説明

エアーフィルタ付き差込み式鼻栓

【課題】 この考案は、着用者の鼻孔内に装着して汚染空気を濾過し、清浄な空気を摂取することができるようにしたエアーフィルタ付き差込み式鼻栓を提供する。
【解決手段】 エアーフィルタ付き差込み式鼻栓であって、前記鼻栓は、柔軟な材質によって形成された左右1対の栓部11,11を有し、各々の栓部11,11は縮小端部114,114および拡大端部113,113を備え、かつ前記各々の拡大端部114,114において互いに連結部12により接続された差込み式栓ユニット10に形成されていると共に、前記各々の拡大端部113,113に形成された空気入口111,111と、前記各々の縮小端部114,114に形成された空気出口112,112とを有し、前記各々の空気入口112には、エアーフィルタ20を装着した。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は鼻栓に関するものであり、公害などで汚染された空気を吸い込む前にフィルタにかけて清浄な空気を摂取することができるようにするために鼻に差し込んで使用するエアーフィルタ付き差込式鼻栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気汚染は世界中の都市部において全世界的な問題となっている。工業都市における公害や、オートバイや自動車などから排出される排気ガスが、特に大都市では深刻な空気汚染の問題の一因となっている。これら汚染された空気から身を護るために、呼吸マスクが広く用いられてきた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、マスクをきっちりと固定して着用すると、気温の高い季節には、着用者は汗をかいてしまう上に,自然に話をしたり食事を簡単に摂る、ということができなくなる。
また、実際にマスクを使用した場合、着用者が女性であれば、化粧をしても特に口紅がおちたりして、マスクをはずしたときには、折角の化粧が台無しになってしまう惧れがある。その上、マスクは着用者の顔全体をぴったりと覆うことはできないので、汚れた空気がマスクの周囲から流れ込み結果的に汚染された空気を吸うことになる。
【0004】
この考案は、前述した問題点を解決し、着用者の鼻孔および鼻橋部にぴったりとフィットして快適に接触し、拡大端部が連結部で一体的に接続された左右1対の円錐形栓部を備えたエアーフィルタ付き差込み式鼻栓を提供することを目的としている。
さらに、この考案は、着用者が飲食していたり話をしている時でさえも、不快な感じを起こさせずに着用者の鼻孔に保持され得るようにした、エアーフィルタ付き差込み式鼻栓を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案に係るエアーフィルタ付き差込み式鼻栓は、前記鼻栓が、柔軟な材質によって形成された左右1対の栓部を有し、各々の栓部は一端に縮小端部および他端に拡大端部を備え、かつ前記各々の拡大端部が連結部により互いに接続された差込み式栓ユニットに形成されていると共に、前記各々の拡大端部と縮小端部にはそれぞれ互いに連通する空気入口および空気出口が形成されており、かつ前記各々の空気入口には、エアーフィルタを装着したことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2の考案は、前記請求項1に記載したエアーフィルタ付き差込み式鼻栓において、前記栓部は中空で円錐形をしており、前記空気入口は前記栓部の軸方向に対して傾いた面に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の考案は、前記請求項1または2に記載したエアーフィルタ付き差込み式鼻栓において、前記栓部の空気入口は、着用者の鼻孔の先端の形状に合致した弓形状の窪み外形を有するように形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の考案は、前記請求項1〜3のいずれかに記載したエアーフィルタ付き差込み式鼻栓において、前記栓部に装着されるエアーフィルタは、活性炭からなる濾過材が使用されると共に、前記空気入口に一致する形状に形成されたことを特徴とするものである。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、この考案の一実施形態につき、図を参照して説明する。
この考案のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓は、図1に示すように、左右1対の栓部11,11を有し、これら栓部11,11の各拡大端部113,113は互いに連結部12で一体に結合された状態で差込み栓ユニット10を形成している。
【0010】
栓部11,11は柔軟性を有する合成樹脂などで実質的に中空の円錐形に作られていて、前記各拡大端部113,113から連続する縮小端部114,114が形成されている。そして、前記各々の拡大端部113,113及び縮小端部114,114には、それぞれ空気入口111,111および空気出口112,112を備えている。
【0011】
さらに、前記それぞれの空気入口111,111には、活性炭材料からなる濾過材で作られた、空気入口111,111の形状に合致した形状のエアーフィルタ20が装着されている(図2参照)。
【0012】
なお、前記空気入口111,111である拡大端部113,113に装着されるエアーフィルタ20は、着脱可能に装着できるようにしても良いことは勿論である。
【0013】
以上のように構成されたこの考案の実施形態に係るエアーフィルタ付き差込み式鼻栓は、実際に使用する場合には、図4に示すように、まず、栓部11,11の縮小端部114、114が完全にフィットして保持され得るまで、差込み栓ユニット10を装着者の鼻孔30の中に詰め込み、各拡大端部113,113間を結合する連結部12が着用者の鼻橋に接するようにして装着が完了する。
【0014】
前記栓部11,11の縮小端部114,114に形成される空気出口112,112は軸方向の面に対して傾むかせて形成してあるため、長時間使用したときに、栓部11,11が不快な状態で鼻孔30内の軟骨に対して当接することのないようにすることができる。
【0015】
また、前記栓部11,11を着用者の鼻孔30にスムーズにぴったりと係合させ、且つ、見た目にもよくするために、各々の栓部11,11には、鼻孔30の先端の孔形状に合致させて弓形になる外形部115がその拡大端部113に形成されている。
【0016】
従って着用者が呼吸をすると、空気は、活性炭製のそれぞれ左,右2個のエアーフィルタ20によって濾過され、更に空気入口111,111を通って、着用者の肺へと吸い込まれ、着用者の汚染空気吸入を阻止する。
【0017】
そして、室内などで前記栓ユニット10を鼻孔30から取り外すには、栓部11,11の左右拡大端部113間を結合する連結部12を摘んで引っ張るだけで着用者の鼻孔30内より取り外すことが可能となる。
【0018】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓によれば、前記鼻栓は、左右1対の栓部を有し、該栓部はそれぞれ一端に縮小端部および他端に拡大端部を備え、かつ前記各々の拡大端部において互いに接続部により連結された差込み式栓ユニットに形成されていると共に、前記各々の拡大端部と縮小端部にはそれぞれ連通する空気入口および空気出口が形成されており、前記各々の空気入口にはエアーフィルタが装着されており、かつ前記栓ユニットは柔軟な材質によって形成された構成としたので、従来の顔面の下半分を覆うような呼吸マスクと異なり、気温の高い季節でも、着用者が汗をかいてしまうことがなく、自然に話をしたり食事を簡単に摂る、ということができる。
【0019】
また、前記栓ユニットは柔軟な材質によって形成されているので、着用者の鼻孔に挿入した場合にもとぴったりとフィットして快適に接触し、不快な感じを起こさせずに保持させて、汚染空気吸入を阻止するために使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施形態を示すエアーフィルタ付き差込み式鼻栓の構成部品の分解斜視図。
【図2】図1のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓の組立完了の斜視図。
【図3】図1のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓の正面図.
【図4】この考案のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓の使用状態を示す概略図。
【符号の説明】
10 差込み栓ユニット
11 栓部
12 連結部
111 空気入口
112 空気出口
113 拡大端部
114 縮小端部
20 エアーフィルタ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 エアーフィルタ付き差込み式鼻栓であって、前記鼻栓は、柔軟な材質によって形成された左右1対の栓部を有し、各々の栓部は一端に縮小端部および他端に拡大端部を備え、かつ前記各々の拡大端部が連結部により互いに接続された差込み式栓ユニットに形成されていると共に、前記各々の拡大端部と縮小端部にはそれぞれ互いに連通する空気入口および空気出口が形成されており、かつ前記各々の空気入口には、エアーフィルタを装着したことを特徴とするエアーフィルタ付き差込み式鼻栓。
【請求項2】 前記栓部は中空で円錐形をしており、前記空気入口は前記栓部の軸方向に対して傾いた面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載したエアーフィルタ付き差込み式鼻栓。
【請求項3】 前記栓部の空気入口は、着用者の鼻孔の先端の形状に合致した弓形状の窪み外形を有するように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓。
【請求項4】 前記栓部に装着されるエアーフィルタは、活性炭からなる濾過材が使用されると共に、前記空気入口に一致する形状に形成されたものであることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のエアーフィルタ付き差込み式鼻栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3059792号
【登録日】平成11年(1999)3月31日
【発行日】平成11年(1999)7月13日
【考案の名称】エアーフィルタ付き差込み式鼻栓
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−9873
【出願日】平成10年(1998)12月11日
【出願人】(598032542)