説明

エプロン

【課題】従来になかった機能性、快適性面での清潔感を与えるための抗菌性や、人が着用した場合の快適性のための適度な透湿性、制電性、撥水性を有し、また、荷物などの運搬、作業時の防滑性を同時に併せ保有する衣料用エプロンを提供せんとするものである。
【解決手段】カーボンブラック含有導電性繊維が3〜15重量%混用された布帛であって、該布帛中に含まれる全カーボンブラック量が0.1重量%以上であり、摩擦耐電圧が2kv以下である布帛から構成され、片面に樹脂被膜を有していることを特徴とするエプロン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンブラック含有導電性繊維が混用された布帛で構成され、片面に樹脂被膜を有し、その面の摩擦係数が高く、反対面の基布は摩擦係数が低く、優れた制電性と防滑性、透湿防水性、抗菌性などを有するエプロンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、繊維製品では機能性、快適性の高度化が求められている。例えば吸湿、保温、透湿防水、消臭、抗菌性、マイナスイオンなど様々な機能が要求されている中、従来の衣料用エプロンとしては、これまで数々のプリント加工品など開発されているが、ほとんど織り編み物の使用原糸、組織変化およびプリント加工での柄違い縫製仕様の違いだけのものであり、また、食品加工場、給食を調理する厨房などの作業エプロンでは、頻繁に水を流して水洗いなどを行うため防水加工のみ施したものはあるものの、透湿性などが付与されておらず、発汗時の不快感などを感じるものであり、さらなる機能性向上を求められている。
【0003】
また、作業環境などにより異なるが、多素材衣服を重ね着することにより発生する静電気なども不快を感じるものであり、改善が求められている。しかしながら、かかる従来技術において供給される布帛は、いずれも撥水性か抗菌性などのいずれかを単一の目的とするものであって、積極的に清潔感を与えるための抗菌性や、人が着用した場合に快適性のための適度な透湿性、制電性を有し、樹脂被膜のある面は滑り難くい加工を施し、荷物などの運搬、多作業時の防滑性を併せ保有するエプロンはこれまでに存在しなかった。
【0004】
なお、従来の衣料用エプロンとして、縫製使用を変えた方法は数多く提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
【特許文献1】特開2004−225202号公報
【特許文献2】特開2004−211256号公報
【特許文献3】特開平10−008302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、従来になかった機能性、快適性面での清潔感を与えるための抗菌性や、人が着用した場合の快適性のための適度な透湿性、制電性、撥水性を有し、また、荷物などの運搬、作業時の防滑性を同時に併せ保有する衣料用エプロンを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)カーボンブラック含有導電性繊維が3〜15重量%混用された布帛であって、該布帛中に含まれる全カーボンブラック量が0.1重量%以上であり、摩擦耐電圧が2kv以下である織物から構成され、片面に樹脂被膜を有していることを特徴とするエプロン。
【0007】
(2)抗菌加工されていることを特徴とする前記(1)に記載のエプロン。
【0008】
(3)JIS L 1092に基づく撥水性が4級以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のエプロン。
【0009】
(4)前記布帛がポリエステル系繊維を主体とし、目付が50g/m以上200g/m以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のエプロン。
【0010】
(5)前記樹脂被膜がポリウレタン系樹脂からなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエプロン。
【0011】
(6)用途が調理厨房用、食品加工場用、または作業用エプロンであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のエプロン。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来になかった 片面防滑布帛は、基布にカーボンブラック含有導電性繊維を交織し、片面に樹脂被膜を有し、その面の摩擦係数が高く、反対面の基布は摩擦係数が低く、優れた制電性と防滑性、透湿防水性、抗菌性などを同時に保有する衣料用エプロンを提供することがきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のエプロンに用いる布帛は、合成繊維、天然繊維などを使用することができ、特に限定されないが、工業洗濯耐久性を要求される用途においては、ポリエステル系繊維を主体とする布帛が好ましく、言い換えればポリエステル系繊維を50重量%以上含む繊維から構成されているものが好ましい。なお、ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートなどが好ましく使用される。また、かかるポリエステル系繊維を構成するポリエステルとしては、第3成分を共重合したものも使用することができ、かかる第3成分としては、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、メトオキシポリオキシエチレングリコールなどの共重合させたものが好ましく使用される。なお、本発明においては、ポリエステル系繊維の他に、例えばポリアミド、ポリアクリル系繊維、アセテート、レーヨン等の半合繊繊維、木綿、羊毛、絹、麻等の天然繊維が含まれていてもよい。構造、形状はいかなるものであってもさしつかえないが、好ましくは合成繊維を主体とした布帛状のもの、すなわち織物、編み物、不織布がよく、なかでも織物がよく、複合材料であってもよい。また、布帛の表面が立毛されているものを用いて、立毛面と反対面に樹脂被膜をコーテイングすれば、非常に手触りのよい片面防滑布帛が得られる。
【0014】
なお、布帛は、導電性繊維が3〜15重量%混用され、布帛中に含まれる全カ−ボンブラック量が0.1重量%以上であり、2.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5重量%未満である。0.1重量%に満たない場合には、制電性が不足する。一方、混用割合が2.0重量%を越えるときは、得られる織物の黒色化に伴い商品の種類が限定されるという不都合があるばかりでなく、制電性の向上効果は飽和し、更なるコストアップ等の問題がある。
【0015】
本発明で使用するカーボンブラック含有導電性繊維の繊度は、5dtex〜50dtexであることが好ましく、さらに好ましくは、10dtex〜25dtexある。
【0016】
また、カーボンブラック含有導電性繊維は、カーボンブラック粒子を含んだ帯電防止ポリマーが繊維表層に少なくとも一部露出したカーボンブラック含有ポリエステル系繊維が良い。また、該カーボンブラック含有導電性繊維は、布帛中に3〜15重量%、好ましくは4〜12重量%混用するものである。カーボンブラック含有導電性繊維の混用割合が3重量%に満たない場合には、制電性が不足する。一方、混用割合が15重量%を越えるときは、得られる布帛の黒色化に伴い商品の種類が限定されるという不都合があるばかりでなく、制電性の向上効果は飽和し、更なるコストアップ等の問題がある。
【0017】
本発明に用いる布帛は、摩擦帯電圧が2KV以下のものであることが好ましい。摩擦帯電圧が2KVを越える場合には、低湿度における身体への衣服まつわり、人体帯電による静電気などを防止することはできない。摩擦耐電圧は織物組織などの影響があるものの全カ−ボンブラック量に比例する傾向があり、2KV以下500V以上であることが好ましい。
【0018】
本発明で用いる樹脂被膜を構成する樹脂としては、特に限定していないが、例えば、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリル系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、エチレンビニルアルコール系、ポリオレフィン系エポキシ系、ゴム系樹脂としては、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴムなどを使用することができる。
【0019】
これらの樹脂の中でもポリウレタン系樹脂が柔軟で弾性率が大きいため防滑性があり、さらに発泡させた場合、透湿性もでてくるため好ましい。また温度差による性質が大きく変化しないので好ましい。
【0020】
かかる樹脂の付着量としては、好ましくは10〜100g/m、さらに好ましくは15〜70g/mの範囲で片面に付与にされているのがよい。10g/m未満であれば、摩擦係数が低く、対象布と防滑布帛との間で滑りやすくなり、防滑布帛の目的が達成できなくなる。また、100g/mを越えて付与されていても、重く硬くなるばりで、透湿性も悪くなり、コストも上昇し防滑布帛としては適さないものとなる。
【0021】
かかる樹脂を付与する方法としては、公知のコーティング法、ラミネート法などを採用すればよい。また、摩擦係数調整や透湿度の調整、軽量化のために、湿式凝固による微多孔化、発泡剤添加による乾式発泡などを採用すればさらに良い。
【0022】
また、かかる樹脂膜の中に、酸化チタン、カーボンブラック、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤等が含まれていてもよい。
【0023】
本発明は、摩擦係数は数値が大きくなるほど滑りにくくなる。樹脂被膜面の摩擦係数は1.0以上で、基布面の摩擦係数は0.3以下で、その差が0.70以上である防水性の片面防滑布帛を提供するものである。すなわち、樹脂面が滑りにくく、樹脂皮膜が施されていない反対面側が滑りやすい構造となっている。反対側の基布面の摩擦係数は、糸使いや織物または編み組織、目付により決まってくるが、比較的滑りやすい目付の軽いフィラメント使いの平織りの場合、0.1〜0.2の範囲であることが好ましい。若干滑りにくい目付の高い極細糸使いのスエード調人工皮革の場合は、0.5付近であることが好ましい。一方、滑りにくい樹脂被膜面は樹脂の種類や表面形態、樹脂付着量などの各種要因の組合せにより決まってくる。同じ樹脂を用いてコーテイングしても発泡ありとなしでは、発泡ありが滑りにくく、摩擦係数で約0.2の開きが生じる。一般的に柔らかい樹脂が摩擦係数が高く、硬い樹脂は低い傾向である。例えば、樹脂面をガラス板と接触するように載せて手で滑らそうとしても摩擦係数が0.6位のものから滑りにくくなり、密着状態となってくる。1.0では手で動かすことができなくなる。ゆえに、樹脂被膜面の摩擦係数は1.0以上が好ましく、3.0以下で十分な滑脱防止効果が得られる。なお、滑脱防止面から片面の樹脂被膜面摩擦係数は自重の2倍の抵抗2.0あればより好ましい。また、摩擦係数が1未満であると少し重い物の運搬時に滑る危険性を生じ好ましくない。また、樹脂被膜面と反対側の基布面の摩擦係数は作業者が着用している衣服との摩擦は小さいほど、静電気、衣服の着ぶくれなどの不快感がなく減少でき、好ましくは0.3以下であり0.04以上がよい。より好ましくは0.09と少ないほど良く、また、0.03以下であると着用衣類との摩擦力が低くなりすぎエプロン着用作業において運搬物の初荷重が全て樹脂面にかかり長期使用時に生地を早期に傷める危険性が生じる。よって樹脂被膜面の摩擦係数と基布面の摩擦係数の差は0.7以上であり2.0以下であれば本発明の用途への適応ができ充分である。
【0024】
また、生地の透湿度は3000g/m・24Hr以上であれば蒸れることもなく、快適に過ごすことができるので、好ましくは4000g/m・24Hr以上あればよい。なお、防水性の面から水が洩れなければよいので耐水圧の観点から耐水圧は200mmHO以上あればよいが、長期使用や洗濯耐久性を考慮すれば400mmHO以上あればより好ましい。
【0025】
また、生地の透湿度は3000g/m2・24Hr以上であれば蒸れることもなく、快適に過ごすことができる。なお、より好ましくは4000g/m2・24Hr以上あればより蒸れがなく快適感が得られ、透湿度は5000g/m2・24Hr以下で十分な性能を発揮できる。また、透湿度が3000g/m2・24Hrに満たない場合は、作業時などの発汗が衣服内にこもりベトツキ感を増し好ましくない。また、防水性の面から水が洩れなければよいので耐水圧の観点から耐水圧は200mmHO以上あればよいが、長期使用や洗濯耐久性を考慮すれば400mmHOあれば耐久性も得られ十分である。しかし、200mmHO未満であると洗濯耐久性がなく好ましくない。
【0026】
また、撥水性はあった方が、日常作業時に頻繁に水を流して水洗いなどを行うため使用の点から好ましく、撥水性は初期4級以上あればより好ましい。また、耐久性のある撥水性をもたせるには、フッ素系撥水剤とメラミン化合物、イソシアネート化合物等を併用した加工が好ましく採用される。
【0027】
本発明の片面防滑エプロンは、抗菌性を有する。ここで、抗菌性を有するとは、抗菌評価方法において、菌数増減値差が2.2以上(合格)を示すものをいう。
【0028】
かかる抗菌加工として通常の抗菌加工を用いればよい。一例として、特定の分子量のピリジン系抗菌剤を乾熱処理または湿式加熱処理により繊維に吸着させる方法がある。抗菌性の評価方法は、統一試験方法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離菌を用いた。
【0029】
本発明の片面防滑エプロンは、工業洗濯10回後でも、摩擦係数、制電性、透湿性、耐水圧、撥水性などの性能を満足するものが好ましい。
なお、本発明の片面防滑エプロンは、ホテル、レストラン、病院関係などの調理厨房および給食センタ−、一般の食堂などの日常頻繁に食品の調理、運搬、水(水洗い)などに従事する作業に適している。また、作業用エプロンとして、例えば、酒屋さんのビ−ル及びケ−スなどの荷物運搬、農作業時の荷物運搬など防滑、撥水を必要とする用途には幅広く活用でき適している。
【実施例】
【0030】
実施例に用いた評価は次の方法で評価した。
[摩擦係数の測定]
カト−テックス(株)製のKES−FB4を用いて測定した。糸目を通した20cm×20cmの試料を平滑な金属表面上におき、19.6cN/cmの一軸張力をかけ0.5mmの接触子を50gfの荷重で試料に圧着し、試料を0.1cm/secの速度で水平に2cm移動させたときの5回測定値の摩擦抵抗から平均摩擦係数(MIU)を求めた。
[摩擦帯電圧]
試験片を家庭洗濯条件(電気洗濯機、強条件、40℃×5分、洗濯石鹸0.2%濃度)で20回洗濯したものを風乾し、20℃、30%RHの雰囲気中に24時間以上放置し、この温湿度条件下でロータリースタティックテスターの回転体(400rpm)に試験片を取り付けて、木綿織物と摩擦し、1分後の試験片に帯電した電位(KV)を測定する。
[透湿度]
JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験法(カップ)」に基づいて測定した。
[耐水圧]
JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」に基づいて測定した。
[撥水性]
JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」に基づいて測定した。
[抗菌評価方法]
評価方法は、統一試験方法を採用し、試験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離菌を用いた。試験方法は、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準にしたがった。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格とした。ただし、Aは、無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは、無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは、加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。
[工業洗濯方法]
ドラム染色機を用い、花王(株)製洗剤「ザブ」2g/l、過酸化水素水(35%工業用)3cc/l、過炭酸ナトリウム1.5g/l、温度85℃±2℃、浴比1:20で15分間洗濯し、その後排液、脱水後、オーバーフロー水洗を10分間実施した。その後、脱水を行いこれを1回とした。最後にタンブラー・ドライヤーを用いて20分間乾燥した。
【0031】
[実施例1]
タテ、ヨコ共に110dtex−48フィラメントのポリエステル糸を用いて平組織で織り上げた。織り上がり密度はタテ80本/2.54cm、ヨコが77本/2.54cmであった。また、ポリエステル100%の56dtex−24フィラメントと22dtex−3フィラメントのカーボンブラック入り導電糸を撚数200t/mで撚合わせた糸を用い、タテ糸にタテ糸26本に対し導電糸を1本配列し、導電糸間隔は0.8cmであった。このものを通常加工にて精練、乾燥、中間セット、染色を行い、染色後カレンダーロールにて表面平滑仕上げを行った。次に下記組成のコーティングを行い、110℃×2分で乾燥し、その後150℃×1分の熱処理で発泡を行った。
【0032】
コ−ティング剤は、ポリウレタン溶液(大日精化工業(株)ハイムレンY−615)、メラミン架橋剤(大日精化工業(株)レザミンUM−30)、ニトリル系発泡性マイクロカプセル剤(大日精化工業(株)レザミンF−82)、希釈溶剤(トルエン)を用いた。
次に撥水剤水溶液を用い、パディングを加工(130℃×2分で乾燥し、その後170℃×1分の処理)を実施した。撥水剤水溶液は、フッ素系撥水剤(明成化学工業(株)アサヒガ−ドAG−7000)、メラミン系樹脂(住友化学工業(株)スミテックス レジMC)、有機アミン系触媒(住友化学工業(株)カタリストRC−W)を用いた。
【0033】
[実施例2]
まず初めに、2−ピリジルチオ−ル−1−オキシド亜鉛50gとナフタレススルホン酸のホルマリン縮合物20gおよびリグニンスルホン酸ナトリウム30gを水300gと共にスラリ−化し、次いでガラスビ−ズを用いて湿式粉砕処理を施し、平均粒径1μmのコロイド状態の抗菌剤組成物を得た。次に、抗菌剤を1%owf、分散染料を2%owf、均染剤を0.5g/l、浴比1:15、PH5、の浴中に実施例1で作製した染色前の織物を浸し、130℃×60分の条件で常法による染色加工を行った。次に実施例1と同じコ−ティングを行い同条件で加工した。撥水加工も実施例1と同条件で加工した。
以上の結果をまとめ表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
[評価結果]
このように本発明は、実施例1では樹脂面の摩擦係数は、0.92と高い値を示し滑り難い状態で、一方、生地面は、0.08と低い値を示し滑りやすい状態であり、織物中に含まれる全カ−ボンブラック量は、0.2重量%で摩擦帯電圧も1.8kvであった。また、透湿度は4000g/m2・24Hr以上あり蒸れることもなく快適性を有している。なお、実施例2では実施例1と同様の性能を示した。また、抗菌性を評価した結果、工業洗濯前で菌数増減差として4.6(2.2以上合格)、工業洗濯10回後で菌数増減差として4.5という高い抗菌性があることが判った。
【0036】
このように本発明は、生地の片面に樹脂被膜(摩擦係数、透湿性)、撥水剤、抗菌剤などを付与することにより高防滑性、抗菌性、および快適な透湿性に優れ、エプロン用途などで広く使用できるものが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラック含有導電性繊維が3〜15重量%混用された布帛であって、該布帛中に含まれる全カーボンブラック量が0.1重量%以上であり、摩擦耐電圧が2kv以下である布帛から構成され、片面に樹脂被膜を有していることを特徴とするエプロン。
【請求項2】
抗菌加工されていることを特徴とする請求項1に記載のエプロン。
【請求項3】
JIS L 1092に基づく撥水性が4級以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のエプロン。
【請求項4】
前記布帛がポリエステル系繊維を主体とし、目付が50g/m以上200g/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエプロン。
【請求項5】
前記樹脂被膜がポリウレタン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエプロン。
【請求項6】
用途が調理厨房用、食品加工場用、または作業用エプロンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエプロン。

【公開番号】特開2006−144193(P2006−144193A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338699(P2004−338699)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】