エアゾール化された薬剤を生成するためのネブライザ
薬剤を送達するネブライザは、薬剤のためのリザーバを有するハウジングと、リザーバから薬剤の供給を受けることができ、そこで薬剤の少なくとも一部をエアゾール化するエアゾール発生器と、気体がネブライザに流入してエアゾールとの混合物を形成できるようにする気体通気入口と、通路であって、該通路を通じて、エアゾールと気体との混合物がネブライザの出口ポートに送達される通路とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2003年7月18日出願の米国仮特許出願第60/488,718号の利益を主張するものであり、当該仮出願の全体は本明細書と一体のものとして参照される。
【0002】
本発明は、患者の呼吸系に薬剤を送達するネブライザに関する。喘息、慢性閉塞性肺疾(COPD)、及び嚢胞性線維症といったいくつかの症状では、処方された液体薬剤をエアゾールと呼ばれる微細な噴霧に変えて肺に吸入する必要がある。
【背景技術】
【0003】
こうした薬剤のエアゾールを発生するネブライザは公知である。しかし、従来の家庭用ネブライザは一般に大型でかさばり、使用に不便である。したがって、家庭での使用に更に便利な小型ネブライザに対するニーズがある。
【0004】
長い間、エアゾールを発生するためにネブライザが使用されてきた。家庭用ネブライザは大きく3種類に分類される。コンプレッサ駆動ジェット又は空気式ネブライザは、その内部においてエアゾール発生点よりも下方に薬剤が配置されるリザーバであって、この薬剤がジェットの作用によってリザーバから引き上げられ、次いでこのジェットが流体を小さな粒子に分割するリザーバを利用する。エアゾールは、エアゾールを発生させる気体の流れにより駆動されて薬剤リザーバよりも上方のチャンバに集まりそこを通過する。ネブライザからのこのエアゾールの一定流れはしばしば、患者が発生する吸気の流れ及び体積を上回り、吸入によって得られるエアゾールの量を減少させ、患者が吸入する薬物の量を減少させる。したがって、エアゾール化された薬剤を患者に送達するのに必要な気体流れの量を減少させるネブライザに対するニーズもある。
【0005】
超音波式ネブライザは、圧電セラミック素子上方の薬剤リザーバ内に定常波を発生させ、薬剤リザーバ上方に集まるエアゾールを発生させる。エアゾールは、患者が直接発生するか又は気体の2次流れ(例えばファン)によって発生する活性ガスの流れなしには収集チャンバから離れない。このため、オープンエアゾールマスクと共に使用される超音波の能力が低下する。したがって、オープンエアゾールマスクと共に使用可能なネブライザに対するニーズもある。
【0006】
ジェット式及び超音波式両方のネブライザでは、エアゾールチャンバを離れない液滴はチャンバの壁に残り続けたりザーバに戻ったりし、ネブライザに残る残余薬物の一因となる。したがって、ネブライザに残る残余薬物の量を減少させるネブライザに対するニーズもある。
【0007】
メッシュプレート下方に配置されたトランスデューサホーンに接続された薬剤リザーバを有するネブライザも知られている。ホーンが振動することによって、ホーン上方に配置されたメッシュプレートのオリフィスを通じ液体薬剤が押し出される。エアゾールはエアゾール発生器から上方に指向される。この技術の技術的制限によって、粒子サイズが比較的大きくなり、出力が低くなり、懸濁液のエアゾール化が困難になり、吸気と吸気の間にエアゾールを効率的に収集するリザーバが存在しなくなる。したがって、高出力でもって微細なエアゾールの噴霧を発生し、吸気と吸気の間にエアゾールを収集するリザーバを有するネブライザに対するニーズもある。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、患者の呼吸系に薬剤を送達するためのネブライザを含む。ネブライザは液体薬剤のためのリザーバを形成するハウジングを含むことができる。薬剤は入口を通じてリザーバに入り、エアゾール発生器に結合された出口を通じてリザーバを出るようにすることができる。発生器は薬剤をエアゾールに変換し、このエアゾールはエアゾール通路を通じて出口ポートまで移動し、そこからネブライザを出るようにすることができる。また、ネブライザは、気体(例えば空気)と同伴されたエアゾールとの混合物が出口ポートを通じてネブライザを出る前に、気体がネブライザに入りエアゾール化された薬剤と混合できるようにする気体通気入口を含むことができる。
【0009】
一実施例では、液体薬剤の重力流れがリザーバからエアゾール発生器に供給される。
【0010】
気体通気入口をエアゾール発生器のすぐ近くに配置することができる。
【0011】
別の実施例では、ハウジングは気体及び同伴されたエアゾールを出口ポートに指向させるバッフルを有する。前記バッフルは、エアゾールが出口を通じて流れるように方向付けられた傾斜表面を含むことができる。バッフルが出口ポートに向かって傾斜するようにしてもよい。
【0012】
別の実施例では、ネブライザはエアゾール液滴トラップを含むことができる。液滴トラップが出口ポートに隣接するようにしてもよい。
【0013】
別の実施例では、ネブライザはエアゾールトラップを含むことができ、バッフルからのエアゾール液滴はトラップに指向される。
【0014】
エアゾール発生器は、エアゾール発生器を物理的損傷から保護するプロテクタを有することができる。プロテクタは、エアゾール発生器の上方の上方プロテクタと、エアゾール発生器の下方の下方プロテクタとのうち一方又は両方を含むことができ、下方プロテクタはネブライザハウジングと一体であってもよい。1つかそれ以上のプロテクタはメッシュを含むことができる。
【0015】
ネブライザは、出口ポートを呼吸系に接続するための呼吸コネクタを含むことができる。呼吸コネクタはマウスピースを含むことができる。呼吸コネクタは、マウスピース、フェースマスク、及びノーズピースからなるグループから選択することができる。
【0016】
別の実施例では、ネブライザは、エアゾール発生器を内部に保持するエアゾール発生器ハウジングを含む。エアゾール発生器ハウジングをリザーバに固定することができる。
【0017】
別の実施例では、エアゾール発生器は、その第1の表面と第2の表面との間に延びる複数の開口を有する振動可能な部材を備えることができる。約70重量%又はそれ以上の液滴の寸法が約1から約6マイクロメータの範囲にあるように薬剤の液滴を放出することにより薬剤がエアゾール化されるように、振動可能な部材の開口が寸法設定されている。
【0018】
別の実施例では、ネブライザはエアゾール発生器のための駆動回路を含むことができる。駆動回路はプッシュプル共振電力回路を含むことができる。共振回路は、インピーダンス値が圧電素子のインピーダンスにほぼ等しい誘導素子を使用することができる。
【0019】
共振回路は誘導素子を含むことができる。例えば、共振回路は、プッシュプル(交互オン−オフ)構成でもって作動される一対のMOSFETを含むことができる。
【0020】
ネブライザ駆動回路は、壁コンセントに直接差し込まれて周波数範囲が50Hzから60Hzであり90Vから250Vの範囲の交流電圧の入力を受け取るのに適しており、50Khzから300Khzの周波数範囲の交流電圧出力を発生するようにすることができる。この回路は、動作周波数においてインピーダンスがネブライザ回路とほぼ同じである誘導素子を含むことができる。
【0021】
別の実施例では、ネブライザ駆動回路を、1.5から12ボルトの範囲の電圧の入力を受け取って周波数範囲が50Khzから300Khzの交流電圧出力を発生するバッテリと共に使用するのに適するようにしてもよい。この回路は、動作周波数においてインピーダンスがネブライザの回路とほぼ同じである誘導素子を含むことができる。
【0022】
本発明の別の態様は、粘性液体を噴霧する方法を含む。一実施例では、この方法は、前面と、後面と、それらの間に延びかつ後面から前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを含む振動可能な薄肉シェル部材を提供し、薄肉シェル部材を振動させ、2つの周波数値の間で周波数をスイープさせる、各段階を含む。
【0023】
別の実施例では、粘性液体を噴霧する方法は、前面と、後面と、それらの間に延びかつ後面から前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを含む振動可能な薄肉シェル部材を提供し、薄肉シェル部材を振動させ、粘性液体(例えば、脂質)に熱を供給する、各段階を含む。
【0024】
本発明の別の実施例は、エアゾール発生器に電力を供給するための電気コネクタを含むエアゾール発生器を提供し、電気コネクタ及びエアゾール発生器の導電要素は電気絶縁材料に包囲されている。
【0025】
また、本発明の実施例は、エアゾール発生器と電力入口とを含むエアゾール発生器組体を含み、この組体は、弾性ケーシングによって構造的に支持され、ケーシングは組体に電気絶縁を提供することができる。弾性ケーシングは射出成形処理によって製造することができる。
【0026】
本発明の別の実施例は、弾性構造に収容されたエアゾール発生器及び電力入口を含むエアゾール発生器組体を提供する。エアゾール発生器は、後面と、前面と、それらの間に延びる複数の開口とを有する振動式薄肉シェル部材であって、小さいほうの開口の寸法が約1から約6ミクロンの範囲にある振動式薄肉シェル部材とを含むことができる。
【0027】
別の新規な特徴の一部は以下の説明に記載され、一部は以下の明細書を検討するときに当業者に明らかになるか又は本発明を実施することによって学習される。本発明の特徴及び利点は、特に特許請求の範囲で指摘された手段、組み合わせ、方法によって実現され達成される。
【0028】
例として示される以下の説明から本発明はより明瞭に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面のうちまず図1から図8を参照すると、患者の呼吸系に薬剤を送達するための、本発明の実施例によるネブライザ1が例示される。ネブライザ1はリザーバを有するハウジングを備え、このリザーバは本実施例では液体薬剤のための薬剤カップ2の形態を取る。薬剤カップ2は、取り外し可能なカップ4に覆われた上方入口3を有する。カップ4は透明なのでユーザはカップの内容物を見ることができる。また、カップ2は、薬剤が重力によって流れ込む下方出口も有する。カップ4は、出口への薬剤の流れを促進する下方円錐部分6を有する。エアゾール発生器7がカップの出口に設置されて液体薬剤をエアゾール化する。エアゾール発生器7は、バリアメッシュ10によって上方からのユーザのアクセスに対し保護されており、メッシュ10はこの例では薬剤カップと一体的に形成されている。また、エアゾール発生器7は、薬剤カップ2とは別個に形成された下方メッシュ11によって下方から保護されている。保護メッシュ10、11は図5、図7及び図8から特に明らかである。
【0030】
エアゾール発生器7が発生したエアゾールは、ネブライザ本体19によって画定される通気エアゾール通路20に送達される。空気入口21を通じて通路20内に空気が流入する。この空気はエアゾール化された薬剤を同伴し、同伴されたエアゾール化された薬剤は通路20から出口ポート22を経てネブライザから送達される。この場合、入口21は、エアゾール発生器7よりも上方に位置する空気口によって形成される。出口ポート22は、上向きに傾斜して流れを呼吸系に指向させる延長部又はコネクタピース23を有する。この場合、出口コネクタ23にはコネクタ23に押込み嵌めされる取り外し可能なマウスピース部分24が装着される。
【0031】
ネブライザ1は、空気及び同伴されたエアゾール化された薬剤を出口22に指向させるバッフルを有する。この場合、バッフルはネブライザ本体19の床25によって形成される。バッフル25は出口ポート22に向かって下向きに傾斜していることに注意されたい。入口21をネブライザハウジングの一側に配置し、出口22をハウジング及びバッフル25の概ね他側に配置することによって、出口22への空気及び同伴されたエアゾール化された薬剤の流れが最適化される。
【0032】
ネブライザ1は、空気中に同伴されない大きな液滴を収集するエアゾール液滴トラップ30を有する。この場合、液滴トラップ30は出口ポート22とバッフル25との間にある。空気によって同伴されない液滴はバッフル25に衝突し、傾斜面を流れ落ちてトラップ30内に入る。同様に、出口22又は付随するコネクタ内で形成され得る液滴はトラップ30に流入するよう指向される。トラップ30はネブライザハウジングを開けハウジングの底部を逆さにすることによって容易に空にすることができる。
【0033】
通常、薬剤カップ2は約6cm3(約6ml)から約10cm3(約10ml)までの液体薬剤を収容するように構成される。
【0034】
エアゾール発生器7は振動可能な部材40及び圧電素子41を備える。振動可能な部材40は、米国特許第5,164,740号(第1の’740号特許)、第5,586,550号(’550号特許)、第5,758,637号(’637号特許)、及び6,085,740号(第2の’740号特許)に記載されているように、第1の表面と第2の表面との間に延びる複数のテーパ付き開口を有する。これら特許の全開示内容は本明細書と一体のものとして参照される。
【0035】
振動可能な部材40の、使用時に上向きになる第1の表面は薬剤カップ2から液体薬剤を受け取り、振動可能な部材40が振動したときに薬剤の液滴を放出することによって部材40の第2の表面にエアゾール化された薬剤が発生される。使用時、第2の表面は下向きになる。或る場合、約70重量%又はそれ以上の液滴の寸法が約1から約5マイクロメートルの範囲にあるエアゾールを生成するように、振動可能な部材40の開口の寸法を設定することができる。別の実施例では、約70(重量)%又はそれ以上の液滴の寸法は約1から約6マイクロメートルの範囲にある。
【0036】
振動可能な部材40は、非平面であり、好適にはドーム形状をなす。
【0037】
図9(a)及び図9(b)に例示するように、圧電素子41は電気接続ソケット45を有し、そこにコネクタプラグ要素46が設置される。圧電素子41及び接続ソケット45及びプラグ46は次いでオーバーモールド成形され、圧電素子41のためのハウジング48を画定する部分組体47を形成する。部分組体47は例示するようにネブライザハウジングに設置される。
【0038】
装置1は図示されるように、エアゾール発生器7の動作を制御しエアゾール発生器7に電源供給する制御器を含む。プラグ要素46は、ネブライザハウジングに固定されて制御器から制御信号を受け取る信号インタフェースポート50を画定する。インタフェースポート50においてプラグ46に結合するためのドッキング部材51又はコネクタを有する制御リード線52によって、制御器を信号インタフェースポート50に接続することができる。制御信号及び電力を制御器からリード線52を通じエアゾール発生器7に伝えてエアゾール発生器7の動作を制御しエアゾール発生器7に電力を供給するようにすることができる。
【0039】
図2に例示するように、或る場合、制御器55はバッテリにより作動されるユニットを備えることができる。
【0040】
或いは、制御器56は、主電源に直接接続するための電源プラグ57を有していてもよい。この場合、制御器は、単一のハウジング内に設置された一体的なAC−DC回路及び制御回路を有する。
【0041】
各制御器55又は56は、ハウジング60と、エアゾール発生器7の動作を選択的に制御するユーザインタフェースとを有する。ユーザインタフェースを、例えばオンオフボタン58の形態にすることができる。
【0042】
また、ハウジング60には、エアゾール発生器7の動作状態を表示する状態表示手段が設けられる。例えば、状態表示手段を、エアゾール発生器7の動作状態を表示する可視LED61の形態にすることができる。
【0043】
図10から図12を参照すると、圧電駆動装置が例示される。ステージ1として例示されるように、電力はAC/DC電源又はDC/DC電源から得ることができる。前者の場合、汎用入力(85Vacから264Vac)AD/DCアダプタによって、20VのVbusレベルが提供される。後者の場合、バッテリにより電力が提供されるようにすることができる。
【0044】
ステージ2では、プッシュプル共振回路により以下の出力が負荷に提供される。
Pout=1W
fout=128kHz
Vout=54Vms
【0045】
共振回路は、プッシュプル構成の2つのMOSFET Q1及びQ2によって駆動される圧電負荷の共振インダクタLres及び容量素子(Cp)を備える。また、図11に示すように、共振回路は、100μFのバルクコンデンサCbus及びDCブロックコンデンサCdcを備える。
【0046】
特に図12(a)から図12(d)を参照すると、スイッチング周期モードであるモード1からモード4がそれぞれ例示される。
【0047】
モード1
ACリップルは無視できると仮定されるので、Cdcは無視される。
Q1はオンになり、Q2はオフになる。
矢印の方向に正電流。
モードの式は以下の式を使用して解く。
Vbus=VLres+VCp(t)
【0048】
モード2
Q1はオフになり、Q2はオフである。
Q2の逆並列ダイオードを通じた電流フリーホイール。
モードの式。
VLres(t)+VCp(t)+VDQ2=0
【0049】
モード3
Q1はオフになり、Q2はオンになる。
矢印の方向に正電流。
モードの式。
VLres(t)+Vcp(t)=0
【0050】
モード4
Q2はオフになり、Q1はオフである。
Q1の逆並列ダイオードを通じた電流フリーホイール。
モードの式。
VCp(t)+VLres(t)−VDQ1−VCbus=0
【0051】
使用時、カップ4が開けられ、薬剤が入口ポート3を通じて薬剤カップ2に送達される。液体薬剤を入口ポート3を通じて薬剤カップ2に送達するために、通常、ネブレ又はシリンジといった供給容器が使用される。薬剤カップ2内の液体薬剤は、下方の薬剤出口において重力の作用によりエアゾール発生器7に向けて流れる。
【0052】
リザーバ2への入口ポート11を出口16においてエアゾール発生器3から離間させることによって、この構成が薬剤カップ2への液体薬剤の送達と患者の呼吸系との間の無菌バリアを形成することになる。
【0053】
制御リード線52のドッキング部材は、リザーバ2の信号インタフェースポート50に結合されて制御器55又は56をエアゾール発生器7に接続する。次いで、制御器50が起動されて電力及び制御信号がエアゾール発生器7に供給されるようにすることができ、これによって圧電素子41が振動可能な部材40が振動される。振動可能な部材40がこのように振動されることによって、部材40の上面の液体薬剤が開口を通過して下面に到り、そこで薬剤は薬剤の小さな液滴の放出によってエアゾール化される。
【0054】
エアゾール化された薬剤はエアゾール発生器7からハウジング19の通路20に流入する。エアゾール化された薬剤は、入口21を通じて通路20に流入する空気のような気体により同伴される。エアゾール化された薬剤と気体との同伴混合物は出口22を通じて流出し、患者の呼吸系に流入する。
【0055】
この場合、唇がマウスピース24の周囲に密着されつつ、マウスピース24がユーザの歯の間に把持される。ユーザは息をゆっくりと出し入れする。呼気サイクルでは、呼気はマウスピースに沿って通路20に逆流する。排気が気体入口21を通過するようにしてもよい。エアゾールの形成が停止し薬剤カップ2内の全ての薬剤が患者の呼吸系に送達されたことが示されるまで、このようにして呼吸が続けられる。オンオフボタン58が押下されることによりネブライザの電源が切られる。
【0056】
様々なコネクタ及びハウジングのための適切な材料はABSである。様々なコネクタ及びハウジングのための代替材料はポリスルフォン又はポリカーボネートである。装置のこれらの構成要素をポリスルフォン又はポリカーボネートから製造することによって、同一装置を何回も使用するためにこれらの構成要素を加圧滅菌することが可能になる。
【0057】
次に図13から図15を参照すると、上述のネブライザが、ノーズピース70が取り付けられて例示される。ノーズピース70は、ユーザの鼻を通じて薬剤を送達するのに使用される。
【0058】
次に図16から図18を参照すると、上述のネブライザが、この場合にはフェースマスク76に接続するためのエルボコネクタ75を有して例示される。
【0059】
図19から図20を参照すると、上述のネブライザといくつかの点で同様でかつ同一の参照符号が割り当てられている別のネブライザ80が例示される。この場合、入口ポート81を通じて接続された酸素供給源によって空気が補われる。ホルダ82が取り外し可能にネブライザハウジングに設置される。このホルダは、吐き出された全てのエアゾールを収集する外部フィルタを受け入れる。更に、ホルダは、入口ポートを通じて流入する気体ジェットに対する拡散器の役目を果たし、ネブライザハウジング内の乱流及びエアゾールの衝突損失を減少させる。
【0060】
本発明は、比較的小型、軽量で、使用が容易なネブライザを提供する。制御器も小型かつ軽量である。エアゾールは容易に発生されると共に効率よく気体流れに同伴されるので、医療従事者による監視なしに患者が容易かつ効率的に使用できる。機能に影響を有意に与えることなく、ネブライザを鉛直から有意に(45°まで)傾斜させてもよい。したがって、ネブライザは、着座又は少なくとも部分的に横臥している患者でも容易に使用できる。エアゾール発生器の重力依存方向及びチャンバが提供するネブライザの内容積によって、咳反射が抑制されるようにエアゾールの吸入質量が増大される。従属的な位置にフィルタを包含することにより、エアゾールが2次的にさらされる危険が減少する。
【0061】
本願出願人によれば、開口プレートの送達範囲にわたり圧電素子の駆動周波数をスイープさせることによって非ニュートン流体の送達を支援できることが確認されている。開口プレートが駆動周波数に応じてその振動モードを変化させると考えられる。この運動の変化が、流体を微細にすることが可能な追加の応力を流体に印加する。マイクロ制御器のPWM(パルス幅変調)出力の1つを使用しこの信号をハーフブリッジ又はMOSFETドライバの入力に転送することによって、周波数スイープを達成することができる。
【0062】
この方法では、周波数は、システムクロックの分解能だけ変化する(本願出願人の場合、これはTosc/4−20Mhzクリスタル/14=5Mhzであり、T=1/Fosc=0.2μ秒である。したがって、約130Khzでは、周波数は各ステップにおいて約3kHzだけ変化し得る)。送達範囲は約120から135kHzである。スイープの変化率及び範囲はマイクロ制御器内のソフトウェアを使用して制御することができる。
【0063】
本発明は上述の実施例に制限されず、構造及び細部を変更してもよい。
【0064】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「備える」及び「含む」という語句は、、記載された特徴、全体、構成要素、又は工程の存在を示すことを意図しているが、1つかそれ以上のその他の特徴、全体、構成要素、工程、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の実施例によるネブライザの斜視図である。
【図2】図2は、ネブライザと共に使用されるバッテリ駆動制御器の斜視図である。
【図3】図3は、ネブライザと共に使用される主電源駆動制御器の斜視図である。
【図4】図4は、マウスピースが取り付けられた、本発明の実施例によるネブライザの斜視図である。
【図5】図5は、図4のネブライザの破断図である。
【図6】図6は、図4及び図5のネブライザの分解図である。
【図7】図7は、ネブライザの上方部分の、上方から見た斜視図である。
【図8】図8は、ネブライザの上方部分の、下方から見た斜視図である。
【図9】図9(a)から図9(d)は、本発明の実施例によるネブライザのための振動可能な部材及び関連するコネクタの設置及びオーバーモールド成形を説明する斜視図である。
【図10】図10は、圧電素子のための駆動装置のブロック線図である。
【図11】図11は、図10の駆動及び負荷ステージの回路図である。
【図12】図12(a)から図12(d)は、モード1からモード4として表示した4つのモードにおける図10及び図11の駆動装置の動作を示す回路図である。
【図13】図13から図15はそれぞれ、取り付けられたノーズピースを含む本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図14】図13から図15はそれぞれ、取り付けられたノーズピースを含む本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図15】図13から図15はそれぞれ、取り付けられたノーズピースを含む本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図16】図16から図18はそれぞれ、取り付けられたフェースマスクアダプタを有する本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図17】図16から図18はそれぞれ、取り付けられたフェースマスクアダプタを有する本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図18】図16から図18はそれぞれ、取り付けられたフェースマスクアダプタを有する本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図19】図19から図21はそれぞれ、本発明の別の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図20】図19から図21はそれぞれ、本発明の別の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図21】図19から図21はそれぞれ、本発明の別の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は2003年7月18日出願の米国仮特許出願第60/488,718号の利益を主張するものであり、当該仮出願の全体は本明細書と一体のものとして参照される。
【0002】
本発明は、患者の呼吸系に薬剤を送達するネブライザに関する。喘息、慢性閉塞性肺疾(COPD)、及び嚢胞性線維症といったいくつかの症状では、処方された液体薬剤をエアゾールと呼ばれる微細な噴霧に変えて肺に吸入する必要がある。
【背景技術】
【0003】
こうした薬剤のエアゾールを発生するネブライザは公知である。しかし、従来の家庭用ネブライザは一般に大型でかさばり、使用に不便である。したがって、家庭での使用に更に便利な小型ネブライザに対するニーズがある。
【0004】
長い間、エアゾールを発生するためにネブライザが使用されてきた。家庭用ネブライザは大きく3種類に分類される。コンプレッサ駆動ジェット又は空気式ネブライザは、その内部においてエアゾール発生点よりも下方に薬剤が配置されるリザーバであって、この薬剤がジェットの作用によってリザーバから引き上げられ、次いでこのジェットが流体を小さな粒子に分割するリザーバを利用する。エアゾールは、エアゾールを発生させる気体の流れにより駆動されて薬剤リザーバよりも上方のチャンバに集まりそこを通過する。ネブライザからのこのエアゾールの一定流れはしばしば、患者が発生する吸気の流れ及び体積を上回り、吸入によって得られるエアゾールの量を減少させ、患者が吸入する薬物の量を減少させる。したがって、エアゾール化された薬剤を患者に送達するのに必要な気体流れの量を減少させるネブライザに対するニーズもある。
【0005】
超音波式ネブライザは、圧電セラミック素子上方の薬剤リザーバ内に定常波を発生させ、薬剤リザーバ上方に集まるエアゾールを発生させる。エアゾールは、患者が直接発生するか又は気体の2次流れ(例えばファン)によって発生する活性ガスの流れなしには収集チャンバから離れない。このため、オープンエアゾールマスクと共に使用される超音波の能力が低下する。したがって、オープンエアゾールマスクと共に使用可能なネブライザに対するニーズもある。
【0006】
ジェット式及び超音波式両方のネブライザでは、エアゾールチャンバを離れない液滴はチャンバの壁に残り続けたりザーバに戻ったりし、ネブライザに残る残余薬物の一因となる。したがって、ネブライザに残る残余薬物の量を減少させるネブライザに対するニーズもある。
【0007】
メッシュプレート下方に配置されたトランスデューサホーンに接続された薬剤リザーバを有するネブライザも知られている。ホーンが振動することによって、ホーン上方に配置されたメッシュプレートのオリフィスを通じ液体薬剤が押し出される。エアゾールはエアゾール発生器から上方に指向される。この技術の技術的制限によって、粒子サイズが比較的大きくなり、出力が低くなり、懸濁液のエアゾール化が困難になり、吸気と吸気の間にエアゾールを効率的に収集するリザーバが存在しなくなる。したがって、高出力でもって微細なエアゾールの噴霧を発生し、吸気と吸気の間にエアゾールを収集するリザーバを有するネブライザに対するニーズもある。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、患者の呼吸系に薬剤を送達するためのネブライザを含む。ネブライザは液体薬剤のためのリザーバを形成するハウジングを含むことができる。薬剤は入口を通じてリザーバに入り、エアゾール発生器に結合された出口を通じてリザーバを出るようにすることができる。発生器は薬剤をエアゾールに変換し、このエアゾールはエアゾール通路を通じて出口ポートまで移動し、そこからネブライザを出るようにすることができる。また、ネブライザは、気体(例えば空気)と同伴されたエアゾールとの混合物が出口ポートを通じてネブライザを出る前に、気体がネブライザに入りエアゾール化された薬剤と混合できるようにする気体通気入口を含むことができる。
【0009】
一実施例では、液体薬剤の重力流れがリザーバからエアゾール発生器に供給される。
【0010】
気体通気入口をエアゾール発生器のすぐ近くに配置することができる。
【0011】
別の実施例では、ハウジングは気体及び同伴されたエアゾールを出口ポートに指向させるバッフルを有する。前記バッフルは、エアゾールが出口を通じて流れるように方向付けられた傾斜表面を含むことができる。バッフルが出口ポートに向かって傾斜するようにしてもよい。
【0012】
別の実施例では、ネブライザはエアゾール液滴トラップを含むことができる。液滴トラップが出口ポートに隣接するようにしてもよい。
【0013】
別の実施例では、ネブライザはエアゾールトラップを含むことができ、バッフルからのエアゾール液滴はトラップに指向される。
【0014】
エアゾール発生器は、エアゾール発生器を物理的損傷から保護するプロテクタを有することができる。プロテクタは、エアゾール発生器の上方の上方プロテクタと、エアゾール発生器の下方の下方プロテクタとのうち一方又は両方を含むことができ、下方プロテクタはネブライザハウジングと一体であってもよい。1つかそれ以上のプロテクタはメッシュを含むことができる。
【0015】
ネブライザは、出口ポートを呼吸系に接続するための呼吸コネクタを含むことができる。呼吸コネクタはマウスピースを含むことができる。呼吸コネクタは、マウスピース、フェースマスク、及びノーズピースからなるグループから選択することができる。
【0016】
別の実施例では、ネブライザは、エアゾール発生器を内部に保持するエアゾール発生器ハウジングを含む。エアゾール発生器ハウジングをリザーバに固定することができる。
【0017】
別の実施例では、エアゾール発生器は、その第1の表面と第2の表面との間に延びる複数の開口を有する振動可能な部材を備えることができる。約70重量%又はそれ以上の液滴の寸法が約1から約6マイクロメータの範囲にあるように薬剤の液滴を放出することにより薬剤がエアゾール化されるように、振動可能な部材の開口が寸法設定されている。
【0018】
別の実施例では、ネブライザはエアゾール発生器のための駆動回路を含むことができる。駆動回路はプッシュプル共振電力回路を含むことができる。共振回路は、インピーダンス値が圧電素子のインピーダンスにほぼ等しい誘導素子を使用することができる。
【0019】
共振回路は誘導素子を含むことができる。例えば、共振回路は、プッシュプル(交互オン−オフ)構成でもって作動される一対のMOSFETを含むことができる。
【0020】
ネブライザ駆動回路は、壁コンセントに直接差し込まれて周波数範囲が50Hzから60Hzであり90Vから250Vの範囲の交流電圧の入力を受け取るのに適しており、50Khzから300Khzの周波数範囲の交流電圧出力を発生するようにすることができる。この回路は、動作周波数においてインピーダンスがネブライザ回路とほぼ同じである誘導素子を含むことができる。
【0021】
別の実施例では、ネブライザ駆動回路を、1.5から12ボルトの範囲の電圧の入力を受け取って周波数範囲が50Khzから300Khzの交流電圧出力を発生するバッテリと共に使用するのに適するようにしてもよい。この回路は、動作周波数においてインピーダンスがネブライザの回路とほぼ同じである誘導素子を含むことができる。
【0022】
本発明の別の態様は、粘性液体を噴霧する方法を含む。一実施例では、この方法は、前面と、後面と、それらの間に延びかつ後面から前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを含む振動可能な薄肉シェル部材を提供し、薄肉シェル部材を振動させ、2つの周波数値の間で周波数をスイープさせる、各段階を含む。
【0023】
別の実施例では、粘性液体を噴霧する方法は、前面と、後面と、それらの間に延びかつ後面から前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを含む振動可能な薄肉シェル部材を提供し、薄肉シェル部材を振動させ、粘性液体(例えば、脂質)に熱を供給する、各段階を含む。
【0024】
本発明の別の実施例は、エアゾール発生器に電力を供給するための電気コネクタを含むエアゾール発生器を提供し、電気コネクタ及びエアゾール発生器の導電要素は電気絶縁材料に包囲されている。
【0025】
また、本発明の実施例は、エアゾール発生器と電力入口とを含むエアゾール発生器組体を含み、この組体は、弾性ケーシングによって構造的に支持され、ケーシングは組体に電気絶縁を提供することができる。弾性ケーシングは射出成形処理によって製造することができる。
【0026】
本発明の別の実施例は、弾性構造に収容されたエアゾール発生器及び電力入口を含むエアゾール発生器組体を提供する。エアゾール発生器は、後面と、前面と、それらの間に延びる複数の開口とを有する振動式薄肉シェル部材であって、小さいほうの開口の寸法が約1から約6ミクロンの範囲にある振動式薄肉シェル部材とを含むことができる。
【0027】
別の新規な特徴の一部は以下の説明に記載され、一部は以下の明細書を検討するときに当業者に明らかになるか又は本発明を実施することによって学習される。本発明の特徴及び利点は、特に特許請求の範囲で指摘された手段、組み合わせ、方法によって実現され達成される。
【0028】
例として示される以下の説明から本発明はより明瞭に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面のうちまず図1から図8を参照すると、患者の呼吸系に薬剤を送達するための、本発明の実施例によるネブライザ1が例示される。ネブライザ1はリザーバを有するハウジングを備え、このリザーバは本実施例では液体薬剤のための薬剤カップ2の形態を取る。薬剤カップ2は、取り外し可能なカップ4に覆われた上方入口3を有する。カップ4は透明なのでユーザはカップの内容物を見ることができる。また、カップ2は、薬剤が重力によって流れ込む下方出口も有する。カップ4は、出口への薬剤の流れを促進する下方円錐部分6を有する。エアゾール発生器7がカップの出口に設置されて液体薬剤をエアゾール化する。エアゾール発生器7は、バリアメッシュ10によって上方からのユーザのアクセスに対し保護されており、メッシュ10はこの例では薬剤カップと一体的に形成されている。また、エアゾール発生器7は、薬剤カップ2とは別個に形成された下方メッシュ11によって下方から保護されている。保護メッシュ10、11は図5、図7及び図8から特に明らかである。
【0030】
エアゾール発生器7が発生したエアゾールは、ネブライザ本体19によって画定される通気エアゾール通路20に送達される。空気入口21を通じて通路20内に空気が流入する。この空気はエアゾール化された薬剤を同伴し、同伴されたエアゾール化された薬剤は通路20から出口ポート22を経てネブライザから送達される。この場合、入口21は、エアゾール発生器7よりも上方に位置する空気口によって形成される。出口ポート22は、上向きに傾斜して流れを呼吸系に指向させる延長部又はコネクタピース23を有する。この場合、出口コネクタ23にはコネクタ23に押込み嵌めされる取り外し可能なマウスピース部分24が装着される。
【0031】
ネブライザ1は、空気及び同伴されたエアゾール化された薬剤を出口22に指向させるバッフルを有する。この場合、バッフルはネブライザ本体19の床25によって形成される。バッフル25は出口ポート22に向かって下向きに傾斜していることに注意されたい。入口21をネブライザハウジングの一側に配置し、出口22をハウジング及びバッフル25の概ね他側に配置することによって、出口22への空気及び同伴されたエアゾール化された薬剤の流れが最適化される。
【0032】
ネブライザ1は、空気中に同伴されない大きな液滴を収集するエアゾール液滴トラップ30を有する。この場合、液滴トラップ30は出口ポート22とバッフル25との間にある。空気によって同伴されない液滴はバッフル25に衝突し、傾斜面を流れ落ちてトラップ30内に入る。同様に、出口22又は付随するコネクタ内で形成され得る液滴はトラップ30に流入するよう指向される。トラップ30はネブライザハウジングを開けハウジングの底部を逆さにすることによって容易に空にすることができる。
【0033】
通常、薬剤カップ2は約6cm3(約6ml)から約10cm3(約10ml)までの液体薬剤を収容するように構成される。
【0034】
エアゾール発生器7は振動可能な部材40及び圧電素子41を備える。振動可能な部材40は、米国特許第5,164,740号(第1の’740号特許)、第5,586,550号(’550号特許)、第5,758,637号(’637号特許)、及び6,085,740号(第2の’740号特許)に記載されているように、第1の表面と第2の表面との間に延びる複数のテーパ付き開口を有する。これら特許の全開示内容は本明細書と一体のものとして参照される。
【0035】
振動可能な部材40の、使用時に上向きになる第1の表面は薬剤カップ2から液体薬剤を受け取り、振動可能な部材40が振動したときに薬剤の液滴を放出することによって部材40の第2の表面にエアゾール化された薬剤が発生される。使用時、第2の表面は下向きになる。或る場合、約70重量%又はそれ以上の液滴の寸法が約1から約5マイクロメートルの範囲にあるエアゾールを生成するように、振動可能な部材40の開口の寸法を設定することができる。別の実施例では、約70(重量)%又はそれ以上の液滴の寸法は約1から約6マイクロメートルの範囲にある。
【0036】
振動可能な部材40は、非平面であり、好適にはドーム形状をなす。
【0037】
図9(a)及び図9(b)に例示するように、圧電素子41は電気接続ソケット45を有し、そこにコネクタプラグ要素46が設置される。圧電素子41及び接続ソケット45及びプラグ46は次いでオーバーモールド成形され、圧電素子41のためのハウジング48を画定する部分組体47を形成する。部分組体47は例示するようにネブライザハウジングに設置される。
【0038】
装置1は図示されるように、エアゾール発生器7の動作を制御しエアゾール発生器7に電源供給する制御器を含む。プラグ要素46は、ネブライザハウジングに固定されて制御器から制御信号を受け取る信号インタフェースポート50を画定する。インタフェースポート50においてプラグ46に結合するためのドッキング部材51又はコネクタを有する制御リード線52によって、制御器を信号インタフェースポート50に接続することができる。制御信号及び電力を制御器からリード線52を通じエアゾール発生器7に伝えてエアゾール発生器7の動作を制御しエアゾール発生器7に電力を供給するようにすることができる。
【0039】
図2に例示するように、或る場合、制御器55はバッテリにより作動されるユニットを備えることができる。
【0040】
或いは、制御器56は、主電源に直接接続するための電源プラグ57を有していてもよい。この場合、制御器は、単一のハウジング内に設置された一体的なAC−DC回路及び制御回路を有する。
【0041】
各制御器55又は56は、ハウジング60と、エアゾール発生器7の動作を選択的に制御するユーザインタフェースとを有する。ユーザインタフェースを、例えばオンオフボタン58の形態にすることができる。
【0042】
また、ハウジング60には、エアゾール発生器7の動作状態を表示する状態表示手段が設けられる。例えば、状態表示手段を、エアゾール発生器7の動作状態を表示する可視LED61の形態にすることができる。
【0043】
図10から図12を参照すると、圧電駆動装置が例示される。ステージ1として例示されるように、電力はAC/DC電源又はDC/DC電源から得ることができる。前者の場合、汎用入力(85Vacから264Vac)AD/DCアダプタによって、20VのVbusレベルが提供される。後者の場合、バッテリにより電力が提供されるようにすることができる。
【0044】
ステージ2では、プッシュプル共振回路により以下の出力が負荷に提供される。
Pout=1W
fout=128kHz
Vout=54Vms
【0045】
共振回路は、プッシュプル構成の2つのMOSFET Q1及びQ2によって駆動される圧電負荷の共振インダクタLres及び容量素子(Cp)を備える。また、図11に示すように、共振回路は、100μFのバルクコンデンサCbus及びDCブロックコンデンサCdcを備える。
【0046】
特に図12(a)から図12(d)を参照すると、スイッチング周期モードであるモード1からモード4がそれぞれ例示される。
【0047】
モード1
ACリップルは無視できると仮定されるので、Cdcは無視される。
Q1はオンになり、Q2はオフになる。
矢印の方向に正電流。
モードの式は以下の式を使用して解く。
Vbus=VLres+VCp(t)
【0048】
モード2
Q1はオフになり、Q2はオフである。
Q2の逆並列ダイオードを通じた電流フリーホイール。
モードの式。
VLres(t)+VCp(t)+VDQ2=0
【0049】
モード3
Q1はオフになり、Q2はオンになる。
矢印の方向に正電流。
モードの式。
VLres(t)+Vcp(t)=0
【0050】
モード4
Q2はオフになり、Q1はオフである。
Q1の逆並列ダイオードを通じた電流フリーホイール。
モードの式。
VCp(t)+VLres(t)−VDQ1−VCbus=0
【0051】
使用時、カップ4が開けられ、薬剤が入口ポート3を通じて薬剤カップ2に送達される。液体薬剤を入口ポート3を通じて薬剤カップ2に送達するために、通常、ネブレ又はシリンジといった供給容器が使用される。薬剤カップ2内の液体薬剤は、下方の薬剤出口において重力の作用によりエアゾール発生器7に向けて流れる。
【0052】
リザーバ2への入口ポート11を出口16においてエアゾール発生器3から離間させることによって、この構成が薬剤カップ2への液体薬剤の送達と患者の呼吸系との間の無菌バリアを形成することになる。
【0053】
制御リード線52のドッキング部材は、リザーバ2の信号インタフェースポート50に結合されて制御器55又は56をエアゾール発生器7に接続する。次いで、制御器50が起動されて電力及び制御信号がエアゾール発生器7に供給されるようにすることができ、これによって圧電素子41が振動可能な部材40が振動される。振動可能な部材40がこのように振動されることによって、部材40の上面の液体薬剤が開口を通過して下面に到り、そこで薬剤は薬剤の小さな液滴の放出によってエアゾール化される。
【0054】
エアゾール化された薬剤はエアゾール発生器7からハウジング19の通路20に流入する。エアゾール化された薬剤は、入口21を通じて通路20に流入する空気のような気体により同伴される。エアゾール化された薬剤と気体との同伴混合物は出口22を通じて流出し、患者の呼吸系に流入する。
【0055】
この場合、唇がマウスピース24の周囲に密着されつつ、マウスピース24がユーザの歯の間に把持される。ユーザは息をゆっくりと出し入れする。呼気サイクルでは、呼気はマウスピースに沿って通路20に逆流する。排気が気体入口21を通過するようにしてもよい。エアゾールの形成が停止し薬剤カップ2内の全ての薬剤が患者の呼吸系に送達されたことが示されるまで、このようにして呼吸が続けられる。オンオフボタン58が押下されることによりネブライザの電源が切られる。
【0056】
様々なコネクタ及びハウジングのための適切な材料はABSである。様々なコネクタ及びハウジングのための代替材料はポリスルフォン又はポリカーボネートである。装置のこれらの構成要素をポリスルフォン又はポリカーボネートから製造することによって、同一装置を何回も使用するためにこれらの構成要素を加圧滅菌することが可能になる。
【0057】
次に図13から図15を参照すると、上述のネブライザが、ノーズピース70が取り付けられて例示される。ノーズピース70は、ユーザの鼻を通じて薬剤を送達するのに使用される。
【0058】
次に図16から図18を参照すると、上述のネブライザが、この場合にはフェースマスク76に接続するためのエルボコネクタ75を有して例示される。
【0059】
図19から図20を参照すると、上述のネブライザといくつかの点で同様でかつ同一の参照符号が割り当てられている別のネブライザ80が例示される。この場合、入口ポート81を通じて接続された酸素供給源によって空気が補われる。ホルダ82が取り外し可能にネブライザハウジングに設置される。このホルダは、吐き出された全てのエアゾールを収集する外部フィルタを受け入れる。更に、ホルダは、入口ポートを通じて流入する気体ジェットに対する拡散器の役目を果たし、ネブライザハウジング内の乱流及びエアゾールの衝突損失を減少させる。
【0060】
本発明は、比較的小型、軽量で、使用が容易なネブライザを提供する。制御器も小型かつ軽量である。エアゾールは容易に発生されると共に効率よく気体流れに同伴されるので、医療従事者による監視なしに患者が容易かつ効率的に使用できる。機能に影響を有意に与えることなく、ネブライザを鉛直から有意に(45°まで)傾斜させてもよい。したがって、ネブライザは、着座又は少なくとも部分的に横臥している患者でも容易に使用できる。エアゾール発生器の重力依存方向及びチャンバが提供するネブライザの内容積によって、咳反射が抑制されるようにエアゾールの吸入質量が増大される。従属的な位置にフィルタを包含することにより、エアゾールが2次的にさらされる危険が減少する。
【0061】
本願出願人によれば、開口プレートの送達範囲にわたり圧電素子の駆動周波数をスイープさせることによって非ニュートン流体の送達を支援できることが確認されている。開口プレートが駆動周波数に応じてその振動モードを変化させると考えられる。この運動の変化が、流体を微細にすることが可能な追加の応力を流体に印加する。マイクロ制御器のPWM(パルス幅変調)出力の1つを使用しこの信号をハーフブリッジ又はMOSFETドライバの入力に転送することによって、周波数スイープを達成することができる。
【0062】
この方法では、周波数は、システムクロックの分解能だけ変化する(本願出願人の場合、これはTosc/4−20Mhzクリスタル/14=5Mhzであり、T=1/Fosc=0.2μ秒である。したがって、約130Khzでは、周波数は各ステップにおいて約3kHzだけ変化し得る)。送達範囲は約120から135kHzである。スイープの変化率及び範囲はマイクロ制御器内のソフトウェアを使用して制御することができる。
【0063】
本発明は上述の実施例に制限されず、構造及び細部を変更してもよい。
【0064】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「備える」及び「含む」という語句は、、記載された特徴、全体、構成要素、又は工程の存在を示すことを意図しているが、1つかそれ以上のその他の特徴、全体、構成要素、工程、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の実施例によるネブライザの斜視図である。
【図2】図2は、ネブライザと共に使用されるバッテリ駆動制御器の斜視図である。
【図3】図3は、ネブライザと共に使用される主電源駆動制御器の斜視図である。
【図4】図4は、マウスピースが取り付けられた、本発明の実施例によるネブライザの斜視図である。
【図5】図5は、図4のネブライザの破断図である。
【図6】図6は、図4及び図5のネブライザの分解図である。
【図7】図7は、ネブライザの上方部分の、上方から見た斜視図である。
【図8】図8は、ネブライザの上方部分の、下方から見た斜視図である。
【図9】図9(a)から図9(d)は、本発明の実施例によるネブライザのための振動可能な部材及び関連するコネクタの設置及びオーバーモールド成形を説明する斜視図である。
【図10】図10は、圧電素子のための駆動装置のブロック線図である。
【図11】図11は、図10の駆動及び負荷ステージの回路図である。
【図12】図12(a)から図12(d)は、モード1からモード4として表示した4つのモードにおける図10及び図11の駆動装置の動作を示す回路図である。
【図13】図13から図15はそれぞれ、取り付けられたノーズピースを含む本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図14】図13から図15はそれぞれ、取り付けられたノーズピースを含む本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図15】図13から図15はそれぞれ、取り付けられたノーズピースを含む本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図16】図16から図18はそれぞれ、取り付けられたフェースマスクアダプタを有する本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図17】図16から図18はそれぞれ、取り付けられたフェースマスクアダプタを有する本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図18】図16から図18はそれぞれ、取り付けられたフェースマスクアダプタを有する本発明の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図19】図19から図21はそれぞれ、本発明の別の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図20】図19から図21はそれぞれ、本発明の別の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【図21】図19から図21はそれぞれ、本発明の別の実施例によるネブライザの、図4から図6と同様の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を送達するネブライザであって、
前記薬剤のためのリザーバを有するハウジングと、
前記リザーバから前記薬剤の供給を受けることができ、前記薬剤の少なくとも一部をエアゾール化するエアゾール発生器と、
気体がネブライザに流入して前記エアゾールとの混合物を形成できるようにする気体通気入口と、
通路であって、該通路を通じて、前記エアゾールと前記気体との前記混合物が前記ネブライザの出口ポートに送達される通路と、
を備えるネブライザ。
【請求項2】
前記薬剤が、重力流れによって前記リザーバから前記エアゾール発生器に供給される、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項3】
前記気体通気入口が前記エアゾール発生器のすぐ近くに配置される、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項4】
前記ハウジングが、前記気体と前記エアゾールとの前記混合物を前記出口ポートに指向させるバッフルを有する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項5】
前記バッフルが、エアゾールが前記出口ポートを通じて流れるように方向付けられた傾斜表面を備える、請求項4に記載のネブライザ。
【請求項6】
前記バッフルが前記出口ポートに向かって傾斜する、請求項4に記載のネブライザ。
【請求項7】
前記ネブライザがエアゾール液滴トラップを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項8】
前記液滴トラップが前記出口ポートに隣接する、請求項7に記載のネブライザ。
【請求項9】
前記エアゾール発生器が、前記エアゾール発生器を物理的損傷から保護するプロテクタを有する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項10】
前記プロテクタが前記エアゾール発生器の上方の上方プロテクタを備える、請求項9に記載のネブライザ。
【請求項11】
前記プロテクタが前記エアゾール発生器の下方の下方プロテクタを備える、請求項9に記載のネブライザ。
【請求項12】
前記上方プロテクタがメッシュを備える、請求項10に記載のネブライザ。
【請求項13】
前記下方プロテクタがメッシュを備える、請求項11に記載のネブライザ。
【請求項14】
前記下方プロテクタが前記ネブライザハウジングと一体である、請求項11に記載のネブライザ。
【請求項15】
前記ネブライザが、前記出口ポートを呼吸系に接続する呼吸コネクタを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項16】
前記呼吸コネクタがマウスピースを備える、請求項15に記載のネブライザ。
【請求項17】
前記呼吸コネクタが、マウスピース、フェースマスク、及びノーズピースからなるグループから選択される、請求項15に記載のネブライザ。
【請求項18】
前記ネブライザが、前記エアゾール発生器を保持するエアゾール発生器ハウジングを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項19】
前記エアゾール発生器ハウジングが前記リザーバに固定される、請求項18に記載のネブライザ。
【請求項20】
前記エアゾール発生器が、その第1の表面と第2の表面との間に延びる複数の開口を有する振動可能な部材を備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項21】
約70重量%又はそれ以上の液滴の寸法が約1から約6マイクロメートルの範囲にあるように前記薬剤の液滴を放出することにより前記薬剤がエアゾール化されるように、前記振動可能な部材の前記開口が寸法設定されている、請求項20に記載のネブライザ。
【請求項22】
前記エアゾール発生器のための駆動回路を備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項23】
前記駆動回路がプッシュプル共振電力回路を備える、請求項22に記載のネブライザ。
【請求項24】
前記振動可能な部材が圧電素子を備え、前記プッシュプル共振電力回路が、インピーダンス値が前記圧電素子のインピーダンスにほぼ等しい誘導素子を備える、請求項23に記載のネブライザ。
【請求項25】
前記プッシュプル共振電力回路が誘導素子を備える、請求項23に記載のネブライザ。
【請求項26】
前記プッシュプル共振電力回路が、オンオフ構成でもって作動される一対のMOSFETスイッチを備える、請求項23に記載のネブライザ。
【請求項27】
前記エアゾール発生器に電力を供給するための電気コネクタを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項28】
前記エアゾール発生器に結合された電力入口を含むエアゾール発生器組体を備え、前記組体の少なくとも一部が電気的に絶縁された弾性ケーシングに収容される、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項29】
前記弾性ケーシングが射出成形処理によって製造される、請求項28に記載のネブライザ。
【請求項30】
前記ネブライザが駆動回路を備え、該駆動回路は、前記エアゾール発生器に結合され、壁コンセントに直接差し込まれて周波数が約50Hzから約60Hzであり約90Vから約250Vの範囲の交流電圧の入力を受け取るのに適しており、約50Khzから約300kHzの動作周波数範囲の交流電圧出力を発生する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項31】
前記駆動回路が、前記動作周波数においてインピーダンスが前記ネブライザの回路とほぼ同じである誘導素子を含む、請求項30に記載のネブライザ。
【請求項32】
前記ネブライザが駆動回路を備え、該駆動回路は、前記エアゾール発生器に結合され、バッテリと共に使用するのに適しており、1.5から12ボルトの範囲の電圧の入力を受け取り、50kHzから300kHzの動作周波数範囲の交流電圧出力を発生する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項33】
前記駆動回路が、前記動作周波数においてインピーダンスが前記ネブライザの回路とほぼ同じである誘導素子を備える、請求項32に記載のネブライザ。
【請求項34】
前記ネブライザに入る前記気体が空気を含んでなる、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項35】
液体を噴霧する方法であって、
前面と、後面と、それらの間に延びかつ前記後面から前記前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを備える振動可能な薄肉シェル部材を提供し、
前記薄肉シェル部材を振動させ、
振動する前記薄肉シェル部材の振動周波数を第1の周波数と第2の周波数との間で変化させる、
各段階を備える方法。
【請求項36】
前記振動する薄肉シェル部材の振動周波数を変化させる前記段階が、前記振動する薄肉シェル部材の振動周波数を制御する駆動回路の駆動周波数を変化させる段階を含み、前記駆動周波数が複数の増分ステップでもって第1の駆動周波数から第2の駆動周波数に移行する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記液体が脂質である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
液体を噴霧する方法であって、
前面と、後面と、それらの間に延びかつ前記後面から前記前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを備える振動可能な薄肉シェル部材を提供し、
前記薄肉シェル部材を振動させ、
前記液体に熱を供給する、
各段階を備える方法。
【請求項39】
前記液体が脂質である、請求項38に記載の方法。
【請求項1】
薬剤を送達するネブライザであって、
前記薬剤のためのリザーバを有するハウジングと、
前記リザーバから前記薬剤の供給を受けることができ、前記薬剤の少なくとも一部をエアゾール化するエアゾール発生器と、
気体がネブライザに流入して前記エアゾールとの混合物を形成できるようにする気体通気入口と、
通路であって、該通路を通じて、前記エアゾールと前記気体との前記混合物が前記ネブライザの出口ポートに送達される通路と、
を備えるネブライザ。
【請求項2】
前記薬剤が、重力流れによって前記リザーバから前記エアゾール発生器に供給される、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項3】
前記気体通気入口が前記エアゾール発生器のすぐ近くに配置される、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項4】
前記ハウジングが、前記気体と前記エアゾールとの前記混合物を前記出口ポートに指向させるバッフルを有する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項5】
前記バッフルが、エアゾールが前記出口ポートを通じて流れるように方向付けられた傾斜表面を備える、請求項4に記載のネブライザ。
【請求項6】
前記バッフルが前記出口ポートに向かって傾斜する、請求項4に記載のネブライザ。
【請求項7】
前記ネブライザがエアゾール液滴トラップを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項8】
前記液滴トラップが前記出口ポートに隣接する、請求項7に記載のネブライザ。
【請求項9】
前記エアゾール発生器が、前記エアゾール発生器を物理的損傷から保護するプロテクタを有する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項10】
前記プロテクタが前記エアゾール発生器の上方の上方プロテクタを備える、請求項9に記載のネブライザ。
【請求項11】
前記プロテクタが前記エアゾール発生器の下方の下方プロテクタを備える、請求項9に記載のネブライザ。
【請求項12】
前記上方プロテクタがメッシュを備える、請求項10に記載のネブライザ。
【請求項13】
前記下方プロテクタがメッシュを備える、請求項11に記載のネブライザ。
【請求項14】
前記下方プロテクタが前記ネブライザハウジングと一体である、請求項11に記載のネブライザ。
【請求項15】
前記ネブライザが、前記出口ポートを呼吸系に接続する呼吸コネクタを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項16】
前記呼吸コネクタがマウスピースを備える、請求項15に記載のネブライザ。
【請求項17】
前記呼吸コネクタが、マウスピース、フェースマスク、及びノーズピースからなるグループから選択される、請求項15に記載のネブライザ。
【請求項18】
前記ネブライザが、前記エアゾール発生器を保持するエアゾール発生器ハウジングを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項19】
前記エアゾール発生器ハウジングが前記リザーバに固定される、請求項18に記載のネブライザ。
【請求項20】
前記エアゾール発生器が、その第1の表面と第2の表面との間に延びる複数の開口を有する振動可能な部材を備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項21】
約70重量%又はそれ以上の液滴の寸法が約1から約6マイクロメートルの範囲にあるように前記薬剤の液滴を放出することにより前記薬剤がエアゾール化されるように、前記振動可能な部材の前記開口が寸法設定されている、請求項20に記載のネブライザ。
【請求項22】
前記エアゾール発生器のための駆動回路を備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項23】
前記駆動回路がプッシュプル共振電力回路を備える、請求項22に記載のネブライザ。
【請求項24】
前記振動可能な部材が圧電素子を備え、前記プッシュプル共振電力回路が、インピーダンス値が前記圧電素子のインピーダンスにほぼ等しい誘導素子を備える、請求項23に記載のネブライザ。
【請求項25】
前記プッシュプル共振電力回路が誘導素子を備える、請求項23に記載のネブライザ。
【請求項26】
前記プッシュプル共振電力回路が、オンオフ構成でもって作動される一対のMOSFETスイッチを備える、請求項23に記載のネブライザ。
【請求項27】
前記エアゾール発生器に電力を供給するための電気コネクタを備える、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項28】
前記エアゾール発生器に結合された電力入口を含むエアゾール発生器組体を備え、前記組体の少なくとも一部が電気的に絶縁された弾性ケーシングに収容される、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項29】
前記弾性ケーシングが射出成形処理によって製造される、請求項28に記載のネブライザ。
【請求項30】
前記ネブライザが駆動回路を備え、該駆動回路は、前記エアゾール発生器に結合され、壁コンセントに直接差し込まれて周波数が約50Hzから約60Hzであり約90Vから約250Vの範囲の交流電圧の入力を受け取るのに適しており、約50Khzから約300kHzの動作周波数範囲の交流電圧出力を発生する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項31】
前記駆動回路が、前記動作周波数においてインピーダンスが前記ネブライザの回路とほぼ同じである誘導素子を含む、請求項30に記載のネブライザ。
【請求項32】
前記ネブライザが駆動回路を備え、該駆動回路は、前記エアゾール発生器に結合され、バッテリと共に使用するのに適しており、1.5から12ボルトの範囲の電圧の入力を受け取り、50kHzから300kHzの動作周波数範囲の交流電圧出力を発生する、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項33】
前記駆動回路が、前記動作周波数においてインピーダンスが前記ネブライザの回路とほぼ同じである誘導素子を備える、請求項32に記載のネブライザ。
【請求項34】
前記ネブライザに入る前記気体が空気を含んでなる、請求項1に記載のネブライザ。
【請求項35】
液体を噴霧する方法であって、
前面と、後面と、それらの間に延びかつ前記後面から前記前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを備える振動可能な薄肉シェル部材を提供し、
前記薄肉シェル部材を振動させ、
振動する前記薄肉シェル部材の振動周波数を第1の周波数と第2の周波数との間で変化させる、
各段階を備える方法。
【請求項36】
前記振動する薄肉シェル部材の振動周波数を変化させる前記段階が、前記振動する薄肉シェル部材の振動周波数を制御する駆動回路の駆動周波数を変化させる段階を含み、前記駆動周波数が複数の増分ステップでもって第1の駆動周波数から第2の駆動周波数に移行する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記液体が脂質である、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
液体を噴霧する方法であって、
前面と、後面と、それらの間に延びかつ前記後面から前記前面に向けて細くなる複数のテーパ付き開口とを備える振動可能な薄肉シェル部材を提供し、
前記薄肉シェル部材を振動させ、
前記液体に熱を供給する、
各段階を備える方法。
【請求項39】
前記液体が脂質である、請求項38に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図9(d)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2006−528025(P2006−528025A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521094(P2006−521094)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/021628
【国際公開番号】WO2005/009323
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506020414)エアロゲン,インコーポレイティド (2)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/021628
【国際公開番号】WO2005/009323
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506020414)エアロゲン,インコーポレイティド (2)
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