エンドレス方式のウインチ
【課題】本発明は、故障が少なく、構成が簡易でロープのテンションの強弱に応じてロープを移動することのできるエンドレス方式のウインチを低級することを課題とする。
【解決手段】駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側のローラには、移動用ローラを回転自在に軸支した連結板が連結され、且つ該連結板は前記移動用ローラを揺動すべくウインチ本体に回動自在に軸支することでロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝より取り出し移動時に該ロープの移動を捕縄する。
【解決手段】駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側のローラには、移動用ローラを回転自在に軸支した連結板が連結され、且つ該連結板は前記移動用ローラを揺動すべくウインチ本体に回動自在に軸支することでロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝より取り出し移動時に該ロープの移動を捕縄する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、ゴルフ練習場等の屋外空間部の外周に沿って設けられた防球用ネット、屋内練習施設に吊り張りする防球用ネット、又は空間部に設置するテントを昇降移動／平行移動するのに使用するエンドレス方式のウインチに関する。
【技術の背景】
【０００２】
従来、ゴルフ練習場等の屋外空間部の外周部分に沿って吊り張りする防球用ネットは、打ち放たれたゴルフボールの防球用であるために、一定の高さを有する支柱の上下方向に吊り張りしているために、風の影響を受け易く、台風等の強風の場合に下方側に移動し、風の影響を防ぐ必要がある。そこで、防球用ネットは、風の強度で昇降移動して吊り張り及び収納する。
【０００３】
上記屋外空間部の防球用ネットを移動する装置は、空間部の外周に沿って立設したそれぞれの支柱の上下方向に沿ってエンドレス状に架け渡された駆動用ロープと、該駆動用ロープを駆動するために支柱に取り付けられたエンドレス方式のウインチと、前記駆動用ロープに平行で上下方向に架け渡されたガイド用ロープと、該ガイド用ロープを上下方向に取り付けられたリング体に挿通し、上端側を駆動用ロープに連結した防球用ネットから構成されている。
【０００４】
前記エンドレス方式のウインチを駆動し駆動用ロープを支柱の上下方向に沿って移動することで、防球用ネットはガイド用ロープに沿って昇降移動して、防球用ネットを吊り張り移動及び収納する。
【０００５】
また、屋内空間部に吊り張りする防球用ネットは、屋内空間部の使用目的に応じて防球用ネットを吊り張り移動、及び収納する。
【０００６】
上記屋内空間部の防球用ネットを移動する装置は、屋内空間部の天井側に滑車を介してエンドレス状に架け渡し、エンドレス方式のウインチで駆動する駆動用ロープと、該駆動用ロープに一定の間隔で連結し空間部の上下方向に吊り下げした複数の吊下用ロープと、該吊下用ロープを上下方向に挿通するリング体の設けられた防球用ネットから構成されている。
【０００７】
前記エンドレス方式のウインチを駆動して駆動用ロープを移動し、各吊下用ロープを昇降移動することで上端側を天井側に固定した防球用ネットを空間部に吊り張り及び収納する。
【０００８】
テントの場合も同様に駆動用ロープをエンドレス方式のウインチで移動することで、テント用の複数枚のシートを平行に移動してテントを吊り張りする。
【０００９】
上記各装置に使用するエンドレス方式のウインチの構成は、特開２０００−３５１５８０号に記載のように、駆動源に連結して回転駆動する駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ回転する巻回ドラムと、巻回ドラムの外周縁に沿って略Ｖ字状に形成された溝と、該溝に沿って設けられ、溝よりのロープの離脱を防止するローラ体と、該ローラ体の両端側に連結したバネと、ロープを溝側に案内移動する案内ローラから構成されている。
【００１０】
また、エンドレス方式のウインチの他の構成は、特開２００７−６３０１３号に記載のように、上記ロープを巻回ドラム側に案内移動する案内ガイド及び複数個の案内ローラから構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
しかしながら、上記エンドレス方式のウインチは、ローラ体の両端側にバネが連結されているために、巻回ドラムの回転方向に沿ってローラ体が移動し、巻回ドラムへのロープの取り入れ側は強くロープを溝側に押圧し、ロープの取り出し側の溝側は充分な押圧力がなく、取り出し側のロープに係るテンションが弱い場合に、ロープに弛み又は撓みが発生し、スムーズなロープの移動ができないという欠点があった。
【００１２】
また、ローラ体の両端側にバネを連結した場合は、バネの延びによりローラ体の移動が大きく、故障の原因となり易く頻繁なメンテナンスを必要とする。
【００１３】
さらに、ロープを溝側に案内移動する案内ローラ及び案内ガイドとローラ体とは直接連結していないために、ロープに係るテンションの相違によりロープの溝側への取り入れ移動及び取り出し移動をスムーズに行えないという欠点があった。
【００１４】
また、ローラ体の両端側を固定すると、溝への取り入れ側及びロープの取り出し側で溝側への押圧が強くロープの磨耗が大きいという欠点があった。
【００１５】
そこで、本発明は上記問題点を解決し、ロープを巻回ドラムの回転方向に沿ってスムーズに移動でき、故障が少なく、ロープにかかるテンションの相違に容易に対応することのできるエンドレス方式のウインチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１６】
上記課題を解決するために、請求項１は、駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側のローラには、移動用ローラを回転自在に軸支した連結板が連結され、且つ該連結板は前記移動用ローラを揺動すべくウインチ本体に回動自在に軸支しロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝側より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とする。
【００１７】
また、請求項２は、駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側より三角状の頂点位置でウインチ本体に軸支し、且つ前記ローラ体の両端側のローラに一方の端部を連結した連結板をそれぞれ底辺二支点位置で回動自在に軸支した揺動体と、前記連結板の他方の端部に移動用ローラを回転自在に軸支することで、ロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝側より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【００１８】
本発明のエンドレス方式のウインチの作用効果について説明する。
【００１９】
先ず、ウインチ本体に取り入れるロープは、巻回ドラムの溝に沿って設けられたローラ体の一方の端部ローラに連結した連結板に軸支した移動用ローラの回転で巻回ドラムの溝側に取り入れ移動し、該端部ローラでロープを溝側に押圧し、巻回ドラムの回転により溝に沿ってロープを巻回しながら移動する。
【００２０】
この際、一方の端部ローラと移動用ローラとは連結板で連結され、しかも該連結板はウインチ本体に軸支しているために、連結板は移動用ローラを溝側より離反する方向、又は溝側に近接する方向に揺動するとともに、ローラ体の端部ローラを溝側に強く押圧移動、又は端部ローラを溝側に弱く押圧移動することとなる。
【００２１】
即ち、ウインチ本体への取り入れ側のロープに係るテンションが強い場合は、連結板が大きく揺動し移動用ローラを溝より離反する方向に大きく回動するとともに端部のローラを強く溝側に押圧移動する。これにより、ロープを移動用ローラの回転で溝側に取り入れた後、該ロープを端部ローラで溝側に強く押圧しながら溝に沿って取り入れ移動する。また、ロープに係るテンションが弱い場合は、連結板が小さく揺動し移動用ローラを溝より離反する方向に小さく回動するとともに端部ローラを弱く溝側に押圧移動する。これにより、ロープを移動用ロープの回転で溝側に取り入れた後、該ロープを端部ローラで溝側に弱く押圧しながら溝に沿って取り入れ移動する。
【００２２】
従って、ロープのテンションの強弱に応じて常に適切な力で巻回ドラムの駆動によるロープの溝側に取り入れ移動及び溝側へ押圧移動を補助しながらロープを移動することができる。
【００２３】
そして、ロープは溝に沿って巻回ドラムの回転方向に巻回移動するとともにローラ体で溝側に押圧された状態で移動する。
【００２４】
その後、ロープはローラ体の他方側端部ローラで溝側に押圧された状態で溝より取り出され、他方移動用ローラを介してウインチ本体より取り出される。
【００２５】
この際、移動用ローラとローラ体の他方の端部ローラとは、ウインチ本体に軸支した連結板で回動自在に連結されているので、ロープにかかるテンションの強弱に応じて連結板が揺動して移動用ローラが溝より離反する方向に移動するとともに端部ローラが溝側に押圧移動し、ロープにかかるテンションの強弱に応じて端部ローラで溝側に押圧しながら、溝より取り出し、移動用ローラを介してウインチ本体よりロープを取り出すことができ、巻回ドラムの駆動によるロープの移動を補助してスムーズに取り出し移動する。
【００２６】
このように、本発明のエンドレス方式のウインチは、ローラ体の端部ローラと移動用ローラとが連結板を介して連結し、連結板がウインチ本体に軸支しているために、ローラ体の両端ローラ及び転結板の揺動に伴う移動用ローラの移動により、ロープのテンションに対応してスムーズに溝に沿って移動でき、故障等のトラブルが少なく、頻繁なメンテナンスを必要としない、
【００２７】
また、ローラ体の両端部ローラの溝側への押圧量は、ロープのテンションの強弱に応じて調整するためにスムーズなロープを移動することができる。
【００２８】
また、ローラ体の両端側より三角状の頂点位置でウインチ本体に軸支し、且つ前記ローラ体の両端側のローラに一方の端部を連結した連結板をそれぞれ底辺二支点位置（三角形の底辺となる２支点）で回動自在に軸支した揺動板と、前記連結板の他方の端部に移動用ローラを回動自在に軸支することで、ロープに係るテンションの強弱に応じて揺動板を軸支部分で揺動しながら連結板を揺動し、移動用ローラを溝側より離反するとともに端部ローラを溝側に押圧する。
【００２９】
これにより、ロープのテンションが強いと揺動板及び連結板が連動して大きく揺動し、移動用ローラを溝側より大きく離反するとともに端部ローラを溝側に強く押圧する。これにより、ロープは移動用ローラの回転により溝側に取り入れられた後、ロープを端部ローラで溝側に強く押圧しながら溝に沿って移動する。しかも、揺動板及び連結板が連動して揺動するために、ロープにかかるテンションの強さに変化があっても該揺動板及び連結板がそれぞれ強さに応じて揺動する量を変化することで、自在に対応することができ、巻回ドラムの駆動によるロープを取り入れ移動及び取り出し移動を適切に補助する。
【００３０】
また、テンションが弱いと揺動板及び連結板が連動して小さく揺動し、移動用ローラを溝側より小さく離反するとともに端部ローラを溝側に弱く押圧する。これにより、ロープは移動用ロープの回転により溝側に取り入れられた後、ロープを端部ローラで溝側に弱く押圧しながら溝に沿って移動する。しかも、揺動板及び連結板が連動しているために、ロープにかかるテンションの弱さの変化に応じて揺動する量を変化することで、自在に対応することができ、巻回ドラムの駆動によるロープを取り入れ移動及び取り出し移動を適切に補助する。
【００３１】
また、溝よりのロープの取り出し側では、ロープにかかるテンションの強弱に応じて揺動板及び連結板の連動した揺動する量を調整しながら移動用ローラを溝より離反する方向に移動するとともに端部ローラを溝側に押圧する。これにより、ロープは端部ローラで溝側に適切に押圧した状態でロープを溝より取り出し移動するとともに移動用ロープでロープをウインチ本体より取り出し移動する。
【００３２】
これにより、巻回ドラムの駆動に対応してロープを溝に沿ってスムーズに移動することができる。
【００３３】
このように、本発明のエンドレス方式のウインチは、連結板、又は連結板と揺動板との連動により、巻回ドラムの駆動によるロープの取り入れ移動及び取り出し移動をロープにかかるテンションの強弱に応じて補助することができるので、ロープの弛み、撓み及び捩れを発生することなく移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３４】
以下、本発明のエンドレス方式のウインチの一実施例について図面を用いて説明する。
【００３５】
図１は本発明のエンドレス方式のウインチの第１実施例を示す概略説明平面図であり、図２、図３は図１のローラ体の端部ローラと移動用ローラのロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図であり、図４は本発明のエンドレス方式のウインチの第２実施例を示す概略説明平面図である。
【００３６】
（第１実施例）
本発明のエンドレス方式のウインチ１は、モータ等の駆動部（図示せず）と、該駆動源により回転駆動する駆動軸２に設けられたウインチ本体３とから構成され、前記駆動軸２には略円板状で、外周縁に沿って略Ｖ字状の溝４の形成された巻回ドラム５が取り付けられ、該巻回ドラム５の溝４に沿って複数のローラから形成されたローラ体６が設けられている。
【００３７】
前記ローラ体６の両端部側のそれぞれ端部ローラ６Ａ，６Ｂは、それぞれウインチ本体３に略中央部分で回動自在に支軸７に軸支した連結板８に一端側に連結され、しかも前記連結板８の他端側に移動用ローラ９（９Ａ、９Ｂ）が回転自在に軸支している。
【００３８】
前記端部ローラ６Ａ、６Ｂと、移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）とは二枚の連結板８間で回転自在に軸支し、移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）の外周縁には略Ｕ字状の溝９Ｃが形成され、端部ローラ６Ａ，６Ｂの外周縁は水平に形成されている。
【００３９】
上記構成により、端部ローラ６Ａ，６Ｂと移動用ローラ９Ａ，９Ｂとは、軸支された連結板８の揺動により端部ローラ６Ａ，６Ｂは溝４側に押圧移動し、移動用ローラ９Ａ，９Ｂは巻回ドラム５より離反する方向に回動移動する。
【００４０】
尚、上記連結板８の長さ、及び移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）の径の大きさは特に限定するものでなく、ローラ体６の両端部側で移動用ローラ９（９Ａ、９Ｂ）と端部ローラ６Ａ、６Ｂとを連結板８で連結し、該連結板８の揺動を利用してロープ１０を適切に溝４側に押圧すればよい。
【００４１】
本発明のエンドレス方式のウインチ１は、上記のように構成され、次にネット又はシートに連結したロープ１０を移動する場合について説明する。
【００４２】
ネット又はシート（図示せず）に連結されたロープ１０を、エンドレス方式のウインチ１で移動する場合は、先ず、ロープ１０の先端を一方の移動用ローラ９の溝９Ｃに沿ってウインチ本体３に取り入れ、巻回ドラム６の溝４側に移動する。
【００４３】
溝４側に移動したロープ１０は、押圧ローラ６の水平の側面で溝４側に押圧された状態で巻回ドラム５の回転方向に沿って移動してロープ１０を溝４に沿って巻回する。
【００４４】
その後、ロープ１０は他方の端部ローラ６Ｂ部分で溝４側への押圧が解除されて溝４より離反し、移動用ローラ９の溝９Ｃに沿ってウインチ本体３より取り出し移動する。
【００４５】
上記一方の移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）と一方の端部ローラ６Ａ、６Ｂは、連結板８で連結され、連結板８はウインチ本体３に回動自在に軸支しているために、取り入れ側のロープ１０にかかるテンションの強弱に応じて、連結板８の支軸７を中心とする揺動する量を調整しながら変化し、移動用ローラ９Ａを巻回ドラム５の溝４より離反する量を変化して回動するととともに端部ローラ６Ａは溝４側に押圧する量を変化するように移動する。同様に他方の移動用ローラ９Ｂは巻回ドラム５の溝４より離反する量を調整しながら変化して回動し、端部ローラ６Ｂは溝４側に押圧する量を調整するように変化して移動する。
【００４６】
しかも、連結板８の支軸７を中心とする揺動量はロープ１０にかかるテンションに応じて、即ちテンションが強い場合は、揺動量が大きく、テンションが弱い場合は揺動量が小さく揺動する。
【００４７】
従って、テンションが強い場合、移動用ローラ９は溝４より大きく離反する方向に回動するとともに端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）は溝４側に強く押圧移動し、ロープ１０を移動用ローラ９で溝４側に取り入れ移動するとともに、端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に強く押圧しながら溝４に沿って取り入れ移動し、又は端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に強く押圧しながら溝４よりロープ１０を取り出すとともに移動用ローラ９でロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００４８】
また、テンションが弱い場合、移動用ローラ９は溝より少なく離反する方向に回動するとともに端部ローラ６（６Ａ、６Ｂ）は溝４側に弱く押圧移動し、ロープ１０を移動用ローラ９で溝４側に取り入れ移動するとともに、端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に弱く押圧しながら溝４に沿って取り入れ移動し、又は端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に弱く押圧しながら溝４よりロープ１０を取り出すとともに移動用ローラ９でロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００４９】
また、ロープ１０にかかるテンションの強さが変化しても連結板８の揺動する量が該テンションの変化に応じて変動するために、ロープ１０を常に一定の状態で溝４へ取り入れ移動及び取り出し移動することができる。
【００５０】
このように、巻回ドラム５の駆動によるロープ１０の取り入れ移動及び取り出し移動をロープ１０に係るテンションの強弱に対応して補助することができる。
【００５１】
このため、テンションの強弱により発生するロープの弛み、撓み及び捩れを連結板８、移動用ローラ９及び端部ローラ６Ａ，６Ｂで解消しながらロープをスムーズに移動することだできる。
【００５２】
しかも、ローラ体６の両端側を移動用ローラ９に連結した構成であるために、その構成が簡易であり故障等のトラブルが従来のウインチに比し少なく、頻繁なメンテナンスを必要としない。
【００５３】
（第２実施例）
本発明のエンドレス方式のウインチ１は、第１実施例の押圧ローラ６の両端部ローラ６Ａ，６Ｂを三角状の底辺二支点位置（三角形の底辺となる２支点位置）で連結板８の一方の端部を軸支し、該連結板８の略中央部で略三角状の揺動板２０に軸支し、該揺動板２０の頂点位置（三角形の頂点となる位置）でウインチ本体３に支軸２１に軸支することで、ローラ体６の移動に応じて揺動板２０は揺動することとなる。
【００５４】
前記連結板８の他方の端部には移動用ローラ９が回転自在に軸支し、ロープ１０のテンションの強弱に応じて連結板８を揺動し、移動用ローラ９を溝４より離反する方向に回動するとともに、端部ローラ６Ａ，６Ｂを溝４側に回動する。
【００５５】
上記構成により、揺動板２０と連結板８との連動した揺動の組み合わせが可能となり、ロープ１０にかかるテンションが強い場合は、連結板８及び揺動板２０が大きく溝４より離反する方向に大きく支軸及び支軸２１を中心に揺動し、端部ローラ６（６Ａ、６Ｂ）を溝４側に強く回動移動、及び移動用ローラ９を溝４より離反する方向に大きく回動移動する。
【００５６】
これにより、ロープ１０を移動用ローラ９Ａの回転で溝４側に取り入れ移動するとともに端部ローラ６Ａでロープ１０を強く溝４側に押圧して溝４に沿って取り入れ移動、又は端部ローラ６Ｂでロープ１０を溝４側に強く押圧した状態でロープ１０を溝４より取り出し移動するとともに移動用ローラ９Ｂの回転によりロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００５７】
また、ロープ１０にかかるテンションが弱い場合は、連結板８及び揺動板２０が小さく溝４より離反する方向に小さく支軸及び支軸２１を中心に揺動し、端部ローラ６Ａを弱く溝４側に少し回動移動、及び移動用ローラ９を溝４より離反する方向に少し回動移動する。
【００５８】
これにより、ロープ１０を移動用ローラ９Ａの回転で溝４側に取り入れ移動するとともに端部ローラ６Ａでロープ１０を溝４側に弱く押圧した状態で溝４に沿って取り入れ移動、又は端部ローラ６Ｂでロープ１０を弱く押圧した状態で溝４より取り出し移動するとともに移動用ローラ９Ｂの回転でロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００５９】
また、ロープ１０にかかるテンションの強さが変化しても揺動板２０と連結板８との連動による揺動する量を調整しながら変化して自在に対応することができる。
【００６０】
このように、巻回ドラム５の駆動によるロープ１０の溝４への取り入れ移動及びロープ１０の溝４からの取り出し移動を揺動板２０と連結板８との連動した揺動により補助することができる。
【００６１】
このため、さらに細やかなロープ１０のテンションの強弱に対応することができ、ロープ１０の溝４側への取り入れ移動及び溝４側よりの取り出し移動をスムーズに行える。
【００６２】
このように、ロープ１０のテンションに応じて巻回ドラム５でスムーズにロープ１０を移動することができるので、ロープ１０の弛み、撓み又は捩れを解消しながら移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【００６３】
【図１】本発明のエンドレス方式のウインチの第１実施例を示す概略説明平面図
【図２】図１のローラ体の端部ローラと移動用ローラとによるロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図
【図３】図１のローラ体の端部ローラと移動用ローラとによるロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図
【図４】本発明のエンドレス方式のウインチの第２実施例を示す概略説明平面図
【符号の説明】
【００６４】
１−エンドレス方式のウインチ、２−駆動軸、３−ウインチ本体、４−溝、
５−巻回ドラム、６−ローラ体、８−連結体、９−移動用ローラ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば、ゴルフ練習場等の屋外空間部の外周に沿って設けられた防球用ネット、屋内練習施設に吊り張りする防球用ネット、又は空間部に設置するテントを昇降移動／平行移動するのに使用するエンドレス方式のウインチに関する。
【技術の背景】
【０００２】
従来、ゴルフ練習場等の屋外空間部の外周部分に沿って吊り張りする防球用ネットは、打ち放たれたゴルフボールの防球用であるために、一定の高さを有する支柱の上下方向に吊り張りしているために、風の影響を受け易く、台風等の強風の場合に下方側に移動し、風の影響を防ぐ必要がある。そこで、防球用ネットは、風の強度で昇降移動して吊り張り及び収納する。
【０００３】
上記屋外空間部の防球用ネットを移動する装置は、空間部の外周に沿って立設したそれぞれの支柱の上下方向に沿ってエンドレス状に架け渡された駆動用ロープと、該駆動用ロープを駆動するために支柱に取り付けられたエンドレス方式のウインチと、前記駆動用ロープに平行で上下方向に架け渡されたガイド用ロープと、該ガイド用ロープを上下方向に取り付けられたリング体に挿通し、上端側を駆動用ロープに連結した防球用ネットから構成されている。
【０００４】
前記エンドレス方式のウインチを駆動し駆動用ロープを支柱の上下方向に沿って移動することで、防球用ネットはガイド用ロープに沿って昇降移動して、防球用ネットを吊り張り移動及び収納する。
【０００５】
また、屋内空間部に吊り張りする防球用ネットは、屋内空間部の使用目的に応じて防球用ネットを吊り張り移動、及び収納する。
【０００６】
上記屋内空間部の防球用ネットを移動する装置は、屋内空間部の天井側に滑車を介してエンドレス状に架け渡し、エンドレス方式のウインチで駆動する駆動用ロープと、該駆動用ロープに一定の間隔で連結し空間部の上下方向に吊り下げした複数の吊下用ロープと、該吊下用ロープを上下方向に挿通するリング体の設けられた防球用ネットから構成されている。
【０００７】
前記エンドレス方式のウインチを駆動して駆動用ロープを移動し、各吊下用ロープを昇降移動することで上端側を天井側に固定した防球用ネットを空間部に吊り張り及び収納する。
【０００８】
テントの場合も同様に駆動用ロープをエンドレス方式のウインチで移動することで、テント用の複数枚のシートを平行に移動してテントを吊り張りする。
【０００９】
上記各装置に使用するエンドレス方式のウインチの構成は、特開２０００−３５１５８０号に記載のように、駆動源に連結して回転駆動する駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ回転する巻回ドラムと、巻回ドラムの外周縁に沿って略Ｖ字状に形成された溝と、該溝に沿って設けられ、溝よりのロープの離脱を防止するローラ体と、該ローラ体の両端側に連結したバネと、ロープを溝側に案内移動する案内ローラから構成されている。
【００１０】
また、エンドレス方式のウインチの他の構成は、特開２００７−６３０１３号に記載のように、上記ロープを巻回ドラム側に案内移動する案内ガイド及び複数個の案内ローラから構成されている。
【発明が解決しようとする課題】
【００１１】
しかしながら、上記エンドレス方式のウインチは、ローラ体の両端側にバネが連結されているために、巻回ドラムの回転方向に沿ってローラ体が移動し、巻回ドラムへのロープの取り入れ側は強くロープを溝側に押圧し、ロープの取り出し側の溝側は充分な押圧力がなく、取り出し側のロープに係るテンションが弱い場合に、ロープに弛み又は撓みが発生し、スムーズなロープの移動ができないという欠点があった。
【００１２】
また、ローラ体の両端側にバネを連結した場合は、バネの延びによりローラ体の移動が大きく、故障の原因となり易く頻繁なメンテナンスを必要とする。
【００１３】
さらに、ロープを溝側に案内移動する案内ローラ及び案内ガイドとローラ体とは直接連結していないために、ロープに係るテンションの相違によりロープの溝側への取り入れ移動及び取り出し移動をスムーズに行えないという欠点があった。
【００１４】
また、ローラ体の両端側を固定すると、溝への取り入れ側及びロープの取り出し側で溝側への押圧が強くロープの磨耗が大きいという欠点があった。
【００１５】
そこで、本発明は上記問題点を解決し、ロープを巻回ドラムの回転方向に沿ってスムーズに移動でき、故障が少なく、ロープにかかるテンションの相違に容易に対応することのできるエンドレス方式のウインチを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【００１６】
上記課題を解決するために、請求項１は、駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側のローラには、移動用ローラを回転自在に軸支した連結板が連結され、且つ該連結板は前記移動用ローラを揺動すべくウインチ本体に回動自在に軸支しロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝側より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とする。
【００１７】
また、請求項２は、駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側より三角状の頂点位置でウインチ本体に軸支し、且つ前記ローラ体の両端側のローラに一方の端部を連結した連結板をそれぞれ底辺二支点位置で回動自在に軸支した揺動体と、前記連結板の他方の端部に移動用ローラを回転自在に軸支することで、ロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝側より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【００１８】
本発明のエンドレス方式のウインチの作用効果について説明する。
【００１９】
先ず、ウインチ本体に取り入れるロープは、巻回ドラムの溝に沿って設けられたローラ体の一方の端部ローラに連結した連結板に軸支した移動用ローラの回転で巻回ドラムの溝側に取り入れ移動し、該端部ローラでロープを溝側に押圧し、巻回ドラムの回転により溝に沿ってロープを巻回しながら移動する。
【００２０】
この際、一方の端部ローラと移動用ローラとは連結板で連結され、しかも該連結板はウインチ本体に軸支しているために、連結板は移動用ローラを溝側より離反する方向、又は溝側に近接する方向に揺動するとともに、ローラ体の端部ローラを溝側に強く押圧移動、又は端部ローラを溝側に弱く押圧移動することとなる。
【００２１】
即ち、ウインチ本体への取り入れ側のロープに係るテンションが強い場合は、連結板が大きく揺動し移動用ローラを溝より離反する方向に大きく回動するとともに端部のローラを強く溝側に押圧移動する。これにより、ロープを移動用ローラの回転で溝側に取り入れた後、該ロープを端部ローラで溝側に強く押圧しながら溝に沿って取り入れ移動する。また、ロープに係るテンションが弱い場合は、連結板が小さく揺動し移動用ローラを溝より離反する方向に小さく回動するとともに端部ローラを弱く溝側に押圧移動する。これにより、ロープを移動用ロープの回転で溝側に取り入れた後、該ロープを端部ローラで溝側に弱く押圧しながら溝に沿って取り入れ移動する。
【００２２】
従って、ロープのテンションの強弱に応じて常に適切な力で巻回ドラムの駆動によるロープの溝側に取り入れ移動及び溝側へ押圧移動を補助しながらロープを移動することができる。
【００２３】
そして、ロープは溝に沿って巻回ドラムの回転方向に巻回移動するとともにローラ体で溝側に押圧された状態で移動する。
【００２４】
その後、ロープはローラ体の他方側端部ローラで溝側に押圧された状態で溝より取り出され、他方移動用ローラを介してウインチ本体より取り出される。
【００２５】
この際、移動用ローラとローラ体の他方の端部ローラとは、ウインチ本体に軸支した連結板で回動自在に連結されているので、ロープにかかるテンションの強弱に応じて連結板が揺動して移動用ローラが溝より離反する方向に移動するとともに端部ローラが溝側に押圧移動し、ロープにかかるテンションの強弱に応じて端部ローラで溝側に押圧しながら、溝より取り出し、移動用ローラを介してウインチ本体よりロープを取り出すことができ、巻回ドラムの駆動によるロープの移動を補助してスムーズに取り出し移動する。
【００２６】
このように、本発明のエンドレス方式のウインチは、ローラ体の端部ローラと移動用ローラとが連結板を介して連結し、連結板がウインチ本体に軸支しているために、ローラ体の両端ローラ及び転結板の揺動に伴う移動用ローラの移動により、ロープのテンションに対応してスムーズに溝に沿って移動でき、故障等のトラブルが少なく、頻繁なメンテナンスを必要としない、
【００２７】
また、ローラ体の両端部ローラの溝側への押圧量は、ロープのテンションの強弱に応じて調整するためにスムーズなロープを移動することができる。
【００２８】
また、ローラ体の両端側より三角状の頂点位置でウインチ本体に軸支し、且つ前記ローラ体の両端側のローラに一方の端部を連結した連結板をそれぞれ底辺二支点位置（三角形の底辺となる２支点）で回動自在に軸支した揺動板と、前記連結板の他方の端部に移動用ローラを回動自在に軸支することで、ロープに係るテンションの強弱に応じて揺動板を軸支部分で揺動しながら連結板を揺動し、移動用ローラを溝側より離反するとともに端部ローラを溝側に押圧する。
【００２９】
これにより、ロープのテンションが強いと揺動板及び連結板が連動して大きく揺動し、移動用ローラを溝側より大きく離反するとともに端部ローラを溝側に強く押圧する。これにより、ロープは移動用ローラの回転により溝側に取り入れられた後、ロープを端部ローラで溝側に強く押圧しながら溝に沿って移動する。しかも、揺動板及び連結板が連動して揺動するために、ロープにかかるテンションの強さに変化があっても該揺動板及び連結板がそれぞれ強さに応じて揺動する量を変化することで、自在に対応することができ、巻回ドラムの駆動によるロープを取り入れ移動及び取り出し移動を適切に補助する。
【００３０】
また、テンションが弱いと揺動板及び連結板が連動して小さく揺動し、移動用ローラを溝側より小さく離反するとともに端部ローラを溝側に弱く押圧する。これにより、ロープは移動用ロープの回転により溝側に取り入れられた後、ロープを端部ローラで溝側に弱く押圧しながら溝に沿って移動する。しかも、揺動板及び連結板が連動しているために、ロープにかかるテンションの弱さの変化に応じて揺動する量を変化することで、自在に対応することができ、巻回ドラムの駆動によるロープを取り入れ移動及び取り出し移動を適切に補助する。
【００３１】
また、溝よりのロープの取り出し側では、ロープにかかるテンションの強弱に応じて揺動板及び連結板の連動した揺動する量を調整しながら移動用ローラを溝より離反する方向に移動するとともに端部ローラを溝側に押圧する。これにより、ロープは端部ローラで溝側に適切に押圧した状態でロープを溝より取り出し移動するとともに移動用ロープでロープをウインチ本体より取り出し移動する。
【００３２】
これにより、巻回ドラムの駆動に対応してロープを溝に沿ってスムーズに移動することができる。
【００３３】
このように、本発明のエンドレス方式のウインチは、連結板、又は連結板と揺動板との連動により、巻回ドラムの駆動によるロープの取り入れ移動及び取り出し移動をロープにかかるテンションの強弱に応じて補助することができるので、ロープの弛み、撓み及び捩れを発生することなく移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３４】
以下、本発明のエンドレス方式のウインチの一実施例について図面を用いて説明する。
【００３５】
図１は本発明のエンドレス方式のウインチの第１実施例を示す概略説明平面図であり、図２、図３は図１のローラ体の端部ローラと移動用ローラのロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図であり、図４は本発明のエンドレス方式のウインチの第２実施例を示す概略説明平面図である。
【００３６】
（第１実施例）
本発明のエンドレス方式のウインチ１は、モータ等の駆動部（図示せず）と、該駆動源により回転駆動する駆動軸２に設けられたウインチ本体３とから構成され、前記駆動軸２には略円板状で、外周縁に沿って略Ｖ字状の溝４の形成された巻回ドラム５が取り付けられ、該巻回ドラム５の溝４に沿って複数のローラから形成されたローラ体６が設けられている。
【００３７】
前記ローラ体６の両端部側のそれぞれ端部ローラ６Ａ，６Ｂは、それぞれウインチ本体３に略中央部分で回動自在に支軸７に軸支した連結板８に一端側に連結され、しかも前記連結板８の他端側に移動用ローラ９（９Ａ、９Ｂ）が回転自在に軸支している。
【００３８】
前記端部ローラ６Ａ、６Ｂと、移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）とは二枚の連結板８間で回転自在に軸支し、移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）の外周縁には略Ｕ字状の溝９Ｃが形成され、端部ローラ６Ａ，６Ｂの外周縁は水平に形成されている。
【００３９】
上記構成により、端部ローラ６Ａ，６Ｂと移動用ローラ９Ａ，９Ｂとは、軸支された連結板８の揺動により端部ローラ６Ａ，６Ｂは溝４側に押圧移動し、移動用ローラ９Ａ，９Ｂは巻回ドラム５より離反する方向に回動移動する。
【００４０】
尚、上記連結板８の長さ、及び移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）の径の大きさは特に限定するものでなく、ローラ体６の両端部側で移動用ローラ９（９Ａ、９Ｂ）と端部ローラ６Ａ、６Ｂとを連結板８で連結し、該連結板８の揺動を利用してロープ１０を適切に溝４側に押圧すればよい。
【００４１】
本発明のエンドレス方式のウインチ１は、上記のように構成され、次にネット又はシートに連結したロープ１０を移動する場合について説明する。
【００４２】
ネット又はシート（図示せず）に連結されたロープ１０を、エンドレス方式のウインチ１で移動する場合は、先ず、ロープ１０の先端を一方の移動用ローラ９の溝９Ｃに沿ってウインチ本体３に取り入れ、巻回ドラム６の溝４側に移動する。
【００４３】
溝４側に移動したロープ１０は、押圧ローラ６の水平の側面で溝４側に押圧された状態で巻回ドラム５の回転方向に沿って移動してロープ１０を溝４に沿って巻回する。
【００４４】
その後、ロープ１０は他方の端部ローラ６Ｂ部分で溝４側への押圧が解除されて溝４より離反し、移動用ローラ９の溝９Ｃに沿ってウインチ本体３より取り出し移動する。
【００４５】
上記一方の移動用ローラ９（９Ａ，９Ｂ）と一方の端部ローラ６Ａ、６Ｂは、連結板８で連結され、連結板８はウインチ本体３に回動自在に軸支しているために、取り入れ側のロープ１０にかかるテンションの強弱に応じて、連結板８の支軸７を中心とする揺動する量を調整しながら変化し、移動用ローラ９Ａを巻回ドラム５の溝４より離反する量を変化して回動するととともに端部ローラ６Ａは溝４側に押圧する量を変化するように移動する。同様に他方の移動用ローラ９Ｂは巻回ドラム５の溝４より離反する量を調整しながら変化して回動し、端部ローラ６Ｂは溝４側に押圧する量を調整するように変化して移動する。
【００４６】
しかも、連結板８の支軸７を中心とする揺動量はロープ１０にかかるテンションに応じて、即ちテンションが強い場合は、揺動量が大きく、テンションが弱い場合は揺動量が小さく揺動する。
【００４７】
従って、テンションが強い場合、移動用ローラ９は溝４より大きく離反する方向に回動するとともに端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）は溝４側に強く押圧移動し、ロープ１０を移動用ローラ９で溝４側に取り入れ移動するとともに、端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に強く押圧しながら溝４に沿って取り入れ移動し、又は端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に強く押圧しながら溝４よりロープ１０を取り出すとともに移動用ローラ９でロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００４８】
また、テンションが弱い場合、移動用ローラ９は溝より少なく離反する方向に回動するとともに端部ローラ６（６Ａ、６Ｂ）は溝４側に弱く押圧移動し、ロープ１０を移動用ローラ９で溝４側に取り入れ移動するとともに、端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に弱く押圧しながら溝４に沿って取り入れ移動し、又は端部ローラ６（６Ａ，６Ｂ）で溝４側に弱く押圧しながら溝４よりロープ１０を取り出すとともに移動用ローラ９でロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００４９】
また、ロープ１０にかかるテンションの強さが変化しても連結板８の揺動する量が該テンションの変化に応じて変動するために、ロープ１０を常に一定の状態で溝４へ取り入れ移動及び取り出し移動することができる。
【００５０】
このように、巻回ドラム５の駆動によるロープ１０の取り入れ移動及び取り出し移動をロープ１０に係るテンションの強弱に対応して補助することができる。
【００５１】
このため、テンションの強弱により発生するロープの弛み、撓み及び捩れを連結板８、移動用ローラ９及び端部ローラ６Ａ，６Ｂで解消しながらロープをスムーズに移動することだできる。
【００５２】
しかも、ローラ体６の両端側を移動用ローラ９に連結した構成であるために、その構成が簡易であり故障等のトラブルが従来のウインチに比し少なく、頻繁なメンテナンスを必要としない。
【００５３】
（第２実施例）
本発明のエンドレス方式のウインチ１は、第１実施例の押圧ローラ６の両端部ローラ６Ａ，６Ｂを三角状の底辺二支点位置（三角形の底辺となる２支点位置）で連結板８の一方の端部を軸支し、該連結板８の略中央部で略三角状の揺動板２０に軸支し、該揺動板２０の頂点位置（三角形の頂点となる位置）でウインチ本体３に支軸２１に軸支することで、ローラ体６の移動に応じて揺動板２０は揺動することとなる。
【００５４】
前記連結板８の他方の端部には移動用ローラ９が回転自在に軸支し、ロープ１０のテンションの強弱に応じて連結板８を揺動し、移動用ローラ９を溝４より離反する方向に回動するとともに、端部ローラ６Ａ，６Ｂを溝４側に回動する。
【００５５】
上記構成により、揺動板２０と連結板８との連動した揺動の組み合わせが可能となり、ロープ１０にかかるテンションが強い場合は、連結板８及び揺動板２０が大きく溝４より離反する方向に大きく支軸及び支軸２１を中心に揺動し、端部ローラ６（６Ａ、６Ｂ）を溝４側に強く回動移動、及び移動用ローラ９を溝４より離反する方向に大きく回動移動する。
【００５６】
これにより、ロープ１０を移動用ローラ９Ａの回転で溝４側に取り入れ移動するとともに端部ローラ６Ａでロープ１０を強く溝４側に押圧して溝４に沿って取り入れ移動、又は端部ローラ６Ｂでロープ１０を溝４側に強く押圧した状態でロープ１０を溝４より取り出し移動するとともに移動用ローラ９Ｂの回転によりロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００５７】
また、ロープ１０にかかるテンションが弱い場合は、連結板８及び揺動板２０が小さく溝４より離反する方向に小さく支軸及び支軸２１を中心に揺動し、端部ローラ６Ａを弱く溝４側に少し回動移動、及び移動用ローラ９を溝４より離反する方向に少し回動移動する。
【００５８】
これにより、ロープ１０を移動用ローラ９Ａの回転で溝４側に取り入れ移動するとともに端部ローラ６Ａでロープ１０を溝４側に弱く押圧した状態で溝４に沿って取り入れ移動、又は端部ローラ６Ｂでロープ１０を弱く押圧した状態で溝４より取り出し移動するとともに移動用ローラ９Ｂの回転でロープ１０をウインチ本体３より取り出し移動する。
【００５９】
また、ロープ１０にかかるテンションの強さが変化しても揺動板２０と連結板８との連動による揺動する量を調整しながら変化して自在に対応することができる。
【００６０】
このように、巻回ドラム５の駆動によるロープ１０の溝４への取り入れ移動及びロープ１０の溝４からの取り出し移動を揺動板２０と連結板８との連動した揺動により補助することができる。
【００６１】
このため、さらに細やかなロープ１０のテンションの強弱に対応することができ、ロープ１０の溝４側への取り入れ移動及び溝４側よりの取り出し移動をスムーズに行える。
【００６２】
このように、ロープ１０のテンションに応じて巻回ドラム５でスムーズにロープ１０を移動することができるので、ロープ１０の弛み、撓み又は捩れを解消しながら移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【００６３】
【図１】本発明のエンドレス方式のウインチの第１実施例を示す概略説明平面図
【図２】図１のローラ体の端部ローラと移動用ローラとによるロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図
【図３】図１のローラ体の端部ローラと移動用ローラとによるロープの取り入れ移動を示す概略説明平面図
【図４】本発明のエンドレス方式のウインチの第２実施例を示す概略説明平面図
【符号の説明】
【００６４】
１−エンドレス方式のウインチ、２−駆動軸、３−ウインチ本体、４−溝、
５−巻回ドラム、６−ローラ体、８−連結体、９−移動用ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側のローラには、移動用ローラを回転自在に軸支した連結板が連結され、且つ該連結板は前記移動用ローラを揺動すべくウインチ本体に回動自在に軸支しロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とするエンドレス方式のウインチ。
【請求項２】
駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側より三角状の頂点位置でウインチ本体に軸支し、且つ前記ローラ体の両端側のローラに一方の端部を連結した連結板をそれぞれ底辺二支点位置で回動自在に軸支した揺動板と、前記連結板の他方の端部に移動用ローラを回転自在に軸支することで、ロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とするエンドレス方式のウインチ。
【請求項１】
駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側のローラには、移動用ローラを回転自在に軸支した連結板が連結され、且つ該連結板は前記移動用ローラを揺動すべくウインチ本体に回動自在に軸支しロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とするエンドレス方式のウインチ。
【請求項２】
駆動源により回転駆動する駆動軸と、該駆動軸の設けられたウインチ本体と、駆動軸に取り付けられ外周縁に沿って形成された溝にロープを巻回する巻回ドラムと、前記溝に沿って巻回したロープの溝からの離脱防止用の複数のローラから形成されたローラ体から構成されたエンドレス方式のウインチにおいて、前記ローラ体の両端側より三角状の頂点位置でウインチ本体に軸支し、且つ前記ローラ体の両端側のローラに一方の端部を連結した連結板をそれぞれ底辺二支点位置で回動自在に軸支した揺動板と、前記連結板の他方の端部に移動用ローラを回転自在に軸支することで、ロープを溝側に取り入れ移動及びロープを溝より取り出し移動時に該ロープの移動を補助することを特徴とするエンドレス方式のウインチ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１３−５３００５（Ｐ２０１３−５３００５Ａ）
【公開日】平成２５年３月２１日（２０１３．３．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−１６５２０６（Ｐ２０１２−１６５２０６）
【出願日】平成２４年７月６日（２０１２．７．６）
【出願人】（５９２２０６１５６）東田商工株式会社 (54)
【公開日】平成２５年３月２１日（２０１３．３．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２４年７月６日（２０１２．７．６）
【出願人】（５９２２０６１５６）東田商工株式会社 (54)
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