説明

エクササイズミラー装置

【課題】 家庭の浴室でミラー部の前に立ってミラー部に自分の姿を映しながら複数のエクササイズメニューの中から好みのものを選択して簡単にエクササイズができる。
【解決手段】 浴室8に設けられるミラー部1の両側にモール部2を設け且つ該モール部2に複数の発光部3を設けて構成される本体部4と、複数の発光部3による発光形態が異なる複数種類のエクササイズメニューを登録した登録部5と、登録部5に登録した複数のエクササイズメニューからいずれかを選択して選択されたエクササイズメニューに基づいて複数の発光部3を発光させるための選択手段6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エクササイズを簡易に行うことができるエクササイズミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ダンスゲーム装置として特許文献1に示されるものが知られている。この特許文献1に示されダンスゲーム装置は、スピーカから音楽を出力すると共に、モニタの表示面に左右の手の差出し動作をガイドするようにした音声画像出力部と、使用者の手の差出し動作を検知する検知部を備えたものである。
【0003】
この特許文献1に示されたものはダンスゲーム専用装置であって、ジムなどに設置され。使用者はジムに足を運んで、上記ダンスゲームを楽しむようになっている。そして、このダンスゲームはスピーカから出力される音楽に基づいてモニタの表示面に左右の手の差出し動作をガイドし、これに基づいて左右の手を差し出す運動を行うことで、エクササイズを行うことができる。
【0004】
ところが、上記の特許文献1に示されたものはジムなどに設置されるダンスゲーム専用装置であるため、大型で、高価であり、しかも、エクササイズを行うには上記ダンスゲーム専用装置を設置した専用のジムに行って行う必要があり、手軽にエクササイズを楽しむことができないという問題があった。
【0005】
また、上記従来例においては、ダンスゲーム機の前でダンス(エクササイズ)をして楽しむのであるが、使用者はエクササイズをしている最中の自分の姿を目で確認することができず、エクサイズをしている際に、リズムに対応した動作、姿勢等を目で確認してチェックしながら行うことができず、効果的なエクササイズができないと共に、十分な満足感が得られなかった。
【0006】
更に、ジムなどでエクササイズを行うと、ダンスゲーム機の前でダンス(エクササイズ)をした後、シャワーで汗を流したい場合、別室のシャワールームに行って汗を流す必要があり、面倒であった。
【特許文献1】特開2000−325664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、家庭の浴室でミラー部の前に立ってミラー部に自分の姿を映しながら複数のエクササイズメニューの中から好みのものを選択して簡単にエクササイズができるエクササイズミラー装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るエクササイズミラー装置は、浴室8に設けられるミラー部1の両側にモール部2を備え且つ該モール部2に複数の発光部3を備えて構成される本体部4と、複数の発光部3による発光形態が異なる複数種類のエクササイズメニューを登録した登録部5と、該登録部5に登録した複数のエクササイズメニューからいずれかを選択して選択されたエクササイズメニューに基づいて複数の発光部3を発光させるための選択手段6とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成とすることで、選択手段6で複数のエクササイズメニューの中から任意のエクササイズメニューを選択することで、選択されたエクササイズメニューに対応した予め決められた形態で複数の発光部3が発光するので、この発光を見ながら、浴室8内に備えられたミラー部1の前に立って、発光に対応して身体を動かすエクササイズを浴室8内で行うことができ、家庭の浴室8内で簡単にエクササイズができる。また、この場合、ミラー部1でエクササイズを行っている自分の姿を目で確認しながら、エクササイズを行うことができる。そして、エクササイズが終わるとその場で、浴室8に備え付けてあるシャワー装置23を利用してシャワーを浴びて汗を流すことができる。
【0010】
また、エクササイズを実施する使用者9の指にはめられる被検知部材11と、エクササイズを実施する使用者の拳が発光部3に対して所定の距離近づくと上記被検知部材11を検知するセンサ部10と、エクササイズを実施する使用者9の手首に着脱自在に取付けられる負荷部材12とを備えることが好ましい。
【0011】
このような構成とすることで、発光部3に向けて掌を突き出すと、センサ部10が被検知部材11を検知して使用者が拳を突き出すエクササイズの状態を検知できる。また、手首に負荷部材12を取付けて上記拳を突き出すエクササイズを行うことで、負荷をかけた状態でのエクササイズが簡単にできる。
【0012】
また、本体部4にスピーカ13を内蔵していることが好ましい。
【0013】
このような構成とすることで、複数の発光部3による発光形態の異なる複数のエクササイズメニューに対応した楽曲音、リズム音、掛け声等をスピーカ13から出力することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記のように構成したので、浴室に設けられるミラー部の前に立って任意のエクササイズメニューに基づいて発光部を発光させてエクササイズができ、浴室で簡単にエクササイズができる。しかも、浴室に備わるミラー部でエクササイズしている姿を目で確認しながらエクササイズができるので、エクササイズ中にリズムに対応した動作、姿勢等を目で確認してチェックしながら行うことができ、効果的なエクササイズができると共に、十分な満足感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0016】
本発明のエクササイズミラー装置7は、主体を構成する本体部4と、使用者の指や手首に着脱自在に取付ける着脱装着部材14と、制御部15とを備えている。
【0017】
本体部4は、図3に示すようなもので、ミラー部1の両側にモール部2を設け且つ該モール部2にLEDや電球のような複数の発光部3を設けることで構成してあり、この本体部4は図1、図2に示すように浴室ユニットのような浴室8内に配置され浴室8の壁16に取付けられる。該本体部4はカラン装置17を備えたカウンター18の上方位置に配置し、カラン装置17の前に座った入浴者がミラー部1を見ながら、洗顔やシャンプーや髭剃り等を行うことができるようになっている。
【0018】
また、浴室8の壁16の本体部4を取付けた部分に隣接してシャワー装置23が設けてある。また、図中24は浴槽である。
【0019】
ミラー部1は上下方向に長いものであって、上記のようにカラン装置17の前に座った入浴者が顔を映すことができ、且つ、ミラー部1の前に立った場合に、少なくとも略上半身を映すことができるような長さとなっている。
【0020】
ミラー部1の両側には上下方向の全長にわたってモール部2が設けてあり、該左右両側のモール部2にはそれぞれ上下方向に複数の発光部3が設けてある。発光部3にはセンサ部10が設けてある。実施形態では各発光部3に検知センサ部10が内蔵してある。なお、検知センサ部10は各発光部3の近傍に設けてもよい。
【0021】
また、モール部2の一部(実施形態では左右のモール部2の一方の下部)に操作パネル部19が設けてある。
【0022】
更に、モール部2にはスピーカ13が設けてある。添付図面に示す実施形態では左右両側のモール部2にそれぞれスピーカ13が設けてある。
【0023】
制御部15は本体部4に設けてもよいが、本体部4を浴室8内に配置するため、防水を考慮すると、制御部15を浴室8外に配設するのが好ましい。図1、図2の実施形態では浴室8の天井パネル20の上面に配設してある。
【0024】
制御部15には、左右のモール部2にそれぞれ設けた複数の発光部3による発光形態が異なる複数種類のエクササイズメニューを登録した登録部5が設けてある。
【0025】
操作パネル部19には、上記登録部5に登録した複数のエクササイズメニューからいずれかを選択して選択されたエクササイズメニューに基づいて複数の発光部3を発光させるための選択手段6を構成する選択操作釦と、個人記録選択手段21を構成する個人記録選択釦と、液晶表示のような表示部22とが設けてある。
【0026】
ここで、複数の発光部3による発光形態が異なる複数種類のエクササイズメニューとは、例えば、複数の発光部3を点滅発光させ、該点滅発光の速さが異なったり、あるいは、複数の発光部3の発光色を変化させるようにして発光色の変化の順番が異なったり、あるいは、発光色の変化の速さが異なったり、あるいは、点滅発光する際に発光色を変化させるようにしてこの場合における点滅発光の速さが異なったり、あるいは、複数の発光部3の点滅の順番が異なったり、あるいは、上記の複数の組み合わせ状態が異なったりするように制御されるものである。これらの登録部5にあらかじめ登録された複数のエクササイズメニューは、上記操作パネル部19に設けた選択手段6を操作することで、任意のエクサイズメニューに設定でき、このように、任意のエクサイズメニューを選択して設定することで、選択した該当するエクサイズメニューに対応したあらかじめ決められた発光形態で複数の発光部3が発光する。
【0027】
この場合、複数のエクササイズメニューのそれぞれに対応した楽曲音、リズム音、掛け声等の音声が設定してあり、選択手段6で複数のエクササイズメニューの中から任意のエクササイズメニューを選択し、設定した任意のエクササイズメニューに対応して複数の発光部3を発光させると、同時にスピーカ13から設定した任意のエクササイズメニューに対応した楽曲音、リズム音、掛け声等の音声が出力されるようになっている。
【0028】
したがって、浴室8内においてミラー部1の前に立って、複数の発光部3の発光状態の変化を見ると共にそれに対応した音声を聞きながら、発光、音声に対応して身体を動かす多様なエクササイズを浴室8内で行うことができる。この場合、発光部3がミラー部1の両側のモール部2に設けてあるので、ミラー部1でエクササイズを行っている自分の姿を目で確認しながら、ミラー部1の両側に配置した発光部3の発光の変化及び音声の変化に応じて身体を動かしてエクササイズを行うことができる。
【0029】
個人記録選択手段21は、例えば、個人記録選択手段21を1回押すと、第1番目の個人を特定し、この状態で、エクササイズを行うと、第1番目で特定された後述のような個人データが登録部5に登録されるようになっている。また、個人記録選択手段21を2回押すと、第2番目の個人を特定し、この状態で、エクササイズを行うと、第2番目で特定された後述のような個人データが登録部5に登録されるようになっている。同様にして複数番目の個人を特定し、該特定された後述のような個人データが登録部5に登録されるようになっている。このようにしてあらかじめ決められた複数人(例えば5人)の個人データを登録できるようになっている。そしてあらかじめ決められた回数(例えば6回)個人記録選択手段21を押すと、再び、初期状態に戻る。
【0030】
使用者9の指や手首に着脱自在に取付ける着脱装着部材14は図4に示すようなもので、エクササイズを実施する使用者の指にはめられる被検知部材11と、エクササイズを実施する使用者9の手首に着脱自在に取付けられる負荷部材12とがあり、被検知部材11と負荷部材12とはケーブルにより繋いである。
【0031】
被検知部材11は例えばリング状をしていて使用者9の指に嵌めることができるようになっており、使用者が両手の指にそれぞれ被検知部材11を取付けた状態で、エクササイズを実施する使用者9の拳を交互に前方に突き出し、拳がセンサ部10に対し所定の距離近づくと、指に装着した被検知部材11を発光部3に内蔵又は発光部3の近傍に設けたセンサ部10が検知して、この検知回数を制御部15でカウントするようになっている。
【0032】
使用者9の拳を所定の距離に近づけた際に被検知部材11をセンサ部10が検知するようにするに当たっては、例えば、センサ部10が近接スイッチで、鉄のような磁性体よりなる被検知部材11が所定の距離センサ部10に近づくと近接スイッチがオンとなり、離れるとオフとなるようにしたものが採用できる。勿論これ以外に被検知部材11がセンサ部10に所定距離近づくと検知するようなものであれば他の種々の方法が採用できる。
【0033】
ところで、上記のように被検知部材11をセンサ部10が検知して、この検知回数を制御部15でカウントするに当たり、発光部3が点滅あるいは発光色が変化するもので、点滅するものの場合は、点灯している間に(また、発光色が変化するものの場合はある特定の色が発光している間に)その発光している発光部3に向けて拳を所定距離近づけてパンチができればカウントするようにするとよい。これにより、エクサイズメニューに応じて発光部3の点滅の速さ(あるいは発光色の変化の速さ)が違うため、これに応じて掌を突き出す速さを変化させる必要があり、多様なエクサイズを行って上記したそのエクサイズの結果を検知回数や検知回数に基づく得点として求めることができる。
【0034】
また、カウントの結果は個人データとして登録部5に登録されると共に表示部22に表示される。
【0035】
例えば、個人記録選択手段21が初期状態の場合に、選択手段6を操作して任意のエクサイズメニューに設定すると、選択した該当するエクサイズメニューに対応したあらかじめ決められた発光形態で複数の発光部3が発光するので、この発光に合わせて上記のように被検知部材11を指に装着してミラー部1の前に立ってファイティングポーズをとって拳を発光部3側に突き出すというエクササイズをすると、被検知部材11が拳が突き出された対応する発光部3に内蔵したセンサ部10で検知され、この被検知部材11をセンサ部10が検知した検知回数あるいは検知回数を得点化したものを表示部22に表示するようになっている。この場合、使用者9の身長が異なって突き出される拳の高さが異なっても、上下方向に複数設けた発光部3にそれぞれセンサ部10を内蔵又は発光部3の近傍にそれぞれセンサ部10を設けてあるので、確実に被検知部材11をセンサ部10で検知することができる。
【0036】
そして、次に選択手段6を操作してエクササイズメニューの設定を切り換えると表示部22の表示がリセットされ、次のエクササイズメニューに対応したあらかじめ決められた発光形態で複数の発光部3が発光するので、この発光に合わせて上記のように被検知部材11を指に装着した拳を発光部3側に突き出すというエクササイズをすると、被検知部材11をセンサ部10が検知した検知回数あるいは検知回数を得点化したものを新たに表示部22に表示するようになっている。
【0037】
また、個人記録選択手段21を操作して、例えば、個人記録選択手段21を1回押して、第1番目の個人を特定すると、表示部22には最初に登録部5に登録した当該第1番目の個人の過去のデータ(例えば前回の検知回数や検知回数を得点化したもの)が表示される。
【0038】
次に、選択手段6を操作して任意のエクサイズメニューに設定すると、選択した該当するエクサイズメニューに対応したあらかじめ決められた発光形態で複数の発光部3が発光するので、この発光に合わせて上記のように被検知部材11を指に装着した拳を発光部3側に突き出すというエクササイズをすると、今回における被検知部材11をセンサ部10が検知した検知回数あるいは検知回数を得点化したものを表示部22に表示するようになっている。したがって、過去のデータと今回のデータとの比較で、今回のエクササイズの状態が過去に比べて進歩したかどうかということが判別できる。そして、今回のデータは登録部5に登録される。
【0039】
同様に個人記録選択手段21を操作することで、第N番目の個人のエクササイズの情報の表示と登録ができる。
【0040】
エクササイズを実施する使用者9は必要に応じて手首に負荷部材12を取付けて上記拳を突き出すというエクササイズを行うと、手首に負荷がかかった状態でエクササイズを行うので、より効果的なエクササイズができる。ここで、負荷部材12は、例えば、図4に示すように、手首に着脱自在に取付けることができる締め付けバンド12aに負荷材12bを着脱自在に取付けて構成してあり、負荷材12bの数あるいは、重さの異なる負荷材12bを選択的に締め付けバンド12aに取付けることで、負荷の増減が可能なようになっており、使用者9の体力に応じて自分に適した負荷を選択して手首にかけることができて、より効果的なエクササイズができる。
【0041】
上記実施形態ではスピーカ13を設けて設定した任意のエクササイズメニューに対応した楽曲音、リズム音、掛け声等の音声を出力するようにしたが、スピーカ13を設けることなく、複数の発光部3のみが発光するようにしたものであってもよい。
【0042】
上記のように本発明のエクササイズミラー装置7のミラー部1、発光部3を備えた本体部4を浴室8の壁16に取付けて、浴室8内でミラー部1で自分の動いている姿を見ながらエクササイズが簡単にできるようにしたので、エクササイズが終了すると、浴室8に設けてあるシャワー装置23を利用してそのままシャワーを浴びて汗を流すことができる。
【0043】
なお、添付図面に示す実施形態では、操作パネル部19をモール部2の一部に設けた例を示しているが、この操作パネル部19をモール部2から取り外し自在とし、モール部2から取り外した状態で、操作パネル部19の操作を行ってもよい。この場合は、操作パネル部19側と制御部15側とは無線により信号のやりとりがなされる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のエクササイズミラー装置を設置した浴室ユニットを示す正面断面図である。
【図2】同上のエクササイズミラー装置を設置した浴室ユニットを示す側面断面図である。
【図3】同上のエクササイズミラー装置の本体部を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図4】同上のエクササイズミラー装置の着脱装着部材を示す正面図である。
【図5】同上の制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ミラー部
2 モール部
3 発光部
4 本体部
5 登録部
6 選択手段
8 浴室
10 センサ部
11 被検知部材
12 負荷部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に設けられるミラー部の両側にモール部を備え且つ該モール部に複数の発光部を備えて構成される本体部と、複数の発光部による発光形態が異なる複数種類のエクササイズメニューを登録した登録部と、該登録部に登録した複数のエクササイズメニューからいずれかを選択して選択されたエクササイズメニューに基づいて複数の発光部を発光させるための選択手段を備えて成ることを特徴とするエクササイズミラー装置。
【請求項2】
エクササイズを実施する使用者の指にはめられる被検知部材と、エクササイズを実施する使用者の拳が発光部に対して所定の距離近づくと上記被検知部材を検知するセンサ部と、エクササイズを実施する使用者の手首に着脱自在に取付けられる負荷部材とを備えて成ることを特徴とする請求項1記載のエクササイズミラー装置。
【請求項3】
本体部にスピーカを内蔵していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエクササイズミラー装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate