ウォーターサーバー
【課題】冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能なウォーターサーバーを提供する。
【解決手段】断熱容器1と、断熱容器1の開口部を開閉する断熱カバー2と、断熱容器1内に設置された熱伝導性プレート12と、熱伝導性プレート12に密着する熱電変換素子20を備え、飲料水バッグ7を断熱容器1に収納して、飲料水バッグ7の底面を熱伝導性プレート12に直接接触させるウォーターサーバーにおいて、熱伝導性プレート12の付近に存在する飲料水バッグ内の飲料水量を熱伝導性プレート12から離れた位置に存在する飲料水バッグ内の飲料水量よりも少なく規制するための傾斜した飲料水量規制手段を断熱容器1に設けたことを特徴とする。
【解決手段】断熱容器1と、断熱容器1の開口部を開閉する断熱カバー2と、断熱容器1内に設置された熱伝導性プレート12と、熱伝導性プレート12に密着する熱電変換素子20を備え、飲料水バッグ7を断熱容器1に収納して、飲料水バッグ7の底面を熱伝導性プレート12に直接接触させるウォーターサーバーにおいて、熱伝導性プレート12の付近に存在する飲料水バッグ内の飲料水量を熱伝導性プレート12から離れた位置に存在する飲料水バッグ内の飲料水量よりも少なく規制するための傾斜した飲料水量規制手段を断熱容器1に設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水を供給する冷水サーバーあるいは冷水・熱水サーバーなどのウォーターサーバーに係り、特に電子冷却素子(ペルチェ素子)の冷却機能を利用したウォーターサーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料水への雑菌の侵入、繁殖を阻止するために、天然水(ミネラルウォーター)などの飲料水を柔軟性材料からなる飲料水バッグに封入して、これをダンボール箱などの外ケースに入れたバッグインボックス(Bag in Box:BIB)が使用されている。
【0003】
この柔軟性を有する飲料水バッグは、内部の飲料水の取水に合わせて飲料水バッグが収縮するため、外気が飲料水バッグ内に入らず、従って外部からの雑菌の侵入が阻止できるという特長を有している。
【0004】
前記BIBを使用したウォーターサーバーに関して種々の提案がなされている。
特開2003−206000号公報(特許文献1)には、柔軟性を有する飲料水バッグをダンボール箱などの外ケースから取り出して、ウォーターサーバーの冷却板の上に前記飲料水バッグを載置し、冷却板で飲料水バッグ中の飲料水を直接冷却して、飲料水バッグから冷却水を取水するウォーターサーバーが記載されている。
【0005】
図18は、前記特開2003−206000号公報(特許文献1)に記載のウォーターサーバーの分解斜視図である。
同図に示すように、筐体101の上部にはバッグ収納部102が形成され、そのバッグ収納部102は、底壁103と右側壁104と左側壁105と後壁106を備えており、開放状態になっているバッグ収納部102の前面と上面は、側断面形状がL字形の蓋107で閉塞されるようになっている。
【0006】
前記底壁103は、前方から見てV字形に形成され、最も低位置にU字形の溝108が形成されている。溝108の前端部は前方に向って開口し、前記蓋107の切り欠き109とで飲料水バッグ110の注水栓111を外部に突出させるための注水栓取出部を構成している。なお、前記溝108は、前下がり状に傾斜している。
【0007】
底壁103の上面には全面に亘って冷却プレート112が設置され、この冷却プレート112の上に直接飲料水バッグ110が載置されるようになっている。底壁103の下面には全面に亘って蛇行状に冷媒通路113が形成され、冷媒通路113は配管114を介してコンプレッサー115に接続され、冷媒循環経路を構成している。
【0008】
前記右側壁104、左側壁105ならびに後壁106は底壁103に対して垂直に延びており、前記右側壁104と左側壁105の内面には前後方向に延びたストッパー117が突設されている。
【0009】
前記飲料水バッグ110は、ダンボール外箱116に入れて出荷される。図18に示すように、筐体101から蓋107を取り外し、飲料水バッグ110を収納したダンボール外箱116をバッグ収納部102の上方から強制的に挿入する。
【0010】
ダンボール外箱116の左右の下隅部を前記左右のストッパー117に係止し、ダンボール外箱116の下面を開封して、飲料水バッグ110のみを底壁103の上に抜き落とし、空になったダンボール外箱116を取り外す。
【0011】
飲料水バッグ110をバッグ収納部102に収納した後、蓋107を被せて、切り欠き109から注水栓111を前方に突出させて、飲料水バッグ110の装着が終了する。
【0012】
冷水が必要な場合は、コップ台118にコップ119を載せて、注水栓111を開くことにより、飲料水バッグ110内の冷水を直接コップ119に注ぐことができる。
【0013】
前述のように底壁103をV字形に形成し、溝108を前下がり状に傾斜することにより、バッグ交換時における飲料水バッグ110内の残留水を少なくすることができる。
なお、BIBを使用したウォーターサーバーに関しては、前述の特許文献1の他に下記に示すような特許文献2〜5を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−206000号公報
【特許文献2】特開2008−37445号公報
【特許文献3】特開2008−56325号公報
【特許文献4】特開2009−275933号公報
【特許文献5】特開2008−156001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図18に示す従来のウォーターサーバーでも、ウォーターサーバーを起動して冷水が早いうちに取水できる、すなわち、初期の冷却取水時間を短縮できる構成にはなっていないという問題点があった。
【0016】
本発明の目的は、ウォーターサーバーを起動して冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能で、しかも消費電力の低減が図れるウォーターサーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
収納空間部を形成した断熱容器と、その断熱容器の開口部を開閉する断熱カバーを有する断熱筐体と、
前記断熱容器内に設置された熱伝導性の良好な金属からなる熱伝導性プレートと、
その熱伝導性プレートに密着して熱伝導性プレートを冷却あるいは加熱する熱電変換素子を備え、
柔軟性を有する袋内に飲料水を封入した飲料水バッグを前記収納空間部に収納して、その飲料水バッグの底面を前記熱伝導性プレートに直接接触させて、前記熱電変換素子により前記熱伝導性プレートを介して飲料水バッグ内の飲料水を冷却あるいは加熱して、冷水あるいは熱水として取り出されるウォーターサーバーにおいて、
前記熱伝導性プレートの付近に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量を前記熱伝導性プレートから離れた上方位置に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量よりも少なく規制するための飲料水量規制手段を前記収納空間部内に設け、
前記収納空間部内に収納した前記飲料水バッグを前記飲料水量規制手段に沿って変形して、前記熱伝導性プレートの付近に存在する飲料水バッグ内の飲料水量を少なく規制する構成になっていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記断熱容器の収納空間部が、底面壁と、その底面壁から立設した周壁で形成され、前記周壁の基部付近を前記熱伝導性プレート側に向けて突出することにより前記飲料水量規制手段が構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記開口部が断熱容器の上方に設けられて、その断熱容器の上方から前記飲料水バッグを前記収納空間部に挿入する構造になっており、
前記周壁の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記周壁の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第4の手段は前記第1の手段において、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の収納空間部内に設置された突起部材から構成されており、その突起部材の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記突起部材の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第5の手段は前記第1の手段において、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の底面から立設された突起部材で構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第6の手段は前記第1の手段において、
前記飲料水バッグの底部付近の温度を検出する第1温度センサーと、
前記飲料水バッグの中間部付近の温度を検出する第2温度センサーと、
前記第1温度センサーならびに第2温度センサーからの検出信号を入力して、前記熱電変換素子への投入電力を制御する制御部と
を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第7の手段は前記第6の手段において、
前記第1温度センサーが前記熱伝導性プレートの前記飲料水バッグの底部と接する表面に取り付けられ、前記第2温度センサーが前記断熱容器の前記飲料水バッグの中間部と接する周壁に取り付けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は前述のような構成になっており、ウォーターサーバーを起動して冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能で、しかも消費電力の低減が図れるウォーターサーバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例に係るウォーターサーバーの飲料水バッグを装着する前の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図2】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを装着する直前の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図3】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを裝着した後の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図4】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを装着した後の状態を示す一部を断面にした右側面図である。
【図5】バッグインボックス型の水収納容器の斜視図である。
【図6】その水収納容器から取り出した飲料水バッグの斜視図である。
【図7】本発明の実施例に用いる断熱容器の各壁面を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施例ならびに比較例のウォーターサーバーにおける取水水温の変化を示す特性図である。
【図9】本発明の実施例に係るウォーターサーバーの一部を断面にした正面図である。
【図10】比較例に係るウォーターサーバーの一部を断面にした正面図である。
【図11】(a),(b),(c)本発明の実施例に係るウォーターサーバーの温度制御を説明するための図である。
【図12】本発明の第1変形例に係るウォーターサーバーの一部を断面にした正面図である。
【図13】そのウォーターサーバーに設置されるくさび状突起部材の一部を断面にした拡大斜視図である。
【図14】そのウォーターサーバーに装着される外ケースの底面図である。
【図15】本発明の第2変形例に係るウォーターサーバーの飲料水バッグを挿入する前の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図16】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを装着した後の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図17】そのウォーターサーバーに使用される冷却プレートの斜視図である。
【図18】従来提案されたウォーターサーバーの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明の実施例を図面とともに説明する。
(ウォーターサーバーの概略構成)
図1ないし図4を用いて本発明の実施例に係るウォーターサーバーの概略構成について説明する。
【0027】
本実施例に係るウォーターサーバーはこれらの図に示すように、上方が開放した断熱容器1と、その断熱容器1の上部に着脱可能に装着される断熱カバー2とを有し、前記断熱容器1と断熱カバー2には例えば真空断熱などの断熱構造が施されている。前記断熱容器1と断熱カバー2により断熱筐体3が構成され、その断熱筐体3の内側に収納空間部4が形成される(図3,図4参照)。前記断熱容器1は、サーバー本体5の上部に取り付けられている。
【0028】
図5はバッグインボックス(BIB)型の水収納容器6の斜視図、図6はその水収納容器6から取り出した飲料水バッグ7の斜視図である。
前記水収納容器5は、フレキシブル性を有する例えばポリエチレンやビニール樹脂等の合成樹脂製の密閉袋からなる飲料水バッグ7と、その飲料水バッグ7の外周を保護する例えばダンボール箱などの外ケース8とから構成されており、飲料水バッグ7の中にはミネラルウォーターなどの飲料水9(図3,図4参照)が充填されている。
【0029】
図6に示すように、飲料水バッグ7の下部正面には合成樹脂の成形体からなる取水口部材10が取り付けられ、また、飲料水バッグ7の上部には飲料水バッグ7を取り扱うための取っ手部11が連結されている。
【0030】
図7は、前記断熱容器1の各壁面を示す概略斜視図である。同図に示すように断熱容器1は、後述する電子冷却ユニットの冷却プレート12とほぼ同じ面積を有する比較的面積の狭い四角形の底面壁13と、その底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の正面壁14と、前記底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の右側面壁15と、前記底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の左側面壁16と、前記底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の後面壁17とから構成され、上方に向けて開口した開口部18が形成されている。
【0031】
例えば図1に示すように、前記底面壁13の面積は開口部18の面積よりもかなり狭くなっている。
【0032】
本実施例の場合、飲料水バッグ7を前記収納空間部4内に装着する際に飲料水バッグ7の取水口部材10をガイドするガイド溝部19が図4に示すように前記正面壁14の内側部に縦に設けられている関係上、正面壁14は底面壁13に対して垂直に設けられている。
【0033】
これに対して右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17は図1と図4に示すように内側に向けて傾斜しており、断熱容器1の下部が底面壁13側に向って先細り状になっている。
【0034】
底面壁13の上に、例えば銅などの熱伝導性の良好な金属からなる四角形をした冷却プレート12が設置される。前述のように右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17は内側に向って傾斜しているから前記冷却プレート12の位置決めはスムーズになされ、例えば図1ならびに図4に示すように冷却プレート12は正面壁14、右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17の四方の下端部に嵌り合った状態になっている。
【0035】
底面壁13の適所に貫通穴が形成されて、その貫通穴内に電子冷却素子20が装着され、電子冷却素子20の上部は冷却プレート12に密着し、電子冷却素子20の下部は底面壁13の下部に設置された放熱プレート21に密着している。この放熱プレート21には放熱フィン22が付設されている。
【0036】
また図4に示すように、前記放熱フィン22の近くには放熱ファン23が設置されている。冷却プレート12の表面には第1温度センサー24が、後面壁17の内側傾斜面の途中(後面壁17の高さ方向のほぼ中間位置)には第2温度センサー25がそれぞれ付設されており、第1温度センサー24ならびに第2温度センサー25によって検出された水温信号は電源制御部26に入力される。また、電源制御部26は電子冷却素子20ならびに放熱ファン23に接続され、それぞれに制御信号を出力するようになっている。
【0037】
なお、図4において示す符号27は放熱のための吸気口、28は仕切り部材、29は取水カバー、30は取水レバー、31はコップ受け、32はコップである。
【0038】
本実施例に係るウォーターサーバーは、前述のような構成になっている。
図1に示すように断熱容器1から断熱カバー2を外し、一方、飲料水バッグ7を外ケース8から取り出し、取っ手部11を持って飲料水バッグ7を断熱容器1の開口部18から収納空間部4内に挿入する。この際、飲料水バッグ7の取水口部材10を正面壁14に形成されているガイド溝部19に沿って挿入して(図4参照)、飲料水バッグ7を直接冷却プレート12の上に載置する。
【0039】
飲料水バッグ7は柔軟性に富んでおり、しかも飲料水バッグ7内の飲料水9の水圧により、飲料水バッグ7は冷却プレート12の上面、ならびに正面壁14、右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17の内面に密着する。この密着と、右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17の内側に向いた傾斜面により、飲料水バッグ7の下部形状は冷却プレート12側に向けた先細り状に変形されるとともに、飲料水バッグ7の底面の面積は冷却プレート12の面積に規制される。
【0040】
図4に示すように、飲料水バッグ7の取水口部材10は、冷却プレート12とほぼ同じ水平位置かあるいはそれよりも若干低い位置に設置される。図示していないが、断熱容器1のガイド溝部19の下部には、挿入された取水口部材10が浮き上がらないように位置を固定するロック機構が設けられており、このロック機構の保持機能により、冷却プレート12に対する飲料水バッグ7の密着状態が良好に維持される。
【0041】
また、第2温度センサー25は後面壁17の内側傾斜面上に設置されているから、飲料水9の水圧により飲料水バッグ7との密着性も良好であり、飲料水バッグ7と第2温度センサー25との間に隙間が形成されることが無く、飲料水バッグ7内の飲料水9の温度を精確に検出することができる。
【0042】
本実施例では第2温度センサー25を後面壁17の内側傾斜面上に設置したが、右側面壁15あるいは左側面壁16の内側傾斜面上に設置することも可能である。
【0043】
このようにして飲料水バッグ7を断熱容器1内に設置した後、図3ならびに図4に示すように断熱容器1に断熱カバー2を被せて、収納空間部4を密閉する。
この状態で図4に示すように、電源制御部26からの制御信号により電子冷却素子20に所定の電力を投入するとともに、放熱ファン23を回転駆動すると、冷却プレート12の温度が下がり、冷却プレート12近傍の飲料水9が冷却される。前述のように冷却プレート12近傍の飲料水9の量は、内側傾斜面を有する右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17によって少なく規制されているから、冷却プレート12近傍の飲料水9の冷却は急速に進行し、冷水の生成が速やかに行なわれる。
【0044】
冷水を取り出す際には図4に示すように、コップ受け31にコップ32を載せ、取水カバー29を矢印方向に開き、取水レバー30を押し下げることにより、冷却プレート12の近くに設置されている取水口部材10から冷水を取り出すことができる。なお、取水カバー29の動作を取水レバー30の動作に連動させることも可能である。
【0045】
図8は、本実施例ならびに比較例のウォーターサーバーにおける取水水温の変化を示す特性図である。図中の曲線Aは図9に示す本実施例に係るウォーターサーバーでの取水水温特性曲線、曲線Bは図10に示す比較例に係るウォーターサーバーでの取水水温特性曲線である。
【0046】
図9に示す本実施例に係るウォーターサーバーは、飲料水バッグ7の底面積が冷却プレート12とほぼ同じ面積になるよラに断熱容器1の周壁(右側面壁15、左側面壁16、後面壁17)に傾斜が付けられている。
【0047】
これに対して図10に示す比較例のウォーターサーバーは、断熱容器1の周壁には傾斜が付けられておらず、垂直方向に延びており、広い底面壁の中央部に冷却プレート12が設置されている。
【0048】
本実施例ならびに比較例のウォーターサーバーともに120mm×120mmの大きさの冷却プレート12を使用し、図10に示す比較例のウォーターサーバーでは底面壁のサイズが200mm×200mmである。なお、電子冷却素子20への電力供給量などの他の条件は本実施例ならびに比較例とも同じである。
【0049】
各ウォーターサーバーとも飲料水バッグ7内の飲料水9を冷却プレート12で直接冷却し、10分毎に500mlの取水を行い、取水温度TW1を測定したものである。この取水水温TW1はウォーターサーバー内では、図9ならびに図10に示すように取水口部材10の開口部付近の水温に相当する。
【0050】
この図8から明らかなように、同じ能力の電子冷却素子20を使用しても、本実施例に係るウォーターサーバー(曲線A)は30分後の500ml取水温度で10℃以下にすることができる。これに対して比較例のウォーターサーバーは30分後の500ml取水温度は15℃と高く、40分後でも10℃以下にすることができない。このことから本発明に係るウォーターサーバーは、起動して冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能であることが立証できる。
【0051】
図10に示す比較例のウォーターサーバーにおいて冷水が早いうちに取水できないのは、図9に示す本発明に係るウォーターサーバーに較べて冷却プレート12の周囲に存在する飲料水9の量が多く、そのために飲料水9の温度を下げるのに時間がかかるためだと考えられる。
【0052】
なお、図10に示す比較例のウォーターサーバーにおいて、冷却プレート周囲の飲料水温度を短時間に下げるため、冷却プレート12の敷設面積を断熱容器1の底面積とほぼ同じになるように拡大することが考えられる。しかしそうすれば、電子冷却素子20の設置数を増やす必要がありコスト高となり、また、電力消費量も増えてランニングコストも高くなるため好ましくない。
【0053】
(ウォーターサーバーの温度制御)
次に本実施例に係るウォーターサーバーの温度制御について、図11(a),(b),(c)を用いて説明する。
【0054】
ウォーターサーバーを起動すると冷却プレート周囲の飲料水9がまず冷却され、図8の曲線Aに示すように温度が急速に低下し、図11(a)に示すように、冷却プレート周囲の飲料水9が4℃以下になると冷却プレート12の周囲で対流33が発生し、対流33の働きで上部の飲料水9との入れ替わりがあり、上部の飲料水9も徐々に冷却される。図11(a)の例の場合、飲料水バッグ7のほぼ中間位置に設置されている第2温度センサー25による中間部温度(T2)は12℃を検出している。
【0055】
このようにして飲料水9の冷却が続行されるが、冷却プレート12に付設された第1温度センサー24により飲料水バッグ7の底面温度(T1)が、前記第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が、それぞれ監視されている。そして、前記第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が4℃に到達するまで、電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる(ステップ1)。
【0056】
この場合、飲料水バッグ7の底面温度(T1)は安定している。安定する温度は飲料水バッグ7と冷却プレート12の接触状態により異なる。このデータの場合、中間部温度(T2)は4℃で、底面温度(T1)は0℃と、約4℃の温度差がついている。
【0057】
そして飲料水9の冷却が進むに連れて対流33が発生する領域も広くなり、図11(b)に示すように前記第2温度センサー25による中間部温度(T2)が4℃となった段階で、飲料水バッグ7の底面温度(T1)を検知する。そして、この底面温度(T1)がその温度から1℃以上の温度降下するまでの間、同じく電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる(ステップ2)。
このデータの場合、底面温度(T1)は0℃で、中間部温度(T2)との温度差は約4℃で安定している。
【0058】
さらに飲料水9の冷却が進み、飲料水9全体が4℃まで冷却されると、対流効果が極端に低下し、前記第1温度センサー24の温度は0℃よりも低下し始め、それにつれて底部の水温は4℃より降下を始める。このまま放置すると、底部水温は0℃以下となり凍結を起こす。
【0059】
この凍結を回避するため、前記第1温度センサー24の温度T1が、安定温度より1℃以上低下した段階で、冷水制御温度TCw(この場合2℃)となるように制御を行う。
【0060】
冷水温度を6℃とするには、先にステップ1で説明したように、冷却プレート面と水温は4℃の温度差がつくので、冷水温度を6℃とするには第1温度センサー24による温度制御は4℃低い2℃になるように、電子冷却素子20へ投入する電力を制御することになる。全体が4℃の冷水となった以降は、この冷水設定温度TCwを変えることで、4℃以上の任意の冷水温度に制御することができる(ステップ3)。
【0061】
図11(c)に示すように、繰り返しの取水により飲料水バッグ7の飲料水9の量が少なくなった場合、前記冷水制御温度TCwが0℃以下では、飲料水バッグ7の底部の飲料水9が凍結する恐れがあるため、冷水制御温度TCwは必ず0℃以上とする。これにより、前記第2温度センサー25の位置以下の水位となった場合でも、飲料水バッグ7の底面温度(T1)は0℃以上での制御となるため、飲料水バッグ7の底面付近の飲料水9の凍結は発生しない(ステップ4)。なお、図11(c)は、飲料水バッグ7内の飲料水9が凍結した状態を示している。
【0062】
また、飲料水バッグ7を新しく入れ替えた場合には、第1温度センサー24は前記冷水制御温度TCwより5℃以上温度が上昇するため、これを第1温度センサー24で検知して、前記ステップ1の「第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が4℃に到達するまで、電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる」制御に復帰する。
【0063】
また、冷水温度は10℃以下の条件であるから、第1温度センサー24の温度が10℃を超えた場合も、前記ステップ1の「第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が4℃に到達するまで、電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる」制御に復帰する。
【0064】
このように温度センサー24,25を2個設置することにより、初期の冷却取水時間を短縮し、飲料水全体を冷水温度に冷却し、任意の冷水温度に保冷し、かつ凍結などの防止を行い、飲料水バッグ7の交換検知も行なうことが可能で、衛生状態を維持し、かつ省エネルギーのウォーターサーバーを提供することができる。
【0065】
(ウォーターサーバーの第1変形例)
図12ないし図14はウォーターサーバーの第1変形例を説明するための図で、図12はウォーターサーバーの一部を断面にした正面図、図13はそのウォーターサーバーに設置されるくさび状突起部材の一部を断面にした拡大斜視図、図14はそのウォーターサーバーに装着される外ケースの底面図である。
【0066】
前記実施例では、飲料水バッグ7を外ケース8から取り出して、飲料水バッグ7のみをウォーターサーバーに装着していた。この第1変形例に係るウォーターサーバーでは、飲料水バッグ7を外ケース8から取り出す必要がなく、外ケース8とともに飲料水バッグ7をウォーターサーバーに装着できる構成になっている断熱容器1は、底面壁13と、その底面壁13から立設した正面壁(図示せず)と、右側面壁15と、左側面壁16と、後面壁(図示せず)とから構成されており、断熱容器1自体の形状は従来のものと同じである。
【0067】
図12に示すように、前記右側面壁15と左側面壁16の内側には、若干の隙間をおいてくさび状の突起部材34が立設・固定されている。この突起部材34は図13に示すように断面形状がほぼ直角三角形をしており、底面壁13に固定される底面35と、その底面35から垂直方向に延びた垂直面36と、底面35から斜め方向に延びた傾斜面37を有し、垂直面36と傾斜面37が交差する頂部に尖端部38が設けられて、全体的に所定の幅を有するくさび状をしている。
【0068】
突起部材34は、その垂直面36が右側面壁15あるいは左側面壁16の内面と対向するように底面壁13にそれぞれ固定され、突起部材34の傾斜面37どうしが内側に向いて対向している。従って傾斜面37どうしの間隔は、下側、すなわち底面壁13に近づくに従って徐々に狭くなっており、傾斜面37どうしの最下端の間隔は冷却プレート12の幅とほぼ同寸になっている(図12参照)。
【0069】
突起部材34の高さは断熱容器1の高さのほぼ半分以上に設定されており、一方の突起部材34における傾斜面37の上部付近には第2温度センサー25が取り付けられている。
【0070】
図14に示すように、ダンボール箱からなる外ケース8の底面のほぼ中央位置には、冷却プレート12が挿入される開口部を形成するための第1ミシン目39が形成されている。また、外ケース8の底面の正面側端部には、飲料水バッグ7に付設されている取水口部材10を外ケース8から取り出すための第2ミシン目40が形成されている。
【0071】
さらに、外ケース8の底面の前記第1ミシン目39を挟んでその両側端部には、前記くさび状突起部材34の尖端部38が差し込まれる開口部を形成するための第3ミシン目41が形成されている。
【0072】
飲料水バッグ7を収納した外ケース8を断熱容器1にセットする前に、前記第1ミシン目39、第2ミシン目40ならびに第3ミシン目41に沿って外ケース8の一部を取り除く。この取り除きにより、外ケース8の底面のほぼ中央部に冷却プレート12が挿入される第1の開口部(図示せず)が、外ケース8の底面の正面側端部に取水口部材10を取り出すための第2の開口部(図示せず)が、外ケース8の左右両側端部近くにはくさび状突起部材34の尖端部38が差し込まれる第3の開口部(図示せず)が、それぞれ形成される。
【0073】
次に取水口部材10を外ケース8の前記第2の開口部から取り出して、外ケース8の底面側を下にして断熱容器1の内側に外ケース8を入れ込む。この外ケース8の挿入によりくさび状突起部材34の尖端部38が前記第3の開口部を通して外ケース8の内側に入り込む。この突起部材34の入り込みを容易にするため図14に示すように、第3ミシン目41の両側には切り込み用ミシン目42が形成されている。
【0074】
両側の突起部材34が外ケース8の内側に入り込んだ状態が図12に示されており、柔軟性の飲料水バッグ7は両側の突起部材34の傾斜面37に挟まれた形になり、下側、すなわち冷却プレート12側に近づくにつれて先細り状になっている。また、飲料水バッグ7の底面は冷却プレート12の広さに制限され、その飲料水バッグ7の底面が冷却プレート12に直接接触している。
【0075】
(ウォーターサーバーの第2変形例)
図15ないし図17はウォーターサーバーの第2変形例を説明するための図で、図15は飲料水バッグを挿入する前のウォーターサーバーの一部を断面にした正面図、図16は飲料水バッグをセットした状態でのウォーターサーバーの一部を断面にした正面図、図17はそのウォーターサーバーに使用される冷却プレートの斜視図である。
【0076】
前記実施例では平面形状がフラットな冷却プレート12を使用しているが、この第2変形例に係るウォーターサーバーでは、正面形状がほぼV字形をした冷却プレート12を使用している。
【0077】
この冷却プレート12は図17に示すように、冷却プレート12の中央部に湾曲部43を有し、その湾曲部43の一方の端部から上方に向けて延びた第1傾斜平面部44と、湾曲部43の他方の端部から上方に向けて延びた第2傾斜平面部45を備えて、全体として正面形状がほぼV字形をしている。この冷却プレート12は、断熱容器1の右側面壁15,左側面壁16の幅方向に沿って延びている。
【0078】
図15に示すように、冷却プレート12の第1傾斜平面部44の外側面には電子冷却素子20a、放熱フィン22aを付設した放熱プレート21aが取り付けられている。一方、第2傾斜平面部45の外側面には電子冷却素子20b、放熱フィン22bを付設した放熱プレート21bが取り付けられている。
【0079】
前記冷却プレート12、電子冷却素子20、放熱プレート21、放熱フィン22などで構成される電子冷却ユニットは断熱容器1の底面壁13に支持されている。
【0080】
断熱容器1の右側面壁15の内面には、前記第1傾斜平面部44とほぼ同じ傾斜角度を有する第1傾斜受け面46が形成され、この第1傾斜受け面46の上部に第2温度センサー25が付設されている。また、断熱容器1の左側面壁16の内面にも同様に、前記第2傾斜平面部45とほぼ同じ傾斜角度を有する第2傾斜受け面47が形成されている。
【0081】
図15に示すように、底面壁13の上部に右側面壁15ならびに左側面壁16を設置することにより、冷却プレート12の第1傾斜平面部44と右側面壁15の第1傾斜受け面46がほぼ面一の傾斜面となり、冷却プレート12の第2傾斜平面部45と左側面壁16の第2傾斜受け面47がほぼ面一の傾斜面となる。
【0082】
断熱カバー2を外して断熱容器1内にフレキシブルな飲料水バッグ7を挿入すると、図16に示すように飲料水バッグ7の両側は、第1傾斜受け面46ならびに第1傾斜平面部44と、第2傾斜受け面47ならびに第2傾斜平面部45に沿って、下方に行くに従って先細り状に変形される。そして飲料水バッグ7の取水口部材10が冷却プレート12の最下部の湾曲部43と対応する位置に設置される。
【0083】
この変形例のように正面形状がほぼV字形の冷却プレート12を使用することにより、図16に示すように、取水口部材10からコップ32までの落下距離Lを短くすることが可能となり、取水時における冷水の飛散が軽減される。
【0084】
前記実施例ならびに変形例では断熱容器1と断熱カバー2が完全に分離する構造のウォーターサーバーについて説明したが、断熱カバー2を断熱容器1に対して開閉可能にヒンジする構造にすることも可能である。
【0085】
前記実施例では断熱容器1の右側面壁15と左側面壁16と後面壁17の3つの周壁に傾斜面を設けたが、例えば右側面壁15と左側面壁16の2つ、あるいは例えば後面壁17の1つの周壁に傾斜面を設けることもできる。
【0086】
前記第1比較例では外ケース8ごと断熱容器1内に挿入する場合を説明したが、外ケース8から飲料水バッグ7を取り出し、その飲料水バッグ7を断熱容器1内に挿入して、突起部材34により飲料水バッグ7を変形させることも可能である。
【0087】
前記実施例ならびに変形例では冷水を生成するウォーターサーバーの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子冷却素子に流す電流の極性を換えることにより、熱水を生成するウォーターサーバーにも適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・・断熱容器、
2・・・断熱カバー、
3・・・断熱筐体、
4・・・収納空間部、
5・・・サーバー本体、
6・・・水収納容器、
7・・・飲料水バッグ、
8・・・外ケース、
9・・・飲料水、
10・・・取水口部材、
12・・・冷却プレート、
13・・・底面壁、
14・・・正面壁、
15・・・右側面壁、
16・・・左側面壁、
17・・・後面壁、
20・・・電子冷却素子、
24・・・第1温度センサー、
25・・・第2温度センサー、
26・・・電源制御部、
34・・・突起部材、
35・・・底面、
36・・・垂直面、
37・・・傾斜面、
38・・・尖端部、
39・・・第1ミシン目、
40・・・第2ミシン目、
41・・・第3ミシン目、
42・・・切り込み用ミシン目、
43・・・湾曲部、
44・・・第1傾斜部、
45・・・第2傾斜部、
46・・・第1傾斜受け面、
47・・・第2傾斜受け面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水を供給する冷水サーバーあるいは冷水・熱水サーバーなどのウォーターサーバーに係り、特に電子冷却素子(ペルチェ素子)の冷却機能を利用したウォーターサーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料水への雑菌の侵入、繁殖を阻止するために、天然水(ミネラルウォーター)などの飲料水を柔軟性材料からなる飲料水バッグに封入して、これをダンボール箱などの外ケースに入れたバッグインボックス(Bag in Box:BIB)が使用されている。
【0003】
この柔軟性を有する飲料水バッグは、内部の飲料水の取水に合わせて飲料水バッグが収縮するため、外気が飲料水バッグ内に入らず、従って外部からの雑菌の侵入が阻止できるという特長を有している。
【0004】
前記BIBを使用したウォーターサーバーに関して種々の提案がなされている。
特開2003−206000号公報(特許文献1)には、柔軟性を有する飲料水バッグをダンボール箱などの外ケースから取り出して、ウォーターサーバーの冷却板の上に前記飲料水バッグを載置し、冷却板で飲料水バッグ中の飲料水を直接冷却して、飲料水バッグから冷却水を取水するウォーターサーバーが記載されている。
【0005】
図18は、前記特開2003−206000号公報(特許文献1)に記載のウォーターサーバーの分解斜視図である。
同図に示すように、筐体101の上部にはバッグ収納部102が形成され、そのバッグ収納部102は、底壁103と右側壁104と左側壁105と後壁106を備えており、開放状態になっているバッグ収納部102の前面と上面は、側断面形状がL字形の蓋107で閉塞されるようになっている。
【0006】
前記底壁103は、前方から見てV字形に形成され、最も低位置にU字形の溝108が形成されている。溝108の前端部は前方に向って開口し、前記蓋107の切り欠き109とで飲料水バッグ110の注水栓111を外部に突出させるための注水栓取出部を構成している。なお、前記溝108は、前下がり状に傾斜している。
【0007】
底壁103の上面には全面に亘って冷却プレート112が設置され、この冷却プレート112の上に直接飲料水バッグ110が載置されるようになっている。底壁103の下面には全面に亘って蛇行状に冷媒通路113が形成され、冷媒通路113は配管114を介してコンプレッサー115に接続され、冷媒循環経路を構成している。
【0008】
前記右側壁104、左側壁105ならびに後壁106は底壁103に対して垂直に延びており、前記右側壁104と左側壁105の内面には前後方向に延びたストッパー117が突設されている。
【0009】
前記飲料水バッグ110は、ダンボール外箱116に入れて出荷される。図18に示すように、筐体101から蓋107を取り外し、飲料水バッグ110を収納したダンボール外箱116をバッグ収納部102の上方から強制的に挿入する。
【0010】
ダンボール外箱116の左右の下隅部を前記左右のストッパー117に係止し、ダンボール外箱116の下面を開封して、飲料水バッグ110のみを底壁103の上に抜き落とし、空になったダンボール外箱116を取り外す。
【0011】
飲料水バッグ110をバッグ収納部102に収納した後、蓋107を被せて、切り欠き109から注水栓111を前方に突出させて、飲料水バッグ110の装着が終了する。
【0012】
冷水が必要な場合は、コップ台118にコップ119を載せて、注水栓111を開くことにより、飲料水バッグ110内の冷水を直接コップ119に注ぐことができる。
【0013】
前述のように底壁103をV字形に形成し、溝108を前下がり状に傾斜することにより、バッグ交換時における飲料水バッグ110内の残留水を少なくすることができる。
なお、BIBを使用したウォーターサーバーに関しては、前述の特許文献1の他に下記に示すような特許文献2〜5を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−206000号公報
【特許文献2】特開2008−37445号公報
【特許文献3】特開2008−56325号公報
【特許文献4】特開2009−275933号公報
【特許文献5】特開2008−156001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
図18に示す従来のウォーターサーバーでも、ウォーターサーバーを起動して冷水が早いうちに取水できる、すなわち、初期の冷却取水時間を短縮できる構成にはなっていないという問題点があった。
【0016】
本発明の目的は、ウォーターサーバーを起動して冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能で、しかも消費電力の低減が図れるウォーターサーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
収納空間部を形成した断熱容器と、その断熱容器の開口部を開閉する断熱カバーを有する断熱筐体と、
前記断熱容器内に設置された熱伝導性の良好な金属からなる熱伝導性プレートと、
その熱伝導性プレートに密着して熱伝導性プレートを冷却あるいは加熱する熱電変換素子を備え、
柔軟性を有する袋内に飲料水を封入した飲料水バッグを前記収納空間部に収納して、その飲料水バッグの底面を前記熱伝導性プレートに直接接触させて、前記熱電変換素子により前記熱伝導性プレートを介して飲料水バッグ内の飲料水を冷却あるいは加熱して、冷水あるいは熱水として取り出されるウォーターサーバーにおいて、
前記熱伝導性プレートの付近に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量を前記熱伝導性プレートから離れた上方位置に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量よりも少なく規制するための飲料水量規制手段を前記収納空間部内に設け、
前記収納空間部内に収納した前記飲料水バッグを前記飲料水量規制手段に沿って変形して、前記熱伝導性プレートの付近に存在する飲料水バッグ内の飲料水量を少なく規制する構成になっていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記断熱容器の収納空間部が、底面壁と、その底面壁から立設した周壁で形成され、前記周壁の基部付近を前記熱伝導性プレート側に向けて突出することにより前記飲料水量規制手段が構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記開口部が断熱容器の上方に設けられて、その断熱容器の上方から前記飲料水バッグを前記収納空間部に挿入する構造になっており、
前記周壁の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記周壁の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第4の手段は前記第1の手段において、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の収納空間部内に設置された突起部材から構成されており、その突起部材の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記突起部材の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第5の手段は前記第1の手段において、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の底面から立設された突起部材で構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第6の手段は前記第1の手段において、
前記飲料水バッグの底部付近の温度を検出する第1温度センサーと、
前記飲料水バッグの中間部付近の温度を検出する第2温度センサーと、
前記第1温度センサーならびに第2温度センサーからの検出信号を入力して、前記熱電変換素子への投入電力を制御する制御部と
を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第7の手段は前記第6の手段において、
前記第1温度センサーが前記熱伝導性プレートの前記飲料水バッグの底部と接する表面に取り付けられ、前記第2温度センサーが前記断熱容器の前記飲料水バッグの中間部と接する周壁に取り付けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は前述のような構成になっており、ウォーターサーバーを起動して冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能で、しかも消費電力の低減が図れるウォーターサーバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例に係るウォーターサーバーの飲料水バッグを装着する前の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図2】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを装着する直前の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図3】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを裝着した後の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図4】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを装着した後の状態を示す一部を断面にした右側面図である。
【図5】バッグインボックス型の水収納容器の斜視図である。
【図6】その水収納容器から取り出した飲料水バッグの斜視図である。
【図7】本発明の実施例に用いる断熱容器の各壁面を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施例ならびに比較例のウォーターサーバーにおける取水水温の変化を示す特性図である。
【図9】本発明の実施例に係るウォーターサーバーの一部を断面にした正面図である。
【図10】比較例に係るウォーターサーバーの一部を断面にした正面図である。
【図11】(a),(b),(c)本発明の実施例に係るウォーターサーバーの温度制御を説明するための図である。
【図12】本発明の第1変形例に係るウォーターサーバーの一部を断面にした正面図である。
【図13】そのウォーターサーバーに設置されるくさび状突起部材の一部を断面にした拡大斜視図である。
【図14】そのウォーターサーバーに装着される外ケースの底面図である。
【図15】本発明の第2変形例に係るウォーターサーバーの飲料水バッグを挿入する前の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図16】そのウォーターサーバーに飲料水バッグを装着した後の状態を示す一部を断面にした正面図である。
【図17】そのウォーターサーバーに使用される冷却プレートの斜視図である。
【図18】従来提案されたウォーターサーバーの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明の実施例を図面とともに説明する。
(ウォーターサーバーの概略構成)
図1ないし図4を用いて本発明の実施例に係るウォーターサーバーの概略構成について説明する。
【0027】
本実施例に係るウォーターサーバーはこれらの図に示すように、上方が開放した断熱容器1と、その断熱容器1の上部に着脱可能に装着される断熱カバー2とを有し、前記断熱容器1と断熱カバー2には例えば真空断熱などの断熱構造が施されている。前記断熱容器1と断熱カバー2により断熱筐体3が構成され、その断熱筐体3の内側に収納空間部4が形成される(図3,図4参照)。前記断熱容器1は、サーバー本体5の上部に取り付けられている。
【0028】
図5はバッグインボックス(BIB)型の水収納容器6の斜視図、図6はその水収納容器6から取り出した飲料水バッグ7の斜視図である。
前記水収納容器5は、フレキシブル性を有する例えばポリエチレンやビニール樹脂等の合成樹脂製の密閉袋からなる飲料水バッグ7と、その飲料水バッグ7の外周を保護する例えばダンボール箱などの外ケース8とから構成されており、飲料水バッグ7の中にはミネラルウォーターなどの飲料水9(図3,図4参照)が充填されている。
【0029】
図6に示すように、飲料水バッグ7の下部正面には合成樹脂の成形体からなる取水口部材10が取り付けられ、また、飲料水バッグ7の上部には飲料水バッグ7を取り扱うための取っ手部11が連結されている。
【0030】
図7は、前記断熱容器1の各壁面を示す概略斜視図である。同図に示すように断熱容器1は、後述する電子冷却ユニットの冷却プレート12とほぼ同じ面積を有する比較的面積の狭い四角形の底面壁13と、その底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の正面壁14と、前記底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の右側面壁15と、前記底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の左側面壁16と、前記底面壁13から立設して側面形状が下方に向って先細りになった五角形の後面壁17とから構成され、上方に向けて開口した開口部18が形成されている。
【0031】
例えば図1に示すように、前記底面壁13の面積は開口部18の面積よりもかなり狭くなっている。
【0032】
本実施例の場合、飲料水バッグ7を前記収納空間部4内に装着する際に飲料水バッグ7の取水口部材10をガイドするガイド溝部19が図4に示すように前記正面壁14の内側部に縦に設けられている関係上、正面壁14は底面壁13に対して垂直に設けられている。
【0033】
これに対して右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17は図1と図4に示すように内側に向けて傾斜しており、断熱容器1の下部が底面壁13側に向って先細り状になっている。
【0034】
底面壁13の上に、例えば銅などの熱伝導性の良好な金属からなる四角形をした冷却プレート12が設置される。前述のように右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17は内側に向って傾斜しているから前記冷却プレート12の位置決めはスムーズになされ、例えば図1ならびに図4に示すように冷却プレート12は正面壁14、右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17の四方の下端部に嵌り合った状態になっている。
【0035】
底面壁13の適所に貫通穴が形成されて、その貫通穴内に電子冷却素子20が装着され、電子冷却素子20の上部は冷却プレート12に密着し、電子冷却素子20の下部は底面壁13の下部に設置された放熱プレート21に密着している。この放熱プレート21には放熱フィン22が付設されている。
【0036】
また図4に示すように、前記放熱フィン22の近くには放熱ファン23が設置されている。冷却プレート12の表面には第1温度センサー24が、後面壁17の内側傾斜面の途中(後面壁17の高さ方向のほぼ中間位置)には第2温度センサー25がそれぞれ付設されており、第1温度センサー24ならびに第2温度センサー25によって検出された水温信号は電源制御部26に入力される。また、電源制御部26は電子冷却素子20ならびに放熱ファン23に接続され、それぞれに制御信号を出力するようになっている。
【0037】
なお、図4において示す符号27は放熱のための吸気口、28は仕切り部材、29は取水カバー、30は取水レバー、31はコップ受け、32はコップである。
【0038】
本実施例に係るウォーターサーバーは、前述のような構成になっている。
図1に示すように断熱容器1から断熱カバー2を外し、一方、飲料水バッグ7を外ケース8から取り出し、取っ手部11を持って飲料水バッグ7を断熱容器1の開口部18から収納空間部4内に挿入する。この際、飲料水バッグ7の取水口部材10を正面壁14に形成されているガイド溝部19に沿って挿入して(図4参照)、飲料水バッグ7を直接冷却プレート12の上に載置する。
【0039】
飲料水バッグ7は柔軟性に富んでおり、しかも飲料水バッグ7内の飲料水9の水圧により、飲料水バッグ7は冷却プレート12の上面、ならびに正面壁14、右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17の内面に密着する。この密着と、右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17の内側に向いた傾斜面により、飲料水バッグ7の下部形状は冷却プレート12側に向けた先細り状に変形されるとともに、飲料水バッグ7の底面の面積は冷却プレート12の面積に規制される。
【0040】
図4に示すように、飲料水バッグ7の取水口部材10は、冷却プレート12とほぼ同じ水平位置かあるいはそれよりも若干低い位置に設置される。図示していないが、断熱容器1のガイド溝部19の下部には、挿入された取水口部材10が浮き上がらないように位置を固定するロック機構が設けられており、このロック機構の保持機能により、冷却プレート12に対する飲料水バッグ7の密着状態が良好に維持される。
【0041】
また、第2温度センサー25は後面壁17の内側傾斜面上に設置されているから、飲料水9の水圧により飲料水バッグ7との密着性も良好であり、飲料水バッグ7と第2温度センサー25との間に隙間が形成されることが無く、飲料水バッグ7内の飲料水9の温度を精確に検出することができる。
【0042】
本実施例では第2温度センサー25を後面壁17の内側傾斜面上に設置したが、右側面壁15あるいは左側面壁16の内側傾斜面上に設置することも可能である。
【0043】
このようにして飲料水バッグ7を断熱容器1内に設置した後、図3ならびに図4に示すように断熱容器1に断熱カバー2を被せて、収納空間部4を密閉する。
この状態で図4に示すように、電源制御部26からの制御信号により電子冷却素子20に所定の電力を投入するとともに、放熱ファン23を回転駆動すると、冷却プレート12の温度が下がり、冷却プレート12近傍の飲料水9が冷却される。前述のように冷却プレート12近傍の飲料水9の量は、内側傾斜面を有する右側面壁15、左側面壁16ならびに後面壁17によって少なく規制されているから、冷却プレート12近傍の飲料水9の冷却は急速に進行し、冷水の生成が速やかに行なわれる。
【0044】
冷水を取り出す際には図4に示すように、コップ受け31にコップ32を載せ、取水カバー29を矢印方向に開き、取水レバー30を押し下げることにより、冷却プレート12の近くに設置されている取水口部材10から冷水を取り出すことができる。なお、取水カバー29の動作を取水レバー30の動作に連動させることも可能である。
【0045】
図8は、本実施例ならびに比較例のウォーターサーバーにおける取水水温の変化を示す特性図である。図中の曲線Aは図9に示す本実施例に係るウォーターサーバーでの取水水温特性曲線、曲線Bは図10に示す比較例に係るウォーターサーバーでの取水水温特性曲線である。
【0046】
図9に示す本実施例に係るウォーターサーバーは、飲料水バッグ7の底面積が冷却プレート12とほぼ同じ面積になるよラに断熱容器1の周壁(右側面壁15、左側面壁16、後面壁17)に傾斜が付けられている。
【0047】
これに対して図10に示す比較例のウォーターサーバーは、断熱容器1の周壁には傾斜が付けられておらず、垂直方向に延びており、広い底面壁の中央部に冷却プレート12が設置されている。
【0048】
本実施例ならびに比較例のウォーターサーバーともに120mm×120mmの大きさの冷却プレート12を使用し、図10に示す比較例のウォーターサーバーでは底面壁のサイズが200mm×200mmである。なお、電子冷却素子20への電力供給量などの他の条件は本実施例ならびに比較例とも同じである。
【0049】
各ウォーターサーバーとも飲料水バッグ7内の飲料水9を冷却プレート12で直接冷却し、10分毎に500mlの取水を行い、取水温度TW1を測定したものである。この取水水温TW1はウォーターサーバー内では、図9ならびに図10に示すように取水口部材10の開口部付近の水温に相当する。
【0050】
この図8から明らかなように、同じ能力の電子冷却素子20を使用しても、本実施例に係るウォーターサーバー(曲線A)は30分後の500ml取水温度で10℃以下にすることができる。これに対して比較例のウォーターサーバーは30分後の500ml取水温度は15℃と高く、40分後でも10℃以下にすることができない。このことから本発明に係るウォーターサーバーは、起動して冷水が早いうちに取水でき、それに引き続いて飲料水を入れた飲料水バッグ全体の水温も比較的早く下げることが可能であることが立証できる。
【0051】
図10に示す比較例のウォーターサーバーにおいて冷水が早いうちに取水できないのは、図9に示す本発明に係るウォーターサーバーに較べて冷却プレート12の周囲に存在する飲料水9の量が多く、そのために飲料水9の温度を下げるのに時間がかかるためだと考えられる。
【0052】
なお、図10に示す比較例のウォーターサーバーにおいて、冷却プレート周囲の飲料水温度を短時間に下げるため、冷却プレート12の敷設面積を断熱容器1の底面積とほぼ同じになるように拡大することが考えられる。しかしそうすれば、電子冷却素子20の設置数を増やす必要がありコスト高となり、また、電力消費量も増えてランニングコストも高くなるため好ましくない。
【0053】
(ウォーターサーバーの温度制御)
次に本実施例に係るウォーターサーバーの温度制御について、図11(a),(b),(c)を用いて説明する。
【0054】
ウォーターサーバーを起動すると冷却プレート周囲の飲料水9がまず冷却され、図8の曲線Aに示すように温度が急速に低下し、図11(a)に示すように、冷却プレート周囲の飲料水9が4℃以下になると冷却プレート12の周囲で対流33が発生し、対流33の働きで上部の飲料水9との入れ替わりがあり、上部の飲料水9も徐々に冷却される。図11(a)の例の場合、飲料水バッグ7のほぼ中間位置に設置されている第2温度センサー25による中間部温度(T2)は12℃を検出している。
【0055】
このようにして飲料水9の冷却が続行されるが、冷却プレート12に付設された第1温度センサー24により飲料水バッグ7の底面温度(T1)が、前記第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が、それぞれ監視されている。そして、前記第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が4℃に到達するまで、電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる(ステップ1)。
【0056】
この場合、飲料水バッグ7の底面温度(T1)は安定している。安定する温度は飲料水バッグ7と冷却プレート12の接触状態により異なる。このデータの場合、中間部温度(T2)は4℃で、底面温度(T1)は0℃と、約4℃の温度差がついている。
【0057】
そして飲料水9の冷却が進むに連れて対流33が発生する領域も広くなり、図11(b)に示すように前記第2温度センサー25による中間部温度(T2)が4℃となった段階で、飲料水バッグ7の底面温度(T1)を検知する。そして、この底面温度(T1)がその温度から1℃以上の温度降下するまでの間、同じく電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる(ステップ2)。
このデータの場合、底面温度(T1)は0℃で、中間部温度(T2)との温度差は約4℃で安定している。
【0058】
さらに飲料水9の冷却が進み、飲料水9全体が4℃まで冷却されると、対流効果が極端に低下し、前記第1温度センサー24の温度は0℃よりも低下し始め、それにつれて底部の水温は4℃より降下を始める。このまま放置すると、底部水温は0℃以下となり凍結を起こす。
【0059】
この凍結を回避するため、前記第1温度センサー24の温度T1が、安定温度より1℃以上低下した段階で、冷水制御温度TCw(この場合2℃)となるように制御を行う。
【0060】
冷水温度を6℃とするには、先にステップ1で説明したように、冷却プレート面と水温は4℃の温度差がつくので、冷水温度を6℃とするには第1温度センサー24による温度制御は4℃低い2℃になるように、電子冷却素子20へ投入する電力を制御することになる。全体が4℃の冷水となった以降は、この冷水設定温度TCwを変えることで、4℃以上の任意の冷水温度に制御することができる(ステップ3)。
【0061】
図11(c)に示すように、繰り返しの取水により飲料水バッグ7の飲料水9の量が少なくなった場合、前記冷水制御温度TCwが0℃以下では、飲料水バッグ7の底部の飲料水9が凍結する恐れがあるため、冷水制御温度TCwは必ず0℃以上とする。これにより、前記第2温度センサー25の位置以下の水位となった場合でも、飲料水バッグ7の底面温度(T1)は0℃以上での制御となるため、飲料水バッグ7の底面付近の飲料水9の凍結は発生しない(ステップ4)。なお、図11(c)は、飲料水バッグ7内の飲料水9が凍結した状態を示している。
【0062】
また、飲料水バッグ7を新しく入れ替えた場合には、第1温度センサー24は前記冷水制御温度TCwより5℃以上温度が上昇するため、これを第1温度センサー24で検知して、前記ステップ1の「第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が4℃に到達するまで、電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる」制御に復帰する。
【0063】
また、冷水温度は10℃以下の条件であるから、第1温度センサー24の温度が10℃を超えた場合も、前記ステップ1の「第2温度センサー25により飲料水バッグ7の中間部温度(T2)が4℃に到達するまで、電子冷却素子20への電力は最大に投入されるように、電源制御部26によって電子冷却素子20の駆動制御がなされる」制御に復帰する。
【0064】
このように温度センサー24,25を2個設置することにより、初期の冷却取水時間を短縮し、飲料水全体を冷水温度に冷却し、任意の冷水温度に保冷し、かつ凍結などの防止を行い、飲料水バッグ7の交換検知も行なうことが可能で、衛生状態を維持し、かつ省エネルギーのウォーターサーバーを提供することができる。
【0065】
(ウォーターサーバーの第1変形例)
図12ないし図14はウォーターサーバーの第1変形例を説明するための図で、図12はウォーターサーバーの一部を断面にした正面図、図13はそのウォーターサーバーに設置されるくさび状突起部材の一部を断面にした拡大斜視図、図14はそのウォーターサーバーに装着される外ケースの底面図である。
【0066】
前記実施例では、飲料水バッグ7を外ケース8から取り出して、飲料水バッグ7のみをウォーターサーバーに装着していた。この第1変形例に係るウォーターサーバーでは、飲料水バッグ7を外ケース8から取り出す必要がなく、外ケース8とともに飲料水バッグ7をウォーターサーバーに装着できる構成になっている断熱容器1は、底面壁13と、その底面壁13から立設した正面壁(図示せず)と、右側面壁15と、左側面壁16と、後面壁(図示せず)とから構成されており、断熱容器1自体の形状は従来のものと同じである。
【0067】
図12に示すように、前記右側面壁15と左側面壁16の内側には、若干の隙間をおいてくさび状の突起部材34が立設・固定されている。この突起部材34は図13に示すように断面形状がほぼ直角三角形をしており、底面壁13に固定される底面35と、その底面35から垂直方向に延びた垂直面36と、底面35から斜め方向に延びた傾斜面37を有し、垂直面36と傾斜面37が交差する頂部に尖端部38が設けられて、全体的に所定の幅を有するくさび状をしている。
【0068】
突起部材34は、その垂直面36が右側面壁15あるいは左側面壁16の内面と対向するように底面壁13にそれぞれ固定され、突起部材34の傾斜面37どうしが内側に向いて対向している。従って傾斜面37どうしの間隔は、下側、すなわち底面壁13に近づくに従って徐々に狭くなっており、傾斜面37どうしの最下端の間隔は冷却プレート12の幅とほぼ同寸になっている(図12参照)。
【0069】
突起部材34の高さは断熱容器1の高さのほぼ半分以上に設定されており、一方の突起部材34における傾斜面37の上部付近には第2温度センサー25が取り付けられている。
【0070】
図14に示すように、ダンボール箱からなる外ケース8の底面のほぼ中央位置には、冷却プレート12が挿入される開口部を形成するための第1ミシン目39が形成されている。また、外ケース8の底面の正面側端部には、飲料水バッグ7に付設されている取水口部材10を外ケース8から取り出すための第2ミシン目40が形成されている。
【0071】
さらに、外ケース8の底面の前記第1ミシン目39を挟んでその両側端部には、前記くさび状突起部材34の尖端部38が差し込まれる開口部を形成するための第3ミシン目41が形成されている。
【0072】
飲料水バッグ7を収納した外ケース8を断熱容器1にセットする前に、前記第1ミシン目39、第2ミシン目40ならびに第3ミシン目41に沿って外ケース8の一部を取り除く。この取り除きにより、外ケース8の底面のほぼ中央部に冷却プレート12が挿入される第1の開口部(図示せず)が、外ケース8の底面の正面側端部に取水口部材10を取り出すための第2の開口部(図示せず)が、外ケース8の左右両側端部近くにはくさび状突起部材34の尖端部38が差し込まれる第3の開口部(図示せず)が、それぞれ形成される。
【0073】
次に取水口部材10を外ケース8の前記第2の開口部から取り出して、外ケース8の底面側を下にして断熱容器1の内側に外ケース8を入れ込む。この外ケース8の挿入によりくさび状突起部材34の尖端部38が前記第3の開口部を通して外ケース8の内側に入り込む。この突起部材34の入り込みを容易にするため図14に示すように、第3ミシン目41の両側には切り込み用ミシン目42が形成されている。
【0074】
両側の突起部材34が外ケース8の内側に入り込んだ状態が図12に示されており、柔軟性の飲料水バッグ7は両側の突起部材34の傾斜面37に挟まれた形になり、下側、すなわち冷却プレート12側に近づくにつれて先細り状になっている。また、飲料水バッグ7の底面は冷却プレート12の広さに制限され、その飲料水バッグ7の底面が冷却プレート12に直接接触している。
【0075】
(ウォーターサーバーの第2変形例)
図15ないし図17はウォーターサーバーの第2変形例を説明するための図で、図15は飲料水バッグを挿入する前のウォーターサーバーの一部を断面にした正面図、図16は飲料水バッグをセットした状態でのウォーターサーバーの一部を断面にした正面図、図17はそのウォーターサーバーに使用される冷却プレートの斜視図である。
【0076】
前記実施例では平面形状がフラットな冷却プレート12を使用しているが、この第2変形例に係るウォーターサーバーでは、正面形状がほぼV字形をした冷却プレート12を使用している。
【0077】
この冷却プレート12は図17に示すように、冷却プレート12の中央部に湾曲部43を有し、その湾曲部43の一方の端部から上方に向けて延びた第1傾斜平面部44と、湾曲部43の他方の端部から上方に向けて延びた第2傾斜平面部45を備えて、全体として正面形状がほぼV字形をしている。この冷却プレート12は、断熱容器1の右側面壁15,左側面壁16の幅方向に沿って延びている。
【0078】
図15に示すように、冷却プレート12の第1傾斜平面部44の外側面には電子冷却素子20a、放熱フィン22aを付設した放熱プレート21aが取り付けられている。一方、第2傾斜平面部45の外側面には電子冷却素子20b、放熱フィン22bを付設した放熱プレート21bが取り付けられている。
【0079】
前記冷却プレート12、電子冷却素子20、放熱プレート21、放熱フィン22などで構成される電子冷却ユニットは断熱容器1の底面壁13に支持されている。
【0080】
断熱容器1の右側面壁15の内面には、前記第1傾斜平面部44とほぼ同じ傾斜角度を有する第1傾斜受け面46が形成され、この第1傾斜受け面46の上部に第2温度センサー25が付設されている。また、断熱容器1の左側面壁16の内面にも同様に、前記第2傾斜平面部45とほぼ同じ傾斜角度を有する第2傾斜受け面47が形成されている。
【0081】
図15に示すように、底面壁13の上部に右側面壁15ならびに左側面壁16を設置することにより、冷却プレート12の第1傾斜平面部44と右側面壁15の第1傾斜受け面46がほぼ面一の傾斜面となり、冷却プレート12の第2傾斜平面部45と左側面壁16の第2傾斜受け面47がほぼ面一の傾斜面となる。
【0082】
断熱カバー2を外して断熱容器1内にフレキシブルな飲料水バッグ7を挿入すると、図16に示すように飲料水バッグ7の両側は、第1傾斜受け面46ならびに第1傾斜平面部44と、第2傾斜受け面47ならびに第2傾斜平面部45に沿って、下方に行くに従って先細り状に変形される。そして飲料水バッグ7の取水口部材10が冷却プレート12の最下部の湾曲部43と対応する位置に設置される。
【0083】
この変形例のように正面形状がほぼV字形の冷却プレート12を使用することにより、図16に示すように、取水口部材10からコップ32までの落下距離Lを短くすることが可能となり、取水時における冷水の飛散が軽減される。
【0084】
前記実施例ならびに変形例では断熱容器1と断熱カバー2が完全に分離する構造のウォーターサーバーについて説明したが、断熱カバー2を断熱容器1に対して開閉可能にヒンジする構造にすることも可能である。
【0085】
前記実施例では断熱容器1の右側面壁15と左側面壁16と後面壁17の3つの周壁に傾斜面を設けたが、例えば右側面壁15と左側面壁16の2つ、あるいは例えば後面壁17の1つの周壁に傾斜面を設けることもできる。
【0086】
前記第1比較例では外ケース8ごと断熱容器1内に挿入する場合を説明したが、外ケース8から飲料水バッグ7を取り出し、その飲料水バッグ7を断熱容器1内に挿入して、突起部材34により飲料水バッグ7を変形させることも可能である。
【0087】
前記実施例ならびに変形例では冷水を生成するウォーターサーバーの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子冷却素子に流す電流の極性を換えることにより、熱水を生成するウォーターサーバーにも適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・・断熱容器、
2・・・断熱カバー、
3・・・断熱筐体、
4・・・収納空間部、
5・・・サーバー本体、
6・・・水収納容器、
7・・・飲料水バッグ、
8・・・外ケース、
9・・・飲料水、
10・・・取水口部材、
12・・・冷却プレート、
13・・・底面壁、
14・・・正面壁、
15・・・右側面壁、
16・・・左側面壁、
17・・・後面壁、
20・・・電子冷却素子、
24・・・第1温度センサー、
25・・・第2温度センサー、
26・・・電源制御部、
34・・・突起部材、
35・・・底面、
36・・・垂直面、
37・・・傾斜面、
38・・・尖端部、
39・・・第1ミシン目、
40・・・第2ミシン目、
41・・・第3ミシン目、
42・・・切り込み用ミシン目、
43・・・湾曲部、
44・・・第1傾斜部、
45・・・第2傾斜部、
46・・・第1傾斜受け面、
47・・・第2傾斜受け面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間部を形成した断熱容器と、その断熱容器の開口部を開閉する断熱カバーを有する断熱筐体と、
前記断熱容器内に設置された熱伝導性の良好な金属からなる熱伝導性プレートと、
その熱伝導性プレートに密着して熱伝導性プレートを冷却あるいは加熱する熱電変換素子を備え、
柔軟性を有する袋内に飲料水を封入した飲料水バッグを前記収納空間部に収納して、その飲料水バッグの底面を前記熱伝導性プレートに直接接触させて、前記熱電変換素子により前記熱伝導性プレートを介して飲料水バッグ内の飲料水を冷却あるいは加熱して、冷水あるいは熱水として取り出されるウォーターサーバーにおいて、
前記熱伝導性プレートの付近に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量を前記熱伝導性プレートから離れた上方位置に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量よりも少なく規制するための飲料水量規制手段を前記収納空間部内に設け、
前記収納空間部内に収納した前記飲料水バッグを前記飲料水量規制手段に沿って変形して、前記熱伝導性プレートの付近に存在する飲料水バッグ内の飲料水量を少なく規制する構成になっていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項2】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記断熱容器の収納空間部が、底面壁と、その底面壁から立設した周壁で形成され、前記周壁の基部付近を前記熱伝導性プレート側に向けて突出することにより前記飲料水量規制手段が構成されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項3】
請求項2に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記開口部が断熱容器の上方に設けられて、その断熱容器の上方から前記飲料水バッグを前記収納空間部に挿入する構造になっており、
前記周壁の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記周壁の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項4】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の収納空間部内に設置された突起部材から構成されており、その突起部材の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記突起部材の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項5】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の底面から立設された突起部材で構成されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項6】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記飲料水バッグの底部付近の温度を検出する第1温度センサーと、
前記飲料水バッグの中間部付近の温度を検出する第2温度センサーと、
前記第1温度センサーならびに第2温度センサーからの検出信号を入力して、前記熱電変換素子への投入電力を制御する制御部と
を備えたことを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項7】
請求項6に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記第1温度センサーが前記熱伝導性プレートの前記飲料水バッグの底部と接する表面に取り付けられ、前記第2温度センサーが前記断熱容器の前記飲料水バッグの中間部と接する周壁に取り付けられていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項1】
収納空間部を形成した断熱容器と、その断熱容器の開口部を開閉する断熱カバーを有する断熱筐体と、
前記断熱容器内に設置された熱伝導性の良好な金属からなる熱伝導性プレートと、
その熱伝導性プレートに密着して熱伝導性プレートを冷却あるいは加熱する熱電変換素子を備え、
柔軟性を有する袋内に飲料水を封入した飲料水バッグを前記収納空間部に収納して、その飲料水バッグの底面を前記熱伝導性プレートに直接接触させて、前記熱電変換素子により前記熱伝導性プレートを介して飲料水バッグ内の飲料水を冷却あるいは加熱して、冷水あるいは熱水として取り出されるウォーターサーバーにおいて、
前記熱伝導性プレートの付近に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量を前記熱伝導性プレートから離れた上方位置に存在する前記飲料水バッグ内の飲料水量よりも少なく規制するための飲料水量規制手段を前記収納空間部内に設け、
前記収納空間部内に収納した前記飲料水バッグを前記飲料水量規制手段に沿って変形して、前記熱伝導性プレートの付近に存在する飲料水バッグ内の飲料水量を少なく規制する構成になっていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項2】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記断熱容器の収納空間部が、底面壁と、その底面壁から立設した周壁で形成され、前記周壁の基部付近を前記熱伝導性プレート側に向けて突出することにより前記飲料水量規制手段が構成されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項3】
請求項2に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記開口部が断熱容器の上方に設けられて、その断熱容器の上方から前記飲料水バッグを前記収納空間部に挿入する構造になっており、
前記周壁の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記周壁の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項4】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の収納空間部内に設置された突起部材から構成されており、その突起部材の基部側が前記熱伝導性プレート側に向けて突出するように、前記突起部材の内面に傾斜面が設けられていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項5】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記飲料水量規制手段が、前記断熱容器の底面から立設された突起部材で構成されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項6】
請求項1に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記飲料水バッグの底部付近の温度を検出する第1温度センサーと、
前記飲料水バッグの中間部付近の温度を検出する第2温度センサーと、
前記第1温度センサーならびに第2温度センサーからの検出信号を入力して、前記熱電変換素子への投入電力を制御する制御部と
を備えたことを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項7】
請求項6に記載のウォーターサーバーにおいて、
前記第1温度センサーが前記熱伝導性プレートの前記飲料水バッグの底部と接する表面に取り付けられ、前記第2温度センサーが前記断熱容器の前記飲料水バッグの中間部と接する周壁に取り付けられていることを特徴とするウォーターサーバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−188163(P2012−188163A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68771(P2011−68771)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(511076664)CBCエスト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(511076664)CBCエスト株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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