説明

エアシャワー装置及びエアシャワー方法

【課題】被清浄体(入室者)に対する必要な範囲のはたき出しを行い、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出し、再付着を防止するエアシャワー装置及びエアシャワー方法を提供する。
【解決手段】このエアシャワー装置は、空気を吹き出す複数のエアノズル11a,12aと、浮遊する粉塵を外部に排出する排気口13と、被清浄体Aの形状情報に基づいて、被清浄体からの塵埃のはたき出しと、はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を行うようにエアノズルの動作を制御する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルーム等に前置等されるエアシャワー室で使用可能なエアシャワー装置及びエアシャワー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンルームは、主に、半導体・液晶やプラズマ等のディスプレイ装置・精密機器・電子機器・光学機器などの工業製品の製造工程で用いられて、主に空気中における浮遊微粒子が管理された空間、または、医療・実験動物施設・医薬品・食品・バイオハザード防止施設などに関するバイオテクノロジーの分野で用いられて、主に空気中における浮遊微生物が管理された空間を提供するものである。かかるクリーンルームの入口には、通常、入室者の衣服等に付着した粉塵・浮遊物等の異物を入室前に除去するためにエアシャワー室が設置されている。
【0003】
従って、エアシャワー室の除塵効率を高め、エアシャワー室に連通するクリーンルームへの塵埃等の侵入防止を図ることが必要であるところ、例えば、下記特許文献1は、エアシャワー室内の被清浄体に対してエアーを吹き付ける際に、回転・脈動気流を噴射することにより被清浄体に付着した異物を効率よく除去し得るようにしたエアシャワー装置を開示する。
【0004】
下記特許文献2は、エアを継続的に吐出する第1のノズルと、エアを断続的に吐出する第2のノズルとを有し、第1および第2のノズルは同じ方向に向かってエアを吐出するエアシャワー用ノズルを開示する。
【0005】
下記特許文献3は、塵埃の払い落とし運転が終了してから退室開始までは、排気用ファンを、設定された出力モードで運転を継続する層流噴出用ファンと、低出力モードで運転するエアシャワー噴射用ファンとによる送給量と排気量とが拮抗するように低出力モードで運転して、天井からの層流により払い落とした塵埃を抑え込むとともに、エアシャワー室内を流下する層流を、排気用ファンにより床面の略全面から吸引して屋外に排気するエアシャワー装置を開示する。
【0006】
下記特許文献4は、人体及び衣服あるいは製品の所定の移動位置を検知する複数のセンサを備えるとともに、センサによる移動位置検出に応じて吹出部の吹出気流方向を変化させる吹出方向変更手段を有するエアシャワ装置を開示する。
【0007】
下記特許文献5は、エアシャワー使用時に光センサーで身長を測定し、ブラインド羽で風向を変えて、エアーの当たらなかった部分にもエアーを供給し、塵埃を除去するエアシャワー装置を開示する。
【0008】
下記特許文献6は、非接触型IDカードを携帯した入室者がエアーシャワー室に入室した際にドアが閉じていると、リーダライタが周期的に動作を開始し、リーダライタが非接触型IDカードから送信される識別信号を連続して受信すると、エアーシャワー装置を動作させ入室者に付着している塵埃等を除去し、ダストカウンタにより測定される塵埃量の測定値が基準値以下になるとエアーシャワー装置の動作を停止するようにしたクリーンルーム用入室管理方法を開示する。
【0009】
また、下記非特許文献1は、入室者等の被清浄体に対しエアノズルから清浄空気を吹き付ける好ましい時間を開示する。
【特許文献1】特開平06−291003号公報
【特許文献2】特開2000−245650号公報
【特許文献3】特開2005−90763号公報
【特許文献4】特開2004−286405号公報
【特許文献5】特開平04−313632号公報
【特許文献6】特開2002−250551号公報
【非特許文献1】平沢紘介、磯部好秀、須藤栄一「エアシャワーの設定数とその効果」、第3回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会、83〜88頁、1984
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1は、塵埃払い落としの効率向上を目的とするだけであり、塵埃の被清浄体への再付着については考慮されていない。特許文献2,3は、拡散防止のためのノズルを組み合わせているが、吹き付けの気流方向と払い落としの気流方向がクロスしており、吹き付け効果を低減させるばかりでなく、かえって再付着を助長するおそれがある。
【0011】
特許文献4,5は、センサで追尾する際に人体のどの部分を感知して、どこにエアを吹き付ける構成であるか不明である。特許文献6は、IDカードを利用したエアーシャワー装置の動作制御に関し、塵埃の被清浄体への再付着についての開示はない。
【0012】
上述のように、従来技術は、エアの吹き出し手段を被清浄体に向け、清浄空気を吹き付けて塵埃等をいかに効率よくはたき落とすかに主眼がおかれており、空気中にはたき出された塵埃の被清浄体への再付着については、更に、検討・改良の必要性がある。
【0013】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、被清浄体(入室者)に対する必要な範囲のはたき出しを行い、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出し、再付着を防止するエアシャワー装置及びエアシャワー方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明によるエアシャワー装置は、空気を吹き出すエアノズルにより、被清浄体からの塵埃のはたき出しと、前記はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うように構成したことを特徴とする。
【0015】
このエアシャワー装置によれば、被清浄体からの塵埃のはたき出しと、はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うので、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出でき、はたき出された粉塵の被清浄体への再付着を防止できる。この場合、被清浄体の形状情報に基づいて上記はたき出しと上記浮遊粉塵の排出とを行うことが好ましく、これにより、必要な範囲のはたき出しが可能となり、無駄な範囲への吹き出しを省き、省エネルギー運転を実現できる。また、上記はたき出しと上記浮遊粉塵の排出は、エアノズルの各吹き出し範囲が異なるように設定して行うことが好ましい。
【0016】
本発明によるもう1つのエアシャワー装置は、空気を吹き出すエアノズルと、浮遊する粉塵を外部に排出する排気口と、被清浄体の形状情報に基づいて、前記被清浄体からの塵埃のはたき出しと、前記はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を行うように前記エアノズルの動作を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
このエアシャワー装置によれば、被清浄体からの塵埃のはたき出しと、はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うことができるので、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排気口から排出でき、はたき出された粉塵の被清浄体への再付着を防止できる。また、被清浄体の形状情報に基づいてエアノズルの動作を制御するので、必要な範囲のはたき出しが可能となり、無駄な範囲への吹き出しを省き、省エネルギー運転を実現できる。
【0018】
なお、上記エアシャワー装置は、クリーンルーム等に前置等されるエアシャワー室で使用されることが好ましい。
【0019】
上記エアシャワー装置において、前記エアノズルは、前記被清浄体への吹出専用ノズルと、前記排気口に向けて吹き出す浮遊粉塵排出専用ノズルと、を含むように構成でき、それぞれ吹出用と浮遊粉塵排出用の専用ノズルとする。なお、エアノズルは複数が好ましい。
【0020】
また、前記エアノズルは、前記被清浄体への吹出用と浮遊粉塵排出用とに切り替え可能であるエアノズルを含み、エアノズルが複数の場合、複数のエアノズルの少なくとも1つを吹出用と浮遊粉塵排出用とを兼ねる兼用ノズルとしてもよい。
【0021】
なお、浮遊粉塵排出用ノズルは、専用でも兼用であっても、被清浄体に対し直接に吹き出すのではなく、浮遊する粉塵を排出するために被清浄体の周囲及び/又はその近傍に向けて吹き出すように制御される。
【0022】
また、前記制御部に対し入力された前記被清浄体の形状情報に基づいて前記エアノズルの前記被清浄体に対する吹き出しパターン及び/又は吹き出し範囲を設定することで、必要な範囲のはたき出しができ、被清浄体から効率よく粉塵をはたき出すことができる。
【0023】
また、前記被清浄体の形状情報に基づいて前記吹き出し範囲を分割することで、分割された各吹き出し範囲を各エアノズルが分担することで、被清浄体に対する吹き出しが効率的になる。
【0024】
また、前記エアノズルの吹き出し時間が予め設定されていることが好ましく、例えば、被清浄体に対する吹き出し時間は5乃至20秒の範囲が好ましい。
【0025】
また、室内の粉塵量を測定する粉塵量測定手段を備え、その粉塵量測定結果に基づいて前記エアノズルの吹き出しが制御されることが好ましい。例えば、エアシャワー装置を設置した部屋内の測定した粉塵量が予め設定した量以下になるとエアノズルの吹き出しが停止するような制御が可能となる。また、室内の粉塵量を測定することで、エアノズルの吹き出し時間と発生した粉塵量との関係を予め求めておき、測定した粉塵量で吹き出し時間を設定するようにして制御してもよい。
【0026】
なお、前記エアノズルの吹き出しを連続流または断続流のいずれかに設定することができる。例えば、被清浄体への吹出用ノズルでは連続流または断続流であってよいが、排気口に向けて吹き出す浮遊粉塵排出用ノズルでは連続流が好ましい。
【0027】
また、前記エアノズルの少なくとも1つが吹き出し範囲を変更可能であることが好ましい。これにより、吹き出し範囲を被清浄体の形状情報(形状や大きさ)に対応した範囲に変更できる。かかる吹き出し範囲の変更は、例えば、エアノズルを上下動及び/又は左右動可能なように構成することで実現できる。
【0028】
また、前記被清浄体への吹出用ノズルの吹き出し範囲に対応して前記浮遊粉塵排出用ノズルの吹き出し範囲を変更することが好ましい。これにより、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出できる。この場合、浮遊粉塵排出用ノズルを上下動及び/又は左右動可能なように構成することが好ましい。
【0029】
本発明によるエアシャワー方法は、第1のエアノズルから被清浄体にエアを吹き出して前記被清浄体から塵埃をはたき出す第1ステップと、第2のエアノズルからエアを吹き出して前記はたき出され浮遊する粉塵を排気口を介して外部に排出する第2ステップと、を含むことを特徴とする。
【0030】
このエアシャワー方法によれば、被清浄体からの塵埃のはたき出しと、はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うので、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出でき、はたき出された粉塵の被清浄体への再付着を防止できる。この場合、前記被清浄体の形状情報に基づいて前記エアノズルの動作を制御することが好ましく、これにより、必要な範囲のはたき出しが可能となり、無駄な範囲への吹き出しを省き、省エネルギー運転を実現できる。また、第1ステップ及び第2ステップは、第1のエアノズルの吹き出し範囲と第2の吹き出し範囲とが異なるように設定して行うことが好ましい。
【0031】
なお、上記エアシャワー方法は、クリーンルーム等に前置等されるエアシャワー室に使用されることが好ましい。
【0032】
上記エアシャワー方法において前記被清浄体の形状情報に基づいて前記エアノズルの前記被清浄体に対する吹き出しパターン及び/又は吹き出し範囲を設定することで、被清浄体から効率よく粉塵をはたき出すことができる。なお、被清浄体の形状情報に基づいて吹き出し範囲を分割し、分割された各吹き出し範囲を複数のエアノズルが分担することで、被清浄体に対する吹き出しが効率的になる。
【0033】
また、前記被清浄体から塵埃をはたき出す第1ステップの後、前記はたき出され浮遊する粉塵を排出する第2ステップを実行することで、被清浄体から粉塵をはたき出した後に、はたき出されて浮遊する粉塵を排出するようにできる。
【0034】
この場合、前記第2ステップを前記第1のエアノズルを用いて行うようにしてもよく、これは、第1のエアノズルに例えば上下動及び/又は左右動可能なエアノズルを用いてその吹き出し範囲を変更することで実現できる。
【0035】
また、前記第1及び第2のエアノズルをほぼ同時に動作させることで、被清浄体から粉塵をはたき出しながら、はたき出されて浮遊する粉塵を排出するようにできる。この場合、例えば、第2のエアノズルによる浮遊粉塵排出の動作を被清浄体への吹き出し動作よりも若干遅らせて終了させるようにしてもよい。
【0036】
また、室内の粉塵量を測定し、その測定結果に基づいて前記エアノズルの動作を制御することが好ましい。例えば、室内の粉塵量を測定し、その測定した粉塵量が予め設定した量以下になるまで前記エアノズルの吹き出しを続けるように制御できる。
【0037】
また、前記エアノズルの吹き出し時間と室内の測定した粉塵量との関係を予め求めておき、前記関係から得られた吹き出し時間で前記エアノズルの動作を制御するようにしてもよい。この場合、第1のエアノズルの吹き出し時間は、粉塵のはたき出し量が多くなりかつ無駄な吹き出しを省いた時間が好ましく、また、第2のエアノズルの吹き出し時間は粉塵量が少なくなりかつ無駄な吹き出しを省いた時間が好ましい。
【0038】
また、前記被清浄体の形状情報を入力するステップを更に含み、前記形状情報の入力後、前記エアノズルを作動させるように制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0039】
本発明のエアシャワー装置及びエアシャワー方法によれば、入室者等の被清浄体に対する必要な範囲のはたき出しを行い、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出し、被清浄体への再付着を防止することができる。これにより、例えば、クリーンルームに前置されたエアシャワー室における除塵効率を高めることができ、エアシャワー室に連通するクリーンルームへの塵埃等の侵入防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0041】
〈第1の実施の形態〉
【0042】
図1は第1の実施の形態によるエアシャワー装置の制御系を概略的に示す図である。図2は第1の実施の形態によるエアシャワー装置の動作を説明するために同装置を概略的に示す斜視図である。図3は図2のエアシャワー装置の動作を説明するために同装置を概略的に示す上面図である。
【0043】
図1〜図3に示すエアシャワー装置は、エアシャワー室Rに設置されるものであって、空気清浄フィルタ(図示省略)を介してエアシャワー室Rに清浄な空気を送り込む送風機10と、入室者Aに対し送風機10からの空気を吹き出して粉塵をはたき出すための第1エアノズル部11と、送風機10からの空気を吹き出し、入室者Aからはたき出されて室内に浮遊する粉塵を排出するための第2エアノズル部12と、エアシャワー室Rの上部側壁に配置されて室内に浮遊する粉塵を排出する壁面排気口13,14と、壁面排気口13,14から空気を吸引し排出する排風機15と、を備える。なお、送風機10と排風機15は兼用する構成としてもよい。
【0044】
エアシャワー室Rは、各種用途において浮遊微生物が管理された空間や浮遊微粒子が管理された空間を提供するためのクリーンルームの入口側に設置される。
【0045】
図1のように、エアシャワー装置は、制御系として、入室者の体型情報(身長や肩幅等)を入力するためのマウス等のポインティングデバイスやキーボード等からなる入力部101と、送風機10や排風機15等をオン・オフする運転スイッチ104と、室内の粉塵量を測定する粉塵量測定部107と、各エアノズルが空気を吹き出す範囲情報及びパターン情報等の各種情報を記憶するメモリ108と、入力部101や粉塵量測定部107やメモリ108等からの信号が入力し、エアノズル部11,12等の動作を制御する中央演算処理装置(CPU)等からなる制御部100と、を備える。
【0046】
第1エアノズル部11は、空気を吹き出す範囲やパターンを変えるために先端部分が回転するようにして上下動・左右動するエアノズル11a、11bを備える。また、第2エアノズル部12は、空気を吹き出す範囲やパターンを変えるために先端部分が回転するようにして上下動・左右動するエアノズル12a、12bを備える。
【0047】
また、第1エアノズル部11と第2エアノズル部12とを切り替えて逆にして、第2エアノズル部12が入室者Aに対し空気を吹き出して粉塵のはたき出しを行い、第1エアノズル部11が排気口13または14に向けて空気を吹き出して浮遊粉塵の排出を行うように制御できる。この場合、各エアノズル11a、11b、12a、12b単位で切り替えが可能であり、先端部分が回転するように上下動・左右動して吹き出し方向を変え吹き出し範囲を変更する。
【0048】
制御部100は、メモリ108に記憶された空気の吹き出し範囲情報及びパターン情報に基づいて、入力部101から入力された入室者の体型情報(身長や肩幅等)によって、入室者に対する吹き出し範囲及びパターンを決定する。
【0049】
図1〜図3のエアシャワー装置の動作フローについて図4を参照して説明する。図4は第1の実施の形態によるエアシャワー装置の動作ステップS01乃至S09を説明するためのフローチャートである。
【0050】
図1〜図4のように、エアシャワー室Rに人間Aが入室するとき、入室者Aは身長・肩幅を入力し(S01)、運転スイッチ104をオンにすると(S02)、送風機10,排風機15が作動する。
【0051】
入室者Aが図3のように、エアシャワー室Rのほぼ中央に位置した状態で、第1エアノズル部11がオンし、入室者Aに対しエアノズル11bが背中B側に空気を吹き付けるとともに、エアノズル11aが方向Gのように胸・腹C側に吹き付ける(S03)。
【0052】
この場合、エアノズル11b,11aによる背中B側及び胸・腹C側への吹き付け範囲は、ステップS01で入力された身長・肩幅に基づいて決定される。エアノズル11a,11bは、上下動・左右動することで、図2に示すように、入室者Aの胸・腹C、背中Bに略S字形のパターンで吹き付ける。
【0053】
そして、第2エアノズル部12がほぼ同時にオンし、エアノズル11bの吹き付けによりはたき出されて浮遊する粉塵Dをエアノズル12bが方向Fに排気口13に向けて吹き出すとともに、エアノズル11aの吹き付けによりはたき出されて浮遊する粉塵Eをエアノズル12aが方向F’に排気口13に向けて吹き出す(S04)。
【0054】
この場合、エアノズル12a,12bは、入室者Aに対し直接に吹き出すのではなく、入室者Aからはたき出されて浮遊する塵埃E,Dを排気口13から排出するように入室者Aの周囲及び/又はその近傍に向けて吹き出す。具体的には、エアノズル12a,12bの吹き出し範囲は、塵埃をはたき出す各エアノズル11a,11bの吹き出し範囲の周囲・近傍の高さ方向で上下動し、横方向で左右動するように決められる。
【0055】
上記ステップS03,S04において、各エアノズル11a,11b,12a,12bは、連続流で空気を吹き出すように制御されるが、断続流であってもよいが、浮遊する塵埃を排出するエアノズルは連続流が好ましい。
【0056】
第1エアノズル部11と第2エアノズル部12を予め設定した時間だけ動作させてから(S05)、第1エアノズル部11をオフし(S06)、第2エアノズル部12をオフする(S07)。この場合、はたき出されて浮遊する粉塵をより効果的に排出するために第2エアノズル部12のオフを遅延させてもよい。
【0057】
次に、エアシャワー室R内の粉塵量を測定し(S08)、測定した粉塵量がメモリ108に記憶させた所定値以下であるか制御部100が判断し(S09)、所定値以下でない場合は、上記ステップS03に戻り、同様のステップを繰り返すが、この場合、図4の破線で示すように、ステップS04に戻るように制御してもよい。上記測定した粉塵量が所定値以下であれば、終了する。
【0058】
図4のエアシャワー装置の動作によれば、入室者Aからの塵埃のはたき出しと、はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うので、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出でき、はたき出された粉塵の入室者Aへの再付着を防止できる。また、入室者Aの体型情報に基づいてエアノズル部11,12の動作を制御するので、必要な範囲のはたき出しが可能となり、エアシャワー装置の省エネルギー運転を実現できる。
【0059】
次に、上述の各エアノズルが空気を吹き出す範囲及びパターンについて図5,図6を参照して説明する。
【0060】
図5は、図1のメモリ108に記憶されているエアノズルが入室者に対し空気を吹き出す範囲を模式的に示す図(a)及び図5(a)の空気を吹き出す範囲を4分割した図(b)である。図5(b)には分割された各範囲における吹き付けパターンも示されている。図6は、図1のメモリ108に記憶されているエアノズルが入室者に対し空気を吹き出すパターンの例(a)〜(d)を模式的に示す図である。
【0061】
図5(a)のように、図1の入力部101から入力された入室者の体型情報(身長や肩幅)に基づいて、各エアノズル11a、11b、12a、12bが入室者に対し空気を吹き付ける範囲Sが設定される。
【0062】
図5(b)のように、吹き付け範囲Sを分割する場合、腰元を基準に上下に分割し、更に、正面を左右に分割し、分割範囲S1,S2,S3,S4とし、各分割範囲S1,S2,S3,S4に対しそれぞれ別々に空気を吹き付けるエアノズル21,22,23,24を配置する構成にできる。なお、腰元の位置は身長から決定できる。
【0063】
なお、図5(a)の吹き付け範囲Sは、入力部101から入力された入室者の体型情報(身長や肩幅)に基づいて設定されるが、体型情報の入力は、入室者のIDカードから図1の破線で示すカードリーダ102で読み取って行うようにしてもよい。
【0064】
また、エアシャワー室Rの入口等に配置した図1の破線で示す画像センサ・位置センサ103で、入室者の頭の位置と両肩の位置とを検知し、身長と肩幅の体型情報に変換して入力するようにしてもよい。
【0065】
各エアノズルが入室者に対し空気を吹き付けるパターンは、図2に示すように、略S字状であってよいが、図6(a)のような略Z字状、図6(b)のような略N(鏡面像)字状、図6(c)のような略コ字状、図6(c)の略コ字状を90°回転させた図6(d)のような変形略コ字状であってもよい。
【0066】
また、分割範囲S1〜S4のパターンに関し、図5(b)に示すように、腰元から上の分割範囲S1,S2では、腰元から腕に沿って上方に肩まで、肩から斜め下方に腹部まで、腹部から上方に頭まで、のような順序で行い、腰元から下の分割範囲S3,S4では、足元から上方に腰元まで、横に腹部まで、腹部から下方に足元まで、のような順序で行うことができる。
【0067】
〈第2の実施の形態〉
【0068】
図1〜図3と同様のエアシャワー装置を用いた第2の実施の形態による動作フローについて図7,図8,図9を参照して説明する。
【0069】
図7は第2の実施の形態によるエアシャワー装置の動作ステップS11乃至S19を説明するためのフローチャートである。
【0070】
図8は第2の実施の形態における塵埃のはたき出し動作を説明するためにエアシャワー装置を概略的に示す斜視図(a)及び上面部(b)である。図9は同じくはたき出された浮遊塵埃の排出動作を説明するためにエアシャワー装置を概略的に示す斜視図(a)及び上面部(b)である。
【0071】
第2の実施の形態による動作は、エアノズル1個で、塵埃はたき出し動作を行い、続いて浮遊塵埃排出動作を行うようにしたものである。
【0072】
入室者Aは身長・肩幅を入力し(S11)、運転スイッチ104をオンにすると(S12)、送風機10,排風機15が作動する。
【0073】
次に、図8(a)、(b)のように、入室者Aがエアシャワー室Rのほぼ中央に位置した状態で、第2エアノズル部12のエアノズル12aがオンし、入室者Aに対しエアノズル12aが方向Hのように胸・腹C側に吹き付ける(S13)。エアノズル12aによる胸・腹C側への吹き付け範囲は、ステップS11で入力された身長・肩幅に基づいて決定され、また、エアノズル12aは、上下動・左右動することで、図8(a)のように、入室者Aの胸・腹C、背中Bに略S字形のパターンで吹き付ける。この場合、図6(a)〜(d)のいずれかのパターンで吹き付けてもよい。
【0074】
エアノズル12aを予め設定した時間だけ動作させてから(S14)、エアノズル12aを上下動・左右動させて吹き出し方向を切り替えてから(S15)、図9(a)、(b)のように、エアノズル12aが、上述のようにはたき出されて浮遊する粉塵Eを方向H’に排気口13に向けて吹き出す(S16)。
【0075】
次に、エアシャワー室R内の粉塵量を測定し(S17)、測定した粉塵量がメモリ108に記憶させた所定値以下であるか制御部100が判断し(S18)、所定値以下でない場合は、上記ステップS13に戻り、同様のステップを繰り返す。この場合、図7の破線で示すように、ステップS16に戻るように制御してもよい。
【0076】
上記測定した粉塵量が所定値以下であれば、エアノズル12aをオフにし終了する(S19)。
【0077】
図7のエアシャワー装置の動作によれば、入室者Aからの塵埃のはたき出しと、はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うので、はたき出されて浮遊する粉塵を効率的に排出でき、はたき出された粉塵の入室者Aへの再付着を防止できる。また、入室者Aの体型情報に基づいてエアノズル部12の動作を制御するので、必要な範囲のはたき出しが可能となり、エアシャワー装置の省エネルギー運転を実現できる。
【0078】
以上のように、第1及び第2の実施の形態によれば、入室者に対する必要な範囲のはたき出しと、はたき出されて浮遊する粉塵の素早い排出と、を別々に行うことで、効率的に粉塵を除去できるので、エアシャワー室内における粉塵の入室者への再付着を確実に防止できる。
【0079】
これにより、クリーンルームに前置されたエアシャワー室Rにおける除塵効率を高めることができ、エアシャワー室Rに連通するクリーンルームへの塵埃等の侵入防止を図ることができる。
【0080】
また、入室者(被清浄体)の形状、大きさに基づいて入室者への吹き付けを行うので、従来のようにすべてのエアノズルから空気を吹き出す必要がないので、省エネルギー運転の実現に寄与できる。また、入室者(被清浄体)自身が、塵埃のはたき落としのため、体を動かす必要がない。更に、エアシャワー室の部屋の形によらず、最適な吹き付けと浮遊粉塵排出が可能になる。
【0081】
なお、図7〜図9では、エアノズル12aで塵埃はたき出し動作、続いて、浮遊塵埃排出動作を行ったが、エアノズル11aで行ってもよい。また、背中C側でも、エアノズル11bまたは12bで同様の動作を行うようにしてもよい。
【0082】
また、図5(b)のように吹き出し範囲を分割範囲S1〜S4に分割した場合、各エアノズル21〜24がそれぞれ各分割範囲S1〜S4に対し同図のパターンで吹き付けた後、図7と同様に、同じ各エアノズル21〜24で浮遊粉塵の排出の吹き出しを行うように制御できる。
【0083】
次に、図10,図11を参照して、図2,図3のエアシャワー室の排気口の具体的な配置例を二例説明する。図10は、図2,図3のエアシャワー室の排気口の第1の配置例を説明するためにエアシャワー室の内部を見た概略的な斜視図(a)及びエアシャワー室の入り口側から内部を見た概略的な図(b)である。
【0084】
図11は、図2,図3のエアシャワー室の排気口の第2の配置例を説明するためにエアシャワー室の内部を見た概略的な斜視図である。
【0085】
図10(a)、(b)の配置例は、エアシャワー室Rにおいて図10(b)のように進行方向Iに歩行する入室者Aから見て、左側壁R1の下部に壁面排気口25を配置し、右側壁R2の上部に壁面排気口26を配置したものである。各エアノズル11a,11b,12a,12bが入室者Aからはたき出されて浮遊する粉塵を排出するように作動する場合、図のように、エアノズル11a、11bが対向する側壁R2の上部の排気口26に向けて空気を吹き出し、エアノズル12a、12bが対向する側壁R1の下部の排気口25に向けて空気を吹き出すようになっている。
【0086】
図11の配置例は、エアシャワー室Rにおいて床下に床面排気口28を配置し、天井に天井排気面27を配置したものである。各エアノズル11a,11b,12a,12bが入室者Aからはたき出されて浮遊する粉塵を排出するように作動する場合、図のように、例えば、エアノズル11a、11bが天井排気面27にに向けて空気を吹き出し、エアノズル12a、12bが床面排気口28に向けて空気を吹き出すようになっている。
【0087】
次に、図12を参照して複数のエアノズルの配置例を四例説明する。図12は、図2,図3のエアシャワー室に配置した複数のエアノズルの位置を説明するためにエアシャワー室の内部を見た概略的な斜視図(a)乃至(d)である。
【0088】
図12(a)の例は、エアシャワー室Rの左側壁R1に、進行方向I(図10(b)と同様)の前方側の上下にエアノズルA1,A2を配置し、後方側の上下にエアノズルA3,A4を配置し、更に、右側壁R2に、進行方向Iの前方側の上下にエアノズルA5,A6を配置し、後方側の上下にエアノズルA7,A8を配置したものである。各エアノズルA1〜A8は、塵埃のはたき出し及び浮遊塵埃の排出を兼用できる。
【0089】
図12(b)の例は、エアシャワー室Rの進行方向Iの前方左側のコーナK1の上下にエアノズルB1,B2を配置し、後方左側のコーナK2の上下にエアノズルB3,B4を配置し、前方右側のコーナK3の上下にエアノズルB5,B6を配置し、更に、後方右側のコーナK4の上下にエアノズルB7,B8を配置したものである。各エアノズルB1〜B8は、塵埃のはたき出し及び浮遊塵埃の排出を兼用できる。
【0090】
図12(a)、(b)の各配置によれば、エアノズルA1〜A8またはB1〜B8から入室者Aの胸・腹側及び背中側に対し空気を例えば図5(b)のような分割範囲S1〜S4に同図のパターンでそれぞれ吹き付けてから、切り替えて、はたき出されて浮遊する粉塵を排出するためにエアノズルA1〜A8またはB1〜B8から排気口に向けて吹き出しを行うことができる。
【0091】
図12(c)の例は、エアシャワー室Rの左側壁R1にエアノズルC1〜C4を配置し、右側壁R2にエアノズルC5〜C8を配置し、更に、エアノズルC1とC2の高さ方向の間にエアノズルCC1を、エアノズルC3とC4の高さ方向の間にエアノズルCC2を、エアノズルC5とC6の高さ方向の間にエアノズルCC3を、エアノズルC7とC8の高さ方向の間にエアノズルCC4をそれぞれ配置し、エアノズルC1〜C8を塵埃のはたき出し専用とし、エアノズルCC1〜CC4を浮遊塵埃の排出専用としたものである。
【0092】
図12(d)の例は、エアシャワー室Rの前方・後方左側のコーナK1、K2にエアノズルD1〜D4を配置し、前方・後方右側のコーナK3,K4にエアノズルD5〜D8を配置し、更に、エアノズルD1とD2の高さ方向の間にエアノズルDD1を、エアノズルD3とD4の高さ方向の間にエアノズルDD2を、エアノズルD5とD6の高さ方向の間にエアノズルDD3を、エアノズルD7とD8の高さ方向の間にエアノズルDD4をそれぞれ配置し、エアノズルD1〜D8を塵埃のはたき出し専用とし、エアノズルDD1〜DD4を浮遊塵埃の排出専用としたものである。
【0093】
図12(c)、(d)の各配置によれば、エアノズルC1〜C8またはD1〜D8から入室者Aの胸・腹側及び背中側に対し空気を例えば図5(b)のような分割範囲S1〜S4に同図のパターンでそれぞれ吹き付けてから、はたき出されて浮遊する粉塵を排出するためにエアノズルCC1〜CC4またはDD1〜DD4から排気口に向けて吹き出しを行うことができる。また、エアノズルC1〜C8またはD1〜D8からの入室者への吹き付けとほぼ同時に、エアノズルCC1〜CC4またはDD1〜DD4から浮遊塵埃排出のための吹き出しを行うようにしてもよい。
【0094】
なお、図12(c)、(d)の各エアノズルC1〜C8,CC1〜CC4,DD1〜DD4,D1〜D8は、上下動・左右動の制御をせず、吹き出し方向が一定のものを使用できる。
【0095】
次に、上述の各エアノズルから入室者への吹き付け時間について説明する。前述の非特許文献1によれば、被清浄体に空気を5秒以上吹き付ければ、除塵効率はほぼ一定となり、吹き付け時間には依存しないことが判明しており、一般的には20秒程度吹き付けていることから、被清浄体への空気の吹き付け時間は5乃至20秒程度が好ましい。
【0096】
また、図1の粉塵量測定部107を用いて、エアノズルの吹き出し時間と室内の測定した粉塵量との関係を予め求めておき、その関係から得られた吹き出し時間でエアノズルを作動させるようにしてもよい。
【0097】
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、被清浄体を人間としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、クリーンルームに搬入される種々の形状のある物であってもよいことは勿論である。
【0098】
また、本発明のエアシャワー装置及びエアシャワー方法は、各種用途のクリーンルームに前置されるエアシャワー室で使用可能であるが、これに限定されず、クリーンルームに後置されるエアシャワー室等に使用されてもよい。なお、本明細書でクリーンルームとは、粉塵量等の浮遊物量が許容される程度に拘わらず、浮遊微粒子や浮遊微生物が管理された空間を指す。
【0099】
また、例えば、図4の動作フローにおいて、ステップS07が終了してから、ステップS03に戻り、第2エアノズル部12が粉塵のはたき出しを行い、第1エアノズル部11が浮遊粉塵の排出を行うように切り替え、第2エアノズル12、第1エアノズル部11の順で、エアノズルからの入室者Aに対する吹き出し方向を変えて同様に動作させるようにしてもよい。
【0100】
また、図1では、運転スイッチ104で送風機10や排風機15等をオン・オフしたが、図1の破線で示すように、エアシャワー室の入口に自動ドア用のドアセンサ105を設け、また、シャワー室の側面等に赤外線センサ等からなる人感センサ106を設け、これらのドアセンサ105や人感センサ106による入室者の検知でオン・オフするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1の実施の形態によるエアシャワー装置の制御系を概略的に示す図である。
【図2】第1の実施の形態によるエアシャワー装置の動作を説明するために同装置を概略的に示す斜視図である。
【図3】図2のエアシャワー装置の動作を説明するために同装置を概略的に示す上面図である。
【図4】第1の実施の形態によるエアシャワー装置の動作ステップS01乃至S09を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1のメモリ108に記憶されているエアノズルが入室者に対し空気を吹き出す範囲を模式的に示す図(a)及び図5(a)の空気を吹き出す範囲を4分割した図(b)である。
【図6】図1のメモリ108に記憶されているエアノズルが入室者に対し空気を吹き出すパターンの例(a)〜(d)を模式的に示す図である。
【図7】第2の実施の形態によるエアシャワー装置の動作ステップS11乃至S19を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態における塵埃のはたき出し動作を説明するためにエアシャワー装置を概略的に示す斜視図(a)及び上面部(b)である。
【図9】図8のようにはたき出された浮遊塵埃の排出動作を説明するためにエアシャワー装置を概略的に示す斜視図(a)及び上面部(b)である。
【図10】図2,図3のエアシャワー室の排気口の第1の配置例を説明するためにエアシャワー室の内部を見た概略的な斜視図(a)及びエアシャワー室の入り口側から内部を見た概略的な図(b)である。
【図11】図2,図3のエアシャワー室の排気口の第2の配置例を説明するためにエアシャワー室の内部を見た概略的な斜視図である。
【図12】図2,図3のエアシャワー室に配置した複数のエアノズルの位置を説明するためにエアシャワー室の内部を見た概略的な斜視図(a)乃至(d)である。
【符号の説明】
【0102】
11 第1エアノズル部
11a,11b エアノズル
12 第2エアノズル部
12a,12b エアノズル
13,14,25,26 壁面排気口
21〜24 エアノズル
27 天井排気面
28 床面排気口
100 制御部
101 入力部
102 カードリーダ
107 粉塵量測定部
108 メモリ
A 入室者(被清浄体)
A1〜A8 エアノズル
B1〜B8 エアノズル
C1〜C8 エアノズル
CC1〜CC4 エアノズル
D1〜D8 エアノズル
DD1〜DD4 エアノズル
E,D 塵埃
R エアシャワー室
R1 左側壁
R2 右側壁
S 吹き出し範囲
S1,S2,S3,S4 分割範囲
S1,S2,S3,S4 各分割範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吹き出すエアノズルにより、被清浄体からの塵埃のはたき出しと、前記はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を別々に行うように構成したことを特徴とするエアシャワー装置。
【請求項2】
空気を吹き出すエアノズルと、
浮遊する粉塵を外部に排出する排気口と、
被清浄体の形状情報に基づいて、前記被清浄体からの塵埃のはたき出しと、前記はたき出され浮遊する粉塵の排出と、を行うように前記エアノズルの動作を制御する制御部と、を備えることを特徴とするエアシャワー装置。
【請求項3】
前記エアノズルは、前記被清浄体への吹出専用ノズルと、前記排気口に向けて吹き出す浮遊粉塵排出専用ノズルと、を含む請求項2に記載のエアシャワー装置。
【請求項4】
前記エアノズルは、前記被清浄体への吹出用と浮遊粉塵排出用とに切り替え可能であるエアノズルを含む請求項2に記載のエアシャワー装置。
【請求項5】
前記制御部に対し入力された前記被清浄体の形状情報に基づいて前記エアノズルの前記被清浄体に対する吹き出しパターン及び/又は吹き出し範囲を設定する請求項2乃至4のいずれか1項に記載のエアシャワー装置。
【請求項6】
前記被清浄体の形状情報に基づいて前記吹き出し範囲を分割する請求項5に記載のエアシャワー装置。
【請求項7】
前記エアノズルの吹き出し時間が予め設定されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエアシャワー装置。
【請求項8】
室内の粉塵量を測定する粉塵量測定手段を備え、その粉塵量測定結果に基づいて前記エアノズルの吹き出しが制御される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエアシャワー装置。
【請求項9】
前記被清浄体への吹出用ノズルの吹き出し範囲に対応して前記浮遊粉塵排出用ノズルの吹き出し範囲を変更する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のエアシャワー装置。
【請求項10】
第1のエアノズルから被清浄体にエアを吹き出して前記被清浄体から塵埃をはたき出す第1ステップと、
第2のエアノズルからエアを吹き出して前記はたき出され浮遊する粉塵を排出する第2ステップと、を含むことを特徴とするエアシャワー方法。
【請求項11】
前記被清浄体の形状情報に基づいて前記エアノズルの前記被清浄体に対する吹き出しパターン及び/又は吹き出し範囲を設定する請求項10に記載のエアシャワー方法。
【請求項12】
前記被清浄体から塵埃をはたき出す第1ステップの後、前記はたき出され浮遊する粉塵を排出する第2ステップを実行する請求項10または11に記載のエアシャワー方法。
【請求項13】
前記第2ステップを前記第1のエアノズルを用いて行う請求項12に記載のエアシャワー方法。
【請求項14】
前記第1及び第2のエアノズルをほぼ同時に動作させる請求項10または11に記載のエアシャワー方法。
【請求項15】
室内の粉塵量を測定し、その測定結果に基づいて前記エアノズルの動作を制御する請求項10乃至14のいずれか1項に記載のエアシャワー方法。
【請求項16】
前記エアノズルの吹き出し時間と室内の測定した粉塵量との関係を予め求めておき、前記関係から得られた吹き出し時間で前記エアノズルの動作を制御する請求項10乃至15のいずれか1項に記載のエアシャワー方法。
【請求項17】
前記被清浄体の形状情報を入力するステップを更に含み、
前記形状情報の入力後、前記エアノズルを作動させる請求項10乃至16のいずれか1項に記載のエアシャワー方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−138966(P2008−138966A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327083(P2006−327083)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)