説明

エンブレム取り付け構造及び画像形成装置

【課題】外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造を前提として、エンブレムへのごみの侵入、取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁の衝突を抑えることができるエンブレム取り付け構造を提供する。
【解決手段】外装カバー2の取り付け凹部21にエンブレム4を嵌め込み、その外側からエンブレム4を被覆するようにしてエンブレムカバー3を嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部21の奥側内周縁全域に渡って係止溝22が形成され、取り付け凹部21に圧入するようにして押し込まれた、可撓性部材で構成されているエンブレム4及びエンブレムカバー3の外周縁が係止溝22に係止保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の外装カバーにエンブレム(商品銘板)を取り付けるためのエンブレム取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種機器(例えば画像形成装置)の外装カバーにエンブレムを取り付けるエンブレム取り付け構造としては、エンブレムを外装カバーに接着することが多かった。
しかし接着によるエンブレムの貼り付け構造では、製品リサイクル時の分解性が悪いため、最近のエンブレム取り付け構造としては、機器の外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造が採用されている。
図4は画像形成装置の正面図である。機器(画像形成装置)1の外装カバー2には、図5に示すエンブレム4を被覆するようにして、エンブレムカバー3が嵌め込まれている。図5はエンブレム取り付け構造部の分解斜視図である。外装カバー2の取り付け凹部21にまず、エンブレム4が嵌合され、さらにその外側からエンブレム4を被覆するようにしてエンブレムカバー3が嵌合されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図6は取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁の間に微小の隙間が生じている状態を示す斜視図である。図5に示すエンブレム取り付け構造においては、取り付け凹部21の内周縁とエンブレムカバー3の外周縁の間に微小の隙間Dが生じ、その隙間Dからエンブレム4の内側にごみが侵入する不具合があった。また、機器の動作時の振動により、取り付け凹部21の内周縁とエンブレムカバー3の外周縁が衝突して衝突音、摺動音が発生するという問題もあった。
本発明は、外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造を前提として、エンブレムへのごみの侵入、取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁の衝突、摺擦を抑えることができるエンブレム取り付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部の奥側内周縁全域に渡って係止溝が形成され、取り付け凹部に圧入するようにして押し込まれた、可撓性部材で構成されているエンブレム及びエンブレムカバーの外周縁が係止溝に係止保持されるエンブレム取り付け構造を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁との間の隙間に弾性体が埋め込まれているエンブレム取り付け構造を最も主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のエンブレム取り付け構造において、弾性体はシリコンゴムまたは樹脂製スポンジで構成されているエンブレム取り付け構造を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のエンブレム取り付け構造を有する画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部の奥側内周縁全域に渡って係止溝が形成され、取り付け凹部に圧入するようにして押し込まれた、可撓性部材で構成されているエンブレム及びエンブレムカバーの外周縁が係止溝に係止保持されることで、また、外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、その外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁との間の隙間に弾性体が埋め込まれていることで、エンブレムへのごみの侵入、取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁の衝突を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るエンブレム取り付け構造部の分解構成図、図2はその要部断面図である。外装カバー2には取り付け凹部21が形成され、前述したように、取り付け凹部21にまず、シート状のエンブレム4が嵌合され、さらにその外側からエンブレム4を被覆するようにしてエンブレムカバー3が嵌合されている。
ここで第1の実施形態では、図2に拡大して示すように、取り付け凹部21の奥側内周縁全域に渡って係止溝22を形成している。このエンブレム4及びエンブレムカバー3は可撓性部材で構成されており、取り付け凹部21に圧入するようにして押し込まれると係止溝22位置で広がり、エンブレム4及びエンブレムカバー3の外周縁が係止溝22内に係止保持される。
このような構造になっているため、取り付け凹部21の内周縁とエンブレムカバー3の外周縁との間に隙間が発生することがなくなる。
【0007】
図3は本発明の第2の実施形態に係るエンブレム取り付け構造部の分解斜視図である。第2の実施形態は、エンブレムカバー3を外装カバー2の取り付け凹部21に嵌合した際に生じる隙間に弾性部材5を埋め込むものである。弾性部材5としては、シリコンゴムや樹脂製スポンジが好適である。
このように、取り付け凹部21の内周縁とエンブレムカバー3の外周縁との間の隙間に弾性体5を埋め込むことで、隙間を無くすことができる。また弾性体5の色を透明にしたり、外装カバー2と同色とすれば、その存在が目立たなくなり、外観上好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエンブレム取り付け構造部の分解構成図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るエンブレム取り付け構造部の分解斜視図である。
【図4】機器としての画像形成装置の正面図である。
【図5】エンブレム取り付け構造部の分解斜視図である。
【図6】取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁の間に微小の隙間が生じている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0009】
1 機器、2 外装カバー、21 取り付け凹部、22 係止溝、3 エンブレムカバー、4 エンブレム、5 弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、該エンブレムの外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部の奥側内周縁全域に渡って係止溝を備え、可撓性部材で構成されているエンブレム及びエンブレムカバーの外周縁が係止溝に係止保持されるように構成したことを特徴とするエンブレム取り付け構造。
【請求項2】
外装カバーの取り付け凹部にエンブレムを嵌め込み、該エンブレムの外側からエンブレムを被覆するようにしてエンブレムカバーを嵌め込む構造のエンブレム取り付け構造において、取り付け凹部の内周縁とエンブレムカバーの外周縁との間の隙間に弾性体が埋め込まれるように構成したことを特徴とするエンブレム取り付け構造。
【請求項3】
請求項2記載のエンブレム取り付け構造において、前記弾性体はシリコンゴムまたは樹脂製スポンジで構成されていることを特徴とするエンブレム取り付け構造。
【請求項4】
請求項1または2記載のエンブレム取り付け構造を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−163807(P2007−163807A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359597(P2005−359597)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】