説明

エプロンの固定構造

【課題】意匠性を損なわずに、エプロンを外れることなく強固に固定できる固定構造を提供する。
【解決手段】浴槽防水パン12に浴槽2を設置し、この浴槽2の洗い場3a側にエプロン4aを固定する構造であって、エプロン4aの左右方向の端縁を浴室壁面を構成する壁パネル5aに当接させ、壁パネル5aの表面とエプロン4aの洗い場3a側の面とを平面視L型の固定金具15で固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の洗い場側に設けられるエプロンの固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、エプロンの裏側で左右の壁パネルに固設した金具を介して、浴槽の洗い場側に設置されるエプロンを左右の壁パネルに固定した構造が存在する。
【特許文献1】特公平3−16849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているエプロンの固定構造では、エプロンの裏側で金具を壁パネルに固定するものであるため、固定しにくく、また一旦エプロンを固定すると取り外しができないものであった。また、エプロンの固定と同時に洗い場側に設けられるカウンターを固定することはできず、エプロン固定用の金具とカウンター固定用の金具を別々に設けなければならないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、エプロンを強固に固定することができ、固定作業も容易となるエプロンの固定構造を提供せんとするものであり、その請求項1は、浴槽防水パンに浴槽を設置し、該浴槽の洗い場側にエプロンを固定する構造であって、前記エプロンの左右方向の端縁を浴室壁面を構成する壁パネルに当接させ、該壁パネルの表面と前記エプロンの洗い場側面とを平面視L型の固定金具で固定したことである。
【0005】
また、請求項2は、前記エプロンは、分割された上エプロンと下エプロンで構成され、前記上エプロンを前記固定金具で固定するとともに、前記下エプロンは前記上エプロンに対し取り外し可能に構成されていることである。
【0006】
また、請求項3は、前記固定金具を、前記壁パネルの洗い場側に設けられたカウンターが覆っていることである。
【0007】
また、請求項4は、前記固定金具に、前記カウンターを固定するためのブラケットを一体で設けたことである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、浴槽防水パンに浴槽を設置し、該浴槽の洗い場側にエプロンを固定する構造であって、前記エプロンの左右方向の端縁を浴室壁面を構成する壁パネルに当接させ、該壁パネルの表面と前記エプロンの洗い場側面とを平面視L型の固定金具で固定したことにより、L型の固定金具で洗い場側から容易にエプロンを壁パネルに固定することができ、エプロンが強固に固定されてエプロンが外れることがない。
【0009】
また、前記エプロンは、分割された上エプロンと下エプロンで構成され、前記上エプロンを前記固定金具で固定するとともに、前記下エプロンは前記上エプロンに対し取り外し可能に構成されていることにより、上エプロンは壁パネルに固定金具を介し強固に固定させておくことができ、また、下エプロンは取り外すことで、洗い場側から浴槽の底面側を良好に掃除することができるものとなる。
【0010】
また、前記固定金具を、前記壁パネルの洗い場側に設けられたカウンターが覆っていることにより、金具がカウンターで隠されて、極めてすっきりとした意匠性を呈したエプロンとカウンターの設置状態が得られるものとなる。
【0011】
また、前記固定金具に、前記カウンターを固定するためのブラケットを一体で設けたことにより、エプロンと壁パネルとカウンターとを1つの固定金具で連結することができ、カウンターとエプロンの隙間がばらつくことなく、極めてすっきりとした設置状態が得られるものとなる。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、浴室の内部配置構成図である。
浴室1内には浴槽2が設けられ、この浴槽2の洗い場3a側にはエプロン4が立設されている。このエプロン4からドア11側のドア側壁パネル5bに向かって、正面側壁パネル5aにはカウンター6が横設されており、カウンター6はドア側壁パネル5bにほぼ当接状態となっている。また、このカウンター6の上方には、連続状に水栓ハンドル8を前面に備えた水栓カバー7が設けられており、水栓ハンドル8にはシャワーヘッド9が連繋されている。また、シャワーヘッド9の側方の浴槽2側には、縦方向に握りバー10が正面側壁パネル5aに取り付けられている。
【0013】
図2は、浴槽のエプロンとカウンターの取付構造を示すカウンターを取り外した状態の要部拡大斜視構成図である。
浴槽2は、奥側壁パネル5cに奥側が当接されて設置され、右端側は正面側壁パネル5aに当接され、左端側も正面側壁パネル5aの対面側の壁パネルに当接されて設置されており、この浴槽2の底側は、洗い場3aを形成する洗い場パン3と連続した浴槽パン12上に載置されている。この浴槽パン12側の洗い場パン3には堤防部3bが立設されており、この堤防部3b上にエプロン4が立設状に取り付けられ、本例では、エプロン4は、上側の上エプロン4aと下側の下エプロン4bで構成されている。
上エプロン4aは、浴槽2および壁パネル5aに強固に固定され、上エプロン4aに対し下エプロン4bを着脱できるように構成されており、下エプロン4bを取り外して、洗い場3a側から浴槽パン12を掃除することができるように構成されている。
【0014】
なお、図3は、上エプロン4aに対し下エプロン4bを取り付けた状態の縦断面を示すものであり、下エプロン4bを固定させる際には、図3に示すように、下エプロン4bの上端を上エプロン4aの下端に係合させて、その状態で浴槽側へ下エプロン4bを押し込み、下エプロン4bの下端の爪を堤防部3b上に嵌め込むことで、下エプロン4bを取り外し可能に固定することができるものである。
【0015】
なお、上エプロン4aの上端は、図4に示すように、浴槽2に当接されるものである。即ち、浴槽2のフランジ部2aの先端には垂下片2bが一体形成されており、一方、上エプロン4aの上端には浴槽側へ水平状に水平片41が形成され、さらに水平片41から垂直片42が立ち上げられ、垂直片42の上端に略水平状に上端水平片43が形成されており、エプロンの垂直片42と浴槽の垂下片2 bとの間に、例えばスポンジテープ21aを介在させ、また、浴槽のフランジ部2aの裏側に補強用に垂設されたリブ2cにもスポンジテープ21bを取り付けておき、このスポンジテープ21bに上エプロン4aの上端水平片43の先端を当接させることで、がたつくことなく上エプロン4aを浴槽2のフランジ部2aの裏側に係合させることができるものである。
【0016】
なお、浴槽がFRP製である場合には、図4のようなエプロンの取付構造が採用されるが、浴槽2が人造大理石のような場合には、図5に断面図で示すようなエプロンの取付構造が採用される。
即ち、図5では、図6の斜視図で示すようなバネ金具22が用いられ、このバネ金具22は、浴槽のフランジ部2aの下面に垂設されたボス部2dに下ビス23で固定される固定片22aと、この固定片22aから一体状に垂下する垂下片22bと、垂下片22bの下端でU字状に上方へ向かい傾斜状に立ち上がる傾斜片22cと、傾斜片22cの上端で垂下片22b側へ上傾状に折り曲げられたバネ片22dと、バネ片22dの上端で垂下片22bから離れる方向に上傾した折曲片22eで構成されており、図5に示すように、ボス部2dにビス23で固定されたバネ金具22のバネ片22dに対し上エプロン4aの垂直片42の下端を当接させて、上エプロン4aの水平片41を浴槽の垂下片2bの下側に配置させて、上エプロン4aを浴槽2に取り付けることにより、バネ金具22のバネ片22dが上エプロン4aを上方へ押し上げて、上エプロン4aの水平片41を浴槽の垂下片2bの下端に押し付け状にし、がたつくことなく上エプロン4aを強固に浴槽フランジ部2aに当接できるものとなる。
【0017】
なお、本例では、上エプロン4aのカウンター6側の端縁は、L型固定金具15により壁パネル5aに固定されている。
L型固定金具15は、図7に拡大して示すように平面視略L型をなし、壁パネル5aに当接状に固定される壁固定片15aと、この壁固定片15aから直角に洗い場側へ突出するエプロン固定片15bで構成されており、エプロン固定片15bには、ネジ25を締め込むネジ孔15c,15cが形成されており、また、壁固定片15aには、タッピングビス24を通す通し孔15d,15dが形成されている。
【0018】
上エプロン4aの端縁の洗い場3a側の面にエプロン固定片15bを当接させ、上エプロン4aの裏側からネジ25を差し込んで、ネジ25をネジ孔15eに締め付け、エプロン固定片15bを上エプロン4aに固定させておき、この状態で、タッピングビス24を洗い場3a側から壁固定片15aの通し孔15d,15dに通して壁パネル5aに締め付け、壁パネル5aにL型固定金具15を介して上エプロン4aを固定することができ、上エプロン4aは強固に固定されて外れることがなくなる。
なお、洗い場3a側から壁パネル5aにL型固定金具15を固定することができるため、作業が洗い場3a側から容易に行なえるものである。
【0019】
なお、上エプロン4aの洗い場側の面の浴槽のフランジ部2aに近い位置には、図8に示すようにバックハンガー13が取り付けられている。このバックハンガー13は、図8に示すように、ビスで固定される横長孔13c,13cを形成した固定片13aと、固定片13aから上エプロン4aの表面との間に隙間を形成して横方向に突出する引っ掛け片13bで構成されている。
【0020】
また、図2に示すように、このバックハンガー13とL型固定金具15間の上エプロン4aの洗い場面側にカウンター支持金具14が取り付けられており、このカウンター支持金具14は、上端および下端側に上方および下方に突出する爪14a,14bを備えている。
また、壁パネル5aには、ドア側壁パネル5bに向かって間隔をおいて複数のカウンターブラケット16a,16b,16cが固設され、ドア側壁パネル5b側には隙間材17が固設されて、このカウンターブラケット16a,16b,16cおよび隙間材17上にカウンター6が取り付けられるものである。
【0021】
カウンター6は、上面6aと、上面6aの前端から垂下状に一体形成された前面6bと、前面6bの下端から上面6aと略平行に一体形成された底面6cと、上面6aの後端で一段高く一体形成されたバックガード6dを有し、また、前面6bの中央部には、洗い場側へ突出して洗面器を載せることのできる洗面器載せ部6eが一体形成されている。また、バックガード6dには、間隔をおいてビスキャップ18,18,18が嵌め込まれている。
また、カウンター6の左端縁には、上面6aから垂下状に係止爪6fが設けられ、また前面6bから壁パネル5a側へ向かって係止爪6gが設けられている。
【0022】
カウンター6は、前記バックハンガー13の引っ掛け片13bと上エプロン4a間に係止爪6gを係合させ、また、カウンター支持金具14の爪14aに係止爪6fを係合させて、上エプロン4a側にカウンター6の一端側が引き寄せられた状態で、カウンターブラケット16a,16b,16c上に載せられ、他端側が隙間材17上に載せられて設置されるものである。
【0023】
なお、図9に示すものは、L型固定金具の変更例を示すものであり、上エプロン4aとカウンター6を1つのL型固定金具150で隙間なく連結できるように構成したものである。
即ち、図9のL型固定金具150は、正面側の壁パネル5aに当接状に固定される壁固定片150aと、この壁固定片150aに対し略直角状に洗い場側へ突出するエプロン固定片150bを有し、このエプロン固定片150bの上縁には、L字状断面のカウンター上面引っ掛け片150cが一体形成され、このカウンター上面引っ掛け片150cにカウンター6の係止爪6fを引っ掛けて係止させることができるものである。
また、エプロン固定片150bの前端にも断面L字状のカウンター前面引っ掛け片150dが一体形成されており、このカウンター前面引っ掛け片150dには、カウンター6の係止爪6gを前面側から引っ掛けることができるものである。
【0024】
さらにエプロン固定片150bの下端にも断面L字状のカウンター底面引っ掛け片150eが一体形成されており、カウンター6の底面の係止爪を引っ掛けることができるものである。また、エプロン固定片150bには、配管Pを通すことのできる配管用開口150fが形成されている。
一方、前記壁固定片150aの上端側には、洗い場側へ水平状に突出してカウンター固定用ブラケット部150hが一体形成されており、その側方には、カウンターのバックガード6dを固定するためのバックガード固定部150iが一体形成されている。また、壁固定片150aの下端にも洗い場側へ突出してカウンター当接片150jが一体形成されており、このカウンター当接片150jがカウンターの底面6cに当接されるものである。
【0025】
この図9のようなL型固定金具150を用いれば、ネジ孔150gにネジを締め付けてエプロン固定片150bを上エプロン4aに固定させておき、この状態で、通し孔150kにタッピングビスを通して壁パネル5aに締め付けることで、壁固定片150aを壁パネル5aに固定させることができ、この状態でカウンター固定用ブラケット部150hおよびカウンター当接片150jにカウンター6を係合させて、さらにバックガード6dをバックガード固定部150iに固定させて、良好にカウンターを設置することができ、カウンター6と上エプロン4aは隙間がばらつくことなく、良好に上エプロン4aとカウンター6が連続した状態に1個のL型固定金具150で連結することができるものとなる。
【0026】
このようなL型固定金具150を用いれば、前述したバックハンガー13,カウンター支持金具14,L型固定金具15,カウンターブラケット16aを省略でき、この4つの金具を1個のL型固定金具150で代用させることができるものとなり、部品点数が少なくなり、上エプロン4aおよびカウンター6の固定作業が容易に行なえるものとなる。
【0027】
なお、図10に示すものは、浴槽2の左右の洗い場3a側に縦状に設けられる縦支持部材19であり、この縦支持部材19は、浴槽2が浴室の壁パネル間にぴったりと設置できる場合に機能することができ、縦支持部材19の前面19aに上エプロン4aの端縁が当接されるもので、縦支持部材19の内側側面19bには、U字状のゴム部材27の通し孔27a内に蝶ボルト26を差し込み、蝶ボルト26を縦支持部材19の内側側面19bにねじ込んで、蝶ボルト26とワッシャーを介してゴム部材27を予め取り付けておくことができ、このゴム部材27に対し、図11に概略図で示すエプロン4aの端側の側片44の内側に平行状に一体形成されたリブ45を、図12の平面拡大図で示すように嵌めこんで、リブ45を縦支持部材19に強固に連結することができ、上エプロン4aをがたつくことなく強固に固定できるものとなる。
【0028】
なお、前述したカウンター6上には、図13に示すように水栓カバー7が連結されるが、水栓カバー7内には水栓本体が隠蔽されて配置され、その前面に水栓ハンドル8が突出されるものであり、この水栓カバー7から垂下状に横断面コの字状の箱カバー28を垂設させて、この箱カバー28の下端をカウンター6のバックガード6d上に当接させて設置することで、カウンター6と水栓カバー7が箱カバー28ですっきりとした意匠性を呈して隙間なく連続状に配置されるものとなる。
【0029】
なお、この場合、カウンターブラケット16a,16b,16cの上下位置を調節することで、カウンター6のバックガード6dを箱カバー28の下端に良好に当接させることができるものである。
なお、この箱カバー28内には配管が縦方向に通され、水栓カバー7内の水栓本体に接続されるものである。
なお、カウンター6内にも配管が通されて、配管は上エプロン4aと浴槽2間の隙間内に配管されるものである。
【0030】
なお、カウンターのバックガード6dに取り付けられてカウンターブラケット16a,16b,16cを固定するためのビスを隠蔽させるビスキャップ18は、図14に斜視図で示すような形状となっており、水平状の上面18aの前端で垂下片18bが一体形成され、上面18aと垂下片18bを跨ぐように中央部で下方へ垂設されて係合爪18cが形成されており、この係合爪18cは、図15の側面図で示すような、先端が傾斜した形状に形成されており、良好にカウンターのバックガード6dに形成されている図示しない係合部にこの係合爪18cが係合されるものである。
【0031】
次に、浴槽2の左右の端縁を壁パネルに固定するために、図16に示すような端縁固定金具20が用いられている。
この図16の端縁固定金具20は、壁パネルに固定される固定片20aに複数の孔20e,20eが形成されており、下部にシール材29が貼着されている。また、固定片20aの上端には、内側へ水平状に折り曲げて水平片20bが形成され、さらに水平片20bから立上片20cが一体状に立ち上げられ、立上片20cの上端で傾斜状に折り曲げて傾斜ガイド片20dが一体形成されている。
【0032】
このような端縁固定金具20は、図17に示すように、壁パネル5aおよび対面側の壁パネル5dにビス30で固定片20aが固定されると、シール材29が壁パネル5dに当接した状態となり、浴槽2の垂下片2bを立上片20cと壁パネル5d間に差し込んで、良好に浴槽2を壁パネル5dに固定できるものである。また、孔20e,20eが複数あることから、浴槽2の垂下片2bに水平片20bを当接させて、浴槽2のがたつきを抑えることができる。
【0033】
なお、このような端縁固定金具20は、図18に分解図で示すような構造のものを採用することもできる。
図18に示す端縁固定金具20は、別に押圧金具31を用い、端縁固定金具20の固定片20aの中央部の、下方側が開放された逆U字状の開口の内側に上下にノコ歯状に形成されているノコ歯状係合部20fに対して、押圧金具31の中央部に突出している中央段部31aの側縁に同様に形成されているノコ歯状の係合部を係合させて、押圧金具31に対する端縁固定金具20の上下高さを適宜調整することができ、上下高さを調整して押圧金具31の通し孔31b内にワッシャーを介在させてビス30を通し、ビス30を端縁固定金具20の縦方向に長い長孔20e内に通して、ビス30を壁パネル5dに固定することができ、押圧金具31で強固に端縁固定金具20の固定片20aが壁パネル5dに固定され、端縁固定金具20の立上片20cを浴槽の垂下片2bに係合させて、強固に浴槽2を壁パネル5dに固定することができるものとなる。
【0034】
さらに端縁固定金具20は、図19に分解図で示すような構成部材で構成することもできる。
即ち、図19では、L金具50とバネ金具22が端縁固定金具20に連結されるものであり、L金具50は、側面壁パネル5dに固定される固定片50aの先端から直角に折曲片50bが一体形成されており、固定片50aには横長状の横長孔50cが形成されており、折曲片50bには縦長孔50dが形成されている。
また、バネ金具22は、L金具50の折曲片50bに固定される垂直な垂直片22fの下端から、前方側へ延びて更に上方へ向かって半円形状に湾曲された湾曲バネ片22gを備えている。
【0035】
図20に組み付け状態を示すように、端縁固定金具20の固定片20aをL金具50の固定片50aに当接させて、横長孔50cと縦長孔20eを整合させ、ネジ25を縦長孔20eから横長孔50cに通し、ネジ25を側面壁パネル5dの壁孔にねじ込んで固定することができ、縦長孔20eで端縁固定金具20の上下高さを調整して、良好に浴槽2の高さを調整できるものである。また、横長孔50cで横方向に移動させて、上エプロン4aの洗い場3a側への出代を調整できるものである。
【0036】
さらにL金具50の折曲片50bにバネ金具20の固定片22fを当接させて、折曲片50bの縦長孔50dによりバネ金具22の取り付け高さを調整し、これにより上エプロン4aの上下位置を調整できるものとなり、図21に示すように、上エプロン4aの水平片41の下端にバネ金具22の湾曲バネ片22gが当接して、バネ力により上エプロン4aを浴槽の垂下片2bの下端に押し付けて、上エプロン4aのがたつきをなくすことができるものである。
また、浴槽の垂下片2bは端縁固定金具20の立上片20cに当接され、また、上エプロン4aの側片44の後端がL金具50の折曲片50bに当接して、上エプロン4aのがたつきが良好に防がれるものとなる。
【0037】
次に、図22の要部縦断面図で示すものは、浴槽を奥側の奥側壁パネル5cにがたつくことなく取り付けるための構造であり、図23に斜視図で示すような奥側固定金具34が用いられ、この奥側固定金具34は、ビス36をビス孔34e内に差し込んで締め付けて奥側壁パネル5cに固定される固定片34aの上端に、水平片34bが一体形成され、水平片34bから上方へ立ち上げて立上片34cが形成され、立上片34cの上端側は傾斜状のガイド片34dとなっており、このガイド片34dおよび立上片34cには、スポンジテープ35などの弾性材が貼着されており、図22に示すように、このスポンジテープ35が浴槽の垂下片2bを奥側壁パネル5c側に押圧して、がたつくことなく強固に浴槽2を奥側壁パネル5cに固定できるものとなる。
【0038】
なお、奥側固定金具34は、図24の変更例で示すように、ゴムキャップ37をガイド片34dと立上片34cに上方から被せたもので構成することもでき、この図24の奥側固定金具34の取付状態は、図25に示す。
【0039】
次に、ドア側壁パネル5bとカウンター6の他端間の隙間を埋めるための隙間材17は、図26に示すような構造のものとしても良い。
ドア側壁パネル5bにビスで固定される固定片17aの上面には、上面載置片17bが形成され、さらに固定片17aの前面には垂下片17cが形成され、上面載置片17bの後端には一段高くバックガード載置片17dが形成されている。上面載置片17bおよびバックガード載置片17d上にカウンター6の上面6aおよびバックガード6dを載せて、カウンター6内に隙間材17を呑み込ませることで、カウンター6の他端縁とドア側壁パネル5b間の隙間を隙間材17ですっきりとした状態に塞ぐことができるものである。
【0040】
なお、図27は、隙間材17の変更例を示すものであり、図27の隙間材17は、垂下片17cの下端に水平状に折り曲げて回り込み片17eが一体形成されており、また、正面側壁パネル5aに当接する壁当接片17fが垂下状に形成され、縦方向に長い長孔17gが形成されたものである。
長孔17g,17g内にそれぞれビスを入れて、ビスをドア側壁パネル5bに締め付けて、ドア側壁パネル5bに隙間材17を上下高さを調節して固定することができ、この固定状態で壁当接片17fが正面側壁パネル5aに当接して、強固な固定状態が得られるものであり、この状態で図28に示すように、上面載置片17b上にカウンターの上面6aを整合させ、バックガード載置片17d上にカウンターのバックガード6dを整合させ、垂下片17cの前面にカウンターの前面6bを整合させ、回り込み片17eの下面にカウンターの底面6cを整合させて、カウンター6の他端内に隙間材17を呑み込ませて隙間を調整することができ、しかもカウンター6の他端側を強固に隙間材17で支持することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】浴室の内部配置構成図である。
【図2】カウンターを取り付ける前の浴槽とエプロンの設置状態を示す斜視構成図である。
【図3】2分割されたエプロンにおいて、上エプロンに下エプロンを取り付けた状態の縦断面拡大構成図である。
【図4】上エプロンを浴槽に係合させた要部縦断面図である。
【図5】バネ金具を用いて上エプロンを浴槽に係合させた状態の要部縦断面図である。
【図6】バネ金具の斜視構成図である。
【図7】エプロンを壁パネルに固定させるためのL型固定金具の斜視構成図である。
【図8】カウンターを引き寄せるためのバックハンガーの斜視構成図である。
【図9】エプロンと壁パネルとカウンターを連結させることのできるL型固定金具の斜視構成図である。
【図10】上エプロンを固定させるために浴槽側の左右方向端縁に設けられている縦支持部材の斜視構成図である。
【図11】上エプロンの左右方向の端縁の要部拡大斜視構成図である。
【図12】縦支持部材に取り付けられたゴム部材に上エプロンのリブを嵌め込んだ状態の平面拡大構成図である。
【図13】カウンターと水栓カバーを箱カバーで隙間なく連続させた状態の斜視構成図である。
【図14】カウンターのバックガードに嵌め込まれるビスキャップの斜視構成図である。
【図15】ビスキャップの係合爪の側面構成図である。
【図16】浴槽の左右方向端縁を壁パネルに固定させるための端縁固定金具の斜視構成図である。
【図17】端縁固定金具により浴槽を壁パネルに固定させた状態の縦断面構成図である。
【図18】端縁固定金具の変更例を示す分解斜視図である。
【図19】端縁固定金具の変更例を示す構成部材の分解斜視図である。
【図20】図19の構成部材を組み付け、上エプロンを取り付ける前の分解斜視構成図である。
【図21】端縁固定金具に浴槽と上エプロンを取り付けた状態の縦断面構成図である。
【図22】奥側固定金具により浴槽を奥側壁パネルに固定させた状態の縦断面構成図である。
【図23】奥側固定金具の斜視構成図である。
【図24】奥側固定金具の変更例を示す分解斜視構成図である。
【図25】図24の奥側固定金具を壁パネルに固定させた状態の縦断面構成図である。
【図26】隙間材の斜視構成図である。
【図27】隙間材の変更例を示す斜視構成図である。
【図28】図27の隙間材にカウンターを被せた状態の縦断面構成図である。
【符号の説明】
【0042】
1 浴室
2 浴槽
2a フランジ部
2b 垂下片
2c リブ
2d ボス部
3 洗い場パン
3a 洗い場
3b 堤防部
4 エプロン
4a 上エプロン
4b 下エプロン
5a 正面側壁パネル
5b ドア側壁パネル
5c 奥側壁パネル
5d 側面壁パネル
6 カウンター
6a 上面
6b 前面
6c 底面
6dバックガード
6e 洗面器載せ部
6f,6g 係止爪
7 水栓カバー
8 水栓ハンドル
12 浴槽パン
13 バックハンガー
14 カウンター支持金具
15 L型固定金具
15a 壁固定片
15b エプロン固定片
15c ネジ孔
15d 通し孔
16a,16b,16c カウンターブラケット
17 隙間材
17b 上面載置片
17c 垂下片
17d バックガード載置片
17e 回り込み片
17f 壁当接片
18 ビスキャップ
18c 係合爪
19 縦支持部材
19a 前面
19b 内側側面
20 端縁固定金具
20a 固定片
20b 水平片
20c 立上片
20d 傾斜ガイド片
20e 孔
21a,21b スポンジテープ
22 バネ金具
22a 固定片
22b 垂下片
22c 傾斜片
22d バネ片
22e 折曲片
22f 固定片
22g 湾曲バネ片
24 タッピングビス
25 ネジ
26 蝶ネジ
27 ゴム部材
28 箱カバー
29 シール材
31 押圧金具
34 奥側固定金具
35 スポンジテープ
37 ゴムキャップ
39 引っ掛かり防止金具
41 水平片
42 垂直片
43 上端水平片
44 側片
45 リブ
50 L金具
50a 固定片
50b 折曲片
50c 横長孔
50d 縦長孔
150 L型固定金具
150a 壁固定片
150b エプロン固定片
150c カウンター上面引っ掛け片
150d カウンター前面引っ掛け片
150e カウンター底面引っ掛け片
150f 配管用開口
150g ネジ孔
150h カウンター固定用ブラケット部
150i バックガード固定部
150j カウンター当接片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽防水パンに浴槽を設置し、該浴槽の洗い場側にエプロンを固定する構造であって、前記エプロンの左右方向の端縁を浴室壁面を構成する壁パネルに当接させ、該壁パネルの表面と前記エプロンの洗い場側面とを平面視L型の固定金具で固定したことを特徴とするエプロンの固定構造。
【請求項2】
前記エプロンは、分割された上エプロンと下エプロンで構成され、前記上エプロンを前記固定金具で固定するとともに、前記下エプロンは前記上エプロンに対し取り外し可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエプロンの固定構造。
【請求項3】
前記固定金具を、前記壁パネルの洗い場側に設けられたカウンターが覆っていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエプロンの固定構造。
【請求項4】
前記固定金具に、前記カウンターを固定するためのブラケットを一体で設けたことを特徴とする請求項3に記載のエプロンの固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−185317(P2007−185317A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5353(P2006−5353)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】