説明

オイルヒーター

【課題】使用者が操作パネルを操作する際の操作性を向上する。
【解決手段】操作パネルに配置された操作子の操作に基づいて、蓄熱不燃性オイルの加熱を制御することにより、室内の空気を暖めて暖房を行うオイルヒーターにおいて、蓄熱不燃性オイルを充填したフィン状管体と、上記フィン状管体を配置したフレームと、上記フレームに配置されるとともに、上記蓄熱不燃性オイルの加熱を制御するための操作子が配置された操作パネルとを有し、上記操作パネルを上記フレームに対して回転自在に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルヒーターに関し、さらに詳細には、蓄熱不燃性オイルを加熱することにより室内の空気を暖めて暖房を行うオイルヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内部に熱媒体たる蓄熱不燃性オイルを充填した複数のフィン状管体と、電気ヒーターなどの所定の加熱手段とを有し、電源の投入により加熱手段が蓄熱不燃性オイルを加熱してフィン状管体の表面から放熱させ、室内の空気を暖めるようにした暖房装置としてのオイルヒーターが知られている。
【0003】
一般に、こうした従来のオイルヒーターにおいては、電源のオン/オフ操作や温度設定操作を行うためなどの各種操作ボタンを配置された操作パネルが、オイルヒーターのフレームの上面あるいは側面に固定的に取り付けられているため、オイルヒーターの使用者が当該オイルヒーターの操作パネルを操作しようとする際には、操作パネルの正面側に回り込んで操作する必要があり、操作性に劣るという問題点があった。
【0004】
また、上記したような従来のオイルヒーターにおいては、当該オイルヒーターが倒れた場合に人体や器物あるいは床面などにぶつかると、フィン状管体の上部側に位置する角部により人体や器物あるいは床面などに損傷を与える恐れがあるという問題点もあった。
【0005】

なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の技術の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用者が操作パネルを操作する際の操作性を向上させたオイルヒーターを提供しようとするものである。
【0007】
また、本発明の目的とするところは、オイルヒーターが倒れた場合においても、フィン状管体の上部側に位置する角部により人体や器物あるいは床面などに損傷を与える恐れがないようにしたオイルヒーターを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、オイルヒーターのフレームに対して操作パネルを回転自在に配置するようにしたものである。
【0009】
また、本発明は、フィン状管体の少なくとも上部側に伸縮自在のガード部材を配置するようにしたものである。
【0010】

即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、操作パネルに配置された操作子の操作に基づいて、蓄熱不燃性オイルの加熱を制御することにより、室内の空気を暖めて暖房を行うオイルヒーターにおいて、蓄熱不燃性オイルを充填したフィン状管体と、上記フィン状管体を配置したフレームと、上記フレームに配置されるとともに、上記蓄熱不燃性オイルの加熱を制御するための操作子が配置された操作パネルとを有し、上記操作パネルを上記フレームに対して回転自在に配置したものである。
【0011】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記操作パネルを上記フレームの上面に回転自在に配置したものである。
【0012】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、蓄熱不燃性オイルの加熱を制御することにより、室内の空気を暖めて暖房を行うオイルヒーターにおいて、蓄熱不燃性オイルを充填したフィン状管体と、上記フィン状管体の少なくとも上部側に位置する領域に対して着脱自在に配置されたガード部材とを有するようにしたものである。
【0013】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1または2のいずれか1項に記載の発明において、上記フィン状管体の少なくとも上部側に位置する領域に対して着脱自在に配置されたガード部材を有するようにしたものである。
【0014】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、本発明のうち請求項3または4のいずれか1項に記載の発明において、上記ガード部材は、上記フィン状管体の膨張または収縮に応じて伸縮自在であるようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上説明したように構成されているので、使用者が操作パネルを操作する際の操作性が著しく向上するという優れた効果を奏する。
【0016】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、オイルヒーターが倒れた場合に、フィン状管体の上部側に位置する角部により人体や器物あるいは床面などに損傷を与える恐れがないという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。
【0018】

ここで、図1には本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例の上面斜視図が示されており、また、図2には本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例の下面斜視図が示されており、また、図3には本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例の側面図が示されており、また、図4には本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例のA矢視図(上面図)が示されており、また、図5には本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例のB矢視図(下面図)が示されている。
【0019】
このオイルヒーター10は、電源コード(図示を省略した。)を介して後述するヒーター(図示を省略した。)に電力が供給されて作動するものであり、側面視において下方側が開口した略コ字形状を備えたフレーム12の下面前方側の左右の位置に回転自在にそれぞれ配設された旋回式の前方キャスター14R、14L(前方キャスター14R、14Lは、上下方向に延長する軸周りに旋回可能である。)と、フレーム12の下面後方側の左右の位置に回転自在にそれぞれ配設された固定式の後方キャスター16R、16L(後方キャスター16R、16Lは、上下方向に延長する軸周りに旋回不能である。)と、略コ字形状のフレーム12の中央部に配置された鋼板により形成されている複数枚のフィン状管体18と、フィン状管体18内に配置されるとともにフィン状管体18内に充填された蓄熱不燃性オイルを加熱するヒーター(図示を省略した。)と、フレーム12の上面前方側に配置された各種操作子ならびに各種表示器が設けられた操作パネル20と、フィン状管体18の上部側に位置する角部に対応するフレーム12の側面上方部位の左右の位置にそれぞれ配置されたガード部材22R、22Lとを有して構成されている。
【0020】

ここで、図6にはオイルヒーター10における操作パネル20近傍を拡大して示した要部分解斜視説明図が示されており、また、図7にはオイルヒーター10における操作パネル20近傍を拡大するとともに一部を破断して示した要部断面説明図が示されている。
【0021】
これら図6ならびに図7に示すように、操作パネル20は、電源のオン/オフ操作を行う電源スイッチや温度設定スイッチあるいはタイマー設定ボタンなどの各種操作子ならびに各種表示器が配置された操作パネル基板20aと、操作パネル基板20aを支持する円筒形基台部20bと、円筒形基台部20bの下面に突設された回転軸部材20cとを有して構成されている。
【0022】
そして、こうした構成の操作パネル20を配置するために、フレーム12の上面前方部位には操作パネル受け部12aが形成されており、この操作パネル受け部12aは、円筒形基台部20bを配置するための支持部12aaと、回転軸部材20cを貫入させて回動自在に支持する軸受け部20abとを有して構成されている。
【0023】
なお、回転軸部材20cの下端部には、回転軸部材20cを軸受け部20abに貫入させた際に、軸受け部20abの下端部と係合して抜け止め防止の機能を発揮する突起部20caが形成されている。
【0024】

また、図8にはガード部材22Lの構成部材を分解した状態の分解斜視説明図が示されており、また、図9にはガード部材22Lの構成部材を組み付け途中の分解斜視説明図が示されており、また、図10(a)には構成部材を組み付けた状態のガード部材22LのD−D線による断面構成説明図が示されており、また、図10(b)には構成部材を組み付けた状態のガード部材22LのC矢視図が示されており、また、図11にはフィン状管体18にガード部材22R、22Lを取り付ける際の取り付け方法を示す斜視説明図が示されており、また、図12にはガード部材22R、22Lを取り付けていない状態のフィン状管体18の要部拡大斜視説明図が示されており、また、図13にはガード部材22R、22Lを取り付けた状態のフィン状管体18の要部拡大斜視説明図が示されている。
【0025】
なお、ガード部材22Rは、ガード部材22Lとは線対称となるように構成されているので、ガード部材22Lに関する構成の詳細な説明ならびに図示を援用することにより、その構成の詳細な説明ならびに図示は省略する。
【0026】

図8、図9ならびに図10(a)(b)に示すように、ガード部材22Lは、オイルヒーター10の前後方向に延長する略平板状の形状を備えたセンター部材30と、センター部材30の長手方向の一方の端部30aと他方の端部30bとにそれぞれ連接されるとともにオイルヒーター10の前後方向に延長する略平板状の形状を備えたサイド部材32、34と、センター部材30の端部30a側に形成された突部30aaに一方の端部36aを係止されるとともに他方の端部36bをサイド部材32に形成された突部32aに係止されたコイルスプリング36と、センター部材30の端部30b側に形成された突部30baに一方の端部38aを係止されるとともに他方の端部38bをサイド部材34に形成された突部34aに係止されたコイルスプリング38とを有して構成されている。
【0027】
なお、コイルスプリング36は、常時拡開する方向、即ち、相対的にサイド部材32をセンター部材30から離隔する矢印X(図8参照)方向に付勢するバネ力を備えている。
【0028】
同様に、コイルスプリング38は、常時拡開する方向、即ち、相対的にサイド部材34をセンター部材30から離隔する矢印Y(図8参照)方向に付勢するバネ力を備えている。
【0029】

次に、ガード部材22Lをより詳細に説明すると、センター部材30とサイド部材32とサイド部材34とは、上記したようにそれぞれ平板状の形状を備えているが、本明細書においては説明の便宜上、図9におけるC矢視において視認できる平板状の領域を表面と称し、当該表面の裏側に位置する平板状の領域を裏面と称することとする。
【0030】
センター部材30は、オイルヒーター10の前後方向に延長する両側端面に沿って裏面側に立ち上がり形成されたガイド部材30cを備えており、このガイド部材30cの先端部30caはセンター部材30の裏面と平行になるように屈曲形成されていて、センター部材30の裏面とガイド部材30cとによりガイド溝30cbが形成されている。
【0031】
また、突部30aaは、それぞれセンター部材30の裏面上に形成されており、突部30aaから端部30a側の端面30acにかけて、オイルヒーター10の前後方向に沿って延長する溝部30adが形成されている。そして、この溝部30ad内に、コイルスプリング36が配置されることになる。
【0032】
同様に、突部30baは、それぞれセンター部材30の裏面上に形成されており、突部30baから端部30b側の端面30bcにかけて、オイルヒーター10の前後方向に沿って延長する溝部30bdが形成されている。そして、この溝部30bd内に、コイルスプリング38が配置されることになる。
【0033】
一方、突部32aは、それぞれサイド部材32の表面上に形成されており、突部32aからセンター部材30側に位置する端面32bにかけて、オイルヒーター10の前後方向に沿って延長する溝部32cが形成されている。そして、この溝部32c内に、コイルスプリング36が配置されることになる。
【0034】
同様に、突部34aは、それぞれサイド部材34の表面上に形成されており、突部34aからセンター部材30側に位置する端面34bにかけて、オイルヒーター10の前後方向に沿って延長する溝部34cが形成されている。そして、この溝部34c内に、コイルスプリング38が配置されることになる。
【0035】
また、センター部材30とサイド部材32とは、サイド部材32のセンター部材30側に位置する領域32dが、センター部材30の裏面とサイド部材32の表面とを当接するようにしてガイド溝30cb内に摺動自在に配置されるように寸法設定されている。
【0036】
同様に、センター部材30とサイド部材34とは、サイド部材34のセンター部材30側に位置する領域34dが、センター部材30の裏面とサイド部材34の表面とを当接するようにしてガイド溝30cb内に摺動自在に配置されるように寸法設定されている。
【0037】
さらに、サイド部材32のセンター部材30とは離隔した方向の端面32dには、フレーム12とフィン状管体18の当該フレーム12に隣接する部位18aとの間に嵌め込むための嵌め込み突部32eが、裏面側に立ち上がり形成されている。
【0038】
さらに、サイド部材34のセンター部材30とは離隔した方向の端面34dには、フレーム12とフィン状管体18の当該フレーム12に隣接する部位18aとの間に嵌め込むための嵌め込み突部34eが、裏面側に立ち上がり形成されている。
【0039】
なお、符号40、符号42ならびに符号44は、それぞれセンター部材30、サイド部材32ならびにサイド部材34の強度を確保するための補強用のリブを示している。
【0040】

そして、上記した各構成部材を備えたガード部材22R、22Lは、コイルスプリング36の端部36aを突部30aaに係止し、かつ、コイルスプリング36の端部36bを突部32aに係止するとともに、溝部30adおよび溝部32c内にコイルスプリング36を配置するようにして、サイド部材32の領域32dをセンター部材30の裏面とサイド部材32の表面とが当接するようにガイド溝30cb内に配置し、また、コイルスプリング38の端部38aを突部30baに係止し、かつ、コイルスプリング38の端部38bを突部34aに係止するとともに、溝部30bdおよび溝部34c内にコイルスプリング38を配置するようにして、サイド部材34の領域34dをセンター部材30の裏面とサイド部材32の表面とが当接するようにしてガイド溝30cb内に配置することにより組み付けられる。
【0041】
こうして各構成部材を組み付けられたガード部材22R、22Lにおいては、コイルスプリング36の付勢力により、サイド部材32はセンター部材30から相対的に離隔する矢印X(図8参照)方向に付勢されているが、使用者がコイルスプリング36の付勢力に抗して当該コイルスプリング36を圧縮しながらサイド部材32の領域32dをセンター部材30内に押し込むことができ、全体として伸縮自在となるようように、各構成部材の寸法ならびにコイルスプリング36の付勢力が設定されている。
【0042】
同様に、各構成部材を組み付けられたガード部材22R、22Lにおいては、コイルスプリング38の付勢力により、サイド部材34はセンター部材30から相対的に離隔する矢印Y(図8参照)方向に付勢されているが、使用者がコイルスプリング38の付勢力に抗して当該コイルスプリング38を圧縮しながらサイド部材34の領域34dをセンター部材30内に押し込むことができ、全体として伸縮自在となるようように、各構成部材の寸法ならびにコイルスプリング38の付勢力が設定されている。
【0043】
従って、フレーム12に対してガード部材22R、22Lを取り付ける際には、使用者は、コイルスプリング36の付勢力に抗して当該コイルスプリング36を圧縮しながらサイド部材32の領域32dをセンター部材30内に押し込むとともに、コイルスプリング38の付勢力に抗して当該コイルスプリング38を圧縮しながらサイド部材34の領域34dをセンター部材30内に押し込むようにして、嵌め込み突部32eと嵌め込み突部34eとをフレーム12とフィン状管体18の当該フレーム12に隣接する部位18aとの間に嵌め込む(図11乃至図13参照)。
【0044】
こうして嵌め込み突部32eと嵌め込み突部34eとがフレーム12とフィン状管体18の当該フレーム12に隣接する部位18aとの間に嵌め込まれた後は、コイルスプリング36の付勢力によりサイド部材32がフレーム12に対して押しつけられ、また、コイルスプリング38の付勢力によりサイド部材34がフレーム12に対して押しつけられるため、ガード部材22R、22Lがフレーム12から落下することが防止される。
【0045】

なお、フレーム12、フィン状管体18ならびにガード部材22R、22Lは、例えば、金属材料に形成することが好ましい。
【0046】

以上の構成において、本発明によるオイルヒーター10においては、使用者が操作パネル20に配置された電源スイッチをオン操作して電源の投入を指示すると、電源コードを介してヒーターに電力が供給されてヒーターが加熱され、このヒーターの加熱によりフィン状管体18内に充填された蓄熱不燃性オイルが加熱されることになって、これにより室内の空気を暖められて当該室内が暖房される。
【0047】

ここで、使用者は、操作パネル20に配置された各種表示器の表示内容などを参照しながら、操作パネル20に配置された各種操作子の操作を行って、上記した電源スイッチのオン/オフ操作や温度設定操作あるいはタイマー設定操作などを行うものであるが、オイルヒーター10においては、フレーム12の上面に配置された操作パネル20が、軸受け部20abに回転軸部材20cを貫入させることにより、図14に示すようにフレーム12に対して回転自在であるため、使用者がオイルヒーター10の周囲を移動することなく操作パネル20を回転するのみで、操作パネル20に配置された各種表示器の表示内容の確認や各種操作子の操作を容易に行うことができる。
【0048】
即ち、一般に、オイルヒーターは、長手方向が壁と平行になるように配置される場合が多いものであるが、本発明によるオイルヒーター10においては、長手方向(前後方向)が壁と平行になるように配置されても、操作パネル20を回転することができるため、使用者は壁が邪魔にならずに極めて容易に操作パネル20に配置された各種表示器の表示内容の確認や各種操作子の操作を行うことができる。
【0049】

また、このオイルヒーター10においては、図15および図16に示すような操作案内のための音声ガイダンスを生成するための回路構成を備えており、使用者が操作パネル20に配置された各種操作子の操作を行うと、図15および図16に示すような操作案内のための音声ガイダンスが流れるので、使用者は音声ガイダンスを聴きながら操作を行うことができ、使用者は各種の操作を迷うことなく行うことができる。
【0050】
なお、上記回路構成には、音声ガイダンスが必要ない場合における音声ガイダンスを切断するための回路も組み込まれている。
【0051】

また、オイルヒーター10の移動などの際に、オイルヒーター10が万一倒れた場合でも、フィン状管体18の上部側に位置する角部に対応するフレーム12の側面上方部位の左右の位置にガード部材22R、22Lがそれぞれ配置されているので、フィン状管体18の上部側に位置する角部と人体や器物あるいは床面などが直接に当接することがなく、フィン状管体18の上部側に位置する角部により人体や器物あるいは床面などに対して損傷を与える恐れがない。
【0052】
ここで、嵌め込み突部32eと嵌め込み突部34eとをフレーム12とフィン状管体18の当該フレーム12に隣接する部位18aとの間に嵌め込むことにより、ガード部材22R、22Lはフレーム12に対して取り付けられているため、使用者がフレーム12に取り付けられた状態のガード部材22R、22Lを持って引っ張った際には、ガード部材22R、22Lはフレーム12から簡単に外れることになる。
【0053】
このため、使用者が誤ってガード部材22R、22Lを持って引っ張ったとしても、フレーム12からガード部材22R、22Lのみ外れて、オイルヒーター10全体が転倒することはない。
【0054】
また、一般に、オイルヒーターにおいては、通電により蓄熱不燃性オイルが加熱されるとフィン状管体やフレームが膨張してオイルヒーター全体が伸びるものである。
【0055】
即ち、このオイルヒーター10においても、通電により蓄熱不燃性オイルが加熱されるとフィン状管体18やフレーム12が膨張してオイルヒーター10全体が長手方向(前後方向)に伸びることになるが、このようにオイルヒーター10全体が長手方向(前後方向)に伸びた際にも、ガード部材22R、22Lにおいては、コイルスプリング36の付勢力により、サイド部材32がセンター部材30から相対的に離隔する矢印X(図8参照)方向に付勢されているとともに、サイド部材34がセンター部材30から相対的に離隔する矢印Y(図8参照)方向に付勢されており、コイルスプリング36の付勢力によりサイド部材32がフレーム12に対して押しつけられ、また、コイルスプリング38の付勢力によりサイド部材34がフレーム12に対して押しつけられることになって、ガード部材22R、22Lがフレーム12から落下することはない。
【0056】

また、オイルヒーター10においては、フィン状管体18にガード部材22R、22Lがそれぞれ配置されているため、オイルヒーター10の周囲にいる人たちがうっかりフィン状管体18に触れてしまうことをガード部材22R、22Lにより防ぐことができ、人体が加熱されたフィン状管体18に触れることによるヒートショックや火傷の発生を未然に防止することができる。
【0057】

さらに、このオイルヒーター10においては、前方キャスター14R、14Lを旋回式とするとともに、後方キャスター16R、16Lを固定式としたため、移動が極めて容易になった。
【0058】
即ち、従来のオイルヒーターのキャスターは前後とも旋回式にするか、あるいは、前後とも固定式にする構成が一般的であった。
【0059】
このため、前後とも旋回式のキャスターの場合には、オイルヒーターの前側を引っ張って移動する際には、オイルヒーターの後側がふらつきやすくなって転倒する恐れがあるということが指摘されていた。
【0060】
一方、前後とも固定式のキャスターの場合には、移動の際にはオイルヒーター全体を持ち上げないと方向転換をできないということが指摘されていた。
【0061】
しかしながら、オイルヒーター10は、前方キャスター14R、14Lを旋回式とするとともに、後方キャスター16R、16Lを固定式としたので、オイルヒーター10を移動する際に安定して移動することができるとともに、方向転換も容易に行うことができる。
【0062】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(3)に説明するように変形してもよい。
【0063】
(1)上記した実施の形態においては、ガード部材22R、22Lをフィン状管体18の上部側に位置する角部に対応する領域についてのみ配置したが、これに限られるものではないことは勿論であり、フィン状管体18の上部側に位置する角部に対応する領域に加えて、フィン状管体18の下部側に位置する角部に対応する領域や、あるいはフィン状管体18全体を覆うようにガード部材22R、22Lを配置してもよい。
【0064】
(2)上記した実施の形態においては、オイルヒーター10の上面に回転可能に操作パネル20を設けたが、これに限られるものではないことは勿論であり、オイルヒーター10の側面に回転可能に操作パネル20を設けるようにしてもよい。
【0065】
(3)上記した実施の形態ならびに上記した(1)〜(2)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、室内や屋内を暖房する際に利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例の上面斜視図である。
【図2】図2は、本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例の下面斜視図である。
【図3】図3は、本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例の側面図である。
【図4】図4は、本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例のA矢視図(上面図)である。
【図5】図5は、本発明によるオイルヒーターの実施の形態の一例のB矢視図(下面図)である。
【図6】図6は、オイルヒーターにおける操作パネル近傍を拡大して示した要部分解斜視説明図である。
【図7】図7は、オイルヒーターにおける操作パネル近傍を拡大するとともに一部を破断して示した要部断面説明図である。
【図8】図8は、ガード部材の構成部材を分解した状態の分解斜視説明図である。
【図9】図9は、ガード部材の構成部材を組み付け途中の分解斜視説明図である。
【図10】図10(a)は、構成部材を組み付けた状態のガード部材のD−D線による断面構成説明図であり、また、図10(b)は、構成部材を組み付けた状態のガード部材22LのC矢視図である。
【図11】図11は、フィン状管体にガード部材を取り付ける際の取り付け方法を示す斜視説明図である。
【図12】図12は、ガード部材を取り付けていない状態のフィン状管体の要部拡大斜視説明図である。
【図13】図13は、ガード部材を取り付けた状態のフィン状管体の要部拡大斜視説明図である。
【図14】図14は、オイルヒーターにおける操作パネルを回転した状態を示す説明図である。
【図15】図15は、オイルヒーターにおける音声ガイダンスの内容を示す図表である。
【図16】図16は、オイルヒーターにおける音声ガイダンスの内容を示す図表である。
【符号の説明】
【0068】
10 オイルヒーター
12 フレーム
14R、14L 前方キャスター
16R、16L 後方キャスター
18 フィン状管体
20 操作パネル
22R、22L ガード部材
30 センター部材
32、34 サイド部材
36、38 コイルスプリング
40、42、44 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルに配置された操作子の操作に基づいて、蓄熱不燃性オイルの加熱を制御することにより、室内の空気を暖めて暖房を行うオイルヒーターにおいて、
蓄熱不燃性オイルを充填したフィン状管体と、
前記フィン状管体を配置したフレームと、
前記フレームに配置されるとともに、前記蓄熱不燃性オイルの加熱を制御するための操作子が配置された操作パネルと
を有し、
前記操作パネルを前記フレームに対して回転自在に配置した
ことを特徴とするオイルヒーター。
【請求項2】
請求項1に記載のオイルヒーターにおいて、
前記操作パネルは、前記フレームの上面に回転自在に配置した
ことを特徴とするオイルヒーター。
【請求項3】
蓄熱不燃性オイルの加熱を制御することにより、室内の空気を暖めて暖房を行うオイルヒーターにおいて、
蓄熱不燃性オイルを充填したフィン状管体と、
前記フィン状管体の少なくとも上部側に位置する領域に対して着脱自在に配置されたガード部材と
を有することを特徴とするオイルヒーター。
【請求項4】
請求項1または2のいずれか1項に記載のオイルヒーターにおいて、さらに、
前記フィン状管体の少なくとも上部側に位置する領域に対して着脱自在に配置されたガード部材と
を有することを特徴とするオイルヒーター。
【請求項5】
請求項3または4のいずれか1項に記載のオイルヒーターにおいて、
前記ガード部材は、前記フィン状管体の膨張または収縮に応じて伸縮自在である
ことを特徴とするオイルヒーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−186129(P2009−186129A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28673(P2008−28673)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(397067314)オカダジーエージェイ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】