説明

エンコーダ異常検出装置

【課題】粒子線治療に使用されるマルチリーフコリメータの移動をモータに接続されたエンコーダのパルス数で検知する場合、エンコーダ動作異常を検出できないことがある。
【解決手段】モータ111に回転指令を与えると共にエンコーダ141からのパルス数を検出してリーフの位置を検出するリーフ位置制御回路101からの開始信号に基づいて異常検出設定信号122を出力するエンコーダパルス診断制御回路121と、エンコーダから出力されるパルスを入力して、今回入力したパルスの幅を前回入力したパルス幅と比較し、その差が異常検出設定信号で設定された値を外れた時にエンコーダパルスの異常として異常信号を出力するエンコーダパルス異常検出回路131を設け、エンコーダ141の動作異常を確実に検出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、癌治療を目的とした粒子線治療装置において使用されるマルチリーフコリメータのリーフ位置を検出するためのエンコーダが故障などにより異常を起こした場合に、その異常を検出するエンコーダ異常検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粒子線治療は、治療患部に対して集中的に放射線量を照射できるため、X線治療装置等の治療に比べて、皮膚への副作用が少ない治療方法とされている。この治療において、治療計画により粒子線を照射する領域すなわち治療患部の形状に合わせた照射野が計画され、この計画された照射野に粒子線を照射し、照射野外への照射を遮る装置として、マルチリーフコリメータを使う方法を用いることがある。
【0003】
マルチリーフコリメータは、多数のリーフを駆動するためのリーフ駆動装置と、このリーフ駆動装置を制御するためのリーフ制御装置とからなる。リーフ駆動装置は、粒子線の照射野を形成するリーフと、このリーフをギアを介して駆動するモータと、モータの回転軸の回転が伝達され所定のパルスを発生するエンコーダとで構成され、リーフの移動位置はリーフを駆動するモータに接続されたエンコーダのパルス数で検知することは知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、エンコーダから出力されるパルス幅によってカウントされる高周波パルスの数を検知し、その値を規定値と比較して判定し、規定値以上のパルス数を検出した場合は装置の異常と判断して、装置の作動を停止したり、あるいは警告を表示するなどの処置を行なうようにした自己診断装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−5149号公報
【特許文献2】特開昭60−204289号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マルチリーフコリメータのリーフは、一般に最初は加速して速度を上げ、一定速度に達すると均一速度を維持し、リーフ目標位置に近づくと減速して静止するよう、モータの速度が制御される。
特許文献1のように、エンコーダからのパルス幅を規定値と比較する方法においては、一定速度で動作し続けるモータでない場合はエンコーダからのパルス出力の異常を検出することができない。このため、エンコーダ動作異常の検出ができない場合が考えられる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、パルス幅比較の規定値を常にアップデートすることで、ダイナミックにエンコーダパルス異常を検出し、エンコーダ動作異常検出のリアルタイム性向上を行なったエンコーダ異常検出装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のエンコーダ異常検出装置は、マルチリーフコリメータのリーフ位置をモータに接続されたエンコーダのパルスで検出するようにしたものにおいて、モータに回転指令を与えると共にエンコーダからのパルス数を検出してリーフの位置を検出するリーフ位置
制御回路からの開始信号に基づいて異常検出設定信号を出力するエンコーダパルス診断制御回路、エンコーダから出力されるパルスを入力して、今回入力したパルスの幅を前回入力したパルス幅と比較し、その差が異常検出設定信号で設定された値を外れた時にエンコーダパルスの異常として異常信号を出力するエンコーダパルス異常検出回路を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明は、パルス幅比較の規定値が常に前回入力したパルス幅としてアップデートされているから、モータの速度が変化した場合においてもダイナミックにエンコーダパルスの異常を検出することが可能となる。
したがってマルチリーフコリメータのリーフ位置を検出するエンコーダが正常動作でないなどの異常時を早期発見でき、粒子線治療を効率よく実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1を示すマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置のブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエンコーダパルスの説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2を示すマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置のブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2における診断時のパルスの説明図である。
【図6】この発明の実施の形態3を示すマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置のブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態4におけるエンコーダパルスの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1におけるマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置を図1、図2、図3に基づいて説明する。
図1において、リーフ位置制御回路101は、モータ111に回転指令102を与えると共にエンコーダ141からの出力パルス(エンコーダパルス)142のパルス数を検出してリーフ(図示省略)の位置を検出する。またリーフ位置制御回路101はエンコーダパルス診断開始/停止信号103(開始信号103a、停止信号103b)も出力する。
【0012】
エンコーダパルス診断制御回路121は、リーフ位置制御回路101からのエンコーダパルス診断開始信号103aに基づいて後述する異常検出設定信号122を出力する。エンコーダパルス異常検出回路131は、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142を入力して、今回入力したパルスの幅を前回入力したパルス幅と比較し、その差がエンコーダパルス診断制御回路121から入力された異常検出設定信号で設定された値を外れた時にエンコーダパルスの異常としてエンコーダ異常信号132を出力する。
【0013】
図2は、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142について図化したものである。T1、T2、T3、・・・Tnが1パルスの幅、t2a、t3a、・・・tnaがHi状態のパルス幅、t2b、t3b、・・・tnbがLow状態のパルス幅である。
エンコーダパルス142のパルス幅は、モータ111の速度が速くなれば短くなり、モータ11の速度が遅くなれば長くなる。
また、エンコーダ141はモータ111の回転方向が異なっても同様なパルスを出力し、リーフが閉方向に移動しているときは正の数でパルス数がカウントされ、リーフが開方向に移動しているときは負の数でパルス数がカウントされるようになって、リーフの位置が検出できるようになっている。
【0014】
ここで、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142は、エンコーダ141の故障、またはエンコーダ141とマルチリーフコリメータ位置制御システム間のケーブルの異常が生じると、エンコーダパルス142のパルス幅が極端に短くなったり、長くなったり、あるいはパルスが発生しなくなったりする。
この発明はこのようなエンコーダパルス142の異常を検出するものである。
【0015】
エンコーダパルス診断制御回路121から出力される異常検出設定信号122は、パルス幅の差を所定値(上限値と下限値)に設定する割合値と、この割合値の範囲を外れた回数を所定値に設定するカウント規定値とからなる。
割合値については、一例として下記(1)式が適用される。
【数1】

【0016】
また、カウント規定値については、モータとリーフとの間のギア比などでカウント規定値は変わってくるが、一般にシステムとして許容できるリーフの位置誤差より少ない値とするのが望ましい。
なお、上記した割合値は、今回入力したエンコーダパルスのHi状態のパルス幅tnaおよびLow状態のパルス幅tnbと、前回入力したエンコーダパルスの1パルス幅Tnとを比較するようにしているが、Hi状態のパルス幅tnaとLow状態のパルス幅tnbのどちらか一方と1パルス幅Tnとを比較してもよい。また、今回入力したエンコーダパルスのHi状態のパルス幅tnaと前回入力したエンコーダパルスのHi状態のパルス幅tn−1aというようにHi状態のパルス幅同士を比較してもよい。
【0017】
次にエンコーダ異常検出装置の動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。
図3において、左がリーフ位置制御回路101による処理内容300である。右がエンコーダパルス診断制御回路121とエンコーダパルス異常検出回路131による処理内容310である。
まず、リーフ位置制御回路101はモータ111を駆動するためモータ回転指令102を出力し、モータ111が制御開始する(ステップS301)。その際にリーフ位置制御回路101はエンコーダパルス診断制御回路121に対して、エンコーダパルス診断開始信号103aを出力する。これに従い、エンコーダパルス診断制御回路121は、診断処理をスタートする(ステップS311)。具体的にはエンコーダパルス診断制御回路121は、エンコーダパルス異常検出回路131に対して異常検出設定信号122を与える。
【0018】
リーフ位置制御回路101は、モータ111の回転に伴ってエンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142を入力して、そのパルス数をカウントする(ステップS302)。カウントされたエンコーダパルス数は治療計画により決められたリーフの移動位置に基づいて設定された規定数と比較する(ステップS303)。エンコーダパルス数が規定数に到達すれば(ステップS303YES)、リーフ位置制御回路101はモータ111に対して停止処理の制御指令を出力し、モータ111を停止する(ステップS304)。
同時に、リーフ位置制御回路101はエンコーダパルス診断制御回路121に対して診断終了信号103bを出力する。
【0019】
一方、エンコーダパルス診断制御回路121から異常検出設定信号122を与えられた
エンコーダパルス異常検出回路131は、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142を入力して、エンコーダパルス幅Tn、tna、tnbの取得を行なう(ステップS312)。
エンコーダパルス異常検出回路131は、まず異常検出設定信号122に含まれる「割合値」に基づいて、(1)式により、今回入力したエンコーダパルスのHi状態のパルス幅tnaおよびLow状態のパルス幅tnbと、前回入力したエンコーダパルスの1パルス幅Tnとを比較する(ステップS313)。
【0020】
今回パルス幅と前回パルス幅の比較により、今回入力したパルス幅tnaおよびパルス幅tnbが前回パルス幅Tnに対して(1)式から外れた場合、異常パルスと判定し(ステップS313NO)、エンコーダパルス異常検出回路131は異常パルスとしてカウントアップする(ステップS314)。
エンコーダパルス異常検出回路131は、次に異常検出設定信号122に含まれる「カウント規定値」とカウントした異常パルス数とを比較し(ステップS315)、異常パルス数が「カウント規定値」を超えた場合(ステップS315YES)、エンコーダパルス診断制御回路121に対してエンコーダ異常信号132を出力する(ステップS316)。
【0021】
エンコーダパルスの診断は、リーフ位置制御回路101からエンコーダパルス診断停止信号103bが入力されるまで継続実施する。即ち、図3のフローチャートのとおり、ステップS313において、エンコーダパルスについて前回パルス幅と今回パルス幅との比較をし続け、さらにステップS315において、異常パルス数と「カウント規定値」を比較し、異常検出した場合はエンコーダ異常信号132にて伝える。
このエンコーダ異常信号132は上位システムに提供することや、リーフ位置制御回路101に提供するなど、システムに応じたモータ制御処理を実施することができる。
なお、この実施形態では、前回パルスと比較するという処理の都合上、エンコーダパルス診断はモータ111が定速動作に到達後に開始することを基本とする。
【0022】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2におけるマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置を図4、図5に基づいて説明する。
実施の形態2の発明は、実施の形態1におけるエンコーダパルス異常検出回路131が正常に動作するか確認するための診断回路を設けたものである。
【0023】
図4において、エンコーダパルス診断制御回路121から出力される診断用パルス出力制御信号123に基づいて診断用パルス152を生成し出力する診断用パルス出力回路151を設け、さらにエンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142と、診断用パルス出力回路151から出力される診断用パルス152を重ね合わせて出力するか、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142のみを出力するかを選択するエンコーダパルス選択回路161を設けている。エンコーダパルス選択回路161によるパルス出力の選択は診断用パルス出力回路151から出力されるエンコーダパルス選択信号153によって決められる。
その他の構成は実施の形態1における図1と同じ構成につき、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0024】
エンコーダ141からのエンコーダパルス出力を単純に切断し、エンコーダパルス異常検出回路131に診断用パルス152の模擬入力を加えることは通常難しい。エンコーダ141からの出力として、実際のモータ動作と全く異なる模擬の入力を行うとリーフ位置制御回路101が正常に動作できないからである。
実施の形態2では、実エンコーダパルス出力に若干の診断用パルス(ノイズパルス)の
重ね合わせを簡易に行うことができるように内部で切り替え処理を可能とする、診断用パルス出力回路151とエンコーダパルス選択回路161を具備している。
【0025】
次に、実エンコーダパルス142に診断用パルス(ノイズパルス)152を重ね合わせる例を図5に基づいて説明する。
図5(a)はエンコーダパルスと診断用パルス(ノイズパルス)が加算(パルス重畳)されて重ね合わせられる例を、図5(b)はエンコーダパルスと診断用パルス(ノイズパルス)が減算(パルス欠け)されて重ね合わせられる例をそれぞれ示す。
【0026】
図5(a)においては、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142と、診断用パルス出力回路151から出力される診断用パルス(ノイズパルス)152が、エンコーダパルス選択回路161において加算されて重ね合わせられ、結果として両方のパルスがエンコーダパルス異常検出回路131に入力される。
そしてエンコーダパルス異常検出回路131は、エンコーダパルス異常を検出することにより、当該エンコーダパルス異常検出回路131が正常に動作することの確認を実施することができるようになる。
【0027】
図5(b)においては、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142と、診断用パルス出力回路151から出力される診断用パルス(ノイズパルス)152が、エンコーダパルス選択回路161において減算されて重ね合わせられ、結果としてエンコーダパルス142からノイズパルスに相当するパルスが欠けたものがエンコーダパルス異常検出回路131に入力される。
そしてエンコーダパルス異常検出回路131は、エンコーダパルス異常を検出することにより、当該エンコーダパルス異常検出回路131が正常に動作することの確認を実施することができるようになる。
【0028】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3におけるマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置を図6に基づいて説明する。
実施の形態1および2では、モータ111が定速動作しているときの異常検出および診断を想定していたが、実施の形態3の発明はモータ111が可変速動作している場合においても異常検出および診断が行なえるようにしたものである。
【0029】
図6において、リーフ位置制御回路101はエンコーダパルス診断制御回路121に対してモータ111の速度情報104を出力する。エンコーダパルス診断制御回路121はその速度情報104に基づいて異常検出設定信号122を変更して、エンコーダパルス異常検出回路131に出力する。
その他の構成は実施の形態1における図1および実施の形態2における図4と同じ構成につき、同じまたは相当部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0030】
リーフを駆動するモータ111は、通常「加速→定速→減速」というように制御する。システムとして許容できるリーフの位置誤差から算出して、モータ制御は20%を加速、60%を定速、20%を減速として割り当てる。
したがって加速中は、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142のパルス幅は短くなるので、その場合の異常検出設定信号122の「割合値」については、一例として下記(2)式が適用され、短くなる側(下限値)の正常判定区間を延ばすようにしている。
【数2】

なお、減速中は上記と逆になる。
【0031】
以上のように、実施の形態3の発明では、モータ111の速度情報104を追加することで、速度に合わせて異常検出設定信号122を変更することにより、速度変化に柔軟に対応したエンコーダパルス異常検出およびエンコーダパルス異常検出回路の診断が可能となる。
【0032】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4におけるマルチリーフコリメータのエンコーダ異常検出装置を図7に基づいて説明する。
実施の形態1〜3では、エンコーダ141から出力されるエンコーダパルス142がA相、B相と分かれて入力される場合においても、それぞれ個別に異常検出する方式を提案している。
ここで、A相パルスが異常の場合に、前回パルス幅との比較では単純に検出できない場合(A相からのパルス幅の変化がほとんどない故障状態)も想定される。
実施の形態4の発明は、この場合に、B相の前回パルス幅とA相の今回パルス幅を比較することで、さらに細やかな異常検出が可能となるようにしたものである。
【0033】
図7において、図7(a)はエンコーダ141から出力されるA相、B相の正常なエンコーダパルス142を示しており、A相とB相は互いに位相がずれている。図7(b)はエンコーダ141から出力されるA相、B相のエンコーダパルス142のうち、A相のエンコーダパルスに異常が生じた場合において、実施の形態1の装置で異常検出している場合の状態を示している。図7(c)はエンコーダ141から出力されるA相、B相のエンコーダパルス142のうち、A相のエンコーダパルスに異常が生じた場合において、実施の形態4の装置で異常検出している場合の状態を示している。
【0034】
図7に示すとおり、図7(b)の実施の形態1の場合は、パルス欠けが2連続で起こった場合に、A−3は異常パルスと検出されるが、A−4は前回パルスA−3と比較した場合ほとんど差分が無いため正常とみなす設定となる可能性が高い。しかしながら図7(c)の実施の形態4の場合は、実施の形態1と同様にA相の今回パルスA−3と前回パルスA−2の比較と併せて、さらにA相の今回パルスA−3とB相の前回パルスB−2とも比較するようにしている。
このように実施の形態4の考え方でA相、B相のパルスを相互比較する場合は、A−3、A−4ともに異常パルスと検出でき、細やかな故障検出が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明は、粒子線治療装置において使用されるマルチリーフコリメータのリーフ位置制御におけるエンコーダの異常検出に適用できる。
【符号の説明】
【0036】
101:リーフ位置制御回路
102:モータ回転指令
103:エンコーダパルス診断開始/停止信号
104:モータの速度情報
111:モータ
121:エンコーダパルス診断制御回路
122:異常検出設定信号
123:診断用パルス出力制御信号
131:エンコーダパルス異常検出回路
132:エンコーダ異常信号
141:エンコーダ
142:エンコーダパルス
151:診断用パルス出力回路
152:診断用パルス
153:エンコーダパルス選択信号
161:パルス選択回路
300:リーフ位置制御回路の処理
310:エンコーダパルス診断制御回路およびエンコーダパルス異常検出回路の処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリーフコリメータのリーフ位置をモータに接続されたエンコーダのパルスで検出するようにしたものにおいて、前記モータに回転指令を与えると共に前記エンコーダからのパルス数を検出してリーフの位置を検出するリーフ位置制御回路からの開始信号に基づいて異常検出設定信号を出力するエンコーダパルス診断制御回路、前記エンコーダから出力されるパルスを入力して、今回入力したパルスの幅を前回入力したパルス幅と比較し、その差が前記異常検出設定信号で設定された値を外れた時にエンコーダパルスの異常として異常信号を出力するエンコーダパルス異常検出回路を備えたエンコーダ異常検出装置。
【請求項2】
前記エンコーダパルス診断制御回路から出力される異常検出設定信号は、パルス幅の差を所定値に設定する割合値と、この割合値を外れた回数を所定値に設定するカウント値とからなることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ異常検出装置。
【請求項3】
前記エンコーダパルス異常検出回路は、今回入力したエンコーダパルスのHi状態のパルス幅またはLow状態のパルス幅と前回入力したエンコーダパルスの1パルス幅とを比較するようにした請求項1または請求項2に記載のエンコーダ異常検出装置。
【請求項4】
診断用パルスを出力する診断用パルス出力回路と、この診断用パルス出力回路から出力される診断用パルスと前記エンコーダから出力されるパルスを重畳して前記エンコーダパルス異常検出回路に入力する選択回路とを設け、前記エンコーダパルス異常検出回路の健全性確認を行なうようにした請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエンコーダ異常検出装置。
【請求項5】
前記モータの速度情報を前記エンコーダパルス診断制御回路に入力し、速度に応じて前記異常検出設定信号を変更するようにした請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエンコーダ異常検出装置。
【請求項6】
前記エンコーダは位相のずれたA相、B相の2つのパルスを出力するようにし、前記エンコーダパルス異常検出回路はA相パルスのパルス幅とB相パルスのパルス幅を相互比較し、その差が前記異常検出設定信号で設定された値を超えた時にエンコーダパルスの異常として異常信号を出力するようにした請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエンコーダ異常検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−95846(P2012−95846A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246305(P2010−246305)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】