説明

エポキシ樹脂硬化物の分解方法

【課題】シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を効率良く分解することができるエポキシ樹脂硬化物の分解方法を提供する。
【解決手段】シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を、アルカリ金属塩およびアルカリ金属の水酸化物のうち少なくともいずれかのアルカリを共存させた亜臨界水に接触させて分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂硬化物の分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックの中でもエポキシ樹脂は、優れた電気絶縁性、耐熱性、機械的強度を示すため、シリカなどの無機充填材と硬化剤などの添加剤と混合、硬化、成形され、電気・電子部品、自動車部品などの材料として広く用いられている。しかし、一旦硬化したエポキシ樹脂硬化物は、熱硬化性樹脂である上に、無機充填材を多く含んでいることもあり、熱により軟化、融解せず、溶剤への溶解性も低いため、分解は容易ではない。このため、処分を埋立てに頼らざるを得なく、処分場の確保や環境への負荷などの課題が懸念される。
【0003】
これまでに報告されているエポキシ樹脂硬化物の分解方法としては、エポキシ樹脂硬化物を、塩基濃度2%以下の亜臨界水を反応溶媒として分解する方法を挙げることができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−242747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の分解方法は、エポキシ樹脂硬化物中の樹脂成分の再利用、そしてさらには同エポキシ樹脂硬化物中の無機充填材の再利用を前提にした分解方法であり、樹脂成分および無機充填材の両者をまとめて分解することについては検討されていない。すなわち、上記の分解方法は、エポキシ樹脂硬化物中の無機充填材の形態を変えずに同エポキシ樹脂硬化物中の樹脂成分を低分子化して両者を分級分離しており、樹脂成分は低分子化合物として、無機充填材は当初の形態のまま回収される。また、亜臨界水に塩基を共存させているが、これは樹脂成分の分解を促進させるためのものであり、塩基が無機充填材の分解(溶解)に寄与することは記載されていないし、塩基の具体的な種類も記載されていない。
【0006】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を効率良く分解することができるエポキシ樹脂硬化物の分解方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のエポキシ樹脂硬化物の分解方法は、シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を、アルカリ金属塩およびアルカリ金属の水酸化物のうち少なくともいずれかのアルカリを共存させた亜臨界水に接触させて分解することを特徴とする。
このエポキシ樹脂硬化物の分解方法においては、アルカリの添加量が、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して0.05重量部以上であることが好ましい。
【0008】
また、このエポキシ樹脂硬化物の分解方法においては、アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであることが好ましい。
【0009】
さらにまた、このエポキシ樹脂硬化物の分解方法においては、エポキシ樹脂硬化物を200〜350℃の亜臨界水に接触させることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を効率良く分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のエポキシ樹脂硬化物の分解方法における亜臨界水処理の一例を示すプロセスフローの模式図である。
【図2】本発明のエポキシ樹脂硬化物の分解方法における亜臨界水処理の別の一例を示すプロセスフローの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、上記のとおり、シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を分解する方法である。
【0013】
本発明において、エポキシ樹脂硬化物とは、分子内にエポキシ基を有する樹脂を硬化剤によって架橋ネットワーク化させた熱硬化性樹脂のことを指し、樹脂や硬化剤の種類は問わない。樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、O−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。硬化剤としては、例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物系硬化剤、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどのアミン系硬化剤、フェノールノボラック樹脂などのフェノール系硬化剤などを挙げることができる。
【0014】
エポキシ樹脂硬化物には無機充填材としてシリカが配合されている。シリカは、低熱膨張化、作業性改善、原材料の低コスト化を目的として使用され、例えば、エポキシ樹脂硬化物全量の40〜95質量%の割合で配合することができる。
【0015】
シリカの種類としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、微粉シリカなどを挙げることができる。シリカの粒子径、配合量は特に限定されない。例えば、レーザ回折散乱法などにより測定される平均粒子径0.1〜30μmの範囲のシリカを用いることができる。
【0016】
またエポキシ樹脂硬化物にはシリカ以外の無機充填材、水酸化アルミニウムなど難燃剤を含む各種の添加剤など、その他の成分が含有されていてもよい。
【0017】
エポキシ樹脂硬化物の分解方法における亜臨界水処理は、例えば、分解処理槽で行うことができる。図1は亜臨界水処理の一例を示すプロセスフローの模式図であり、以下、図1に沿ってエポキシ樹脂硬化物の亜臨界水処理を説明する。
【0018】
エポキシ樹脂硬化物の亜臨界水処理にあたっては、まず、分解処理槽1に処理対象のエポキシ樹脂硬化物を所定量投入する。
【0019】
分解処理槽1は、蓋部8を有する圧力容器であり、蓋部8が急速に開閉自在に作動するJISなどで定められた急速蓋開閉機構を備えていることが好ましい。ボルト締め方式によって蓋部8を開閉することもできるが、規模が大きい工業用装置において作業性を考慮すると急速蓋開閉機構によって蓋部8を開閉することが好ましい。
【0020】
図1の亜臨界水処理は、連続式の処理である。貯水槽2からの水が、ポンプ3により加圧され、熱交換器4で熱媒と熱交換をしながら加熱され、加圧熱水が分解処理槽1へ供給される。分解処理槽1内ではエポキシ樹脂硬化物と加圧熱水が接触してエポキシ樹脂硬化物の亜臨界水処理が行われる。分解処理槽1から排出した熱水は、貯水槽2から分解処理槽1に供給される水と熱交換しながら冷却され、また熱交換器5で冷水と熱交換しながら冷却され、圧力調整弁6を通じて、減圧される。減圧された水は有機物や無機物を含む場合もあるため、水循環排水設備7で有機物や無機物が取り除かれるなどの水処理が施されたうえで、大部分の水は貯水槽2に供給されて循環使用され、一部は排水される。貯水槽2内の水が不足する場合には、外部から水が適宜補給される。
【0021】
亜臨界水処理は、分解処理槽1内に加圧熱水を通水しつづけて行なわれてもよいが、一定時間通水した後、加圧熱水の供給を停止してそのまま加圧熱水を分解処理槽1内に保持することにより行われてもよい。本実施形態では、エポキシ樹脂硬化物の分解に必要な熱源がこの加圧熱水から供給されるので、分解処理槽1は断熱容器であることが望ましい。
【0022】
また、亜臨界水処理は、図2に示すようにバッチ式の処理で行うこともできる。この方式では、貯水槽2の水がポンプ11により分解処理槽1へ供給され、分解処理槽1に供給された水は所定の圧力に加圧され、また、分解処理槽1の周囲に設けられたジャケット12内を循環する熱媒により所定の温度に加熱される。分解処理槽1内では、図1の連続式の処理と同様、エポキシ樹脂硬化物と加圧熱水が接触してエポキシ樹脂硬化物の亜臨界水処理が行われる。
【0023】
分解処理槽1に供給される水には、アルカリを共存させている。アルカリは、アルカリ金属塩またはアルカリ金属の水酸化物であり、いずれか一方または両者を水に共存させてエポキシ樹脂硬化物を亜臨界水処理している。
【0024】
アルカリを共存させることでエポキシ樹脂硬化物に含まれるシリカを亜臨界水処理において溶解させることができる。またエポキシ樹脂硬化物の樹脂成分の加水分解反応を効果的に進行させて低分子化することができる。このようにエポキシ樹脂硬化物に含まれるシリカの溶解もしくはエポキシ樹脂硬化物の樹脂成分の低分子化、またはそれら両方の作用によりエポキシ樹脂硬化物が分解される。エポキシ樹脂硬化物に含まれるシリカ以外の無機充填材や添加剤なども溶解させることができる。例えば、難燃剤として配合された水酸化アルミニウムを亜臨界水処理において溶解させることが可能である。
【0025】
アルカリを共存させた亜臨界水処理によるシリカの溶解反応は下記反応式によると推測される。下記式はアルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合の推定反応式である。
SiO2 + 2NaOH → Na2SiO3(ケイ酸ナトリウム) + H2O
【0026】
アルカリの添加量は、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して0.05重量部以上であることが好ましい。かかる割合でアルカリを添加することにより、シリカを効果的に溶解したり、エポキシ樹脂硬化物の樹脂成分を効果的に低分子化したりすることができるなどエポキシ樹脂硬化物を効率良く分解することができる。アルカリの添加量は多いほどよく、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して例えば15重量部程度まで添加することもできる。廃液の処理などを考慮すると、好ましくはその上限値をエポキシ樹脂硬化物1重量部に対して2重量部に設定することができる。したがって、アルカリの添加量は、例えば、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して0.05〜2重量部とすることが好ましい。エポキシ樹脂硬化物をより一層効果的に分解するという観点から、アルカリの添加量はエポキシ樹脂硬化物1重量部に対して0.1〜1.5重量部の割合であることが好ましく、特に0.38〜0.5重量部の割合であることが望ましい。
【0027】
アルカリ金属塩の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを挙げることができる。エポキシ樹脂硬化物に含まれるシリカの溶解性および樹脂成分の低分子化、入手のし易さ、取り扱い性などを総合的に判断すると、これらアルカリのうち水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを好ましいものとして挙げることができる。
【0028】
図1や図2の分解処理槽1内の加圧熱水は亜臨界状態とされている。ここで、加圧熱水の取りうる温度範囲の下限値は、200℃である。加圧熱水の温度が200℃以上であれば、エポキシ樹脂硬化物を効率良く分解することができる。より効率良くエポキシ樹脂硬化物を分解するためには260℃以上であり、特に280℃以上であることが望ましい。加圧熱水の温度の上限値は、例えば樹脂の分解温度を考慮すれば350℃であるが、エネルギーコストなどを考慮すると300℃とすることができる。このように望ましい範囲としては260℃〜300℃、最適な範囲としては280℃〜300℃とすることができる。圧力は、例えば、2〜15MPa程度である。反応時間は2h〜15h程度とすることができる。
【0029】
亜臨界水処理は、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して水を1重量部以上添加して行うことができる。かかる割合で水を添加することにより、エポキシ樹脂硬化物を効率的に分解することができる。水の添加量は多いほどよく、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して例えば300重量部程度まで添加することもできる。分解処理槽の処理量や廃液の処理などを考慮すると、好ましくはその上限値をエポキシ樹脂硬化物1重量部に対して20重量部に設定することができる。したがって、亜臨界水処理は、例えば、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して水を1〜20重量部の割合で添加して行うことが好ましい。エポキシ樹脂硬化物をより一層効果的に分解するという観点から、亜臨界水処理はエポキシ樹脂硬化物1重量部に対して水を5〜15重量部の割合で添加することが好ましく、特に水を8〜15重量部の割合で添加することが望ましい。
【0030】
亜臨界水処理後は、減圧および冷水の通水により、分解処理槽1内が常温〜80℃程度まで冷却される。分解処理槽1を自然冷却することもできる。減圧、冷却後、分解処理槽1の蓋部8を開いてエポキシ樹脂硬化物の分解物を回収する。
【0031】
以上、アルカリを共存させた亜臨界水でエポキシ樹脂硬化物を処理することにより、エポキシ樹脂硬化物に含まれるシリカの溶解、エポキシ樹脂硬化物の樹脂成分の低分子化、またはそれら両方の作用により効率良くエポキシ樹脂硬化物を分解することができる。
【0032】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【実施例】
【0033】
<実施例1−6、比較例>
エポキシ樹脂硬化物Aによって封止されているTaコンデンサ(3mm*5mm*2.5mm)をプリント回路基板から取り外した。次いで、バッチ式のSUS316製分解処理槽(内容積21cm)にTaコンデンサを20個入れ、1.2mol/L NaOH水を約16g仕込み、亜臨界水処理した。ここで、NaOH水の添加量はエポキシ樹脂硬化物1重量部に対して260重量部、NaOHの添加量はエポキシ樹脂硬化物1重量部に対して13重量部である。また、亜臨界水処理時の圧力はその温度における飽和水蒸気圧である。
【0034】
亜臨界水処理は表1に示す条件で行い、Taコンデンサに含有されている金属からエポキシ樹脂硬化物の剥離のし易さの程度によってエポキシ樹脂硬化物の分解の程度を評価した。
【0035】
エポキシ樹脂硬化物中の樹脂成分が完全に分解(微粉化)して金属からエポキシ樹脂硬化物が剥離するか、もしくは流水によりエポキシ樹脂硬化物が剥離できたものを「◎」と評価した。また、スパチュラなどで軽くこそぎ落とすことでエポキシ樹脂硬化物が剥離できたものと「○」、ピンセットなどで力を入れてこそぎ落とすことでエポキシ樹脂硬化物が剥離できたものと「△」とし、剥離できなかったものを「×」と評価した。「◎」「○」「△」「×」の順にエポキシ樹脂硬化物の分解の程度が小さくなっており、「◎」は、エポキシ樹脂硬化物が最も良好に分解されている。
【0036】
なお、エポキシ樹脂硬化物Aは下記材料が使用されている。
エポキシ樹脂:ビスフェノールA
硬化剤:フェノールノボラック樹脂
無機充填材:シリカ(エポキシ樹脂硬化物全量中のシリカの配合量は76.9重量%である)
【0037】
【表1】

【0038】
280℃、6.4MPa、4hの条件(実施例4)で亜臨界水処理した後のエポキシ樹脂硬化物Aの分解率を算出したところ、76.9%であった。また、エポキシ樹脂硬化物Aのエポキシ樹脂成分の溶解率は82.3%であり、シリカの溶解率は77.4%であった。
【0039】
エポキシ樹脂硬化物Aの分解率、エポキシ樹脂成分の溶解率、シリカの溶解率は、次の方法にて算出した。亜臨界水処理終了後、分解液を固液分離し、ろ液としてエポキシ樹脂および硬化剤由来の有機物とシリカとが溶解した水溶液を回収した。ろ液に溶解した有機物をジエチルエーテルによって抽出し、ろ液中の有機物重量を算出して、エポキシ樹脂硬化物の分解率とエポキシ樹脂成分の溶解率を求めた。また、ろ液中のSi濃度をICP-AESによって分析し、シリカの溶解率算出の指標とした。
【0040】
表1によれば、実施例1−6のように200℃〜350℃の亜臨界水で処理するとエポキシ樹脂硬化物を効率良く分解することができた。特に260℃〜300℃、さらに280℃〜300℃の亜臨界水で処理するとエポキシ樹脂硬化物を金属から簡単に剥離することができ、エポキシ樹脂硬化物が良好に分解されていることが確認できた。
【0041】
比較例のようにアルカリを共存させないで亜臨界水処理した場合には、エポキシ樹脂硬化物を金属から剥離できず、エポキシ樹脂硬化物が良好に分解されていないことが確認できた。
【0042】
また、実施例1−6においてNaOH水に代えてKOH水で亜臨界水処理した場合でも、実施例1−6と同様の結果が得られることが確認できた。
<実施例7>
【0043】
実施例4において、Taコンデンサ20個の代わりに電子部品の封止材として用いられているエポキシ樹脂硬化物B2g(2mmアンダーの大きさ)を用いた以外は実施例4と同様にして亜臨界水処理した。エポキシ樹脂硬化物の分解率は48.3%であり、エポキシ樹脂成分の溶解率は5.2%であり、シリカの溶解率は62.6%であった。さらにエポキシ樹脂硬化物Cについてもエポキシ樹脂硬化物Bと同様に亜臨界水処理したところ、エポキシ樹脂硬化物の分解率は92.1%であり、エポキシ樹脂成分の溶解率は94.7%であり、シリカの溶解率は88.4%であった。
【0044】
エポキシ樹脂硬化物Bのろ液のICP-AES分析に関しては、難燃剤目的で用いられている水酸化アルミニウムの溶解率を算出するために、アルミニウムについても定量を行っている。
【0045】
なお、エポキシ樹脂硬化物Bおよびエポキシ樹脂硬化物Cは下記材料が使用されている。
・エポキシ樹脂硬化物B
エポキシ樹脂:クレゾールノボラック
硬化剤:フェノールノボラック樹脂
無機充填材:シリカ(エポキシ樹脂硬化物全量中のシリカの配合量は64重量%であ る)
難燃剤:水酸化アルミニウム(エポキシ樹脂硬化物全量中の水酸化アルミニウムの配合 量は11重量%である)
・エポキシ樹脂硬化物C
エポキシ樹脂:ビスフェノールA
硬化剤:酸無水物
無機充填材:シリカ(エポキシ樹脂硬化物全量中のシリカの配合量は40重量%であ る)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカを含有するエポキシ樹脂硬化物を、アルカリ金属塩およびアルカリ金属の水酸化物のうち少なくともいずれかのアルカリを共存させた亜臨界水に接触させて分解することを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の分解方法。
【請求項2】
前記アルカリの添加量が、エポキシ樹脂硬化物1重量部に対して0.05重量部以上であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化物の分解方法。
【請求項3】
前記アルカリ金属の水酸化物が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂硬化物の分解方法。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂硬化物を200〜350℃の亜臨界水に接触させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂硬化物の分解方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−188466(P2012−188466A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50699(P2011−50699)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】