ウインチ
【課題】本発明は、スムーズにワイヤロープ等の紐状体を移動し、ワイヤロープの磨耗が少なく、ウインチの設置が容易で、安全性にとんだウインチ、及び該ウインチを用いたワイヤロープ等の紐状体の取り込み移動システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の課題を解決するための手段は、外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと該巻回ドラムを回転する駆動軸との設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、少なくとも巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応し且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられていることである。
【解決手段】本発明の課題を解決するための手段は、外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと該巻回ドラムを回転する駆動軸との設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、少なくとも巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応し且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられていることである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主にネット又はシートの設けられたワイヤロープ等の紐状体をエンドレスに移動するのに使用するウインチに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば、屋内施設でのネットを用いた間仕切りシステムや、屋外のプール等に使用するＵＶカットシートの開閉システム、ゴルフ練習場の防球用ネットの昇降システムにおいて、ネット又はシートを移動する際に、ワイヤロープをエンドレスに移動するのに無端状のウインチを使用する。
【０００３】
上記屋内施設でのネットを用いた間仕切り用システムの具体例としては、無端状のウインチと、屋内側面又は天井に沿って滑車を介してループ状に吊り張りしたウインチ用ワイヤロープと、該ウインチ用ワイヤロープに一端側を連結した複数の吊り上げ用ワイヤロープと、吊り上げ用ワイヤロープの他端側に連結されたネットとから構成された装置を用いて、ウインチの巻回ドラムを正方向（正方向とは時計回りをいう）／逆方向（反時計回りをいう）に回転してウインチ用ワイヤロープを無端状に移動することで、ウインチ用ワイヤロープに連結された吊り上げ用ワイヤロープを昇降移動し、該吊り上げ用ワイヤロープに連結されたネットを空間部に吊り張りしたり、又は床側に収納したりして、ネットで空間部を間仕切り／開放する。（参考特開２００３−１１７０４６号公報）
【０００４】
また、上記屋外のプール等に使用するＵＶカットシートの開閉用システムの具体例としては、無端状のウインチと、滑車間でプールの上方側にループ状に吊り張りしたウインチ用ワイヤロープと、該ウインチ用ワイヤロープに並行に吊り張りしたガイド用ワイヤロープと、該ガイド用ワイヤロープに連結具を介して移動自在に設けられたＵＶカットシートとから構成された装置を用いて、ウインチの巻回ドラムを正方向／逆方向に回転してウインチ用ワイヤロープをエンドレスに移動することで、ガイド用ワイヤロープに連結具を介して設けられたＵＶカットシートをガイド用ワイヤロープに沿って閉塞する方向に並行移動したり、又は開放する方向に並行移動することで、空間部を閉塞／開放する。（特開２００４−２８５８２１号公報）
【０００５】
また、上記ゴルフ練習場の防球用ネットの昇降システムの具体例としては、複数の無端状のウインチと屋外空間部を区画する各支柱の上下方向に設けられた滑車間でループ状に吊り張りした複数のウインチ用ワイヤロープと、該ウインチ用ワイヤロープに直接取り付けられた防球用ネットとから構成された装置を用いて、各ウインチの巻回ドラムを正方向／逆方向に回転して、複数のウインチ用ワイヤロープを支柱の上下間で上昇移動して防球用ネットを吊り張りし、又は支柱の上下間で下降移動して防球用ネットを収納する。（特開２０００−０３７４９２号公報）
【０００６】
上記各システムにおいて、ワイヤロープにはその自重、及びネット等の荷重がかかり、ワイヤロープを移動するウインチの巻回ドラムへの取り入れ側と取り出し側とでその荷重等が相違し、ウインチの近傍でワイヤロープに弛みや撓みが発生する。この弛み等を解消するために、ウインチ本体に案内ガイドと案内ローラ、及び巻回ドラムの外周の溝に沿って押圧移動体を設けたウインチが開発された（特開２０００−３５１５８０号等）。
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記従来より使用されているウインチは、ウインチ本体の巻回ドラムに近接して案内ガイドと案内ローラ、及び押圧移動体を設けることにより、ワイヤロープを巻回ドラム側に取り込み移動する側を押圧して、ワイヤロープの弛みや撓みを解消しスムーズな移動を行うことができるが、各押圧手段がウインチ本体と一体として構成されているために、巻回ドラム回転時にワイヤロープへの負荷が大きく、ワイヤロープの磨耗が大きく頻繁なメンテナンスを必要とする欠点があった。
【０００８】
また、従来のウインチでは、巻回ドラムに押圧移動体が同期するように設けられているために、巻回ドラムの外周の溝側への押圧力が同じ力（一定の力を維持）であり、その調整は押圧移動体の取り付け位置を変更する等煩雑な作業を必要とする。
【０００９】
また、ワイヤロープに発生する弛みや撓みの解消は、従来のウインチでは巻回ドラムの外周の溝側への押圧で行ってきたが、ワイヤロープに発生する弛みや撓みの解消は巻回ドラムの近傍で行うほうが、よりスムーズなワイヤロープの移動が可能となる。
【００１０】
また、屋内や屋外において、ウインチの設置スペースにより、ウインチよりのワイヤロープの取り出し方向及びウインチへの取り入れ方向がいろいろと相違する場合があるが、従来のウインチにおいては、ワイヤロープの取り出し方向及びウインチへの取り入れ方向が同一方向で一定であるために、多くの滑車を用いてワイヤロープのウインチへの取り入れ方向及び取り出し方向と吊り張り方向とを調整しなければならなく、その調整が煩雑であるととともに、ワイヤロープの吊り張りシステムを変更しなければならないという欠点があった。
【００１１】
そこで、本発明は上記問題点を解決すべくスムーズにワイヤロープ等の紐状体を移動し、ワイヤロープの磨耗が少なく、ウインチの設置が容易で、安全性にとんだウインチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明の上記課題を解決するためのウインチとしての第１の手段は請求項１に記載のように、外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを回転する駆動軸との設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、少なくとも巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられていることを特徴とする。
【００１３】
ウインチとしての第２の手段は、請求項２に記載のように、外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを正方向／逆方向に回転する駆動軸と、前記巻回ドラムの外周に沿ってワイヤロープ等の紐状体を溝側に押圧する帯状体の設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向に沿ってそれぞれ該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向にそれぞれ対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられ、しかも各揺動押圧体が前記帯状体と連動すべく構成されていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【００１４】
次に、本発明のウインチの作用及び効果について説明する。
【００１５】
先ず、本発明のウインチの第１の手段は、ウインチ本体に設けられた駆動軸を駆動源で回転駆動することで巻回ドラムを一方向に回転し、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を回転しながら移動することで、ウインチにワイヤロープ等の紐状体を取り入れ移動しするとともに、ウインチより取り出し移動する。
【００１６】
この際、少なくとも巻回ドラム側へのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられた揺動押圧体が揺動移動するために、前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応、すなわち揺動する範囲内でワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向と最短の直線方向を得るように揺動してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラムの外周の溝に移動させる。
【００１７】
また、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が大きい場合は、揺動押圧体を巻回ドラムの外周の溝側へ強く押圧してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動し、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が小さい場合は、揺動押圧体の巻回ドラムの外周の溝側への押圧力が弱く緩やかにワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動する。
【００１８】
そして、巻回ドラムに取り入れられたワイヤロープ等の紐状体はスムーズに巻回ドラムに取り入れられ、該巻回ドラムの回転に沿って巻回ドラムより取り出し側へと移動する
【００１９】
このように、本発明のウインチは揺動押圧体でワイヤロープ等の紐状体を揺動しながら押圧移動することができるので、従来のウインチに比し、確実にワイヤロープ等の紐状体の荷重に対応して揺動量を調整しながらワイヤロープ等の紐状体のウインチへの取り入れ移動することができる。
【００２０】
しかも、揺動押圧体によりワイヤロープ等の紐状体を取り入れ方向に適切に対応することができるので、ワイヤロープ等の紐状体の吊り張り方向とウインチの設置とを自在に対応することができ、あらむる空間部での設置が可能となる。
【００２１】
また、揺動押圧体は巻回ドラムの外周の溝に応じてその形状を対応できるために、ウインチ全体の小型化を図ることが可能となる。
【００２２】
次に、本発明のウインチの第２の手段は、ウインチ本体に設けられた駆動軸を駆動源で回転駆動することで巻回ドラムを正方向に回転し、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体をウインチに取り入れ移動するとともに、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を帯状体で押圧しなから巻回移動し、巻回移動したワイヤロープ等の紐状体をウインチより取り出し移動する。
【００２３】
次に、駆動軸を駆動源で回転駆動することで巻回ドラムを上記と逆方向に回転し、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を前記ウインチへの取り出し方向よりウインチに取り入れ移動するとともに、該巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を帯状体で押圧しなから巻回移動し、巻回移動したワイヤロープ等の紐状体を前記ウインチへの取り入れ方向より取り出し移動する。
【００２４】
この際、巻回ドラム側へのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられた揺動押圧体が揺動移動するために、前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応、すなわち揺動する範囲内でワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向と最短の直線方向を得るように揺動してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラムの外周の溝に移動させる。
【００２５】
また、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が大きい場合は、揺動押圧体を巻回ドラムの外周の溝側へ強く押圧してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動し、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が小さい場合は、揺動押圧体の巻回ドラムの外周の溝側への押圧力が弱く緩やかにワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動する。
【００２６】
次に、巻回ドラムに取り入れられたワイヤロープ等の紐状体はスムーズに巻回ドラムに取り入れられ、該巻回ドラムの回転に沿って巻回ドラムより取り出し側へと移動する。
【００２７】
そして、上記巻回ドラムより取り出し側へと移動したワイヤロープ等の紐状体は、取り出し部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられた揺動押圧体が揺動移動するために、前記ワイヤロープ等の紐状体の取り出し方向に対応、すなわち揺動する範囲内でワイヤロープ等の紐状体の取り出し方向と最短の直線方向を得るように揺動して、速やかに取り出し移動する。
【００２８】
また、ワイヤロープ等の紐状体の取り出し側では、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が少ないために、揺動押圧体の巻回ドラムの外周の溝側への押圧が弱く緩やかにワイヤロープ等の紐状体を取り出しする。
【００２９】
さらに、帯状体による巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧と揺動押圧体とが連動しているために、ワイヤロープ等の紐状体のウインチへの取り入れ及びウインチよりの取り出し移動がスワーズに行えることとなる。
【００３０】
このように、本発明のウインチは、揺動押圧体により巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ及び取り出しを適切に調整することができるので、確実に巻回ドラムの駆動をワイヤロープ等の紐状体に伝えることができる。
【００３１】
しかも、帯状体と連動することで、ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ及び取り出し方向の荷重が相違に対しても確実に対応することができる。
【００３２】
また、本発明は従来の無端状のウインチでの撓みや弛みを解消する際に生じるワイヤロープ等の紐状体への磨耗をおさえ、スムーズなワイヤロープ等の紐状体の移動を可能とし、メンテナンス作業を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明のウインチの一実施例を示す概略説明正面図
【図２】本発明のウインチの使用例を示す概略説明図
【図３】揺動押圧体の取り付けの他実施例を示す概略説明一部正面図
【図４】揺動押圧体の他実施例を示す概略説明一部正面図
【図５】揺動押圧体の他実施例を示す概略説明一部正面図
【図６】本発明のウインチの他実施例で揺動押圧体と帯状体との連結を示す概略説明正面図
【図７】揺動押圧体と帯状体とが別体状態を示す概略説明正面図
【発明を実施するための最良の形態】
【００３４】
以下、本発明のウインチの構成の一実施例について図面を用いて説明する。
【００３５】
本発明のウインチ１は、ワイヤロープ等の紐状体を一方よりウインチ本体２に取り込むとともにウインチ本体２の他方より取り出し移動するエンドレス（無端状）ウインチ（以後ウインチで表す）である。また、本発明においてワイヤロープ等の紐状体とは、一般的な金属製のワイヤロープ、通常の樹脂製の強化ロープ、外周に樹脂の設けられたロープ等の強度のある材質及び新素材による重量の軽ロープの総称である（以下、紐状体７で表す）。
【００３６】
ウインチ１の基本構成は、駆動軸５の設けられたウインチ本体２と該ウインチ本体２の駆動軸５を回転駆動する駆動部（図示せず）とからなり、ウインチ本体２の駆動軸５には外周縁に略Ｖ字状の溝が形成された巻回ドラム６が前記駆動軸５の正方向への回転／逆方向への回転によって回転すべく取り付けられている。駆動軸５を回転駆動する駆動部は、電動の場合は、駆動軸５に直接、又は間接的に取り付けられたモータであり、手動の場合は駆動軸５に直接、又は間接的に取り付けられたハンドルである。
【００３７】
上記ウインチ本体２に紐状体７を取り入れ移動するとともにウインチ本体２より紐状体７を取り出し移動する構成は、巻回ドラム６への紐状体７の取り入れる部分に近接又は接して、及び巻回ドラム６より紐状体７を取り出し部分に近接又は接して揺動押圧体９が設けられている。
【００３８】
上記揺動押圧体９の基本構成は、中央部をウインチ本体２に軸支しシーソー状に揺動する揺動連結板１０と、該揺動連結板１０の両端側に回転自在に軸支した２個の押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂとから構成され、一方の押圧案内ローラ１１ａが巻回ドラム６外周の溝側へ移動すると他方の押圧案内ローラ１１ｂは巻回ドラム６外周の溝側より離反すべく移動する。
【００３９】
本発明のウインチ１は上記のように構成され、ウインチ１を用いてガイド用吊張ワイヤー１２に連結具１５を介して移動自在に吊り張りしたネット１４を開閉移動する場合について説明する。
【００４０】
先ず、屋内空間部の側面間、又は天井側に沿って滑車１６を取り付け、該空間部の一方の側面にウインチ１を取り付け、該ウインチ１の巻回ドラム６と滑車１６との間に紐状体７をループ状に吊り張りし、該紐状体７の下端側近傍に紐状体７と並行に２本のガイド用吊張ワイヤー１２を吊り張りし、該ガイド用吊張ワイヤー１２に連結具（図示せず）を介して移動自在にネット１４を吊り張りし、ネット１４の先端側を連結具を介して紐状体７に連結固定する。この状態でネット１４は側面側に収納された状態とする。
【００４１】
次に、ウインチ１の駆動部を駆動して、ウインチ本体１に設けられた駆動軸５を回転駆動し巻回ドラム６を回転することで、巻回ドラム６の外周の溝に設けられた紐状体７をウインチ１と滑車１６間でループ状に移動する。
【００４２】
上記紐状体７の移動に伴ってガイド用吊張ワイヤー１２に吊り張りしたネット１４は、側面側よりそれぞれ空間部中央に移動し空間部をガイド用吊張ワイヤー１２に沿って間仕切りすることでができる。
【００４３】
ウインチ１では、紐状体７のウインチ１への取り付け部分よりガイド体８に沿って紐状体７を巻回ドラム６側へ取り入れ移動し、巻回ドラム６側よりガイド体８に沿って紐状体７のウインチ１より取り出し部分へ取り出し移動する。
【００４４】
そして、巻回ドラム６近傍では、取り入れ移動した紐状体７を巻回ドラム６より離反する方向に回動した押圧案内ローラ１１ａに沿ってスムーズに移動した後、押圧案内ローラ１１ａの移動により揺動連結体１０が揺動し押圧案内ローラ１１ｂａを巻回ドラム６の外周の溝側に押圧し紐状体７を溝側に押圧しながら、巻回ドラム６の回転に沿って紐状体７を取り入れ移動する。
【００４５】
また、巻回ドラム６より取り出し移動する紐状体７は、巻回ドラム６の外周の溝に沿って移動した後、押圧案内ローラ１１ｂに沿ってスムーズに巻回ドラム６より取り出し移動し、押圧案内ローラ１１ａにより取り出し部分より紐状体７を取り出し移動する。
【００４６】
上記のように、揺動押圧体９は、紐状体７のウインチ１への取り入れ側では、押圧案内ローラ１１ａで紐状体７を取り入れ移動することで、押圧案内ローラ１１ｂａが巻回ドラム６の外周の溝側に押圧移動され、紐状体７を溝側に押圧しながら移動することができ、紐状体７のウインチ１よりの取り出し側では、巻回ドラム６の外周の溝より取り出し移動した紐状体７が押圧案内ローラ１１ｂを押圧しながら押圧案内ローラ１１ａ側に移動するために、紐状体７は巻回ドラム６に適切に取り入れられ、また巻回ドラム６より適切に取り出し移動される。
【００４７】
このため、紐状体７のウインチ１よりの取り出し側では、押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂが巻回ドラム６の外周の溝側に押圧されることなくスムーズに紐状体７のウインチ１よりの取り出しができる。
【００４８】
そして、紐状体７の巻回ドラム６への取り入れ側と、巻回ドラム６よりの取り出し側とで、紐状体７にかかる負荷が相違する場合であっても、確実に巻回ドラム６の回転駆動を紐状体７に伝動することができ、無駄なく紐状体７の移動ができる。
【００４９】
また、紐状体７の駆動時の磨耗を極力少なくし、メンテナンスを削減することができる。
【００５０】
尚、上記実施例において、揺動押圧体９を巻回ドラム６側のウインチ１への紐状体７の取り入れ側及び取り出し側とにそれぞれ取り付けたが、本発明において、揺動押圧体９の取り付け位置はこれに限定されるものでなく、例えば、ウインチ１の使用システムに応じてウインチ１への紐状体７の取り入れ側のみに揺動押圧体９を設けることもできる。
【００５１】
また、上記実施例では、揺動押圧体９を紐状体７の巻回ドラム６側への取り入れ、及び紐状体７の巻回ドラム６側よりの取り出しの押圧を補助したが、揺動押圧体９の押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを利用して、例えば押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂ間に紐状体７を挿通することで揺動連結板１０を垂直方向又は水平方向として、その押圧力を少なくすべく調整することも可能である。
【００５２】
また、上記実施例では、揺動押圧体９を押圧を補助するために利用したが、本発明においては紐状体７のウインチ１への取り入れ方向及び取り出し方向に対応する、すなわち、巻回ドラム６側への紐状体７の取り入れ部分に沿って該巻回ドラム６の外周に設けられた揺動押圧体９が揺動移動するために、前記紐状体７の取り入れ方向に対応、すなわち揺動する範囲内で紐状体７の取り入れ方向と最短の直線方向を得るように揺動連結対１０を揺動して紐状体７の取り入れ方向に対応する。
【００５３】
また、揺動押圧体９を巻回ドラム６の外周の所望の位置に設けることで、押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを利用して紐状体７の取り出し方向及び取り入れ方向を巻回ドラム６の外周３６０度自在に設定することができる。
【００５４】
また、巻回ドラム６に取り入れ移動する紐状体７に生じる撓み／弛みも、上記のように押圧案内ローラ１１ａと押圧案内ローラ１１ｂとのシーソー状の移動することにより、揺動押圧体９部分で容易に解消することができる。
【００５５】
また、揺動押圧体９を巻回ドラム６の外周の所望の位置に設けることで、押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを利用して紐状体７の取り出し方向及び取り入れ方向を巻回ドラム６の外周３６０度自在に設定することができる。
【００５６】
また、巻回ドラム６に取り入れ移動する紐状体７に生じる撓み／弛みも、上記のように押圧案内ローラ１１ａと押圧案内ローラ１１ｂとのシーソー状の移動することにより、揺動押圧体９部分で容易に解消することができる。
【００５７】
また、上記実施例では揺動押圧体９の押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを２個で構成したが、例えば３個を三角状の揺動連結体１０の各端部側に回転自在に軸支することにより、紐状体７の取り入れ及び取り出し経路を自在に設定するとともに、紐状体７への揺動押圧体９による押圧力を調整（紐状体７に当接する押圧案内ローラ１１の数を増減させて）することもできる。
【００５８】
上記、実施例において、揺動押圧体９で紐状体７を巻回ドラム６の外周の溝側に押圧して、巻回ドラム６の回転を紐状体７に伝達したが、本発明において、巻回ドラム６の回転を紐状体７に伝達する方法は上記方法に限定されるものでなく、例えば、巻回ドラム６の外周に沿って帯状体１８を設け、該帯状体１８で巻回ドラム６の回転時に外周の溝側へ紐状体７を押圧すべく構成し、帯状体１８の両端側をそれぞれ上記実施例の揺動押圧体９と連結することで、揺動押圧体９と帯状体１８とを連動させて紐状体７を巻回ドラム６の外周の溝に押圧させながら移動することもできる。また、揺動押圧体９と帯状体１８とを別々に駆動し、紐状体７を巻回ドラム６側へ移動する作用と、巻回ドラム６の外周に沿って押圧して紐状体７の巻回ドラム６よりの離脱を防止することもできる。
【００５９】
また、上記実施例では、ウインチ１への紐状体７の取り入れ及び取り出しにガイド体８を用いていないが、ガイド体８で紐状体７を巻回ドラム６側移動すべく構成することも可能である。
【符号の説明】
【００６０】
１…ウインチ、２…ウインチ本体、６…巻回ドラム、７…紐状体、
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主にネット又はシートの設けられたワイヤロープ等の紐状体をエンドレスに移動するのに使用するウインチに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば、屋内施設でのネットを用いた間仕切りシステムや、屋外のプール等に使用するＵＶカットシートの開閉システム、ゴルフ練習場の防球用ネットの昇降システムにおいて、ネット又はシートを移動する際に、ワイヤロープをエンドレスに移動するのに無端状のウインチを使用する。
【０００３】
上記屋内施設でのネットを用いた間仕切り用システムの具体例としては、無端状のウインチと、屋内側面又は天井に沿って滑車を介してループ状に吊り張りしたウインチ用ワイヤロープと、該ウインチ用ワイヤロープに一端側を連結した複数の吊り上げ用ワイヤロープと、吊り上げ用ワイヤロープの他端側に連結されたネットとから構成された装置を用いて、ウインチの巻回ドラムを正方向（正方向とは時計回りをいう）／逆方向（反時計回りをいう）に回転してウインチ用ワイヤロープを無端状に移動することで、ウインチ用ワイヤロープに連結された吊り上げ用ワイヤロープを昇降移動し、該吊り上げ用ワイヤロープに連結されたネットを空間部に吊り張りしたり、又は床側に収納したりして、ネットで空間部を間仕切り／開放する。（参考特開２００３−１１７０４６号公報）
【０００４】
また、上記屋外のプール等に使用するＵＶカットシートの開閉用システムの具体例としては、無端状のウインチと、滑車間でプールの上方側にループ状に吊り張りしたウインチ用ワイヤロープと、該ウインチ用ワイヤロープに並行に吊り張りしたガイド用ワイヤロープと、該ガイド用ワイヤロープに連結具を介して移動自在に設けられたＵＶカットシートとから構成された装置を用いて、ウインチの巻回ドラムを正方向／逆方向に回転してウインチ用ワイヤロープをエンドレスに移動することで、ガイド用ワイヤロープに連結具を介して設けられたＵＶカットシートをガイド用ワイヤロープに沿って閉塞する方向に並行移動したり、又は開放する方向に並行移動することで、空間部を閉塞／開放する。（特開２００４−２８５８２１号公報）
【０００５】
また、上記ゴルフ練習場の防球用ネットの昇降システムの具体例としては、複数の無端状のウインチと屋外空間部を区画する各支柱の上下方向に設けられた滑車間でループ状に吊り張りした複数のウインチ用ワイヤロープと、該ウインチ用ワイヤロープに直接取り付けられた防球用ネットとから構成された装置を用いて、各ウインチの巻回ドラムを正方向／逆方向に回転して、複数のウインチ用ワイヤロープを支柱の上下間で上昇移動して防球用ネットを吊り張りし、又は支柱の上下間で下降移動して防球用ネットを収納する。（特開２０００−０３７４９２号公報）
【０００６】
上記各システムにおいて、ワイヤロープにはその自重、及びネット等の荷重がかかり、ワイヤロープを移動するウインチの巻回ドラムへの取り入れ側と取り出し側とでその荷重等が相違し、ウインチの近傍でワイヤロープに弛みや撓みが発生する。この弛み等を解消するために、ウインチ本体に案内ガイドと案内ローラ、及び巻回ドラムの外周の溝に沿って押圧移動体を設けたウインチが開発された（特開２０００−３５１５８０号等）。
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、上記従来より使用されているウインチは、ウインチ本体の巻回ドラムに近接して案内ガイドと案内ローラ、及び押圧移動体を設けることにより、ワイヤロープを巻回ドラム側に取り込み移動する側を押圧して、ワイヤロープの弛みや撓みを解消しスムーズな移動を行うことができるが、各押圧手段がウインチ本体と一体として構成されているために、巻回ドラム回転時にワイヤロープへの負荷が大きく、ワイヤロープの磨耗が大きく頻繁なメンテナンスを必要とする欠点があった。
【０００８】
また、従来のウインチでは、巻回ドラムに押圧移動体が同期するように設けられているために、巻回ドラムの外周の溝側への押圧力が同じ力（一定の力を維持）であり、その調整は押圧移動体の取り付け位置を変更する等煩雑な作業を必要とする。
【０００９】
また、ワイヤロープに発生する弛みや撓みの解消は、従来のウインチでは巻回ドラムの外周の溝側への押圧で行ってきたが、ワイヤロープに発生する弛みや撓みの解消は巻回ドラムの近傍で行うほうが、よりスムーズなワイヤロープの移動が可能となる。
【００１０】
また、屋内や屋外において、ウインチの設置スペースにより、ウインチよりのワイヤロープの取り出し方向及びウインチへの取り入れ方向がいろいろと相違する場合があるが、従来のウインチにおいては、ワイヤロープの取り出し方向及びウインチへの取り入れ方向が同一方向で一定であるために、多くの滑車を用いてワイヤロープのウインチへの取り入れ方向及び取り出し方向と吊り張り方向とを調整しなければならなく、その調整が煩雑であるととともに、ワイヤロープの吊り張りシステムを変更しなければならないという欠点があった。
【００１１】
そこで、本発明は上記問題点を解決すべくスムーズにワイヤロープ等の紐状体を移動し、ワイヤロープの磨耗が少なく、ウインチの設置が容易で、安全性にとんだウインチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明の上記課題を解決するためのウインチとしての第１の手段は請求項１に記載のように、外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを回転する駆動軸との設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、少なくとも巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられていることを特徴とする。
【００１３】
ウインチとしての第２の手段は、請求項２に記載のように、外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを正方向／逆方向に回転する駆動軸と、前記巻回ドラムの外周に沿ってワイヤロープ等の紐状体を溝側に押圧する帯状体の設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向に沿ってそれぞれ該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向にそれぞれ対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられ、しかも各揺動押圧体が前記帯状体と連動すべく構成されていることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【００１４】
次に、本発明のウインチの作用及び効果について説明する。
【００１５】
先ず、本発明のウインチの第１の手段は、ウインチ本体に設けられた駆動軸を駆動源で回転駆動することで巻回ドラムを一方向に回転し、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を回転しながら移動することで、ウインチにワイヤロープ等の紐状体を取り入れ移動しするとともに、ウインチより取り出し移動する。
【００１６】
この際、少なくとも巻回ドラム側へのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられた揺動押圧体が揺動移動するために、前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応、すなわち揺動する範囲内でワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向と最短の直線方向を得るように揺動してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラムの外周の溝に移動させる。
【００１７】
また、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が大きい場合は、揺動押圧体を巻回ドラムの外周の溝側へ強く押圧してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動し、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が小さい場合は、揺動押圧体の巻回ドラムの外周の溝側への押圧力が弱く緩やかにワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動する。
【００１８】
そして、巻回ドラムに取り入れられたワイヤロープ等の紐状体はスムーズに巻回ドラムに取り入れられ、該巻回ドラムの回転に沿って巻回ドラムより取り出し側へと移動する
【００１９】
このように、本発明のウインチは揺動押圧体でワイヤロープ等の紐状体を揺動しながら押圧移動することができるので、従来のウインチに比し、確実にワイヤロープ等の紐状体の荷重に対応して揺動量を調整しながらワイヤロープ等の紐状体のウインチへの取り入れ移動することができる。
【００２０】
しかも、揺動押圧体によりワイヤロープ等の紐状体を取り入れ方向に適切に対応することができるので、ワイヤロープ等の紐状体の吊り張り方向とウインチの設置とを自在に対応することができ、あらむる空間部での設置が可能となる。
【００２１】
また、揺動押圧体は巻回ドラムの外周の溝に応じてその形状を対応できるために、ウインチ全体の小型化を図ることが可能となる。
【００２２】
次に、本発明のウインチの第２の手段は、ウインチ本体に設けられた駆動軸を駆動源で回転駆動することで巻回ドラムを正方向に回転し、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体をウインチに取り入れ移動するとともに、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を帯状体で押圧しなから巻回移動し、巻回移動したワイヤロープ等の紐状体をウインチより取り出し移動する。
【００２３】
次に、駆動軸を駆動源で回転駆動することで巻回ドラムを上記と逆方向に回転し、巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を前記ウインチへの取り出し方向よりウインチに取り入れ移動するとともに、該巻回ドラムの外周に形成された溝に沿ってワイヤロープ等の紐状体を帯状体で押圧しなから巻回移動し、巻回移動したワイヤロープ等の紐状体を前記ウインチへの取り入れ方向より取り出し移動する。
【００２４】
この際、巻回ドラム側へのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられた揺動押圧体が揺動移動するために、前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応、すなわち揺動する範囲内でワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向と最短の直線方向を得るように揺動してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラムの外周の溝に移動させる。
【００２５】
また、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が大きい場合は、揺動押圧体を巻回ドラムの外周の溝側へ強く押圧してワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動し、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が小さい場合は、揺動押圧体の巻回ドラムの外周の溝側への押圧力が弱く緩やかにワイヤロープ等の紐状体を巻回ドラム側へ移動する。
【００２６】
次に、巻回ドラムに取り入れられたワイヤロープ等の紐状体はスムーズに巻回ドラムに取り入れられ、該巻回ドラムの回転に沿って巻回ドラムより取り出し側へと移動する。
【００２７】
そして、上記巻回ドラムより取り出し側へと移動したワイヤロープ等の紐状体は、取り出し部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられた揺動押圧体が揺動移動するために、前記ワイヤロープ等の紐状体の取り出し方向に対応、すなわち揺動する範囲内でワイヤロープ等の紐状体の取り出し方向と最短の直線方向を得るように揺動して、速やかに取り出し移動する。
【００２８】
また、ワイヤロープ等の紐状体の取り出し側では、ワイヤロープ等の紐状体への荷重が少ないために、揺動押圧体の巻回ドラムの外周の溝側への押圧が弱く緩やかにワイヤロープ等の紐状体を取り出しする。
【００２９】
さらに、帯状体による巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧と揺動押圧体とが連動しているために、ワイヤロープ等の紐状体のウインチへの取り入れ及びウインチよりの取り出し移動がスワーズに行えることとなる。
【００３０】
このように、本発明のウインチは、揺動押圧体により巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ及び取り出しを適切に調整することができるので、確実に巻回ドラムの駆動をワイヤロープ等の紐状体に伝えることができる。
【００３１】
しかも、帯状体と連動することで、ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ及び取り出し方向の荷重が相違に対しても確実に対応することができる。
【００３２】
また、本発明は従来の無端状のウインチでの撓みや弛みを解消する際に生じるワイヤロープ等の紐状体への磨耗をおさえ、スムーズなワイヤロープ等の紐状体の移動を可能とし、メンテナンス作業を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明のウインチの一実施例を示す概略説明正面図
【図２】本発明のウインチの使用例を示す概略説明図
【図３】揺動押圧体の取り付けの他実施例を示す概略説明一部正面図
【図４】揺動押圧体の他実施例を示す概略説明一部正面図
【図５】揺動押圧体の他実施例を示す概略説明一部正面図
【図６】本発明のウインチの他実施例で揺動押圧体と帯状体との連結を示す概略説明正面図
【図７】揺動押圧体と帯状体とが別体状態を示す概略説明正面図
【発明を実施するための最良の形態】
【００３４】
以下、本発明のウインチの構成の一実施例について図面を用いて説明する。
【００３５】
本発明のウインチ１は、ワイヤロープ等の紐状体を一方よりウインチ本体２に取り込むとともにウインチ本体２の他方より取り出し移動するエンドレス（無端状）ウインチ（以後ウインチで表す）である。また、本発明においてワイヤロープ等の紐状体とは、一般的な金属製のワイヤロープ、通常の樹脂製の強化ロープ、外周に樹脂の設けられたロープ等の強度のある材質及び新素材による重量の軽ロープの総称である（以下、紐状体７で表す）。
【００３６】
ウインチ１の基本構成は、駆動軸５の設けられたウインチ本体２と該ウインチ本体２の駆動軸５を回転駆動する駆動部（図示せず）とからなり、ウインチ本体２の駆動軸５には外周縁に略Ｖ字状の溝が形成された巻回ドラム６が前記駆動軸５の正方向への回転／逆方向への回転によって回転すべく取り付けられている。駆動軸５を回転駆動する駆動部は、電動の場合は、駆動軸５に直接、又は間接的に取り付けられたモータであり、手動の場合は駆動軸５に直接、又は間接的に取り付けられたハンドルである。
【００３７】
上記ウインチ本体２に紐状体７を取り入れ移動するとともにウインチ本体２より紐状体７を取り出し移動する構成は、巻回ドラム６への紐状体７の取り入れる部分に近接又は接して、及び巻回ドラム６より紐状体７を取り出し部分に近接又は接して揺動押圧体９が設けられている。
【００３８】
上記揺動押圧体９の基本構成は、中央部をウインチ本体２に軸支しシーソー状に揺動する揺動連結板１０と、該揺動連結板１０の両端側に回転自在に軸支した２個の押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂとから構成され、一方の押圧案内ローラ１１ａが巻回ドラム６外周の溝側へ移動すると他方の押圧案内ローラ１１ｂは巻回ドラム６外周の溝側より離反すべく移動する。
【００３９】
本発明のウインチ１は上記のように構成され、ウインチ１を用いてガイド用吊張ワイヤー１２に連結具１５を介して移動自在に吊り張りしたネット１４を開閉移動する場合について説明する。
【００４０】
先ず、屋内空間部の側面間、又は天井側に沿って滑車１６を取り付け、該空間部の一方の側面にウインチ１を取り付け、該ウインチ１の巻回ドラム６と滑車１６との間に紐状体７をループ状に吊り張りし、該紐状体７の下端側近傍に紐状体７と並行に２本のガイド用吊張ワイヤー１２を吊り張りし、該ガイド用吊張ワイヤー１２に連結具（図示せず）を介して移動自在にネット１４を吊り張りし、ネット１４の先端側を連結具を介して紐状体７に連結固定する。この状態でネット１４は側面側に収納された状態とする。
【００４１】
次に、ウインチ１の駆動部を駆動して、ウインチ本体１に設けられた駆動軸５を回転駆動し巻回ドラム６を回転することで、巻回ドラム６の外周の溝に設けられた紐状体７をウインチ１と滑車１６間でループ状に移動する。
【００４２】
上記紐状体７の移動に伴ってガイド用吊張ワイヤー１２に吊り張りしたネット１４は、側面側よりそれぞれ空間部中央に移動し空間部をガイド用吊張ワイヤー１２に沿って間仕切りすることでができる。
【００４３】
ウインチ１では、紐状体７のウインチ１への取り付け部分よりガイド体８に沿って紐状体７を巻回ドラム６側へ取り入れ移動し、巻回ドラム６側よりガイド体８に沿って紐状体７のウインチ１より取り出し部分へ取り出し移動する。
【００４４】
そして、巻回ドラム６近傍では、取り入れ移動した紐状体７を巻回ドラム６より離反する方向に回動した押圧案内ローラ１１ａに沿ってスムーズに移動した後、押圧案内ローラ１１ａの移動により揺動連結体１０が揺動し押圧案内ローラ１１ｂａを巻回ドラム６の外周の溝側に押圧し紐状体７を溝側に押圧しながら、巻回ドラム６の回転に沿って紐状体７を取り入れ移動する。
【００４５】
また、巻回ドラム６より取り出し移動する紐状体７は、巻回ドラム６の外周の溝に沿って移動した後、押圧案内ローラ１１ｂに沿ってスムーズに巻回ドラム６より取り出し移動し、押圧案内ローラ１１ａにより取り出し部分より紐状体７を取り出し移動する。
【００４６】
上記のように、揺動押圧体９は、紐状体７のウインチ１への取り入れ側では、押圧案内ローラ１１ａで紐状体７を取り入れ移動することで、押圧案内ローラ１１ｂａが巻回ドラム６の外周の溝側に押圧移動され、紐状体７を溝側に押圧しながら移動することができ、紐状体７のウインチ１よりの取り出し側では、巻回ドラム６の外周の溝より取り出し移動した紐状体７が押圧案内ローラ１１ｂを押圧しながら押圧案内ローラ１１ａ側に移動するために、紐状体７は巻回ドラム６に適切に取り入れられ、また巻回ドラム６より適切に取り出し移動される。
【００４７】
このため、紐状体７のウインチ１よりの取り出し側では、押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂが巻回ドラム６の外周の溝側に押圧されることなくスムーズに紐状体７のウインチ１よりの取り出しができる。
【００４８】
そして、紐状体７の巻回ドラム６への取り入れ側と、巻回ドラム６よりの取り出し側とで、紐状体７にかかる負荷が相違する場合であっても、確実に巻回ドラム６の回転駆動を紐状体７に伝動することができ、無駄なく紐状体７の移動ができる。
【００４９】
また、紐状体７の駆動時の磨耗を極力少なくし、メンテナンスを削減することができる。
【００５０】
尚、上記実施例において、揺動押圧体９を巻回ドラム６側のウインチ１への紐状体７の取り入れ側及び取り出し側とにそれぞれ取り付けたが、本発明において、揺動押圧体９の取り付け位置はこれに限定されるものでなく、例えば、ウインチ１の使用システムに応じてウインチ１への紐状体７の取り入れ側のみに揺動押圧体９を設けることもできる。
【００５１】
また、上記実施例では、揺動押圧体９を紐状体７の巻回ドラム６側への取り入れ、及び紐状体７の巻回ドラム６側よりの取り出しの押圧を補助したが、揺動押圧体９の押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを利用して、例えば押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂ間に紐状体７を挿通することで揺動連結板１０を垂直方向又は水平方向として、その押圧力を少なくすべく調整することも可能である。
【００５２】
また、上記実施例では、揺動押圧体９を押圧を補助するために利用したが、本発明においては紐状体７のウインチ１への取り入れ方向及び取り出し方向に対応する、すなわち、巻回ドラム６側への紐状体７の取り入れ部分に沿って該巻回ドラム６の外周に設けられた揺動押圧体９が揺動移動するために、前記紐状体７の取り入れ方向に対応、すなわち揺動する範囲内で紐状体７の取り入れ方向と最短の直線方向を得るように揺動連結対１０を揺動して紐状体７の取り入れ方向に対応する。
【００５３】
また、揺動押圧体９を巻回ドラム６の外周の所望の位置に設けることで、押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを利用して紐状体７の取り出し方向及び取り入れ方向を巻回ドラム６の外周３６０度自在に設定することができる。
【００５４】
また、巻回ドラム６に取り入れ移動する紐状体７に生じる撓み／弛みも、上記のように押圧案内ローラ１１ａと押圧案内ローラ１１ｂとのシーソー状の移動することにより、揺動押圧体９部分で容易に解消することができる。
【００５５】
また、揺動押圧体９を巻回ドラム６の外周の所望の位置に設けることで、押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを利用して紐状体７の取り出し方向及び取り入れ方向を巻回ドラム６の外周３６０度自在に設定することができる。
【００５６】
また、巻回ドラム６に取り入れ移動する紐状体７に生じる撓み／弛みも、上記のように押圧案内ローラ１１ａと押圧案内ローラ１１ｂとのシーソー状の移動することにより、揺動押圧体９部分で容易に解消することができる。
【００５７】
また、上記実施例では揺動押圧体９の押圧案内ローラ１１ａ，１１ｂを２個で構成したが、例えば３個を三角状の揺動連結体１０の各端部側に回転自在に軸支することにより、紐状体７の取り入れ及び取り出し経路を自在に設定するとともに、紐状体７への揺動押圧体９による押圧力を調整（紐状体７に当接する押圧案内ローラ１１の数を増減させて）することもできる。
【００５８】
上記、実施例において、揺動押圧体９で紐状体７を巻回ドラム６の外周の溝側に押圧して、巻回ドラム６の回転を紐状体７に伝達したが、本発明において、巻回ドラム６の回転を紐状体７に伝達する方法は上記方法に限定されるものでなく、例えば、巻回ドラム６の外周に沿って帯状体１８を設け、該帯状体１８で巻回ドラム６の回転時に外周の溝側へ紐状体７を押圧すべく構成し、帯状体１８の両端側をそれぞれ上記実施例の揺動押圧体９と連結することで、揺動押圧体９と帯状体１８とを連動させて紐状体７を巻回ドラム６の外周の溝に押圧させながら移動することもできる。また、揺動押圧体９と帯状体１８とを別々に駆動し、紐状体７を巻回ドラム６側へ移動する作用と、巻回ドラム６の外周に沿って押圧して紐状体７の巻回ドラム６よりの離脱を防止することもできる。
【００５９】
また、上記実施例では、ウインチ１への紐状体７の取り入れ及び取り出しにガイド体８を用いていないが、ガイド体８で紐状体７を巻回ドラム６側移動すべく構成することも可能である。
【符号の説明】
【００６０】
１…ウインチ、２…ウインチ本体、６…巻回ドラム、７…紐状体、
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを回転する駆動軸との設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、少なくとも巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられていることを特徴とするウインチ。
【請求項２】
外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを正方向／逆方向に回転する駆動軸と、前記巻回ドラムの外周に沿ってワイヤロープ等の紐状体を溝側に押圧する帯状体の設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向に沿ってそれぞれ該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向にそれぞれ対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられ、しかも各揺動押圧体が前記帯状体と連動すべく構成されていることを特徴とするウインチ。
【請求項１】
外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを回転する駆動軸との設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、少なくとも巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ部分に沿って該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向に対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられていることを特徴とするウインチ。
【請求項２】
外周に形成された溝に巻回したワイヤロープ等の紐状体をウインチへ取り入れ及び取り出し移動するための巻回ドラムと、該巻回ドラムを正方向／逆方向に回転する駆動軸と、前記巻回ドラムの外周に沿ってワイヤロープ等の紐状体を溝側に押圧する帯状体の設けられたウインチ本体と、駆動軸を駆動するための駆動源とから構成されたウインチにおいて、巻回ドラムへのワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向に沿ってそれぞれ該巻回ドラムの外周に設けられ、揺動移動することで前記ワイヤロープ等の紐状体の取り入れ方向及び取り出し方向にそれぞれ対応し、且つワイヤロープ等の紐状体への荷重に対応して巻回ドラムの外周に形成された溝側への押圧力を調整する揺動押圧体が設けられ、しかも各揺動押圧体が前記帯状体と連動すべく構成されていることを特徴とするウインチ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１０−６４８９５（Ｐ２０１０−６４８９５Ａ）
【公開日】平成２２年３月２５日（２０１０．３．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２６３２６２（Ｐ２００８−２６３２６２）
【出願日】平成２０年９月１０日（２００８．９．１０）
【出願人】（５９２２０６１５６）東田商工株式会社 (54)
【公開日】平成２２年３月２５日（２０１０．３．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月１０日（２００８．９．１０）
【出願人】（５９２２０６１５６）東田商工株式会社 (54)
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