説明

エポキシ樹脂粒子の製造方法及びエポキシ樹脂粒子

【課題】反応可能なエポキシ基を表面又はその近傍に有し、目的に応じたエポキシ基残存率を有するエポキシ樹脂粒子の製造方法及び該製造方法により得られたエポキシ樹脂粒子を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂化合物と多価イソシアネート化合物を水に懸濁させ、加熱硬化により架橋させ、加熱硬化後のエポキシ樹脂粒子中のエポキシ基の残存率が10〜95%であることを特徴とするエポキシ樹脂粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂粒子の製造方法及びそれにより得られるエポキシ樹脂粒子に関する。詳しくは、反応性樹脂フィラー、触媒用支持担体、分離剤、イオン交換樹脂のベースポリマー等として好適な、エポキシ基の残存率が高い樹脂粒子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ基を含有する樹脂粒子は、合成樹脂改質剤、イオン交換樹脂ベースポリマーの製造等に広く使用されている。例えば、特許文献1には、グリシジル(メタ)アクリレートとジビニルベンゼンとを特公昭37−13792号公報記載の方法で共重合させることにより、樹脂粒子を得ることが記載されている。また、特許文献2には、エポキシ樹脂と有機ポリマーと硬化剤とを含む相溶体の油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成し、そこへ水性液体を加えて水中油滴型(O/W)エマルジョンへ転相して乳化する工程を含むエポキシ樹脂粒子の製造方法が記載されている。さらに特許文献3には、エポキシ樹脂のエマルジョンに当量以下のアミン系硬化剤を加え、未反応のエポキシ基を残存させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭52−3989号公報
【特許文献2】特開平1−95134号公報
【特許文献3】特開2009−235120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法により得られるグリシジル(メタ)アクリレートとモノエチレン系不飽和単量体の共重合体では、水溶性修飾基、例えばN−メチル−D−グルカミン等を導入するとベースポリマーの膨潤もしくは溶解により粒子としての取り扱いが困難であった。さらに、使用する重合開始剤種により、グリシジル(メタ)アクリレートのグリシジル基自己開環が起こり、実質的にグリシジル基が残らない等の問題があった。
また、特許文献2の油中水滴型(W/O)エマルジョンから水中油滴型(O/W)エマルジョンへ転相する工程を含むエポキシ樹脂粒子の製造方法では、共存する硬化剤によるエポキシ基開環の問題があり、エポキシ基を残す樹脂粒子の製造には不適切であった。
さらに特許文献3の製造方法では、残存エポキシ樹脂を抽出してエポキシ樹脂を精製する方法であり、高い比率でエポキシ基を残存させる技術は開示されていない。
【0005】
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたもので、エポキシ基残存率が高いエポキシ樹脂粒子を製造する方法及び該製造方法により得られたエポキシ樹脂粒子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、多官能性イソシアネート化合物のイソシアネート基がエポキシ化合物中に存在する水酸基と優先的に反応することを用いることにより上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、エポキシ化合物と多価イソシアネート化合物を必須成分とし、それらの混合物又は有機溶剤により溶解したものを分散剤の存在下で水中に分散させて懸濁状態とし、この状態でエポキシ化合物中の残存水酸基と多価イソシアネート化合物を架橋させることを特徴とするエポキシ樹脂粒子の製造方法及び該製造方法により得られたエポキシ樹脂粒子である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所望のエポキシ基残存率を有するエポキシ樹脂粒子を確実にかつ容易に製造することができ、該エポキシ樹脂粒子を用いることにより、エポキシ基残存型の反応性樹脂フィラー、触媒用支持担体、分離剤、イオン交換樹脂のベースポリマー等を容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[樹脂粒子]
本発明のエポキシ樹脂粒子は、エポキシ化合物と多価イソシアネートの反応により得られる架橋型粒子であり、なおかつ樹脂粒子中にエポキシ基が残留している樹脂粒子である。この樹脂粒子はエポキシ化合物中に存在する水酸基と多価イソシアネート基が反応し結合されていることを特徴とし、その形状は球状、ほぼ球状のものが好適に使用できる。
【0010】
(エポキシ化合物)
本発明に用いるエポキシ化合物としては、エポキシ基及び水酸基を有する化合物であり、難水溶性であることが望ましいが水溶性でも使用でき特に限定されるものではない。エポキシ化合物としては、水酸基が自己開環や導入により形成された化合物が使用できるが、通常はエポキシ化合物の製造に伴い水酸基が残留するため特段の操作を必要としないで化合物の種類に制限されずに使用できる。
エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、レゾシノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類とエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したフェノール系グリシジルエーテル、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類をエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したアルコール系グリシジルエーテル、フタル酸、合成脂肪酸等をエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したグリシジルエステル等が挙げられる。これらのエポキシ化合物は単独、又は2種類以上の組み合わせで使用することもできる。
【0011】
(多価イソシアネート化合物)
本発明に用いる多価イソシアネート化合物は、2価以上のイソシアネート化合物であれば特に限定されない。2価以上の多官能イソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、L−リジンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4’−ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4’−ジフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンフェニルイソシアネート等が挙げられる。
これらの多価イソシアネートは単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。多価イソシアネートの使用量は、上記エポキシ化合物100質量部に対して、20〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
【0012】
(有機溶剤)
エポキシ化合物が固体エポキシ樹脂である場合、固体エポキシ樹脂を溶解するために有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、エポキシ化合物、多価イソシアネート化合物を溶解できる溶剤であれば特に限定されるものではないが、アルコール等の水酸基を含むものは多価イソシアネート化合物と反応を生じ易いので極力使用しないのが望ましい。好適に使用できる有機溶剤の具体例としては、塩化メチル、臭化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤、又はエステルエーテル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤が挙げられる。これらは単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
有機溶剤の使用量は樹脂組成物中において10〜70質量%程度となる範囲の量で使用することが好ましい。10質量%以上であれば、溶液として取り扱いが可能となり、水系へ分散が可能となる。また、70質量%以下であれば、合成中に会合がおきにくく反応の進行を妨げない
【0013】
(分散剤)
本発明の製造方法では上記エポキシ化合物と多価イソシアネート化合物を水に懸濁させるが、懸濁用の分散剤としては、特に限定されるものではないが、上記の有機溶剤と同様にアルコール等の水酸基を含むものは多価イソシアネート化合物と反応を生じ易いので極力使用しないのが望ましい。好適に使用できる分散剤の具体例としては、ポリアクリル酸等の親水性保護コロイド剤、ラウリル硫酸アンモニウム等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩等が挙げられる。更に、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の難水溶性金属化合物を用いてもよい。これら分散剤は単独もしくは2種以上混合して用いることができる。分散剤の使用量は特に限定されないが、通常、懸濁架橋反応系である有機相に対して、0.01〜10質量%の範囲で用いられる。0.01質量%以上では、油相の安定性が失われず油滴の合一や粒子の凝集が発生し難い。また10質量%以下では、微小な粒子が多量に生成することがなく、反応後の濾過や洗浄による分散剤の除去が容易になり易い。
【0014】
(反応媒体)
本発明の方法においては、反応媒体として水が用いられるが、イオン交換水、純水が好適に使用できる。
【0015】
(その他の成分)
必要に応じて多孔質化溶剤を用いることができる。多孔質化溶剤としては、重合反応に関与せず、前述のエポキシ化合物、多価イソシアネート化合物の溶液に均一に懸濁もしくは溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、水やヘキサン、ヘプタン、流動パラフィン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらは2種類以上の組み合わせで使用しても良い。1−プロピルアルコール、n−オクタノール等の脂肪族アルコール等は多価イソシアネート化合物との反応を生じ易く、極力除くことが好ましい。
【0016】
樹脂の補強剤として各種フィラーを用いることもできる。補強剤としては、特に限定されないが、具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機酸化物フィラー、銅、銀等の金属フィラー、ポリスチレン等の有機系フィラー等が挙げられる。
【0017】
[エポキシ樹脂粒子の製造方法]
本発明のエポキシ樹脂粒子の製造方法は、公知の水系の懸濁硬化反応を採用することができる。まず、反応槽に水と分散剤をとり、撹拌して水中に分散剤を分散又は溶解させ、前述のエポキシ化合物、多価イソシアネート化合物及び必要に応じて有機溶剤を含む樹脂組成物を加え分散させて、懸濁状態とする。このとき、加える樹脂組成物が室温付近で相溶していない場合、加熱することによって相溶させることができるが、加熱温度は水の沸点以下であることが好ましい。また、反応槽中の系はpH6〜8であることが好ましい。
次に、系内を反応温度に昇温し、懸濁状態の樹脂組成物を熱硬化させる。反応終了後、必要により各種蒸留操作を行って有機溶剤を取り除いて反応物を取り出し、ろ過によりエポキシ樹脂粒子を単離し、スラリー状等にして洗浄し、分散剤を除去した後、乾燥することによりエポキシ樹脂粒子が得られる。
【0018】
上記の製造方法により、エポキシ基が10〜95当量%、好ましくは60〜95当量%残存したエポキシ樹脂粒子が得られる。なお、エポキシ基残存率は、後述の方法により求めた値である。
本発明はまた、前述した製造方法により得られたエポキシ樹脂粒子をも提供する。
本発明の製造方法により得られるエポキシ樹脂粒子の平均粒子径は用途により適宜決定すればよいが、通常10μm以上5mm以下であることが応用製品の使用の観点から好ましい。また、反応性樹脂フィラーとして使用する場合、平均粒子径は20μm以上100μm以下であることが好ましく、イオン交換樹脂のベースポリマーとして使用する場合、平均粒子径は300μm以上1.5mm以下であることが好ましい。
なお、平均粒子径はマイクロスコープ(KEYENCE社 「VHX−200」)を用いて解析できる解像度で画像を撮影し、その画像から平均粒径を測定することができる。
【実施例】
【0019】
実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(1)エポキシ基残存率
エポキシ当量(計算値)
下式により反応前のエポキシ当量の計算値を求めた。
(式1)
P1=EP×[(m0+m1)/m0
P1:エポキシ当量(g/eq)の計算値
P:原料のエポキシ当量(g/eq)
0:使用したエポキシ樹脂の質量(g)
1:使用したポリ多価イソシアネートの質量(g)
(1−2)エポキシ当量(実測値)
100ml三角フラスコに製造された樹脂粒子0.5gを計量し、クロロホルム10mlを加えマグネチックスターラーで1時間撹拌を行い、酢酸20ml、20質量%臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液10ml、クリスタルバイオレット(1質量%酢酸溶液)を2滴加えた。この粒子懸濁溶液に0.1mol/L過塩素酸酢酸溶液を滴下し、緑色がつき始めた点を終点とした。同様の方法で空試験を行い、下式によりエポキシ当量を求めた。
(式2)
P2=1000×m/[(V1−V0)×c]
P2:エポキシ当量(g/eq)の実測値
m:試料の質量(g)
0:空試験における終点までの滴定に消費した過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
1:終点までの滴定に消費した過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
c:標評時の過塩素酸酢酸溶液の濃度
上記方法により算出したエポキシ当量から、下記の式(3)よりエポキシ基残存率(%)を求めた。
(式3)
エポキシ基残存率=[エポキシ基当量(計算値)/エポキシ基当量(実測値)]
×100
【0020】
エポキシ基残存率(IRスペクトルによる)
IRスペクトルからのエポキシ基残存率は、約910cm-1付近のエポキシ基と、エポキシ樹脂からのみ確認された約1,130cm-1付近のエーテル結合の透過率の比から算出した。
(式4)
IR法によるエポキシ基残存率(%)={[(合成後のエポキシ基の透過率(%))/(合成後のエーテル結合の透過率(%))]÷[(合成前のエポキシ基の透過率(%))/(合成前のエーテル結合の透過率(%))]}×100
【0021】
(実施例1)
エポキシ化合物(東都化成社製、商品名「YDCN−704」エポキシ当量210g/eq)6質量部を酢酸エチル4質量部に溶解した後、ポリイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD−110N」NCO含有率12% 75質量%酢酸エチル溶液)5質量部、酢酸エチル5質量部を混合し、これを油相とした。300mlフラスコにイオン交換水150質量部、分散剤(燐酸カルシウム 2質量%)25質量部、分散剤(花王社製、商品名「ラテムルAD−25」20質量%水溶液)1質量部を混合し、これを水相とした。次いで水相に上記油相を添加して懸濁液を調整した。この懸濁液を系内温度60℃まで加熱し2時間撹拌を行い樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を3質量%塩酸でPH1.5まで添加し洗浄した。得られた樹脂粒子の平均粒径は1.41mm、エポキシ基残存率は88.4%であった。また、IRスぺクトルからのエポキシ残存率は87.9%であった。
【0022】
[実施例2]
ポリイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD−110N」)を5質量部から10質量部に変更した以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂粒子を得た。得られたエポキシ樹脂粒子について評価した結果を表1に示した。
【0023】
[実施例3]
ポリイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD−110N」)を同社製「タケネートD−140N」(74.9質量%酢酸エチル溶液)に変更した以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂粒子を得た。得られたエポキシ樹脂粒子について評価した結果を表1に示した。
【0024】
[比較例1]
実施例1で使用したエポキシ化合物24質量部と、ポリイソシアネート(三井化学社製、商品名「タケネートD−110N」)をチタンテトラアセチルアセテート(マツモトファインケミカル社製 「オルガチックスTC−401」7.4質量部)に変更し、また有機溶剤をトルエン19質量部、イオン交換水を200質量部に変更した以外は実施例1と同様にして懸濁液の調整を行ったが、油滴が合一してしまい、粒子として取り出すことができなかった。
【0025】
[比較例2]
実施例1で使用したエポキシ化合物20質量部、フェノール樹脂(昭和高分子社製、商品名、「BRG558」 水酸基当量106g/eq)2質量部、硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製、商品名「2E4MZ」)0.2質量部、溶剤としてトルエン23質量部を混合し、60℃で加熱溶解させた。得られた樹脂溶液をポリビニルアルコール(8質量%)1質量部存在した水媒体へ懸濁し90℃にて8時間硬化反応を行った。
得られたエポキシ樹脂懸濁液を水蒸気蒸留法にてトルエンを除去後に濾過し、水洗浄を繰り返して分散液を除去し、洗浄完了した後、40℃にて乾燥を行った。
得られたエポキシ樹脂粒子のエポキシ基当量を、前記の方法により測定したところ711g/eqであった。また、該エポキシ樹脂粒子のエポキシ基残存率は約30当量%であり、これは理論値80当量%を大きく下回り、エポキシ化合物の暗反応を止めることが出来なかった。IR法からのエポキシ基残存率の計算については、得られたエポキシ樹脂粒子の1,130cm-1の透過率が明確でなく確認できなかった。
【0026】
【表1】

【0027】
上記実施例及び比較例から以下のことが分かる。
上記実施例の結果より多価イソシアネート化合物を用いるとエポキシ樹脂粒子中のエポキシ基を高い残存率で有する樹脂粒子を生成することができることが確認できた。これに対して、架橋剤として多価イソシアネート化合物以外の架橋剤を用いた比較例1では樹脂粒子自体を生成することができなかった。また、エポキシ化合物を過剰に用いたフェノール樹脂による硬化系である比較例2では、エポキシ基は残存するものの残存率が低い。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、高残存率でエポキシ基を有するエポキシ樹脂粒子を提供することができる。したがって、本発明で得られるエポキシ樹脂粒子を用いることにより、エポキシ基残存型の反応性樹脂フィラー、触媒用支持担体、分離剤、イオン交換樹脂のベースポリマー等の製造を容易にすることができ、本発明は産業上非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ化合物と多価イソシアネート化合物を水に懸濁させ、加熱硬化により架橋させることを特徴とするエポキシ樹脂粒子の製造方法。
【請求項2】
加熱硬化後のエポキシ樹脂粒子中のエポキシ基の残存率が10〜95当量%であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法により得られることを特徴とするエポキシ樹脂粒子。
【請求項4】
平均粒子径が10μm以上5mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のエポキシ樹脂粒子。

【公開番号】特開2011−168706(P2011−168706A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34502(P2010−34502)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(390022415)京セラケミカル株式会社 (424)
【Fターム(参考)】