説明

エプロンの取付構造

【課題】エプロンに荷重がかからないように支持しつつ、エプロンと他の部材とを乾式目地材を介して連結することができるエプロンの取付構造を提供する。
【解決手段】第1壁パネル40をエプロン3側の端縁に沿って折り曲げておき、洗い場パン1の堰部と浴槽のフランジ部との間に架け渡された固定部材5がエプロン3の左右端縁部30を支持するとともに、支持する箇所より洗い場パン1側に張り出してエプロン3の左右端縁部30との間に第1壁パネル40の折曲部400を挟み込む間隙を形成する張出部52を備え、この間隙に壁パネルの折曲部400を挟み込み、挟み込まれた第1壁パネル40の折曲部400とエプロン3の左右端縁部30との間に形成された目地部分に平面視略楔状の乾式目地材7を挿入して閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部とで支持されたエプロンの左右端縁部が洗い場パンから立ち上がる壁パネルに水密に取り付けられるエプロンの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽、床パン、壁パネル及び天井パネルなどの部品を工場で予め成型しておき、成型した各部品を現場に搬入してから組み立てる浴室ユニットが知られている。
【0003】
浴室ユニットは、現場でタイルを一枚一枚貼って仕上げていく在来浴室に比べて施工が簡単であり工期を短縮させることができるとともに、在来浴室に比べて部品点数を少なくして施工費用を少なくすることができるので、広く用いられている。
【0004】
しかし、浴室ユニットは、洗い場パンと浴槽との間に形成された空間をエプロンにより覆い隠す構造であるため、このエプロンが破損して入浴時の湯水が浸水しないよう工夫しなければならない。
【0005】
そこで、従来、洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部との間に固定部材を架け渡すことにより、浴槽のフランジ部にかかる入浴者の荷重を固定部材で受け止めてエプロンにまで及ばないようにしたエプロンの取付構造が提案されている(例えば、特許文献1)。その結果、上述した浴室ユニットの問題は、先に提案された特許文献1の構造により大幅に改善されることとなった。
【0006】
しかし、浴室ユニットは、エプロンの水密性のみならず、浴室内部の仕上がりの美しさが市場において求められている。そのため、浴室ユニットは、部材間に形成された目地部分が目地材で閉塞されることにより、目地部分への浸水を防ぐとともに目地部分の仕上がりが美しくなるように配慮されている。
【0007】
そこで、従来、ペースト状のシリコンコーキング剤(湿式目地材)を目地部分に充填して硬化させる方法が行われている。しかし、湿式目地材を用いた方法にあっては、充填されたシリコンコーキング剤が斑(むら)になりやすく、目地部分の水密が不完全となり、外観不良となるおそれがある。そのため、シリコンコーキング剤の充填には、作業者の高度な技能が要求される。
【0008】
また、シリコンコーキング剤は、充填されてから硬化するまで少なくとも12時間以上の時間を要する。そのため、施主は、施工が終了した場合であっても、直ちに浴室ユニットを使用することができずに不便を強いられる。
【0009】
更にまた、シリコンコーキング剤は、硬化するまでに何らかの外力を受けて変位するおそれがあるため、クラック(ひび割れ)が生じやすい。その結果、目地部分の水密が不完全となり、漏水事故を引き起こすおそれがある。
【0010】
そこで、従来、湿式目地材を用いた構造の代わりに、隣接する部材の間に形成された目地部分に、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素樹脂又はシリコーン樹脂などの樹脂で形成された乾式目地材を打ち込み、部材の端縁部を乾式目地材とともにジョイナーによって挟み込んで固定する構造が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−15910
【特許文献2】特開2005− 9203
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、先に提案された特許文献2の構造にあっては、部材同士を乾式目地材を介して連結することができるが、エプロンに荷重がかからないように部材を連結する構造となっていない。そのため、エプロンの取り付けにあっては、上述した構造とは別に、エプロンに荷重がかからないように支持しつつ、他の部材と乾式目地材を介して連結する構造が市場において求められている。
【0013】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、壁パネルをエプロン側の端縁に沿って折り曲げておき、洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部との間に架け渡された固定部材がエプロンの左右端縁部を支持するとともに、支持する箇所より洗い場パン側に張り出してエプロンの左右端縁部との間に壁パネルの折り曲げ部分を挟み込む間隙を形成する張出部を備え、この間隙に壁パネルの折り曲げ部分を挟み込み、挟み込まれた壁パネルの折り曲げ部分とエプロンの左右端縁部との間に形成された目地部分に平面視略楔状の乾式目地材を挿入して閉塞することにより、エプロンに荷重がかからないように支持しつつ、エプロンと他の部材とを乾式目地材を介して連結することができるエプロンの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るエプロンの取付構造は、洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部とで支持されたエプロンの左右端縁部が、洗い場パンから立ち上がる壁パネルに水密に取り付けられるエプロンの取付構造において、前記壁パネルは、前記エプロン側の端縁に沿って折れ曲がる折曲部を備え、洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部との間に架け渡されて前記エプロンの左右端縁部を支持する支持部と、該支持部から洗い場パン側に張り出して前記エプロンの左右端縁部との間で前記壁パネルの折曲部を挟み込む間隙を形成する張出部とを有する固定部材を備え、前記固定部材の間隙に挟み込まれた前記壁パネルの折曲部とエプロンの左右端縁部との間に形成された目地部分は、平面視略楔状の乾式目地材が挿入されて閉塞されていることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、壁パネルがエプロン側の端縁に沿って折れ曲がる折曲部を備えることにより、折曲部がエプロンに係わり合う部分となる。
また、固定部材が洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部との間に架け渡されることにより、固定部材が浴槽のフランジ部にかかる入浴者の荷重を受け止める。
また、固定部材がエプロンの左右端縁部を支持する支持部を備えることにより、固定部材がエプロンを支える。
また、固定部材が支持部から洗い場パン側に張り出してエプロンの左右端縁部との間で壁パネルの折曲部を挟み込む間隙を形成する張出部を備えることにより、固定部材がエプロンの左右端縁部との間で壁パネルの折曲部を挟み込んでエプロンと壁パネルとを連結する。
また、固定部材の間隙に挟み込まれた壁パネルの折曲部とエプロンの左右端縁部との間に形成された目地部分が乾式目地材により閉塞されることにより、目地部分からの浸水を防ぐとともに目地部分の外観意匠性を確保する。
また、目地部分に挿入される乾式目地材が平面視略楔状であることにより、壁パネルの折曲部が、乾式目地材の挿入深さに応じて固定部材の張出部側に押圧されて張出部と乾式目地材とで挟持される。
【0016】
また、本発明に係るエプロンの取付構造は、前記エプロンは、浴槽に向けて切り欠いた形状の係合部が浴槽側の面に設けられ、該係合部の切り欠き部分が浴槽側に先付けされたボルトの軸部に係合するように構成してもよい。
【0017】
本発明にあっては、エプロンの係合部を受け止めるボルトが浴槽側に先付けされているので、作業中にボルトが落下して紛失させることのないようにできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にあっては、エプロンに荷重がかからないように支持しつつ、エプロンと他の部材とを乾式目地材を介して連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るエプロンの取付構造を示す斜視図である。
【図2】図1に係るエプロンの取付構造を、洗い場パンの立ち上がり壁の中腹部分で横切断したときの断面斜視図である。
【図3】図1に係るエプロンの取付構造を、固定部材の張出部が壁パネルの折曲部を挟持する箇所で横切断したときの断面斜視図である。
【図4】図1に係るエプロンの取付構造を、隣接する壁パネルの折曲部を束ねた箇所で横切断したときの断面斜視図である。
【図5】図4とは異なる、隣接する壁パネルの折曲部を束ねた箇所で横切断したときの断面斜視図である。
【図6】図1に係るエプロンの取付構造を、ジョイナーが隣接する壁パネルの折曲部を束ねて挟持する箇所で横切断したときの断面斜視図である。
【図7】図1に係るエプロンの取付構造のうち、浴槽側に設けられた係合部を示す拡大斜視図である。
【図8】図1に係るエプロンの取付構造を、壁パネル、乾式目地材及び固定部材を外した状態で示す正面図である。
【図9】図8の一部を拡大した正面図であり、(a)はエプロンの上端部付近を拡大した正面図、(b)はエプロンの下端部付近を拡大した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るエプロンの取付構造を本実施の形態を示す図面に基づいて以下説明する。図面に示すとおり、浴室ユニットは、洗い場パン1と、浴槽2と、エプロン3と、壁パネル4と、固定部材5と、ジョイナー6と、乾式目地材7と、天井パネル(図示せず、以下同じ。)とを備える。
【0021】
洗い場パン1と浴槽2とは、設置面上に並行するように設置されている。洗い場パン1は、FRP(繊維強化プラスチック)などの合成樹脂材により形成された平面視略矩形の板部材であり、板の裏面の四隅から設置面に向かって延びる支持脚(図示せず)を備えている。支持脚は、設置面の架台の上に固定され、洗い場パン1を支えている。洗い場パン1は、堰部10と、嵌合凹部11とを備える。
【0022】
堰部10は、エプロン3の下端部を支えるための部分であり、堰部本体100と、堰部端101とを備える。堰部本体100は、洗い場パン1の浴槽2に最も近い端縁部に沿って盛り上がって堰を成し、盛り上がった堰の頂きにエプロン3の下端部を嵌め込むための嵌合凹部102を備える(図2参照)。堰部端101は、堰部本体100から連続する一部が、洗い場パン1の浴槽2に最も近い端縁部の二隅で折れ曲がって立ち上がっている部分である。堰部端101は、中腹部分に形成された載置面103を備える。
【0023】
嵌合凹部11は、洗い場パン1の端縁部のうち、堰部本体100が盛り上がる端縁部以外の端縁部に沿って溝状に形成されており、後述する第1壁パネル40の下端部が嵌り込む部分である。
【0024】
浴槽2は、洗い場パン1と同様に合成樹脂材により形成され、浴槽本体20の底面の四隅から設置面に向かって延びる支持脚(図示せず)を備えている。支持脚は、設置面の架台の上に固定され、浴槽2を支えている。また、浴槽2は、フランジ部21を備える。フランジ部21は、平面部210と、スカート部211と、壁パネル取付用の立ち上がり壁212とを備える。
【0025】
平面部210は、浴槽本体20の上端開口から水平方向に鍔状に張り出した部分である。スカート部211は、平面部210から垂れ下がり、浴槽本体20の外周壁との間にエプロン3の上端部を嵌め込むための嵌合凹部213を形成している。また、立ち上がり壁212は、洗い場パン1側の平面部210を除く全ての平面部210の端縁から立ち上がり、立ち上がりの中腹部分に後述する第2壁パネル41の下端部を載せるための載置面214が形成されている。また、立ち上がり壁212は、端部がフランジ部21より洗い場パン1側に張り出し、張り出した端部に螺子止め部分が設けられている。
【0026】
エプロン3は、洗い場パン1及び浴槽2と同様に合成樹脂材により形成された正面視略長方形の板状部材であり、洗い場パン1と浴槽2との間に形成された開口を水密に閉塞する。また、エプロン3は、左右端縁部30が化粧面より洗い場パン1側に僅かに張り出している。また、エプロン3は、化粧面の下方付近に点検口31と、この点検口31を塞ぐ点検口蓋32とを備える。また、エプロン3は、図7に示すとおり、点検口31近傍の浴槽側の面に係合部33が取り付けられている。係合部33は、浴槽2に向かって切り欠かれた切り欠き部34を備え、洗い場パン1の堰部本体100の浴槽側に先付けされたボルト35の軸部に切り欠き部34が嵌り込むようにされている。また、エプロン3は、図8及び図9に示すとおり、左右端縁部30の上端面及び下端面の化粧面側が膨らんで膨出部36を形成している。
【0027】
壁パネル4は、洗い場パン1、浴槽2及びエプロン3と異なり鋼板により形成された一枚板状の部材であり、図2乃至図6に示すとおり、洗い場パン1の嵌合凹部11に嵌り込んで立ち上がる第1壁パネル40と、浴槽2の立ち上がり壁212に支持されて立ち上がる第2壁パネル41とを備える。
【0028】
第1壁パネル40は、エプロン3側の端縁部が背面側に平面視略L字形に折り曲げられた折曲部400を備える。折曲部400は、折り曲げられた箇所から背面側に延びる折曲片と、折曲片の先端部が平面視略レ字形に折り返された折曲返し片とを備える。
【0029】
第2壁パネル41は、洗い場パン1側の端縁部が背面側に平面視略L字形に折り曲げられた折曲部410を備える。折曲部410は、折り曲げられた箇所から背面側に延びる折曲片と、折曲片の先端部が平面視略レ字形に折り返された折曲返し片とを備える。
【0030】
固定部材5は、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属材により形成された帯状部材であり、図1に示すとおり、洗い場パン1の堰部10と浴槽2のフランジ部21との間に架け渡されてエプロン3の左右端縁部30を支える。固定部材5は、支持部50と、取付端部51と、張出部52とを備える。
【0031】
支持部50は、エプロン3の左右端縁部30への貼付面を備え、貼付面の一部にエプロン3の左右端縁部30への螺子止め部分が形成されている。
【0032】
取付端部51は、支持部50から下方及び上方に延び出て、洗い場パン1の堰部10及び浴槽2のフランジ部21への貼付面を備え、貼付面の一部に螺子止め部分が形成されている。
【0033】
張出部52は、図1及び図3に示すとおり、支持部50から洗い場パン1側に張り出し、張り出した先端が平面視略Z字形に折れ曲がり、エプロン3の左右端縁部30の第1壁パネル40に向かう面に対向する対向面と、第1壁パネル40の背面に接触する接触面とを備える。張出部52は、対向面とエプロン3の左右端縁部30の第1壁パネル40に向かう面との間で平面視略コ字形を成し、エプロン3の左右端縁部30に沿って開口する間隙53を形成する。間隙53は、第1壁パネル40の折曲部400が嵌り込んだ状態で挟み込むができる程度に開いている。
【0034】
ジョイナー6は、図4乃至図6に示すとおり、第1壁パネル40の折曲部400と第2壁パネル41の折曲部410とを連結するための連結部材であり、帯状に形成されている。ジョイナー6は、平面視略コ字形を成し、長手方向に沿って間隙60が形成され、この間隙60の内側に折り込まれた挟持片61を備える。また、ジョイナー6は、図1に示すとおり、端部に浴槽2のフランジ部21の立ち上がり壁212に螺子込むための螺子止め部分が形成されている。
【0035】
乾式目地材7は、図2乃至図6に示すとおり、第1壁パネル40の折曲部400と第2壁パネル41の折曲部410との間に形成された目地部分や、第1壁パネル40の折曲部400とエプロン3の左右端縁部30との間に形成された目地部分を閉塞するための部材である。乾式目地材7は、目地部分に合わせて帯状に形成され、目地部分の水密性及び外観意匠性を確保するための目地材本体70と、挿入片71と、係止片72とを備える。目地材本体70は、目地部分を閉塞する帯状部分であり、アクリル系エラストマー(軟質アクリル)により形成されている。挿入片71は、目地材本体70から挿入方向に先細りするように平面視楔状に突き出しており、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)により形成されている。係止片72は、挿入片71の側面から突き出して挿入片71が間隙から抜けることを防ぐ部分である。
【0036】
このように、浴室ユニットは、複数の部材及び部分により構成されている。そこで、これらの部材及び部分が取り付けられた状態について説明する。まず、エプロン3は、現場にて、図1に示すとおり、左右端縁部30に固定部材5の支持部50が貼り付けられて螺子止めがなされる。このとき、固定部材5は、張出部52の対向面とエプロン3の左右端縁部30の第1壁パネル40に向かう面との間で平面視略コ字形を成し、間隙53を形成する。
【0037】
エプロン3は、上述する状態で上端部が浴槽2のフランジ部21の嵌合凹部213に嵌め込まれる。このとき、エプロン3は、図9に示すとおり、左右端縁部30の上端面の膨出部36以外の部分に形成された僅かな空間Fに止水材(図示せず)が貼り付けられる。なお、貼り付けられた止水材は、膨出部36により化粧面側から見えないようになっている。
【0038】
次に、エプロン3は、図1に示すとおり、下端部が洗い場パン1の堰部本体100の嵌合凹部102に嵌め込まれるとともに、左右端縁部30が洗い場パン1の堰部端101の載置面103に載せられる。また、エプロン3は、図7に示すとおり、係合部33の切り欠き部34が、洗い場パン1の堰部本体100の浴槽側に先付けされたボルト35の軸部に嵌り込む。このとき、エプロン3は、図9に示すとおり、左右端縁部30の下端面の膨出部36以外の部分に形成された僅かな空間Fに止水材(図示せず)が貼り付けられる。なお、貼り付けられた止水材は、膨出部36により化粧面側から見えないようになっている。
【0039】
エプロン3は、図1に示すとおり、上述する状態で固定部材5の取付端部51が、洗い場パン1の堰部端101と浴槽2のフランジ部21の立ち上がり壁212とに貼り付けられ、ドリルビスなどの螺子104と螺子215とを用いて螺子止めがなされる。また、上述した状態のボルト35は、点検口31から取り入れられた工具により締め付けられ、図7に示すとおり、軸部に嵌め込まれた係合部33を挟み付ける。このとき、エプロン3は、固定部材5により支持されて浴槽2のフランジ部21にかかる入浴者の荷重から守られた状態となる。
【0040】
次に、第1壁パネル40は、図2乃至図3に示すとおり、下端部が洗い場パン1の嵌合凹部11に嵌め込まれるとともに、折曲部400の下方部分が固定部材5とエプロン3の左右端縁部30との間に形成された間隙53に挟み込まれる。間隙53は、開口がやや窄まるように形成されているので、折曲部400の折曲片が奥まで挿入された状態で、窄まった開口が折曲返し片に係わり合って折曲部400を抜け難くする。このとき、第1壁パネル40の折曲部400とエプロン3の左右端縁部30との間には、目地部分が形成されている。また、第1壁パネル40は、背面が固定部材5の張出部52の接触面により支えられた状態となり安定している。
【0041】
次に、第2壁パネル41は、図4乃至図6に示すとおり、下端部が浴槽2のフランジ部21の立ち上がり壁212の載置面214に載せられる。第2壁パネル41は、上述した状態で、折曲部410が、先に取り付けられている第1壁パネル40の折曲部400のうちの間隙53に挟み込まれていない部分と束ねられ、束ねられた部分がジョイナー6の間隙60に挟み込まれる。このとき、束ねられた部分は、ジョイナー6の挟持片61により挟持される。ジョイナー6は、上述した状態で下端部が浴槽2のフランジ部21の立ち上がり壁212にドリルビスなどの螺子216を用いて螺子止めされる。このとき、第1壁パネル40の折曲部400と第2壁パネル41の折曲部410との間には、目地部分が形成されている。
【0042】
最後に、第1壁パネル40の折曲部400とエプロン3の左右端縁部30との間に形成された目地部分、及び、第1壁パネル40の折曲部400と第2壁パネル41の折曲部410との間に形成された目地部分には、図2乃至図6に示すとおり、乾式目地材7の挿入片71が挿入される。乾式目地材7は、挿入片71が目地部分の奥まで挿入された状態で、第1壁パネル40の折曲部400を固定部材5の張出部52の対向面側に押圧する。その結果、少なくとも、第1パネル40の折曲部400は、固定部材5の張出部52の対向面とエプロン3の左右端縁部30の第1壁パネル40に向かう面との間で挟持される。
【符号の説明】
【0043】
1 洗い場パン
10 堰部
100 堰部本体
101 堰部端
102 嵌合凹部
103 載置面
104 螺子
2 浴槽
20 浴槽本体
21 フランジ部
210 平面部
211 スカート部
212 立ち上がり壁
213 嵌合凹部
214 載置面
215 螺子
216 螺子
3 エプロン
30 左右端縁部
31 点検口
32 点検口蓋
33 係合部
34 切り欠き部
35 ボルト
36 膨出部
4 壁パネル
40 第1壁パネル
400 折曲部
41 第2壁パネル
410 折曲部
5 固定部材
50 支持部
51 取付端部
52 張出部
53 間隙
6 ジョイナー
60 間隙
61 挟持片
7 乾式目地材
70 目地材本体
71 挿入片
72 係止片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部とで支持されたエプロンの左右端縁部が、洗い場パンから立ち上がる壁パネルに水密に取り付けられるエプロンの取付構造において、
前記壁パネルは、前記エプロン側の端縁に沿って折れ曲がる折曲部を備え、
洗い場パンの堰部と浴槽のフランジ部との間に架け渡されて前記エプロンの左右端縁部を支持する支持部と、該支持部から洗い場パン側に張り出して前記エプロンの左右端縁部との間で前記壁パネルの折曲部を挟み込む間隙を形成する張出部とを有する固定部材を備え、
前記固定部材の間隙に挟み込まれた前記壁パネルの折曲部とエプロンの左右端縁部との間に形成された目地部分は、平面視略楔状の乾式目地材が挿入されて閉塞されていることを特徴とするエプロンの取付構造。
【請求項2】
前記エプロンは、浴槽に向けて切り欠いた形状の係合部が浴槽側の面に設けられ、該係合部の切り欠き部分が浴槽側に先付けされたボルトの軸部に係合するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載のエプロンの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−223345(P2012−223345A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93197(P2011−93197)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(501362906)積水ホームテクノ株式会社 (89)
【Fターム(参考)】