説明

エアコン置台

【課題】コーナブラケットの取付部の強度向上、組立作業性の向上及びコスト低減を図ったエアコン置台を提供すること。
【解決手段】このエアコン置台は、支柱10と、支柱10に取り付けられるコーナブラケット20と、コーナブラケット20に取り付けられる横フレーム40と縦フレーム50とを備えている。コーナブラケット20は、支柱10に固定される基部と、横フレームを取り付けるための支持部とを備えている。支持部31は、コーナブラケット20の基部から突出する一対の対向壁32と、対向壁32の先端部を連結する連結壁33とにより平面視ループ状に形成されるとともに、その外側面間寸法が横フレーム40における筒状部41の内側の幅寸法と略同一に形成され、さらにその高さ寸法が横フレーム40における筒状部41の内側の高さ寸法と略同一に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコン置台に関し、特に、支柱の高さ方向に沿ってコーナブラケットがスライド自在に支持されるとともに、このコーナブラケットに対し横フレーム及び縦フレームが取り付けられているエアコン置台に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンの室外機は、通常、所定位置に載置支持する場合にエアコン置台が用いられている。また、最近のエアコン置台は、軽量化や見栄え向上の観点からアルミニウム又はアルミニウム合金製の押出型材が用いられる傾向にある。このようなエアコン置台は、四隅に立設された支柱に対し、コーナブラケットが高さ位置調節自在に取り付けられ、このコーナブラケットに対して横フレーム及び縦フレームが取り付けられるように構成されている。上記エアコン置台の一例として特許文献1を挙げることができる。このエアコン置台を図11〜図13に示す。
【0003】
図11〜図13に示すエアコン置台は、四隅に立設された4本の支柱100に対し継手部材(コーナブラケット)110が高さ方向にスライド自在に取り付けられ、この継手部材110に対し前後一対の横フレーム120と左右一対の縦フレーム130とが取り付けられている。また、前後一対の横フレーム120間にはエアコンを載置するための左右一対のベースフレーム140が適宜の間隔に配置されて架け渡されている。この間隔はエアコンの大きさに対応して変更される。さらに、支柱100の下方部には設置面の傾斜や凹凸に対する高さ調整のためのアジャスタ150が取り付けられている。
【0004】
またこれら部品のうちアジャスタ150を除く支柱100、継手部材110、横フレーム120、縦フレーム130及びベースフレーム140が、それぞれアルミニウム又はアルミニウム合金製の押出型材により形成されている。
【0005】
支柱100は、略方形筒断面形に形成されたものであって、外面となる二つの側面101を有するとともに、この二つの側面101が交差するコーナ部が略円弧状の曲面102に形成され、さらに、上記外面以外の内向きの二つの側面103には、高さ方向に延びる継手用溝部104がそれぞれ形成されている。継手用溝部104は、平面視略T字状の内部空間を備えている。また、内向きの二つの側面103間のコーナ部分は、平坦な斜め内向き固定面105として形成されている。そして、各側面103と固定面105とにより支柱100内にホルダガイド溝部106が形成されるとともに、このホルダガイド溝部106によりホルダ体107が保持されている(図13参照)。また、このホルダ体107には、継手部材110を固定する六角穴付きボルト108に締結されるナット108aが保持され、固定面105には六角穴付きボルト108を挿通するためのボルト挿通孔108bが高さ方向に所定の間隔で複数形成されている。
【0006】
継手部材110は、図12に示すように、支柱100の固定面105及びその両側の側面103に跨って当接される屈曲板状の継手基部111を備え、側面103に当接される継手基部111の各面には平面視略T字状の継手部112が形成されている。この継手部112は、支柱100の継手用溝部104に摺動自在に嵌合されている。また、継手基部111の固定面105には、六角穴付きボルト108を挿通するためのボルト挿通孔113が形成されている。このような構成により、継手部材110は次のように固定されている。すなわち、支柱100の継手用溝部104に平面視略T字状の継手部112が嵌合され、前述の複数のボルト挿通孔108bのうちから選択されたものに対しナット108a及びボルト挿通孔113が芯合わせされる。そして、ボルト挿通孔113及びボルト挿通孔108bに対し六角穴付きボルト108が挿通されて、ナット108aに対して締結されることにより、継手部材110が支柱100における所定の高さ位置に固定される。
【0007】
また、継手基部111の横フレーム側の面には横フレーム120内に挿入される二分割構造の継手挿入部114が形成され、縦フレーム側の面には縦フレーム130内に挿入される二分割構造の継手挿入部115が形成されている。また、これら継手挿入部114、115の内側の面には係合部116,117が形成されている。
【0008】
横フレーム120は、図12に示すように、中空形状とされた略方形筒断面形状に形成され、ベースフレーム140を左右方向の任意の位置においてタッピングねじ止め可能とするために、上面にボス部(図示省略)をスライド自在の支持するガイド溝部121が形成されている。また、ガイド溝部121の下方に仕切壁部122が形成されている。一方、縦フレーム130は、図12に示すように、中空形状とされた略方形筒断面形状に形成され、横フレーム120の全体の断面形状(仕切壁部122を省略した断面形状)と略同一に形成されている。そして、図13に示すように、横フレーム120及び縦フレーム130の端部には、前述の継手挿入部114,115が挿入されたときに、継手挿入部114,115の内側の面の係合部116,117に係合する係止片部124,131が形成されている。したがって、横フレーム120及び縦フレーム130は、これら端部に継手挿入部114,115が挿入されることにより、係合部116,117が係止片部124、131に係合されて、継手部材110に取り付けられる構造となっている。
【特許文献1】特開2005−299953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、特許文献1に記載のエアコン置台では、継手部材110の二分割構造の継手挿入部114,115が横フレーム120及び縦フレーム130に挿入されて、横フレーム120及び縦フレーム130が継手部材110に取り付けられていた。このため、例えばエアコン置台が左右方向に力を受けて変形する場合には、継手挿入部114の先端部の上下角部が横フレーム120の中空形状を構成する上方の壁部又は下方の壁部を押圧する。この押圧力は、継手挿入部114が二分割されるとともに先端が尖っていることと相俟って、横フレームの中空壁部に力が局部的に集中して作用し、横フレームが変形してエアコン置台の安定性が損われ易いという問題があった。
【0010】
本発明は、このような背景に基づきなされたものであって、横フレームとコーナブラケットとの取付部の強度向上を図ったエアコン置台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るエアコン置台は、このような課題を解決するものであって、支柱と、支柱に取り付けられるコーナブラケットと、コーナブラケットに取り付けられる横フレームと縦フレームとを備えたエアコン置台であって、コーナブラケットは、支柱に固定される基部と、基部を構成する壁面から左右内向きに突出するように形成された横フレームを取り付けるための支持部とを備えるとともに、前記横フレームは、前記支持部を挿入するように方形断面形状の筒状部を備え、前記支持部は、コーナブラケットの基部を構成する壁面から突出する所定高さで所定間隔に形成された一対の対向壁とこの対向壁の先端部を連結する連結壁とにより平面視ループ状に形成されるとともに、その外側面間寸法が前記横フレームにおける筒状部の内側の幅寸法と略同一に形成され、さらにその高さ寸法が前記横フレームにおける筒状部の内側の高さ寸法と略同一に形成されていることを特徴とする。
【0012】
このような構成上の特徴を備えた本発明に係るエアコン置台によれば、コーナブラケットの基部を構成する壁面から突出する支持部は、所定間隔に形成された一対の対向壁とこの対向壁の先端部を連結する連結壁とにより平面視ループ状に形成されるとともに、この先端部の外側面間寸法が筒状部の内側の幅寸法と略同一に形成されている。したがって、エアコン置台が左右方向の力を受けて変形する場合に、横フレームの筒状部を構成する壁部に当接する面積が従来のものに比し大きくなるので、局部的な力の集中を緩和することができ、横フレームの変形を抑制するとともに、エアコン置台の安定性を向上させることができる。
【0013】
また、前記横フレームは、エアコンを固定するベースフレーム取付用のボルトのねじ部を上方に突出させるようにこのボルトの頭部を収納する溝部が、前記筒状部の上部において長手方向に形成されているようにしてもよい。このような構成によれば、支持部を挿入する筒状部を単純な筒状構造とすることができ、筒状部の前後方向の寸法を大きくすることができる。この結果、筒状部の上下の壁部と接触する支持部の先端部の面積を大きくすることができるので、局部的な力の集中を抑制し易くなる。また、筒状部の上部にベースフレーム取付用の溝部が形成されているので、ベースフレームの取付を容易にすることもできる。
【0014】
また、この場合において、前記横フレームは、筒状部を形成する壁部と前記支持部とが水平方向に締結される締結部材により固定されているようにしてもよい。前述のように、支持部を挿入する筒状部が単純な筒状構造とされているので、水平方向に締結される締結部材により横フレームが支持部に固定される。また、このように固定されることにより、横フレームの筒状部の壁部に作用する力の集中をより一層緩和することができる。
【0015】
前記支持部には、前記締結部材周辺の前記対向壁間のスペースを埋めるスペーサが配設されていることが好ましい。このような構成によれば、ループ状に形成されている支持部内がスペーサで埋められた状態で、支持部に対し横フレームが締め付けられて固定されるため、横フレーム取付時に支持部及び横フレームの変形が抑制される。この結果、横フレームとコーナブラケットとの連結が強固に行われる。
【0016】
また、前記支持部は、前記連結壁の表面から突出するように上下方向のタッピングねじ螺合用の溝部が形成され、前記横フレームの筒状部の下面を成す壁部にはこのタッピングねじ用の貫通孔が形成され、筒状部の下面を成す壁部と前記支持部とがタッピングねじにより固定されていることが好ましい。このような構成によれば、このタッピングねじによる固定により、支持部の先端部から筒状部の壁部に伝達される力が軽減されるので、筒状部の変形が緩和される。
【0017】
前記横フレームの筒状部は、下面を成す壁部におけるタッピングねじ用の貫通孔の左右に水抜き孔が形成されている。このような構成によれば、横フレーム内において、ループ状の支持部内に侵入した水分と、ループ状の支持部の外側に浸入した水分とを支障なく排出することができる。
【0018】
また、前記スペーサは、正面から見た略中央部の表面に係合突部が形成され、前記支持部の前記対向壁には、この係合突部に係合する係合孔が形成されていることが好ましい。このような構成すると、ループ状に形成されている支持部内にスペーサを所定の位置に容易に挿入することができる。
【0019】
また、前記支柱は筒状に形成され、コーナブラケットは、支柱をスライド自在に挿入可能とする所定高さの環状壁部が前記基部として形成されるとともに、この環状壁部を構成する壁面から前後内向きに突出するように形成された縦フレームを取り付けるための支持部を有し、前記縦フレームがこの支持部に固定されているように構成することができる。このように構成すれば、環状壁部からなる基部を支柱に対し適宜の高さ位置に取り付けることができるとともに、この基部に横フレーム及び縦フレームを取り付ける支持部が構成されているので、横フレーム及び縦フレームを支柱の適宜の位置に容易に連結することができる。
【0020】
また、前記横フレームを固定する支持部は、この支持部の外側壁面が、前記コーナブラケットの前後の外側面から横フレームの筒状部の側壁の肉厚に相当する寸法とコーナブラケットの角部のRに相当する寸法とを加算した寸法に略等しい寸法分内側に位置し、前記横フレームは、その筒状部の側壁の内面がこの支持部の外側壁面に当接するとともに、この側壁の端面がコーナブラケットの外周壁面に当接するように取り付けられているように構成することが好ましい。このように構成すると、コーナブラケットにおいては、横フレームを介してコーナブラケットに作用する力が横フレームを固定する支持部を形成する壁部と直交する壁部の肉厚部に作用するように、横フレームが支持される。これにより、この支持部の先端部が横フレームの筒状部の上下の壁部を押圧する力が軽減される。また、横フレームを介し横フレームを固定する支持部を形成する壁部に作用する力が低減されるので、この壁部の変形が軽減される。このように作用する結果、エアコン置台の強度が向上する。
【0021】
また、前記縦フレームを固定する支持部は、この支持部の外側壁面が、前記コーナブラケットの左右外側面から縦フレームの側壁の肉厚とコーナブラケットの角部の略R分の寸法とを加算した寸法分内側に位置し、前記縦フレームは、その側壁の内面がこの支持部の外側壁面に当接するとともに、この側壁の端面がコーナブラケットの外周壁面に当接するように取り付けられているようにすることが好ましい。このように構成すると、コーナブラケットにおいては、縦フレームを介してコーナブラケットに作用する力が縦フレームを固定する支持部を形成する壁部と直交する壁部の肉厚部に作用するように、縦フレームが支持される。これにより縦フレームを介し縦フレームを固定する支持部を形成する壁部に作用する力が低減されるので、この壁部の変形が軽減され、エアコン置台の強度が向上する。
【0022】
また、前記支柱、コーナブラケット、横フレーム及び縦フレームは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の押出成型された型材から形成され、基本形状が押出方向に同一断面形状となるように形成されていることが好ましい。このように構成することにより、コスト軽減及び軽量化を図るとともに外観の見栄えを向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るエアコン置台によれば、コーナブラケットの基部を構成する壁面から突出する支持部は、所定間隔に形成された一対の対向壁とこの対向壁の先端部を連結する連結壁とにより平面視ループ状に形成されるとともに、この先端部の外側面間寸法が筒状部の内側の幅寸法と略同一に形成されている。したがって、エアコン置台が左右方向の力を受けて変形する場合に、横フレームの筒状部を構成する壁部に当接する面積が従来のものに比し大きくなるので、局部的な力の集中を緩和することができ、横フレームの変形を抑制するとともに、エアコン置台の安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施の形態に係るエアコン置台について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において左右、手前などの方向をいうときは、図1に示したエアコン置台における斜め左前を正面とした方向をいうものとする。
【0025】
このエアコン置台は、図1の斜視図に示すように、平置台であって、四隅に立設された4本の支柱10に対しコーナブラケット20が取り付けられ、このコーナブラケット20に対し前後一対の長尺の横フレーム40と左右一対の短尺の縦フレーム50とが組み付けられている。また、前後一対の横フレーム40間にはエアコンを載置するための一対のベースフレーム60が所定の間隔で平行に配置されて架け渡されている。また、支柱10の下部には設置面の状況に応じてエアコン置台を水平に維持するためのアジャスタ70が取り付けられている。
【0026】
支柱10は、図2に示すように略方形筒断面形状に形成されている。より詳しくは、図2に図示するように、外側の二つの壁部11,12の交差する角部は所定半径の円弧からなる曲面状の壁部13に形成され、また、内側の二つの壁部14,15の交差する角部は、角部を斜めにカットする平面状の壁部16に形成されている。また、支柱10の左右方向の外側面を成す壁部11には、図1に示すように、コーナブラケット20の取り付け位置を位置決めするためのタッピングねじ17用の下孔11aが適宜に設定された一定の間隔で複数個形成されている。また、支柱10の下方部の壁部11,12,14,15には、図3に示すように、アジャスタ70を取り付けるための十字穴付六角ボルト71を左右方向に挿通させるためのボルト挿通孔18がそれぞれ形成されている。ボルト挿通孔18は、支柱10の左右の壁部11,14のみならず前後の壁部12,15にも形成されているが、このようにボルト挿通孔18を前後左右の壁部11,12,14,15に形成するのは、ボルト挿通孔18に関して左右前後の支柱10を共通化するためである。
【0027】
なお、タッピングねじ17用の下孔11aは、外観上の見栄えを考慮するとともに、コーナブラケット20の取り付け方向を間違えることがないようにするために、支柱10の左右方向の外側面をなす壁部11にのみに形成されている。したがって、支柱10は、タッピングねじ17用の下孔11aが形成される壁部11と曲面状の壁部13との位置関係により、手前側の左右の支柱10が左右対称的な構成であり、左右に立設される前後の支柱10が前後対称的な構成とされている。この結果、右前の支柱10と左後の支柱10とが同一物であり、左前の支柱10と右後の支柱10とが同一物となっている。また、支柱10は、長手方向(高さ方向)を押出方向とし、基本形状が押出方向に同一断面形状であるアルミニウム又はアルミニウム合金製の型材を使用するものであって、長手方向の断面形状は基本的に同一に形成されている。
【0028】
また、支柱10において、十字穴付六角ボルト71を挿通する内部には、図3に示すように、十字穴付六角ボルト71の締結時に支柱10が変形することを防止するための支柱スペーサ19が挿入されている。支柱スペーサ19の平面形状は、支柱10の内部断面形状と略同形に形成されている。ただし、支柱10の壁部11と壁部15との直交角部及び壁部12と壁部14との直交角部に対応するコーナ部は、カットされていている。また、このような形状を有する支柱スペーサ19には、左右方向及び前後方向に十字穴付六角ボルト71を挿通するための貫通孔19a,19bが十文字状に形成されている。例えば、右前の支柱10では、図3に図示のように十字穴付六角ボルト71を貫通孔19aに挿通させるように支柱スペーサ19が挿入され、左前の支柱10では、十字穴付六角ボルト71を貫通孔19bに挿通させるように支柱スペーサ19が挿入される。また、これら貫通孔19a,19bが交差する部分には垂直方向に孔19cが形成されているが、これは重量軽減のために設けられたものである。
【0029】
コーナブラケット20は、図4に示すように、支柱10より厚肉の部材に形成されたものであって、支柱10をスライド自在に挿入する所定高さの環状壁部20Aを基部としている。この環状壁部20Aは、内面の断面形状が支柱10の外面の断面形状に略一致するように形成されている。すなわち、環状壁部20Aは、図5の平面図に示すように、外側の二つの壁部21,22、二つの壁部21,22が交差する位置に形成された所定半径の円弧からなる曲面状の壁部23、内側の二つの壁部24,25、内側の二つの壁部24,25が交差する位置に形成された平面状の壁部26を備えている。そして、前後方向の内側の壁部25には、高さ方向の所定幅のスリットを有するスリット部27が形成され、スリット部27には、環状壁部20Aの壁面からスリット間隔を維持して略直交状に突出する一対の対向する締結片28が形成されている。また、締結片28の高さ方向中心位置には、図2に示すように、締結部材としてのボルト29を締結片28間に架け渡すようにするためのボルト孔28aが1個形成されている。
【0030】
コーナブラケット20は、図2及び図4に示すように、ボルト29に座金29a,29bを介してナット29cを締結することにより、締結片28間の間隔を狭めるように環状壁部20Aが締め付けられる。そして、このように環状壁部20Aが締め付けられることにより、環状壁部20Aの内面と支柱10の外周面との間に摩擦力と弾性力が作用して、コーナブラケット20が支柱10に取り付けられる。
【0031】
なお、一対の対向する締結片28は、後述する縦フレーム50を取り付けるための支持部を兼ねている。また、この締結片28間の間隔を狭めるように締結されるボルト29は、後述するように縦フレーム50の側壁52を共締めすように締結される。
【0032】
また、環状壁部20Aにおける左右方向外側の壁部21の高さ方向中心位置には、位置決め用のタッピングねじ17用の貫通孔21aが形成されている。したがって、上記のようにボルト29により環状壁部20Aを締め付ける前に、貫通孔21aを通してタッピングねじ17を支柱10の下孔11aにねじ込むことによりコーナブラケット20を仮止めできる。また、この下孔11aの位置を選択することにより、コーナブラケット20の取付高さ位置を設定することができる。
【0033】
一方、環状壁部20Aにおける左右方向内側の壁部24には、図2、図4及び図5に示すように、左右内向きに突出する横フレーム取付用の支持部31が形成されている。この支持部31は、環状壁部20Aの壁面から突出する所定高さで所定間隔に形成された一対の対向壁32とこの対向壁32の先端部を連結する連結壁33とにより平面視ループ状に形成されている。また、支持部31は、図4(a)に示すように、前後方向の外形寸法、すなわち、対向壁32の外側面間の寸法が後述する横フレーム40における筒状部41の内側の幅寸法と略同一に形成され、さらに、その高さ寸法が、図4(b)に示すように、横フレーム40における筒状部41の高さ寸法と略同一に形成されている。また、一対の対向壁32の高さ方向中心位置には、図4(a)及び(b)に示すように、横フレーム40をリベット44で取り付けるための2個のリベット孔34がそれぞれに形成されている。上記のように、支持部31は、連結壁33によりループ状にするとともに、対向壁32の外側面間の寸法を横フレーム40における筒状部41の内側の幅寸法と略同一とすることにより、支持部31の先端部が筒状部41の上下の壁部に接触する面積を大きくしている。
【0034】
また、連結壁33には、図4(a)に示すように、連結壁33の表面から横方向に突出するように、上下方向のタッピングねじ螺合用の溝部35が形成されている。また、支持部31における一対の対向壁32間には、対向壁32間のスペースを埋めるスペーサ36が配設されている。スペーサ36は、図2及び図7に示すように、正面視瓢箪形であって、対向壁32間の間隔寸法と略同一の厚さのものであり、前述のリベット孔34と対向する位置に、リベット44を貫通させるための貫通孔37,38が形成されている。なお、貫通孔37,38の端部はリベット44を挿入し易いようにテーパ状に形成されているとともに、横方向内側の貫通孔37は半穴状に形成されている。また、このスペーサ36は、前後方向及び上下方向に対称的に形成されており、四隅に取り付けられるスペーサ36を同一物としている。また、スペーサ36の前後面における略中央部には、正面視略四角形の係合突部39が形成されている。そして、これに対応するように、対向壁32には係合突部39を係合させる係合孔32aが設けられている。これにより、スペーサ36を容易に、かつ正確に対向壁32間に取り付けることができる。また、スペーサ36を対向壁32間に介在させることにより、支持部31及び横フレーム40の変形を回避しながらリベット44により横フレーム40と支持部31とを結合することができる。
【0035】
コーナブラケット20における締結片28の位置は、次のように設定されている。すなわち、コーナブラケット20の左右方向の外側面から締結片28の外側壁面までの寸法x1は、図4(a)に示すように、コーナブラケット20の左右方向の外側面から、縦フレーム50の側壁52の肉厚に相当する寸法x2とコーナブラケット20の角部のRに相当する寸法x3とを加算した寸法に略等しい寸法x1に設定されている。
【0036】
また、コーナブラケット20における支持部31の位置は、次のように設定されている。すなわち、コーナブラケット20の前後方向の外側面から支持部31の外側壁面までの寸法y1は、図4(a)に示すように、コーナブラケット20の前後方向の外側面から、横フレーム40の側壁の肉厚に相当する寸法y2とコーナブラケット20の角部のRに相当する寸法y3とを加算した寸法に略等しい寸法y1に設定されている。
【0037】
コーナブラケット20は、上記のように構成されるものであって上下対称的に形成されている。したがって、このように形成されたコーナブラケット20は、上下方向を適宜選択することにより四隅の支柱10に対し同一のものを使用することができる。また、コーナブラケット20は、長手方向、すなわち高さ方向を押出方向とし、基本形状が押出方向に同一断面形状であるアルミニウム又はアルミニウム合金製の型材を使用するものであって、高さ方向の断面形状は基本的に同一に形成されている。
【0038】
次に、横フレーム40は、図2に示すように、方形筒断面形状の筒状部41と、その上部に形成されたベースフレーム取付用のボルト保持用の溝部42とから形成されている。筒状部41は、前述のように、内側の高さ方向の寸法がコーナブラケット20の支持部31の高さ、すなわち対向壁32の高さに略同一に形成され、内側の前後方向の寸法が支持部31の前後方向の外形寸法、すなわち、対向壁32の外側面間の寸法に略同一に形成されている。これにより、この筒状部41内に支持部31が嵌入されるように形成されている。横フレーム40は、このように下部をコーナブラケット20の支持部31を挿入する筒状部41とし、上部をベースフレーム取付用のボルト保持用の溝部42としている。これにより、筒状部41の前後方向の寸法を大きくすることを可能にしている。また、筒状部41を単純な筒状として、水平方向に横フレームを貫通する締結部材により、横フレームを支持部31に容易に固定することができるように構成されている。
【0039】
このような趣旨から、横フレーム40は、その端部に支持部31が挿入されたときに、水平方向に貫通する締結部材としてリベット44が用いられて取り付けられている。そのために、横フレーム40の端部における筒状部41の前後の壁部には、リベット孔34と対向する位置にリベット孔45がそれぞれ形成されている。なお、リベット孔45は、横フレーム40の端面がコーナブラケット20の環状壁部20Aの外周面に当接するように位置が設定されている。また、この状態において前述の溝部35に対しタッピングねじ47をねじ込んで壁部46をコーナブラケット20に固定することができるように、筒状部41の下面を成す壁部46にはタッピングねじ47用の貫通孔48が形成されている(図6参照)。また、この貫通孔48の左右には、2個の水抜き孔49が形成されている。横フレーム40の端部に近いほうの水抜き孔49は、筒状部41内における支持部31内に侵入した雨水等の水抜き用のものであり、他の水抜き孔49は、横フレーム40のその他の部分に侵入した雨水等の水抜き用のものである。
【0040】
溝部42は、図2に示すように、方形筒断面形状を成し、上面にはスリット43が形成されている。ベースフレーム60を取り付けるためのボルト61は、ねじ部61aがスリット43から上方に突出するようにして、その頭部61bが方形筒内部に挿入されている。なお、この溝部42の端部においては、ボルト61の挿入を容易にするために、上面に切欠42aが設けられている。
【0041】
上記構成の横フレーム40は、左右対称的、かつ前後対称的に形成されている。したがって、前後の横フレーム40は、同一物とすることができる。また、横フレーム40は、長手方向(左右方向)を押出方向とし、基本形状が押出方向に同一断面形状であるアルミニウム又はアルミニウム合金製の型材を使用するものであるが、前述の切欠42aは、押出成型後にプレス加工されたものである。
【0042】
縦フレーム50は、上壁51、側壁52及び下壁53からなるコの字型に形成されるとともに、側壁52の端部には前述の締結片28締付用のボルト29を貫通させるためのボルト孔52aが形成されている。このボルト孔52aは、縦フレーム50の端面がコーナブラケット20の環状壁部20Aの外周面に当接するように位置が設定されている。そして、縦フレーム50は、側壁52の内面が締結片28の外面に当接され、さらに、側壁52が締結片28を締め付けるための締結部材としてのボルト29により共締めされて固定されている。
【0043】
上記のように構成される縦フレーム50は、前後対称的に構成されているので左右の縦フレーム50は、同一物でよい。また、縦フレーム50は、長手方向(前後方向)を押出方向とし、基本形状が押出方向に同一断面形状であるアルミニウム又はアルミニウム合金製の型材を使用するものであって、長手方向の断面形状は基本的に同一に形成されている。
【0044】
ベースフレーム60は、図1及び図2に示すように、方形筒断面形状を成し、上面を成す壁部63に防振ゴム64を長手方向の任意の位置に取り付け可能とするためのスリット65が形成されている。防振ゴム64についての詳細の記述は省略するが、スリット65を介して上面を成す壁部63を挟み込むように取り付けられている。なお、このベースフレーム60の前後の端部における底壁66には、横フレーム40の溝部42内に頭部61bが挿入されているボルト61のねじ部61aを貫通させるための貫通孔66aが形成されている。ベースフレーム60は、この貫通孔66aにボルト61のねじ部61aを貫通させ、上方から座金61cを介してナット62を締結することにより取り付けることができる。なお、エアコンの防振ゴム取付部の寸法に合わせて、ボルト61の位置を変更してベースフレーム60の位置及び間隔を変更することができる。また、防振ゴム64の前後の位置もスリット65により任意に移動することができる。なお、上面を成す壁部63の端部は、上述のナット62の締結を容易にするために切欠63aが形成されている。また、壁部63の前後方向の中央部には、防振ゴム64の下部を壁部63の下方に挿入するための挿入穴63bが形成されている。
【0045】
また、ベースフレーム60は、左右対称的、かつ前後対称的に形成されている。したがって、左右のベースフレーム60は、同一物とすることができる。また、ベースフレーム60は、長手方向(前後方向)を押出方向とし、基本形状が押出方向に同一断面形状であるアルミニウム又はアルミニウム合金製の型材を使用するものであるが、前述の切欠63a、挿入穴63bなどは、押出成型後にプレス加工されたものである。
【0046】
アジャスタ70は、図3に図示されるように、設置面に載置される方形状の水平壁部72と、水平壁部72の対向する2辺の一端側(図3において前側)には被取付部材である支柱10を挟み込むように立ち上げられた一対の対向する垂直壁部73とを備えている。垂直壁部73上端の前後方向の寸法は、支柱10の前後方向の寸法と略同一に形成され、水平壁部72の前後方向の寸法はそれより大きく形成されている。そして、水平壁部72には、支柱10の側方となる位置にアンカーボルト(図示せず)を貫通させるためのボルト長孔72aが形成されるとともに、下面に前後方向の複数のリブ74が形成されている。また、垂直壁部73には十字穴付六角ボルト71を貫通させるためのボルト長孔73aが形成されている。また、垂直壁部73におけるボルト長孔72a側の端面73bは、下端位置が略ボルト長孔72aの略中心線上に至るような斜行している。
【0047】
また、上記構成のアジャスタ70は、ボルト長孔72aが支柱10前後方向の内側となるように、支柱10の下端部を一対の対向する垂直壁部73間に挟持する。そして、十字穴付六角ボルト71を左右方向外側となる垂直壁部73から、座金71a、ボルト長孔73a、支柱10のボルト挿通孔18、支柱スペーサ19の貫通孔19a,19bを介して左右方向内側に貫通させて、座金71bを介してナット71cが締結される。ボルト長孔73aは、十字穴付六角ボルト71の貫通位置を調節することにより、アジャスタ70の設置面の高さ変化に対応して支柱10の有効高さを調節するものである。
【0048】
上記構成のアジャスタ70は、左右対称的に形成されている。したがって、四隅の支柱10に取り付けられるアジャスタ70は同一物とすることができる。また、アジャスタ70は、長手方向(前後方向)を押出方向とし、押出方向には基本的に同一断面形状を成すアルミニウム又はアルミニウム合金製の型材を使用するものであるが、前述の斜行する端面73bは、押出成型後にプレス加工されたものである。
【0049】
上記構成において、支柱10の上部には、図2に示すように、支柱10の上端面をカバーするための樹脂成型品であるキャップ80が取り付けられている。キャップ80は、支柱10の内部に嵌入される嵌入部81と、支柱10の端面を覆う天面壁部82とから構成されている。なお、嵌入部81は、弾性的に縮小して支柱10内に挿入され、弾性的に係合保持されるように複数の切込81aが形成されている。
【0050】
上記のように構成されたエアコン置台は次のようにして組み付けされる。
先ず、エアコンのサイズに合うように所定寸法に形成された上記構成の支柱10、コーナブラケット20、横フレーム40、縦フレーム50、ベースフレーム60、アジャスタ70、その他ボルト等の締結部材を準備する。そして、支柱組合品、横フレーム組合品を作る。
【0051】
支柱組合品は、支柱10の下端にアジャスタ70を取り付けたものである。この場合、右前の支柱組合品と左後の支柱組合品とは向きを代えて使用するだけで、物自体は同一となる。同様に、左前の支柱組合品と右後の支柱組合品とは向きを代えて使用すればよく、物自体は同一である。支柱10は、図1に示すように、エアコン置台として組み付けされた状態において、左右の外側面を成す壁部11にコーナブラケット20の位置決めをするための位置決め用ねじ孔(この実施の形態ではタッピングねじ17用の下孔11a)が存在するとともに、四隅のコーナ部に円弧状の壁部13が位置するように配設されている。
【0052】
また、支柱組合品は、図3に示すように、支柱10の下端部に支柱スペーサ19を挿入し、さらに、エアコン置台として組み付けされたときに図3に示すようにアジャスタ70が前後方向内向きとなるように、支柱10の下端部を一対の対向する垂直壁部73間を挿入する。そして、十字穴付六角ボルト71を、左右方向外側となる垂直壁部73から座金71a、ボルト長孔73a、支柱10のボルト挿通孔18、支柱スペーサ19の貫通孔19a又は19bを介して挿入し、ナット71cを締結することにより仮組み付けされる(図1参照)。なお、メーカ出荷段階においてこのように仮組みされたものを出荷するようにすれば、現地での作業工数を削減することができる。
【0053】
一方、横フレーム組合品は、横フレーム40の左右にコーナブラケット20を取り付けたものである。この場合において、横フレーム40は、前述のように左右対称的に構成されているので、前後の横フレーム40は同一である。また、コーナブラケット20も高さ方向に対称的に形成されているので、四隅の支柱10に取り付けられるコーナブラケット20は同一である。したがって、前後の横フレーム組合品は、同一物でよく、エアコン置台として組み付けを行うときに左右反転させればよい。この横フレーム組合品についても、組み付けされたものを出荷するようにすれば、現地での作業工数を削減することができる。
【0054】
横フレーム40の左右にコーナブラケット20を取り付ける際は、図2に示すように、横フレーム40の端部にコーナブラケット20の支持部31を挿入する。このとき左右のコーナブラケット20は上下反転して挿入することにより、組み付けされたエアコン置台において両コーナブラケット20の締結片28がそれぞれ前後方向内向きとなるように挿入することができる。この組み付けにおいて、支持部31の高さ寸法及び外側面間寸法は、横フレーム40の筒状部41の内側の高さ寸法及び前後方向寸法と略一致するように形成されている。また、支持部31を挿入する際にはスペーサ36を挿入するとともに、リベット44を挿入して貫通孔37,38をリベット孔45に位置合わせし、リベット止めする。さらに、横フレーム40の端部に挿入された支持部31に対し、下方のタッピングねじ47用の貫通孔48からタッピングねじ47を挿入し、タッピングねじ螺合用の溝部35に対しタッピングねじ47をねじ込み最終的に固定する。
【0055】
次に、上記のように組み付けされた四隅の支柱組付品を準備し、この支柱組付品に対し横フレーム組付品を取り付ける。この取り付けは、先ず横フレーム組付品の取付高さ位置を設定して位置決め用のタッピングねじ17用の下孔11aを選定する。そして、横フレーム40に取り付けられたコーナブラケット20の基部を成す環状壁部20Aを支柱10の上部から挿入し、選定された下孔11aに対し貫通孔21aを介しタッピングねじ17をねじ込んで、横フレーム組付品を所定の高さ位置に仮止めする。次いで、前後の支柱10に取り付けられたコーナブラケット20の締結片28に対し縦フレーム50の側壁52の内面を当接させた状態で、ボルト孔52a、28aに対し座金29aを介してボルト29を挿入し、縦フレーム50の内側の方から座金29bを介してナット29cを締結する。これにより締結片28のスリット間隔が狭められてコーナブラケット20の環状壁部20Aが締め付けられるとともに、横フレーム組付品が支柱10に固定され、さらに、締結片28を支持部として縦フレーム50が取り付けられる。
【0056】
また、支柱組付品の所定高さ位置に横フレーム40及び縦フレーム50が取り付けられた後、前後の横フレーム40間にベースフレーム60が取り付けられる。ベースフレーム60の左右の位置は、エアコンの防振ゴムの取付位置に対応して調節される。この調節は横フレーム40の溝部42内に取り付けられるボルト61の位置をスライドさせて変更することにより調節することができる。また、ベースフレーム60のスリット65に取り付けられる防振ゴム64の前後方向の位置も、スリット65においてその位置を調節することができる。
【0057】
以上のようにして組み立てられたエアコン置台は、最終段階においてアジャスタ70におけるボルト長孔73aを貫通する十字穴付六角ボルト71の高さ方向の位置を調節することにより、設置面の状況に対応して支柱10の有効高さ方向を調整する。
【0058】
以上のように構成された本実施の形態に係るエアコン置台によれば次の効果を奏することができる。
(1)コーナブラケット20の基部を構成する壁面から突出する支持部31は、所定間隔に形成された一対の対向壁32とこの対向壁32の先端部を連結する連結壁33とにより平面視ループ状に形成されるとともに、この先端部の外側面間寸法が筒状部41の内側の幅寸法と略同一に形成されている。したがって、エアコン置台が図8(a)に示すように左右方向の力を受けて左右(L又はR方向)に変形する場合に、横フレーム40の筒状部41を構成する壁部に当接する面積が大きくなっている。図8(b)は、連結壁33が存在しない場合のコーナブラケットの例であり、基本的には従来品と同等のものであるが、この場合には筒状部41の上下の壁部に接触する面積が小さくなる。このため、対向壁32の先端部から筒状部41の上下の壁部を押圧する力が局部的に集中し大きな力(F1)になる。このため、筒状部41の上下の壁部が変形し易くなり、エアコン置台が変形され易くなる。これに対し、図8(c)に示すように連結壁33を設けることにより、筒状部41の上下の壁部に接触する面積が大きくなる。このため、支持部31の先端部から筒状部41の上下の壁部を押圧する力が分散され小さな力(F2)になる。この結果、局部的な力の集中を緩和することができ、横フレーム40の変形を抑制するとともに、エアコン置台の安定性を向上させることができる。
【0059】
(2)横フレーム40は、下部に筒状部41を形成しその上部にベースフレーム取付用のボルト61の頭部61bを収納する溝部42が形成されているので、支持部31を挿入する筒状部41を単純な筒状構造とすることができ、筒状部41の前後方向の寸法を大きくすることができる。この結果、筒状部41の上下の壁部と接触する支持部31の先端部の面積を大きくすることができ、局部的な力の集中を抑制し易くなる。また、筒状部41の上部にベースフレーム取付用の溝部42が形成されているので、ベースフレーム60の取付を容易にすることもできる。
【0060】
(3)横フレーム40は、支持部31を挿入する筒状部41が単純な筒状構造とされているので、水平方向に締結される締結部材(この場合リベット44)により横フレーム40が支持部31に固定することができる。また、このように固定されることにより、横フレーム40の筒状部41の壁部に作用する力の集中をより一層緩和することができる。
【0061】
(4)支持部31の連結壁33に形成された上下方向のタッピングねじ螺合用の溝部35に対し、横フレーム40の筒状部41の下方の壁部46からタッピングねじ47がねじ込まれて、筒状部41の下面を成す壁部46と支持部31とがタッピングねじにより固定されているので、支持部31の先端部から筒状部41の壁部に伝達される力が軽減される。したがって、筒状部41の変形が緩和される。
【0062】
(5)横フレーム40の筒状部41の下面を成す壁部46には、タッピングねじ47用の貫通孔48の左右に水抜き孔49が形成されているので、横フレーム40内において、ループ状の支持部31内に侵入した水分と、ループ状の支持部の外側に浸入した水分とを支障なく排出することができる。
【0063】
(6)ループ状に形成されている支持部31内にスペーサ36が挿入された状態で、支持部31に対し横フレーム40が締め付けられて固定されるため、横フレーム40取付時に支持部31及び横フレーム40の変形が抑制される。この結果、横フレーム40とコーナブラケット20との連結が強固に行われる。
【0064】
(7)また、スペーサ36の正面から見た略中央部の表面に係合突部39が形成され、支持部31の対向壁32に係合突部39に係合する係合孔32aが形成されているので、ループ状に形成されている支持部31内にスペーサ36を所定の位置に容易に挿入することができる。
【0065】
(8)コーナブラケット20は、筒状の支柱10に対しスライド自在に挿入される環状壁部20Aを基部として有し、この基部から突出するように横フレーム40及び縦フレーム50を取り付ける支持部が形成されているので、支柱10に対し適宜の高さ位置に横フレーム40及び縦フレーム50を容易に連結することができる。
【0066】
(9)横フレーム40を固定する支持部31は、その外側壁面がコーナブラケット20の前後の外側面から横フレーム40の側壁の肉厚に相当する寸法y2とコーナブラケット20の角部のRに相当する寸法y3とを加算した寸法に略等しい寸法y1分内側に位置して形成されている。また、横フレーム40は、その側壁の内面が支持部31の外側面に当接するとともに、横フレーム40の側壁の端面がコーナブラケット20の外周壁面に当接するように取り付けられている。したがって、横フレーム40を介してコーナブラケット20に作用する力が環状壁部20Aにおける支持部31を形成する壁部24と直交する壁部22の肉厚部に作用する状態で支持されるので、支持部31の先端部が横フレーム40の筒状部41の上下の壁部を押圧する力が軽減される。また、横フレーム40を介し横フレーム40を固定する支持部31を形成する壁部24に作用する力が低減されるので、コーナブラケット20における支持部31を形成する壁部24に対する力が減少し、その変形が軽減される。このように作用する結果、エアコン置台の強度が向上する。
【0067】
また、縦フレーム50を固定する支持部としての締結片28は、その外側壁面がコーナブラケット20の左右の外側面から、縦フレーム50の側壁52の肉厚に相当する寸法x2とコーナブラケット20の角部のRに相当する寸法x3とを加算した寸法に略等しい寸法x1分内側に位置して形成されている。また、縦フレーム50は、その側壁52の内面が締結片28の外側面に当接するとともに、この側壁52の端面がコーナブラケット20の環状壁部20Aの外周壁面に当接するように取り付けられている。したがって、縦フレーム50を介してコーナブラケット20に作用する力が、環状壁部20Aにおける締結片28を形成する壁部25と直交する壁部21の肉厚部に作用する状態で支持されるので、コーナブラケット20における締結片28を形成する壁部25に対する力が減少し、その変形が軽減され、エアコン置台の強度が向上する。
【0068】
支柱10、コーナブラケット20、横フレーム40及び縦フレーム50は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の押出成型された型材から形成され、基本形状が押出方向に同一断面形状となるように形成されているので、コスト軽減及び軽量化を図るとともに外観の見栄えを向上させることができる。
(変形例)
以上説明した本実施の形態に係るエアコン置台及びエアコン置台は、一例を示すものであり、本発明の範囲内において適宜変更できるものである。例えば、次のように変形することができる。
【0069】
(1)上記実施の形態において、横フレーム40及び縦フレーム50は上方に1段設けられたものであったが、図9に示すように、上下それぞれに設けた2段としてもよい。また、それ以上の複数段とすることもできる。なお、この場合、支柱10は長くする必要があり、下方部にも位置決め用ねじ孔としてのタッピングねじ17用の下孔11aをする必要があるが、コーナブラケット20、横フレーム40、縦フレーム50等の構成部材は同一でよい。
【0070】
(2)上記実施の形態において、横フレーム40は、コーナブラケット20の支持部に対し水平方向のリベット44及び下方からのタッピングねじ47により取り付けられているが、何れか一方にしてもよい。また、リベット44に代えてボルトナットにより取り付けるようにしてもよい。
【0071】
(3)上記実施の形態において、コーナブラケット20の環状壁部20Aの壁面からスリット間隔を維持して略直交状に突出する一対の対向する締結片28には、縦フレーム50の取付及び締結片28の締付を共締め処理するボルト孔28aが1個のみ設けられていた。しかし、このように1個にすることに拘泥されるものではなく、図10に示すように、締結片28の突出長さを大きくしてボルト孔28aの個数を複数にしてもよい。
【0072】
(4)また、図10に示すように、連結壁33に設ける溝部35をループ状の支持部31の外側に形成していたが、この溝部35を図10に示すようにループ状の支持部31の内側に形成してもよい。
【0073】
(5)上記実施の形態において、一対の締結片28と支持部31の取り付けを交換させるようにしてもよい。すなわち、一対の締結片28を環状壁部20Aから左右方向内側に締結片を突出させ、これを支持部として横フレーム40を取り付ける一方、支持部31を環状壁部20Aから左右方向内側に締結片28を突出させ、この支持部31に対し縦フレーム50を取り付けるようにしてもよい。
【0074】
(6)コーナブラケット20の位置決め用ねじとしてタッピングねじ17を用いているが、通常のねじとし、下孔11aを通常のねじ孔としてもよい。
(7)上記実施の形態においてエアコン置台は平地用のエアコン置台として組み付けされているが、コーナブラケット20は支柱10の高さ方向の任意に位置にスライドさせることができるので、前後左右の支柱10の有効長さをそれぞれ異ならせることにより傾斜地用に適したエアコン置台とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係るエアコン置台の斜視図である。
【図2】同エアコン置台における右前のコーナブラケット周りの分解斜視図である。
【図3】同エアコン置台における右前のアジャスタ周りの分解斜視図である。
【図4】同エアコン置台における右前のコーナブラケット部の断面図であり、(a)は平断面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図5】同エアコン置台におけるコーナブラケットの平面図である。
【図6】同エアコン置台における手前の横フレームの右端部を下方から見た斜視図である。
【図7】同エアコン置台におけるスペーサの斜視図である。
【図8】同エアコン置台におけるコーナブラケットの作用説明図であって、(a)はエアコン置台の変形例であり、(b)は参考例に係るコーナブラケットの作用図であり、(c)本実施の形態にかかるコーナブラケットの作用図である。
【図9】変形例に係る2段用エアコン置台の斜視図である。
【図10】コーナブラケットの他の変形例についての斜視図である。
【図11】従来例に係るエアコン置台の斜視図である。
【図12】同エアコン置台における左後のコーナブラケット周りの分解斜視図である。
【図13】同コーナブラケット周りの平断面図である。
【符号の説明】
【0076】
x1、x2、x3、y1、y2、y3…寸法、10…支柱、20…コーナブラケット、20A…環状壁部、21a…貫通孔、27…スリット部、28…(支持部としての)締結片、31…支持部、32…対抗壁、32a…係合孔、33…連結壁、35、42…溝部、36…スペーサ、39…係合突部、40…横フレーム、41…筒状部、46…(下面をなす)壁部、47…タッピングねじ、48…貫通孔、49…水抜き孔、50…縦フレーム、52…側壁、60…ベースフレーム、61…ボルト、61a…(ボルトの)ねじ部、61b…(ボルトの)頭部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、支柱に取り付けられるコーナブラケットと、コーナブラケットに取り付けられる横フレームと縦フレームとを備えたエアコン置台であって、
コーナブラケットは、支柱に固定される基部と、基部を構成する壁面から左右内向きに突出するように形成された横フレームを取り付けるための支持部とを備えるとともに、前記横フレームは、前記支持部を挿入するように方形断面形状の筒状部を備え、
前記支持部は、コーナブラケットの基部を構成する壁面から突出する所定高さで所定間隔に形成された一対の対向壁とこの対向壁の先端部を連結する連結壁とにより平面視ループ状に形成されるとともに、その外側面間寸法が前記横フレームにおける筒状部の内側の幅寸法と略同一に形成され、さらにその高さ寸法が前記横フレームにおける筒状部の内側の高さ寸法と略同一に形成されている
ことを特徴とするエアコン置台。
【請求項2】
前記横フレームは、エアコンを固定するベースフレーム取付用のボルトのねじ部を上方に突出させるようにこのボルトの頭部を収納する溝部が、前記筒状部の上部において長手方向に形成されていることを特徴とする請求項1記載のエアコン置台。
【請求項3】
前記横フレームは、筒状部を形成する壁部と前記支持部とが水平方向に締結される締結部材により固定されている
ことを特徴とする請求項2記載のエアコンの置台。
【請求項4】
前記支持部には、前記締結部材の周辺の前記対向壁間のスペースを埋めるスペーサが配設されている
ことを特徴とする請求項3記載のエアコン置台。
【請求項5】
前記支持部は、前記連結壁の表面から突出するように上下方向のタッピングねじ螺合用の溝部が形成され、
前記横フレームの筒状部の下面を成す壁部にはこのタッピングねじ用の貫通孔が形成され、
筒状部の下面を成す壁部と前記支持部とがタッピングねじにより固定されている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のエアコン置台。
【請求項6】
前記横フレームの筒状部は、下面を成す壁部におけるタッピングねじ用の貫通孔の左右に水抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項5記載のエアコン置台。
【請求項7】
前記スペーサは、正面から見た略中央部の表面に係合突部が形成され、
前記支持部の前記対向壁には、この係合突部に係合する係合孔が形成されている
ことを特徴とする請求項6記載のエアコン置台。
【請求項8】
前記支柱は筒状に形成され、
コーナブラケットは、支柱をスライド自在に挿入可能とする所定高さの環状壁部が前記基部として形成されるとともに、この環状壁部を構成する壁面から前後内向きに突出するように形成された縦フレームを取り付けるための支持部を有し、
前記縦フレームは、この支持部に固定されている
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のエアコン置台。
【請求項9】
前記横フレームを固定する支持部は、この支持部の外側壁面が、前記コーナブラケットの前後外側面から横フレームの筒状部の側壁の肉厚に相当する寸法とコーナブラケットの角部のRに相当する寸法とを加算した寸法に略等しい寸法分内側に位置し、
前記横フレームは、その筒状部の側壁の内面がこの支持部の外側壁面に当接するとともに、この側壁の端面がコーナブラケットの外周壁面に当接するように取り付けられていることを特徴とする請求項8記載のエアコン置台。
【請求項10】
前記縦フレームを固定する支持部は、この支持部の外側壁面が、前記コーナブラケットの左右外側面から縦フレームの側壁の肉厚とコーナブラケットの角部の略R分の寸法とを加算した寸法分内側に位置し、
前記縦フレームは、その側壁の内面がこの支持部の外側壁面に当接するとともに、この側壁の端面がコーナブラケットの外周壁面に当接するように取り付けられていることを特徴とする請求項8又は9記載のエアコン置台。
【請求項11】
前記支柱、コーナブラケット、横フレーム及び縦フレームは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の押出成型された型材から形成され、基本形状が押出方向に同一断面形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のエアコン置台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−168286(P2009−168286A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4689(P2008−4689)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【出願人】(393024717)オーケー器材株式会社 (58)
【Fターム(参考)】