記切刃(5)の全長の約10%〜約55%の範囲の長さを形成する請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項12】
中心ポケット(6a)に取り付けられた請求項1に記載の四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)と、周辺ポケット(6b)に取り付けられた周辺インサート(11)とを備えるドリル(10)。
【請求項1】
四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)であって、
ほぼ平坦な頂面(2)、底面(3)、及び前記ドリルインサート(1)の4つの側から前記頂面(2)及び前記底面(3)に隣接する側面(4)であって、正の切削形状を提供するために前記底面(3)が前記頂面(2)よりも小さい、頂面(2)、底面(3)、及び側面(4)と、
前記側面(4)と前記頂面(2)との交差部に構成された4つの切刃(5)であって、前記切刃(5)の各々が、
ドリル本体(6)の軸線に向かって向けられた第1の部分刃(5a)と、
前記第1の部分刃(5a)から延びる第2の部分刃(5b)と、
インサート軸線から離れて延びる第3の部分刃(5c)であって、前記第2及び前記第3の部分刃(5b及び5c)が共に遷移部分刃(7)によって接合され、前記遷移部分刃(7)が、基準水平軸線に対して約10°〜約90°の範囲の角度を成し、前記第2の部分刃(5b)と凸曲線(7b)を成し、前記第3の部分刃(5c)と凹曲線(7a)を成す第3の部分刃(5c)と、
1つの切刃(5)の前記第1の部分刃(5a)に隣接し、後続の切刃(5)の前記第3の部分刃(5c)を伴う前記ドリルインサート(1)の4つのコーナーの所定の半径のノーズ部(8)と、
を備えた4つの切刃(5)と、
前記ドリル本体(6)を取り付けるための前記ドリルインサート(1)の中心のインサートねじ穴(9)と、
を備える四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)。
【請求項2】
前記第1の部分刃(5a)、前記第2の部分刃(5b)及び前記第3の部分刃(5c)が直線状である請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項3】
前記第1の部分刃(5a)が基準水平面(18)に対して負の傾斜を成し、約0°〜約25°の範囲の角度で傾斜される請求項1又は2に記載のドリルインサート(1)。
【請求項4】
前記第2の部分刃(5b)が前記ドリルインサート(1)の前記基準水平面(18)に対して平行である請求項1〜3のいずれか一項に記載のドリルインサート(1)。
【請求項5】
前記第3の部分刃(5c)が基準水平面(18)に対して正の傾斜を成し、約0°〜約20°の範囲の角度で傾斜される請求項1〜4のいずれか一項に記載のドリルインサート(1)。
【請求項6】
前記ノーズ部(8)が約0.4mm〜約1mmの範囲の半径を有する請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項7】
前記側面(4)が、前記頂面(2)から延びる第1の逃げ面(4a)と、前記第1の逃げ面(4a)から前記底面(3)に延びる第2の逃げ面(4b)とに構成される請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項8】
前記第1の逃げ面(4a)がインサート軸線(19)に対して約1°〜約9°の範囲の角度を成す請求項7に記載のドリルインサート(1)。
【請求項9】
前記第2の逃げ面(4b)がインサート軸線(19)に対して約10°〜約30°の範囲の角度を成す請求項7に記載のドリルインサート(1)。
【請求項10】
前記ドリルインサート(1)が中心インサートであり、前記ドリル本体(6)の中心ポケット(6a)に取り付けられる請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項11】
前記第1の部分刃(5a)、前記第2の部分刃(5b)及び前記遷移部分刃(7)が共に、前記切刃(5)の全長の約10%〜約55%の範囲の長さを形成する請求項1に記載のドリルインサート(1)。
【請求項12】
中心ポケット(6a)に取り付けられた請求項1に記載の四辺形のインデックス可能なドリルインサート(1)と、周辺ポケット(6b)に取り付けられた周辺インサート(11)とを備えるドリル(10)。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−22729(P2013−22729A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160028(P2012−160028)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【出願人】(512012470)ケンナメタル インディア リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【出願人】(512012470)ケンナメタル インディア リミテッド (3)
【Fターム(参考)】
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