説明

エコ整版フィルム

【課題】印刷用整版キャリアシートの止棒(ストッパー)とフィルムシートの接合は、剥離しないように接着剤等で強く結合されており、廃版や、フィルムシートの損傷の度に止棒を含めた全て新しい整版キャリアシートが必要とされ、省資源化、廃棄物(CO)削減化、コスト削減化に逆行した状態である。
【解決手段】止棒BとフィルムシートAを容易に脱着可能にする為、止棒Bには、フィルムシートAとストッパー部Eが横から挿入できるように隙間と空洞を施し、又フィルムシートAの先端部にはストッパーとして用を成す膨らみを施し、横側から挿入し、止めテープで固定する。フィルムシートAの先端部を止棒Bが内側に密着して挿入可能な筒状の空洞を施し、止めテープで固定する。止棒とフィルムシートAが容易に分離できるので廃版や、フィルム損傷の際、止めテープを外し、フィルムシートA部分のみを廃棄し、止棒は、幾度となく再使用が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンボール等印刷用の印版をレイアウトに従い貼り込み版胴にワンタッチでセットする整版キャリアシートに関するものであり、そのストッパー(止棒)とフィルムシート(貼り込みシート)が容易に脱着、分別できる工夫を加える事により、止棒の再利用が幾度となく可能になり、資源の長期有効利用、ゴミ削減及びコスト削減をもたらすものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、整版キャリアシートの止棒とフィルムシートの接合は、止棒の上面とフィルムシートの下面を接着剤等で接合しており剥がし分別する事は困難である。(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これでは廃版やキャリアシートの損傷の度に、全て新しい整版キャリアシートが必要となり、殆ど劣化や汚れの無い止棒部分も廃棄され省資源化、産業廃棄物削減化、及びコスト削減化に逆行した状態になっている。
【課題を解決する為の手段】
【0004】
この課題を解決する為の請求項1の発明は、止棒とフィルムシートが容易に脱着できるように、止棒には、フィルムシートが横側から挿入できる隙間とストッパー部の空洞を施し、フィルムシートには、先端部に、ストッパー用の膨らみを持たせ止棒の横側から挿入する構造とすることにより横方向の移動は自在となり、手前方向(縦方向)は、ストッパーが機能し、抜けて分離しない構造となる。使用時は止めテープで横方向の移動を制御する。又、止めテープを剥がせば、止棒とフィルムシートを横方向に抜くことにより容易に分別できる。(図2)
【0005】
また、請求項2の発明は、止棒とフィルムシートが容易に脱着できるように、フィルムシートの先端部に止棒が内側に密着した状態で横方向から挿入できる筒状の空洞を設け、横方向から止棒を当該空洞へ挿入し、手前方向(縦方向)には抜けて分離しない構造となる。使用時は、止棒の挿入口となる空洞の左右横側を止めテープで防ぎ横方向の移動を制御する。
又、止めテープを剥がせば容易に止棒とフィルムシートが横方向に抜き分別できる。(図3)
【発明の効果】
【0006】
本発明により、損傷程度の低い止棒部分が、幾度となく再利用可能となり、産業廃棄物削減及びコスト削減となる。
ついては、現代社会の緊急かつ最大課題となっている地球環境問題の観点から一つ一つの消耗品に対して、行き届いてない再利用の意識を変革する絶好の機会ともなる。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0007】
本発明に係る整版キャリアシートは、請求項1の場合、止棒としての強度を損わない範囲でフィルムシートの先端部のストッパーの膨らみを横方向から挿入できる空洞とフィルムシートが、横方向に移動可能な隙間を止棒に施し、フィルムシートには、先端部にストッパーとしての用を成す膨らみを施し、手前方向(縦方向)には外れない構造である。(図2)
請求項2の場合、フィルムシートの先端部を断面が長方形の止棒と密着する形で止棒が移動可能になるが手前方向(縦方向)にはフィルムシート同志の接着により外れない構造である。(図3)
素材は、従来と同じ、フィルムシートがペット樹脂、止棒がABS樹脂が、環境面からも望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明の整版キャリアシートの製造工程は、止棒は押し出し成形等とし、フィルムシートのストッパー部と筒状の空洞部は、加熱成形・折り曲げ加工・接着剤による接着加工等により製造できる。単純な加工技術で量産が可能なものであることから、産業上の利用可能性は、コストの削減、資源の節約に直結する事からも非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】▲1▼従来の一般的な整版キャリアシートの構成である。▲2▼同上止棒部の断面図である。
【図2】請求項1であるストッパー付きのフィルムシートを横方向から止棒に挿入する形態の図である。
【図3】本発明の請求項2であるフィルムシートの筒状空洞部に止棒を横方向から挿入する形態の図である。
【符号の説明】
【0010】
A フィルムシート
B 止棒
C 印版
D 接着剤等
E シートストッパー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
止棒にフィルムシートが横方向から挿入できる極く狭い隙間と、その隙間の先端部にフィルムシートのストッパー部分が横方向から挿入できる円筒状の空洞を設け、フィルムシート側には、先端部がストッパーとして機能する膨らみを施し、横側から止棒の隙間と円筒状の空洞に挿入して、横方向は自在に移動でき、手前方向(縦方向)はストッパー部分の膨らみで、止棒とフィルムシートが分離されない構造の印刷用整版キャリアシート。
【請求項2】
止棒と接合するフィルムシートの先端部に止棒が内側に密着した状態で横方向から挿入できる角形筒状の空洞を設け、止棒を横方向から当該空洞に挿入し、手前方向(縦方向)には止棒とフィルムシートが分離されない構造の印刷用整版キャリアシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−11531(P2011−11531A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173676(P2009−173676)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(506089330)株式会社名宝 (3)
【Fターム(参考)】