説明

オゾンガス溶解による水質浄化装置

【課題】従来、オゾンガスを被処理水中に放出する水質浄化法は、溶解量は僅かで大部分が非溶解ガスとして外部へ放散して無駄ガスとなる課題があった。他方、高効率の溶解法もあるが多くの動力・設備と動力コスト高の壁があった。ここに、小設備、小電力でオゾンガスの供給量を削減しても溶解量を数倍高める安価なオゾン溶解技術を提供する。
【解決手段】気液ポンプでオゾンガス約60%と汚水約40%を気液二相流で圧送して、圧送の途上の気液混合で溶解液化を促進させる、その後、気液分離装置で気液を分離してオゾン溶解水は汚水中へ放流・拡散させるとともに、非溶解のオゾンガスは放散させることなく、ポンプ室内へ何度も返送して溶解液化を図るもので、気液撹拌、気液圧送、気液分離、オゾンガス溶解、放流、汚水のエアリフト、返送、この全作業を、一つの動力で達成可能にして、新規オゾンガスの供給量を従来の数分の一でも同一効果を発揮する新技術による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオゾンガスを水中に溶解液化することで水質を浄化する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業から発生する汚水(被処理水)浄化や、赤潮、アオコ防止技術にも『オゾン』の活用が期待されているがオゾンは生成、溶解のコスト高、短寿命、溶解度が低い等の欠点から汎用化は遅れている。
【0003】
オゾンガスの主な溶解法にはバブリング式、エジェクター式、ミキシング式、マイクロバブル式があるが、いずれも低高率、または設備のコスト高の壁がある。例えばパブリング式では水中溶解割合は数%で、残りの約9割超は溶解せずに無駄ガスとなって大気中に放散される欠点があった。他の方式も無駄ガスは数十%であり、設備、動力のコスト高で汎用化は遠い。
【0004】
無駄ガスの削減こそ、設備、動力、メンテナンスを最小にする技術であり、その技術の出現が待たれていた。
【0005】
さらに従来の方式は、騒音・振動を伴う場合が多く近隣民家の近辺では公害を起こす場合も起きていた、送気、送水、撹拌混合、圧送、と多くの動力を必要として振動・騒音が大きい課題があつた。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献】
【0007】
本発明の基幹である『気液ポンプ』関連の文献は以下の通り。
【特許文献1】特許3158358号『気液巻体ポンプ装置』
【特許文献2】特許3184960号『気液ポンプ装置』
【特許文献3】特許3254628号『パイプ内曝気装置』
【特許文献4】特許3341111号『深底資源吸引揚装置』
【特許文献7】特開2004−105935号『水中外気液分離装置』
【特許文献8】特開2008−126225号『水陸自在気液分離装置』
【特許文献9】特開2002−205088号『水陸自在気液分離装置』
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】《技術士(社)日本技術士会誌》2000年8月号『もう一つのポンプ技術』吉岡健・論文発表
【非特許文献2】《混相流・日本混相流学会誌》2002年3月号『新機種・混相流ポンプの紹介』吉岡健・論文発表
【非特許文献3】《日本機械学会2003年度年次大会》2003年8月『巻体式ポンプによるCO2ガスの溶解液化と深海放流』吉岡健・講演及び論文発表
【非特許文献4】《農業土木学会誌・(社)農業土木学会》2005年3月号『新・無動力ポンプの紹介』吉岡健・論文発表
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、被処理水(汚水)中へオゾンガス溶解に数%の溶解と、9割超の無駄ガス発生の現状課題を解決するため、従来溶解の低効率を、数倍向上させる技術の開発にある。
【0010】
さらに本発明は、設備費、動力費を増加させないため、従来のバブリング式、エジェクター式、マイクロバブル式を使わないで、動力一つで従来の数倍向上させる技術の開発にある。
【0011】
最後に本発明は、従来に比べて無騒音、無振動的に稼働する技術の開発にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1〜請求項3を概略表現すると、以下の3点にある。
▲1▼ 気液ポンプを使用して非溶解のオゾンガスを何回も繰返し使用して溶解率を高める技術、
▲2▼ 全作業を、気液ポンプの動力一つで可能な技術である、(従来のエジェクターもコンプレッサーもマイクロバブルも必要としない)
▲3▼ 無騒音、無振動的に稼働して近隣公害のきわめて少ない技術である。
【0013】
本発明は課題を解決するため具体的には、請求項1に記載のとおり、ポンプ室1内に気液ポンプ2を稼働可能に置いて、気液ポンプ2から気液圧送管3を外部の被処理水4へ敷設して圧送可能に設置する、被処理水4に気泡収集装置5を設けて気体返送管6からポンプ室1へ接続する、外部からオゾンガス供給口8を設けてポンプ室1へオゾンガス注入を可能にする、被処理水4に液体返送管7を設けてポンプ室1へ汚水を自動返送可能に接続する、ポンプ室1の上部に余剰気体放散装置14を設ける、以上の構成として、気液ポンプ2の稼働で汚水とオゾンガスを気液ポンプ2内に汲み込んで気液ポンプの全ホースを通過する、気液は気液ポンプ2から気液圧送管3を通過して被処理水4内へ至り気液を放流する、気液ポンプ2内と気液圧送管3を通過する途上で気液は加圧状態で撹拌混合されてオゾンガスは溶解する、気液の圧送でポンプ室1内の汚水は水位低下するため自動的に被処理水4から汚水は汚水返送管7を経てポンプ室1内へ流入する、オゾンガスは外部のガス供給口8ら供給される、濃度が低下したオゾンガスはポンプ室1の余剰気体放散装置14から外部へ放散するもので、気液の混合圧送、放流、汚水自動返送、ガス供給、余剰気体放散、の同時作業の継続で被処理水4はオゾンガス溶解により水質浄化が促進されることを特徴とすることを特徴とするものである。
【0014】
さらに本発明は課題を解決するため具体的には、請求項2に記載のとおり、気泡収集装置5を取りやめて、気液圧送管3に気液分離装置9を接続する、気液分離装置9に液体放流管10と気体返送管6を接続して気液を分離する、液体は液体放流管10から被処理水4へ放流して、気体は気体返送管6からはポンプ室1へ返送することを特徴とするものである。
【0015】
さらに本発明は課題を解決するため具体的には、請求項3に記載のとおり、気泡収集装置5および気体返送管6をやめて、気液圧送管3に気液分離装置9を接続して被処理水4の汚水中に設置する、気液分離装置9に液体放流管10、エアリフト管11と気液返送管12、吸引装置13を付設して、気液返送管12をポンプ室1へ接続する、気液圧送管3からの気液は気液分離装置9に入って気液は分離する、液体は液体放流管10から被処理水4内へ放流する、気体はエアリフト管11を上昇して吸引管13から汚水(被処理水)をエアリフトで引上げて気液流となって気液返送管12を経てポンプ室1内へ返送することを特徴とするものである。
【0016】
請求項1は、概略表現すると、気液ポンプ2から、オゾンガス、汚水の混合気液を圧送して、圧送途上でオゾンガスを溶解させて、気液とも被処理水4へ放流する、この放流された気体を気泡収集装置5で集めて気体返送管6からポンプ室1へ返送して繰返し利用することで被処理水4への溶解度を高めるものである。
【0017】
請求項2は、概略表現すると、気液ポンプ2から、オゾンガス、汚水の混合気液を圧送して、陸上または水面付近に気液分離装置9を置いて気液分離した後、液体は被処理水4へ放流するとともに、気体(非溶解オゾンガス)は気体返送管6からポンプ室1へ返送することで繰返し使用して被処理水4への溶解度を高めるものである。
【0018】
請求項3は、概略表現すると、気液ポンプ2から、オゾンガス、汚水の混合気液を気液圧送管3から気液分離装置9へ圧送する、気液分離装置9は被処理水4の水中または水底に置いて気液分離して、液体は被処理水4へ放流して、気体(非溶解オゾンガス)はエアリフト管11で汚水とともに上昇して気液混合で気液返送管12からポンプ室1へ返送することで繰返し使用して被処理水4への溶解度を高めるものである。
【0019】
請求項1〜請求項3に記載する液体返送管7の役割は、ポンプ室1内の汚水量が常に適切に確保するためを設けるものである。液体返送管7は被処理水4とポンプ室1は図1〜図3で表示のとおり水面下のパイプで接続している、また、図4の通り逆サイフォン方式の接続も可能で設備簡単で低コストで実用的である。
【0020】
請求項1〜請求項3は、気液ポンプの動力源は一つでも全ての作業を達成できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、従来のバブリング方式(数%溶解、9割以上を放散)に比べて圧送したガスで非溶解ガス全量をリターン(循環使用)するため、無駄ガスは少なくなり、オゾンガスの新規供給量は従来の1/3〜1/10(オゾンガス濃度により異なる)で従来同等の溶解量が可能となる、すなわち、従来量のオゾンガスでも汚水への溶解量は従来の数倍の効果が発揮できる装置となった。
【0022】
本発明で気液ポンプの動力一つでも全作業が達成可能となった。 すなわち気液圧送、オゾンガス溶解、気液分離、気体返送(非溶解ガス)、溶解液の放流、汚水の返送供給、これらの全作業を、気液ポンプ一つの動力で可能となり、動力費は従来の数分の一に軽減可能となった。
【0023】
さらに本発明は『気液ポンプ』を使用することで一連の作業を無騒音・無振動的に稼働することを可能にしたため、民家の近隣で昼夜稼働も可能の範疇になった。
【0024】
さらに本発明は従来の主体技術、バブリング方式、エジェクター方式、マイクロバブル方式、ミキシング方式を使わず、気液ポンプの繰り返し圧送方式で、安価で高効率な溶解液化を可能にしたことで、多くの産業で排出できない汚水処理分野に安価で処理できる技術を提供した。
【0025】
世界の難題、赤潮、アオコの発生、 オゾン溶解水はこれら植物プランクトンの細胞膜を瞬時に破壊して死滅させるもので、低コストで汎用化時代の幕開けに貢献した。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の気液ポンプを被処理水面の付近に置いて、非溶解のオゾンガスを収集・返送して循環使用する説明図。
【図2】本発明の気液ポンプと気液分離装置を被処理水面付近に置いて、非溶解のオゾンガスを分離・返送して循環使用する説明図。
【図3】本発明の気液ポンプを水面付近に、水中・気液分離装置を被処理水中に置いて、非溶解のオゾンガスを分離して気液をエアリフト返送して循環使用する説明図。
【図4】本発明の気液ポンプを被処理水の外へ置いて、非溶解のオゾンガスを収集・返送して循環使用する説明図。
【図5】本発明の気液ポンプと気液分離装置を被処理水の外へ置いて、非溶解のオゾンガスを気液分離装置で分離・返送して循環使用する説明図。
【図6】本発明の気液ポンプを被処理水の外へおいて、水中・気液分離装置を被処理水中に置いて、非溶解のオゾンガスを分離して気液をエアリフト返送して循環使用する説明図。
【図7】本発明の液体返送管7を逆サイフォン式に設置した場合の、部分説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の最良の形態は、請求項3に記載する内容で、図6に記載の通りである。
【実施例】
【0028】
本発明の用語解釈を以下に示す、
『水質浄化』とは、通常の水質浄化の他、赤潮やアオコ類の防止技術も含まれる。
『気液』とは、気体と液体を意味して、気液流、気液二相流、気液混合流をも意味する。
『オゾンガス』はガスの代表語句で、ガス、オゾンガスまたは空気、酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、炭酸ガスにも適用できるものである。
『汚水』とは、汚水の他、液体を意味しており、淡水、塩水、温水、冷水、清水、赤潮やアオコにも適用できるものである、代表用語して汚水と記載したものである。
『空気』または『気体』とは、気体を意味して各種のガスを言う。
『液体』または『水』とは、各種の液体を意味して、汚水をも含む。
『ポンプ室1』とは、完全密閉式の場合もあるが、処理水の種類や処理方法によっては完全密閉でない場合もある、また、ポンプ室内は通常は大気圧下でよいが、気液の流出入に応じて多少の加圧、または減圧の状態にする場合もある。
図1〜図3に示すポンプ室1の設置には、固定設置の他、必要に応じて水面浮上式に設置する場合がある、他に、ポンプ室1内の気液ポンプ自体を水面浮上式に設置する場合もある、これは内部水位を自動的に適切水位に保持させるための設置方法である。(図示していない)
『気液ポンプ2』は、通常、気体約60%、液体約40%の気液割合で圧送するポンプで、通常、内部の巻きホース延長は5m〜40mが多く、ガスはこのホースを通過後に外部へ圧送される、空気の場合ホース延長約20mで溶存酸素は飽和状態まで溶解する。オゾンガスは酸素に比べて約10倍の水中溶解が可能となる。
『気液圧送管3』とは、気体と液体を混合状態で圧送するパイプまたはホースを言う。オゾンガスと、オゾン水の溶解した汚水の混合した気液流を言う。
『被処理水4』とは汚水の貯留所を含む汚水を意味し、工業、畜産、農業、水産、農産加工、乳業、医療の各分野から発生する汚水を含む、水槽、プール、池、タンク等の貯留汚水とともに、広くは湾内、湖沼、ダム、池、の赤潮、アオコを死滅させる水質浄化で、オゾン処理できる水の全てを言い、貯留された場所をも意味する。
『気泡収集装置5』とは、気液圧送管3の気液を被処理水4中に放流した後に、水中に放出後発生した気泡や、他に発生した気泡をも一緒に収集して気体返送管6へ送る装置。
『気体返送管6』は、図1、図4の気泡収集装置5からの気体、または図2、図5の気液分離装置9で分離した気体(ガス)のみをポンプ室1へ返送するパイプを言う。
『液体返送管7』は図7に示す通りで、気液ポンプの稼働でポンプ室1の汚水水位が低下するにつれて、自動的に汚水が被処理水4からポンプ室1へ移動して返送・補充されるパイプまたはホースを言う、図1〜図6の他、図7記載のとおり逆サイフォン式で接続する場合もある。図7記載の液体返送管7(逆サイフォン管)は図4〜図6に使用でき便利である。
『オゾンガス供給口8』とは、外部のオゾンガス施設(図示していない)からポンプ室1へオゾンガスを新規に供給する装置。
『気液分離装置9』とは、気液ポンプの圧送する気液混合流(気液二相流)を、通過させるだけで瞬時に気体と液体に分離する装置で、水面付近に設置式と水中式がある。
『放流管10』とは、気液分離装置9で分離した液体流を被処理水4中へ放流するパイプ。
『エアリフト管11』は、気液分離した気体の上昇力(エアリフト)を利用して液体を吸引して引上げるパイプを言う。
『気液返送管12』とは、図3に示す通り、エアリフト管11でエアリフトして汚水を引上げた気液をポンプ室1へ返送するパイプ。
『リターン』または『返送』とは、気液ポンプの稼働で気体または液体、または気液の混合流が、ポンプ室1へ移動することを言う。
『パイプ』『ホース』『管』の表現用語は同義と理解する。
『吸引管13』とは、気液分離装置に付設してエアリフトで汚水を吸引する装置。
『余剰気体放散装置14』とは、ポンプ室1内のガス濃度を保つため常にオゾンガスの新規供給が必要である、また返送ガスには他の不要ガスも混入して累積する、この不要ガス過多分を外部へ無害状態にして放散させるための放散装置が必要である、これら必要に応じて活性炭等の無害化の設備を含む余剰ガスの放散装置を含める場合もある。
【0029】
オゾンガス供給口8から供給する新規オゾンガスは重い(空気の1.5倍)ため、ポンプ室1内の水面付近に漂う、気液ポンプは常に水面付近の高濃度のオゾンガスを多く汲み込んで圧送する、低濃度ガスは上層に漂う傾向が起きるため余剰気体放散装置14はポンプ室1の上部に設ける。
【0030】
各パイプ設備には一般的に必要とされるものは図示、説明文のない場合でも本装置にも同様に設けるものとする、例えば必要箇所には開閉バルブ、吸引口には目詰まり防止のためのごみ除け装置、安全上必要な設備、電気関連設備等である。
【0031】
さらに本発明の基幹として使用する『気液ポンプ』の要点事項は以下に説明する。
▲1▼気液ポンプ2は平成13年5月11日特許登録済みで、工学図書にない新原理のポンプで、平成14年日本混相流学会で発表済みであるが、標準名も分類上の位置もまだ決まっていない、本発明の出願書類には、やむなく『気液ポンプ』名で記載するが、気液ポンプ名は発明者の商標で標準名ではない。
▲2▼気液ポンプは気液を混合(気液二相流)で送るポンプで、その気液比率は気体約60%、液体約40%である。この圧送途上で気体が液体中に自動溶解する特徴がある。
▲3▼気液ポンプは、一本の長いホース(又はパイプ)を多数リングに巻いた巻体を水面付近に設置して、ホースの一端を流入口とし、他方を回転軸の内部に接続して通過させた後、外部の圧送管へ接続するもので、巻体の回転で流入口から気体と液体を交互に汲み込んで各巻リング内を通過して順次圧力を高めて最終のリングで最大圧力になって外部へ圧送する気液二相流のポンプである。(従来のポンプに必要とした羽根、歯車、ピストン、スクリュー等の内部機器は一切必要とせず、呑口から吐口まで空洞でよいポンプである)
▲4▼気液ポンプは、従来ポンプの約1/100の低速回転(2〜60rpm)のため無騒音、無振動的に稼働する、通常は防音設備、防振設備は必要としない。
▲5▼ポンプの呑口(汲み込み口)から気液が入り、内部で圧送圧力が順次高まり最終の巻リングで最高圧となる。圧送圧力(揚程)は巻きホースの延長に比例して大きくなる。また、圧送量はホースの口径を大小に調節することで送る量の調節は可能である。揚程は通常、巻きホース延長の25%〜28%である。
気液ポンプはホースを巻いた巻体で構成されているため、気液混合でこのホース内を通過することでガスは液体中に溶解するものである、さらに気液圧送管3の通過でも空気と水を混合状態(気液二相流)で送るため、圧送途上で自動的にオゾンガスが汚水中に溶解して汚水を浄化するものである。
【0032】
請求項1および請求項4は、気泡収集装置5を設置して気液分離装置9を設けない方式である。
【0033】
請求項2および請求項5記載の気液分離装置9は、水面付近に設置して、分離した液体(オゾン溶解水)は被処理水4中へ放流するとともに、分離した気体(非溶解のオゾンガス)はポンプ室1へ返送して繰返し使用するものである。すなわち、非溶解オゾンガスは外部へ放散させずに全てをポンプ室1へ返送して繰返し使用するものである。
【0034】
請求項3および請求項6記載の気液分離装置9は、水中または水底に設置して、分離した液体を水中へ圧送するとともに、分離した非溶解の気体はエアリフト作用でエアリフト管11から汚水を引上げて気液混合流となって気液返送管12を経てポンプ室1へ返送するものである。この場合も非溶解オゾンガスは外部へ放散することなく全てを返送して繰返し使用するものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
池、沼、水槽等の水質浄化に使用する他、特に、食品加工、畜産業、農産業、水産業、先端技術工業、医療現場、から発生する廃水・汚水で、これらの業種では排水規制のため、外部へ排水できず自家蓄積で困っており、これを低コストで自家浄化する技術の出現を切望している、低コストで汚水中へオゾンを溶解させて、洗浄、殺菌、脱臭、色素類の脱色、分解等の浄化で、外部へ排水可能な水質に近づける技術として利用するものである。
本発明では、汚水浄化を中心に説明してきたが、湾、ダム、湖沼、池等の、赤潮やアオコ防止にも同手法で容易に利用分野を広げるものである。
【符号の説明】
【0036】
ポンプ室・・・・・1
気液ポンプ・・・・2
気液圧送管・・・・3
被処理水・・・・・4
気泡収集装置・・・5
気体返送管・・・・6
液体返送管 ・・・7
オゾンガス供給口・8
気液分離装置・・・9
放流管・・・・・10
エアリフト管・・11
気液返送管・・・12
吸引管・・・・・13
余剰気体放散装置・14

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ室1内に気液ポンプ2を稼働可能に置いて、気液ポンプ2から気液圧送管3を外部の被処理水4へ敷設して圧送可能に設置する、被処理水4に気泡収集装置5を設けて気体返送管6からポンプ室1へ接続する、外部からオゾンガス供給口8を設けてポンプ室1へオゾンガス注入を可能にする、被処理水4に液体返送管7を設けてポンプ室1へ汚水を自動返送可能に接続する、ポンプ室1の上部に余剰気体放散装置14を設ける、以上の構成として、気液ポンプ2の稼働で汚水とオゾンガスを気液ポンプ2内に汲み込んで気液ポンプの全ホースを通過する、気液は気液ポンプ2から気液圧送管3を通過して被処理水4内へ至り気液を放流する、気液ポンプ2内と気液圧送管3を通過する途上で気液は加圧状態で撹拌混合されてオゾンガスは溶解する、気液の圧送でポンプ室1内の汚水は水位低下するため自動的に被処理水4から汚水は汚水返送管7を経てポンプ室1内へ流入する、オゾンガスは外部のガス供給口8ら供給される、濃度が低下したオゾンガスはポンプ室1の余剰気体放散装置14から外部へ放散するもので、気液の混合圧送、放流、汚水自動返送、ガス供給、余剰気体放散、の同時作業の継続で被処理水4はオゾンガスの溶解により水質浄化が促進されることを特徴とする、オゾンガス溶解による水質浄化装置。
【請求項2】
気泡収集装置5を取りやめて、気液圧送管3に気液分離装置9を接続する、気液分離装置9に液体放流管10と気体返送管6を接続して気液を分離する、液体は液体放流管10から被処理水4へ放流して、気体は気体返送管6からはポンプ室1へ返送することを特徴とする、請求項1記載のオゾンガス溶解による水質浄化装置。
【請求項3】
気泡収集装置5および気体返送管6をやめて、気液圧送管3に気液分離装置9を接続して被処理水4の汚水中に設置する、気液分離装置9に液体放流管10、エアリフト管11、気液返送管12、および吸引装置13を付設して、気液返送管12はポンプ室1へ接続する、気液圧送管3からの気液は気液分離装置9に入って気液は分離する、分離した液体は液体放流管10から被処理水4内へ放流する、分離した気体はエアリフト管11を上昇して吸引管13から汚水(被処理水)をエアリフトで引上げて気液流となって気液返送管12を経てポンプ室1内へ返送することを特徴とする、請求項1記載のオゾンガス溶解による水質浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−223744(P2012−223744A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103839(P2011−103839)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(397073887)
【Fターム(参考)】