説明

ウェブ表示プログラム変換システム、ウェブ表示プログラム変換方法、及び、ウェブ表示プログラム変換用プログラム

【課題】パーソナルコンピュータ用ウェブ表示プログラムを、スマートフォン用ウェブ表示プログラムに自動変換するシステムを提供する。
【解決手段】本発明のシステムは、パーソナルコンピュータ用ウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割してリスト化することによって作成されたセグメントリストと、パーソナルコンピュータ用ウェブ表示プログラムに記述された表示設定をスマートフォン用ウェブ表示プログラムの表示設定に変更するためにセグメント毎に作成された変換条件と、セグメントリスト及び変換条件を用いて表示設定を変更すると共に、スマートフォンの選択設定に応じて表示内容を他の表示内容に入れ替えるための変換プログラムとを保存する。セグメントリスト、変換条件及び変換プログラムはスマートフォンに送られ、スマートフォンによって変換プログラムが実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ表示プログラムを変換するシステム、方法及びプログラムに関し、より具体的には、ある装置に適合して生成されたウェブ表示プログラムを別の装置に適合させるための変換を実行するための変換システム、変換方法及び変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機能のついた携帯通信端末であるスマートフォンの利用が伸びている。スマートフォンは、携帯電話の機能に加え、ウェブサイトを閲覧する機能やアプリケーションを実行させる機能などの、複合的な機能を携帯性の高い小型の装置内に内蔵している。従来から、携帯電話でも、ウェブサイトの閲覧や、アプリケーションの実行は、可能であった。携帯電話のこれら機能は、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)がインターネットを介して他のPCやサーバ・コンピュータと接続されたときに実行される機能と、類似している。しかし、一般的な携帯電話では、PC用に提供されているサービスをそのまま受けることはできない。すなわち、携帯電話のこれら機能は、携帯電話のキャリアによって提供される、携帯電話用に特化されたサービスを受けることによって、実現される。
【0003】
これに対して、スマートフォンは、インターネットに直接接続して、PC用に作成されたウェブサイトを閲覧することができる。すなわち、携帯電話ではキャリアが提供する形態電話専用サイトに接続して携帯電話専用HTML(Hyper Text Markup Language)で記述された情報を閲覧するのに対して、スマートフォンではPC用に作成されたHTMLを直接閲覧することができる。このため、ウェブサイトの提供者は、携帯電話で必要とされるような、専用のウェブページを作成する必要は無い。携帯電話専用サイトに関しては、携帯電話等の表示画面の小さい機器に適したウェブページの作成を容易にするための様々な技術が、提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。しかし、作成が容易になったといっても、PCサイトとは別個独立に携帯電話専用のウェブページを制作する必要があり、従って、PCサイトとは別個独立に維持管理を行う必要がある。このため、PCサイトと携帯電話用サイトの両方を運営するサイト運営者は、多くはなかった。
【0004】
これに対して、スマートフォンは、PCサイトをそのまま閲覧でき、従って、スマートフォン専用のHTMLで記述されたウェブページを作成する必要はない。この点で、スマートフォンは、携帯情報機器として、携帯電話よりも優れている。しかし、スマートフォンは、携帯電話と同様、画面のサイズが小さいこと、文字等の入力操作が容易でないこと等のデメリットがある。従って、スマートフォンは、閲覧の容易さや、操作の容易さの点で、必ずしも十分ではない。
【0005】
このため、PC用のウェブページを基にして、スマートフォンに適したウェブサイトを作成するサイト運営者も存在する。例えば、PC用ウェブページの重要でない部分をスマートフォンの表示サイズに合わせて縮小・削除することにより、スマートフォン・ユーザの利便性を考慮したウェブページを作成することができる。
【0006】
HTMLの各要素を定めるダグに対して、CSS(Cascading Style Sheets)と呼ばれる、見栄えを規定するファイルを変更することで、表示方法を変更することができる。例えば、HTMLで記述された情報内に、表組みを規定するタグである<TABLE>があれば、幅を規定するプロパティである<WIDTH>を50%に設定することで、ある程度スマートフォンに適合した表示を行えるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−288243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、PC用のウェブページからスマートフォン用のウェブサイトを作成する場合にも、上述の携帯電話サイトの場合と同じ問題が生じる。すなわち、上述のようにしてスマートフォン専用のサイトを制作した場合も、PCサイトとは別個独立に制作しているのと大差はない。従って、PCサイトとは別個独立に維持管理を行う必要であるとともに、PCサイトの更新とスマートフォン・サイトの更新とを一元化することはできないという課題がある。
【0009】
また、上述のようにCSSを利用する場合、PC用ウェブページを変換する方法として、1個の法則性しか指定できない。このため、個別ページの個別要素毎に別の表示を行うことができないので、十分に視認性を向上させることができないという課題がある。
【0010】
加えて、PC用のウェブページの表示方法を変換するだけで無く、スマートフォンで閲覧する際の利便性を考慮して、表示内容をさらに変更したい場合もある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、一般的な装置用に開発されたウェブ表示プログラムを、予め指定された条件で、特定の他の種類の装置での閲覧に適合できるよう自動的に変換し、特定の装置用にウェブページを作成・管理することなく、その特定の装置に適合するように変換して提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明に係るウェブ表示プログラム変換システムは、通信ネットワークに接続された変換情報サーバ装置を有するウェブ表示プログラム変換システムであって、該変換情報サーバ装置が、第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるために作成された第1のウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割し、それぞれの該セグメントに含まれるそれぞれのタグに識別情報を付与し、これらの識別情報をリスト化することによって作成されたセグメントリストを保存する第1の記憶部と、前記第1のウェブ表示プログラムに記述された表示設定を第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるため第2のウェブ表示プログラムの表示設定に変更するために、前記セグメント毎に作成された変換条件を保存する第2の記憶部と、前記第2の通信装置に、前記セグメントリスト及び前記変換条件を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムから前記第2のウェブ表示プログラムへの変換処理を実行させると共に、前記第2の通信端末装置の選択設定を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行させるための、変換プログラムを保存する第3の記憶部と、前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムを前記通信ネットワークに送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【0013】
第1の発明においては、前記表示内容変更処理が、文字サイズを大きくする処理、漢字にルビを付加する処理、表示言語を変更する処理の何れかを含むことが望ましい。
【0014】
第1の発明においては、前記通信ネットワークに接続された表示情報サーバ装置を更に備え、該表示情報サーバ装置が、前記第1のウェブ表示プログラムを保存し、前記第1、第2の通信端末装置からの要求に応じて、該第1のウェブ表示プログラムを送信することが望ましい。
【0015】
第1の発明においては、前記変換表示情報サーバ装置は、前記第1、第2の通信端末装置で実行するための初期設定プログラムを保存する第4の記憶部を更に備え、前記初期設定プログラムは、通信端末装置が前記第1の通信端末装置であるのか或いは前記第2の通信端末装置であるのかを判断して、該通信端末装置が該第2の通信端末装置であった場合にのみ前記変換処理を行うためのプログラムであることが望ましい。
【0016】
第1の発明においては、前記表示情報サーバ装置の前記情報送信部から送信される前記第1のウェブ表示プログラムが、前記第1、第2の通信端末装置に前記変換表示情報サーバ装置へアクセスさせて前記初期設定プログラムを取得させるためのタグを含むことが望ましい。
【0017】
第1の発明においては、前記初期設定プログラムが、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムと共に前記送信部から前記第1、第2通信端末装置に送信されることが望ましい。
【0018】
第1の発明においては、前記初期設定プログラムによって前記第2の通信端末装置であると判断された場合にのみ、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムが前記送信部から該第2通信端末装置に送信されることが望ましい。
【0019】
第1の発明においては、前記変換情報サーバ装置は、前記第1のウェブ表示プログラムを保存し、前記第1、第2の通信端末装置からの要求に応じて、該第1のウェブ表示プログラムを送信することが望ましい。
【0020】
第1の発明においては、前記変換情報サーバ装置は、前記第1、第2の通信端末装置で実行するための初期設定プログラムを更に保存し、前記初期設定プログラムは、通信端末装置が前記第1の通信端末装置であるのか或いは前記第2の通信端末装置であるのかを判断して、該通信端末装置が該第2の通信端末装置であった場合にのみ前記変換処理を行うためのプログラムであることが望ましい。
【0021】
第1の発明においては、前記変換情報サーバ装置の前記情報送信部から送信される前記第1のウェブ表示プログラムが、前記第1、第2の通信端末装置に前記表示情報サーバ装置へアクセスさせて前記初期設定プログラムを取得させるためのタグを含むことが望ましい。
【0022】
第1の発明においては、前記初期設定プログラムが、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムと共に前記送信部から前記第1、第2通信端末装置に送信されることが望ましい。
【0023】
第1の発明においては、前記初期設定プログラムによって前記第2の通信端末装置であると判断された場合にのみ、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムが前記表示情報サーバ装置から該第2通信端末装置に送信されることが望ましい。
【0024】
第1の発明においては、前記変換情報サーバ装置が、前記第1のウェブ表示プログラムを保存し、所定の前記第2の通信端末装置からの要求に応じて、該第1のウェブ表示プログラムを送信することが望ましい。
【0025】
第2の発明に係るウェブ表示プログラム変換方法は、第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるために作成された第1のウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割し、それぞれの該セグメントに含まれるそれぞれのタグに識別情報を付与し、これらの識別情報をリスト化することによってセグメントリストを作成するステップと、前記第1のウェブ表示プログラムに記述された表示設定を第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるため第2のウェブ表示プログラムの表示設定に変更するための変換条件を、前記セグメント毎に作成するステップと、前記第2の通信装置に、前記セグメントリスト及び前記変換条件を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムから前記第2のウェブ表示プログラムへの変換処理を実行させると共に、前記第2の通信端末装置の選択設定を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行させるステップとを含むことを特徴とする。
【0026】
第3の発明に係るウェブ表示プログラム変換用プログラムは、第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるために作成された第1のウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割し、それぞれの該セグメントに含まれるそれぞれのタグに識別情報を付与し、これらの識別情報をリスト化することによってセグメントリストを作成する手順と、前記第1のウェブ表示プログラムに記述された表示設定を第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるため第2のウェブ表示プログラムの表示設定に変更するための変換条件を、前記セグメント毎に作成する手順と、前記第2の通信装置に、前記セグメントリスト及び前記変換条件を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムから前記第2のウェブ表示プログラムへの変換処理を実行させると共に、前記第2の通信端末装置の選択設定を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行させる手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるための第1のウェブ表示プログラムをセグメントに分割して、各セグメントをセグメントリストで特定できるようにし、これらセグメント毎に変換条件を設定する。そして、該セグメントリストと該変換条件とを用いた変換処理によって、第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるための第2のウェブ表示プログラムを作成する。この結果、本発明によれば、簡単な処理によって、第1のウェブ表示プログラムを第2のウェブ表示プログラムに変換することができる。
【0028】
また、本発明では、第2の通信端末装置の選択設定に応じて、第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行する。この結果、本発明によれば、簡単な処理により、第1の通信端末装置用の表示内容をさらに変更して、第2の通信端末装置に表示させることができる。
【0029】
さらには、第1のウェブ表示プログラムを更新した場合にも、セグメントリストと変換条件の簡単な変更のみによって、第2のウェブ表示プログラムを更新することが可能である。
【0030】
また、本発明によれば、変換処理や表示内容変更処理を第2の通信端末装置に行わせるので、第2の通信端末装置用の表示情報サーバを運営する必要が無く、更には、第2の通信端末装置の選択設定を表示情報サーバに記憶させておく必要が無い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態1のシステム構成図である。
【図2】実施の形態1に係る制御サーバの機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る企業サーバの機能ブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るプログラム変換処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係るネットワークシステムにおける処理の流れを説明するための図である。
【図6】実施の形態1に係るプログラム変換の原理を説明するための図である。
【図7】実施の形態1に係るHTMLの分割、識別情報付加処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1に係るシステムを用いて表示が改善される例を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る変換条件の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1に係る変換条件の設定処理の表示画面の一例を示す図である。
【図11】実施の形態1に係るセグメントを示す概念図である。
【図12】実施の形態2に係る処理の流れを示すブロック図である。
【図13】実施の形態3に係る処理の流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[発明の実施の形態1]
【0033】
実施の形態1のシステムは、パーソナルコンピュータ(PC)用に開発されたウェブ表示プログラムを、携帯通信端末に最適に実行させるためのシステムである。本実施形態に係る携帯通信端末は、ディスプレイの表示サイズやユーザ・インタフェースはPCと異なるが、CPU(Central Processing Unit) 、通信インタフェース及びメモリ等の内部構成はPCと同様である。携帯通信端末としては、例えば、スマートフォンや、インターネットブラウジング機能を有する携帯電話が使用できる。本実施形態に係るウェブ表示プログラムは、インターネット等のネットワークを介してサーバ等から携帯通信端末にダウンロードされ、かかる携帯通信端末上で主に表示処理を実行する。本実施形態のウェブ表示プログラムは、典型的にはHTML等のインターネット用マークアップ言語で作成されたプログラムであるが、これには限らない。
【0034】
HTMLで記述されたプログラムを用いてPC用ウェブサイトのデータを表示する場合、一般に、情報量が非常に多くなる。このため、PCよりもディスプレイが小さい携帯通信端末で、PC用ウェブサイトを表示しようとすると、表示データが全体的に小さくなって、非常に見難くなる。これは、PCのディスプレイよりもサイズが小さいディスプレイに、PCと同じ画面を表示させようとする場合に、当然のごとく生じる問題である。この問題を解決するためには、PCのディスプレイに表示される文字情報や画像等のうち、一部を縮小表示或いは非表示にすればよい。これにより、他の文字情報等を見やすい表示サイズで表示することが可能となって、携帯通信端末による良好な閲覧が可能になる。通常、PC用ウェブページには、携帯通信端末で閲覧される場合には重要でない文字情報等、携帯通信端末では表示したくない文字情報等、携帯通信端末上では内容を変更したり或いはレイアウトを入れ替えたりしたい文字情報等が、存在する。本実施形態では、このような文字情報等を、縮小表示或いは非表示にする。このようなウェブ表示プログラム変換は、全て自動で行うことも可能である。しかしながら、携帯通信端末に対する適合度を可能な限り高くするためには、ウェブサイト提供者が、表示要素ごとに、個別に、表示/非表示や、表示の大きさ、表示される順序、表示の組み合わせ等を調整することが望ましい。
【0035】
具体的には、本実施形態では、表示画面を、予め複数のセグメントに分割しておき、各セグメント毎に表示の縮小、非表示化等を行う。これにより、PC用に作成されたウェブ表示プログラムは、ウェブサイト提供者が所望する表示状態の携帯通信端末用ウェブ表示プログラムに変換される。このためには、表示の要素とプログラムの記述との対応関係が比較的単純なマークアップ言語である、HTMLを使用することが望ましい。従って、以下の説明では、アークアップ言語としてHTMLを採用する場合を例に採る。但し、本発明の原理が適用できる言語であれば、他の種類のマークアップ言語を採用することも可能である。
【0036】
加えて、本実施形態では、各セグメントの表示設定をスマートフォン用に一律に変換するだけでなく、スマートフォンの表示内容を、個々のスマートフォンの選択設定に応じて変更することができる。例えば、老眼者の利便性を考慮して、通常のスマートフォン用表示よりも、さらに文字を大きくする機能を追加しても良い。また、幼児向けのウェブサイト等では、スマートフォンに、表示される漢字に対応する読み仮名を専用データベースから自動的に取得させて、これらの漢字にルビを振ったものに変更させることとしてもよい。更には、外国人向けのウェブサイト等では、スマートフォンに、機械翻訳サーバに自動的にアクセスさせる等して、PC表示用の文章を他の言語に変更させることとしてもよい。
(本実施形態のシステム構成)
【0037】
図1は、本実施形態のシステム構成を示す概念図である。図1に示すように、「第1の通信端末装置」としてのPC104と、「第2の通信端末装置」としての携帯通信端末(この例ではスマートフォン)102と、「表示情報サーバ」としての企業サーバ112と、「変換情報サーバ」としての制御サーバ122とを備えている。
【0038】
PC104及びスマートフォン102は、ネットワーク(この例ではインターネット111)を介して、企業サーバ112に通信接続されている。PC104及びスマートフォン102は、HTMLを用いて記述された様々なプログラムを、企業サーバ112から受信して実行する。
【0039】
企業サーバ112は、例えばWWWサーバであり、PC104やスマートフォン102で表示等するための情報を提供する。企業サーバ112は、ウェブサイト提供者によって運営、管理等が行われる。
【0040】
制御サーバ122は、本実施形態の特徴的な処理を実行するサーバであり、インターネット111を介してPC104及びスマートフォン102に通信接続されている。さらに、制御サーバ122は、インターネット111を介して或いは直接に、企業サーバ112と、データの送受信を行うことができる。制御サーバ122は、例えば、PC用のウェブ表示プログラムを携帯通信端末用のウェブ表示プログラムを携帯通信端末用に変換するサービスを提供する業者によって、運営、管理等が行われる。
【0041】
図2は、本実施形態に係る制御サーバ122の機能モジュール構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御サーバ122は、送受信部201と、クライアント制御部202と、プログラムメンテナンス部203と、記憶部204と、HTML分割部205とを備えている。
【0042】
送受信部201は、PC104、スマートフォン102及び企業サーバ112との、データの送受信を管理する。上述の図1から解るように、制御サーバ122は、PC104、スマートフォン102及び企業サーバ112に通信接続されている。
【0043】
HTML分割部205は、HTMLファイルを複数のセグメントに分割して、セグメントリストを生成する(後述)。セグメントリストとは、分割後の各HTMLファイルに付された識別情報のリストである。セグメントリストは、記憶部204に格納される。
【0044】
記憶部204は、セグメントリストに加えて、変換プログラム、変換条件、初期設定プログラムを格納する(後述)。記憶部204は、制御サーバ122に内蔵されていてもよいし、外付けデータベースとして構築されていてもよい。
【0045】
クライアント制御部202は、上述の変換プログラム、変換条件、セグメントリスト等、スマートフォン102がHTMLファイルをセグメント単位で変換するために必要なデータを管理する。
【0046】
プログラムメンテナンス部203は、変換条件を設定するための変換条件設定ツール(後述)を実行する。また、プログラムメンテナンス部203は、関連する種々のデータやプログラムの管理を行う。
【0047】
図3は、本実施形態に係る企業サーバ112の機能モジュール構成を示すブロック図である。企業サーバ112は、送受信部301と、情報提供部302と、提供情報データベース304とを備えている。
【0048】
送受信部301は、PC104、スマートフォン1ひょう02及び制御サーバ122との、データの送受信を管理する。上述の図1から解るように、企業サーバ112は、PC104、スマートフォン102及び制御サーバ122に通信接続されている。
【0049】
情報提供部302は、スマートフォン102やPC104から企業サーバ112に情報提供の要求がなされたときに、その要求に対応するウェブ表示プログラムのファイルを提供情報データベース304から読み出して、スマートフォン102やPC104に送信する。
【0050】
提供情報データベース304は、スマートフォン102等に提供される、ウェブ表示プログラムファイル等が、格納されている。
【0051】
後述するように、スマートフォン102やPC104は、企業サーバ112から提供された情報を解釈し、解釈の結果に応じた処理を行う。本実施形態で、スマートフォン102やPC104に提供されるウェブ表示プログラムとしては、従来の同様のプログラムを使用することができる。但し、本実施形態のウェブ表示プログラムには、スマートフォン102やPC104を制御サーバ112に接続させるためのタグが付加されている。すなわち、スマートフォン102やPC104のウェブブラウザは、ウェブ表示プログラムを解釈すると、制御サーバ112へ接続する。
(本実施形態の処理の原理)
【0052】
本実施形態では、PC104用のウェブ表示プログラムをスマートフォン102用に変換する。以下、その原理について、図7を用いて説明する。
【0053】
本実施形態では、企業サーバのプログラム開発者が、ウェブ表示プログラムで表示される各ページの各要素毎に、表示上の変更を自由に行うことができる。このために、本実施形態では、以下のようにして、HTMLファイルを、セグメントに分割するとともに、各セグメントに識別情報を関連づける。このとき、変更されるセグメントと対応する部分を、HTMLファイル上で特定するために、変更前のHTMLファイルに含まれるタグをすべて暗号化してもよい。以下、TABLEタグを使用する例を、説明する。なお、本発明は、HTML以外のプログラム言語を使用する場合にも実現することができ、また、暗号化は必須ではない。
【0054】
変換条件ファイルを設計する際に、プログラム開発者は、まず、HTMLソースを入手する(図7のステップS701参照)。本実施形態では、図11に示したように、PC用画面1110に含まれるセグメント1111,1112,1113,1114のうち、セグメント1113の表示(すなわち‘ABCDE’及び‘FGHIJ’との表示)を変更するための変換処理を説明する。セグメント113のHTMLソースは、例えば以下のように記述されている。
<html>
<body>
<table>
<tr>
<td>ABCDE</td>
<td>FGHIJ</td>
</tr>
</table>
</body>
</html>
【0055】
プログラム開発者は、上記HTMLソースから、セグメント1113に対応するタグを抽出する(ステップS702参照)。そして、これらのタグに対して、下記のように、識別情報として‘body'、‘table1’、‘table1,tr1’、‘table1,tr1,td1’、‘table1,tr1,td2’を割り当てる(ステップS703参照)。
<body> →body
<table> →table1
<tr> →table1,tr1
<td>ABCDE</td> →table1,tr1,td1
<td>FGHIJ</td> →table1,tr1,td2
</tr>
</table>
</body>
【0056】
続いて、プログラム開発者は、変換処理の対象となるセグメント(この例ではセグメント1113)と、かかる変換処理の対象となるタグと、これらのタグに付された識別情報との関係を示すセグメントリストを作成する(ステップS704参照)。
【0057】
このようにして、HTMLをセグメントに分割する処理と、タグに識別情報を付与する処理とを行うことにより、プログラム開発者は、識別情報を用いて任意のセグメントを特定するとともに、特定されたセグメントの表示を変更することが可能になる。本実施形態では、後述の管理ソフトウエア(すなわち変換条件設定ツール)を用いて、変換条件ファイルを作成する。変換条件ファイルでは、セグメントの識別情報ごとに、表示変更の内容が特定される。但し、本発明のシステムは、本実施形態とは異なる形式の変換条件ファイルを使用することも可能である。
【0058】
後述するように、変換条件及びセグメントリストは、変換プログラムと共に、制御サーバ112からスマートフォン102に送られる。スマートフォン102内の変換プログラムは、変換条件及びセグメントリストを用いて、所定の変換処理を実行する(ステップS705参照)。すなわち、スマートフォン102は、ウェブブラウザ等を用いてHTMLファイルを解釈して表示を行う際、変換条件及びセグメントリストに従って表示内容を変更したのちに、実際の表示を行う。変換プログラムとしては、例えばJavascript(登録商標)を使用することができるが、他の方法を採用してもよい。
【0059】
上述のHTMLソースの例を用いて具体的に説明すると、例えば‘FGHIJ’との文字要素に対しては、‘table1,tr1,td2’という識別情報が付されている。この識別情報により、この文字要素が、最初のtableタグ内の、最初のtrタグ内の、二番目のtdタグに対応していることを、特定できる。ここで、スマートフォン102では、文字要素‘FGHIJ’の境界線の色を赤に変更したいが、他の表示条件はPC104と同じでよい場合を説明する。この場合、‘table1,tr1,td2’という識別情報と、境界線を赤にするための属性情報とを含む変換条件が、制御サーバ112によって生成される。本実施形態では、このような処理を、変換プログラムが、セグメントリストと変換条件とを用いて実行する。従って、本実施形態では、表示を変更するためにHTMLソースを分割する必要が無い。
【0060】
変換処理としては、境界線の色に加えて、その表示要素の表示/非表示の区別の変更、表示サイズの変更、その表示要素の色の変更、表示の位置や順序の変更、他の表示要素(テキストや画像等)への入れ替え等を行う。
【0061】
更には、本実施形態の変換処理では、表示内容変更処理を行うことができる。例えば、老眼者用の表示内容変更処理として、通常のスマートフォン用表示よりも、さらに文字を大きくすることができる。また、幼児用の表示内容変更処理として、スマートフォンに、画面に表示される漢字に対応する読み仮名を専用データベースから自動的に取得させて、これらの漢字にルビを付加した表示に変更させることができる。更には、外国人用の表示内容変更処理として、スマートフォンに、機械翻訳サーバに自動的にアクセスさせる等して、他の言語の表示に変更させることもできる。実行したい表示内容変更処理は、スマートフォン側のブラウザ・アプリケーション等で選択することができる。
【0062】
これらの変換は、いずれも、上述のような、セグメントリストに含まれる識別情報を使用して、所望の表示要素に対してのみ実行することができる。この結果、PC104用のウェブ表示プログラムを、スマートフォン102に適したウェブ表示に、簡単に変換することができる。
【0063】
ウェブ表示プログラムは、表示内容や提供情報を更新するために、変更される場合がある。しかし、通常、ウェブ表示の全体的な構造が変更されることは、少ない。このため、ウェブ表示プログラムが更新された場合でも、変換条件やセグメントリスト等の大規模な見直しが必要になるケースは少ない。例えば、上述の‘FGHIJ’との文字列が他の文字列に変更された場合でも、その新しい文字列の境界線を赤にするという変換処理を行う場合には、変換条件やセグメントリストを書き換える必要は無い。また、更新前の変換条件やセグメントリストをそのまま使用できない場合でも、本実施形態によれば変換条件やセグメントリストの変更という簡単な処理だけで、スマートフォン104用のウェブ表示プログラムを更新することができる。表示/非表示の区別の変更、表示サイズの変更、その表示要素の色の変更、表示の位置や順序の変更、他の表示要素への入れ替え等の処理についても、同様である。
(本実施形態の具体的な処理)
【0064】
上述のように、本実施形態に係る変換処理は、ウェブ表示プログラムに基づいてセグメントリスト及び変換条件を作成する処理と、作成されたセグメントリスト及び変換条件を用いてウェブ表示プログラムを変換する処理とを含む。これらの処理は、様々なハードウエア環境や、様々なソフトウエア構成を用いて実行することができる。例えば、1台のサーバで全ての処理を実行した後で、変換後のウェブ表示プログラムをスマートフォン102に送信して、変換後の表示を行わせることも可能である。また、これらの処理を、複数台のサーバに分担して実行させることも可能である。本実施形態では、セグメントリストや変換条件を作成する処理を制御サーバ112が実行し、且つ、ウェブ表示プログラムを変換する処理をスマートフォン102が実行する。本実施形態では、ウェブ表示プログラムのHTMLソースをセグメントに分割して、変換対象となるセグメントをセグメントリストで特定し、特定されたセグメントのみについて変換処理を実行すればよく、従って、スマートフォン102の負荷は小さい。
【0065】
図4は、本実施形態に係る変換処理の流れを示すフローチャートである。図5は、本実施形態に係る処理の流れを示すブロック図である。図6は、スマートフォン102の処理を示すブロック図である。
【0066】
制御サーバ122は、企業サーバ112からウェブ表示プログラムのHTMLソースを取得する(図5の(1)参照)。そして、制御サーバ112は、上述のようにして、変換条件612及びセグメントリスト613を作成する(図5の(2)参照)。これら変換条件612及びセグメントリスト613は、変換プログラム611及び初期設定プログラム(後述)と共に、制御サーバ112内に格納される。
【0067】
スマートフォン102は、企業サーバ112にアクセスして、かかる企業サーバ112に所望の情報を要求する(図5の(3)参照)。企業サーバ112は、要求された情報に対応するHTMLファイルを、スマートフォン102に送信する(図4のステップS401及び図5の(4)参照)。スマートフォン102のウェブブラウザは、受信したHTMLファイルを解釈する。上述のように、このHTMLファイルには、スマートフォン102等に制御サーバ112へアクセスさせるための、タグが設定されている。スマートフォン102は、このタグに基づいて制御サーバ112にアクセスする(図5の(5)参照)。そして、スマートフォン102は、制御サーバ112から、初期設定プログラム610や、変換プログラム611、変換条件612、セグメントリスト613等を含むプログラムファイルをダウンロードし(図5の(6)参照)、この初期設定プログラムを用いて初期処理を実行する(ステップS402参照)。この初期処理では、通信端末(すなわち、クライアント端末)の種類が判定される(ステップS403参照)。通信端末がスマートフォンでない場合(例えばPCであった場合)、本実施形態の変換処理は行われず、上述のステップS401で受信されたHTMLファイルがそのままウェブブラウザで表示される(ステップS407)。
【0068】
一方、ステップS403で通信端末がスマートフォンであると判断された場合、スマートフォン102は、変換プログラム611を実行する(ステップS406参照)。上述のように、変換プログラム611は、変換条件612及びセグメントリスト613を用いて、上述のステップS401で受信されたHTMLファイルの、変換処理を行う。上述のように、この変換処理により、ウェブ表示プログラムに含まれるHTMLソース601のうち、セグメントリスト613で特定されたセグメント602に対応する部分が、変換条件612に基づいて変換される。そして、スマートフォン102は、変換後のウェブ表示プログラムを表示する(図5の(7)参照)。また、スマートフォン102の設定によって、上述の表示内容変更処理の何れかが選択されている場合は、変換プログラム611により、選択された表示内容変更処理が行われる。本実施形態では、変換プログラム611をスマートフォン102に実行させることによって表示内容変更処理を行うので、かかる表示内容変更処理の選択設定は、例えばブラウザ・アプリケーション等の設定として、スマートフォン102に記憶させておけば良く、企業サーバ112や制御サーバ122に記憶させる必要が無い。
【0069】
上述のステップS403では、通信端末がスマートフォンであるか否かのみを判断した。しかしながら、通信端末がスマートフォンである場合に、更に、スマートフォンの機種を判断することとしてもよい。
【0070】
また、上述のステップS402では、初期設定プログラム610、変換プログラム611、変換条件612及びセグメントリスト613を同時にダウンロードした。しかし、例えば、ステップS402では初期設定プログラム610のみをダウンロードし、ステップS403で通信端末がスマートフォンであると判断された場合に、変換プログラム611、変換条件612及びセグメントリスト613をダウンロードして、ステップS406の処理を実行してもよい。
【0071】
図8は、本実施形態に係る変換システムで変換されたウェブ表示を説明するための概念図である。図8に示したように、PC104用の画面をスマートフォン102に表示させるときに、そのまま縮小した画面(表示例801参照)にすると、文字や画像が小さくなりすぎて、閲覧に耐えないものとなる。また、個々の表示を視聴可能なサイズに拡大すると、文字や画像の閲覧は容易になるが、表示のレイアウトが崩れて全体構成が認識できなくなる(表示例802参照)。これに対して、本実施形態の変換処理を行う場合、後述の変換条件設定ツール804を用いてセグメント毎に表示/非表示の区別、サイズ変更、レイアウト変更、デザイン変更、差し替え等を行うことができるのでc、スマートフォン102に適した、閲覧が容易なウェブ表示を行うことが可能になる。
【0072】
上述のように、本実施形態では、通信端末がスマートフォンである場合に、更に、スマートフォンの機種を判断することも可能である。スマートフォンの機種を判断する場合、例えば、上述のような変換処理を行った後で、更に、機種毎に定められた処理を実行することにしてもよい。これにより、さらに使い勝手のよいウェブサイトを提供することができる。
(変換条件の設定処理)
【0073】
本実施形態の処理、すなわちセグメントリスト及び変換条件を用いてHTMLファイルを変換する処理を行うためのプログラム、すなわち変換条件設定ツール1000について、図9及び図10を用いて説明する。
【0074】
まず、本実施形態では、ウェブサイト提供者或いはプログラム開発者が、図10に示すような変換条件設定ツール1000を使用して、ウェブ表示プログラムの変換処理を行い、制御サーバ122に送る。
【0075】
ウェブサイト提供者等は、自己のPCで、制御サーバ122のプログラムメンテナンス部203(図2参照)に格納された変換条件設定ツール1000にアクセスする。
【0076】
この変換条件設定ツール1000は、まず、PC104用のHTMLファイルを読み出す(図9のステップS901参照)。
【0077】
続いて、変換条件設定ツール1000は、上述のような、HTMLファイルをセグメントに分割する処理や識別情報を付加する処理等を実行して、セグメントリストを作成する(ステップS902参照)。
【0078】
そして、変換条件設定ツール1000は、HTMLファイルの、PC104用の表示画面1001と、スマートフォン102用の表示画面1002とを、同時に表示する。更に、PC104用の表示画面1001には、図10に示したようなコントロールパネルが表示される。
【0079】
この状態で、ウェブサイト提供者等は、PC104用の表示画面1001で任意のセグメント1010をクリックする。これにより、クリックされたセグメント1010がハイライト表示されると同時に、スマートフォン102用表示画面1002のセグメントのうち、このセグメント1010に対応するセグメント1011もハイライト表示される。
【0080】
そして、ウェブサイト提供者等は、コントロールパネルを用いて、セグメント1010に対する変換処理を決定する(ステップS904参照)。変換条件設定ツール1000は、上述のような変換ファイル生成処理を行う。これにより、かかる変換処理を反映させたセグメントリスト及び変換条件が再作成される。そして、変換条件設定ツール1000は、変換処理の結果に応じてHTMLファイルを変換して、スマートフォン102用の表示画面1002を変更する。これにより、ウェブサイト提供者等は、変換処理の結果を確認することができる。
【0081】
変換処理の結果に問題が無ければ、他のセグメントについても、同様の手順で変換処理が行われる。このようにして、最終的な変換変換ファイルが作成される。
【0082】
変換条件ファイルは、本明細書では詳述しないが、本発明を実施できるものであれば、そのような形式、記憶形態のものでもよい。また、変換条件ファイルを、上述の変換プログラムに内蔵することも可能である。
【0083】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡単な処理によって、PC104用のウェブ表示プログラムを、スマートフォン102用のウェブ表示プログラムに変換することができる。さらには、PC104用のウェブ表示プログラムを更新した場合にも、セグメントリストや変換条件の変更は必要ないか、或いは、非常に簡単である。
【0084】
また、本実施形態によれば、変換処理をスマートフォン104に行わせるので、スマートフォン用のWWWサーバ等を運営する必要が無い。
[発明の実施の形態2]
【0085】
実施の形態2のシステムでは、変換条件612及びセグメントリスト613が、企業サーバによってスマートフォンに提供される。すなわち、本実施形態の企業サーバは、本発明の「変換情報サーバ」及び「表示情報サーバ」の両方に対応している。
【0086】
図12は、本実施形態に係る処理の流れを示すブロック図である。
【0087】
企業サーバ1201は、内部データベース1202に格納されたウェブ表示プログラムのHTMLソースを読み出す(図12の(1)参照)。そして、企業サーバ1201は、実施の形態1の制御サーバ112と同様にして、変換条件612及びセグメントリスト613を作成する(図12の(2)参照)。これら変換条件612及びセグメントリスト613は、初期設定プログラム610及び変換プログラム611と共に、企業サーバ1201内の記憶部に格納される。
【0088】
スマートフォン102は、企業サーバ1201にアクセスして、かかる企業サーバ1201に所望の情報を要求する(図12の(3)参照)。企業サーバ112は、要求された情報に対応するHTMLファイルを、スマートフォン102に送信する(図12の(4)参照)。スマートフォン102のウェブブラウザは、受信したHTMLファイルを解釈する。このHTMLファイルには、スマートフォン102等に企業サーバ1201へアクセスさせるための、タグが設定されている。スマートフォン102は、このタグに基づいて企業サーバ1201に再びアクセスする(図12の(5)参照)。そして、スマートフォン102は、企業サーバ1201から、初期設定プログラム610や、変換プログラム611、変換条件612、セグメントリスト613等を含むプログラムファイルをダウンロードし(図12の(6)参照)、この初期設定プログラムを用いて初期処理を実行する。この初期処理では、通信端末(すなわち、クライアント端末)の種類が判定される。通信端末がスマートフォンでない場合(例えばPCであった場合)、本実施形態の変換処理は行われず、受信されたHTMLファイルがそのままウェブブラウザで表示される。
【0089】
一方、通信端末がスマートフォンであると判断された場合、スマートフォン102は、変換プログラム611を実行する。実施の形態1と同様、変換プログラム611は、変換条件612及びセグメントリスト613を用いて、受信されたHTMLファイルの、変換処理を行う。この変換処理により、ウェブ表示プログラムに含まれるHTMLソース601のうち、セグメントリスト613で特定されたセグメント602に対応する部分が、変換条件612に基づいて変換される。そして、スマートフォン102は、変換後のウェブ表示プログラムを表示する(図12の(7)参照)。
【0090】
他の機能及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
例えば、ウェブサイト提供者のセキュリティーポリシー等の観点から第三者のサーバである制御サーバを利用することが困難である場合等に、本実施形態は有益である。
[発明の実施の形態3]
【0092】
実施の形態3のシステムでは、スマートフォン用のウェブ表示プログラムが、制御サーバによって、スマートフォンに提供される。
【0093】
図13は、本実施形態に係る処理の流れを示すブロック図である。
【0094】
制御サーバ1301は、企業サーバ1302からウェブ表示プログラムのHTMLソースを取得する(図13の(1)参照)。そして、制御サーバ1301は、上述のようにして、変換条件612及びセグメントリスト613を作成する(図13の(2)参照)。これら変換条件612及びセグメントリスト613は、初期設定プログラム610及び変換プログラム611と共に、制御サーバ1301内に格納される。
【0095】
スマートフォン102は、制御サーバ1301にアクセスして、かかる制御サーバ1301に所望の情報を要求する(図13の(3)参照)。制御サーバ1301は、要求された情報に対応するHTMLファイル等と共に、変換プログラム611、変換条件612、セグメントリスト613等を含むプログラムファイルを、スマートフォン102に送信する(図13の(4)参照)。スマートフォン102は、変換プログラム611を実行する。実施の形態1と同様、変換プログラム611は、変換条件612及びセグメントリスト613を用いて、受信されたHTMLファイルの変換処理を行う。この変換処理により、ウェブ表示プログラムに含まれるHTMLソース601のうち、セグメントリスト613で特定されたセグメント602に対応する記述部分が、変換条件612に基づいて変換される。そして、スマートフォン102は、変換後のウェブ表示プログラムを表示する(図13の(5)参照)。
【0096】
このように、本実施形態の制御サーバ1301は、スマートフォン102にウェブ表示プログラムの供給する際に、これと同時に変換プログラム611等も供給する。このため、HTMLソースにタグを設定する必要は無い。
【0097】
他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0098】
例えば、スマートフォン102の製造業者が自社製スマートフォンに対してウェブサイト閲覧サービスを提供する場合等に、本実施形態は有益である。
【符号の説明】
【0099】
102 スマートフォン
104 パーソナルコンピュータ(PC)
111 インターネット
112 企業サーバ
122 制御サーバ
201,301 送受信部
202 クライアント制御部
203 プログラムメンテナンス部
204 記憶部
205 HTML分割部
302 情報提供部
304 提供情報データベース
601 HTMLソース
602 セグメント
610 初期設定プログラム
611 変換プログラム
612 変換条件
613 セグメントリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続された変換情報サーバ装置を有するウェブ表示プログラム変換システムであって、
該変換情報サーバ装置が、
第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるために作成された第1のウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割し、それぞれの該セグメントに含まれるそれぞれのタグに識別情報を付与し、これらの識別情報をリスト化することによって作成されたセグメントリストを保存する第1の記憶部と、
前記第1のウェブ表示プログラムに記述された表示設定を第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるため第2のウェブ表示プログラムの表示設定に変更するために、前記セグメント毎に作成された変換条件を保存する第2の記憶部と、
前記第2の通信装置に、前記セグメントリスト及び前記変換条件を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムから前記第2のウェブ表示プログラムへの変換処理を実行させると共に、前記第2の通信端末装置の選択設定を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行させるための、変換プログラムを保存する第3の記憶部と、
前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムを前記通信ネットワークに送信する送信部と、
を備えることを特徴とするウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項2】
前記表示内容変更処理が、文字サイズを大きくする処理、漢字にルビを付加する処理、表示言語を変更する処理の何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項3】
前記通信ネットワークに接続された表示情報サーバ装置を更に備え、
該表示情報サーバ装置が、
前記第1のウェブ表示プログラムを保存し、
前記第1、第2の通信端末装置からの要求に応じて、該第1のウェブ表示プログラムを送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項4】
前記変換表示情報サーバ装置は、前記第1、第2の通信端末装置で実行するための初期設定プログラムを保存する第4の記憶部を更に備え、
前記初期設定プログラムは、通信端末装置が前記第1の通信端末装置であるのか或いは前記第2の通信端末装置であるのかを判断して、該通信端末装置が該第2の通信端末装置であった場合にのみ前記変換処理を行うためのプログラムである、
ことを特徴とする請求項3に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項5】
前記表示情報サーバ装置の前記情報送信部から送信される前記第1のウェブ表示プログラムが、前記第1、第2の通信端末装置に前記変換表示情報サーバ装置へアクセスさせて前記初期設定プログラムを取得させるためのタグを含むことを特徴とする請求項4に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項6】
前記初期設定プログラムが、前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムと共に前記送信部から前記第1、第2通信端末装置に送信されることを特徴とする請求項5に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項7】
前記初期設定プログラムによって前記第2の通信端末装置であると判断された場合にのみ、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムが前記送信部から該第2通信端末装置に送信されることを特徴とする請求項5に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項8】
前記変換情報サーバ装置は、
前記第1のウェブ表示プログラムを保存し、
前記第1、第2の通信端末装置からの要求に応じて、該第1のウェブ表示プログラムを送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項9】
前記変換情報サーバ装置は、前記第1、第2の通信端末装置で実行するための初期設定プログラムを更に保存し、
前記初期設定プログラムは、通信端末装置が前記第1の通信端末装置であるのか或いは前記第2の通信端末装置であるのかを判断して、該通信端末装置が該第2の通信端末装置であった場合にのみ前記変換処理を行うためのプログラムである、
ことを特徴とする請求項8に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項10】
前記変換情報サーバ装置の前記情報送信部から送信される前記第1のウェブ表示プログラムが、前記第1、第2の通信端末装置に前記表示情報サーバ装置へアクセスさせて前記初期設定プログラムを取得させるためのタグを含むことを特徴とする請求項9に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項11】
前記初期設定プログラムが、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムと共に前記送信部から前記第1、第2通信端末装置に送信されることを特徴とする請求項10に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項12】
前記初期設定プログラムによって前記第2の通信端末装置であると判断された場合にのみ、前記前記セグメントリスト、前記変換条件及び前記変換プログラムが前記表示情報サーバ装置から該第2通信端末装置に送信されることを特徴とする請求項10に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項13】
前記変換情報サーバ装置が、
前記第1のウェブ表示プログラムを保存し、
所定の前記第2の通信端末装置からの要求に応じて、該第1のウェブ表示プログラムを送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウェブ表示プログラム変換システム。
【請求項14】
第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるために作成された第1のウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割し、それぞれの該セグメントに含まれるそれぞれのタグに識別情報を付与し、これらの識別情報をリスト化することによってセグメントリストを作成するステップと、
前記第1のウェブ表示プログラムに記述された表示設定を第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるため第2のウェブ表示プログラムの表示設定に変更するための変換条件を、前記セグメント毎に作成するステップと、
前記第2の通信装置に、前記セグメントリスト及び前記変換条件を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムから前記第2のウェブ表示プログラムへの変換処理を実行させると共に、前記第2の通信端末装置の選択設定を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行させるステップと、
を含むことを特徴とするウェブ表示プログラム変換方法。
【請求項15】
第1の通信端末装置でウェブ表示を行わせるために作成された第1のウェブ表示プログラムを複数のセグメントに分割し、それぞれの該セグメントに含まれるそれぞれのタグに識別情報を付与し、これらの識別情報をリスト化することによってセグメントリストを作成する手順と、
前記第1のウェブ表示プログラムに記述された表示設定を第2の通信端末装置でウェブ表示を行わせるため第2のウェブ表示プログラムの表示設定に変更するための変換条件を、前記セグメント毎に作成する手順と、
前記第2の通信装置に、前記セグメントリスト及び前記変換条件を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムから前記第2のウェブ表示プログラムへの変換処理を実行させると共に、前記第2の通信端末装置の選択設定を用いて、前記第1のウェブ表示プログラムの何れかの前記セグメントに対応する表示内容を他の表示内容に変更する表示内容変更処理を実行させる手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするウェブ表示プログラム変換用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−114293(P2013−114293A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257202(P2011−257202)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(506214633)株式会社ショーケース・ティービー (4)
【Fターム(参考)】