説明

エネルギー転送システム及びエネルギー転送方法

【課題】 高転送効率で、小さな容積で、低コストであるというエネルギー転送システム利点提供する。
【解決手段】 本発明のエネルギー転送システムは、エネルギーを受けるための供給側共振器と、中間共振モジュールと、装置側共振器とを有し、供給側共振器のエネルギーは非放射エネルギー転送が供給側共振器と中間共振モジュールの間で行われるように中間共振モジュールに結合され、中間共振モジュールに結合したエネルギーは更に非放射エネルギー転送が中間共振モジュールと装置側共振器の間で行われるように装置側共振器に結合され、これらの結合係数は、前記中間共振モジュールが存在していないときに供給側共振器と装置側共振器の間で結合する結合係数よりも大きくされることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にエネルギー転送装置とその方法に関し、特に共振器の間のエネルギー結合によりエネルギー転送を成し得るエネルギー転送装置と、その方法に関する。本願はその主題が参照により組み込まれるものとされる2007年12月14日に提出された台湾出願96148037号に基づく利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
通信分野においては、既に多くの無線伝送技術が用いられている。現在、無線伝送の従来技術は信号の送受信で多く用いられ、低電力信号の伝送に適用されているに過ぎない。
【0003】
より多くの電気製品が無線伝送を用いるにつれ、高い電力信号に適用できる無線伝送の開発がより注目を集めるようになってきている。米国特許公開公報2007−222542号は、共振により1つの共振器から他の共振器に電力を転送するために、無線電力伝送(WPT)によるエネルギーの転送が可能な無線の非放射エネルギー転送装置を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所定の転送効率を得るために、前記転送装置は高Qファクターの共振器を必要としている。しかしながら、このようなQファクターの共振器は、大きな容積を占め、コストも多くかかり、通常の電気機器に使用することができない。さらに、転送距離が遠い場合には、転送装置はエネルギー転送において低い効率を得るに過ぎない。それ故、電力転送の分野においては、小さな容積で、低コストで高転送効率な特徴を有する無線電力転送システムをいかに設計することが人々の重要な指針となってきている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はエネルギー転送システムとその方法に向けたものである。従来の無線エネルギー転送システムと比較すると、本発明のエネルギー転送システムは高転送効率で、小さな容積で、低コストであるという利点を有している。
【0006】
本発明の第1の態様としては、供給側共振器と、中間共振モジュールと、装置側共振器とを備えたエネルギー転送システムが提供される。エネルギーを受ける供給側共振器は第1の共振周波数を有する。前記中間共振モジュールは、その第1の共振周波数と実質的に同じ第2の共振周波数を有する。前記供給側共振器にあるエネルギーは、非放射エネルギー転送が前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間で行われるように前記中間共振モジュールに結合される。前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間の結合は第1の結合係数K1に対応するものとされる。前記装置側共振器は、第2の共振周波数と実質的に同じ第3の共振周波数を有する。前記中間共振モジュールに結合されたエネルギーは更に非放射エネルギー転送が前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間で行われるように前記装置側共振器に結合される。前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間の結合は第2の結合係数K2に対応する。前記中間共振モジュールが存在していないとき、前記供給側共振器と前記装置側共振器の間の結合は第3の結合係数K3に対応するものとされる。前記第1の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きく、前記第2の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きくされる。すなわち、K1>K3であり、K2>K3である。
【0007】
本発明の第2の態様としては、エネルギー転送が次の工程に含むものとされる。初めに、エネルギーを受けるための供給側共振器を設ける。次に、中間共振モジュールが設けられ、前記供給側共振器のエネルギーは非放射エネルギー転送が前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間で行われるように前記中間共振モジュールに結合され、前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間の結合は第1の結合係数K1に対応するものとされる。次いで、装置側共振器と前記中間共振モジュールを結合するエネルギーが提供され、そのエネルギーは、非放射エネルギー転送が前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間で行われるように前記装置側共振器に結合され、前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間の結合は第2の結合係数K2に対応するものとされる。前記中間共振モジュールが存在していないとき、前記供給側共振器と前記装置側共振器の間の結合は第3の結合係数K3に対応する。前記第1の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きく、前記第2の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きくされる。すなわち、K1>K3であり、K2>K3である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明はより好ましいが非制限的な実施形態についての詳細な説明により明らかとなる。添付の図面を参照しながら以下の説明を行う。
【0009】
本発明のエネルギー転送システムは、中間共振モジュールが供給側共振器と装置側共振器の間に配設され、全体の供給側共振器から装置側共振器への転送効率が向上するように供給側共振器からのエネルギーが結合され且つ装置側共振器へのエネルギーが結合される。
【0010】
図1に、本発明の実施形態にかかるエネルギー転送システムのブロック図が示されている。エネルギー転送システム10は、供給側共振器110と、中間共振モジュール120と、装置側共振器130を有する。エネルギーPiを受ける供給側共振器110は、共振周波数fを有する。
【0011】
中間共振モジュール120は前記共振周波数fと実質的に同一の共振周波数f2を有する少なくとも1つの中間共振器を具備する。供給側共振器110のエネルギーPiは非放射エネルギー転送が供給側共振器110と中間共振モジュール120の間で行われるように中間共振モジュール120に結合される。供給側共振器110と中間共振モジュール120の間の結合は第1の結合係数に対応するものとされる。
【0012】
装置側共振器130は共振周波数f2と実質的に同一な第3の共振周波数fを有する。中間共振モジュール120に結合されたエネルギーは更に非放射エネルギー転送が中間共振モジュール120と装置側共振器130の間で行われるように装置側共振器130に結合される。このようにして装置側共振器130はエネルギーPoを有する。中間共振モジュール120と装置側共振器130の間の結合は第2の結合係数に対応する。
【0013】
前記中間共振モジュール120が存在していないとき、前記供給側共振器110と前記装置側共振器130の間の結合は第3の結合係数に対応するものとされる。本発明の実施形態においては、第1、第2、及び第3の結合係数は次の関係を満たすものとされる。第1の結合係数は第3の結合係数よりも大きく、第2の結合係数は第3の結合係数よりも大きくされる。ここでの結合係数は2つの共振器の間で転送された対応エネルギーの比に関する。本発明の実施形態のエネルギー転送システムを詳述するために幾つかの例を以下に開示する。
【0014】
図2にソレノイド導体コイルによって図1のエネルギー転送システムを実行する例を示す。本例においては、中間共振モジュール120は中間共振器122を具備する。供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130はソレノイド導体コイル構造を有する。
【0015】
供給側共振器110の共振周波数は、供給側共振器110の等価容量と等価インダクタンスの積の平方根に関係付けられる。中間共振器122と装置側共振器130の共振周波数も、それぞれ対応する等価容量と等価インダクタンスから取得される。供給側共振器110と中間共振器122の共振周波数が実質的に同一とされ、供給側共振器110のソレノイド導電コイルは中間共振器122ソレノイド導電コイルと共振する。このため供給側共振器110の電磁エネルギーは中間共振器122に結合され、供給側共振器110のエネルギーは中間共振器122に転送される。
【0016】
同様に、中間共振器122と装置側共振器130の共振周波数が実質的に同一とされることから、中間共振器122のソレノイド導電コイルは装置側共振器130ソレノイド導電コイルと共振する。このため中間共振器122の電磁エネルギーは装置側共振器130に結合され、中間共振器122のエネルギーは装置側共振器130に転送される。
【0017】
供給側共振器110の自己インダクタンスをL1とし、中間共振器122の自己インダクタンスをL2とし、供給側共振器110と中間共振器122の間の相互インダクタンスM12を表すと、
【数1】

となる
【0018】
K1はソレノイド導電コイルが使用される場合の供給側共振器110と中間共振器122の間の第1結合係数である。同様に、もし装置側共振器130の自己インダクタンスをL3とし、中間共振器122と装置側共振器130の間の相互インダクタンスM23を表すと、
【数2】

となる
【0019】
K2はソレノイド導電コイルが使用される場合の中間共振器122と装置側共振器130の間の第2結合係数である。供給側共振器110と装置側共振器130の間の相互インダクタンスM13を表すと、
【数3】

となる
【0020】
K3はソレノイド導電コイルが使用される場合の供給側共振器110と装置側共振器130の間の第3結合係数である。M12、M23、M13の各値が与えられたとき、結合係数K1、K2、及びK3は数式(1)〜(3)から求められる。
【0021】
好ましくは、K1はK3よりも大きく、K2はK3よりも大きい。結合係数が大きくなれば、エネルギー転送効率も高くなる。中間共振器122を不要とした場合、供給側共振器110と装置側共振器130の間のエネルギー転送効率はK3だけに関連付けられる。中間共振器122が配設された後、K2がK3よりも大きいので、供給側共振器110と中間共振器122の間のエネルギー転送効率は供給側共振器110と装置側共振器130の間のエネルギー転送効率よりも高くなる。同様に、中間共振器122と装置側共振器130の間のエネルギー転送効率は供給側共振器110と装置側共振器130の間のエネルギー転送効率よりも高くなる。従って、中間共振器122を介して供給側共振器110のエネルギーを装置側共振器130へ転送させた後、3つの共振器の全体のエネルギー転送の効率は中間共振器122を有しない供給側共振器110と装置側共振器130の間のエネルギー転送効率よりも大きくなる。
【0022】
図2に示すように、本発明の当該実施形態のエネルギー転送システム10はさらに電力回路108と、結合回路CC1を有している。電力回路108は、電力信号Psを生成する。結合回路CC1は電力信号Psを受信し、エネルギーを供給側共振器110に提供するように電力信号Psを供給側共振器110に結合させる。本発明の当該実施形態のエネルギー転送システム10はさらに装荷回路106と結合回路CC2を有する。装置側共振器130にあるエネルギーPoは結合回路CC2に結合され、結合回路CC2はエネルギーPxを装荷回路106に出力する。結合回路CC1、CC2は導電コイル構造により実施される。
【0023】
本発明の実施形態においては、中間共振器122が供給側共振器110と装置側共振器130の間に配設され、エネルギー転送システム10の隣接する共振器の間の転送距離は短くなり、共振器の間の結合容量は増加し、エネルギー転送の効率は改善される。
【0024】
本発明の実施形態においては、中間共振モジュール120だけが中間共振器122を有する。しかし、中間共振モジュール120は1つだけの中間共振器を有するものに限定されず、図3に示すように、2つ若しくはそれ以上の中間共振器を有していても良い。供給側共振器110と装置側共振器130の間の転送距離が大きくなる場合では、供給側共振器110と装置側共振器130の間の長距離エネルギー転送を行うようにさらに多くの中間共振器を使用することもできる。
【0025】
本発明の実施形態では、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130のすべてが導電コイル構造による共振器として例示している。しかし、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130は他のタイプの共振器により実施されても良い。例えば、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130は誘電体円板構造、金属球体構造、メタロ誘電体(metallodielectric)球体構造、プラズモニック(plasmonic)球体構造、ポラリトニック(polaritonic)球体構造の共振器とすることができる。
【0026】
本発明の実施形態の共振器は、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130が実質的に同様な共振周波数を有する限りにおいてどのようなタイプの共振器も用いることができる。
【0027】
上述の開示において、中間共振器122は実質的に供給側共振器110と装置側共振器130の間の接続ラインの中間に位置している。しかしながら、中間共振器122の位置はこれに限定されない。中間共振器122は、接続線の外側に位置していても良い。好ましくは、中間共振器122と供給側共振器110の間の転送距離は供給側共振器110と装置側共振器130の間の転送距離よりも小さくされ、中間共振器122と装置側共振器130の間の転送距離は供給側共振器110と装置側共振器130の間の転送距離よりも小さくされ、共振器はどの方向に配設しても良い。K1とK2が実質的にK3よりも大きい限り、供給側共振器110と装置側共振器130の間のエネルギー結合が中間共振器122の配設によって増加されることは、本発明の保護の範囲内である。
【0028】
本発明の実施形態では、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130はソレノイド導電コイルによって生成される磁気エネルギーを介して相互に結合して、エネルギー転送を行う。しかしながら、本発明の当該実施形態のエネルギー転送システムは、磁気エネルギー結合によってエネルギー転送されるものに限定されない。本発明の当該実施形態のエネルギー転送システムは共振器で生成される電気的エネルギーによって相互に結合して、エネルギー転送を行うことができることが本発明の技術についての当業者の誰もが理解できるところである。
【0029】
シュミレーション結果:
【0030】
図2の供給側共振器110と装置側共振器130の間の転送距離Dは66mmとする。中間共振器122は供給側共振器110と装置側共振器130の間の接続線の中間に位置している。
【0031】
中間共振器122のソレノイド導電コイル構造SC2は、その断面が半径0.7mmの5m銅線を用い、ブラケットC2を巻くことで形成される。供給側共振器110と装置側共振器130はその断面が半径0.7mmの5m銅線を用い、それぞれブラケットC1、C3を巻くことで形成される。
【0032】
よって、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130の特徴的なパラメーターは、共振周波数fo、非装荷のQファクターQ、装荷のQファクターQ、外部QファクターQEXTとされる。これらの特徴的なパラメーターの値は、図4のテーブルに示す。
【0033】
図5を参照して、図2のエネルギー転送システムの挿入損失S21対周波数の関係図を示す。図5に示すように、24.4MHzの周波数では、エネルギー転送システム10の挿入損失S21は−10デシベルにほぼ等しい。数式
【数4】

によれば、対応する転送効率ηはほぼ10%に等しい。
【0034】
図6を参照すると、中間制御器を設けないエネルギー転送システムの斜視図が示されている。図6のエネルギー転送システム20は、当該エネルギー転送システム20が中間制御器を有していない点で、図2のエネルギー転送システム10と異なっており、供給側共振器110のエネルギーが直接装置側共振器130に結合される。
【0035】
図7は図6のエネルギー転送システム20の挿入損失対周波数の関係図を示す。図7に示すように、24.4MHzの周波数では、エネルギー転送システム20の挿入損失S21は−18デシベルにほぼ等しく、対応する転送効率ηはほぼ1.5%に等しい。図5と図7の比較から、中間共振器122を備えた本発明の当該実施形態のエネルギー転送システム10の転送効率η(ほぼ10%)は、中間共振器122を有しないエネルギー転送システムの転送効率η(ほぼ1.5%)よりもはるかに高くなる。
【0036】
図8を参照すると、米国特許2007−0222542号公報にしたがって設計され制御グループとして使用される無線のエネルギー転送システムが示される。共振器1と共振器2の間には転送距離D′がある。共振器1、2のエネルギーは、相互に(結合係数K4に対応して)結合して非放射エネルギー転送を行う。結合係数K4は2つの対応する共振器の間の転送距離に関連付けられる。
【0037】
図9を参照すると、図8の無線の電力転送システムの転送効率対転送距離のシミュレーションした模式図を示す。図9のシミュレーション条件は、共振器1、2が両方ともQファクターが1000のヘリカルコイル構造である。結合係数K4と共振器間の転送距離の関係は下の表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
図9に示すように、転送距離が200センチであるとき、転送効率は約43パーセントである。図2のエネルギー転送システムの転送距離Dを200cmとし、供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130の位置A、B、Cが図11A〜11Eに示すように変化したものとする。シミュレーションした結果を図10に示す。
【0040】
図10のシミュレーション条件は供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130のQファクターが全て1000に等しい点である。供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130の結合係数対いずれか2つの共振器の間の転送距離の関係は表1に列挙されている。
【0041】
図10、図11Aの両方を参照する。中間共振器122の位置Bが供給側共振器110の位置Aと装置側共振器130の位置Cの間の接続線の中間点に実質的に位置するとき、本発明の実施形態のエネルギー転送システム10の転送効率ηは実質的に図10の点n1である。すなわち、転送効率ηは90%である。図11Bを参照する。共振器1と共振器2の間の転送距離が実質的に200cmに等しいときその転送効率ηがほぼ43%に等しい図9の無線エネルギー転送システムに比べて、本発明の実施形態のエネルギー転送システム10は実質的により良い転送効率ηを有する。
【0042】
供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130の位置A、B、Cが図11Bに示すようなものであるとき、本発明の実施形態のエネルギー転送システムの転送効率ηは実質的に図10の点n2である。すなわち、転送効率ηは80%である。供給側共振器110、中間共振器122、及び装置側共振器130の位置A、B、Cが図11C、図11D、図11Eに示すようなものであるとき、本発明の実施形態のエネルギー転送システム10の転送効率ηは実質的に図10の点n3、n4、n5で示される。すなわち、転送効率ηはそれぞれ70%、55%、45%である。図9の無線エネルギー転送システムに比べて、図11A〜11Eに示した関係位置の種々の形式に従って本発明の実施形態のエネルギー転送システム10は実質的に、図8の無線エネルギー転送システム80よりまだ良い転送効率を有する。
【0043】
本発明のエネルギー転送システムによれば、中間共振モジュールが供給側共振器と装置側共振器の間に配設され、供給側共振器と装置側共振器の間のエネルギー結合をそれぞれ実施して、供給側共振器と装置側共振器の間の全体としての結合パラメーターと転送効率は両方とも向上する。従来の無線の非放射のエネルギー転送に比べて、本発明のエネルギー転送システムはより高いエネルギー転送効率を有し、低いQファクターの共振器によって高い転送効率を得る。低Qファクターの共振器は小さい容積を有するので、本発明のエネルギー転送システムはさらに小さい容積と低コストという利点を享有する。
【0044】
本発明は例示と好ましい実施形態によって説明されているが、本発明はこれらに限定されるものでないことは理解されるべきものである。一方、本発明は、種々の変形例や同様な配列や方法などを網羅するように意図したものであり、添付の請求項の範囲は、これら変形例や同様な配列や方法などを全て包含するように最も広い解釈に従うものとされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に従うエネルギー転写システムのブロック図である。
【図2】ソレノイド導電コイルによる図1のエネルギー転写システムを実施する例を示す模式図である。
【図3】2つ若しくはそれ以上の中間共振器を備えたエネルギー転写システムの例を示す模式図である。
【図4】供給側共振器、中間共振器、装置側共振器の特徴的パラメーターの例を示す表である。
【図5】図2のエネルギー転写システムの挿入損失S21対周波数の関係図である。
【図6】中間共振器を要しないエネルギー転写システムの模式的な斜視図である。
【図7】図6のエネルギー転写システムの挿入損失対周波数の関係図である。
【図8】米国特許US2007/0222542に従って設計され、制御グループとして使用される無線エネルギー転写システムの模式的な斜視図である。
【図9】図8の無線エネルギー転写システムの転送効率対転送距離のシミュレートした図である。
【図10】図2のエネルギー転送システムの供給側共振器、中間共振器、装置側共振器が図11A〜11Eに示すように位置A、B、Cに配されるときのシミュレーション結果を示す図である。
【図11A】図2のエネルギー転送システムの供給側共振器、中間共振器、装置側共振器の複数の位置関係を示す図である。
【図11B】図2のエネルギー転送システムの供給側共振器、中間共振器、装置側共振器の複数の位置関係を示す図である。
【図11C】図2のエネルギー転送システムの供給側共振器、中間共振器、装置側共振器の複数の位置関係を示す図である。
【図11D】図2のエネルギー転送システムの供給側共振器、中間共振器、装置側共振器の複数の位置関係を示す図である。
【図11E】図2のエネルギー転送システムの供cの複数の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
106 装荷回路
108 電力回路
110 供給側共振器
120 中間共振モジュール
122 中間共振器
130 装置側共振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の共振周波数を有し、エネルギーを受けるための供給側共振器と、
前記第1の共振周波数と実質的に同じ第2の周波数を有する中間共振モジュールと、
前記第2の共振周波数と実質的に同じ第3の周波数を有する装置側共振器とを有し、
前記供給側共振器のエネルギーは非放射エネルギー転送が前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間で行われるように前記中間共振モジュールに結合され、前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間の結合は第1の結合係数に対応するものとされ、
前記中間共振モジュールに結合したエネルギーは更に非放射エネルギー転送が前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間で行われるように前記装置側共振器に結合され、前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間の結合は第2の結合係数に対応するものとされ、
前記中間共振モジュールが存在していないとき、前記供給側共振器と前記装置側共振器の間の結合は第3の結合係数に対応するものとされ、
前記第1の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きく、前記第2の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きくされることを特徴とするエネルギー転送システム。
【請求項2】
前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間は磁気エネルギー転送が行われることを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項3】
前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間は電力エネルギー転送が行われることを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項4】
エネルギーを提供するための電力信号を生成する電力回路と、
前記電力回路により供給される電力信号を受けると共にその電力信号を出力する第1のインピーダンス整合回路と、
前記第1のインピーダンス整合回路から出力された電力信号を受ける第1の結合回路とを有し、
エネルギー転送が前記第1の結合回路と前記供給側共振器との間で行われて前記供給側共振器にエネルギーが前記供給側共振器に転送されるように前記第1の結合回路と前記供給側共振器は互いに接続されることを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項5】
前記供給側共振器によって受け取られたエネルギーを出力するため前記供給側共振器に互いに結合する第2の結合回路と、
前記第2の結合回路から出力されたエネルギーを受けると共にそのエネルギーを出力する第2のインピーダンス整合回路と、
前記第2のインピーダンス整合回路から出力されたエネルギーを受けて整流信号を得る整流回路とを有することを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項6】
前記中間共振モジュールは少なくとも1つの中間共振器を有することを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項7】
前記中間共振器は寄生容量を備えた導体コイル構造であることを特徴とする請求項6記載のエネルギー転送システム。
【請求項8】
前記中間共振器は誘電体円板構造を有することを特徴とする請求項6記載のエネルギー転送システム。
【請求項9】
前記中間共振器は金属球体構造を有することを特徴とする請求項6記載のエネルギー転送システム。
【請求項10】
前記中間共振器はメタロイド誘電体球体構造を有することを特徴とする請求項6記載のエネルギー転送システム。
【請求項11】
前記中間共振器はプラズモニック球体構造を有することを特徴とする請求項6記載のエネルギー転送システム。
【請求項12】
前記中間共振器はポラリトニック球体構造を有することを特徴とする請求項6記載のエネルギー転送システム。
【請求項13】
前記供給側共振器はソレノイドインダクタンス構造を有することを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項14】
前記装置側共振器はソレノイドインダクタンス構造を有することを特徴とする請求項1記載のエネルギー転送システム。
【請求項15】
エネルギーを受けるための供給側共振器を設け、
中間共振モジュールを設け、前記供給側共振器のエネルギーは非放射エネルギー転送が前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間で行われるように前記中間共振モジュールに結合され、前記供給側共振器と前記中間共振モジュールの間の結合は第1の結合係数に対応するものとされ、
装置側共振器と前記中間共振モジュールを結合するエネルギーを提供し、そのエネルギーは、非放射エネルギー転送が前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間で行われるように前記装置側共振器に結合され、前記中間共振モジュールと前記装置側共振器の間の結合は第2の結合係数に対応するものとされ、
前記中間共振モジュールが存在していないとき、前記供給側共振器と前記装置側共振器の間の結合は第3の結合係数に対応するものとされ、
前記第1の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きく、前記第2の結合係数は前記第3の結合係数よりも大きくされることを特徴とするエネルギー転送方法。
【請求項16】
前記供給側共振器、前記中間共振モジュール、前記装置側共振器は、それぞれ第1の共振周波数、第2の共振周波数、第3の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数、前記第2の共振周波数、及び前記第3の共振周波数は実質的に同一とされることを特徴とする請求項15記載のエネルギー転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【公開番号】特開2010−148273(P2010−148273A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323812(P2008−323812)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(508374195)ダーフォン エレクトロニクス コープ. (1)
【氏名又は名称原語表記】Darfon Electronics Corp.
【住所又は居所原語表記】31, Lane 17,Zihciang N. Road, Gueishan, Taoyuan 33347, Taiwan R.O.C.
【Fターム(参考)】