説明

エンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及び軽減抑制システム

【課題】 本発明は、エンジンの燃費を向上させて、燃料の消費効率を向上させ、主として排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の濃度を低めて、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の全排出量を低下させて環境汚染物質の抑制軽減を図る。
【解決手段】 エンジンの近傍に設置されるバッテリー位置とエアクリーナー位置とマフラー位置に1〜3ミリメートル厚の可撓性貼着シートを貼設するようにしたエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及びシステムにおいて、可撓性貼着シートは天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料との混錬物で構成され、天然鉱石パウダーは、ブラックシリカ、セラストーン、千枚岩、オネガ石、医王石、ゲルマニウム鉱石、チタン、ジルコニウム、ラジウム鉱石、水晶、貝化石で構成され、合成ゴム・合成樹脂材料は、NBR(合成ゴム)、ポリエチレン、ゼオライトで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及び軽減抑制システムに関し、さらに詳しくは自動車、船舶、建設機械などで使用されるエンジンの燃費を向上させて、燃料の消費効率を向上させ、主として排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の濃度を低めて、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の全排出量を低下させて環境汚染物質の抑制軽減を図るものである。
【背景技術】
【0002】
自動車、船舶、建設機械などで使用されているエンジンとしては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどがあり、そこではガソリンや軽油を燃料として使用し、その燃料を燃焼させ、その燃焼時の爆発力で推進力を得るものである。
【0003】
しかしながら、上記した自動車、船舶、建設機械などのエンジンにおける燃料燃焼効率は十分ではなかったため、一層の燃焼効率の向上を達成できるシート及びシステムの開発が望まれていた。
【0004】
従来、これらの燃料が燃焼する際に発生する排気ガス中には、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、その他CO(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などを代表例とする環境汚染物質が高濃度で含まれているが、その排気ガスを一定基準値以下で排出するように、エンジンの構造を改良したり、そこで使用する燃料の化学成分構成を工夫したりしているのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−12021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に説明した従来の各種エンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及び軽減抑制システムによれば、エンジンにおける燃料燃焼効率を向上させるための要求に依然として十分応えきれておらず、その結果、燃料からのエネルギーを十分に推進力として取り出せておらず、資源の無駄使いをしているという問題点があった。
【0007】
さらに、エンジンのシリンダー内での燃料燃焼後にマフラーから排出される排気ガス中には、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、その他CO(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などを代表例とする環境汚染物質が依然として高濃度で含まれていたため、社会環境に与える悪影響が問題となり、地球の温暖化や人体に与える健康被害などの問題点が解決できていないという課題が残されていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みて開発されたものであり、エンジンにおける燃料燃焼効率を高めることで、上記のすべての問題点を一挙に解決するようにした、エンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及び軽減抑制システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シートの請求項1のものは、
エンジンの近傍に設置されるバッテリー、エアクリーナー、マフラーに貼着される厚さ寸法1〜3ミリメートル、表面積9〜400平方センチメートルの可撓性貼着シートであって、
可撓性貼着シートは天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料との混錬物で構成され、
天然鉱石パウダーは、粒径0.5〜50ミクロンの天然鉱石パウダーであり、その内訳は、ブラックシリカ0.5〜3重量%、セラストーン3〜10重量%、千枚岩2〜5重量%、オネガ石3〜8重量%、医王石2〜5重量%、ゲルマニウム鉱石0.5〜2重量%、チタン0.5〜2重量%、ジルコニウム0.5〜5重量%、ラジウム鉱石1〜5重量%、水晶0.3〜2重量%、貝化石1〜3重量%で構成され、
合成ゴム・合成樹脂材料は、NBR(合成ゴム)20〜35重量%、ポリエチレン10〜15重量%、ハイトロン5〜15重量%、ゼオライト20〜30重量%で構成されることを特徴とするエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シートである。
【0010】
本発明に係るエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムの請求項2のものは、
エンジンの近傍に設置されるバッテリー位置と、エアクリーナーの空気取り入れ口位置と、エアクリーナーの空気送り出し口位置と、エンジンからの排気ガスを排出するマフラー位置に、厚さ寸法1〜3ミリメートル、表面積9〜400平方センチメートルの可撓性貼着シートを貼設するようにしたエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムにおいて、
可撓性貼着シートは天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料との混錬物で構成され、
天然鉱石パウダーは、粒径0.5〜50ミクロンの天然鉱石パウダーであり、その内訳は、ブラックシリカ0.5〜3重量%、セラストーン3〜10重量%、千枚岩2〜5重量%、オネガ石3〜8重量%、医王石2〜5重量%、ゲルマニウム鉱石0.5〜2重量%、チタン0.5〜2重量%、ジルコニウム0.5〜5重量%、ラジウム鉱石1〜5重量%、水晶0.3〜2重量%、貝化石1〜3重量%で構成され、
合成ゴム・合成樹脂材料は、NBR(合成ゴム)20〜35重量%、ポリエチレン10〜15重量%、ハイトロン5〜15重量%、ゼオライト20〜30重量%で構成されることを特徴とするエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムである。
【0011】
本発明に係るエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムの請求項3のものは、可撓性貼着シートの貼設位置を、エンジンの近傍に設置されるバッテリー位置と、エアクリーナーの空気取り入れ口位置と、エアクリーナーの本体位置と、エンジンからの排気ガスを排出するマフラー位置としたことを特徴とする請求項2記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムである。
【0012】
請求項4のものは、可撓性貼着シートは、一辺の寸法が3〜20センチメートルのカード型形状又は直径寸法が6〜12センチメートルの円型形状のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シートである。
【0013】
請求項5のものは、可撓性貼着シートは、背面側に両面テープを配設したものであることを特徴とする請求項1又は4記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シートである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る請求項1乃至3記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及び軽減抑制システムは、可撓性貼着シートから発せられる微量放射線、マイナスイオン、遠赤外線、黒体放射、テラヘルツ放射などの放射エネルギー(光量子エネルギー)により、エンジンに吸気される空気中の酸素濃度が高まり、かつ電気の抵抗値が軽減されて電気の伝導率が高まることでエンジンの燃焼効率が向上し、燃料の消費量が削減され、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、その他CO(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などの環境汚染物質の発生を抑制できるという優れた効果を発揮する。車の使用条件にもよるが、効果に即効性がある場合と、20〜200Km走行した後に効果が認められる場合とがある。
いずれにしても、エンジントラブルが発生しない限り、効果が認められるまでの到達時間に差があるものの、その効果は確実に認められている。
さらに可撓性貼着シートをマフラー位置に貼設することで、排気ガスにシートから発せられる放射エネルギー(光量子エネルギー)が作用して、排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)が分解され、CO、HCの排出ガス中の濃度が低減する効果がある。
【0015】
この軽減抑制シート(可撓性貼着シート)に練り込まれた玄武岩、変成岩、花崗岩の発する放射エネルギー(光量子エネルギー)の作用で、酸素(陰イオン)に不純物(陽イオン)が結合する反応を抑制する。このため、スロットルバルブに送られるエア(空気)は理論空燃費(空気14.7g:燃料1g,すなわち14.7:1)に近づける作用があるため、エンジンの燃焼は完全燃焼となり、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、その他CO(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)などの環境汚染物質の発生を抑制する。
【0016】
本発明に係る請求項4記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シートは、可撓性粘着シートを扱い易い大きさのカード型形状又は円型形状としたので、可撓性粘着シートを目的の貼設位置に容易にセットできるという効果がある。
【0017】
本発明に係る請求項5記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シートは、可撓性粘着シートの背面側に両面テープを配設したため、その両面テープを利用して可撓性粘着シートを目的の貼設位置に容易にセットできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかるエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムの、実際の貼設位置例を示す模式図である。
【図2】本発明にかかるエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムの、実際の貼設位置例を示す他の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート及び軽減抑制システムの実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施の形態に制限されるものではない。
【0020】
本発明で使用される可撓性貼着シート1は、自動車、船舶、建設機械などで使用されているエンジン2の近傍に設置されているバッテリー3位置(好ましくは、バッテリー3のプラス側端子4位置)と、エアクリーナー5の空気取り入れ口位置(好ましくは、エアクリーナーの吸気用エアダクト6位置)と、エアクリーナー5の空気送り出し口位置(好ましくは、エアクリーナーの送気用エアダクト7位置)と、エンジン2からの排気ガスを排出するマフラー8位置(好ましくは、マフラー8のテールパイプ位置)に貼設される。図1は、ここに説明した貼設位置に、可撓性貼着シート1を貼着した例を示している。
【0021】
さらに、図1の貼設位置に代えて、図2に示すように、可撓性貼着シート1の貼設位置を、エンジン2の近傍に設置されるバッテリー3位置(好ましくは、バッテリー3のプラス側端子4位置)と、エアクリーナー5の空気取り入れ口位置(好ましくは、エアクリーナーの吸気用エアダクト6位置)と、エアクリーナー5の本体位置に貼設することも可能である。
【0022】
この可撓性貼着シート1は、全体の厚さ寸法は1〜3ミリメートルであり、可撓性があり、目的の貼設位置に適宜の粘着手段で取り外し自在に取り付けられるものである。
その大きさ及び形状は自由に選択できるが、好ましくはカード型形状及び丸型形状であり、その場合の一辺の大きさは3〜20センチメートル程度、また直径6〜12センチメートル程度が好適である。
【0023】
また粘着手段としては、一例として離型紙つきの両面テープ(図示しない)を利用することが好ましく、実際の貼着の直前にその離型紙を剥がして目的の部位に両面テープを介して可撓性貼着シート1を貼設することとなる。
【0024】
つぎに可撓性貼着シート1の構成を説明する。
可撓性貼着シート1は、天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料との混錬物であり、各材料を熱溶融させた状態で混練し、それを冷却させて可撓性を有するシートに形成したものである。
【0025】
具体的構成としては、まず粒径0.5〜50ミクロンの天然鉱石パウダーが使用され、可撓性貼着シート1の全重量を100%(天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料を含む)とした場合に、以下の重量構成比で充填されている。
【0026】
すなわち、ブラックシリカは0.5〜3重量%、セラストーンは3〜10重量%、千枚岩は2〜5重量%、オネガ石は3〜8重量%、医王石は2〜5重量%、ゲルマニウム鉱石は0.5〜2重量%、チタンは0.5〜2重量%、ジルコニウムは0.5〜5重量%、ラジウム鉱石は1〜5重量%、水晶は0.3〜2重量%、貝化石は1〜3重量%である。
【0027】
また上記の天然鉱石パウダーを保持するための可撓性貼着シート1の、基板となるべき材料としては、合成ゴム・合成樹脂材料が使用され、可撓性貼着シート1の全重量を100%(天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料を含む)とした場合に、以下の重量構成比で充填されている。
【0028】
すなわち、NBR(合成ゴム)は20〜35重量%、ポリエチレンは10〜15重量%、ハイトロンは5〜15重量%、ゼオライトは20〜30重量%である。
【実施例】
【0029】
以下に本発明にかかる軽減抑制シート及び軽減抑制システムを実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
粒径20ミクロンの天然鉱石パウダー3キログラムを、合成ゴム・合成樹脂材料7キログラム中に混合し、ニーダーを利用して5分間撹拌混練し、ついで120℃の温度下で5分間撹拌混練した後、二本のゴムロール間にその混錬物を送り込んで10ミリメートル厚のシート体を形成し、さらにそのシート体を120℃に加温して再度二本のゴムロール間に送り込んで2ミリメートル厚の最終シート体を得た。
【0031】
この最終シート体から、一辺が7×9センチメートルのカード型形状の可撓性貼着シート1を得た。
【0032】
なお、天然鉱石パウダーの内訳は下記の通りである。
1.
ブラックシリカ 200グラム
2.
セラストーン 600グラム
3.
千枚岩 250グラム
4.
オネガ石 450グラム
5.
医王石 300グラム
6.
ゲルマニウム鉱石 150グラム
7.
チタン 150グラム
8.
ジルコニウム 300グラム
9.
ラジウム鉱石 300グラム
10.水晶 100グラム
11.貝化石 200グラム
【0033】
また、合成ゴム・合成樹脂材料の内訳は下記の通りである。
12.NBR(合成ゴム) 2800グラム
13.ポリエチレン 1000グラム
14.ハイトロン 700グラム
15.ゼオライト 2500グラム
【0034】
上記のようにして得られたカード型形状の可撓性貼着シート1を、下記の各自動車のバッテリー3のプラス側端子4位置に一枚貼着し、エアクリーナー5のエア吸込位置及びエア送り出し位置に各一枚貼着し、さらにマフラーの8のテールパイプ位置に一枚貼着し、合計4枚を貼着した。
実験した各自動車ごとに、可撓性貼着シート1の貼着の前後の、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)の数値及び燃費を計測した。ディーゼルエンジンにおいては、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)の数値及び燃費を計測した。
試験計測器 英国リエロ社製(リエロ・ジャパン)の自動車排ガス分析計(Auto5−1)
使用燃料 ゼネラル石油のレギュラーガソリン(ガソリンエンジン用)
出光石油の軽油(ディーゼルエンジン用)
実験場所 茨城県土浦市中貫町1360番地
株式会社ダイキョー 研究所
計測手法 最初に、可撓性粘着シートを取り付けない状態で全ての実験を行い、インターバル2時間を置いて、可撓性粘着シート1を取り付けた状態の実験を行った。
(1)CO,HCは、上記の試験計測器のブローブ(測定ヘッド)を自動車のマフラー8に挿入し、30〜60秒の間で計測し、試験計測器のデジタル表示欄で実験結果を得た。
(2)燃費は、自動車の燃料タンクを満タンにし、トリップメーターを0にセットし、実験場所→土浦北インターチェンジ→日立南太田インターチェンジ間を往復走行(往復走行距離、約121Km)し、そこでの消費燃料の量を燃料タンクを満タンにすることで計測し、トリップメーターに示された走行距離と消費燃料の量から実験の燃費を割り出した。
【0035】
実験1(平成21年5月7日実施、 天気 曇り、 気温20℃ 湿度77%)
グロリア(日産) 平成9年登録 走行距離 113500Km
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
CO 0.7% 0.2%
HC 174ppm 14ppm
燃費 1L当り7.5Km 1L当り10.0Km
【0036】
実験2(平成21年5月14日実施、 天気 晴れ、 気温23℃ 湿度30%)
ビッツ(トヨタ) 平成11年登録 走行距離 60656Km
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
CO 0.5% 0.08%
HC 173ppm 0.2ppm
燃費 1L当り12.5Km 1L当り19.0Km
【0037】
実験3(平成21年5月21日実施、 天気 晴れ、 気温30℃ 湿度22%)
パジェロ(三菱) 平成11年登録 走行距離 58853Km
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
CO 0.69% 0.11%
HC 336ppm 20ppm
燃費 1L当り5.0Km 1L当り8.0Km
【0038】
実験4(平成21年5月29日実施、 天気 雨、 気温19.5℃ 湿度84%)
ランドクルーザー100(トヨタ) ディーゼルエンジン
平成12年登録 走行距離 78350Km
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
CO 0.14% 0.06%
NOx 138ppm 30ppm
燃費 1L当り7.0Km 1L当り11.5Km
【0039】
さらに特許出願人は、公的検査機関に下記に示す試験を依頼し、次のような結果を得た。
その試験結果は、添付の「ガソリン自動車の特性改善対策装置等試験結果記録表」(No.040009(1/12))に示す通りであるが、その要旨を下記に記載する。
試験機関 財団法人日本自動車輸送技術協会
記録表の発行場所 昭島研究室(電話042−544−1004)
装置等の名称 BME−1500排気ガスクリーンセット
試験依頼者の氏名又は名称 株式会社ダイキョー
装置等の製作者の氏名または名称 渡辺 忠男

試験の内容
株式会社ダイキョーの依頼により、装置等名称「BME−1500排気ガスクリーンセット」のエアクリーナー吸入口、インテークダクト、バッテリープラスターミナル部、及び左右テールパイプ部への装着前・装着後におけるアイドリング排出ガス試験、及びガソリン10・15モード排出ガス試験を実施した。

試験自動車
社名・型式 ホンダ・GH−TA1 登録番号 土浦301そ2167
車台番号 TA1−1000568 種別・用途 普通・乗用
原動機型式 F23A サイクル・気筒数 4サイクル4気筒
総排気量 2.253L
最高出力
110(150)/5800 KW(PS)/min-1
正規無負荷回転数 (N)700 min-1
正規点火時期 12/700 BTDC
車両重量 1500Kg
燃料の種類 無鉛ガソリン
試験自動車重量 1610Kg 変速機 自動(前進4速)
等価慣性重量 1500Kg 減速比 4.466
排出ガス対策の種類 三元触媒、 EGR Oセンサ

試験に使用した計測機器
シャシダイナモメータ 株式会社小野測器 ZA−018型
排出ガス分析装置 株式会社堀場製作所 MEXA−7100D・MEXA−7200D型
排出ガス定容量採取装置 株式会社堀場製作所 CVS−7300型

試験結果に関する所見
1.
この試験結果記録は以下に示す通りである。定められた数多くの試験項目の内の一部の項目について行ったもので、試験に供した自動車及び装置等についての試験結果を示すものである。
2.
この装置等に関する試験依頼者から提出された資料は、別紙の通りである。

アイドリング状態の排出ガス試験結果
結果は、下記の表1に記載の通りである。
【表1】



10・15モード走行状態の排出ガス試験及び燃料消費率試験結果
結果は、下記の表2に記載の通りである。
【表2】

【0040】
本発明の可撓性粘着シート1をバッテリー3に貼着することで、バッテリー内部で発生する硫酸鉛の結晶がバッテリーの電極板に付着するサルフェーション現象(硫酸鉛付着現象)が抑えられ、その結果電気の抵抗値が軽減され、バッテリーから送り込む電気容量を減少させることなくエンジン2の電子機器、すなわち点火プラグの点火力を良好な状態で点火可能な状態に維持することで、エンジンの燃焼効率の向上効果が達成される。
またエアクリーナー5位置に可撓性粘着シートを貼着することで、特に放射エネルギーの高い玄武岩(石英岩)及び変成岩(千枚岩)の機能により、エアクリーナー内に取り込まれたエアーは燃焼効率の良い微細な状態(理論空燃費=14.7:1)に保たれ、その状態でスロットルバルブに送られる。
これにより、エンジンにおける燃料の燃焼効率が向上することで、不完全燃焼に起因する環境汚染物質の発生は抑制される。
【0041】
バッテリー3のプラス、マイナスの両端子のいずれに可撓性シート1を貼着しても前記の効果は達成可能であるが、特にプラス側端子4に貼着した場合には、効果の達成率が良好になる実験結果が得られた。又バッテリー3本体に直接、可撓性シート1を貼着しても良い。
【0042】
バッテリーの実験(プラス側端子に貼着) 実験5及び実験6
上記のようにして得られたカード型形状の可撓性貼着シート1を、下記の各自動車のバッテリー3のプラス側端子4位置に一枚貼着し、エアクリーナー5のエア吸込位置及びエア送り出し位置に各一枚の計3枚を貼着した。
実験した各自動車ごとに、可撓性貼着シート1の貼着の前後の、バッテリーの電圧を計測した。
試験計測器 朝日電器(株) デジタルマルチテスター(電流・電圧)
型番 ELPA KU−1188
実験場所 茨城県土浦市中貫町1360番地
株式会社ダイキョー 研究所
計測手法 最初に、可撓性粘着シートを取り付けない状態で実験を行い、実験日を変えて可撓性粘着シートを取り付けた状態の実験を行った。
【0043】
実験5(平成21年11月13日実施、 天気 曇り、 気温13℃ 湿度69%)
ミニカ(三菱) 平成9年登録 走行距離 61220Km
上記自動車に搭載された古河電池製の型番 40B19Rのバッテリー(使用開始後5年使用のもの)
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
エンジン停止時の電圧 12.82V 13.42V
エンジン稼動時の電圧 13.42V 14.14V
【0044】
実験6(平成21年11月25日実施、 天気 晴れ、 気温16℃ 湿度71%)
スカイラインGT−R(日産) 平成6年登録 走行距離 75548Km
上記自動車に搭載された古河電池製の型番 38B20R―MFのバッテリー(使用開始後5ヶ月使用のもの)
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
エンジン停止時の電圧 13.36V 13.76V
エンジン稼動時の電圧 14.19V 14.30V
【0045】
バッテリーの実験(マイナス側端子に貼着) 実験7及び実験8
上記のようにして得られたカード型形状の可撓性貼着シート1を、下記の各自動車のバッテリー3のマイナス側端子位置に一枚貼着し、エアクリーナー5のエア吸込位置及びエア送り出し位置に各一枚の計3枚を貼着した。
実験した各自動車ごとに、可撓性貼着シート1の貼着の前後の、バッテリーの電圧を計測した。
試験計測器 朝日電器(株) デジタルマルチテスター(電流・電圧)
型番 ELPA KU−1188
実験場所 茨城県土浦市中貫町1360番地
株式会社ダイキョー 研究所
計測手法 最初に、可撓性粘着シートを取り付けない状態で実験を行い、実験日を変えて可撓性粘着シートを取り付けた状態の実験を行った。
【0046】
実験7(平成21年11月10日実施、 天気 曇り、 気温20℃ 湿度75%)
ミニカ(三菱) 平成9年登録 走行距離 61220Km
上記自動車に搭載された古河電池製の型番 40B19Rのバッテリー(使用開始後5年使用のもの)
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
エンジン停止時の電圧 12.82V 12.98V
エンジン稼動時の電圧 13.42V 14.03V
【0047】
実験8(平成21年11月20日実施、 天気 晴れ、 気温12℃ 湿度57%)
スカイラインGT−R(日産) 平成6年登録 走行距離 75548Km
上記自動車に搭載された古河電池製の型番 38B20R―MFのバッテリー(使用開始後5ヶ月使用のもの)
可撓性貼着シートの取り付け前 可撓性貼着シートの取り付け後
エンジン停止時の電圧 13.36V 13.53V
エンジン稼動時の電圧 14.19V 14.21V
【0048】
上記の結果のように、本発明の軽減抑制シート及び軽減抑制システムを実施した後の結果は、全ての実験例でCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、その他NOx(窒素酸化物)の発生の数値が著しく低減したことが判明した。またバッテリーの電圧が上昇することも確認された。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、自動車、船舶、建設機械などのエンジンを使用する業界において利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 可撓性貼着シート
2 エンジン
3 バッテリー
4 バッテリーのプラス側端子
5 エアクリーナー
6 エアクリーナーの吸気用エアダクト
7 エアクリーナーの送気用エアダクト
8 マフラー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの近傍に設置されるバッテリー、エアクリーナー、マフラーに貼着される厚さ寸法1〜3ミリメートル、表面積9〜400平方センチメートルの可撓性貼着シートであって、
可撓性貼着シートは天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料との混錬物で構成され、
天然鉱石パウダーは、粒径0.5〜50ミクロンの天然鉱石パウダーであり、その内訳は、ブラックシリカ0.5〜3重量%、セラストーン3〜10重量%、千枚岩2〜5重量%、オネガ石3〜8重量%、医王石2〜5重量%、ゲルマニウム鉱石0.5〜2重量%、チタン0.5〜2重量%、ジルコニウム0.5〜5重量%、ラジウム鉱石1〜5重量%、水晶0.3〜2重量%、貝化石1〜3重量%で構成され、
合成ゴム・合成樹脂材料は、NBR(合成ゴム)20〜35重量%、ポリエチレン10〜15重量%、ハイトロン5〜15重量%、ゼオライト20〜30重量%で構成されることを特徴とするエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート。
【請求項2】
エンジンの近傍に設置されるバッテリー位置と、エアクリーナーの空気取り入れ口位置と、エアクリーナーの空気送り出し口位置と、エンジンからの排気ガスを排出するマフラー位置に、厚さ寸法1〜3ミリメートル、表面積9〜400平方センチメートルの可撓性貼着シートを貼設するようにしたエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システムにおいて、
可撓性貼着シートは天然鉱石パウダーと合成ゴム・合成樹脂材料との混錬物で構成され、
天然鉱石パウダーは、粒径0.5〜50ミクロンの天然鉱石パウダーであり、その内訳は、ブラックシリカ0.5〜3重量%、セラストーン3〜10重量%、千枚岩2〜5重量%、オネガ石3〜8重量%、医王石2〜5重量%、ゲルマニウム鉱石0.5〜2重量%、チタン0.5〜2重量%、ジルコニウム0.5〜5重量%、ラジウム鉱石1〜5重量%、水晶0.3〜2重量%、貝化石1〜3重量%で構成され、
合成ゴム・合成樹脂材料は、NBR(合成ゴム)20〜35重量%、ポリエチレン10〜15重量%、ハイトロン5〜15重量%、ゼオライト20〜30重量%で構成されることを特徴とするエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システム。
【請求項3】
可撓性貼着シートの貼設位置を、エンジンの近傍に設置されるバッテリー位置と、エアクリーナーの空気取り入れ口位置と、エアクリーナーの本体位置と、エンジンからの排気ガスを排出するマフラー位置としたことを特徴とする請求項2記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制システム。
【請求項4】
可撓性貼着シートは、一辺の寸法が3〜20センチメートルのカード型形状又は直径寸法が6〜12センチメートルの円型形状のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート。
【請求項5】
可撓性貼着シートは、背面側に両面テープを配設したものであることを特徴とする請求項1又は4記載のエンジン燃焼時のCO及びHCの軽減抑制シート。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−179490(P2011−179490A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145706(P2010−145706)
【出願日】平成22年6月26日(2010.6.26)
【特許番号】特許第4620178号(P4620178)
【特許公報発行日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(591135196)株式会社ダイキョー (2)