説明

エネルギー輸送およびデータ伝送複合システム、アダプター、光ファイバおよび光基板の使用方法、ロボット、および自動車

【課題】1本のケーブルで高速データ通信とエネルギー輸送を安全で簡便にできるエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム、光ファイバおよび光基板の使用方法を提供する。
【解決手段】データ送信部16から出た光信号とポンプ15から送り出された燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体とは、第1のアダプター14bを介して中空部を有する光ファイバーもしくは光基板11に導入されて伝送および輸送される。それから光信号と液体もしくは気体は、第2のアダプター14aを介してデータ受信部13と燃料電池12とにそれぞれ送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池のエネルギー源輸送と光ファイバによるデータ伝送を同時に実現するためのエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム、及びそれに用いるアダプター、さらに光ファイバおよび光基板の使用方法、ロボット、および自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報処理端末にとって最低限不可欠なエネルギー源輸送とデータ伝送を1本の線で同時に行うことは、利用者の利便上と配線の単純化のために最も望まれていることである。
現在まで、電子機器に必要なエネルギー源である電力の輸送として金属線(特に銅線)が用いられてきた。また、電子機器に送受信される電子データの輸送として、電気信号を用いた場合は金属線がもちいられ、光信号を用いた場合はファイバ(例えばガラス製、プラスチック製)が用いられてきた。
【0003】
まず、金属線でエネルギー輸送とデータ伝送を行う、従来のエネルギー輸送/データ伝送複合システムの第一としては、IEEE1394ネットワークシステムがある(例えば、特許文献1参照)。IEEE1394ネットワークは、エネルギー輸送として電圧を供給する銅線からなる電力線を用い、データ伝送として銅線からなる作動線を用いている。そのため、高周波帯において銅線が伝送できるデータ伝送速度に制限があった。類似のIEEE規格としてUSBがあり詳細な説明は省略するが、これも同様のシステムを利用している。
【0004】
また、金属線でエネルギー輸送とデータ伝送を行う、従来のエネルギー輸送/データ伝送複合システムの第二としては、電力線通信ネットワークシステムがある。電力線通信ネットワークは、商用電力の伝送線または配電線を伝送路として通信を行うもので、以下3つを初めとする利点があり、家庭内通信ネットワークとして特に注目を浴びている。
【0005】
1)既存の伝送線または配電線を使用でき、新たに通信のための伝送路を敷設する必要がない。
【0006】
2)単位長さ当りの信号減衰が小さい。
【0007】
3)構造上の強度が大きい。
【0008】
しかし、金属線を用いた特性上、以下3つを初めとする欠点を抱えている。
【0009】
1)高周波伝送特性が複雑である。
【0010】
2)雑音が大きい。
【0011】
3)電力線通信に使用できる周波数は電波法により10〜450kHzに制限されている。
【0012】
最近では、周波数拡散方式等による変調方式および誤り訂正処理等の発達により、電力線通信の問題が徐々に克服されてきた。ただ、電力線通信、特に多線式電力線を用いた電力線通信においては、電力線の構造上の問題から異なる相の電力線対間に接続された端末間で電力線通信を行うことができず、また電力トランスを越えた電力線間では電力線通信を行うことができない等の問題がある。この問題を解決する技術として、異なる電力線対間に接続された端末間および電力トランスを越えた電力線間においても電力線通信を行うことができるようにした電力線通信装置および電力線通信ネットワークが開発されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、電力線通信に使用できる周波数は電波法により制限されており、そのため光ファイバを用いた高速通信ネットワークに比べて通信速度がずっと低い。
【0013】
また、金属線でエネルギー輸送とデータ伝送を行う、従来のエネルギー輸送/データ伝送複合システムの第三としては、100Base-T規格LANケーブル内に電力線として銅線を内包させたケーブルによるネットワークシステムがある。これは現在IEEEで提案中であり、詳細はわかっていないが上記2つのエネルギー輸送/データ伝送複合システムと同様に、複数の線を1本にまとめるということに意義がある。
【0014】
次に、金属線でエネルギー輸送を行い光ファイバでデータ伝送を行う、従来のエネルギー輸送/データ伝送複合システムとしては、電力線と光ファイバを一体化した光電複合ネットワークシステムがある(例えば、特許文献4参照)。これは、情報伝達のための上り下り2本の光ファイバと電力線を一体化したものである。これにより情報量がたとえ多くなっても光ファイバによるデータ通信速度によって対応することができる利点があるが、ただ一体化しただけで複合化による新規性は見られない。
【0015】
ところで、近年の燃料電池開発の進展と共に用途により、エネルギー源が従来の電力線を用いた輸送電力からその場で発電を行う燃料電池に変わりつつある。燃料電池は、水素と酸素を反応させて電気を取り出す発電システムであり、大きく固体酸化物型燃料電池、固体高分子型燃料電池溶融炭酸塩型燃料電池、リン酸水溶液型燃料電池などに分類することができる。
【0016】
ここで大きな課題になっているのが、燃料電池のエネルギー源である水素ガス(メタノール、天然ガス由来の水素を含む)を燃料電池まで輸送する手段である。大規模システムで考えると、パイプラインを設置したり、高圧容器に詰めたりして水素の需要地(燃料電池システムが設置してある場所)まで輸送すると、輸送費用、貯蔵費用が膨大に掛かることが懸念される。小規模システムで考えても、カートリッジやボンベの作製・輸送・販売・交換に掛かるコストが膨大なだけでなく、水素源であるメタノールの発火特性から飛行機への持込みが現状では法律で規制されている。
【0017】
このような課題に対し、従来の燃料電池のエネルギー輸送システムとしては、分散型発電システムが考案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、低コストで水素を供給することが可能な水素供給システムとして、芳香族化合物の水素化誘導体からなる水素供給体の脱水素反応を利用して水素と芳香族化合物を取出すシステムを提案している。
【0018】
上記の課題を含みそれ以外にも、a.燃料補給インフラ構築の必要性、b.メタノールの安全性、c.温度マネージメント、d.流動性マネージメント、e.燃料補給の手間を利用者が受け入れるしくみ、f.単一電池サイズの燃料電池の作製、が燃料電池の課題として挙げられている(MIT Ignition Forum: Portable Energy, March 2003から引用)。とくに自動的に燃料が補給される仕組みを作ることが燃料電池の普及には重要である。
【特許文献1】特表2001−517355号公報
【特許文献2】特開平7−235897号公報
【特許文献3】特開2004−39351号公報
【特許文献4】特開平9−116498号公報
【特許文献5】特開2000−35521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら前記従来の構成では、燃料電池を用いて情報機器を作動させ、光ファイバによる高速データ通信を行う場合には、燃料電池のエネルギー源をつめたカートリッジ交換が必要になるとともに、燃料電池が情報機器と一体化していない場合には情報機器と燃料電池とを結ぶ電力線が必要になり、加えて上下2本の光ファイバ線が必要になるなど多くの配線が必要になる第一の課題があった。また、燃料電池のエネルギー源輸送の安全で簡便な方法がない第二の課題があった。
【0020】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、1本のケーブルで高速データ通信とエネルギー輸送を安全で簡便にできるエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム、光ファイバおよび光基板の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第1のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは、燃料電池と、前記燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器と、前記液体もしくは気体を輸送するポンプと、光通信のため光信号を送信する光信号送信部と、前記液体もしくは気体と前記光信号とを通過させる中空な光ファイバもしくは光基板と、前記光通信のため前記光信号を受信する光信号受信部と、前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記光ファイバもしくは光基板に送り込む第1のアダプターと、前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記光ファイバもしくは光基板から取り出す第2のアダプターとを備えた構成とした。この構成により、中空な光ファイバもしくは光基板が光信号と燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体との両方を通過させる媒体となり、少ない配線でエネルギー輸送と情報通信を行うことができる。
【0022】
本発明の第2のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは、燃料電池と、前記燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器と、前記液体もしくは気体を輸送するポンプと、光通信のため光信号を送信する2つの光信号送信部と、前記液体もしくは気体と前記光信号とを通過させる中空な第1の光ファイバもしくは光基板と、前記燃料電池の反応生成物と前記光信号とを通過させる中空な第2の光ファイバもしくは光基板と、前記光通信のため前記光信号を受信する2つの光信号受信部と、前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記第1の光ファイバもしくは光基板に送り込む第1のアダプターと、前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記第1の光ファイバもしくは光基板から取り出す第2のアダプターと、前記燃料電池の反応生成物と前記光信号とを前記第2の光ファイバもしくは光基板に送り込む第3のアダプターと、前記燃料電池の反応生成物と前記光信号とを前記第2の光ファイバもしくは光基板から取り出す第4のアダプターとを備えたものである。
【0023】
中空な光ファイバは、ホーリーファイバまたはフォトニックバンドギャップファイバであること好ましい。
【0024】
燃料電池は、水素と酸素とを反応させて発電を行うことが好ましい。
【0025】
本発明のアダプターは、中空な2本の光ファイバの端部同士あるいは中空な光ファイバと中実な光ファイバとの端部同士を接続するアダプターであって、互いの光軸を一致させるように2本の前記光ファイバの位置を制御する制御部と、前記光ファイバの端部の接続部を取り囲み、燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を内部に密閉する密閉部とを備えたものである。
【0026】
本発明の光ファイバの使用方法は、中空な光ファイバの使用方法であって、光信号の伝送手段として用いるとともに、中空な部分に気体あるいは液体を通過させて当該気体あるいは液体の輸送手段としても用いるものである。
【0027】
本発明の光基板の使用方法は、中空な光基板の使用方法であって、光信号の伝送手段として用いるとともに、中空な部分に気体あるいは液体を通過させて当該気体あるいは液体の輸送手段としても用いるものである。
【0028】
本発明のロボットは、上記の第1または第2のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを搭載したものである。
【0029】
本発明の自動車は、上記の第1または第2のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを搭載したものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によって、光データによる送受信と燃料電池のエネルギー源である液体と気体の輸送を同時に行うことが可能になり、1本のケーブルで高速データ通信とエネルギー輸送を安全で簡便にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態の一部において用いられる中空な光ファイバの一例についてまず説明を行う。
【0032】
光ファイバの中でもフォトニクス結晶の特異な性質を利用し、従来の方法では実現し得ない全く新しい機能を備えた光デバイスを作製することが可能になっている。フォトニクス結晶ファイバには様々な構造のものがあるが、光ファイバの長手方向に一様な二次元周期構造のフォトニクス結晶を備えたものを通常フォトニクス結晶ファイバ呼んでおり、導波原理の違いから、ホーリーファイバとフォトニクスバンドギャップファイバに大きく分類することができる。ホーリーファイバはクラッド部に空孔を設け、コアとクラッドの屈折率差を利用し、全反射によって光波をコア内に閉じ込めるものである。それに対し、フォトニクスバンドギャップファイバは、クラッド部に相当する領域にフォトニクスバンドギャップ構造を設け、ブラッグ反射によって光波をコア内に閉じ込めるものである。特に、フォトニクスバンドギャップファイバではコア部を空孔にすることが可能であり、その直径は10〜50μmにすることが可能である(例えば、特許文献5参照)。
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムの概略図である。図1においてエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム10は、中空部を持つ光ファイバもしくは光基板11により、燃料電池12および光通信のためのデータ受信部(光信号受信部)13の部分と、燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器ならびに送り出すポンプ15および光通信のためのデータ送信部(光信号送信部)16の部分とが、それぞれアダプター(第2のアダプター)14a、アダプター(第1のアダプター)14bを介して接続されている。
【0035】
中空部を持つ光ファイバ11は例えばフォトニクス結晶ファイバで構成されており、その材料はプラスチック系でもガラス系であってもかまわないが、伝送損失を低く抑えたい長距離のデータ伝送が必要な広域ネットワークではガラス系が望ましく、情報機器内の短距離のデータ伝送では低コストと曲げ損失の低さが重要であるのでプラスチック系が望ましい。ガラス系材料として、シリカガラス、石英ガラス、フッ化物ガラス、カルコゲン化物ガラスがある。またプラスチック系材料として、アクリレート系材料、ポリシロキサン系材料、ポリイミド系材料、ポリカーボネート系材料、ポリアセテート系材料などが挙げられる。なお、中空部を持つ光ファイバ11の具体的な例は、実施例において説明を行う。
【0036】
中空部を有する光基板11としては、図12に示される部品が搭載される2枚の樹脂基板124で挟まれた構造の光導波路120を挙げることができ、特にデバイス、モジュール、情報機器内のネットワークとして用いられる。特にデバイス、モジュール、情報機器内のネットワークとして用いられる。その仕組みとして、中空部122を伝送した光データ123は光部品121に入射して、そこで入力データが処理され、逆に光部品121から出射される出力データは、中空部122を経由して伝送され、他の光部品もしくは他の基板に情報伝達される。
【0037】
光通信のためのデータ受信部13は、光通信データ(光信号)の受光素子が配置されており、この受光素子は光センサに限定されず、撮像素子等を受光素子として用いても構わない。光通信のためのデータ送信部16は、光通信データの発光素子が配置されており、発光ダイオードに限定されず、レーザなどを発光素子として用いても構わない。
【0038】
燃料電池12は、水素と酸素を反応させて電気を取り出す発電システムであり、固体酸化物型燃料電池、固体高分子型燃料電池溶融炭酸塩型燃料電池、リン酸水溶液型燃料電池のいずれを用いてもかまわない。また燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体として水素ガスが最も代表的なものとして挙げられるが、メタノール、天然ガス、糖類化合物など化学反応により水素を抽出できるものであれば良い。その際に燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器ならびに輸送するポンプ15は、ステンレス材料、ポリエチレン材料などが望ましいが、それら液体もしくは気体と化学反応しない材料から構成されていれば構わない。通常、燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体は光ファイバ中空部内径が極めて細いため、毛細管現象によりポンプを必要とせず輸送することが可能であるが、毛細管現象による輸送では単位時間当たりの流量が少ないため、一般的には本実施形態のように加圧もしくは吸引による輸送ポンプを内蔵させる。
【0039】
アダプター14aは、詳細には図10に示した構造を有する。2つのアダプター14a,14bは同じ構造をしているが、第1のアダプターであるアダプター14bは燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体106と光信号107とを中空部を持つ光ファイバもしくは光基板11に送り込む働きを有している。また、第2のアダプターであるアダプター14aは燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体106と光信号107とを中空部を持つ光ファイバもしくは光基板11から取り出す働きを有している。アダプター14a,14bは水素ガスなど可燃性物質の外部への漏洩を防ぐ安全弁の機能を兼ね備えている。特に、光ファイバもしくは光基板11との接続部108と、燃料電池12との接続部109と、データ受信部13との接続部110において、充分な密閉が得られることが求められる。従ってアダプター14aの本体部104は密閉性の極めて高い空間105を形成していて、特に水素ガスを輸送する場合には爆発の危険性があるため、防爆構造になっている。なお、第1のアダプターであるアダプター14bにおいては、接続部109は燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器ならびに送り出すポンプ15と接続しており、接続部110はデータ送信部16と接続している。
【0040】
アダプター14aにおいては光信号を伝送する光ファイバー11とデータ受信部13との間の距離は接触し融着されている状態が最も望ましいが、光ファイバ11のコア径の2倍の距離までは許容できる。
【0041】
図3で示したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた広域ネットワークにおいて、本発明の実施の形態1に係るエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いると、基幹系ネットワークから光ファイバを通してデータがデータ送受信局を経由してエネルギー源供給施設に送受信され、中空部を持つ光ファイバ32の中空部部分に水素ガスなどのエネルギー源が注入され、その後、地上もしくは地下の中空部を持つ光ファイバ32を通して、家庭もしくは事業所にエネルギーとデータが同時に輸送することが可能になる。このような光ファイバ32は、地中に埋設したり電線に沿わせて電柱31を介して配設を行う。
【0042】
このような広域ネットワークにおいては複数の光ファイバで中継することが必要になる。その際には、光ファイバー112,112同士を図11で示した光ファイバ端末同士を接続するアダプター111で同軸接続する。アダプター111は、2本の光ファイバ112、112を互いの光軸が一致するようにつき合わせた状態となるように制御する制御部117と、2本の光ファイバ112、112の端部同士の接続部を取り囲んで燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体106がアダプター111外に洩れないように内部116に密閉する密閉部115とを備えている。そして密閉部115は防爆機能を備えている。アダプター111はこのような構造を有しているので、光ファイバ112,112間の接続において光信号を確実に一方から他方の光ファイバ112に伝送することができるとともに、光ファイバ112、112の中空部にて輸送される燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体106を外部に漏らすことなくファイバ接続を行うことができ安全である。
【0043】
アダプター111内における光ファイバ112,112間の距離は接触し融着されている状態が最も望ましいが、コア径の2倍の距離までは許容できる。
【0044】
また図4で示したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた中域ネットワークにおいて、本実施の形態に係るエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム10を用いると、水素ガスなどのエネルギー源が注入された中空部を持つ光ファイバ42が電柱41などの外部から家庭内に中継器43を通して引き込まれる。家庭内にある複数の情報機器1,2,3はすべて燃料電池を搭載しているとは限らないため、燃料電池非搭載の情報機器3はエネルギーとして電力が必要になり、逆に燃料電池搭載の情報機器1,2は水素ガスなどのエネルギー源を中空光ファイバで輸送する必要がある。そのため、中継器43は家庭内もしくは事業所にエネルギーを供給するために2種類の出口を有しており、1つからは水素ガスなどのエネルギー源を中空光ファイバ42が出て行って家庭内もしくは事業所に張り巡らされて直接に燃料電池搭載の情報機器1,2に接続され、もう1つからは配管44を介して独立した燃料電池にまず引き込まれてエネルギー源を供給して、それをもとに燃料電池が発電する。発電された電力は配電線45を介して燃料電池非搭載の情報機器3に供給されている。このように中空部を持つ光ファイバ42を通して、家庭もしくは事業所内にエネルギーとデータを同時に輸送することが可能になる。
【0045】
また図5で示したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた情報機器内の小域ネットワークにおいて、本実施の形態に係るエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた場合を説明する。
【0046】
外部中継器57から中空光ファイバ52を介して燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体と光信号とが情報機器に兼備された中継器53に入り、この中継器53によって、同時に入力された光信号データとエネルギー源とは別々に分けられる。水素ガスなどのエネルギー源は配管54によって情報機器内の小型燃料電池に輸送され発電される。発電された電力は配電線55を経由してコンデンサもしくは電池に蓄積され、そこからさらに別の配電線55を介してCPU(中央集積回路)などのIC、メモリ、ハードディスクに電力が供給される。また、光信号は中継器53からデータ配線56によってデータ受信回路に送られ、データ受信回路にて光データが電気データに変換され別のデータ配線56を介してハードディスクに蓄積される。このように中空部を持つ光ファイバ52を通して、情報機器内にエネルギーとデータを同時に輸送することが可能になる。
【0047】
以上のように、かかる構成にすれば、光データによる送受信と燃料電池のエネルギー源である液体と気体の輸送を同時に行うことが可能になり、1本の光ファイバまたは1つの光基板で高速データ通信とエネルギー輸送を安全かつ簡便にすることができる。また、システム構成を小型に且つ簡単な構造にすることができる。
【0048】
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2におけるエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム20の概略図である。実施の形態2に係るシステムは、2つの光ファイバもしくは光基板21,27を用いて双方向の光通信を行うシステムである。
【0049】
本実施形態では、エネルギー輸送およびデータ伝送複合システム20は、下りデータ送信のための中空部を持つ光ファイバもしくは光基板21と上りデータ送信のための中空部を持つ光ファイバもしくは光基板27とにより、燃料電池22と光通信のためのデータ受信部23の部分とデータ送信部26と燃料電池反応生成物(水)の輸送ポンプ25bと、燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器ならびに輸送するポンプ25aと光通信のためのデータ送信部26とデータ受信部23との部分と燃料電池反応生成物処理部29とがアダプター24a,24b,28a,28bを介して接続される構成となっている。下りデータ通信のためのアダプターが第1のアダプター24bおよび第2のアダプター24aであり、上りデータ通信のためのアダプターが第3のアダプター28aおよび第4のアダプター28bである。第1のアダプター24bにはデータ送信部26と液体もしくは気体を貯蔵する容器ならびに輸送するポンプ25aとが接続されており、第2のアダプター24aにはデータ受信部23と燃料電池22とが接続されている。また、第3のアダプター28aにはデータ送信部26と燃料電池反応生成物(水)の輸送ポンプ25bとが接続されており、第4のアダプター28bにはデータ受信部23と燃料電池反応生成物処理部29とが接続されている。材料に関する説明は、実施の形態1と同様のため省略する。
【0050】
例えば、下りデータ送信のための中空部を持つ光ファイバもしくは光基板21の中空部で燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を輸送すれば、燃料電池22で発電され電力が生成する以外に副生成物とし水もしくは水蒸気が生成されるため、それら水もしくは水蒸気を上りデータ送信のための中空部を持つ光ファイバもしくは光基板27の中空部で逆方向に輸送する。
【0051】
図3、図4、図5で示したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いたネットワークに本実施形態のシステムを応用することにより、光データによる送受信と燃料電池のエネルギー源である液体と気体の輸送を同時に行うことが可能になると同時に燃料電池の反応生成物を機器内に貯めないで外部に安全に排出することができ、1本の光ファイバまたは1つの光基板で高速データ通信とエネルギー輸送を安全で簡便にすることができる。また、システム構成を小型に且つ簡単な構造にすることができる。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態3は、自立歩行型ロボットにおいて、実施形態2に示すエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムであるダイレクトエタノール型燃料電池とフォトニクスバンドギャップファイバによる通信ネットワークを搭載したものである。
【0053】
コアに径10μmの空孔を持つフォトニクスバンドギャップファイバは、ロボット駆動に必要なエタノール貯蔵カートリッジから内蔵コンピュータへ、内蔵コンピュータからロボットの手足に内蔵されたセンサへ接続されている。センサは加速度センサと圧力センサなどから構成されており、フォトニクスバンドギャップファイバを通してセンシング情報を迅速に内蔵ンピュータに伝達し、次の行動に必要な動作を内蔵コンピュータからセンサに伝達される。また、内蔵コンピュータとセンサには小型のMEMS燃料電池が搭載されており、これにより電気エネルギーはMEMS燃料電池で生成されるため金属配線が不要になっている。
【0054】
従来、自立歩行型ロボットは電気的なデータ受発信では二足歩行が困難であるため、光ファイバ網が搭載されているものがある。しかし、同時に電気配線網が必要であるためロボット総重量の増加と、部品搭載空間の減少という課題があった。
ダイレクトエタノール型燃料電池とフォトニクスバンドギャップファイバによる通信ネットワークを搭載したことにより、自立歩行型ロボットにおいてエネルギー源と通信データの同時輸送だけでなく、軽量化とスリム化が可能になる。
【0055】
(実施の形態4)
実施の形態4は、ガソリン、軽油もしくはアルコールを燃料源とする自動車ならびに燃料電池において実施形態2に示すエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムである、燃料電池エネルギー源カートリッジと情報ネットワークを搭載したものである。
【0056】
コアに径10μmの空孔を持つフォトニクスバンドギャップファイバは、情報ネットワークのデータ回線とエネルギー源輸送管とを兼ねるものとして、燃料電池エネルギー源貯蔵タンクから内蔵コンピュータへ、内蔵コンピュータから自動車各部に内蔵されたセンサへ接続されている。センサは加速度センサ、圧力センサ、赤外線センサ、ミリ波センサなどから構成されており、フォトニクスバンドギャップファイバを通してセンシング情報を迅速に内蔵コンピュータに伝達し、次の行動に必要な動作が内蔵コンピュータからセンサに伝達される。また、内蔵コンピュータとセンサには小型のMEMS燃料電池が搭載されており、これにより電気エネルギーはMEMS燃料電池で生成されるため金属配線が不要になっている。
【0057】
燃料電池とフォトニクスバンドギャップファイバによる通信ネットワークを搭載したことにより、自動車においてエネルギー源と通信データの同時輸送だけでなく、軽量化とスリム化が可能になる。
【0058】
(実施の形態5)
実施の形態5は、ガソリン、軽油もしくはアルコールを燃料源とする自動車ならびに燃料電池において、実施形態2に示すエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムである燃料電池エネルギー源カートリッジと情報ネットワークを搭載したものである。
【0059】
コアに径10μmの空孔を持つフォトニクスバンドギャップファイバは、情報ネットワークのデータ回線とエネルギー源輸送管とを兼ねるものとして、自動車内に搭載されたコンピュータから座席インターフェースに取り付けられた接続ポートへつながっている。搭乗者が持ち込んだ燃料電池駆動の情報端末と接続ポートをフォトニクスバンドギャップファイバを用いて接続する。これにより自動車内に搭載されたコンピュータが保有する情報と燃料電池エネルギー源を同時に輸送することが可能になり、情報伝達と充電が同時に行うこと可能になる。
【0060】
次に上記の実施形態に用いられる光ファイバに関して従来例と実施例とを説明する。なお、従来例と実施例の構成と測定結果を図13に示す。
【0061】
(従来例)
図6は、従来の中実な光ファイバの構成を示す断面図である。従来の光ファイバ60はコア61、クラッド62、ジャケット63から構成されており、実用されているファイバの代表的な径の値としてはそれぞれ4μm、15.9μm、125μmであり、コア61はクラッド62よりも高屈折率の材料からなっている。このような材料としては、例えばクラッド62は石英、コア61は石英にゲルマニウムをドープしたものの組み合わせを挙げることができる。
【0062】
コア61とクラッド62との屈折率差及びクラッド62とジャケット63との屈折率差の代表的な値は、それぞれ0.75%および0.11%である。
【0063】
石英ガラスで構成された従来構造の光ファイバを用いて、光ファイバ損失を測定すると0.38dB/mになった。また、光ファイバ損失試験はJIS C 6823に従って測定した。
【0064】
(実施例1)
図7に示したホーリーファイバ70を実施形態1の中空な光ファイバ11として用いて、輸送するエネルギー源として水素ガスを用いたものでエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを形成した。ホーリーファイバ70は6つの孔71を有し、その空孔径は6.5μmである。また、水素ガスの屈折率は1.00である。水素ガスを圧力100mmHgを維持して流しながら、ホーリーファイバ70を用いて、光ファイバ損失を測定すると0.36dB/mになり、ほぼ従来例と同じデータ伝送特性を示せた。
【0065】
また、この光ファイバ70を用いて形成したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは正常に機能した。
【0066】
(実施例2)
図8で示したフォトニクスバンドギャップファイバ80を実施形態1の中空な光ファイバ11として用いて、輸送するエネルギー源として液体であるメタノールを用いたものでエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを形成した。図にははっきりと示していないが、クラッド部82には小径の孔が多数形成されている。なお、83はジャケットである。
【0067】
フォトニクスバンドギャップファイバ80の中空コア81の径は50μmである。メタノールの屈折率は1.33である。コア81にメタノールを流量100ml/secで流しながら、このフォトニクスバンドギャップファイバ80を用いて光信号を伝送した場合の光ファイバ損失を測定すると0.35dB/mになり、従来例とほぼ同等のデータ伝送特性を示した。
【0068】
また、この光ファイバ80を用いて形成したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは正常に機能した。
【0069】
(実施例3)
図8で示したフォトニクスバンドギャップファイバ80を実施形態1の中空な光ファイバ11として用いて、輸送するエネルギー源として液体である天然ガスを用いたものでエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを形成した。
【0070】
天然ガスの屈折率は1.00である。天然ガスを圧力100mmHgを維持して流しながら、フォトニクスバンドギャップファイバ80を用いて光信号を伝送した場合の光ファイバ損失を測定すると0.42dB/mになり、ほぼ従来例と同じデータ伝送特性を示した。
【0071】
また、この光ファイバ80を用いて形成したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは正常に機能した。
【0072】
(実施例4)
図9は、図8に示すフォトニクスバンドギャップファイバ80を2本まとめたケーブル90の断面外略図を示している。
【0073】
図9のケーブル90は、フォトニクスバンドギャップファイバ80を2本まとめて被覆91を施したものであり、このケーブル90を実施形態2の中空な光ファイバ21,27として用いて、輸送するエネルギー源として水素ガスを用いたもので実施の形態2のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを形成した。水素ガスの屈折率は1.00である。水素ガスを圧力100mmHgを維持して流しながら、フォトニクスバンドギャップファイバを用いて、光ファイバ損失を測定すると0.34dB/mになった。
【0074】
また、このケーブル90を用いて形成したエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは正常に機能した。
【0075】
(その他の実施形態)
上記の実施形態・実施例は本発明の例示に過ぎず、本発明はこれらの例に限定されない。例えば光ファイバや光基板は中空部を有するものであればどのようなものでも構わない。エネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを搭載する装置は、ロボットや自動車に限定されず、例えば工作機械や自動二輪車などでもよい。燃料電池のエネルギー源も水素や天然ガス、メタノールなどのアルコールに限定されず、水素を発生させる物質であれば例えば糖類等どのようなものでも構わない。図11に示される光ファイバー同士を接続するアダプターにおいて、接続する2本の光ファイバーは中空部を有する光ファイバーと中実な(中空部を有しない)光ファイバーとであっても構わない。この場合、アダプターに燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を取り出す取り出し口を設けても構わない。中空部を有する光ファイバーの中空部の径は1μm以上1mm以下であることが好ましい。1μm未満であると液体もしくは気体の流量が少なくなり燃料電池の発電量が小さくなってしまう。1mmを越えると光ファイバーの機械的強度が小さくなってしまう。また、中空な光基板の中空部の幅のうち最も短いところは、1μm以上1mm以下であることが好ましい。1μm未満であると液体もしくは気体の流量が少なくなり燃料電池の発電量が小さくなってしまう。1mmを越えると光基板の機械的強度が小さくなってしまう。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明にかかるエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムは、燃料電池と情報ネットワークを共に必要とする情報機器などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施の形態1に係るエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムの概略図である。
【図2】実施の形態2に係るエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムの概略図である。
【図3】エネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた広域ネットワークの概略構成を示すブロック図 である。
【図4】エネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた中域ネットワークの概略構成を示すブロック図である。
【図5】エネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを用いた情報機器内の小域ネットワークの概略構成を示すブロック図である。
【図6】中実な光ファイバの断面概略図である。
【図7】実施例1に係るホーリーファイバの断面概略図である。
【図8】実施例2,3に係るフォトニクスバンドギャップファイバの断面概略図である。
【図9】実施例4に係るフォトニクスバンドギャップファイバを2本まとめたケーブルの断面概略図である。
【図10】実施形態1に係るアダプターの断面概略図である。
【図11】光ファイバー同士を接続するアダプターの断面概略図である。
【図12】光基板の断面概略図である。
【図13】実施例で使用した条件とそのファイバ損失結果の一覧である。
【符号の説明】
【0078】
10、20 エネルギー輸送およびデータ伝送複合システム
11、32、42、52 中空部を持つ光ファイバもしくは光基板
12、22 燃料電池
13、23 光通信のためのデータ受信部
14a、14b アダプター
15、25a 液体もしくは気体を貯蔵する容器ならびに輸送するポンプ
16、26 光通信のためのデータ送信部
21 下りデータ送信のための中空部を持つ光ファイバもしくは光基板
24a、24b アダプター
27 上りデータ送信のための中空部を持つ光ファイバもしくは光基板
28a、28b アダプター
29 燃料電池反応生成物処理部
31、41 電柱
43、53 中継器
44、54 配管
45、55 配電線
56 配線
57 外部中継器
60 光ファイバ
61、72、81 コア
62、82 クラッド
63、73、83 ジャケット
70 ホーリーファイバ
71 空孔
80 フォトニクスバンドギャップファイバ
90 ケーブル
91 被覆部
104 本体部
105、116 空間
106 燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体
107 光データ
108 光ファイバとの接続部
109 接続部
110 接続部
111 アダプター
112 中空部を有する光ファイバー
115 密閉部
116 内部
117 制御部
120 光基板
121 部品
122 光導波路
123 光データ
124 樹脂基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器と、
前記液体もしくは気体を輸送するポンプと、
光通信のため光信号を送信する光信号送信部と、
前記液体もしくは気体と前記光信号とを通過させる中空な光ファイバもしくは光基板と、
前記光通信のため前記光信号を受信する光信号受信部と、
前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記光ファイバもしくは光基板に送り込む第1のアダプターと、
前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記光ファイバもしくは光基板から取り出す第2のアダプターと
を備えたエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項2】
燃料電池と、
前記燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を貯蔵する容器と、
前記液体もしくは気体を輸送するポンプと、
光通信のため光信号を送信する2つの光信号送信部と、
前記液体もしくは気体と前記光信号とを通過させる中空な第1の光ファイバもしくは光基板と、
前記燃料電池の反応生成物と前記光信号とを通過させる中空な第2の光ファイバもしくは光基板と、
前記光通信のため前記光信号を受信する2つの光信号受信部と、
前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記第1の光ファイバもしくは光基板に送り込む第1のアダプターと、
前記液体もしくは気体と前記光信号とを前記第1の光ファイバもしくは光基板から取り出す第2のアダプターと、
前記燃料電池の反応生成物と前記光信号とを前記第2の光ファイバもしくは光基板に送り込む第3のアダプターと、
前記燃料電池の反応生成物と前記光信号とを前記第2の光ファイバもしくは光基板から取り出す第4のアダプターと
を備えたエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項3】
中空な前記光ファイバは、ホーリーファイバまたはフォトニックバンドギャップファイバである、請求項1に記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項4】
中空な前記第1および第2の光ファイバは、ホーリーファイバまたはフォトニックバンドギャップファイバである、請求項2に記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項5】
前記燃料電池は、水素と酸素とを反応させて発電を行う、請求項1から4のいずれか一つに記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項6】
前記燃料電池のエネルギー源は、水素を発生させる物質である、請求項1から5のいずれか一つに記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項7】
前記燃料電池のエネルギー源である液体は、メタノール、エタノールまたは糖類である、請求項1または2に記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項8】
前記燃料電池のエネルギー源である気体は、水素または天然ガスである、請求項1または2に記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システム。
【請求項9】
中空な2本の光ファイバの端部同士あるいは中空な光ファイバと中実な光ファイバとの端部同士を接続するアダプターであって、
互いの光軸を一致させるように2本の前記光ファイバの位置を制御する制御部と、
前記光ファイバの端部の接続部を取り囲み、燃料電池のエネルギー源である液体もしくは気体を内部に密閉する密閉部と
を備えたアダプター。
【請求項10】
前記密閉部は防爆機能を備えている、請求項9に記載のアダプター。
【請求項11】
中空な光ファイバの使用方法であって、
光信号の伝送手段として用いるとともに、中空な部分に気体あるいは液体を通過させて当該気体あるいは液体の輸送手段としても用いる、光ファイバの使用方法。
【請求項12】
中空な前記光ファイバは、ホーリーファイバまたはフォトニックバンドギャップファイバである、請求項11に記載の光ファイバの使用方法。
【請求項13】
前記光信号の進行方向に垂直な断面において、前記光ファイバの中空な部分の径が1μm以上1mm以下である、請求項11または12に記載の光ファイバの使用方法。
【請求項14】
中空な光基板の使用方法であって、
光信号の伝送手段として用いるとともに、中空な部分に気体あるいは液体を通過させて当該気体あるいは液体の輸送手段としても用いる、光基板の使用方法。
【請求項15】
前記光信号の進行方向に垂直な断面において、中空な部分の幅のうち最も短いところは1μm以上1mm以下である、請求項14に記載の光基板の使用方法。
【請求項16】
請求項1または2に記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを搭載したロボット。
【請求項17】
請求項1または2に記載のエネルギー輸送およびデータ伝送複合システムを搭載した自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−42497(P2007−42497A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226588(P2005−226588)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】