説明

エスカレータまたは動く歩道用のハンドレール

本発明は、特にエスカレータまたは動く歩道のために使用され、互いに隣接して配置される複数のグリップ要素(2および2’)を有するハンドレール(1)に関する。各グリップ要素(2)は、少なくとも部分的に透明である外部シェル(10)、カバー層(10)またはケーシング(10)を有する。加えて、照明手段(20)が、卵形または楕円形の外部シェル(10)、カバー層(10)またはケーシング(10)によって画定される内部(13)に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドレール、特にエスカレータまたは動く歩道用のハンドレールに関する。詳細には、本発明は、ハンドレールがチェーンまたはベルトなどを介して駆動されるエスカレータまたは動く歩道のためのハンドレールの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
照明システムを有するエンドレスのハンドレールは、米国特許第6866125号明細書により知られている。この場合、複数の充電ステーションが設けられる。充電ステーションは、充電式電池を充電するのに役に立ち、これは、ダイオードや他の光源にエネルギーを供給する。この場合、充電式電池の充電は、電磁結合や電源によって行われる。
【0003】
米国特許第6866125号明細書により知られているハンドレールは、特に電磁結合や電源によって動作する充電ステーションに関して設計が高価であり、かつ充電式電池の伝送損失および中間貯蔵により、エネルギー収率および光強度が低いという欠点を有する。さらに、ハンドレールに要求される構成部品の一体化は、非常に複雑であり、費用が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6866125号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、1つまたは複数の照明装置が(比較的に)低コストで作動され得るハンドレールを作り出すことである。
【0006】
詳細には、本発明の目的は、経済的に製造され、できるだけ例外なく使用できる、照明可能性を有するハンドレールを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する本発明によるハンドレールによって実現される。
【0008】
請求項1に示されるハンドレールの有利な展開は、従属請求項で列挙された手段によって可能である。
【0009】
グリップ要素またはグリップセグメントの基体の外部シェルまたはカバー層またはケーシングは、照明手段と関連する窓要素を有し、窓要素は、基体に少なくとも横方向に配置されることが有利である。例えば、窓要素は、側面に向かって、または同様にエスカレータや動く歩道の内側に向かって方向付けられることができ、その結果、照明効果が、ユーザによってよりよく感知され得る。横方向配置によって、従来の欄干照明に取って代わり得る照明を実現することが可能である。
【0010】
この場合は、外部シェルまたはカバー層またはケーシングが、グリップ領域に小さな卵形または楕円形の輪郭および大きな卵形または楕円形の輪郭からなる横断面を有し、小さな卵形または楕円形の輪郭が、大きな卵形または楕円形の輪郭の側面において大きな卵形または楕円形の輪郭によって切断され、窓要素が、構成または可能性の観点から、切断の領域内で大きな卵形または楕円形の輪郭および/または小さな卵形または楕円形の輪郭に設けられるならばさらに有利である。基体のグリップ要素のこの設計により、異なるグリップ位置またはハンドグリップの可能性が容易になり、下方からの把持も可能になる。それによって、子供および若い人々は、ハンドレールを確実にかつ一層効果的に持つことができる。窓要素の配置により、照明手段の良好な見やすさおよび/または有利な照明が可能になる。この場合、照明手段の主要な部分ならびに随意に照明手段自体が、大きな卵形または楕円形の輪郭の領域内の基体に収容され得る。
【0011】
有利な態様では、照明手段に電気的に接続される太陽電池素子が、基体の内部空間に設けられる。この場合、太陽電池素子は、照明手段に直接接続され得る。次いで、照明手段を作動するためのエネルギーは、環境から、特に既に存在する内部空間照明から得られることができ、または、太陽光から得られ得る。太陽電池素子は、エスカレータまたは動く歩道に対して、外面にまたは外側に配置されることが好ましく、一方、照明手段は、エスカレータまたは動く歩道の内面にまたは内側に配置されることが好ましい。1つもしくは複数の発光ダイオード、1つもしくは複数の有機発光ダイオード、1つもしくは複数のエレクトロルミネセンス膜、および/または1つもしくは複数の発光ナノダイオード、および/または1つもしくは複数の小さなランプ、またはランプ、または蛍光管が、照明手段として使用されことが好ましい。
【0012】
少なくとも1つの牽引手段接触要素が設けられるならば、および牽引手段接触要素が照明手段に電気的に接続されるならば有利である。
【0013】
さらに、1つまたは複数の牽引手段接触要素が、牽引手段の導電または電気的接触形成に役立つ。牽引手段は、少なくとも部分的に導電性材料で形成されることが好ましく、またはこの牽引手段に取り付けられる電気導体を有している。例えば、牽引手段は、金属チェーンによって、またはベルトに埋め込まれた鋼ケーブルによって形成され得る。牽引手段接触要素は、ワイパ要素として、特に機械的および/または弾性ワイパ要素として、導電性ローラとして、特に弾性懸架導電性ローラなどとして設計され、または構成され得る。牽引手段接触要素を介した牽引手段と照明手段との電気的接触または電気的接触形成が、それによって可能である。
【0014】
さらに、少なくとも1つのハンドレールガイド接触要素が設けられるならば、かつ、さらなる対向するハンドレールガイド接触要素が、照明手段に電気的に接続されるならば有利である。したがって、ハンドレールガイド接触要素はまた、ハンドレールガイドの、および/またはハンドレールガイドに接続される導体レールの電気的接触または電気的接触形成に役立つこともできる。例えば、アルミニウムまたは真鍮または銅またはステンレス鋼または鋼からなるハンドレールガイドは、導電性であるように、または低電流を伝導するように設計され、電源に接続され得る。さらに、異なるグリップ要素のいくつかの照明手段が、ハンドレールガイドを介して一緒に接続され、かつ/または間欠的に接続され得る。
【0015】
さらなるハンドレールガイド接触要素は、有利な方法で、さらなる導体レールと電気的接触形成または電気的接触を可能にし、これは、ハンドレールガイドレールに対向して機械的に接続されるが、それから電気的に絶縁される。それによって、当の電流回路は閉じられ得る。しかしながら、さらなる有利な実施形態では、追加的な接続または結合または一括接続を可能にする第2の電流回路が提供される。
【0016】
また、グリップ要素の照明手段を他のグリップ要素の1つまたは複数のさらなる照明手段に接続する、少なくとも1つの電気導体が設けられるならば有利である。この場合、電気導体は、いくつかの一列に並べられたグリップ要素を通して導かれる電気ケーブルとして有利な方法で設計され得る。電流回路を閉じ、照明手段を異なるように起動しまたは切換えるために、追加の切換え可能性が制御ケーブルまたはケーブルによってもたらされる。次いで、照明手段の点灯について断続的な、脈動的な、点滅する、または他の形態を実現するために、2つ以上の電気導体が設けられることも考えられ、または可能である。
【0017】
また、異なるグリップ要素の照明手段が、グループとして、単独にまたは交互にまたは二者択一的に起動可能であるならば有利である。結果として、一方では、光強度および/または薄い色が制御され得る。他方では、情報の異なる項目、例えば移動方向矢印や他のシンボル(停止(Stop)、注意(Attention)、危険(Danger))が表示され得る。この場合、2つ以上の二者択一的にまたは交互にまたは単独に起動可能である照明手段が、またグリップ要素に収容され得る。
【0018】
単独の起動の場合、照明手段の各グループは、他のグループとは無関係に起動され得る。したがって、例えば、照明手段が2つのグループの場合は、第1のグループの照明手段だけの、第2のグループの照明手段だけの、または第1のグループと第2のグループの両方の起動が可能である。二者択一的な起動において、各実例では、1つのグループだけが起動可能である。例えば、移動方向矢印の場合に二者択一的な起動は実行可能である。この点について、照明手段は、ダイオードに接続され、または発光ダイオードとして設計されることができ、第1のグループの極性は、第2のグループの照明手段の極性と異なる。
【0019】
交互の起動の場合、予備選択および/または切換えサイクルを通して、第1の発光ダイオードまたは第2のまたは第3のまたは第4の発光ダイオードを点灯することができ、引き続いて5秒後に、次の発光ダイオードが点灯し、第1の発光ダイオードは消灯する。継続する場合、引き続き発光ダイオードが点灯し、第2の発光ダイオードは消灯する、などである。走行光またはもう1つの走行光、異なる光効果または走行光効果または早い点滅光が生じる。
【0020】
本出願の教示を、同一出願人による同時出願した出願の教示と組み合わせることができる能力に関して、特に参照が行われる。そこに、さらにまたはより一層改善された、あるいは一層または多様に改善された材料特性および安全性特性を有するハンドレールが、開示されている。
【0021】
本発明により相応じて設計されるハンドレールのさらなるまたは有利な実施形態が、従属請求項の主題を形成する。
【0022】
本発明は、象徴的に一層詳細に、かつ図を基礎として例示として説明される。
【0023】
図は、結合的にかつ全体として説明される。同じ参照符号は、同じ構成要素を示し、異なる指標を有する参照符号は、機能的に同一または類似の構成要素を示す。
【0024】
本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を介して以下の説明でより詳細に説明され、対応する要素には対応する参照符号が与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に対応した概略断面図によるハンドレールを示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に対応した概略断面図によるハンドレールを示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に対応した概略断面図によるハンドレールを示す図である。
【図4】図1で示される、IVによって示される視線方向からのおよび本発明のさらなる実施形態に対応したハンドレールの、2つの一列に並べられたグリップ要素を示す図である。
【図5】本発明をより明らかにするために、さらなる実施形態に対応したハンドレールについて詳細図の方法で図式的な切換線図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の第1の例示的実施形態に対応したハンドレール1の概略断面図を示している。ハンドレール1は、一列に並べられ、または互いに突出し、または互いに係合する複数のグリップ要素2を備え、グリップ要素2のうちの1つが、図1の断面図に示される。この場合、断面図は、グリップ要素2の断面、すなわちハンドレール1の走行方向に直角なグリップセグメント2を示す。グリップ要素2は、ハンドレールガイドプロファイル部材3によって案内される。ハンドレールガイドプロファイル部材3は、欄干4に連結され、これは、例えば、ガラスまたは木材または石膏または鋼またはアルミニウムまたは真鍮で形成され得る。欄干4上の可動ハンドレール1の支持は、それによって行われる。ハンドレール1は、特にエスカレータまたは動く歩道として役立ち、ハンドレールガイドプロファイル部材3は、前進走行の区間に設けられ得る。特に、ハンドレール1の下部の後退走行領域では、ハンドレールガイドプロファイル部材3は、中断されることがあり、例えば支持ローラを介して、異なる後退走行や異なる支持が生じることがある。複数のグリップ要素2からのハンドレール1の設計により、個々の部品やセグメントの簡単な組立ておよび簡単な交換、あるいは簡単な保守や検査が可能になる。しかしながら、本発明によるハンドレール1は、他の用途にも適している。
【0027】
グリップ要素2は、補剛リブ5、6、7、8を有する。この場合、よりさらなる補剛リブが設けられことができ、図示を簡単にするために図1では、補剛リブ5、6、7、8だけが特徴付けられている。補剛リブ5、6、7、8は、ハンドレールガイドプロファイル部材3に対して適切な取付け部を形成する。さらに、補剛リブ5、6、7、8は、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10によって取り囲まれ、これらに連結される。外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10は、特にグリップ領域11において実質的に閉鎖されるように形成される。外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10は、下部領域でハンドレールガイドプロファイル部材3に対する開口12を有する。内部空間13を再分割する補剛リブ5、6、7、8が、グリップ要素2の内部空間13に設けられ、これは、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10によって界接される。チャンバ14、15、16、17が、この再分割によって形成される。
【0028】
ハンドレール1は、人がエスカレータまたは動く歩道を使用する場合に、ユーザがIVによって示される視線方向からハンドレール1を見るように、取り付けられまたは組み立てられることが好ましい。照明手段20が取り付けられる照明手段取付け台19が、ユーザに面するグリップ要素2の側面18のチャンバ15内に設けられる。この場合、観察窓21が、チャンバ15の領域内の外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10のところに設けられ得ることが好ましい。外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10は、チャンバ15の領域内で、かつ/または場合によっては存在する観察窓21に基づき少なくとも照明手段20の領域内で、透明であるように形成される。さらに、完全に半透明の外部シェル10が、可能であり、センセーショナルな形の照明を可能にする。半透明の外部シェル10は、透明であるばかりでなく、着色されることもできる。さらに、外部シェル10の隙間や穴のある構成も考えられる。この場合、外部シェル10には、照明手段20の領域内に、小さな穴または丸い穴または四角形の穴または正方形の穴または菱形の穴または菱形状の穴または長方形の穴または四辺形の穴または半円形または半楕円形または楕円形が設けられ、それにより、遮るもののない光の発出が可能になる。
【0029】
ハンドレール1の内部空間13に、チェーン22として形成される牽引手段が設けられ、その中にグリップ要素2またはグリップセグメント2が、例えば取付け部やピンによって適切な方法で係合し、これらは、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10に連結される。
【0030】
さらに、いくつかの電気導体を備えるケーブル23または導体レール23または給電装置23または供給源23が、ユーザから遠い方の側面18’のチャンバ14内に配置される。この場合、ケーブル23または導体レール23または給電装置23または供給装置23は、一列に並べられたグリップ要素2またはグリップセグメント2の複数の同一のチャンバ14を通して延在する。ケーブル23または導体レール23の電気導体の少なくとも一部が、接続線23’を介して照明手段20に接続され、その結果、異なるグリップ要素2またはグリップセグメント2のいくつかの照明手段20が一緒に接続される。
【0031】
加えて、牽引手段接触要素25が設けられ、これは、一方では補剛リブ5に固締され、他方ではチェーン22に接触接続される。ケーブル23の電気配線が、牽引手段接触要素25を介してチェーン22またはベルト22に電気的に接続される。したがって、照明手段20も、チェーン22またはベルト22に電気的に接続される。それによって、牽引手段は導電性であり、電気エネルギーが、そこから必要とされるところに伝達される。さらに、ハンドレールの後退走行時に、牽引手段に電気エネルギーを給電しまたは供給することが考えられる。ハンドレールガイド接触要素26および26’は、随意にまたは追加的に設けられる。この場合、ハンドレールガイド接触要素26は、補剛リブ5に接続される。さらに、ハンドレールガイド接触要素26は、ハンドレールガイドプロファイル部材3の上側27を摺擦する。相応じて、ハンドレールガイド接触要素26’は、補剛リブ6に接続され、同様に、ハンドレールガイドプロファイル部材3の上側27を摺擦する。ハンドレールガイドプロファイル部材3は、例えばステンレス鋼または真鍮または銅または鋼またはアルミニウムの導電性材料からなる。ケーブル23の線とハンドレールガイドプロファイル部材3との間の電気的接続および/または電流供給は、ハンドレールガイド接触要素26および26’を介して存在する。また、照明手段20は、ハンドレールガイド接触要素26’を介してハンドレールガイドプロファイル部材3に電気的に接続される。したがって、電流/電圧の印加によって、電流または電気エネルギーは、チェーン22またはベルト22とハンドレールガイドプロファイル部材3との間を流れ、照明手段20に達し、これにより電気エネルギーが供給される。
【0032】
さらにまた、ハンドレールガイドプロファイル部材3には、互いに絶縁される導体レールが設けられ得る。絶縁は、例えばプラスチック材料から製造される非導電性ハンドレールガイドプロファイル部材3によって行われ得る。この場合、電圧はまた、ハンドレールガイド接触要素26と26’との間に印加され得る。牽引要素22またはチェーン22またはベルト22を介した電流伝達が、この場合は不要にされ得る。
【0033】
図2は、本発明の第2の例示的実施形態に対応した概略断面図のハンドレール2のグリップ要素2またはグリップセグメント2を示している。この例示的実施形態では、光電素子として形成される太陽電池素子30が、ユーザから遠い方の側面18’にあるチャンバ14内に配置される。この場合、太陽電池素子30または太陽電池30または光起電力素子30は、入口窓として形成される窓要素21’にあり、またはその下にあり、窓要素21’は、例えばプラスチック材料からなり、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10の一部に挿入され、例えば、然るべきところにスナッピングし、または然るべきところにクリッピングし、または接着することによってそれと接続される。加えて、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10は、太陽電池素子30の領域内で透明であるように形成される。矢印31は、エスカレータまたは動く歩道の環境から太陽電池素子30にあたる光、例えば、日光、太陽光の反射光、または電気ランプによって生じる光を示している。入射光線31の結果として、照明手段20の作動に役立つ電気エネルギーが、太陽電池素子30または太陽電池30または光起電力素子30によって発生される。このために、太陽電池素子30は、接続線23’を介して照明手段20に接続される。さらにまた、図1に示されるようなケーブル23が、異なるグリップ要素2またはグリップセグメント2のいくつかの照明手段20に電気エネルギーを分配するために設けられ得る。さらに、異なるグリップ要素2またはグリップセグメント2のいくつかの太陽電池素子30または太陽電池30または光起電力素子30が、やはり一緒に接続され得る。これにより、照明手段20のためにより多量のエネルギーの広がりおよび分配が可能になる。さらに、それによって、ハンドレール1が一部だけ太陽光にさらされ、または光を照射される場合に補償することができる。また、図1に基づいて対応する方法で同様に説明されるように、電気エネルギーの分配は、牽引手段22および/またはハンドレールガイドプロファイル部材3の援助によって行われ得る。
【0034】
図3は、本発明の第3の例示的実施形態に対応した断面図のハンドレール1のグリップ要素2またはグリップセグメント2を示している。この例示的実施形態では、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10は、大きな卵形または楕円形の輪郭35および小さな卵形または楕円形の輪郭36からなる横断面を有する。この場合、小さな卵形または楕円形の輪郭36は、ユーザに面する側面18において大きな卵形または楕円形の輪郭35によって切断される。観察窓21として形成される窓要素21が、卵形または楕円形の輪郭35と36との間の切断部の領域37内に設けられる。この場合、観察窓21は、大きな卵形または楕円形の輪郭35の領域内にだけ、または小さな卵形または楕円形の輪郭36の領域内にだけ、またはその上に、卵形または楕円形の輪郭35と36の両方の領域内に設けられ得る。この例示的実施形態では、観察窓21として役立つ窓要素21は、大きな卵形または楕円形の輪郭35のところに設けられる。この例示的実施形態では、照明手段21は、大きな卵形または楕円形の輪郭35の領域内のチャンバ15に配置される。ハンドレール1を保持するときの把持の可能性は、小さな卵形または楕円形の輪郭36によって増大される。特に、下方からの把持が可能であり、それによって、子供および若い人々が、ハンドレール1を確実に保持することができる。
【0035】
図4は、本発明のさらなる例示的実施形態に対応した、IVによって図1で示される視線方向からのハンドレール1のグリップ要素2および2’を示している。グリップ要素2および2’あるいはグリップセグメント2および2’は、外部シェル10および10’あるいはカバー層10および10’あるいはケーシング10および10’を有する。この場合、周りを取り囲む導入面取り部38および38’あるいは斜面38および38’あるいは窪み38および38’が、外部シェル10および10’あるいはカバー層10および10’あるいはケーシング10および10’に設けられ、複数のグリップ要素2および2’からのハンドレール1の組立てを容易にし、または可能にする。外部シェル10および10’あるいはカバー層10および10’あるいはケーシング10および10’は、観察窓21および21’’として設計される窓要素21および21’’を有する。照明手段20Aおよび20Bが、観察窓21の背後に配置される。照明手段20Aおよび20Bは、例えば移動方向矢印の形をとって設計される。この点について、照明手段20Aおよび20Bの方向矢印は、反対の方向を指し示している。ハンドレール1の作動時には、照明手段20Aまたは20Bが、起動され、これは、エスカレータまたは動く歩道のその瞬間の移動方向を指示し、このようにハンドレール1の移動方向に従う。それによって、その瞬間の移動方向の可視化が保証される。移動方向の指示が、明確にかつ簡単にかつコストが節約できる方法で与えられ、保証される。
【0036】
この例示的実施形態では、いかなる照明手段も、観察窓21’’として形成される窓要素21’’の背後には設けられていない。しかしながら、図1で例示として示されるような、かつその中に照明手段20が設けられるチャンバ15は、ハンドレール1が組み立てられた状態で、グリップ要素2’の対応するチャンバに接続される。それによって、発生された光は、観察窓21’’を介してやはり間接的に感知され得る。それによって、間接照明が与えられる。したがってまた、間接または直接照明が、観察窓21’’を介して可能である。この接続では、補剛リブ6、および所与の場合には外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10の内側には、グリップ要素2のチャンバ15の領域内において、例えば被覆し、または金属化し、またはクロム化合物で処理し、またはメッキし、または塗装することによって、反射材料が追加的に設けられ得る。また、対応する設計が、さらなるグリップ要素、特にその種類またはタイプ2’によるグリップ要素の場合に可能である。
【0037】
図5は、本発明のさらなる例示的実施形態に対応したハンドレール1について、詳細図の方法で図式的な回路図を示す。この例示的実施形態では、電流線27’および27’’あるいは導体レール27’および27’’が設けられ、これらは、例えばハンドレールガイドプロファイル部材3の上側27に配置される。電流線27’および27’’あるいは導体レール27’および27’’は、グリップ要素2のハンドレールガイド接触要素26および26’を使って接触を形成するように接続され、または接触される。さらに、グリップ要素2’’のハンドレールガイド接触要素28および28’もまた、電流線27’および27’’あるいは導体レール27’および27’’の電気的接触形成または電気的接触のために設けられる。間隔は、グリップ要素2と2’’との間に必ずしも存在する必要がない。グリップ要素2および2’’は、1つの要素が他の要素の後にくるように複数回挿入されることができ、したがって、完全なハンドレールを照明することができる。さらにまた、照明手段のない、図4で示されるグリップ要素2’に対応して設計されるいくつかのグリップ要素2’が、グリップ要素2と2’’との間に追加的に可能である。グリップ要素2および2’’は、照明手段20および20’を有する。この場合、異なる極性を有する照明手段20および20’を接続することが考えられる。結果として、照明手段20と照明手段20’のいずれかが、作動され得る。このようにして、照明手段20および20’は、異なるグループに再分割され得る。相応じて、照明手段の二者択一の起動も可能である。3つ以上の電気配線が設けられる場合、いくつかの照明手段について単独のまたは交互のまたは間欠的なまたは特定の接続も考えられる。結果として例えば、照明手段は、選択的な照明を見せることができる。例えば、走行光または早い点滅光または部分光またはチェーン光または帯状光が生じる。
【0038】
さらに、太陽電池素子30は、1つまたは複数の太陽電池30を有することができる。加えて、照明手段20は、異なる設計であり得る。低電圧で動作され得る発光ダイオードまたは有機発光ダイオードが設けられることが好まれる。それによって、動作の安全性が、高価な絶縁なしでも保証され得る。牽引手段接触要素25および/またはハンドレールガイド接触要素26および26’は、ワイパ要素、導電性ローラなどによって形成され得る。この場合、ある程度の弾性またはばね負荷または弾力を有する設計が、耐用期間を通して信頼性のある電気的接触を保証するために有利である。ハンドレール1は、図4および図5を通して示されるような、さまざまな、互いに異なる、または異なって設計されるグリップ要素2からなることができる。この場合、ハンドレール1のモジュール構成により、異なる要求や顧客ニーズに対する経済的適応が可能になる。この点について、また、太陽電池素子30を使ったエネルギー供給と外部の電流供給との組み合わせが、実施され得る。
【0039】
窓要素21、21’、21’’は、アクリルガラスまたはABSまたはPMMAまたはPlexiglasまたはPETまたはLuciteまたはMakrolonまたはLexanまたはポリカーボネートから形成され得る。次いで、着色および/または部分ミラーリングおよび/またはミラーリングも可能である。また、外部シェル10またはカバー層10またはケーシング10は、透明プラスチック材料などから形成され得る。
【0040】
ハンドレール1の外部シェル10は、完全に透明であることができる。
【0041】
グリップ要素の一部は、いかなる照明手段も有さないことが好ましく、あるいは少数のグリップ要素の場合には、いかなる照明手段も導入されず、またははめ込まれない。
【0042】
本出願の教示を、同一出願人による同時出願した出願の教示と組み合わせることができる能力に関して、特に参照が行われる。そこに、さらにまたはより一層改善された、あるいは一層または多様に改善された材料特性および安全性特性を有するハンドレールが、開示されている。
【0043】
本発明は、説明された実施形態に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の一列に並べられたグリップ要素(2、2’)を備える、特にエスカレータまたは動く歩道用のハンドレール(1)であって、グリップ要素(2)の少なくとも一部が、少なくとも一部は透明であるように設計されるそれぞれの外部シェル(10)を有し、少なくとも1つの照明手段(20)が、外部シェル(10)によって界接される内部空間(13、14、15)に配置されるハンドレール(1)。
【請求項2】
外部シェル(10)またはカバー層(10)またはケーシング(10)が、照明手段(20)と関連する少なくとも1つの窓要素(21、21’)を有し、窓要素(21、21’)が、外部シェル(10)またはカバー層(10)またはケーシング(10)に横方向に配置され、かつ/または接続されることを特徴とする、請求項1に記載のハンドレール。
【請求項3】
外部シェル(10)またはカバー層(10)またはケーシング(10)が、少なくともグリップ領域(11)に小さな卵形または楕円形の輪郭(36)および大きな卵形または楕円形の輪郭(35)からなる横断面を有し、小さな卵形または楕円形の輪郭(36)が、大きな卵形または楕円形の輪郭(35)の側面において大きな卵形または楕円形の輪郭(35)によって切断され、窓要素(21)が、切断の領域(37)内で大きな卵形または楕円形の輪郭(35)および/または小さな卵形または楕円形の輪郭(36)に設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のハンドレール。
【請求項4】
窓要素(21、21’、21’’)が、アクリルガラスまたはABSまたはPMMAまたはPlexiglasまたはPETまたはLuciteまたはMakrolonまたはLexanまたはポリカーボネートから形成されることを特徴とする、請求項2または3に記載のハンドレール。
【請求項5】
照明手段に電気的に接続される少なくとも1つの太陽電池素子(30)が、外部シェル(10)の内部空間(13)に設けられることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項6】
少なくとも1つの牽引手段接触要素(25)が設けられ、牽引手段接触要素(25)が、照明手段(20)に電気的に接続され、牽引手段接触要素(25)が、牽引手段(22)との電気的接触形成に役立つことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項7】
少なくとも1つのハンドレールガイド接触要素(26、26’)が設けられ、ハンドレールガイド接触要素(26、26’)が、照明手段(20)に電気的に接続され、ハンドレールガイド接触要素(26、26’)が、ハンドレールガイドプロファイル部材(3)またはハンドレールガイドプロファイル部材(3)に接続される導体レール(27、27’)との電気的接触形成に役立つことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項8】
さらなるハンドレールガイド接触要素(26’)が設けられ、さらなるハンドレールガイド接触要素(26’)が、照明手段(20)に電気的に接続され、さらなるハンドレールガイド接触要素(26’)が、さらなる導体レール(27’)との電気的接触形成に役立ち、これが、ハンドレールガイドプロファイル部材(3)から、および/またはハンドレールガイドプロファイル部材(3)に接続される導体レール(27’)から絶縁されることを特徴とする、請求項7に記載のハンドレール。
【請求項9】
少なくとも1つの電気導体(23)が設けられ、これが、グリップ要素(2)の照明手段(20)を、少なくとも1つのさらなるグリップ要素(2’’)の少なくとも1つの照明手段(20’)に接続することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項10】
電気導体(23)が、内部空間(13)に相互に隣接することによって、または複数の一列に並べられたグリップ要素(2、2’、2’’)の相互に隣接する内部空間(13)のチャンバ(14、15、16、17)に相互に隣接することによって形成される溝を通して延在する、電気ケーブルの一部であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項11】
内部空間(13)、またはグリップ要素(2)の内部空間(13)のチャンバ(14、15、16、17)が、少なくとも1つの内部空間、または少なくとも1つのさらなるグリップ要素(2’)の内部空間のチャンバに接続され、さらなるグリップ要素(2’)が、少なくとも部分的に透明な外部シェル(10’)またはカバー層(10’)またはケーシング(10’)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項12】
少なくとも1つのさらなるグリップ要素(2’’)が、グリップ要素(2)の照明手段(20)に対して単独にまたは二者択一的にまたは間欠的にまたは交互にまたは特定的に起動可能である照明手段(20’)を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項13】
グリップ要素(2)の照明手段(20)が、さらなるグリップ要素(2、2’’)の照明手段(20’)と逆の極性で接続されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項14】
グリップ要素(2)の内部空間(13)において、グリップ要素(2)の照明手段(20A)に対して単独にまたは交互にまたは特定的にまたは間欠的にまたは二者択一的に起動可能であるさらなる照明手段(20B)が設けられることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項15】
少なくとも1つの照明手段(20A、20B)が、移動方向矢印として形成され、かつ/または、移動方向表示器としておよび/または移動方向指示器として備え付けられることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項16】
外部シェル(10、10’)またはカバー層(10、10’)またはケーシング(10、10’)が、少なくとも部分的に、自己消火性材料および/または自己消火性プラスチック材料および/または難燃性材料および/または難燃性プラスチック材料および/または耐火材料および/または耐火プラスチック材料からなることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のハンドレール。
【請求項17】
外部シェル(10、10’)またはカバー層(10、10’)またはケーシング(10、10’)が、少なくとも部分的に、被覆され、かつ/または金属化され、かつ/またはメッキされ、かつ/またはクロム化合物で処理され、かつ/または銀メッキされ、かつ/または金メッキされ、かつ/または反射性に作られ、かつ/またはプリントされ、かつ/または収容され、かつ/またはカバーされ、かつ/または塗装されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のハンドレール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−520729(P2011−520729A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509916(P2011−509916)
【出願日】平成21年5月5日(2009.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055429
【国際公開番号】WO2009/141225
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(390040729)インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト (166)
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】